小説で印象に残ってる地の文ってある?

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:23:38

    自分はスレ画のラノベで
    父親に無理やり互いの眼球(右目)を交換させられた主人公が
    この巻のラストで父親にじわじわと侵食されながらも
    少しだけ前向きなことを考えているって描写で終わろうとした時に書かれた

    赤い右目が、蠢いている。
    ぎちり、ぎちりと蠢いている。

    って文章が忘れられない

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:29:08

    さあ戦え。
    たった一人の少女の命と笑顔を守るために、右の拳を握り締めて。

  • 3121/10/25(月) 17:31:46

    >>2

    禁書は読んでないけどかっこいいね。いかにも主人公って感じがする

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:33:34

    >>2

    10巻近い迷走と苦悩の果てにものすごくシンプルで彼らしい答えに辿り着くのがこの一節だから本当にカタルシスが凄い

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:34:34

    オ父サマ。オ母サマ。ボクタチ兄ダイハ、ナカヨク、タッシャニ、コノシマニ、クラシテイマス。ハヤク、タスケニ、キテクダサイ。

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:34:44

    餓狼伝で松尾象山が出るたびに毎回入る「何もかもが太い〜」って説明

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:35:12

    ノベルゲームでもいい?

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:35:50

    〜だったのだった。

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:36:08

    >>2

    ここ震えるほどカッコいい

  • 10121/10/25(月) 17:36:55

    >>5

    検索したらあのドグラマグラ作者の小説か。それだけでなんか怖い


    >>6

    そういうお約束なのもいいね


    >>7

    何でもええで

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:36:55

    そういうことになった。

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:37:15

    地の文というか章タイトル部分にあったやつだけど

    ほめられたいよ

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:38:36

    >>10

    それは、至高。

    それは、最強。

    それは、究極。

    それ以外に、形容すべき言葉無し。

  • 14二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:42:53

    >>12

    賞タイトルに凝ってるのもいいよね。作者のセンスが出るわ


    >>13

    とにかく強いってのが伝わってくる

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:44:00

    村は死によって包囲されている。

    開幕一行目でこれだからインパクト凄い

  • 16二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:45:52

    時に、残月、光冷ややかに、白露は地にしげく、樹間を渡る冷風はすでに暁の近きを告げていた。人々はもはや、事の奇異を忘れ、粛然として、この詩人の薄幸を嘆じた。

  • 17二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:51:22

    >>11

    検索したら1988年から続いてる作品とか出てびっくりした


    >>15

    ちょっと前にスレイヤーズの一行目がすごいみたいな話が出てたの思い出したわ

    良い作品は一行目で引き込むのよね


    >>16

    山月記か。こういうのすらっと出せるのはかっこいいわ

  • 18二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:52:31

    命削って金を貯め、されど使う暇は無し

  • 19二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:56:59

    俺は子供じゃないのに。
    パウロは父親だったのだ。

  • 20二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 17:58:01

    桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。

    この丁寧な語り口から延々恐ろしい話が続く

  • 21二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:01:12

    >>18

    金を稼ぐ時間と消費する時間ってなかなか釣り合い取れないのよねぇ


    >>19

    キャラが死ぬ周りの文章は印象に残ること多いよね


    >>20

    桜の森の満開の下。かな?後で読んでみるわ

  • 22二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:01:26

    世界(それ)が彼女の弩だった

    禁書で個人的にこれがかなり印象に残ってる
    神としてのスケールのデカさを端的かつ壮大に表してて好き

  • 23二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:04:01

    谷崎潤一郎の文章はつねづね美しいと思ってるんだけど「ここ!」って部分は難しいな…

    あの一見難解なようでするすると流れるように読める感覚は唯一無二

    谷崎潤一郎 春琴抄www.aozora.gr.jp

    「春琴抄」分かり易くて好きなのでおすすめ

  • 24二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:06:22

    「若い母親は青くなって、眼がつるし上って、物がいえなくなってしまった。一度女の児の側へ寄ったが、それっきりで後は少し離れた処から、立ったままただボンヤリとそれを見ていた。巡査が車の間から小さな血に染んだその死骸を曳き出す時でも、母親は自身とは急に遠くなった物でも見るような一種悽惨な冷淡さを顔に表して見ていた。そして母親は時々光を失った空虚な眼を物悲しげに細めては落着きなく人だかりを越して遠く自家の方を見ようとしていた」

    ちょっと長いけど
    志賀直哉の正義派という小説で、簡単に言うと女児が電車に跳ねられて死んだ場面なんだけど
    母親は娘が死んだ事に泣き出すわけでもなくて、ただただ現実を受けいれられないという様子を淡々と書かれて凄いリアリティがある

  • 25二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:07:23

    どうか、祈ろう
    今この瞬間——大切な人を抱きしめているオレは、微笑んでいるのだと
    彼女を大切にすると誓う、一人の若き学生であることを祈ろう
    優しく恵を抱きしめながら、オレはそう静かに願った

    祈りで始まって願いで締めるのがすごく好き

  • 26二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:07:25

    ニンジャスレイヤーは度肝を抜いたなぁ...

  • 27二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:07:32

    とにかく文章から壮大さを感じてすごい好き。特に逆行宇宙という単語がお気に入り。

    【すべての島宇宙、すべての星雲、すべてのエネルギーと多元時空間、超時空間をふくむ大宇宙が、それ自体ふくれ、成長し、進化しながら、さらにそれ自体としての限界をこえず、のたうちながら、もう一つの別な宇宙──その次元の断面が、超空間において、逆行宇宙として認識し得るもの──と、媾合(まぐあい)し、もだえながら、さらに第三の宇宙を──それは、この宇宙の限界をさらにこえた進化を可能にするような、別個の基本条件をそなえたものであろう──うみ出しつつあるさまを……。】

    「果てしなき流れの果に:小松左京」

  • 28二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:09:08

    >>27

    変換ミス。

    「果しなき流れの果に:小松左京」

  • 29二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:11:27

    >>22

    ううむ。すまんが正直よくわからん。禁書は完結したら読んでみたいとは思うんだが


    >>23

    読みやすいけど読むのに時間がかかりそうだ。あとで読んでみるわ


    >>25

    タイトルは聞いたことあるけど20巻も出てるのか。読んでみたい小説ばかりが増えていくな

  • 30二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:11:51

    ―黄色と、黒と、白と、赤。
    ―毒々しい班の情景を織り成しに、絹の様な女が人界に住まう。
    ―女は何尺も延びる爪を持っている。
    ―女は男女を狂わす妖しの術を持っている。

         女は

    ―冷たいコンクリートが嫌いではない。
    ―硝子の板を嫌いではない。
    ―ひとの手になるものの冷たさは、土の温もりよりも己に相応しいと微笑った。

        夜が来て

    ―真円の月の明かりが廊下をほの白く浸す。
    ―黒々とした山からくる風がグラウンドの砂利を吹き均す。
    ―その光景を、その音を、人は知らない。
    ―繰り返される夜はすべて女のもの。
    ―女は人知れずまやかしの糸を紡ぎ続ける。
         
      女が紡ぐ物語の名は。


    ノベルゲーでもいいとあったので
    上の地の文が流れるように表示されながら画像のタイトル画面出てくるの好きだった

  • 31二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:13:12

    >>14

    シルヴァリオ・ヴェンデッタっていう作品のヴァルゼライド閣下の形容です

    ここでもいくつかスレ建ってたかな

  • 32二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:13:27

    これまでの冷たい法則はもう通用しない。
    起きてしまった悲劇は修復できなくても、死んでしまった人はもう生き返らなくても。
    ここから先は上条当麻の右手が席巻する。


    禁書結構上がってるから便乗
    ひたすら焦らして焦らして焦らしてからのようやく真打ち登場って感じでここは滾った

  • 33二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:16:08

    >>26

    ニンジャスレイヤー。ノリと勢いは好きなんだけど凄く読みづらくて困る。書籍版なら読みやすいのかしら


    >>27

    媾合(まぐあい)って初めて見た。何を言ってるかはよくわからんがパワーを感じる


    >>30

    ノベルゲーは演出も含めて印象に残るの多いよね。最近は発売が減ってちょっと残念

  • 34二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:18:20

    モトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)
    パースエイダー(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)

    キノの話で開始1ページに絶対出てくるこれ

  • 35二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:23:56

    >>31

    ゲームなのね。最近新規のノベルゲ―やってないからプレイしてみようかしら


    >>32

    禁書は計54巻?も出てるだけあって名言も多そうね

    終わったら読もうとか思ってたら100巻ぐらい出てそう


    >>34

    あー。なんか覚えてるわ。知ってるよ!って言いたくなった覚えが

  • 36二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:28:35

    それ以前、Sがラウチに会いに来たときがあったが、ラウチには思い出せなかった。Sに会ってまもなく、ラウチはしばらく死んでいたのである。この一件も含め、いくつかの出来事は失われてしまっていた。ラウチがふたたび生きはじめると、死に至る直前の一時期が不明になっていることが徐々に判明したのである。

    よくあることです、と彼らは請けあった。心配には及びません。簡単に修正できます。

    (収録作『彼ら』より)


    エヴンソンのこういう開幕から説明すべき部分をすっ飛ばしていく上に結局よくわらんまま終わるスタイル好き

  • 37二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:30:03

    視覚的に不明瞭なものの描写は文章が一番表現できると思う

    中略

  • 38二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:34:31

    >>36

    まさに説明すべき部分をすっ飛ばしていく上に結局よくわらんまま終わるスタイルって感じの文章・・・

    海外小説っぽいけどこういうのって訳者の技量も試されそうね


    >>37

    文章だとはったりが効くのよね。アニメ化でなんかイメージと違うってなることもちらほら

  • 39二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:38:10

    アトラク=ナクアの地の文は気に入ってる文章が多かった

    演出は1997年代のゲームだから殆ど無いけどテキストとBGMとわずかなSEだけで満足度が高かった

    特に下のシーンの戯れで付き合ってたはずのヒロインに本性である蜘蛛の化け物の姿を見せたくなくて、あえて戦闘力の劣る人の姿で勝てるはずのない宿敵との決戦に向かう時の心情描写が好き


  • 40二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:42:01

    血も流す。命も賭ける。
    そんな自分に対する誓いを、これまで何度となく破り続けてきた。しかし、今度こそは最後までやろうと思う。今度こそは口先だけの空威張りではなく、自分の言葉と決意に最後まで殉じよう。
    覚悟を決めた。世界を滅ぼそう。

  • 41二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:46:52

    >>39

    昔のゲームは性能で盛れない分細かいところに気を使ってたりするよね

    アリスソフトはいろいろフリー化してくれるのがありがたい。全然プレイできないけど


    >>40

    イリヤの空かな?ほとんど忘れたけど読み終わって妙に落ち込んだのを覚えてる

  • 42二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:47:25

    地の文がやたら変な物の例え方するなと思ってたら
    それ自体が伏線になってたのははえーすっごい…ってなった

    ネタバレになるから詳細は言えないけど

  • 43二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:57:18

    やがて夜市は完全に遠い秋の夜の夢になる。
    それが彼女に再び巡るそのときまで。

    シンプルだけどすごく好きな文

  • 44二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 18:58:37

    いつも影のように彼はいた、一歩下がって黄金を立て、その輝きに紛れながら捉え所のないモノで在り続けた
    しかしその実、追従していたのはどちらの方か。この影は破壊の光によって生じたモノでは断じて無い。
    光源は遥か上、視認すれば目が潰れる暗黒の太陽として、宙の果てに居たのである。
    そしてようやく、今ついに、己がそこに並んだのだとラインハルトは実感する。ならば後は乗り越えるだけだろう
    踏破するに足る山を、打破困難な障害を
    それこそが追い求めた全力の時。溢れる飢餓を満たす瞬間に他ならない。

  • 45二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:00:15

    恥の多い生涯を送って来ました。

  • 46二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:01:03

    >>42

    もしかして某双六のエロゲ?

  • 47二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:03:18

    >>42

    叙述トリック系の小説やゲームは勧めづらくて困るよね


    >>43

    ホラーはちょっと苦手なんだよなぁ。でもなんかきれいな感じがする


    >>44

    ライバル対決的な感じなのかな?盛り上がりを感じる


    >>45

    この文章だけで大抵の人が作品が分かるって凄いよね

  • 48121/10/25(月) 19:04:28

    いろいろ作品上げてくれてありがとね。読む作品リストに入れとくわ
    レスは止めるけど以下適当に使ってくれるとありがたい

    あとスレ画は3巻まで主人公の人外ヒロインと堅物男が順調に関係を進めて
    6~9巻でどん底に落ちていって10巻で救いを見せて終わる作品なのでみんな良かったら読んで見てね

  • 49二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:04:59

    空に水。水に空。
    月の空には砕け散った海がある。

  • 50二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:05:14

    周知の通り、あの3人の賢者たちは、「東方」からやってきた。そして、爆弾炸太郎氏もまた、東方からやってきた。かがるがゆえに、炸太郎氏は賢者である──と、いったのでは、炸太郎氏の賢者たるゆえんを証明する根拠に不足があると申されるのならば、付け加えよう──炸の大将は、なにしろ、新聞の主筆であったのだ、と。
    (☓だらけの社説)

    頑固でキレやすい主人公の名前をTouch-and-go Bullet-head(ちょっと触れると爆発する弾丸頭)にしたポーもさることながらコレを爆弾炸太郎に訳す野崎孝のセンスよ

  • 51二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:06:28

    多分、その三日間は、
    俺が送るはずだった悲惨な三十年間よりも、
    俺が送るはずだった有意義な三十日間よりも、
    もっともっと、価値のあるものになるのだろう。

  • 52二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:11:20

    >>46

    ラノベだね

    最近アニメ化されたやつ

  • 53二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:11:53

    楽しいことばかりじゃないのに、辛いことのほうが多いのに、生きていてくれて本当にありがとう。

  • 54二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:16:53

    顔を上げ、口を開き、目を見開いて、立ち上がる切っ掛けをくれた人の名前を呼ぶ。

     諦めて足を止めたとき、それで終わりのはずがないと、教えてくれたことがあった。

     そのときにもらった力が、万人に届くべきだとナツキ・スバルは望むから。

  • 55二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:20:14

    早くも三年の月日が流れた。ある日ふと気が付くと、窓の虱(しらみ)が馬のような大きさに見えていた。占めたと、紀昌(きしょう)は膝を打ち、表へ出る。彼は我が目を疑った。人は高塔であった。馬は山であった。豚は丘のごとく、鶏は城楼(じょうろう)と見える。雀躍(じゃくやく)して家にとって返した紀昌は、再び窓際の虱に立向い、燕角(えんかく)の弧(ゆみ)に朔蓬(さくほう)のやがらをつがえてこれを射れば、矢は見事に虱の心の臓を貫らぬいて、しかも虱を繋いだ毛さえ断きれぬ。

    中島敦の名人伝より
    声に出して気持ちいい言葉遣いとテンポ

  • 56二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:21:15

    私の肉体は永久に貴方のものですから.......ペッペッ.......。

  • 57二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:21:31

    「お前は、馬鹿だ」

     忘れられるものかと、震える声で、スバルはそう呟いた。
     そして、自分の手の甲にくすぐったく触れるそれを拾い上げ、両手で包む。
     それをくすぐったく、こそばゆく思うように受け入れ、小さな、小さな蠍が震えた。

     その甲殻は赤く、目に鮮やかなぐらいに赤く、真っ赤で。


     ――それは、四百年の時でも色褪せさせられない、『愛』の色をしていた。

  • 58二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:30:57

    この熱い体も燃えるような気高い精神も、本当に死と共に砕け散ってしまうのだろうか。
    その儚さを思うと気が遠くなる。

    カクヨムの『獣の見た夢』という作品

  • 59二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:31:09

    シャンフロは主人公の一人称視点が多いから、主人公の熱量を直に感じられる文が多くて大好き

  • 60二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:31:26

    希望は……やはり、どこにもないのかもしれない。
    自分が探している希望は、誰からも、与えられないのかもしれない。
    それなら、それでいい。
    ならば。
    この俺が。

    希望になろう。

    これ最高にカッコよくて好き

  • 61二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:39:06

    たった一発の銃弾は今も洗面台の鏡の裏で、耕司に救済を約束してくれている。

    古い記憶だから細部は違うかもしれない

  • 62二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:42:25

    眼下に広がる超深奥より噴出したのは、邪神から零れた汚泥の波濤。
    急速に浮上してくる何者か。卵の殻が割れたかの如く、溜め込んだ邪性(なかみ)を垂れ流しに迫り来る濁流そのものを前に––––強く歯を食いしばる。
    今この瞬間、既に塗りつぶされそうになる黒(くろ)、暗(くろ)、闇(くろ)
    全身の毛穴が怖気立つ魔の襲来に抉じ開けられた。

    「来るか…」
    「来るか、来るか来るか––––来い!」

    ––––泥を撒き散らして上昇。
    ––––腐臭を充満させて強襲。

    不快嫌悪忌避後悔に錯綜する思考回路へ叩きつける邪の本流、喉を焼く胃酸を堪えて、特異点を満たす波動に魂震わせて対抗する


    セリフが混じってるけど、いい感じの厨二具合と極大にして最悪のクソ野郎って事がこれ以上無く表現されてて好き

  • 63二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:42:40

    >>2

    ここマジでカッコいい。


    あと新約9だと、「とどのつまり。世界(それ)が、彼女の弩(いしゅみ)だった」マジで震える。


    他にも、殺された上条が自分を殺したオティヌスの頬を撫でるシーン。「その顔を。その頬を、撫でるように。敗者のくせに、まるで泣いている子供の涙を親指を使って拭うように。冷徹な勝者にそんなものがあるはずがないのに。ただ汚れた血の跡がつくだけだというのに」

  • 64二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 19:58:23

     土柱の影が隠れて、頭上で翼が風を撃った。竜が翔んだ。
     六合上覧の第二試合が始まりを告げる。とても静かだった。

     全試合の内で最大規模の戦闘となったその試合は、同じく最強である者のどちらが勝者となったかを除いては、見る者の予想を、何一つ覆すことはなかった。
     即ちその戦いは、日没すら待たぬ内に、この地を永遠に壊滅させるものであった。
     最強という二文字の恐ろしさを、誰もが知る結末となる。

     星馳せアルス、対、冬のルクノカ。


    ラノベだけど異修羅の地の文で特に好きなやつ。

  • 65二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:00:58

    戦闘城塞マスラヲから一番好きなシーンを

    さあ、見せてやろう
    大会には敗れても、僕たちこそが最高のパートナーだったことを見せてやろう

    (YES、マスター……!)

    何が最古にして最強の神だ
    最新最高の神の力を見せてやれ
    あの日、僕たちが出会えたことは、何にも勝る奇跡だったと教えてやれ

    (YES、マイ・マスター!)

    そうだ。それでいい
    さようなら、ウィル子!
    本当に……ありがとう!

    「わあああああぁぁぁぁぁぁぁーー!!!!」

    新たな神の、それが産声

  • 66二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:06:50

    最高にくだらないことが起こった。私は泣き出していた。

    『八百万の死にざま』ローレンス・ブロック著、田口俊樹訳。

  • 67二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:16:29

    このレスは削除されています

  • 68二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:21:27

    東野圭吾より『白夜行』

    その後ろ姿は白い影に見えた。彼女は1度も振り返らなかった。

    800ページ越えの長編のラスト1文があまりにも切なくて忘れられない。この文章だけだと振り返らないことの何に切なさを感じるのか分からないと思うけど、それは是非とも本編を読んでみて、味わって欲しい!
    複雑ゆえに文章が印象に残ることもあるけど、シンプルゆえに頭をガツンと殴られる感じも文章ならではだと思う!

  • 69二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:35:38

    章タイトルとの合わせ技なので少し特殊だがダンまちから


    民衆、冒険者、モンスター、神々の視線の先
    少年はただ一人、破滅の中へ身を投じる
    『怪物』の少女を救うため、ベルは【ロキ・ファミリア】と対峙した

    十章 愚者

  • 70二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:36:11

    アァァァンが丸見え。イヤァァアンも丸見え。恐らくは存分にまいっちんぐされた後だろう。出所不明の体液にテカっている

  • 71二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:37:28

    ラストの一文と言えばこれ
    ホントはラスト3ページくらい全部好きだけど

    出会ったばかりのあの人がいれてくれた最後のコーヒーを、なつかしさと悲しさを同時にもたらす香りを、青緑色をしたカビのコロニーが浮かんだ液体を、ぼくは、そっと飲みほした。
    (「All You Need Is Kill」桜坂洋)

  • 72二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 20:40:16

    「下人の行方は、誰も知らない。」

  • 73二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 21:06:47

    断章のグリムのはりはりはりはりはり・・・・
    Gに○われる擬音とかどういう発想だよと思いました

  • 74二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 21:10:16

    春が二階から落ちてきた。

    小説の書き出しとしてこれに勝るものを未だ知らない

  • 75二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 21:18:36

    デモンベインの二丁拳銃クトゥグアとイタクァの描写とテンポが好き

     重厚なる黒。苛烈なる赤。装飾を施されながらも無骨。何より凶暴。
     前面下方に設置された弾倉に闘志を装填する破壊の象徴。
     自動拳銃(オートマチック)『クトゥグア』。

     精錬された銀。耽美なる銀。研ぎ澄まされた刃の如く美麗。何より冷酷。
     6ある弾倉の最下部より死を吐き出す殺意の象徴。
     回転式拳銃(リボルバー)『イタクァ』。

  • 76二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 21:24:05

    メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと決意した

    走れメロス自体は特別好きでも嫌いでもないけど、この最初の一文は間違いなく天才だと思う

  • 77二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 22:04:57

    >>74

    重力ピエロ良いよなぁー!終わりもこれで締められてんのが印象深い

  • 78二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 22:11:13

    ある春の日、俺は運命と出会った。

  • 79二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 22:13:53

    嘘だけど

  • 80二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 22:50:48

    静寂はむしろ歌うように

  • 81二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:04:30

    臥して怯え、座して死を待て雑兵ども。
    汝の眼前に立つは死にかけの獣に非ず。
    血に染まりし死の待ち人に非ず。
    古式銃を構え、影の弾丸を嚙み、戦慄と共に佇むその影は。
    紛れなき人外の徒なり。

    いざ声高らかに叫べ災厄よ。
    其は不退転の人ならざるもの、時と影の支配者(ドミニオン)。隣界の理を形作る一〇の一。
    名を、時崎狂三。史上最悪最恐最多の精霊にして、邁進する恋乙女である。
    「蹂躙して(もてあそんで)差し上げますわ。有象無象」

    (『デート・ア・バレット』より)

  • 82二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:10:54

    天がやれって言ったから!

  • 83二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:14:44

    息遣いが熱い。擦りつけられる額が、頬が熱い。きっと、彼女の瞳から流れ出している涙が、一番熱い。

     ――今だって、スバルは自分が好きにはなれない。嫌いなままだ。

     でも、そんなスバルを好きだと言ってくれた子がいるから。

     そんなスバルであっても、好きだと思ってもらいたい子がいるから。

     ――エミリア《きみ》を見てる。レム《きみ》が見てる。だから、俯かない。

    「――――」

     借り物の勇気だけど、この胸に抱く想いは本物だと信じられるから。

     ここから、ゼロから始めよう。

     ナツキ・スバルの物語を。


     ――ゼロから始める、異世界生活を。

  • 84二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:15:38

    奴は、父親だった。

     あいつは、ずっと父親だった。
     父親として数多の余計なことを抱え込みつつ、家族のために動き続けた。

     そして、最後に、俺をかばった。
     俺を自分の子供として、自分を父親として、かばった。
     命を挺して。
     当然のように。

     それで、死んだ。

     おかしい話だ。

     俺は子供じゃないに。
     パウロは父親だったのだ。

  • 85二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:18:31

    もう誰も、砂糖菓子の弾丸を撃たない。

    タイトルをここに持ってくるセンスよ

  • 86二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:19:31

    雷鳴はいよいよすさまじく、稲妻と雷鳴とのあいだが、なくなってきた。山かいの裂けそうな音である。
    二人の娘の真上に、近づいたようだ。
    杉山の木末が、雨にざわめき、稲妻のたびに、そのほのおは、地上までひらめき、二人の娘のまわりの、杉の木まで照らした。美しく真直ぐな幹のむれも、つかのま、不気味である。と思うまもなく、雷鳴である。
    川端康成 古都
    シンプルながら、幽玄なのに力強い自然の乱雑なエネルギーの放出を端的に表す美しい修辞だと思う

  • 87二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:20:08

    ――憎悪だけを理由に、自分を殺してくれる女の微笑は、血の色をしていた。

    リゼロIFストーリーの一文だけどめっちゃ好き

  • 88二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:25:55

    長い鯨幕が続いていた。

    麻耶雄嵩の夏と冬の奏鳴曲
    この最初の一文で引きこまれた

  • 89二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:30:41

    ――数十分ののちには、クリスは10体以上の人造吸血鬼を確保していた。
    吸血鬼殲滅部隊の人造吸血鬼は全25体。相手側の「駒」が少なくなれば、相手の得点力も減るが、こちらが尻尾を掴む確率も減る。ここからが本番だ。
    クリスは左拳を天に突き上げた。その手の甲に刻印された三角形の護符が発光し、空間に雷撃を放った。
    「〈雷石を投じ死に至らしめよ(ABRACADABRA)〉!!」と、不死の王は言った。
    シュア、と人造吸血鬼が一斉に呼気を漏らした。
    一瞬後、クリスとその配下の不死者たちは、目まぐるしくフォーメーションを展開し、赤と黒の乱気流となって市街を駆け抜けていった。

    古橋秀之の「ブライトライツ・ホーリーランド」。ビジュアルを想像させる力が凄い。

  • 90二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:35:17

     ――思ってしまっても、いいのだろうか。

     死にたくなんかないのだと。
     それしか方法がないと、諦めてしまいたくなんかないのだと。
     大切な人たちの未来を守るための、その礎になって消えていくのなんて嫌なのだと。

     守ることのできたその未来に、大切な人たちと一緒に、自分もありたいのだと。
     そんな風に思っても、いいのだろうか。

     俺に、その資格は、あるのだろうか?
     もしもあるなら――、

    「死にたく、ないよ……」

    リゼロ貼ってる人まあまあいるな 自分もだけど

  • 91二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:38:00

    「癈人」は、どうやらこれは、喜劇名詞のようです。眠ろうとして下剤を飲み、しかも、その下剤の名前は、ヘノモチン。
    いまは自分には、幸福も不幸もありません。
    ただ、一さいは過ぎて行きます。
    自分がいままで阿鼻叫喚で生きて来た所謂「人間」の世界に於いて、たった一つ、真理らしく思われたのは、それだけでした。
    ただ、一さいは過ぎて行きます。

    戯けて人の世に溶け込むしか選択肢がなかった男が自らを、「癈人」を、喜劇だと、嗤って茶化すしかない進退窮まったその生の寂寞をありありと感じさせる

  • 92二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:39:00

    >>12

    黒陽大好き

  • 93二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:41:17

    「やっと彼に会えるのね」
    彼女は病院の一室で嬉しそうに呟いた。

    一方その頃、僕は別の女の子とイチャついていた。


    昔ちらっとみたラノベのプロローグに書いてあった奴。タイトルが思い出せない……

  • 94二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:46:12

    DDDのシンカーVSスラッガーはホントに熱くて好き

    音が聞こえる。
    ここはとてもうるさい
    まるで炎天のフライパン。
    水色の地獄で、今日も私は孤立する。

  • 95二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:46:21

    >>91

    太宰の人間失格だね

    物悲しい皮肉ってどうしてこんなに人を惹きつけるんだろう?

  • 96二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:52:20

    「いつだって僕は、会ってうれしくもなんともない人に向かって「お目にかかれてうれしかった」って言ってるんだから。生きていたいと思えば、こういうことを言わなきゃならないものなんだ。」

    「神さまというのはきっと完全無欠に立派で公平な人格者で、
    強い者にも弱い者にも、お金持ちにも貧乏人にも、ただ平等に見守るだけで決してどちらか一方をえこひいきして手を差しのべるなんてことはしないのだ。
    なんてありがたいんだろう。死んじゃえ。」

    神の棘という小説で引用されていた詩篇
    「神へのいけにえは、砕かれたたましい。砕かれた、悔いた心。 神よ。あなたは、それをさげすまれません」

  • 97二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 00:07:57

    >>85

    これはタイトルの勝利よね。


    砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet


    これは表紙絵や挿絵ありの富士見ミステリー文庫版で読むべきだと思うんだけど

    いまとなっては富士ミス版こそ表紙詐欺のヘンな本扱いなんだろうなあ

    ググってもそんなに出てこないし

  • 98二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 00:22:24

    後半の「卑近な空間を持ち込むことに成功した」がすげえ好き
    でも、ここに繋げるまでに描写積み重ねないと印象が薄れるのよね

     曇天だった。ただし、その分厚い雲は、頭上ではなく眼下に広がっている。
     高度一万メートル。人類が到達して間もない新たな領域は、地上とはあらゆる意味でスケールが桁違いだ。広大であり、雄大であり、壮大であり、しかも美しい。己の卑小さを否応なく痛感してしまう。まるで、神の領域に土足で踏み込んでいるような、場違いな後ろめたさを感じた。
     ましてや、自分たちの目的は殺し合いだ。
     アメリカ、ボーイング社が開発した、大型戦略爆撃機B29。
     操縦席のシートに座るパイロットは、眼下の雲海を見下ろして重いため息を吐いた。
     その口元に酸素マスクは装着されていない。防寒着も未着用だ。分厚い風防(キャノピー)と最新の与圧室で守られた操縦室(コクピット)は、生身では生存が難しい高高度に、卑近な空間を持ち込むことに成功した。莫大な時間と金をかけ、叡智を結集し、労力を費やして作り出された、ちっぽけな空間。そのちっぽけな空間に守られながら、自分たちはこれから、地上に爆炎を降らせるのである。
     非日常の世界に持ち込まれた日常と、日常から放たれる非日常。まるで冗談のようだ。それともこれは、狂気の一種だろうか。

  • 99二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 00:32:25

    ここも。乙種呪術のことがわからないと感動が伝わりにくいけど

     唇に触れる、温かく、柔らかい感触。
     それはきっと、世界で一番素敵な呪術。
     魂を絡め取る呪術だ。

  • 100二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 00:36:30

    それは、一振りのバイブであった

  • 101二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 00:50:11

     人は自由だ。
     どこを目標にしても良い。
     どんな道筋を進んでも良い。
     どんな宝物を見つけても良い。
     どんな仲間と一緒に進んで行っても良い。
     そして、冒険の中で見つけた大切なものを、誰かに受け継がせることを許されている。
     
     その全てを、コピーライトは『命という名の冒険』と呼んだ。
     
     全ての命は、そんな冒険の途中なのだ。
     
     進めばいい。仲間を見つけて、道を見つけて、宝を見つけて。
     
     十三体目というゴールを越えても、天の神というゴールを越えても、きっと冒険は終わらない。
     
     EDの後も、冒険を続けられる勇者が存在するのと、同じように。
     
     彼ら彼女らの冒険は、まだ始まったばかりなのだから。


    二次創作だがこれかなぁ
    同作者の地上の宝石箱の方も余韻が好きだがあっちは台詞が重点だし

  • 102二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 00:59:35

    あんな瞳で。あんな子供が。
    あんな風に自分を哀れんで見送ったことをローは決して忘れないだろう。

    古い少女小説の一文だけど淡々としてるのに黒い感情が滲み出てて好き

  • 103二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:02:04

    今とここで表す現在地点がどこでもない場所になる英語の国で生まれた俺はディスコ水曜日。

  • 104二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:02:06

    ウェルダーは語り続ける。
    旅の中で経験した冒険の数々を。
    空の風、広い海、雪の白さ……
    その鮮やかな語り口は全て、頭の中で何度も練習した物だった。

    一方ジェイドは、奇妙に沈黙していた。
    だがその虚ろな双眸は、確かにウェルダーを写していた。



    グランブルーファンタジーのイベント『俺たちのレンジャーサイン!』より。
    このイベントで、わりと痛い子扱いだった誰もが手に入れるストーリーに絡んでこない初期キャラの評価が一変した

  • 105二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:03:07

    このレスは削除されています

  • 106二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:03:45

    ファンタジーライトノベルの地の文で、主人公が魔法で空中に浮かんでいる時に
    「これからのことを考えると浮足立つ気持ちになった。空に浮かんでいるくせに」
    という文章があって、それまでそれなりに面白く読んでいた気持ちがスッと冷めて続きを読むことをやめてしまった

  • 107二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:04:16

    むかしむかし、せかいさいだいのまじゅつしがまだこどもだったころ。
    かれがすんでいたまちは、それはそれはひどいところでした。かみさまをしんじるおとうさんやおかあさんはわからずやで、がっこうのせんせいはいじわるばかり。なのに、うわっつらばかりいいものだから、かれらはみんなまちのかおやくでした。おさないかれはそんなはきだめのようなまちでくらしながら、こんなうそつきをさばくこともできない、かんたんにだまされる、はんぱなせかいをつくったかみさまなんてたいしたことないんだなとおもうようになりました。
    だったら、わたしがほんものをみせてやろう。
    はんぱなかみさまにかわって、ただしいルールをみつけてやろう。
    これが、のちにせかいさいだいのまじゅつけっしゃとなる『おうごん』のもんをたたきあまたのじゅつしきやれいそうをかいはつしたにんげんのスタートちてんです。
    ですが、もちろんすべてがせいこうというわけではありません。
    かれがこたえにちかづくたびに、あちこちからじゃまがはいります。きょうこなけっしゃはうちわもめをおこし、こどもはたおれ、つまとはわかれ、かぞくはバラバラになって。かれがつまずくたびに、いつもどこかでくすくすとわらうものがいるのです。

    怖い

  • 108二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:13:50

    1945年以前の物理法則に、真っ向から喧嘩を売る。

    このわかりやすく「今から大技出してぶちのめす」って感じの前置きが好き。しかも、この技出すたびにこの一文入れてくるからたまんないんですわ。悟空の「か、め、は、め……」に通ずる何かがある。

    ちなみに、作品タイトルは『中華邪仙ド貧乳エルフ師匠をち◯ぽでこらしめるやつ』
    本来は伏せ字ありません

  • 109二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:14:43

    2階から春が降ってきた

  • 110二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:18:10

    少しだけ空へ飛び上がる。
    その瞬間―――
    一陣の風が吹いた。
    それは、春の芽吹きを感じさせる暖かな風だった。
    それは、白紙化した地表を吹きすさぶ風か、或いは汎人類史を駆け抜けるものか。
    そして―――
    少女は大地に再び足を着けることなく、そのまま、暖かな風に浚われるように姿を消した。

    小説じゃなくてソシャゲの地の文だけど
    FGO一の名文だと思う

  • 111二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:18:59

    終物語

    「昔々あるところに、阿良々木暦という変な奴がおったそうじゃ。そしてそやつは今もおる。めでたしめでたし。」

    共に走る影から、そんな朗読が聞こえた。

    続きが気になる物語だった。

  • 112二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:31:57

    辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。ある朝とつぜんに。そして五月雨に打たれるように濡れそぼってこころのかたちを変えてしまいたいな。
    少女七竈と七人の可愛そうな大人より

  • 113二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:37:40

     ――光が無いことを闇と呼ぶのなら、それは確かに闇だった。

     堕ちていくような浮遊感。
     毛糸玉が解けるように、自分を構成する要素が末端から剥離していく。
     記憶、言葉、感覚、情緒。
     そうした全てが抜け落ちて、果たしてその後には何が残る?

     ――無だ。

     意識した途端、怖くて怖くて堪らなくなった。
     離散していく自分を必死で掻き集め、押し留めても、零れるように失われていく。
     足掻いても藻掻いても、それでも喪失は止まらない。
     無くなってしまう。亡くなってしまう。

     ――嘘だ。

     眠りとも喩えられるそれは、断じてそんな穏やかなものではなかった。
     溶けるように主体を失っていくそれは、寧ろ獣の胃袋で消化されるように暴力的だ。
     そこに安らぎなんてものは無い。単に不安を感じる機能が無くなるだけだ。
     そして、いずれ何も感じなくなる。感じないことも感じなくなる。何も無くなる。

     ――嫌だ。

     嫌だ。嫌だ。嫌だ、嫌だ、嫌だ!
     こんなものが終わりだなんて嫌だ!
     こんな空虚な、何も無い世界が自分の末路か?
     こんな結末を迎える為に、今までの人生があったというのか!?

    「……こんなのは、あんまりだ」

  • 114二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:38:14

    >>113

    ウロボロス・レコードより

    主人公が体験した死の記憶

  • 115二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:40:43

    俺はもう自分を騙せなかった
    (『恋物語』より)

    「騙すキャラ」である貝木の独白でこれを言わせるセンスよ

  • 116二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:49:03

    テーブルから目をあげると、チャーリィの眼を通して、『失楽園』を手にしている自分が見えるような気がした。その本を半分に引き裂いてしまいたいと願っているみたいに、いつの間にか両手の握力で表紙をやぶっている。(中略)
    私はそこに書いてあることがわからないからだ。
    なんとかして今まで学んだものに少しでもしがみついていなければならない。おねがいです、神様、なにもかもお取りあげにならないでください。

    アルジャーノンに花束を
    知恵の実、楽園の追放。要素においてピッタリハマる『失楽園』を持ってくる作者のセンスよ

  • 117二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 01:56:06

    もうひとつ

    それから玉子(エッグ)シャンプーをしてもらってもいい──自我(エゴ)シャンプーですよ。ハッハ!言い間違いに気がつきましたか?先生?罪を綺麗に洗い落としてもらいたいってことかな?

    再生?洗礼の象徴?それとも僕らは、短く剃りすぎちゃったんですか?阿呆(イディオット)にはイドがありますかね?

    >>95の言及するどこか人を惹きつける物悲しい自嘲にあたる物だと思う

  • 118二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 02:00:36

    ちょっとズレてるかもしれんけど空の境界の未来福音で

    一秒の後、
    両儀式は、爆発によってばらまかれた二ミリの鋼玉を全身に受け、人としての原形を留めぬまま、なすすべ無く即死した。

    っていう所に斜線引くことで確定した未来を殺したっていうことを表現してて印象に残ったわ

  • 119二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 09:36:07

    >>31

    なお閣下の能力は放射光を撃ち込むのですが死亡率九割成功しても寿命削れる改造手術しても反動で使うたびに自分がボロボロ(それでも改造しなきゃ数回バトルしたら死ぬ) 本人は根性とそれに耐えているがでなきゃまともに使えない


    六行視のなんとかって小説は主人公の能力が自分のいるのが小説の世界で過去に書かれた文章と六行先を読んで改変するってものだった、なので主人公が今どういう認識なのか考えるのが面白い

  • 120二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 09:56:06

    >>116

    「アルジャーノンに花束を」出そうと思ったらもう出てた

    どこの地の文がというより、地の文の構成と和訳が印象的な作品だよね

  • 121二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 10:00:02

    親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている。

    夏目漱石「坊ちゃん」

  • 122二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 10:29:40

     自分は、エミリアを、置いていくのか。
     こんな風に、スバルにしか頼ることができず、他の頼れるものもなにも全て失ってしまったエミリアを、ゆいいつ、頼れるスバルすらも置いていくのか。

    「ぁ――」

     今さら、後悔を得ても何もかもが遅い。何もかもが手遅れだ。
     声は出ず、瞳から生気が消える。

     エミリアはそれに気付かず、ただ黙ってしまったスバルに可愛らしく小首を傾ける。
     それから彼女はふっと微笑み、そっと顔を近づけて――、

    「スバル――」

    「――――」

     無言のスバルに、口づけをした。



     ――初めての口づけは、冷たい『死』の味がした。





    お互いに愛を確認するためにした2度めのキスを表す言葉である「命の味」の表現とセットで好き

  • 123二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 10:30:55

    守るために殺すという人類最強の業が英雄譚を終末譚に貶めていく

  • 124二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 14:35:33

    さようなら、わたし。さようなら、魂。もう二度と会うことはないでしょう。

    この後の

    私達は今とても幸せだ
    ──とても。
    ──とても。

    ハーモニーって小説なんだけどショッキングすぎてすき

  • 125二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 14:46:30

    電波的な彼女より、ビデオデッキを買いに来た主人公のジュウが、地下にある怪しげな電気屋から出ようとした時のとこ

    地下室の閉塞感が、ジュウはあまり好きじゃなかった。
    どうせ人は、しねば暗い地面の下埋められるのだから、生きているうちくらいは地上にいたい。

    ネガティブすぎて好き。

  • 126二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 14:48:32

    >>63

    いいよね、死すら追いつかないほどの弩に胴から下全てを消し飛ばされた上条当麻が「ミミルの首」のように迷える宿敵にして理解者の神様を導こうとするの

  • 127二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 14:52:28

    >>35

    禁書は無印『とある魔術の禁書目録』22巻とSS2巻

    『新約 とある魔術の禁書目録』まででもそれなりに綺麗に纏まってるから良いよ


    とりあえず無印の3巻(新約や創約って着いてないやつ)読んで合うかどうかを判断するのが鉄則

  • 128二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 14:55:14

    このレスは削除されています

  • 129二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 15:03:33

    >>69

    愚者ベル君からの苦しい展開をずーっと続けてからの「未知すらも絡めとって”英雄”を復活させようとする脚本家気取りの神」をさらなる規格外、計算外、不条理の化身アステリオスとアルゴノゥトのベルで粉々にぶっ壊すカタルシスがたまらない

  • 130二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 15:04:35

    読者の中にはそう思っていた方もいらっしゃるだろうが、私にはもちろん、彼女は殺せない。つまり、愛していたからだ。一目見たときから愛していた、最後に見たときも、そしていつ見るときも、永遠に。

    「ロリータ」は有名な出だしの文も好きだけどここも好き

  • 131二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 16:14:50

    なろうとかweb小説は気に入った文言をすぐにメモ帳にコピペできるからいいよね


    どろどろに煮込まれた自分の脳が詰まった頭蓋を、航平の匂いが染み付いたシーツに沈み混ませ、私は意識を落としたのだった。

  • 132二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 16:23:01

    カミュ「ペスト」
    なるほど不幸の中には抽象と非現実の一面がある。しかし、その抽象がこっちを殺しにかかってきたら、抽象だって相手にしなければならないのだ

  • 133二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 16:33:59

    2人は久しぶりに再会した。

  • 134二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 16:46:54

    美しく紡がれたはずの野望が崩れていく。
    暗い闇夜を月が切り拓き旅人に光を与えるように、月夜に天を駆ける守護神フェルギがその手の槍で邪悪を打ち砕くように。
    グラーシーザは暗い目で空を見上げる。破滅が、美しい少女の姿をして近づいてくる。
    風が茫々と黒い衣を吹き煽り、馬はまっすぐゼーラントの砦を目指した。

    「海賊船ガルフストリーム」の終章。悪役の視点でヒロインの帰還を捉えた一文。
    子供の時から何度も読み返した本で、ここだけはそらで出てくる。

  • 135二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 20:51:07

    「……ぁ、」

     気付いては、いけない。
     感覚でわかる。
     気付いたら、終わりだと。
     一度でも思ってしまったら、終わりだと。

     でも。
     でも。

     ここに倒れているのは。
     ここで動かなくなっているのは。
     どう見ても。
     どう見ても。




     ―――――フィル。

    転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?より。ここの前後は展開、地の文ともに凄くて読みながらマジで吐き気がした。

  • 136二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 21:09:23

    『「おい地獄さ行ぐんだで!」
    二人はデッキの手すりに寄りかかって、蝸牛(かたつむり)が背のびをしたように延びて、海を抱え込んでいる函館の街を見ていた。――漁夫は指元まで吸いつくした煙草を唾と一緒に捨てた。巻煙草はおどけたように、色々にひっくりかえって、高い船腹をすれずれに落ちて行った。彼は身体一杯酒臭かった』

    蟹工船は書き出しだけでこの話きったねえな!ってのがすぐにわかってその勢いのまま終わりまで続くから面白い

  • 137二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 21:53:05

    アリスの忠告はたぶん無駄だった。口の中に、エンジェル・フィックスのざらついた苦味はまだしつこく残っていた。あんまり苦いので唇の裏を噛み破って、血の味でこまかそうとしたけど、かえってひどい味になっただけだった。数分後に、血の味でごまかすという自分の発想がもうすでにイカレていることにきづいて、背筋が寒くなった。同時に、最初の吐き気がやってきたのだ。
    僕は、呑み込まれようとしていた。

    『神様のメモ帳』より

  • 138二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 21:57:12

    手元にないから記せないけどジョニーは戦場へ行ったで
    彼女を両腕で抱いて
    両腕で
    両腕を彼らは取り去った
    みたいなリズミカルに残酷な状況を突きつけてくる一連の文好き

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