- 1二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 11:42:38
ある日のことです。トレーナーは落ち込んでいました。
よくある話です。仕事でちょっとしたミスをしてしまいました。
しかし、運が悪いことにそのミスがお偉い人の耳に入ってしまい、少しだけ厳しくお叱りを受けてしまいました。
ため息をつきながら、あの時ああしていればと考えを巡らせますが、覆水は盆に帰りません。
「トレーナー! こーんにーちわー!」
そんな折、トレーナー室にちょっと間が抜けた、けれども元気一杯の声が響き渡りました。マチカネタンホイザの声です。
普段はその声に釣られて元気よく返事を返すトレーナーですが、今日はその声に張りがありません。
「おやおやー、トレーナー。今日はなんだか元気がありませんね?」
なんでもないよと返しますが、タンホイザは納得しない様子です。
「なんでもないって顔してないですよね。ほらほら話してくださいな。力になれるかもしれませんよ」
トレーナーとして、何より大人として教え子に愚痴を吐くわけにはいかない。
そう思ったのですが、理由を聞くまで梃子でも動きませんと顔に書いている様子。観念して事情を話しました。
「なるほどなるほどー。それはへろろろ〜んですねぇ……」
どこか他人事のように呟くタンホイザ。でもタンホイザの言うように、言葉に出せば少しだけ楽になりました。
「ふむん、ちょっとこっちに来て屈んでくださいなトレーナー」
何をするのだろうと思いながら、言う通りに従うと、ふわりと柔らかな感触が、頭を撫でました。
「つらいのつらいの〜〜…………とんでけーっ!!」
頭をぽんぽんと撫でられながら、タンホイザは不思議な声が響かせました。
「えへへー……元気の出るおまじないです!」
タンホイザが言うには、弟たちが落ち込んでいる時に唱えるおまじない、ということでした。
「これをすれば弟たちは、こうばはんば〜って笑顔になってくれるんですよね」
なんとなくその姿が想像できて、トレーナーはつい笑みが溢れてしまいました。
「あっ! やっと笑ってくれましたね。やっぱり落ち込んだ顔よりも、笑顔のほうがいいですよ〜。にへへっ」
にこにことタンホイザはそう語ります。その顔を見ていると、さっきの落ち込んでいた気分が飛んでいってしまいました。
「さ〜て、今日も一緒にがんばりますよ〜。えいえい、むん!」
再びタンホイザの声が響きます。その声はどこまでも、どこまでも遠く響きました。 - 2二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 11:43:50
こんな感じでマチタンに慰められる話が欲しいんだがどっかに転がってたり、誰か書いてくれないだろうか。
というか、書け - 3二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 11:44:37
もう書いてる!
- 4二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 12:47:26
ええ子や…
- 5二次元好きの匿名さん22/11/07(月) 13:08:36
そこにありますね
地の文がなんとなく童話的でいいねマチタン感ある