- 1二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 00:53:39
メロスがディオニス王と約束をかわしてから二晩と少し、いよいよ人質として縄打たれたセリヌンティウスが処刑される当日。日も少し陰り始めた頃、邪智暴虐の王は己が磔刑に処さんとするメロスの友へと面会した。
「哀れよな、石工。斯様な男を信じたがばかりに己が死ぬことになろうとは」
王は口元を浮かべ、邪悪な笑みを浮かべた。しかしセリヌンティウスは怯む様子も見せず、涼しい顔を王へと向けている。
「哀れなのは貴方です、ディオニス王。貴方のように不信を拗らせた王侯がどうなるか、貴方が知らないはずもありますまい」
「……」
心底皮肉り、侮蔑するような笑顔から一転し、邪王は不愉快そうに顔を顰めた。
「それとも如何なさいますか?ここで私を痛めつけ、暴力を以て心を折りますか?できるものならそうしなさい。その程度で、私はメロスを疑うことはないでしょう」
「貴様……」
「さぁ、存分に殴りなさい、それで貴方の気が済むのなら」
言い終わらぬうちに、王の拳がセリヌンティウスの鳩尾に突き刺さる。堪らず崩れ落ちる石工を、王は刑吏よりひったくるように受け取った鞭で打ち下ろした。
しなる鞭が叫ぶように風きり音を立て、セリヌンティウスの身体に赤い腫れ跡をつけていく。
「ぐ、ううっ!うあっ、ああぁっ……!そうだ、殴るがいい、打つがいい!約束の時までは殺すこともできないのだから、今のうちに痛めつければいい!……んあっ!」
「貴様、貴様っ!たかが石工風情が余に斯様な口を聞くか!」
セリヌンティウスの頬に、背に、臀部に蚯蚓腫れが伸びてゆく。セリヌンティウスは息を切らして痛みを耐え抜いていた。
「はぁ……はぁ……っ、その、程度か……?この程度の責め苦ではこのセリヌンティウスの信頼を曲げることはできないぞ」
ほんの少しの薄気味悪さを感じた王は、鞭を刑吏に返却し足早に立ち去って行った。
上目遣いで王を見上げるその顔は、どこか紅潮しているかのようだった。
その場を一度離れた王は、最後に見たセリヌンティウスの顔を回想していた。
彼はどこか熱の篭った目つきで己を殴るように挑発し、あまつさえ刑吏から鞭を奪った時などどこか期待するような顔になっていた。刑場を見下ろす椅子に腰掛けて、ディオニス王は深くため息を吐いた。 - 2二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 01:17:23
メロスがフィロストラトスの静止を振り切る頃には、既にセリヌンティウスは柱へと縛り付けられようとしている。
今の彼の脳裏には、これから己の身に降りかかる災難のことでいっぱいであった。両の手足を釘付けにされ、絶命するまで鞭で打たれ、そして最後には死亡確認のために体を槍で穿かれるのだ。どれほどの痛みが襲いかかってくるのか、それこそ想像を絶していることだろう。
想像を巡らせれば巡らせるほど、彼の男根は熱を持ち、硬度を増した。
ふと、セリヌンティウスは刑吏の一人を呼び止めた。
「そこの刑吏、お前の鞭で試しに私を打ってみてくれないか」
刑吏は酷く困惑した。試すも何も、さっき王がお前を打ったのと同じものだと説明すれば、「いいや、王のような素人と処刑の達人である刑吏の鞭ではものが違うだろう」と反論された。達人の称号に喜べばいいのか、それとも処刑のという修飾語に反感を持つべきなのか困る当人を他所にしてセリヌンティウスは「さぁ、早く。早くしないと私が死んでしまうぞ」と急かす。
このまま絡まれたのでは埒が明かないと、思い切り鞭をセリヌンティウスに振り下ろす。人体に速度の着いたものがぶつかる音と同時に、「っお゛……っ❤️鞭キくぅ……っ❤️」とセリヌンティウスの呻き声が上がった。
呻きと言うより喘ぎ声にも近しい声に、刑吏はたじろぎながらもういいですかと尋ねた。
「はぁ……❤️はぁ……っ❤️ああ、もういい、満足した。」
すんと先程までの落ち着き払った石工の姿に、その刑吏は軽い恐怖心を覚えていた。 - 3二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 01:40:46
いよいよメロスが刑場へと突入する直前、セリヌンティウスが柱に縛られている頃合には、ディオニス王の心はようやくあの男を殺すことができるのか、あの性的倒錯者をこのシラクサ周辺から排除できるのかと胸をなで下ろしたくなる思いでいっぱいになっていた。先程聞かされた刑吏の苦情を聞くには、やはりあの男は痛みを快楽とする歪んだ性癖の主らしい。
どうせメロスはやってこないのだから、誰彼構わず自分を打てと迫るような異常者は他人に迷惑かける前にどうにかしてやるべきだろう。ディオニス王は珍しく、忘れていた他人への同情と部下への憐憫を思い出していた。
磔刑の準備が整ったという報せを受けて、重い腰を持ち上げ刑場へと降りていく。下りのはずなのに足取りが重いのは、なんだか絶命の際に一発射精しそうな男の顔を見たくない心理に起因するのだろうか。石工の割には線が細く、中性的に整った容姿のセリヌンティウスが嫁を取っていない理由が薄々わかるような気がした。
陽がゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も消えようとした時、件の男が疾風のごとく刑場に突入した。
「待て!その人を殺.してはならぬ。メロスが帰ってきた。約束のとおり、今、帰ってきた!」と群衆をかき分けながら嗄れた声を張り上げる男を遠巻きに眺め、「うーわ、来やがった……」と王は口を押えて落胆した。
「私だ、刑吏!殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私はここにいる!」と叫びながら釣り上げられる友の足に縋るメロス。群衆からは、あっぱれ、ゆるせとの声がわっと挙がった。 - 4二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 01:53:28
約束は約束である。なんならこの男を引き取って貰えるなら、それこそ僥倖な話だ。王は石工に絡まれていたものとは別の刑吏に命じてセリヌンティウスの縄を解かせた。
「セリヌンティウス」
メロスは目に涙を浮かべて言った。
「私を殴れ。力一杯に頬を殴れ。私は一度、悪い夢を見た。君がもし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格冴えないのだ。殴れ。」
心の底からの、謝罪と悔恨の籠ったメロスの言葉に、傍観していた王は少しだけ心を動かされた。
セリヌンティウスは全てを察した様子で頷き、刑場いっぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑み、「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生まれて、はじめて君を疑ってしまった。君が私を殴ってくれなくては、私は君と抱擁できない。」
王の口からは、嘘つけという言葉が漏れかけた。さすがのディオニス王さえも、セリヌンティウスの言葉がメロスに殴られるための方便であることは見抜けていた。
メロスは腕に唸りをつけて、セリヌンティウスの頬を殴った。 - 5二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 02:18:07
「あぐうっ❤️は、はっ……足りない、足りないぞメロス!羊をしつけるかの様に、もっと、力一杯に殴ってくれ!」
「そ、そうか」メロスは多少混乱しながらも、親友の懇願を聞き届けた。
「うぐううっ❤️ま、まだまだいけるぞメロス……❤️っがはあっ❤️やっべ……❤️みぞおちクるぅ……っ❤️あのクソザコ王とは全然違う、親友の愛の拳ぃ……❤️❤️良い、いいぞメロスぅ……❤️❤️」
「そうか、いいのか!」
「はぁ……❤️いいぞ、もっと本気で、この誰にも身体を許そうとするザコマゾにおしおきしてくれぇ……❤️❤️」
「お、おお」
「あ゛っ❤️いいっ❤️顔❤️❤️顔もっと殴ってっ❤️❤️痛い❤️❤️痛いの好きっ❤️❤️❤️」
俺たちは何を見せられているんだと群衆の間には困惑が広まっている。ざわめく外野を他所にセリヌンティウスは既に自分とメロスだけの世界にトリップしていた。
ディオニス王はどうにも居た堪れなくなって、静かに二人に近づいて、顔を背けてこう言った。
「えー、あー、うーん……一応お前らの望みはかなったぞ。お前らはわしの心に勝ったのだ。信実とは、これ信実かな?……信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。もう満足だろう、メロスよ、勇敢にして誠実な羊飼いよ。そいつ連れて早く帰ってくれ。どうか、わしの願いを聞き入れて、そのアホ石工引き取って帰ってくれ」
顔や体を痣だらけにしながら、なお快楽にうち震えるセリヌンティウスを抱え、何がどうやらといった顔で家路に着こうとするメロスに、1人の少女が緋のマントを捧げた。
「メロスよ、貴様は全裸で花嫁と花婿の所へと帰るつもりか。早くマントを受け取ってやるがいい。……あんなやり取り見せつけられてよく渡す気になったなとは思わなくもないが」
勇者は、ひどく赤面した。 - 6二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 02:24:38
深夜の怪文書スレ
- 7二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 02:27:44
いいだろ?深夜2時半だぜ?