- 1122/11/08(火) 06:23:16
- 2122/11/08(火) 06:24:56
- 3二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 06:40:16
たて乙、スレ主は悪くないよ、悪いのは荒らしの方なんだから。
- 4二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 06:53:52
気にせんでいいよ、そいつ規制かけときな
- 5二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 06:57:39
知らないうちに荒しが来ちゃったのか、悪いなんて思ってないよ、良い作品読ませてくれたしスレ主には感謝してるよ
- 6122/11/08(火) 07:01:38
- 7二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 08:06:23
楽しみにしてます
- 8二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 08:26:44
スレ終盤になると急に荒らしが現れるのなんなんだろうね
- 9122/11/08(火) 08:26:54
「何をあげれば良いんだろう…」
わたしは今すごく悩んでいた。バレンタインデー、日頃の感謝を込めて大切な人に贈り物をする日、恋する男女が秘めた想いを伝える日。まさかわたしもその1人になるとは思わなかったけど。
そういえばわたしはいつ頃から彼を好きになっていたのだろうか。クリスマス?ハロウィン?夏の特異点騒ぎの時?いや違う。1年前のバレンタインにわたしは自分の恋心を自覚し、そこからずっと恋焦がれてきた。その頃に比べたら随分と彼との仲は進展したと思う。
でも足りない。今の関係も心地いいものだけど、足りない。もっとそばにいたい、支えてあげたい、他の人にはないわたしとあの人だけの関係が欲しい、そんな我儘な気持ちが渦巻いている。
だからわたしはこのバレンタインを一世一代を賭けた勝負の日として定めた。ここで彼との関係をはっきりさせる、そのために。
とはいえ、ここまで言うからには気合を入れてお菓子を作らなければならない。ならないのだけど…何をあげれば良いのかわからない。バレンタインに贈るお菓子にはいろんな意味があるらしい、特にマカロンやカップケーキには「貴方は特別な存在」なんて意味があるらしい。 - 10122/11/08(火) 08:27:10
でもそれで彼に気持ちは伝わるのだろうか。どうすればこの気持ちに気づいてもらえるのだろうか。考えれば考えるほどわからなくなっていく。…ここでただ悩んでいてもしょうがないので、とりあえずキッチンに行って何か作ってみる事にした。
「お、いらっしゃい何か用事?」
たまたま食堂にいたブーディカに声をかけられる。
「その…バレンタインのお菓子作りの練習がしたくて」
「そういえばもうそんな時期だったね。…もしかしてマスターへの贈り物かな?」
「うん…」
「けど前は1人でもちゃんと作ってなかったっけ」
「それが…」
ここに来た訳を話す。すると、それを聴いたブーディカは少し考え込んだ後、おもむろに口を開き、
「確かにそういうことならこだわりたくもなるよね。…そうだねあたしがアドバイスするとしたら…難しく考える必要はないと思うよ」
「どういうこと?」
「簡単なことだよ。ようは想いを伝えたいんでしょ?なら直接言葉にしちゃえば良い。「好きです」とか「愛してます」とかさ」
「でも、それで良いのかな…」
「もちろん、気持ちを込めて贈り物をするのも素敵だと思うよ。けど別に贈り物をするのと想いを言葉にして伝えるのを同時にしちゃいけない、なんて決まりはないからね。どうやって好きな気持ちを伝えるかはその人の自由だよ」
「…!」 - 11122/11/08(火) 08:27:50
確かに彼女の言う通りだ。わたしは気づかない内に贈るものばかりに目がいって他のことが見えてなかったらしい。
「まあこれはあたしの持論だからね。無視しちゃっても構わないよ」
「そんなことない。すごく参考になったわ」
「…そう言ってもらえると慣れないことした甲斐があるよ」
そこからわたしの戦いが始まった。お菓子作りに当日のスケジュール、この想いをどんな言葉にするのかなどやるべきことはたくさんあった。
そして2月14日、ついにこの日が来た。
「ん…うまくできてる」
「うんうん、これも練習の賜物だね」
あれから何度も練習した。正直言って上手くなってるかはわからないけど、マスターが喜んでくれるものはできたと思う。
「じゃあ。行ってくるわね」
「うん、頑張ってね。お姉さんも応援してるよ!」
ブーディカの声を背に食堂を出る。あらかじめマスターには部屋に居てもらうようにお願いしたので、後は部屋に向かうわたしの気持ち次第だ。
「すーーっはーー……よし!」
呼吸を整え、部屋のドアをノックする。
「どうぞー」
「こんにちは。ちゃんと待っててくれたみたいね」
「そりゃあクロの頼みだし」 - 12122/11/08(火) 08:29:50
…いざ話してみると思ったよりも緊張しなかった。そのことに安堵し、隠し持っていたプレゼントを渡す。
「はいこれ、ハッピーバレンタイン」
「おお…ありがとう…早速だけど開けても?」
「うん、貴方のタイミングでいいわよ」
「ではこの場で開けさせてもらいます……すごいなこれ…このチョコ作るの大変だったんじゃない?」
「そうよ。すごく頑張ったんだから、味わって食べて欲しいな」
「わかった。それじゃあ作ってくれたクロに感謝して…いただきます」
そう言って嬉しそうにチョコを食べる彼。見ているだけでこちらも嬉しくなってくる。
「めっちゃ美味いな。流石だな!」
「当然、お菓子作りは女の子の嗜みよ?」
結構作ったつもりなのだがあっという間に食べ終えてしまった。
「すごく嬉しかったよ。ありがとうクロ!」
笑いながらそう告げる彼。その言葉を聴いた瞬間、わたしの心からもう迷いは無くなった。
『ああ、やっぱりわたしはこの人が好きだ』
言うなら今しかない。彼の手を取り、真正面から見据える。そして… - 13122/11/08(火) 08:30:58
「マスターわたしね…」
「貴方のことが好き」
「優しい貴方が好き」
「笑っている貴方が好き」
「頑張っている貴方が好き」
「貴方の全部が好きなの…だから…わたしの恋人になってください」
言えた…言いたかった事を全部。正直、顔は熱いし声も震えそうになったけど…思いの丈を全部打ち明けてやった。後は答えを待つだけ。今までにないぐらい胸を高鳴らせながら彼の言葉を待つ。 - 14122/11/08(火) 08:31:14
「あの…クロ…」
「うん」
「こんなこと人として…男として言っちゃいけないと思うけど…」
そこで大きく息を吸い込む。
「返事は1ヶ月待ってほしい」
「…」
「ちゃんと気持ちを伝えてきてくれた人に言うことじゃないけど…」
「…」
「色々と自分の気持ちに整理をつけたくて。だから…お願いします!」
「良いわよ。わたし、待ってるわ」
「…本当に良いの?」
「うん、ただし絶対に返事を忘れないこと。それだけは約束して」
「わかった、絶対に忘れない。どんなことがあっても」
こうしてわたしの一世一代を賭けた告白は、1ヶ月先まで返事はお預けという何とも気の抜ける結果となった。本当は今すぐに答えて欲しかった。けれど彼の真剣な表情を見たら、何ヶ月でも何年でも待てると思った。
1ヶ月後、彼はどんな答えを口にするのだろうか、怖いような楽しみなような不思議な気持ちだ。
でも、どんな答えが返ってきてもわたしはそれを否定しない。わたしがこうして告白という道を選んだように、彼もまた道を選んでいるのだから…
To be continued… - 15122/11/08(火) 08:32:50
今回は続きものとして書いてるので、一応前回のものを一部少しだけ修正して再掲しました
続きは今日中に投稿する予定です - 16二次元好きの匿名さん22/11/08(火) 19:34:57
楽しみだ
- 17122/11/08(火) 23:49:13
「今日はホワイトデーか…」
食堂の壁面に表示されたカレンダーを見ながら独り言を呟く。1ヶ月前のバレンタインに、俺はクロエに告白された。そしてその答えを先延ばしにするという結構最悪な選択をとった。今考えてもどうかしていたと思う。
「後は俺の気の持ちようなんだよなー…」
正直言ってクロから告白された時はすごく嬉しかったし、すぐにでも返事をしたかった。
だからこそそれを先延ばしにする、ということはあってはならないことだ。それでも、自分の気持ちにきちんと整理をつけたかった。
「言うこともちゃんと考えたし、アレの準備もできたし、大丈夫なはず…」
部屋の中をぐるぐる回りながら独り言を呟く。本来であればクロの元へ出向いてホワイトデーの返事をするべきだと思ったのだが、いつもの場所が良い、とのことでこの部屋で俺が待つことになった。
「大丈夫大丈夫、クロはきちんと気持ちを伝えてくれた。なら俺がやることは1つ…」
そろそろ緊張で叫びたくなってきたその瞬間、部屋のドアをノックされた。 - 18122/11/08(火) 23:55:29
「あ、空いてますよー?」
「緊張してるの?すごい声出てたわよ」
そう言いながら入ってくる。…なんか俺と違って余裕そうに見えるのが何となく悔しい。でも今はそんなこと関係ない。俺は彼女に告白の返事をしなければならない。とりあえずクロがいつものようにベッドに腰掛けるのを確認してから、言うべきことを伝える。
「クロ、この前の返事なんだけど」
「ごめんね、マスター」
「えっと…何が?」
「この前はわたしの告白の返事をして欲しいって話だったんだけど…」
「うん」
「やっぱりあれはなし。返事をするんじゃなくて、貴方の気持ちを伝えてほしい」
「それで良いのか?」
「うん、貴方がどう思ってるのかを知りたい」
「…そっか、ならきちんと伝えなきゃな」
そういうことなら話は早い。後は俺が行動するだけだ。正面に立ち、しっかりクロを見据える。そして隠し持っていた箱から、この日のために用意していたものを取り出す。
それは世界にたった1つしかないクロエのための指輪。この日のために色々と奔走して何とか今日に間に合わせることができた。緊張して震えそうになりながらもその指輪を彼女の指にはめる。
「これって…」
「これが俺のクロへの想い」 - 19122/11/08(火) 23:57:40
これで全ての準備が整った。深呼吸して息を整える。そして…
「クロエ」
「いつも明るいクロが好き」
「笑顔のクロが好き」
「辛いことがあっても支えてくれるクロが好き。だから…」
「俺の恋人になってほしい」
「………うん、わたしもずっと貴方と一緒にいたい」
返事をしたクロエの目から涙が溢れる。それを見て慌てて涙を拭おうとすると
「ん………」
時間が止まったようだった。部屋を照らす無機質な光が今だけは祝福してくれているようだった。今この世界にいるのが2人だけのようにも感じられた。…おそらく今日のこの出来事を忘れることは絶対にありえないだろう。 - 20122/11/08(火) 23:59:01
「………ぷはっ…恋人になってからの初めての思い出…ね♪」
「こういうのって男側からやるものでは?」
「細かいことは気にしないの。今この瞬間、わたしが貴方の恋人になって、貴方がわたしの恋人になった。ただそれだけでしょ?」
「ん…そうだな」
こうして俺とクロは正式に付き合うことになった。とはいえ劇的に何かが変わるわけではない。今までよりももっと親密な仲になった、それだけだ。でも強いて言うなら恋人がやることというものをやってみたい。ただすぐには思いつかないので、とりあえず今は時間が許す限りおしゃべりすることにした。
「やること全部が終わったら2人で色んなところに行こうか」
「色んなところって?」
「行きたいとこ全部。どこだって連れて行くよ」
「それって新婚旅行ってこと?」
「!?ま、まあそうなるのかな…」
「やった!絶対忘れないでよ?」
正直少し恥ずかしかったが、嬉しそうな彼女を見てるとそんな自分のちっぽけな感情などどうでも良くなるのであった。
しばらくは他愛もない会話を続けていたが、話している内に急にクロが考え込んでしまった。その様子にまた何か自分がやらかしたのかと思って声をかけようとすると、 - 21122/11/08(火) 23:59:51
「やっぱり足りない…」
「何のこと?」
「せっかく恋人になったんだから色々としたいってこと♪」
そう言うなりベッドに押し倒された。かと思うと、頭を擦り付けてきたり、ハグしてきたり、耳を甘噛みしてきたり…他にも色々とされたがとにかく距離感がすごく近かった。
「あの…クロエさん?」
「何?」
「確かに今日から恋人になったわけだけど…流石に初手から飛ばし過ぎじゃない?」
そう言うと彼女は頬を膨らまし、
「貴方が今日まで返事を伸ばして欲しいって言ったからわたし、1ヶ月も待ってたのよ?その分貴方に好きなだけ甘える権利があっても良いと思うんだけど」
「…その通りだな」
「でしょ?」
返事をしてからまたスキンシップを再開する。好き放題されるのは照れ臭かったが、楽しそうな様子を見てると、たまらなく愛おしくなり自然と笑みが溢れる。
ひとしきり堪能して満足したのか、顔を上げるとこちらをまっすぐ見てこんなことを言ってきた。 - 22122/11/09(水) 00:01:00
- 23122/11/09(水) 00:02:00
- 24二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 02:19:24
おつ
よかったよ - 25二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 08:20:00
ありがとう、素晴らしかった
- 26122/11/09(水) 20:19:02
「『多重元奏飽和砲撃』!!!」
その声と共に莫大な魔力砲が放たれ目の前にいる敵を消滅させる。それを確認し、戻ってくるよう声をかける。
「お疲れ様イリヤ。もう大丈夫だよ」
「うん、勝ったよマスターさん!パラケルススさんもありがとう!」
「いえ、私は支援をしただけです。解決できたのは貴方の力ですよイリヤスフィール」
「まあまあ、2人とも頑張ったってことで。そろそろカルデアに戻ろうか」
「ええ、そうですね。それではカルデアに信号を送って…」
その声と共に光に包まれカルデアに帰還する。
「ただいま戻りました。微小特異点の問題、無事解決しました!」
「みんなお疲れ様〜☆こっちでも確認できたよ」
「お疲れ様です先輩、イリヤさん、パラケルススさん」
「ただいまマシュ、いやーそれにしても今回2人とも大活躍で…大丈夫かイリヤ」
「だ、大丈夫…アレ撃つとちょっと体中が痛くなるだけだから…」
「田植え後のおばあちゃんモードですね」
「ルビー、乙女に向かってなんてことを…」
「部屋まで帰るの大変そうだな…よし、俺が送って行くよ」
「え?大丈夫だよ。ほら歩けるs…痛ったあ!?」
「言わんこっちゃない…子供なんだから遠慮しないの」 - 27122/11/09(水) 20:23:30
「でもマスターさんも疲れてるから無理しなくても…ってもうおんぶしてるし!?」
「ほら軽いから余裕余裕」
「ご迷惑をおかけします…」
「頑張ったんだからそんなこと気にしないで良いよ。あ、そうだ報告なんだけど…」
「私がしておきます。マスターはイリヤスフィールをお願いします」
「わかった、パラケルススに任せるよ」
そう言って管制室を出る。イリヤ達の部屋はここから少し歩くが、イリヤは軽いし特に問題はない。2人で世間話をしながら廊下を進む。その途中何か物凄い圧力を感じた気がするが、まあ気のせいだろう。部屋に着くとちょうど美遊がいたので後のことを任せて自分の部屋に戻る。
「ただいまーっと…あれクロ遊びに来てたんだ?」
「…」
部屋のベッドに腰掛ける恋人に声をかける。
先日付き合い始めたばかりなのだが、以前に比べてこうして部屋にいることが格段に増えた。
「ごめんな待たせちゃって。でも特異点はきちんと解決してきたよ」
「…」
何を話しても返事がない…そのことに何となく嫌な予感がしたので、とりあえず思い当たったことを聞いてみる。
「もしかして…なにか怒っていますか?」
「……」
正解らしい。しかし何に怒っているのか見当もつかない。こう言う時は素直に聞くのが1番だ。 - 28122/11/09(水) 20:26:46
「……イリヤとイチャイチャしてた」
「えっ?」
「イリヤをおんぶして楽しそうに話してた」
「…ああー…」
一応イリヤをおぶってたのには理由があるのだが、それを話しても仕方ない気がする。逆の立場だったら同じように思うし。とはいえ機嫌は直してもらいたいので、できる限りのことをする。
「機嫌を直して欲しいのですが…何かできることは?」
「んー…そうね…」
少し考え込んだ後、何かを思いついたようで
「ここ、座って」
そう言って自分の横をポンポン叩く。言われた通りに座る。
「えっと…私は何をすれば良いのでしょうか」
「今からするからじっとしてて」
そう言うと向かい合う形で膝の上に乗り、そのまま抱きつかれた。
「これは…何を?」
「じゅーでん」
「じゅーでん、ですか」
答える気はないのかそのままハグを継続する。しばらく離れそうにないのでとりあえず頭を撫でながら次の言葉を待つ。その後たっぷり5分間は離れることはなかった。それで怒りはおさまったのか、ハグをやめると隣に座り直した。 - 29二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 20:28:03
支援
このまま過去ログに消えてくのはもったいないから、ハーメルンかpixivに投稿してくれないかな
駄目かな - 30122/11/09(水) 20:33:26
「…これから毎日じゅーでんさせてくれたら今日のことは何も言わない」
「それぐらいなら喜んで…もっと我儘言っても良いんだぞ?」
「うん、今はこれぐらいがちょうど良いの」
「そうなの?」
「だって楽しみは後に取っておいた方がいいでしょ?これからいっぱい貴方と一緒に思い出を作るんだから♪」
その言葉に思わずドキッとする。
「…そう言われたら頑張るしかないな」
「うんうん、そうこなくっちゃ。期待してるわよマスター♡」
そう言ってまた膝の上に乗ってくる。まるで気まぐれな猫のようでひたすら構ってあげたくなる。そんなことを口に出すと色々とからかわれそうなので秘密にしておくが。何はともあれ、無事もう1つの事件も解決することができた。
…のちにまた俺がやらかしてクロに拗ねられるのはまた別のお話…
終わると言っておきながら描きたい欲が押さえきれませんでした…
多分これで本当に終わりです多分 - 31122/11/09(水) 20:34:57
- 32二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 08:09:23
保守
- 33二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 17:51:16
- 34122/11/10(木) 23:05:01
- 35122/11/11(金) 11:03:18
「今日はポッキーの日ね」
「そういやあったねそんなイベント」
「というわけでポッキーゲームしましょ♪」
「やだよ恥ずかしい…大体ポッキーがないだろポッキーが」
「あるわよ」
「ええ…グリコなんでまだ地球に残ってるの?」
「食堂の赤いアーチャーに頼んだら作ってくれたわ」
「何してんだあのオカン」
何か言う度にくるくると表情が変わる彼。まあそんなところが可愛いんだけど。
「…一応ルールを聞いても?」
「ルールは簡単よ。1本のポッキーを2人で咥えて、食べ進めていって先に相手の魔力を吸い取った方が勝ち」
「なんか俺の知ってるやつと違うなあ…」
「細かいことは気にしないの。ほら早くやるわよ」
口に咥えたままポッキーを差し出す。彼も最初は赤面して咥えようとしなかったが、こちらが本気なのだと察すると観念して反対側からポッキーを咥えた。
わたしも初めてやるので最初はゆっくりと食べ進めていく。彼もわたしよりゆっくりではあるが食べ進めている。照れてるのか目を瞑っているのが可愛らしい。 - 36122/11/11(金) 11:17:05
…実を言うとこのゲームは咥えているポッキーが折れたり口から離したりした時点で終わりとなってしまう。でもわたしはそんなことするつもりはないし、彼もそんなそぶりは全く見せない。それはつまり"そういうこと"なのだろう。ならわたしも遠慮はしない。後少しでポッキーの咥える部分がなくなる。ここまで来たらもう絶対に逃さない。
「んっ…」
ポッキーが無くなり唇と唇が触れ合う。せっかくなのでいつもより長めにしてみる。ついでに魔力も貰っておく。チョコのせいなのか、雰囲気のせいなのか、それとも他の理由なのかはわからないがいつもより甘いキスだったことは確かだ。
「…ぷはっ……んー魔力とお菓子を同時に味わえるのって最高の贅沢ね♪」
「…こっちはなんかもう色々と味わうどころじゃないんですが…」
「その割には逃げようとしなかったけど?」
「そりゃ…好きな人とこういうことしてみたかったし…」
「貴方って結構乙女なところあるわよね」
「悪かったな!ピュアな思考してて!」
「悪くないわよ。むしろ貴方のそういう可愛いところ好きよ♪」
「まあそれならまあ…」
「顔、赤くなってるわよ」
「さっきからずっとだよ!」 - 37122/11/11(金) 11:19:59
- 38二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 14:33:32
また投稿してくれたのか、ありがとうございます
- 39122/11/11(金) 19:53:48
- 40二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 00:37:37
そうかじゃあこれで最後なのかスレ主お疲れ様良い作品読ませてもらったよ
- 41122/11/12(土) 06:40:23
ありがとうございます!
ただ本当に最後だと思ってたのに、今日夢でタキシードクロとかいう幻覚が見えてきたんですよね…
クロに侵食されてるみたいです - 42122/11/12(土) 06:41:09
安価つけ忘れたけど上のレスは>>40さんに向けてです
- 43二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 17:48:51
念の為保守
駄目だったら言って下さい - 44122/11/12(土) 22:16:55
- 45二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 22:29:57
- 46122/11/13(日) 10:21:35
- 47二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 11:43:34
マジですか、ありがとうございます!
- 48二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:02:37
ありがたい
- 49122/11/13(日) 22:08:57
- 50二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 01:47:58
- 51二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 11:50:18
ここで立てたスレっていいやつでも時間経過で消えちゃうの勿体無いな
- 52二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 20:11:08
保守
- 53二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:17:38
「というわけでいつもとは趣向を変えてみたわ」
「説明が全くないのにそんなことを言われても困るんだけど」
いつもと同じようなやり取り。違うところがあるとすれば、クロがタキシードを着ているということだ。
「とりあえずなぜその格好なのか説明をしてもらっても?」
「ルビーが今の時代はかっこいい女の子がきてるって言うから」
「ルビーはなんでそんなこと知ってんだよ…確かに似合ってるけどさあ」
「ん、ありがと」
そう言うとその場でくるっとターンする。その様子はとても様になっていて、男の俺から見てもとてもかっこよかった。
「まあそれは置いといて、せっかくだし普段しないようなことしてみたいんだけど」
「例えば?」
「そうねえ…」
言いながらなぜかこちらに近づいてくる。何となく嫌な予感がしたので、少しづつ離れてみる。
「なんで逃げるのよー」
「逃げてないですけど?ただちょっとじっとしてたくないなってだけで」
「ふーんそう、ならこっちも本気でいくわよ」 - 54二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:18:49
…前にもこんなことがあった気がする。とはいえ、部屋の中では逃げ続けることなどとてもできず、とうとう壁際まで追い詰められた。すると逃げ場がないことを確信したクロが、いわゆる壁ドンをする形で完全にこちらの動きを封じてきた。
「もう逃げられないわよ♪」
「何をなさるおつもりで…?」
「別にとって食べたりしないわよ。すぐ終わるからじっとしてて」
そう言うと、笑顔を引っ込め真剣な顔になる。
「わたしのものになりなさい、マスター」
「…っ!」
めっちゃ口説かれた。その言葉に思わず俺の心に少しだけある乙女心的なものが反応してしまった。とはいえこのままだとなし崩し的に色々とされそうなので抵抗は諦めない。
「それぐらいじゃ流石の俺でも耐えれるよ」
「そ。別に今ので終わりなんて言ってないわよ」
そう言うと顔を寄せてくる。…ここで思わず目を瞑ってしまったのは本当に情けないと思う。
「さっきはああ言ったけど貴方に拒否権はないわ。だって貴方はもうわたしのものなんだから…一緒にイイ事、しよ?」
耳元で囁いてくる。さっきのは耐えられたがこれは流石に無理だ。
「あーーもう無理!ギブ、ギブアップで!」
「やっぱり、わたしの思った通りになったわね」
「ぐぬぬ…」
「結構可愛い反応もしてくれたし」
「そうだな…」 - 55二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:19:44
「ほんと貴方ってからかい甲斐があるわね♪」
「返す言葉もない…」
楽しそうに笑うクロ。まあ、笑顔が見れたのでそれで良しとしよう…
「…そろそろ一旦離れてもらっても?」
「はいはい」
壁際に追い詰められた状態から脱出する。実を言うとこれ以上続けていたら理性やら何やらがやばかったのは内緒だ。ひとしきり楽しんで満足したのか、いつものようにベッドの方へと駆け寄る。
「やばっ…」
「クロっ!」
足元に何かあったのか転びそうになる。それを見て咄嗟に手が伸びる。
「っと…大丈夫か?怪我してないか?」
「…」
「クロ?」
「…っ!だ、大丈夫よ!どこも怪我してないわよ!」
「本当かー?なんか顔赤いぞ。怪我したの隠したりしてないだろうな」
「してないってばほんと」
「なら良いんだけど…」
言った後にクロを助けようとして抱き寄せたままなのに気がついた。なのでとりあえず離れようとしたが、しっかり掴まれていて抜け出せなかった。 - 56二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:23:04
「…クロエさん?」
「もうちょっとこのままで…」
さっきの調子は何処へやら。いつものようにスキンシップを求めて甘えてくる。…何となく嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
「…やっぱりわたし的にはこっちの方が落ち着くわね」
「なんのこと?」
「今の関係が1番ってこと」
「…ん、そうか」
「それより手、止まってるわよ?」
「ああごめんごめん」
「♪〜」
色々あったがご機嫌な様子で鼻歌を歌っているのを見ると
『やっぱりクロといるのが1番楽しいな…』
と、頭を撫でながら考えるのであった。
「次はマスターにも着替えてもらおうかなー」
「それは勘弁して…」 - 57二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:26:31
- 58二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:42:48
- 59二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 11:34:35
スレ主お疲れ様でした
- 60122/11/15(火) 23:11:26
- 61122/11/16(水) 11:03:30
往生際が悪い感じなのですが、没にしようとしていたのがあったの思い出したんで、引っ張り出しても大丈夫でしょうか?
- 62二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 11:43:46
終わりなのかと思ってたから、すごく嬉しいです、楽しみにしています!
- 63二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 12:45:10
大丈夫です、ありがとうございます!
- 64二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 23:59:24
保守
- 65二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 07:42:47
ほ
- 66二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 17:31:18
保守
- 67二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 23:38:54
保守
- 68二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 07:11:13
ほ
- 69二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 16:14:07
保守
- 70122/11/19(土) 00:27:27
遅くなって申し訳ないです
もう少しだけお待ちを - 71二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 10:10:17
何であれコメ残してくれれば大丈夫ですよ
- 72二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 15:27:04
了解です
- 73二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 22:41:37
保守
- 74122/11/20(日) 02:49:05
「それで、何か言うことは?」
「ごめんなさい…」
「わたしが言ったこと忘れてたとは言わせないわよ」
「いや本当に申し訳ない…」
明らかに怒っているクロに顔向けすることができず、ひたすら頭を下げる。
「じゃあ、何が悪かったか自分の口で言えるわよね」
「私ことマスターはクロエと痛覚共有を刻んだ際に、無茶はしないと約束したのに、その約束を破って無茶をしました…」
「そうね。で、なんであんなことしたの?」
「それは…」
今から少し前とある微小特異点でミッションを行なっていたのだが、そこでクロを庇って死にかけた。死にかけたとは言っても、攻撃が当たってたらの話であってギリギリで避けられたので倒れた時にできた擦り傷だけで済んだ。
ただ、その後はみんなにめちゃくちゃ怒られた。あまりにも軽率な判断だったことは確かだ。でもクロが危険な目に遭ってしまうのが見過ごせなかった。言ってしまえばエゴである。クロは俺よりずっと強いからもしかしたらあれぐらい大丈夫だったかもしれない。でもそんなことを考えるより先に身体が動いてしまった。 - 75122/11/20(日) 02:50:40
「その、ごめん…クロが危ないと思ってつい…」
それを聞いて軽くため息をつくと、
「わたしを守ろうとしてくれたのは嬉しいけど、それで貴方が怪我をしたら意味がないんだから」
「……」
「もう、心配かけないでね」
「………うん」
そのままそっと抱きしめられる。本当に心配してくれていたのが伝わってくる。抱きしめられる直前に見たクロの顔が涙目だったのはおそらく気のせいじゃない。
「次は絶対に許さないんだから。ずっとわたしのそばにいてくれるって言ったこと忘れてないわよ」
「俺だって忘れてないよ。クロから離れるなんて考えられないからな」
「うん、それなら良いわ。それでね…」
そう言うとにっこりと笑う。可愛らしさに思わずドキッとしたが、それとは別になんとなく嫌な予感がした。しかし今の俺には抵抗など許されるはずもなく、観念して次の言葉を待つことにする。
「罰として今から24時間わたしの言うことに従う、良いわね?」
「…はい、仰せの通りに」
「じゃあ早速」
そう言って手を広げる。意図がわからず考え込んでいると
「あーもう、察しが悪いわね」
言いながら首に手をまわされる。どうやら抱っこをご所望らしい。顔の近さにドギマギしながら腰と足に手をまわす。 - 76122/11/20(日) 02:52:25
「これで良いかな」
「うん、いい感じいい感じ♪」
嬉しそうに甘えていると思ったら、今度は唇を奪われた。突然のことに驚いたが、両手も塞がっていたので甘んじて受け入れる。ひとしきりキスをした後、今度は何をされるのだろうかと考えていると
「じゃあこのまま外に連れてって」
「マジで?」
「大マジよ。みんなに見せつけてやるわよ♪」
どうやら本気みたいだ…とはいえ自分達がそういう関係なのはだいぶ知れ渡ってるはず。今更何を恥ずかしがることがあるだろうか。いや、やっぱり恥ずかしい。しかしクロと約束した以上、逃げることはできない。
「本当に良いんだな?」
「わたしが言い出したことなんだから良いも悪いもないでしょ?ほら、早く早く」
…多分この先も俺はクロの尻に敷かれ続けるんだろうなと思った瞬間だった。それはそれとしてクロを抱き上げたまま部屋を出て廊下を進む。その道すがら色んなサーヴァントに出会い、
「見せつけてくれるじゃねえかマスター!」「お幸せにー」「うんうん、仲睦まじきことは良いことです」「ふっ…良い文明だな…」「クロがすごいドヤ顔してる…」「当方もあれをやってみようかと思うのだがどうだろうか我が愛よ」「そんな…困ります…」
等々の様々な言葉をかけられた。不思議と思っていたほどの恥ずかしさも無くそれらの言葉を受け入れられた。多分クロが嬉しそうにしてるからだろう。 - 77122/11/20(日) 02:53:21
- 78二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 09:45:00
乙です、ありがとうございます!
- 79二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 17:31:15
かわいいクロありがとうございます
- 80122/11/21(月) 02:37:09
わたしは今悩んでいる。先日からわたしはマスターと付き合い始めたのだが、これといって大きな変化はなく日々を過ごしている。強いて言うなら一緒にいる時間が前よりも長くなった…それぐらいだ。せっかく恋人になったのだからもっと色々としてみたい…してみたいのだが特に思いつかずこうして悩んでいる。
考えてても仕方ないので気晴らしに散歩をしていると、マタ・ハリと出会った。
「あら、こんにちは。何か悩み事?」
「…ひと目見ただけで見抜かれるとちょっと怖いわね」
「正解だったみたいね。ほら、私って人の心を読むのはちょっとだけ自信があるから」
「そういうものなの?」
「そういうものよ。それで?私にもお手伝いできる悩みなのかしら」
「えっと…」
こう言うことには詳しそうなので、それとなく経緯を話す。するとそれを聴くとすぐに
「そうねぇ…やっぱりスキンシップが良いんじゃないかしら。それもまだやってないやつとか」
「例えば?」
「んー…膝枕とか?」
「!」
盲点だった。確かにまだしていない事の1つだ。
「ビンゴね。せっかくだし試してみたら?」
「そうするわ。ありがとう、相談に乗ってくれて」
「同じ女同士ですもの。これぐらいお安い御用よ」
お礼を言って別れ、そのまま彼の部屋へと向かう。 - 81122/11/21(月) 02:38:05
「というわけで膝枕して♡」
「…俺がする側なのね」
部屋に入るなりそう伝える。あっけに取られていたが、すぐ否定しないところが彼の良いところだ。
「わたしにしてほしかったの?」
「いや、こういうのって女子が男子にやるイメージがあるからさ」
「それも良いけど…今日はわたしがしてもらいたいなーって」
「ちなみに拒否権は?」
「しても良いけど拒否されたら泣くわね」
「それは…すっごい困るな…」
そう言いつつ手元の資料を片付けると、ベッドに座りこっちへ来るように催促してくる。
もっと粘られると思ったが意外にも素直に応じてくれた。そのことに感謝しつつ、彼の膝へと頭を乗せる。寝心地はさほど良いわけではなかったが、不思議と心が落ち着いた。
「結構良いわねこれ」
「気に入られたようで何より」
「それにしても貴方のお腹が目の前にあるの変な気分」
「珍しいのはわかるけどつつくのはやめてね…なんか照れ臭いな」
「そういうところは相変わらずね。そろそろ慣れないの?」
「お恥ずかしながら、クロとは何しててもドキドキするんだよなあ…」
「…っ!」 - 82122/11/21(月) 02:40:23
…こういうところでそのセリフは本当にずるいと思う。まあ実のところわたしも結構ドキドキしているのだけど。なんだったらキスやハグをした時よりも緊張しているかもしれない。でもそれを言うと彼をからかう楽しみが半減しそうなので黙っておくことにする。
しばらくはそんな風に会話を続けていたが話しているうちに睡魔が襲ってきた。
「…なんだかすっごく眠い…」
「ん、そうか。寝てても良いぞ」
「でも…もうちょっと話してたい…」
「眠気のせいか珍しく素直だな…そんなん起きた後にいくらでも付き合うから、眠いなら寝とけ」
「……うん」
今は付き合ってくれなさそうなので、大人しく瞼を閉じて眠りに落ちるのを待つ。
「おやすみクロ。良い夢を」
そう言って優しく頭を撫でられる。なんだかまた少しだけ彼との距離が縮まった気がする。
『起きたら次は2人で何をしよう』
そんなことを考えながらわたしは眠りにつくのであった。
甘えるクロは健康に良い - 83二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 08:58:54
乙です!ありがとうございました
- 84二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 09:21:11
ありがとうございます!
- 85二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 21:12:51
スレ主ありがとうございました!
- 86122/11/22(火) 00:23:04
「またダラダラして。やらなきゃいけないこと、あるんでしょ?」
ベッドでゴロゴロしているマスターに動くように促す。しかし、起き上がる気配は全く見せなかった。
「もうちょっとだけ…これ読み終わったらで…」
「そうやっていっつも後から慌ててるじゃない。ほら早く動いて」
「めんどい…」
やればできる子なのにどうしていつもわたしが面倒を見ないと行動しないのだろうか。
「後回しにしたらもっとめんどくさいわよ。今のうちにやっておきなさい」
「…はーい」
流石に観念したようでベッドから出てくると、デスクに向かい溜まっていた資料の整理を始めた。わたしはそれを満足げに眺めながら、息抜きができるようにお茶とお菓子を用意することにした。
1時間ほどするとだいぶ進んだようで、わたしと会話する余裕も出てきた。
「クロ」
「ん?どうかしたの」
「もうちょいで終わりそうだからなんとなく声かけてみた」
「そこまできたら後は集中して終わらせなさいよ」
「なんかこういう時って集中途切れちゃってさー」
「後ちょっとなんでしょ?頑張りなさい」
「クロが冷たい…」
「何言ってんのよ。こっちが何かするとすぐ照れるくせに」
「それもそうだな…っとこれで終わり」 - 87122/11/22(火) 00:24:09
「こんな風にちゃんとやればすぐ終わるのに、なんで毎回後回しにしちゃうのかしらね」
「…ほら大体こういう時ってクロが手伝ってくれたり発破かけたりしてくれるから、なんか甘えちゃって」
「へ?そうなの?」
「うん」
「ふーんそう…」
思いもよらない真実に思わず頬が緩む。彼が戦闘以外でもわたしを頼りにしてくれてるというのは悪い気はしない。むしろもっともっと甘えてほしい。
「まあ…そういうことならしょうがないわね。わたしがこれからも面倒見てあげる」
「んー、お願いします」
「よろしい。それはそうとわたしには何もないのは不公平だと思わない?」
「それは…確かに」
「だから…ご褒美、欲しいな」
「…何をご所望で?」
「うーん、そうねえ…」
いざ考えてみるとやって欲しいことがたくさんありすぎて考えが全くまとまらない。とりあえず最初に思いついたものをやってもらおう。
「じゃあ、愛してるって言って欲しいな♪」
「!?そうきたか…」
「何でもしてくれるんでしょ?」
「まあそうだけど…しょうがない、ちょっと待って」
そういうと大きく息を吸い込む。それを見てワクワクしながら彼の言葉を待つ。 - 88122/11/22(火) 00:28:12
「…愛してるぞクロ」
「……」
思ったよりも破壊力がすごかった。「好きだ」とは何回も言われていたのでそれと同じような感覚で構えていたら、その倍以上はすごいものが来た。
「…なんか思ったよりも照れるわねこれ」
「俺頑張って言ったんだけど」
「そうよね…ありがとう、すごく嬉しい」
「喜んでもらえたなら良かったよ」
本当は毎日でも言ってもらいたいけど、わたしも彼も心臓がもたなそうなので、諦めることにする。今回は彼がわたしを頼ってくれてることがわかった、それだけでも充分だ。次も同じようなことがあった時、きっと彼はわたしを頼ってくるだろう。
「次が楽しみね♪」
「?」
知らず知らずの内に自分に依存させてるとは気づいていないクロエなのであった。
アケの絆10ボイスから着想を得ました
ここでも相変わらず距離感が近いのがめっちゃ良いです - 89二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 08:04:05
お疲れ様です、ありがとうございます!
- 90二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 19:13:45
アケの絆10ボイス羨ましいよなこっちでも実装してほしいものだ
- 91122/11/22(火) 19:59:31
実際お金めちゃくちゃかかるし、マッチング運がきついし、今始めてもクロ手に入らないしで全くおススメできないのですが、動いて喋ってくれるっていう点はほんと良いんですよアーケード
クロの鶴翼三連もめっちゃかっこいいです…
『Fate/Grand Order Arcade』サーヴァント紹介動画 クロエ・フォン・アインツベルン
- 92二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 01:08:17
保守
- 93二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 12:14:13
保守
- 94二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 23:28:11
- 95122/11/23(水) 23:43:46
「マスターマスター」
「うん?」
「ハイ、チーズ」
シャッター音が鳴り、ピースをしたマスターが映し出される。日本人にとってこの言葉は一種の呪いのようだ。
「うんうん、よく撮れてるわね」
「思わずピースしたけどなぜ急に写真を?」
「貴方の写真って持ってないなーって思って」
「そんなに欲しいものなの?」
「恋する乙女的には重要なアイテムなのよ。好きな人の写真は」
「そんなもんかね」
「そういうものなの…わたしの写真も欲しい?」
「そこで欲しいって言うとそこはかとない変態感が…」
「別に付き合ってるんだし今更気にすることないじゃない」
「何となくね。とりあえず今はいいかな」
「むー……あっ、じゃあ一緒に写真撮りましょうよ。それならいいでしょ?」
「まあそれなら…」
「決まりね。早速撮るから隣空けて」
「はいはい」
座っている彼の隣に腰をかける。せっかくだからぎりぎりまでくっついて撮ってみることにした。 - 96122/11/23(水) 23:44:43
「ほら、もっとくっついて」
「…こんなに近づかなくてもちゃんと写るでしょ」
「細かいことは気にしないの…じゃあ撮るわよ」
頰と頬が触れ合い、心臓の鼓動が伝わってくる。こんなに近づいたことなど何度もあるのに、緊張しているのがとても可愛らしい。
「ハイ、チーズ」
撮った写真を見てみると、頬をくっつけて笑みを浮かべる2人の姿がきちんと写っていた。彼の方は少し照れが見えるのが何とも愛おしい。
「はい、結構よく撮れてるわよ」
「んー…おお、ほんとだ。この写真俺も欲しいな」
「最初からそのつもりよ。写真送っておいたわ」
「さんきゅ。せっかく撮ったわけだし大事にしとくな」
「よろしい。寂しい時はその写真を見て元気出してね」
「俺を何だと思ってるんだ」
「照れ屋なのに寂しがり屋なうさぎ?」
「せめて人間にしてくれないかな!?後微妙に否定できない…」
「まあまあ、そういうところも好きよ。わたしは」 - 97122/11/23(水) 23:45:15
早速携帯端末の画面を先ほど撮った写真に変える。改めて見るとくすぐったいような気持ちになるが、彼との思い出の1つなのには間違いない。
「♪〜」
「ご機嫌だね」
「そりゃもちろん。こうやって貴方との思い出がまた増えたわけだし」
「そうか…これからも2人でいっぱい色んなことしような」
「!……うん!」
その言葉に笑みが溢れる。それと同時にいつもより体温が上がってきた気がするので、落ち着かせるために彼の肩に頭を乗せてみる。突然のことであったが、彼は嫌がったりすることなくただ黙ってわたしのすることを受け入れてくれた。
『次は彼とどんな思い出を作ろう』
彼に寄り添いながらわたしはこれからへの期待に胸を膨らませるのであった。 - 98122/11/23(水) 23:51:48
- 99二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 11:12:20
乙でした!ありがとうございます
- 100二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 16:18:43
確認遅れた
お疲れ様です、いつもありがとうございます! - 101二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 23:33:15
スレ主ss投稿乙です
- 102二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 11:31:30
保守
- 103二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 18:08:20
保守
- 104二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 00:29:36
保守
- 105122/11/26(土) 12:18:39
「相変わらずモフモフだなぁ…」
珍しく俺はフォウ君をもふっている。どうも今日は機嫌が良いらしく、軽くなら触り続けていても特に逃げられることはなかった。
「癒される…これがアニマルセラピー…」
しばらく撫でさせてもらったが、急に何かを察したような動作をするとそのまま部屋を出て行ってしまった。
「……残念」
もう少しもふりたかったと嘆いていると、フォウ君と入れ替わるかのように誰かが部屋に入ってきた。
「遊びに来たわよー」
「…いらっしゃい」
「なんか元気ない?」
「気のせいだよ気のせい」
まあ本当はフォウ君に逃げられてしまったのが少しショックだったが。
「……さっきまでフォウと遊んでたんでしょ?」
「超能力使えたんだっけ」
「そんなんじゃないわよ。ほら、足のところに毛がついてる」
「あ、ほんとだ」
どうやら俺が注意散漫だったらしい。まあ今はそんなことはどうでもいいのだが。 - 106122/11/26(土) 12:19:26
「今日は何しに?」
「ルビーが面白いもの作ってくれたから見せようと思って」
「…そういう時って大抵ろくなものじゃないよね」
「大丈夫よ。今回のは」
「今回のはって」
「とりあえず試してみるわよ」
そう言うと懐からステッキ?らしきものを取り出す。
「まさか…」
「そのまさかよ。というわけでえい☆」
光に包まれたかと思うと次の瞬間には装いを新たにしたクロの姿があった。
「それハロウィンの時のやつ?」
「そう、あなたが結構気に入ってたみたいだから残しておいたの」
「そうだったっけ…にしてもすごいなそれ。魔法少女アイテム的なやつか」
「そういうこと。まあ着替えるだけだから特に魔力が増えたりするわけじゃないけどね」
「なるほどな……」
にしても相変わらず危ない感じのする衣装だ。ハロウィンの時は楽しむのに夢中でそこまで頭が回らなかったが、改めて見てみると刺激が強すぎる… - 107122/11/26(土) 12:20:31
「…今えっちなこと考えてたでしょ?」
「!?そんなわけないよ。タブン…」
「相変わらず嘘が下手ね。まあわたし的にはあなたをドキドキさせた時点で勝ちだけど」
「なんの勝ち負けだよ…ってなんで膝の上にあがってくるんです?」
「?サービスだけど」
「…そうか」
「心配しなくても大丈夫よ。あなた以外にはこんなことしないから」
「なんの心配だよ」
「ほらあなたって結構独占欲強いし」
「何も言い返せない…」
手綱を握られている、とはこういうことなのだろう。恐らくクロには一生頭が上がらない。
「……撫でないの?」
「むしろ良いのか?」
「半分ぐらいそれが目的だったんだけど」
「じゃあ遠慮なく」
許可をもらえたので頭の方に手を伸ばす。今回は猫耳が付いているので少し気をつけなければならない。
「♪〜」
どうやらお気に召したようだ。そんなわけでしばらくは頭を撫でさせてもらったが、ふと思いついたことがあった。 - 108122/11/26(土) 12:21:02
「……」
「もうやめちゃうの?」
「いや、ちょっとな」
好奇心というものは恐ろしい。猫は顎の下の方を撫でると喜ぶという噂を聞いたことがあるので試してみたくなったのだ。
「ちょっと失礼」
「?」
今度は顎下の方へ手を伸ばす。今思い返すと明らかにやばい行為だったと思う。それに気づかないぐらい動揺してたのかもしれない。
クロは最初は驚いていたが、慣れてきたのか目を瞑ってリラックスしている。まるで本物の猫のようだ。
「♪〜」
ひとしきりスキンシップはとったのでそろそろ終わりにしようと思い手を離した。
「あっ…」
「どうかしたか?」
「まだ足りない…」
「マジ?」
思っていた以上に求められていたらしい。とはいえこれ以上は色々とやばい気がする。
「流石にこれ以上はな?」
「……好きなところ触っても良いよ?」
「…っ!?」
爆弾発言に思わずたじろぐ。いくら深い仲であってもそこまで言われるとは思わなかった。だが流石にそう言われてはいそうですかと受け入れるわけにはいかない。なので妥協案を提示することにした。 - 109122/11/26(土) 12:21:59
- 110二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 12:27:46
保守
- 111二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 00:11:15
乙です、ありがとうございました
公式のクロはおそろしくえっちだな - 112二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 10:15:09
保守
いつもありがとうございます - 113二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 10:36:33
保守
- 114二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:40:02
保守
- 115二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 08:37:53
保守
- 116二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 08:43:48
保守
- 117二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 19:38:22
保守
- 118122/11/28(月) 22:35:44
「というわけで今日は寝るまで恋バナをしようと思います!」
「はぁ?」
漫画を読みながらゴロゴロしていたら、唐突にイリヤが提案してきた。
「なんで急に?」
「ふっふっふっ…よく聞いてくれたわねクロ」
「あーそういうのいいから早く」
「わたしが!今!そういう話に!飢えているから!!!!」
「いや意味わかんないわよ。美遊も拍手しないでいいから」
というか飢えているって……なんとなーく嫌な予感がする。
「じゃあクロお願いね」
「なんでわたしからなのよ。言い出しっぺがやりなさい」
「わたしはフレッシュな恋バナが聞きたいの」
「めんどくさいこだわりね…じゃあ美遊は?」
「わたしも後学のためにクロの話を聞きたい」
「……2人とも最初から自分のは話すつもりなんてないでしょ」
「ソンナコトナイヨー。クロガハナシテクレタラワタシモハナスヨー」
「せめて隠す努力はしなさいよ…」
「だって気になるじゃん!クロとマスターさんが今どんな感じなのか!!」
「別に普通よ普通。というか美遊も気になるの?」 - 119122/11/28(月) 22:37:46
「ん、クロがマスターの前だと甘えたがりになると聞いたので気になってはいる」
「…それどこ情報?」
「ルビー」
「あの胡散くさステッキ……」
「まあまあルビーのことは置いといて。クロの話が早く聞きたいな」
「しょうがないわね。ちょっとだけなら良いわよ」
「「………」」
「2人して無言の催促してくるのやめなさいよ…何話せば良いの?」
「最近あったこととか」
「んーそれなら…」
3日前の話だ。確かあの日はマスターが部屋でおやつを食べるというので、せっかくだからとついて行ったのが話の発端だったはず。
『今日はパンケーキ〜』
『ご機嫌ね』
『なんだかんだ甘いものは好きだからな』
『それなら作った甲斐があるわね』
『これクロが作ったのか。だから食堂に』
『そういうこと。だから味わって食べてね』
『了解。じゃさっそくいただきます』
『あっ…ちょっと待って』
わたし用に置いてあったものを一口大に切ってそのまま彼の口へと運ぶ。
『はい、あーん♡』
さて…今日はどうだろうか。照れて口を開けない日と素直に食べさせられる日がある。毎回後者なら楽なのだけど、照れ屋な彼には難しいだろう。 - 120122/11/28(月) 22:38:16
『んっ………美味いな』
『良かった。一応練習しといて正解だったわね』
『わざわざそこまでしてくれたのか。ありがとな』
『…うん』
正直な言葉を真正面から受け止めたせいか少し体温が上がった気がする。とはいえ嬉しいものは嬉しい。
『クロ?』
『……ふえ?どうかしたの?』
『いやほら、もらってばっかなのも悪いと思って。口、開けて』
『!…良いの?』
『良いのも何も俺がやりたいからやってるわけだし』
『そういうことなら遠慮なく』
そうして今度は彼からわたしへとパンケーキが運ばれる。なんだかいつもより甘い気がするのはわたしの気持ちが高まってるからだろう。
『じゃあまたお返し。あーん』
今度も素直に口を開けてくれた。この調子だと、またわたしは食べさせられる側にチェンジしそうだ。
『じゃあ俺の番だな』
予想通りの展開となった。まあこれはこれで楽しいから問題ないけど。ただこのままだと体温が上がりすぎて大変なことになる気がする……でもせっかくだし今日はこのまま存分に甘えて甘やかされよう。 - 121122/11/28(月) 22:38:47
「大体こんな感じだったわ」
「「……」」
「ちょっと、黙ってないで何か言いなさいよ」
「えっと…つまりクロは全部食べ切るまでマスターと食べさせあったってこと?」
「?うん」
「何それ超甘いんだけど!!!」
「!?」
「クロとマスターさんがイチャイチャしてるのは知ってたけどまさかそこまでいってるなんて…」
「別に毎日じゃないし」
「毎日じゃなくても相当イチャついてると思う。こういうことに詳しくないわたしでも分かる」
「美遊まで…」
どうやら傍から見ると相当なバカップルモードに突入していたらしい。やってたのが2人きりの時で良かったと胸を撫で下ろす。
「いやーすごい話を聞けたね……じゃあ次、第2弾いってみよー!」
「おー」
「まだ話さないとダメなの…?」
「何言ってるのクロ。夜はまだ始まったばかりだよ!」
「めんどくさモード入ったわね…」
こうなったらとことん自慢してやろう。あの人がどれだけ可愛いか、2人がお腹いっぱいになるまで自慢してやる。
結局2人が喋り疲れて眠るまでわたしは恋バナを続けることになったのであった。 - 122122/11/28(月) 22:41:08
今回も少し間が空きましたが、その間保守ありがとうございました
最近書いていて糖度が上がってきた気がします… - 123二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 07:32:43
保
- 124二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 12:53:54
朱
- 125二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 18:50:32
保守
- 126二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 01:46:22
保守
- 127二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 12:50:42
- 128二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 20:36:56
保守
- 129二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 07:54:42
保守
- 130二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 18:05:38
保守
- 131二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:25:10
保守
- 132二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 08:14:26
保守
- 133二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 19:32:33
保守
- 134二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:57:10
保守
- 135122/12/03(土) 00:14:04
「というわけで私はメカクレを愛するようになったのだよ」
そんな声が食堂の片隅から聞こえて来る。相変わらずバーソロミューのメカクレ愛はすごい。
「髪型ねえ…」
「?どうかしたの」
「ん?ああいや、バーソロミューの話が耳に入ってきてさ」
「髪型の話?」
「そう、それ」
「ふーん…」
「あそこまで語れるってすごいなーって
「確かにすごい熱量よね……そういえば、あなたはどんな髪型が好きなの?」
「うーん…」
そんな事ちゃんと考えたこともなかった気がする。もちろん自分の髪を切る時には気にしていたが、他人のまで気にしていたかと言われると微妙なところだ。
「……」
「もしかしてそういうの気にしないタイプ?」
「そうかもしれない」
「んー、じゃあわたしの髪短いのと長いのだったらどっちが好き?」
「…今のまま?」 - 136122/12/03(土) 00:15:44
「何で疑問系なのよ……でもそっか、これぐらいが好きなんだ」
「サラサラで綺麗な髪色してて映えるからなー」
「!!…その……アリガト…」
「どういたしまして?」
「あ〜〜〜、何であなたこういう時だけ照れずにそんなこと言えるのよー!普段はヘタレなのにー!」
「ヘタレじゃなくて慎重派ですー」
「どっちも似たようなものでしょ。……なんか最近やられてばっかな気がするし、ここらで押されてばっかじゃないとこ見せないとね」
「?」
そう言うと席から立ち上がり、そのまま俺の手を引いて何処かへと連れていかれる。大体行き先は決まってるようなものだと思うけど。
「それでいつものように部屋に来たわけだけど、今日は何するの?」
「ちょっと待ってね」
そう言うとまとめていた髪を下ろし、また結び直す。それを『手際が良いなー』とボーっと見つめている内に結び終わってしまった。
「どう?いつもとは違う感じにしてみたわ」
「すっごく良いと思う!」
「ものすごーく素直な感想、ありがと」
「何かかっこよさが増すよねポニテは」
「最初から好感触ね」
「……最初からってことはもしかしてこの感じで色々と聞かれる感じ?」
「正解。せっかくだしあなたの好みに合わせたいと思って」
「直球で言われると照れるな…」 - 137122/12/03(土) 00:17:07
「ん、とりあえず1ポイントってところかしら。じゃあこの調子でどんどんいくわよー」
ツインテール
「ちょっと子供っぽい?」
「雰囲気ガラッと変わるからこれはこれで良いと思う」
「……」
「聞いておいて引くのはやめてくれない?」
サイドテール
「こうやって見ると何々テールって多いわね」
「でもどれも結構印象違うな」
「じゃあこれはどう?」
「元気な感じがあるのが良い」
「ふーん、なるほどなるほど…」
三つ編み
「慣れるまでちょっと大変なのよね」
「確かに編み込むの大変そうだな…」
「その分まとまりがいいっていうメリットもあるんだけど」
「THE・文学少女の髪型感」
「……ださいわねその言い方」
「えー…」
シニヨン
「シニヨンってお団子結びのことだったのか…」
「フランス語らしいわよ。で、感想は?」
「良いんだけどなんか中華風が連想されるな」
「あー、確かに2つ結んでたりするとそのイメージあるわね……チャイナドレス着てあげようか?」
「なんか俺がそれを期待してるみたいに言うのはやめようか」 - 138122/12/03(土) 00:17:55
「で、どれが1番良かった?」
「うーん……下ろした時?」
「予想外なところ選んだわね」
「なんかこう、グッとくるものがあるというか」
「なるほど…お風呂上がりの時にやらしー視線を感じる時があるのはそれが理由だったのね」
「やらしい目は向けてないぞ!……恐らく」
「それはそれでこっちの自信がなくなるんだけど」
「じゃあどうすればいいんだよ…」
「んー、ほどほどにやらしい目?」
「なんだそれ。というかそういう目で見られるのは良いのか」
「時と場合による、かな。でも女の子として意識されてるって事だから…まあ悪い気はしないわよ?」
「そんなもんなのか」
乙女心は複雑らしい。今までいろんなことがあったが、これだけは一生かかっても理解しきれる気がしない。 - 139122/12/03(土) 00:18:27
「別に難しく考えなくで良いわよ。いつも通りのあなたで十分」
「逆にそう言われるといつも通りが難しくなるんだよなあ」
「わたし的にはそれはそれで面白いから良いけど」
「おい」
「それは今は置いといて。とりあえず分かったことは、あなたのお気に入りはお風呂上がりのわたしってことね」
「だからこうなんで変態チックな言い方に…」
「でも好きなのに変わりはないんでしょ?」
「……否定はしないよ。うん」
「こういう時こそ素直になった方が可愛いのに」
「はいはいわかったわかった。この話はこれで終わりな」
「適当ねぇ…あ、そうだ。せっかく好みも聞いたわけだし、ついでにこの後お風呂上がりに髪乾かすのととかすのお願いしたいなー」
「ついでって…まあ良いけど。仰せの通りにお嬢様」
「うん、よろしい。優しくお願いねマスター♡」
後日、髪を乾かすだけではなく結び方も指南される様になったのは言うまでもない。 - 140122/12/03(土) 00:23:03
- 141二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 10:26:42
保守
- 142二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:23:41
保守
- 143二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 10:20:23
保守
- 144二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 10:28:20
保守
- 145二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:21:31
ほしゅ
- 146二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:26:29
保守
- 147二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 10:23:03
保守
- 148二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 19:19:50
保守
- 149二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 19:22:31
保守
- 150二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 07:18:52
保守
- 151二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 17:51:52
保守
- 152二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 17:52:43
保守
- 153二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 04:08:11
このレスは削除されています
- 154二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 13:08:16
保守
- 155二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 13:08:55
このレスは削除されています
- 156二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 19:58:04
保守
- 157二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:37:54
保守
- 158二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 01:28:29
ほしゅ
- 159122/12/08(木) 01:58:17
「寒いわね……」
「寒いな……」
今わたし達がいるのは雪原……に設定したシミュレーションの中だ。見た目だけでなく物や温度、天気などもリアルに再現されている。
「シミュレーション使うのはいいけど、何でわざわざ雪原にしたの?」
「んー…ここじゃないとできないことがあって」
「?」
「っていうわけだからちょっと屈んで」
「いや意味わからんよ…」
「細かいことは気にしないの。ほら早く」
「はいはい…」
そうは言いながらも素直に言うことを聞いてくれる。頼めば聞いてくれるって分かってるからつい甘えてしまう。
「屈んだけどどうするの?」
「…えいっ☆」
「つめたっっっ!!!」
両手で彼の頬を挟み込んでみた。漫画なんかではよく見るが実際にやってみるのはこれが初めてだ。
「確かにあったかいわねこれ」
「…俺はめっちゃ寒いんだけど。というかこれがやりたかったの?」
「流石にこれだけじゃないわよ」
「そうか……あのいつまでこの体勢のままでいれば良いのでしょうか?」
「もうちょっとだけ…」
「ん、了解」
「終わったらわたしにもしていいから」
「流石にしないよ。クロが大丈夫ならそれで充分」 - 160122/12/08(木) 01:58:54
ほらこういうところだ。自分よりもこっち優先、わたしとしてはもうちょっと自分優先にして欲しいものだけど…
「…やっぱり痛覚共有するだけじゃダメなのかな……」
「うん?どうかしたか?」
「…なんでもないわよ。それよりほら、これから体動かすんだからストレッチしておいて」
「それはもしかしてこのスコップを持ってきたことと関係が?」
「察しがいいわね。そう、これからそれを使ってかまくらを作るわよ!」
「おおー、いつになくテンションが高い…ならこっちも精一杯働かせてもらうよ」
「うんうん、やる気出してくれてよかったわ。じゃあ早速始めましょうか」
「おー」
そこから先は思ったよりも早く……は進まなかったけど、2人で協力しながらなんとか完成させることができた。初めてにしては中々良くできてると思う。
「よーし、早速入ろうか。めっちゃ寒いし」
「そうね」
思っていたよりも中は暖かかった。お陰で寒さは気にならなくなったが、あまり広くは作ってなかったので、並んで座るとピッタリと寄り添う形になってしまった。 - 161122/12/08(木) 01:59:45
「……」
「……」
『どうしよう』と思わず心の中で呟く。別に普段はこれよりもっと距離感の近いことをしているはずなのに、なぜか声が出なかった。そうしている内に心臓の鼓動が大きくなっているのを感じる。さっきまで寒かったはずなのに、今では体の奥が火がついたように熱くなっている。
「ちょっと良いか?」
「!…うん」
「このタイミングで言うのもアレなんだけど」
「なに?」
「その…手を繋がせてもらってもよろしいでしょうか」
「!」
嬉しいサプライズとはこういうことを言うのだろうか。まあ、彼はそんなつもりじゃないだろうけど。
「もちろん良いわよ。手、出して」
「ん」
手を握った後は、先ほどと同じように2人ともただぼんやりと外の景色を眺めていた。けれど眺めている内に気が緩んできたのか、唐突にこんな事を呟いてきた。
「やっぱりクロと一緒にいると落ち着く…」
その言葉を聞いて思わず彼の方を見つめてしまう。幸い…と言って良いのかわからないけど、彼はそんなわたしの様子には気づいてないようだ。なのでバレない内にわたしらしく返すことにしよう。 - 162122/12/08(木) 02:00:31
「ほんっとあなたってわたしのこと好きよね♪」
「そうだな。情けないかもしれないけどこれからもよろしく頼m…!?」
返事代わりに唇を奪ってやった。彼は突然の出来事に目を白黒させているが、気にせず続ける。
「…ん……ごちそうさま♡」
「…いきなりだな」
「嫌だった?」
「どうせ何て答えるかわかってて言ってるだろ?」
「そりゃそうよ。からかいたくて言ってるわけだし」
「いやまあそうだろうと思ってたけど、もうちょいオブラートに包むとかさ」
「でも遠回しに言うと気づいてくれない時あるし」
「それは…確かに…」
「でしょ?」
そんなやりとりをしている内にもっと甘えてみたくなったので、彼にもたれかかってみる。これじゃどっちがどっちを頼りにしているのかわからない。
「わたしも頼りにしてるわよ。マスター♪」
特に返事はなかったが、無言で私を抱き寄せたのが答えなのだろう。口に出さないのは恐らく恥ずかしいからだ。その結果、より大胆な行動をしているのはなんとも彼らしい。
「ふふっ♪」
そんな好きな人の可愛いところに、思わず笑みが溢れてしまうわたしなのであった。 - 163二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 07:40:46
ほしゅ
- 164二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 12:03:05
正午上げ
- 165二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 12:08:52
このレスは削除されています
- 166二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 14:08:26
深夜に上がってたのか、お疲れ様です
- 167二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 15:01:40
おやつあげ
- 168二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 18:32:55
保守
- 169二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:08:35
あげ
- 170二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 01:53:11
ク
- 171二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 07:24:41
ロ
- 172二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 12:08:53
エ
- 173二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 18:36:42
リ
- 174二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:58:55
保守
- 175二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 07:33:02
保守
- 176二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 13:43:23
保守ク
- 177二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 18:14:06
保守ロ
- 178二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 19:48:37
あげ
- 179二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:53:32
保守。
- 180二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:02:40
sy
- 181二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 11:26:42
ageha
- 182122/12/11(日) 12:11:03
『どうしようこれ…』
俺は今重大な局面に立たされている。対応を誤れば死に直結することだってあり得るだろう。なぜ早朝からこんなことになってるのか。事件は数分前に起きた……
『………まだ寝れるな…』
その日の俺はいつものように自分の部屋で睡眠をとっていたが、何か違和感を感じたのかいつもより早く目が覚めた。まあその違和感の正体はすぐにわかったのだが、問題はそれだけじゃなかった。
「また潜り込んできたのか」
視線の先にはすうすうと可愛らしく寝息を立てるクロの姿があった。ついでに言うと、信頼されている証なのか、抱きつきぐせなのかはわからないが完全に抱き枕状態にされている。
「流石に注意しといた方が良いn……!?」
そこで気づいてしまった。クロは見ての通り、ファスナーがあるタイプの着ぐるみパジャマを着ているのだが、なぜか本来隠れているところが見えてしまっている。
「おおう…マジかー…」
クロが積極的なのはよく分かっているが、まさかここまでぐいぐい来るとは思わなかった。けど流石に男女がこの状態でいるのはまずい。とりあえず何か解決策を考えてみる…
『ここで俺が取れる選択肢は2つ。1つはこのまま見なかったことにして寝てしまうこと。もう1つはクロを起こしてしまうこと。』 - 183122/12/11(日) 12:11:44
「いや、どっちも無理じゃね…?」
どっちにしろやばい状況になるのは火を見るより明らかだ。しかしこのままいるわけにもいかないので何かいい方法がないか考えなければならない。
「…ん……ふあ….」
「!?」
「………ますたー…」
終わった…いくら深い仲であるとはいえ、この状況を見たらどうなるかわからない。観念してなにを言われても受け入れようと身構えていると…
「ぎゅー……」
「…あれ?」
予想に反してなにも起こらなかった。むしろなんかくっつかれた。
「ちょっ、ちょっと良いかな?」
「んー……なにー………」
「色々と説明してほしいんだけど」
「えー……」
「頼む!じゃないと色々まずい!」
「むー……わかったわよ…」
まだ眠いらしくゆっくりと起き上がる。自分から起こしておいて言うことではないが、正直直視することができない。 - 184122/12/11(日) 12:12:26
「で、何を説明すれば良いの?」
「全部」
「めんどくさいわね…」
「わかった。じゃあ一番気になってたことを」
「うん」
「流石にその格好はまずいんじゃないかな」
「大丈夫よ。あなた以外には見せないから」
「そういう問題じゃないだろ…」
「でもこういうの好きなんでしょ?」
「そこで頷いたら俺やばい人になっちゃう」
「別に良いのよ?わたしには全部さらけ出してくれても」
「そういう人前提で進めるのはやめようか…というか何で俺にだけなら良いよ宣言を?」
「だってこうやって口にしないとあなたヤキモチ妬きそうだし」
「…それはそうかもしれないけど」
「でしょ?なら問題ないわね♪」
そう言ってにっこりと笑う。こちらとしては絶妙に腑に落ちないような、言いくるめられたような、そんな感じなのだが。
「うまく丸め込まれた気がする…」
「細かいことは気にしないの」
「はいはいわかったよ」
「そ・れ・よ・り、まだ早いんだからもう少しここにいて」
「と、言いますと?」
「んっ」 - 185122/12/11(日) 12:13:14
返事の代わりに抱き枕にされる。要するにまだ一緒にゴロゴロしていたいということだろう。…正直目のやり場に困るし、その状態でくっつかれるのも色々とやばいのだが、ここで断ったらまずいことになるのは目に見えている。
「後30分だけな」
「はーい♪」
そう返事をすると嬉しそうに頭を擦り付けてくる。試しに撫でてみると、お気に召したようでさっきよりもしっかり抱きしめられる。
「…最近ストレートに来ること多くない?」
「あなたにはこういうのが一番って分かったから。後は甘えられる時に甘えておいた方が良いと思って」
「そうきたか」
「照れてる?」
「…そうだな」
「ふふっ♪」
「敵わないなあ…」
その言葉に満足げな笑みを浮かべたかと思うと、次の瞬間には目を瞑って寝息を立て始めていた。
「短い時間だけど…おやすみ、クロエ」 - 186122/12/11(日) 12:16:12
- 187二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 12:47:29
あげ
- 188二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 14:39:50
あg
- 189二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:39:22
保守
- 190二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:06:58
R18 あげ
- 191二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:56:09
R-18あげ
- 192二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 23:38:56
このレスは削除されています
- 193二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 00:33:44
よるあげ
- 194二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 00:54:00
このレスは削除されています
- 195二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:02:26
ほしゅほしゅ
- 196二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:04:45
このレスは削除されています
- 197二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:05:09
このレスは削除されています
- 198二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:05:36
このレスは削除されています
- 199二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:06:03
このレスは削除されています
- 200二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:06:22
このレスは削除されています