前世の記憶持ちウマ娘の寝取られ、もしくはヤンデレ概念

1二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:27:26

『私は自身の後悔をやり直し、あの人の後悔をなくす事が出来た。この世界は夢の続きなようなものなの』

　そう言って照れ臭そうに微笑む母の姿はよく覚えている。いつもいい加減で乱暴な母親だが、元トレーナーであるクソ真面目な父親との馴れ初めの話になるとどこか弱弱しくなる。それが面白くて、アタシは姉と一緒にそんな母をよくからかっていた。最近では野良レースに熱を上げる父親に浮気だとかなんだとか言ってキレる母親の姿は記憶に新しい。

だが、そんな母の話を馬鹿に出来ないほどの事態がこの身に起こった。

2二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:28:52

　
母親がGIウマ娘であり、父親が元トレーナーなアタシは当然のようにトレセン学園への入学を果たした。一年早く入学した姉はすでにGIタイトルを獲得。正直言って周囲からの期待の目線には嫌気がさしていた。

　正直言って乗り気とは言えない気持ちで出走した学園での模擬レース。アタシ以外の有力なウマ娘が揃ったレースであるため、学園関係者やスカウトにきたトレーナーが多数観戦していた。

そんな人間達の中にあの人はいた。
真新しいトレーナーバッジを身に着けたあのトレーナー。

ああ……

ああ……忘れるわけがない！　あの小生意気な顔をアタシが忘れるわけがない！

3二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:29:49

　

瞬時に脳内で溢れだす記憶。どれも大切な記憶だがやはり一番強い思いは”後悔”であった。背に残る違和感、慣れない芝と雰囲気。そのどれもがもやのように脳内で広がる。そして、最も記憶に残っているのは悔し涙を流しながらアタシに背を向けるあの人の姿。

今のアタシなら理解出来る

「お兄ちゃん……？」

「あれ……パパ……？　でも……えっ……何かの魔法なの！？」

　周囲でも何人かのウマ娘の視線が件の新人トレーナーへと向かっている。だが、はっきり言ってあいつらはアタシの敵じゃない。唯一障害になりそうなのは同じ枠番に入ったウマ娘くらいであろうか。

4二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:31:15

「今度こそ……今度こそあの人を凱旋門に……ボクと一緒に……」

黒く濁った目でブツブツを呟く隣のウマ娘から視線を外し、自分は前を見据える。

模擬レースは芝2400ｍ。

この距離で負けるわけにはいかなかった。
そうして、ゲートが開く懐かしい音を聞きながら、アタシは躊躇なく走り出した。

『勝ったあああああっ！　圧勝ゴールイン！　1着オルフェーヴル　2着ブラストワンピース　3着トールポピー！』

レース場に響き渡る実況音声を聞きながら自分の勝利を素直に喜ぶ。

そうして、周囲に群がってくるスカウトの群れを振り払い、私はあの人の元へ走った。

5二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:32:19

『この世界は夢の続きなようなものなの』

母の言葉が脳内でこだまする。

アタシの後悔……後悔の先にあるアタシの夢は……！

そうして、笑顔で飛びつこうとするアタシに……あの人は……！

「えっ……」

あの人は、アタシの横を素通りした。

そうしてあの人が向かったのは模擬レースで最下位となったウマ娘の元であった。

6二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:33:18

もしかして全員前世の記憶持ちなの？

7二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:34:57

ikzeスイッチが入ったんだろ

8二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:35:17

「誰ッスかあの女……そんな女騎士みたいなコスプレしたやつが好みだったんッスか……？」

自分の言葉に返事を返すものはいない。自然と自分の手は口元を覆うマスクへとのびていた。

「もう本当にしょうがないッスね……忘れたなら思い出させてあげるッス……アナタはアタシのものッスよ……アタシと一緒に……今度こそ一緒に凱旋門に……」

そうして、私はあの懐かしい背中へと向かって駆け出した。

（完）

>>9

9二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:36:07

>>8

妹泣かせやがったなあのクソボケ、殺す！