ファインモーション「閉じ込められちゃった、ね……♪」【SS】

1二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:55:08

バキッとシャカールが扉を蹴り開ける。
「……反省文は俺が書いとく」

2二次元好きの匿名さん21/10/25(月) 23:55:42

「……どうしてファインが不機嫌になンだよ」
頬を膨らませてそっぽを向いているファイン。
オレの目の前には破損報告書が置かれている。
会長に扉を蹴り壊した理由を話したところ、反省文の代わりに書いてくれと渡された。
壊した物品、つまり“扉”とだけ書いて返せばいいのだが、会長はそそくさと見回りに向かってしまった。
エアグルーヴやほかの生徒会役員もいないため今はファインと二人きりだ。
「……いくらなンでも不用心すぎだろ」
などとぼやきながら用紙に記入をする。
腕に柔らかな感触に包まれる。
ファインが膨れた頬を押し付けるようにオレの腕に抱きついていた。
「……書きづれェンだが」
ファインはオレの問いかけを無視して用紙を指さした。
「ここに私の名前も書いて」
「はあ！？お前を助けるために壊したンだぞ！？」
「……二人きりでイチャイチャしたかったのに」
辺りを見渡す。
オレたちしかいない。
「今だって二人きりだろ」
「むうう～」
腕に抱きつく力がさらに強くなる。
一つため息をついた。
「……書き終わったらキスしてやるから放せ」
「やったあ♪」
ファインにようやく解放された。
……ファインに乗せられた気がする。
そう思っていると今度は頬に柔らかい感触。
そして控えめなキスの音。
「……お前がするのかよ」
「えへへ……♪」
目の端に見えたファインは頬を赤く染めていた。