- 1二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 00:05:05
私は一年前海軍に入隊した。
マリンフォードの戦いを見た私は海兵たちの勇気に触れ、自分も市民を守りたいと志願した。
女性の身でありながら剣を振るい大佐に上り詰めたたしぎさんに近づけるよう努力し、曹長に昇格出来た。
が、そこからが悲劇の始まりだった。
ある日嵐に遭い海軍船が沈没した。
グランドラインは一瞬で人の命を奪う、そんな恐ろしい海域なのだ。
意識を失い目を覚ますとそこは医務室。
現状を把握しようと見渡すとタヌキ…のような珍獣が私を手当てしていた。
「おっ目を覚ました!お前自分の名前言えるか?痛い所あったら教えてくれよ」
この珍獣…どこかで見たことあるような。
とそこに私を心配して見にきた船員が来た。
そして彼らを見た瞬間自分の置かれた立場を理解し恐怖に震えたのだ。
麦わら帽子を被った赤い服の青年。
隻眼の三本刀を持つ青年。
そしてオレンジ色のグラマラスなビキニ美女。
その他手配書に見られる特徴を持つ奇人変人。
そう、そこは四皇にして数々の恐ろしい事件を起こしている麦わらの一味の海賊船なのだ! - 2二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 00:05:45
良かったなSSRだぞ
- 3二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 00:18:41
私は謂わばまな板に乗せられた魚。
死ぬより惨い目に遭うぐらいなら死を選んだ方がマシ。
それほど海賊は恐ろしい存在なのだ。
いっそ舌を噛み切ろうかとしたその時、噛み砕こうとした歯は口内から生えてきた小さな手で抑えられ自決することが出来なかった。
「ダメよ、命を粗末にしちゃ」
やったのはロングで黒髪の女性。
手をクロスさせ悪魔の実の能力を発動させたのだ。
悪魔の子ニコ・ロビンめ…
何という屈辱!生きて恥を晒せと言うのか麦わらの一味は!
「あー怪我は治ったってことでいいんだよなお前?」
船長にして四皇、この海で最も恐ろしい海賊、モンキー・D・ルフィが私に話しかけてきた。
「貴様海賊に話すことなど何もない!殺すなら殺せ!」
そう言い放つとルフィはニカっと笑って安心したように言った。
「ああそうか。元気そうでよかったよ!チョッパーこいつ体大丈夫なのか?」
「検査してみたけど異常はねえ。しばらく安静にしてたら無事に退院出来るぞ」
心配したのか…海賊が海兵を?
どういうことだ?海賊と海軍は不倶戴天の敵。
片方が死んだらもう片方が喜ぶ。そんな関係なのに。
「こういう感じなのよ、うちの海賊団って。その内慣れるわ」
グラマラスな美女、泥棒猫ナミが私に話しかけてきた。
嘘を言ってるように見えないが…しかしこれは逆にチャンスだ。四皇の情報を探り本部と合流すれば一網打尽に出来るぞ! - 4二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 00:30:17
「私は見ての通り海兵。階級は曹長だ。まず聞きたいのがこの船はどこに向かっているのだ?そして何より何故私を助けた?」
情報を引き出し本部に伝える。これが今の任務だ。
「そりゃあお前が溺れてて死にそうだったからに決まってんだろ。ナミ、今はマルマル島の航路で合ってるよな?」
「そうね。マルマル島からペケペケ島、海軍基地を挟んでズケー王国に行く進路よ」
海軍基地!?願ってもない話だそこに駆け込めば助かる!
「恥を忍んで頼みたいことがある。君たちを良識ある海賊とご見込み私をサンカク基地まで連れて行って欲しい」
流石に露骨すぎただろうか…わざわざ海軍基地に向かう海賊なんている訳「いいぞ!」え?
「おいルフィ!こいつ海兵だぞいいのか!?」
「細かいこと気にしすぎなんだよクソマリモは。ああ海賊と海兵、許されぬ恋のロミオとジュリエット!」
「でも一応はお客様としてではなく捕虜として扱わないとね?貴女も海兵ならそこぐらいの覚悟はあるわよね?」
勿論だ。私は成果を上げ上に上り詰める。そして女性初の海軍元帥になる野望を叶えるのだ! - 5二次元好きの匿名さん22/11/09(水) 00:46:53
良かったね。厚遇してくれるぞ、その一味。
マリモと大人組からは警戒されるかもだが。