- 1二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:20:06
- 2二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:20:38
ウタ「なんで?」
ナミ「あのねウタ、そういうのはあんまり堂々とするもんじゃなくて……」
ウタ「なんで?」
ロビン「言われてみれば……」
ウタ「みんな仲間なんでしょ?堂々としようよ!」
ロビン「確かに……?」
ナミ「流されないでロビン!!!」
ウタ「でも意外だなー!2人の馴れ初め聞きたいな!」
ナミ「いや、だから……」
ウタ「馴れ初め聞きたい!」
ナミ・ロビン(言えない……)
ナミ・ロビン(ルフィのことが好きだったけど、諦めることになって落ち込んでたときに慰められて済し崩し的にこうなってることは絶対に言えない……!)
ルフィ「ゾロ、ウソップ。おれ聞いてねェぞ」 - 3二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:21:36
ゾロナミ ウソロビ
なのか
ウソナミ ゾロビン
なのか
4Pプレイなのか - 4二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:22:31
このレスは削除されています
- 5二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:23:38
ナミ(いやいやだってロビンは大人だし私みたいに済し崩しみたいなことあるはずないじゃない!確かにウソップは普段情けないところもあるけどここぞってときにはかっこいいところもあるし、なによりエニエスロビーのときの狙撃はすっごくかっこよかった!あんな助けられ方して好きにならないはずないわよね。そんな激アツエピソードの前で「ゾロとはなんとなくこんな感じに!」なんて言えないわ……)
ロビン(ナミとゾロはグランドラインに入る前からの仲間だって聞いてるし、私の知らないエピソードがあるに違いないわ。普段は距離があるように見せているのも息があっている証拠!無骨なゾロが時々見せる優しさに心惹かれるなんてナミの恋心はなんてかわいいのかしら……。そんなかわいい恋の前で「ウソップとは話の流れでこんな感じに」なんて言えないわ……) - 6二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:23:52
ウタ「2人とも黙ってどうしたの?あっ、もしかして一言では語りきれないくらいのエピソードが……?」
ナミ・ロビン「ええ!そうよ!」
ナミ(私はともかくロビンにはあるはずよ!)
ロビン(私はともかくナミにはあるはずよ!)
ゾロ「言ってなかったか」
ウソップ「そのごまかし方無理あると思うぞ」 - 7二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:24:57
ウソロビとはわかっておるの
- 8二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:26:00
ルウタ
ゾロナミ
ウソロビ
のカップルか
サンジがまたハブられてると聞く… - 9二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:29:51
ルフィモッテモテだな
- 10二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:30:52
みんなルフィの底抜けの包容力と明るさに救われてるしな
- 11二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:34:59
ウタ「海賊の恋ってどんな感じ?先輩として教えて欲しいな!」
ナミ「せ、先輩としてならロビンに聞いたらいいんじゃないかしら?」
ナミ(恋!?恋なんてもんじゃないのよこれは……)
ロビン「あら……こういうことはナミの方が詳しいとおもっていたのだけれど?」
ロビン(私の気持ちは恋なのかしら……。優しく抱きしめてもらったときはほっとしたけれど……)
ウタ「えー、迷うなー。どっちから先に聞こうかなー」ニコニコ
フランキー「なあ、この空気どうすんだ?」
ブルック「ヨホホホホ!こうなることは予想できませんでしたねえ……」
ジンベエ「この船はいつもこんな感じなのか?」
フランキー「誓ってそれはねェ!!!」 - 12二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:36:34
サンジの生存が確認できません!!!
- 13二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 13:54:25
ナミ「ウタ、ちょっと作戦タイムちょうだい」
ウタ「作戦タイム?」
ナミ「ちょっとロビンと話すから、少しだけ耳を塞いでてもらえる?」
ウタ「いいよ!」
ナミ「ロビン……。ウソップとデキてたなんて聞いてないわよ。大体ロビンはその、ルフィのことが……」コソコソ
ロビン「ナミだって……。ゾロとそんな関係だなんて聞いてないわ。私はてっきりあなたはルフィのことが……」コソコソ
ナミ「そうなんだけど……ルフィには幸せになって欲しいじゃない……」コソコソ
ロビン「それには同意だけれど……」コソコソ
ナミ「ウタはいい子だし……」コソコソ
ロビン「ええ、私もいいカップルだと思うわ……」コソコソ
ウタ「ねえー!そろそろ作戦タイム終わったー?」
ナミ「もうちょっと!もうちょっと待ってちょうだい!」
ウタ「はーい!」
ウソップ「ところでさっきからサンジの姿が見あたらねェが……」
ゾロ「クソコックならキッチンの床の上で伸びてやがるぜ」
フランキー「これお前らのせいじゃねェのか!?」 - 14二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 14:09:04
"サンジ"
いい男なのにスケベが表に出すぎるのと奉仕属性のせいで中々振り向かれないと聞く… - 15二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 14:13:10
サンジは公認浮気男だからな……
まぁ恋人出来たからと言って他の女性にメロメロしなくなるサンジなんて想像できないし仕方ないけど - 16二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 14:13:50
サンジってたしかに浮気しそうだけど浮気相手がいなさそう
- 17二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 14:14:22
サンジは失恋した女を慰めてるうちに済し崩し的に・・・とかはなさそう
ゾロやウソップはしそうというわけでもないけど - 18二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 14:15:26
モテっぷりはルフィ、ゾロ、ウソップが目立つと聞く…
理由は納得だが - 19二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 14:18:02
優しく抱きしめるはギリギリ言い訳できるかもしれないかどキスはアウトでしょ
- 20二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 15:25:39
- 21二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 15:54:40
サンジはプリンちゃんがいるだろいい加減にしろ
- 22二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 19:01:53
フランキー「そもそもどうしてこんなことになったんだ?」
ブルック「ああ、それはですね……」
夕食を終えて思い思いの行動をしている一味。
フランキーとジンベエは海の様子を見るために甲板へ、女性陣は食後のデザート&お茶のためにまだテーブルについていた。
もちろん、サンジはデザートを準備するためにキッチンにいた。
女性陣にだけ優しいと思われがちなサンジだが、希望する男性陣のためにもちゃんと人数分+αのデザートが用意されている。
それを知っていて、かつデザートを食べたいと考えていたルフィ、ウソップ、チョッパーは女性陣と共にキッチンに残っていた。
デザートではなく、食後に酒を飲みたがっていたゾロはサンジに邪魔だと小言を言われながらもキッチンの戸棚から酒を取り出していた。
いつもと変わらない団欒風景だ。 - 23二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 19:02:14
いつもと違ったのはウタの行動だった。
色々あってこの船旅に同行することになった彼女は船長及びクルー公認のルフィの幼なじみ兼恋人だ。
そういった事情から、それは彼女にとってはごく当たり前の行動だったのだろう。
ウタ「あっ、ルフィ!ここにソースついてる!」
ルフィ「ん?別にそんくらい……」
ウタ「駄目!船長なんだからちゃんとして!」
ルフィ「んーわかったよ。で、どこだ?」
ウタ「この辺!」
ルフィ「ここか?」
ウタ「違う!こっち!」
ルフィ「こっちか!」
ウタ「違う!こっちだってば!」
端から見ていれば微笑ましいそのやりとりはしばらく続き、先に痺れを切らしたのがウタだった。 - 24二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 19:09:41
ウタ「もー!ここだって言ってるでしょ」ペロッ
ルフィ「お、取れたか?ありがとう!」
ウタ「どういたしまして!」
ベタなことに、ウタはルフィの口の端についていたソースを舐めとった。
ルフィとウタはそれがなんでもないことだったかのようにそれぞれの席に戻っていく。
それに異を唱えたのはナミだった。
ナミ「ちょ、ちょっとウタ!」
ウタ「何?」
ナミ「あんたとルフィがそういう仲っていうのはみんな知ってることだけど、その……そういうことは2人のときにした方がいいんじゃない?」
ウタ「そういうことって?」
ナミ「それは……今の……キスとか……」
キスという単語が恥ずかしかったのか、ナミの声は小さい。
しかし、こんなときに限って食卓はしんと静まっている。 - 25二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 19:15:59
ウタ「えっ、今のはキスじゃないよ!ちょっとソースがついてたから……」
ナミ「それはわかってるんだけど……。いちゃ……、その、いちゃつくのはもう少し控えてもらえると……」
めずらしくナミがしどろもどろになりながら言うのを聞いていたウタはぷくっと頬を膨らませていた。
その表情は今思えば怒られたことに対して怒っていたわけではなく「ナミやロビンが自分に隠し事をしている」という子どもじみたいじけた気持ちだったのだろうが、この時点のナミにわかるはずもない。
ナミ「ねっ、ウタ。別にあんたの邪魔したいわけじゃ……」
ウタ「なんでだよーーー!!!」
ブルック「とまあ、こんな次第で」
ジンベエ「ウタの大声が聞こえたから何事かと思ったが、そんな事情があったんじゃなあ」 - 26二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 19:31:29
いちゃついてる意識ないって事は子供の頃からこんなことしてたんだろうな・・・
- 27二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 21:33:55
ウタ「ねえー!そろそろいいー?」
ナミ「ど、どうしようロビン……」コソコソ
ロビン「ゾロが隠したがっているのでないなら、言ってしまった方がいいんじゃないかしら」コソコソ
ナミ「隠したがってるわけじゃないと思うけど……。どっちにしたってさっきバレちゃったし。その代わりロビンも話してよ?」コソコソ
ロビン「私はいいけれど、あんまり大した話はできないかもしれないわ」コソコソ
ナミ「それでもいいわ!」コソコソ
ナミ「よし!待たせちゃってごめんね、ウタ」
ウタ「大丈夫だよ!それで、馴れ初めを聞かせてくれるのかな?」ワクワク
ナミ「ええ!もちろん!私とゾロのド派手な馴れ初めを聞かせてあげるわ!」
ナミ(なんか自分で勝手にハードルあげちゃった……。助けてルフィ……)
ロビン(ナミには悪いけど私もとても興味がある……)
ウタ(派手……ド派手……?なんか聞いたことあるような……)
フランキー「おれたちはどうする?」
ジンベエ「わしは海の様子を見てくるとするかのう」
ブルック「私はサンジさんを部屋まで運んできますよ」
フランキー「おう。じゃあおれたちは解散だな」 - 28二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 21:57:31
ナミ「私とゾロが出会ったのはまだこの一味がルフィとゾロの2人だけだった頃の話……。2人は水も食料も積まずに航海をしていたわ」
ウタ「え!?!?」
ロビン「大丈夫だったのかしら」
ナミ「全然大丈夫じゃなかったわ。まあとにかくそこから色々あったんだけど……」
~中略~
ナミ「アーロン一味に支配されていた私の村に、ゾロは単身で駆けつけてくれたの」
ナミ(実際は縛られてたし、なんか事情あったんでしょうけどこの際なんでもいいわ!)
ナミ「敵地で海に突き落とされたゾロを助けながら私はこの村とルフィたちと……なによりもゾロと一緒にアーロンと戦うことを決めたわ」
ナミ(これはゾロのこと強調しただけで一応事実に沿ってるわよね……)
ナミ「そしてゾロとウソップ、サンジ君が幹部を、ルフィがアーロンを倒してくれて、私と私の村の長い戦いは終わったの。……ゾロが全治2年の怪我を負ってたことを私はこのとき知ったわ」
ナミ(知らずに殴っちゃったからめちゃくちゃ焦ったんだった……)
ナミ「それで……私はゾロのことを好きになったの……」
ナミ(よし!話を盛ったらそれっぽくなった!)
ウタ「すごい!感動しちゃった!えっと、それで……両思い……になったのっていつ?」
ナミ「……この前ゾロが『おう、お前おれの女になれ』って言ってきたからよ」
ナミ(言ってないけどゾロならこんな感じかしら……)
ゾロ「……今、すごい濡れ衣を着せられた気がした」
ウソップ「見聞色か?」 - 29二次元好きの匿名さん22/11/10(木) 21:58:52
1レスがちょっと長かったかも、ごめん
- 30二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 00:12:55
hs
- 31二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 03:35:42
ウタ「えっ、そこは思ったより急なんだね」
ナミ「こ……“恋はいつでもハリケーン”なのよ!」
ウタ「ああ!そっか!」
ナミ(よし!!!ごまかせたわ!!!次頼んだわよロビン!)
ロビン(ええ!わかってるわ、ナミ!)
ウタ「じゃあ~、次はロビンの恋の馴れ初めが聞きたいな!」
ロビン「私の話は……ナミの話ほど盛り上がらないかもしれないけれど……」
ウタ「そんなことないって!聞かせて!」
ウソップ「あっ、俺もなんか急に不安が……」
ゾロ「……見聞色か?」 - 32二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 08:17:57
こっちは釜を煮込んで待機しちょるけぇのぉ
- 33二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 16:54:18
ロビン「私が彼を好きになったのは、私が政府に捕らわれてエニエスロビーへと連れて行かれそうになったとき……。海を走る列車でルフィたちから遠ざかっていた私を追いかけてきてくれたのがウソップだったの」
ロビン(サンジたちも来てくれていたのだけれど、ここはウソップの話に絞っておいた方が効果的ね……)
ロビン「走る列車の窓の外から私を喚ぶウソップの声に、私はとても心を打たれたわ。まるで映画のワンシーンのようだった……!」
ロビン(実際はタコの吸盤で列車に張り付いていた気がするけれどこれくらいの脚色は構わないでしょう)
~中略~
ロビン「無理矢理エニエスロビーへと連れて行かれた私の目の前でCP9を倒してくれたのがウソップの狙撃だった。強風の中でまっすぐ、敵だけを撃ち抜いていく彼の姿はまるで……私にとってウソップは“神様”みたいに見えたのよ」
ロビン(因果関係を逆転させてしまったけれど大丈夫かしら……)
ロビン「それからずっと、私はウソップに惹かれていたの」
ウタ「すっ……ごーい!壮大だね!映画みたい!それで、ロビンはいつ両思いに?」
ロビン「……この前、こう、ウソップが急に『なにかあったならおれの胸を貸すぜ』って手を広げてきて……」
ロビン(セリフは違うけど大筋は事実だし、多分問題ないわよね)
ウソップ「あっ寒気が治まった」
ゾロ「なんだったんだ?」 - 34二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 17:06:06
ウタ「やっぱりきっかけは急なんだね!」
ロビン「ええ……“恋はいつでもハリケーン”だから」
ウタ「すごい!やっぱり海賊は恋も激しいんだ!」
ナミ(いい感じよロビン!……っていうかもしかしてウソップとはまだ抱きしめ止まりってこと?)
ロビン(今はそういうことにしておいてちょうだい。ナミの場合はキスまで見られているから同じようにはごまかせないと思うけれど……)
ナミ(そうよねー。いつ見られちゃったんだろう……)
ウタ「2人の馴れ初め、教えてくれてありがとう!でも……どうして今まで隠してたの?」
ナミ「それは……」
ウタ「さっきは……ごめん。みんなに隠してたなんて思わなくて……」
ロビン「いいのよ。悪いことをしていたわけではないし、いつかは言わなきゃならないことだった。さっきは急だったから驚いただけよ」
ウタ「ナミ……ロビン……」
ルフィ「それで、どういうことなんだ?」 - 35二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:20:54
ルフィ「それで、どういうことなんだ?」
ルフィ、ゾロ、ウソップの三人だけになったキッチンでルフィがそう尋ねた。
ゾロとウソップを交互に見るその目から感情を読みとるのは難しい。
先に口を開いたのはゾロだった。
ゾロ「どうもこうもねェ。さっきウタが言った通りだ」
ルフィ「そうか。……ウソップは」
ウソップ「お、おれもそうだ!ウタが言った通りだ!」
ルフィ「…………」
ゾロ「…………」
ウソップ「…………」
ウタ「あっ、じゃあさ!今から彼氏自慢しようよ!」
ナミ「かれ……?」
ロビン「し……?」 - 36二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 01:11:28
ルフィ「なーんだ!そういうことは早く言えよな!」
しばしの沈黙のあと、ルフィはいつも通りの笑顔で言った。
そんな様子にゾロは表情を変えることなく、ウソップはあからさまにほっとしていた。
ルフィ「まあ、お前らがどうしようと自由だけどよ~。まさか隠されるとは思ってなかったぞ」
ゾロ「いちいち言うことじゃねェだろ」
ウソップ「そ……そうだぞ、ルフィ。やっぱ同じ船だしよ、ちょっと恥ずかしい気持ちもあったんだ。悪ィな」
ルフィ「そういうもんか?」
ゾロ「さあな。おれは恥ずかしいとは思ってねェが」
ルフィ「おれはウタを船に乗せるときにみんなに言ったけど恥ずかしくなかったぞ?」
ゾロ「……そうだろうな」
ゾロ・ウソップ(その報告のおかげでこうなったわけだが……。ルフィにバレるのはあいつも望まねェだろう)
ゾロ・ウソップ(誤魔化しとくか……)
ウタ「そう!まずは、彼氏の好きなところ!」
ナミ「ちょっと待ってウタ、彼氏って言われると……」
ロビン「私たちはまだ心の準備が……」
ウタ「?」 - 37二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 01:29:04
ウソップ(っていうかゾロ、いつの間にナミとそんなことになってんだよ!あいつはずっとルフィのことを……)コソコソ
ゾロ(知るか!気付いたらなってたんだよ!大体ロビンだってメリー号に乗ったときからルフィに気があっただろ。いつの間にお前に鞍替えしてんだ!)コソコソ
ウソップ(おい!ロビンを悪く言うなよ!あいつだってルフィとウタのことを思ってだな……)コソコソ
ゾロ(それはこっちも同じだ。で、どうするんだ)コソコソ
ウソップ(こうなったら恋人のフリし続けるしかねェだろ。ロビンには悪いが、失恋が本人にバレるよりはマシだろ)コソコソ
ゾロ(……フリ?)コソコソ
ルフィ「なに話してんだ?」 - 38二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 01:29:41
ウソップ「い、いやー、別になんでもねェよ!それよりお前が他人の恋愛事情に興味あったなんて意外だな!」
ルフィ「失敬だな。おれは船長だからな。それくらいは気にしてるぞ」
ゾロ「初めて聞いたがな」
ルフィ「うるせえ!気にしてた!……でもおれ、今までウタのこと相談できる相手がいなくて困ってたんだ!お前らが聞いてくれんなら助かる!」
ウソップ「いや、おれたちはまだ聞くと決めたわけじゃ……」
ルフィ「そんで、お前らはいつから付き合ってんだ?」
ウソップ「しかも思ったよりぐいぐい来る……」
ウタ「彼氏の……ルフィの好きなところは“つよいところ”!じゃあ次はナミね!」
ナミ「そういうルールなの!?えーっとゾロの好きなところよね……ゾロの好きなところ……“お酒に強い”かな……」
ウタ「次はロビン!」
ロビン「ふふ、ウソップの“かわいい”ところが好きよ」 - 39二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 11:05:31
書きためていないので少しずつ更新してますが、
ぎすぎす展開にはならない予定です! - 40二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 11:07:23
思ったよりぐいぐい来る……
ぎすぎすにならないのなら安心だな!!!! - 41二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 11:09:18
お前はプリンちゃんいるからだよ!
- 42二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 12:12:12
- 43二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:33:58
保守
- 44二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:56:27
ゾロ「聞きたいのはそんなことじゃねェだろ」
ゾロの指摘にルフィは「うーん」と一旦考え込む。
しばらくして、納得したように顔を上げた。
ルフィ「確かに」
ウソップ(ゾロの奴、話逸らすの上手いな……)
ルフィ「最近、2人になるとウタが変なんだけどよー」
ゾロ「変?」
ルフィ「妙にそわそわしてたり、顔赤くしたりしてんだ。具合でも悪ィのかな」
ゾロ「……そういうわけじゃねェだろ」
ルフィ「わかるのか?」
ゾロ「あのな……。お前とウタは付き合ってる、恋人同士なんだろ?それはウタをこの船に乗せるときに確認したはずだ」
ルフィ「ああ!そうだ」
ゾロ「で、お前はウタと恋人らしいことはしてんのか?」
ルフィ「恋人らしいこと?」
ウソップ「してねェな、こりゃ……」
ルフィ「してるだろ!2人で釣りとか、見張りとか」
ゾロ「そりゃお友達ってやつだ」
ウタ「じゃあね~、"いつも元気なところ"!次はナミだよ!」
ナミ「そうねぇ……。"ああ見えて道具を大事にしてるところ"かな」
ロビン「"話がおもしろい"ところね」
ウタ「わかる~!」
ナミ「ウソップは話上手よね」 - 45二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:59:18
????「「「キャプテン……カヤさんの変わりに殴りに来たよ!」」」
- 46二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 00:18:59
ゾロ「お前が恋人らしいことをしねェから、ウタが困ってるんだろ」
ルフィ「???」
ウソップ「これ大丈夫か?」
ゾロ「わかってなさそうだな……」
ゾロが再び悩ましげに黙り込むと、今度はウソップが声をあげた。
ウソップ「だから、さっきウタが言ってただろ。キスとか……そういうんだよ」
ルフィ「ああ。ゾロがナミとしてたって言ってたな!」
ゾロ(おい、なんでこっちに話振ってんだ)コソコソ
ウソップ(仕方ねェだろ!具体例ださなきゃ一生わからねェままかもしれねえんだぞ)コソコソ
ゾロ(そりゃそうかもしれねえが……後で覚えてろよ)コソコソ
ルフィ「キスか……。してェのか?」
ゾロ「それをおれらに聞いても意味ないだろ……」
ルフィ「だよなー。ゾロはなんでしたんだ?」
ゾロ「なんでって……したきゃすだろ」
ウソップ「ゾロお前、キスしたいとかいう感情あるんだな」
ウソップの言葉にルフィもうんうんと頷いている。
ゾロ「てめェらおれをなんだと思ってんだよ……」 - 47二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 02:47:59
- 48二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 11:03:20
いいれすよ
応援してるれす - 49二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 12:56:24
ウソップ「そういうのって急にするもんなのか?」
ゾロ「なんでおめェが聞く方にまわってんだ」
ウソップ「まあまあいいだろ。気になるんだよ」
ゾロ「……」
ルフィ「で、急にしていいのか?」
ゾロ「嫌なら抵抗すんだろ」
ウソップ「雑すぎねェか!?」
ゾロ「うるっせえ!文句あんなら聞くな!」
ウソップ「そりゃそうだけどよ……。無理矢理ってのはいくらナミでもかわいそうだろ」
ゾロ「無理矢理じゃねェ」
ウソップ「え。マジ?」
ゾロ「マジだよ!!!」
ウソップ「ルフィ。おれたちちょっと相談タイム」
ルフィ「ん?いいけど早くしてくれよー!」
ウソップ「おう!」
ウソップはゾロを連れて調理台の裏にしゃがみ込み、ルフィに聞こえないくらいの声量で尋ねた。
ウソップ「さっきも確認したけどよ。ナミってルフィのことが……その……」
ゾロ「……そうだ」
ウソップ「なのに合意ってどういうことなんだ?」 - 50二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 15:49:10
ルウタもゾロナミもウソロビも好きだから嬉しい
応援してます! - 51二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 16:34:40
こりゃ大作になりそうだな!
応援してます!時間はかかってもいいので必ず完結までお願いしますよ! - 52二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 17:03:49
- 53二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 00:18:29
保守
- 54二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 00:27:14
実際失恋したあとウソップに優しくされたら堕ちる自信がある
最初は慰める感じなのにいつの間にか馬鹿話で笑わせてくれてる
おれにはわかる - 55二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 10:46:57
こういうのを慰めるのってウソップは上手なイメージも下手くそなイメージも両方ある
- 56二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 18:41:37
どういうことなのかと問われ、ゾロはその日のことを思い出していた。
ルフィがウタを自分の恋人として船に迎えるとクルーの前で話した日のことだ。
ルフィなりに真剣に考えただろうその結論に異を唱える者はいなかった。
……表面上は。
ゾロは、ナミがルフィに対して並々ならぬ感情……おそらく恋愛感情を持っていることには気づいていた。
だから、ルフィがウタと恋人同士になりこの船に乗ると言ったとき、すぐにナミの様子を窺った。
しかしナミはルフィとウタに心から祝福するような笑顔を向けていたし、実際にそう口にもしていた。
一瞬、ゾロもそれを本心だと思ってしまうくらいに。
夜中、甲板に気配を感じて見張り台から飛び降りたとき、そこにナミがいたことにゾロは少なからず驚いた。
ゾロ「こんな時間になにしてんだ」
ナミ「ああ、ゾロか」
ゾロかとはなんだと文句を言おうとしてやめたのは、ナミの声が明らかに沈んでいたからだった。 - 57二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 18:42:37
ナミ「お酒でも飲もうと思ってさ」
そう言ってナミが持ち上げた酒の瓶は見覚えのないものだった。
ナミは時々自分の小遣いで自分用の酒を買っているから、そのうちのひとつを持ってきたのだろう。
ゾロ「自棄酒ならやめろ」
ナミ「……あんた、わかってたんだ」
近付いてその手から酒瓶を取り上げてもナミは海を見ているばかりで取り返そうという素振りすら見せない。
ゾロは調子が狂う、と思いながら自分の頭を掻いた。
ゾロ「お前どうすんだ」
言葉を濁すことに意味はないと判断して率直に尋ねる。
ナミ「どうもしないわ。明日からはいつも通り」
ゾロ「それでいいのか」
ナミ「やけに食い下がるのね」
ゾロ「誤魔化すな。それでいいのかって聞いてんだ」 - 58二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 18:54:51
1つのスレでCP3つも摂取できるとかお得すぎるだろ
- 59二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:46:49
ナミ「……それでいいのよ。元々、ウタのことがあってもなくても伝える気なんてなかった。後悔だってしてない。ただ、少し寂しいと思っただけ」
ゾロ「……そうか」
ならいい。とは言えなかった。
ゾロはナミは出会った頃からルフィに惹かれていたのを知っている。
その想いが叶わぬままに消えていくというのは、それを側で見ていたゾロにとっても寂しいものに思えた。
ナミ「だから、あんたが心配してるようなことは起きない」
ゾロはその言葉に違和感を覚えた。
ナミ「私はここに残るし、2人をどうこうしようとも思ってない。あんたは心配しなくても大丈夫よ」
ゾロ「お前……」 - 60二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:47:12
ゾロ「何を勘違いしてるのか知らねェが、おれが心配してんのはお前だ」
ナミ「え?」
ゾロ「船のことを心配して声かけたわけじゃねェ。船のことはルフィに任せるべきもんで、おれが心配するようなことじゃない。だから……」
勢いに任せて言ってしまってから、自分が何を言おうとしていたのかわからなくなった。
ナミが心配だったのだとナミから取り上げた酒瓶を見る。
それだけだったらもう役割は果たしたはずだ。
ナミは「もういい」と言ったのだから。
ナミ「なんか意外ね。あんたがわざわざ声かけに来るとは思わなかった。ありがとう」
ゾロ「ああ」
ナミ「でも、本当にどうしたの?なんか、あんたらしくないというか……。あ、もしかしてあんた私のことが気になってたとか?それで、私がルフィを……ルフィを諦め……ようと……」
冗談を口にするように明るく話し始めたナミだったが、自分が失恋したことを自分で口にするのはまだつらかったのか、声が小さくなっていく。
ナミ「……ごめん、そんなわけないか。仮にそうだとしても、あんたはそういうやり方はしなさそう」 - 61二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:05:13
ナミが申し訳なさそうに自分のことを語るのをじっと聞きながら、ゾロはむしろその言葉に納得していた。
そして、それをそのまま言葉にする。
ゾロ「いや、それであってる」
ナミ「えっ?」
ゾロ「おれも何でお前が心配なのか不思議だった。でも、お前が好きだったならその理由にも説明がつく」
ナミ「そんな言い方されてもよくわかんないんだけど……」
ゾロにはなぜナミがよくわからないと言うのか、その方が不思議だった。
それは単純明快な答えだ。
ゾロ「お前のことが好きだから、心配してここに来た。そんで、失恋したとこに付け込んでおれのものにしようとしてる。これでいいか?」
ナミ「……え、ええ!?いや、ちょっと待って、急すぎてわかんないし……」
ゾロ「わかんねェだと?」
ナミ「ひっ、わかんないし、あとちょっと怖い!」
ちょっと離れて!と体を押されて、ゾロはむっとしながらその場から一歩離れる。
折角好きだと自覚したのに、いきなり拒絶されるとは思わなかった。 - 62二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:06:01
それをそのままナミに伝えると、ナミは「だから急すぎる!」とついに頭を抱えてしまった。
ナミ「あのねゾロ……」
ゾロ「おう」
ナミ「好きなら、もうちょっと普段からわかるようにしてて……」
ゾロ「……してたんじゃねェか?」
ナミ「自分でも自信ないことよくいけしゃあしゃあと言えるわね」
思えば、初対面のときに助けてやったし、アーロンパークにも迎えに行った。
一度裏切ったのも許してもう一度仲間として受け入れたし(これはルフィの意向が大きいが)、ウイスキーピークでもアラバスタでも何かと言うことをきいてやった。
考えてみれば、仲間と言えど好きでもないのにここまでする義理はない。
ゾロ「と、思うんだが……」
ナミ「ああそう……。あんたに好かれてなきゃ私は死んでたってことね……」
ゾロ「あ?死なせるようなヘマするかよ」
ナミ「そこは自信あんのね」 - 63二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:26:49
ナミ「私も、あんたのことは嫌いじゃない。でも、今そんなこと言われて、じゃあゾロが好きっていうのはなんか違う気がする」
ゾロ「なんかって何だよ」
ナミ「わかんないけど……」
ナミの言わんとしていることはゾロにも理解できないわけではなかったが、今は自分の気持ちに応えて欲しい気持ちの方が強かった。
ゾロ「おれは構わねェ。今はまだお前がルフィを好きでもいい」
ナミ「そ、そこまで言う!?」
ゾロ「お前が諦めるってけじめつけたんならそこまでだ。そこからおれのことを好きになってくれりゃいい」
ナミ「これって今答えなきゃ駄目なの?」
ゾロ「先延ばしにして答えが変わるとも思えねェな」 - 64二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:29:30
ナミ「…………ん」
ナミはしばらく悩んだ後、ゾロに向かって手を差し出した。
ゾロ「ん?」
ナミ「そこまで言うなら、あんたのこと好きになれるようにしてくれるんでしょ」
ゾロ「ああ。なるだろ」
ナミ「あんたの自己肯定力、ほんとすごいわね……」
そうしてゾロはナミの手を取り、一応は恋人という体でやっている。
その間のやりとりは人目を忍んでハグをする程度のものだったが、盛り上がったときにはキスを仕掛けたこともある。
ウタにはそれを見られたのだろう。 - 65二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:36:53
ということをウソップに掻い摘まんで伝えると、ウソップは驚いたようだった。
ウソップ「お前が2番目でもいいなんて言うとは思わなかった……」
ゾロ「どこに驚いてんだ!仕方ねェだろ、ナミは1人しかいねェんだから」
ウソップ「そりゃそうだが……」
ゾロ「それに、気持ちが落ち着きゃおれを好きになるんだ。気にするほどのことじゃねェ」
ウソップ「いやその自信普通じゃないからな」
ウソップ「まあ、無理矢理ではないわけだ(話の中に強引なところがあったのはこの際気にするまい……)」
ゾロ「当たり前ェだ。……それより、そっちはどうなんだよ。お前とロビンってそんなに仲良かったか」
ウソップ「そんなに仲良かったか?はお前とナミにも言ってやりてェよ!まあ、こっちも色々あってよ……」
そう語りながら、ウソップもまたその日のことを思い返し始めたのだった。 - 66二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:41:21
次からウソロビ編予定です!
思ったよりのびのびしてしまってる…… - 67二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 11:51:39
保守
- 68二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 13:51:23
ほうほうお待ちしてますよ!!
- 69二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 13:59:59
ゾロが割とナミに対してガチで驚いた
- 70二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 23:48:55
その日というのはゾロが言ったその日と同じ、ルフィがウタを船に乗せると言った日のことだ。
ウソップはナミとロビンがルフィに想いを寄せていることに気がついていて、2人のことを心配には思っていたが……恋愛に関して自分が疎いことも理解していたため、余計な口を挟む気にもなれずにいた。
特にすることもないのにウソップ工場にやってきたのは、ルフィとウタに会ってしまったらどんな顔をすればいいのかわからなかったからだ。
恋が先に好きになった者の勝ちというものではないことくらい、ウソップはわかっている。
だから、ルフィがウタを選んだことに異論があるわけではない。
そもそも、ナミとロビンはルフィに気持ちを寄せていたが、それをルフィ本人に伝えようとはしていなかったように見えた。
それに、2人がこんなことでこの航海に支障を出すとも思えない。
だからこの話は自分がなにを言うこともすることもないのだと理解していたが……やる瀬ない気持ちがどうにも消えない。 - 71二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 01:07:07
ウソップ「こんなこと考えること自体、余計なお世話だよな……」
そうつぶやいて、なんとなしに作りかけの激辛星・改を手に取る。
ロビン「あら。なにを考えているのかしら?」
ウソップ「ヒイイイイっ!……って、ロビンかよ……」
びっくりさせるなよなー、と言いながら落としてしまった激辛星・改を拾うが、ウソップは内心で焦っていた。
さっきの言葉自体、口に出した自覚はなかった。
もし、それ以上のことを口に出してしまっていたら……それをロビンに聞かれていたら?
考えただけで緊張してくる。
そもそも、ロビンはなぜここに?
普段はロビンをこのあたりで見ることはほとんどない。 - 72二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 07:36:43
激辛星を何に使うのやら?そしてハナハナがある以上隠れのはほぼ無意味だぞ。ウソップ
- 73二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 13:26:21
今日の夜もお待ちしてます
- 74二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 13:34:51
ワクワク
- 75二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 17:18:35
ウソップ「どうした?何か用か?」
尋ねて、聞かなくていいことを聞いてしまったらどうしようという気持ちはあった。
しかし、だからと言って自分に会いに来た(のかもしれない)ロビンのことを無碍にすることはできなかった。
しかし、ロビンは意味深に笑っているばかりで、ウソップの質問には答えようとしない。
それでは用事がないのかと言えば、そこから立ち去る様子も見せないからお手上げだった。
ウソップ「あー、立ってねェで座れよ」
ロビン「あら、いいの?」
ウソップ「いいに決まってんだろ!」
ウソップ工場の中に足を踏み入れたロビンに小さな椅子を差し出すと、ロビンは「かわいい」と喜んでその上に座った。
主に作業中の疲れたときやフランキーとお茶を飲む時などに使っているものだが、そんなものにもいちいちロビンは喜んでみせる。 - 76二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 17:19:01
ウソップ「ロビンお前、時々妹みたいなときあるよな」
ロビン「……私が?」
思ったよりもロビンが大げさに驚いたことに、ウソップは驚いた。
普段は同じ船の仲間としてしか見ていないのだが、年上の女性に向かって妹扱いは失礼だっただろうかと焦る。
ウソップ「ああ!いやいや!悪い意味じゃねーんだ!おれに妹はいねェし、いたらこんな感じなのかなーって思ってよ!……じゃなくて、急にこんなこと言われたら嫌だよな!?」
ロビン「……嫌じゃないわ。少し、驚いたけど」
慌てるウソップの前で、ロビンはにっこりと笑っている。
ウソップはロビンの思わせ振りな表情の真意を見抜くのが得意ではないから、また慌ててしまう。
ウソップ「怒ってるわけじゃねェのか?」
ロビン「ええ。できたら理由は聞かせて欲しいけれど」
ウソップ「理由?そりゃ、ロビンって時々かわいい時が……ん?」 - 77二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 18:09:17
ウソップは自分の言葉を反芻し、口ごもった。
ウソップ「ろ、ロビン。今のはだな……」
ロビン「ええ。“かわいい”のところかしら?」
ウソップ「しっかり聞いてらっしゃる!!!」
元々悩み事を抱えていたせいか、今日はやけに失言が多い。
ウソップ「いや、かわいいってのは……その……。悪ィ、急に言われたら気持ち悪いよな」
変な意味じゃないんだと取り繕ってみるが、なかなか上手く説明できない。
せめてロビンが気持ち悪がっていなければいいと思ってウソップが半泣きで顔を上げると、ロビンはにこにこと笑ってウソップを見ていた。
ロビン「そんなことない、嬉しいわ」
ウソップ「…………!!」 - 78二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 18:09:53
ウソップ「そ……そうだよな!」
ロビンが嫌な思いをしたのではないかという不安がなくなると、ウソップは猛烈に恥ずかしくなった。
今までロビンのことを美人だと思ったことがなかったわけではないが、こんな時に2人きりだと妙な汗をかいてしまう。
そうだ、とウソップは当初の目的のことを思い出した。
ウソップ「そういやロビン。言いたくなかったら言わなくてもいいんだけどよ。……その、大丈夫か?」
ロビン「……ふふ、優しいのね」
ウソップ「……そういうわけじゃねェんだけどよ」
ロビンの返事に、実はウソップは驚いていた。
ロビンのことだから、また笑ってごまかすと思っていたのだ。
言葉の上でははぐらかされた感じはあるものの、本当に本心を隠したいならロビンはもっと上手くやる。
ちらりと本心を自分に見せてくれたのは、自分を信頼してくれているのか、それとも取り繕うことができないくらいに落ち込んでいるからなのか……。
前者ならうれしいが、後者なら心配だ。
なんにしても、ウソップは自分を頼ってくれた相手を突き放すようなことはしたくなかった。 - 79二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 00:41:12
あららウソップかっこいいじゃん
- 80二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 07:33:56
これってゾロと違ってウソップ側には恋愛感情はない感じなのか?
- 81二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 13:07:18
ウソップの優しさが身に染みる
- 82二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 15:10:22
待ってますからね!
- 83二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 18:30:18
ウソップ「なんて言えばいいのかわかんねェんだけどよ……。そのー、うまく言えねェ……」
なんて格好悪いのだろう、とウソップはため息をついた。
ウソップ「ここに来たの、理由あるんだろ?察してやれなくて悪いが、おれに何かできることがあるなら遠慮なく言ってくれよ!な!」
ロビン「……ありがとう。ウソップ」
ロビンはそう言うと、目を伏せた。
長いまつげが顔に影を落とすのを見て、ウソップは再び緊張し始めていた。
ロビン「ここへ来た理由は2つ。1つ目は、今はルフィとウタに会ってもどんな顔をすればいいかわからなかったから」
ウソップ「……そうだよな」
ロビン「2つ目は……」
ウソップ「2つ目は?」
ロビン「2つ目は少し恥ずかしいのだけれど……」
ウソップ「いいっていいって!今言っちまえよ!」
ウソップはあえて明るく言いながらロビンの背中をばんばんと(女性用にやや加減して)叩いた。 - 84二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 18:30:55
ロビン「あなたなら助けてくれると思ったの」
ロビンがはにかむように笑ったのを見て、ウソップは思わずどきっとしてしまった。
弱っているときの表情をかわいいと感じてしまうなんて、男として失格だと思った。
そんなウソップの気持ちなど知らない様子で、ロビンは話を続けた。
ロビン「2年前、あなたたちが私を迎えに来てくれたこと、今でも覚えてる」
ウソップ「……あれは……おれだけの手柄ってわけじゃ……」
ロビン「あなたが窓に貼り付いて現れたときのこと……、あなたの狙撃が私を守ってくれたこと……それを思い出したら、いてもたってもいられなかった」
ウソップ「ろ、ロビン……」
ロビンはじっと天井の方を見て、吐き出すように言った。
ロビン「彼に特別な感情を抱いていた。……でも、叶えようと思ったことはなかった。だから、大丈夫だと思っていたのだけれど……」
そのあとの言葉をロビンは続けなかった。
続けなかったことの意味くらい、ウソップにはわかる。 - 85二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 18:31:25
気ぶりのクザン!?!?
- 86二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:17:08
傷ついているロビンの表情がまるで年下の女の子のように見えたのは、きっとウソップの勘違いではなかった。
ロビンは長い時間を孤独に生きてきた。
小さな子どもの頃に経験するはずの出来事、初恋すらする暇もなかったはずだ。
それは、好きな人に気持ちが届かないこと……つまり、失恋も今日が初めてだという意味だ。
子どもではないロビンは、失恋がありふれたものだと知識として知っていても、それを自分で味わうのは初めてなのだ。
それがどれだけ悲しく、寂しく、心細いことなのか、今のウソップには理解できない。
ウソップの初恋はずっと昔のことで、もうその相手すら定かではない頃のことだからだ。
ウソップ「そんな期待されてもよ。おれァ月並みなことしか言えねェよ」
ロビン「……月並みなことって?」
ウソップ「うーん、男はこの世界に1人じゃねェよ!とか、あいつにロビンは勿体ねえよ!とか……。サンジならもっと色々ありそうなのによ!」
アタシ悔しい!とウソップはハンカチを噛んで悔しがって見せた。 - 87二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 21:20:32
ロビン「確かに、サンジなら言葉を尽くすかもしれないわね」
ウソップ「そうだろ?なんかすげー想像つくわ」
ロビン「それならゾロは?」
ウソップ「あー、あいつは駄目だ。多分鬼のような顔で『知るか。てめェでなんとかしろ』とか言ってくる気がする」
ロビン「……そうかしら?」
ウソップ「そうじゃなきゃこえェって……」
ぶるぶると体を震わせる振りをすると、ロビンはぷっと吹き出すように笑った。
ロビンに、ミス・オールサンデーに出会った頃は、ロビンがこんな風に笑うなんて思いもしなかった。
ウソップ「やっぱおれは何でお前がおれのとこに来たのかわからねェけどよ。今は、来てくれてよかったと思ってる」
ロビン「ウソップ……」
ウソップ「おれの話聞いて笑えんならそれでいいんだ。これからもここに来てくれて構わねェし、今日だっていつまでいてくれてもいい。あ、でも毛布とかねェから寝るときは部屋帰れよ」
ロビン「……ありがとうウソップ。嬉しいわ」
ウソップ「どーいたしまして!ってな!」 - 88二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 22:25:41
このレスは削除されています
- 89二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 22:26:49
回想部分は失恋を取り扱ってたので地の文多めになってしまいましたが、ここからはまた会話文多めでやっていきます。
- 90二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 00:52:32
おけおけいいよいいよ!
- 91二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 02:15:54
ウソップ「ってな感じで、最近ロビンがよくウソップ工場に来る。お前ェらみたいに恋人とかそういうんじゃねェんだよ」
ゾロ「……抱き合ってたってのは?」
ウソップ「……そ、そーゆーときもある!」
ゾロ「ないだろ。下心あんだろ、それは」
ウソップ「いやー、ないない」
ゾロ「だったらお前はそれ以前からロビンに同じことしてたのか?してねェんだろ」
ウソップ「そりゃそうだけどよぉ……。みんながみんなゾロ君みたいに潔く告白!にはならねェんだって」
ゾロ「あァ!?言っとくが、この船で中途半端なことしやがったらただじゃおかねェからな」
ウソップ「しねェよ!それは誓ってしねェ!中途半端なことにしたくねェから、ちゃんと考えてる最中だったんだって!」
ゾロ「……ならいい。で、さっきのウタのあれか」
ウソップ「そういうことだ。でもまさか見られてたとはなあ……」
ゾロ「それはおれも同感だ」
ルフィ「なー!ゾロー!ウソップー!そろそろいいか?」 - 92二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 10:09:22
ここからウタの話とどう繋がるのやら?
- 93二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 13:09:23
- 94二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 22:55:48
このレスは削除されています
- 95二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 05:35:05
ほすして待ってます!
- 96二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 09:09:05
- 97二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 10:38:31
- 98二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 14:36:02
ここからどんなオチにもっていくんだろう?
- 99二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 14:38:34
- 100二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:42:05
ええ…
- 101二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 19:57:19
今夜続き投下予定ですが、元々単発ネタだったので落ちと言うほどのものがあるかは……って感じです。
爆発オチも検討します! - 102二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 20:00:00
検討すんな!普通にみんな幸せになってくれ!
- 103二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 23:57:08
ウソップ「おー!もういいぞ!」
ゾロとウソップがキッチンの影から出て行くと、ルフィは眠たそうな顔で男部屋に行きそびれたまま寝落ちしたチョッパーを抱き抱えていた。
ウソップ「悪かったな、急に。そんでどこまで話したんだったか……」
ゾロ「お前が恋人らしいことをしねェって話だ」
ウソップ「なんか全然話進んでねェような……」
ルフィ「失敬だな。ちゃんとわかったぞ。ウタは恋人らしいことがしてェ!恋人らしいことはキスなんだろ。つまりキスすればいいってことだ!」
ウソップ「あ、思ったよりちゃんと聞いてんだな」
ゾロ「……いや。違ェ」
~その頃の女部屋~
ナミ「う~ん、ゾロの好きなところ他にあったかなあ……」
ウタ「頑張って!まだ4つ目だよ!」
ナミ「……"技の名前が普段より頭がよさそうなところ"?」
ウタ「わかる!ルフィもそうだもん!男の子ってそういうものなのかな?」
ロビン「どうかしら……。ウソップは普段の言動と技名が釣り合っているように見えるけれど」
ナミ(釣り合ってるってどっちにだろう……ここは突っ込まない方がよさそうね……) - 104二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 07:36:05
- 105二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 07:57:31
- 106二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 10:11:37
ウソップ「違うのか?」
ゾロ「違うだろ。これでルフィがウタにキスしたとしても、それは恋人らしいことをするためにするだけだ」
ウソップ「それに何か問題でも?」
ゾロ「よく考えてみろ。義務でキスされて喜ぶやつがどこにいる?お前らは今そういう話をしてんだぞ」
ウソップ「あー。なるほど」
ルフィ「ん?そしたらおれはどうすりゃいいんだ?」
ゾロ「自分で考えろと言いたいとこだが……」
ゾロ(それでルフィとウタがうまく行かなくなったなんてことになったら目も当てられねェ)
ゾロ「ルフィ。お前どうしてウタと恋人になろうと思ったんだ」
ウソップ「うわあ……そこ聞くのか……」
ルフィ「それは……」
~その頃の女部屋~
ロビン「"実は料理もできる"のよ。サンジが留守の時に一緒におつまみを作ったの」
ウタ「それいいな~!」
ナミ「ロビンの料理なら私も食べたいわ」
ロビン「今度一緒に作りましょうか」
ウタ・ナミ「うん!」 - 107二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 11:01:19
- 108二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 11:30:33
なるほど
- 109二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 11:36:10
ゾロがちゃんと話の本質を捉えてて偉いな
- 110二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 16:20:05
やっぱさすがゾロよ
- 111二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 20:54:24
ルフィ「おれはウタと恋人っぽいことをしたくて恋人になったわけじゃねェ。ただ……」
ゾロ「ただ?」
ルフィ「他の奴がウタの恋人になるのは嫌だ。それに、ウタが誰かを好きになるならおれがいい!」
ウソップ「おお……。良いこと言ってるようなそうでもないような……。でもわかるぞ!」
ゾロ「ちっと締まらねえェ気がするが……嘘ようなことじゃねェからな。今はそれでいいんじゃねえのか?」
ウソップがガッツポーズを決め、ゾロがにやりと笑う。
ルフィはその2人の反応に満足したように頷いた。
ルフィ「ああ!」
ウソップ「なら、ちゃんとそれをウタに伝えてやれよ!」
ゾロ「いつまでもこんなところでうだうだしてるんじゃねェよ」
わかってる!と立ち上がったルフィがどこに行くのか……ゾロとウソップにはわかっていた。
ゾロはルフィが持て余していたチョッパーを受け取り、キッチンを出て行くルフィを見送る。
ウソップ「あいつら、上手くいくといいな」
ゾロ「そうだな」
ゾロも、ウソップもその恋の裏側にあった別の恋の話を胸に秘めたまま、2人、静かに視線を合わせた。 - 112二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:53:33
ん?ウソップお前やっぱりまさか...
- 113二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 01:22:19
ウタ「次で6巡目だね!ルフィの好きなところ、6個目は……」
ルフィ「ウターーー!!!」
ウタ「えっ?ルフィ!?」
ナミ「ちょ、ちょっと!?ドア壊さないでよ!?」
バァン!!!と勢いよく音を立てて女部屋に飛び込んできたのはルフィだった。
いくらこの船の船長であるとは言え、あまりの勢いにナミ、ロビンはウタを背中の後ろに庇う。
ルフィ「あれ?ウタは?」
ロビン「いるわよ。敵襲かと思って下がってもらっただけ」
ルフィ「お。そうか!ありがとな!」
ルフィは自分の恋人を守るように構えたナミとロビンに笑って礼を言うと、その後ろにいるウタをのぞき込むように文字通り首を伸ばした。
その様子に、少しだけ張り詰めた空気が一気に緩み、ナミとロビンは戦闘態勢を解いた。
ウタ「な……何?」
ルフィの呼びかけに答えるウタの顔は真っ赤になっている。
ナミとロビンはそれが直前まで行われていた「彼氏の好きなところを上げていくゲーム」であることに気付いていたが、ルフィがそれを知るはずもない。
ルフィ「あれ?お前なんか顔赤くねェか?」
ウタ「赤くないっ!赤くないって!」 - 114二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 01:32:47
さっきまであんなに堂々とルフィの好きなところを語っていたウタが本人を前にしただけでこんなにしどろもどろになっているのをかわいいと感じながら、ナミとロビンは顔を合わせて笑いあう。
失恋の痛みはまだ完全に癒えたわけではないが、2人にはそれよりも大切にしたいものがあるからだ。
それは、一番好きな、好きだった人の幸せと、この新しいクルーである愛らしい女の子の幸せだ。
それを確認するようにお互いの目を見た2人は、やれやれと息を吐く。
ロビン「ウタの顔が赤い理由、教えてあげましょうか」
ナミ「あのねルフィ、私たちさっきまで……」
ウタ「わーーーっ!!だめだめ!!言っちゃダメだったら!!」
ウタが特徴的な形をした後ろ髪をピョコピョコと動かしながら2人の言葉を邪魔しようとする。
ルフィはそれを「なんだなんだ?」と呆けたように見ていて、ナミとロビンは思わず噴き出してしまった。
ナミ「あははっ、なんでもないわ。こういうのはちゃんと、ウタから聞いた方がいいわよ」
ロビン「そうね。私もそれがいいと思うわ」 - 115二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 01:42:40
そのまま女部屋を出て行こうとする2人に向かって、ルフィが声をかける。
ルフィ「ナミ!ロビン!」
2人は足を止めて、振り返らなかった。
ルフィ「ありがとな!!!」
その声色で理解できるくらい、ナミも、ロビンもルフィのことをわかっていた。
ルフィが自分たちの想いを知らぬままに無碍にした訳ではないことも、全て受け止めた上での感謝の言葉であるということも、その一言で伝わった。
ナミ「私は今日はゾロと飲む約束してんの。ちゃんと感謝しなさいよ」
ロビン「私も今夜はウソップにたくさん話を聞かせてもらう約束をしているから、朝までに戻れるかどうかはわからないわね」
ナミとロビンはルフィたちの返事を聞かずに女部屋を出て、2人揃って夜空を見上げて笑った。
ナミ「泣かなかった!」
ロビン「ええ。私も」
ナミ「まだゾロ起きてると思う?」
ロビン「起きていると思うわ。ウソップはもう寝てしまったかしら」
ナミ「多分起きてるわよ。結構こういうの気付く方よ、あいつ」
起きていなかったら2人で飲みましょうといたずらに小指を絡ませて、2人はまだ明かりのついているキッチンへと向かった。 - 116二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 01:44:44
ルフィ、わかった上でゾロとウソップの話聞いとったんか……罪な男やな……
- 117二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 09:05:20
ルウタの方は大丈夫そうだけど残りはどう落ち着くんだろう?
- 118二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 18:56:16
ウソナミならナミはカヤのことしってるけど、ここではウソロビ(仮)だからロビンはカヤのこと知らないはずなんだよな……
ゾロナミ(仮)はくいなの事を知る機会がないっつーかゾロがそういうの喋る気ほぼ0だからどっちにしろしらんだろし、それはゾロロビだったとしても変わらんしで
ここまで2人の別の恋の話を原作時空で考えたけど、(仮)の組み合わせはゾロナミ/ウソロビだけど恋心的にはゾロ→ロビ/ウソ→ナミとかの可能性もあるんだよな
いやもちろん、きっかけは色々あったし相手がルフィ好きだから表に出さなかっただけでそのまんまゾロ→ナミ、ウソ→ロビもありうるんだけど
そんなことをウダウダ書き連ねるくらい続きが気になる! - 119二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:09:02
ウタ「あ、あれっ?ナミ?ロビン!」
ウタはすたすたと部屋を出ていくナミとロビンに困惑したような目線を向ける。
しかし、2人はルフィを残して部屋を出て行ってしまった。
しかも……今夜は女部屋には戻らないかも、とも取れる言葉を残して。
ウタ(どうしよう……!さっきまでルフィの好きなところの話をしてたせいで、すっごく恥ずかしい!)
ルフィ「ウタ」
ウタ「はいっ!」
名前を呼ばれて思わずびくっと体が震えてしまう。
妙だと思われなかっただろうかと不安に思ってルフィの顔をのぞき込むが、ルフィが何を考えているのかは相変わらずよくわからない。
ウタ「ど、どうしたのルフィ?私今までナミとロビンと楽しくお話してて……」
ルフィ「ああ!楽しそうだったな!」
ウタ「うん!2人ともすごく私によくしてくれるし、よくしてくれるからだけじゃない。私自身も2人のことがすごく好き。夜もこうして一緒にいてくれる……」
ウタはベッドに腰掛けて、寂しかった日々のことを思った。
エレジアにはゴードンがいて、まったくの孤独とは違っていたのだろうが、それでも寂しさは拭えなかった。 - 120二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:09:28
※ウタがサニー号に乗っている設定をあまり深く考えていませんでしたが、RED後なんとか命が助かって合流→ルフィの恋人にという流れでお願いします。
ルフィ「ウタ。おれは海賊王になる」
ウタ「えっ……。知ってるよ!でも、急にどうしたの?」
ルフィ「おれとお前は恋人になっただろ。それで、おれはどうしたらいいのか考えたんだ」
ウタ「えっ……えっ!?」
ルフィ「でもおれにはまだよくわかんねェ!本当はお前がよろこぶことがしたいけどよ、今は海賊王になることしか考えられねェんだ」
ウタはじっとルフィを見つめた。
そこにかつて夢を語り合った少年の面影が残っていることを確認して、ほっとする。
ウタ「わかってるよ、そんなこと。ルフィはそんなに器用じゃないことだって知ってる。私はね、ルフィがルフィの船に私を載せてくれただけで十分だったよ」
海賊にとって船に乗る仲間がどれだけ大切なものなのか、ウタは知っている。 - 121二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 22:38:50
ウタ「でも……。私もルフィももう子どもってわけじゃないんだもん。ちょっとくらいイチャイチャしたくて、みんなに甘えちゃった」
みんなの前であんなことを言ったのが自分の甘えであることにウタは気がついていた。
ルフィ「ああ。あれはいーよ。……あっでも、サンジはちょっと駄目かもしんねェ」
ウタ「あはは。明日謝ろうかな」
ルフィ「いーっていーって。いつもあんな感じなんだ。……そんでな、ウタ」
ルフィはまた少し黙り、言葉を探すようにしてから言った。
ルフィ「おれは恋人らしいことはできねェ。でも、ウタの恋人はおれじゃなきゃ嫌なんだ。ウタはどうだ?」
ウタ「えっ私!?うーんと……」 - 122二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:13:06
正直に言えば、全然全く構わない。
自分の好きな人に「恋人でいてくれなきゃ嫌だ」なんて言われるだけで嬉しくて嬉しくてたまらない。
でも、それをこの弟みたいな幼なじみに言ってあげるのは悔しかった。
だから、ウタはちょっとだけ身を乗り出した。
ルフィ「!!!?」
ウタ「……びっくりした?」
ウタは身を乗り出して、ルフィのつるつるなおでこにちゅっと軽くキスをしたのだった。
もしかしたら全然反応しないのではないかと不安に思っていたルフィは、自分の手でおでこを押さえ、びゅんっとゴムの力で飛び退いた。
思った以上の反応に、思わず笑いがこみ上げた。
ウタ「びっくりしすぎ~!」 - 123二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:38:52
ルフィ「な、なんだよウタ!急にそういうことすんのは卑怯だろ!」
ウタ「えーっ、そうかなぁ。私だって今は海賊なんだよ?」
ルフィ「……おれからだってできるんだからな!」
ウタ「ホントかな?」
ウタがこれ見よがしに片側の頬を指さすが、ルフィはぷいっと横を向く。
ルフィ「できるけどしねェ!海賊王になってからだって今決めた!」
ウタ「あーっ、負け惜しみ~!」
ルフィ「違ェ!!!」
ばたばたと悔しそうに暴れているルフィの、今度は口にウタはそっとキスをする。
ウタ「あのね、ルフィ。あんたは私のことは気にせず海賊王になっていいの。恋人らしいことは……私からだってできるんだから」
ルフィ「でもよぉ」
ウタ「でももだってもないの!あんたはそれでいいの」
ルフィ「……わかった!」 - 124二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 00:02:53
ウタ「ところでルフィ。今夜、ここはルフィと私2人きりなんだけど……」
そう言ってルフィに近付いてみる。
ルフィはウタを見て、満面の笑みを浮かべた。
ルフィ「ああ!そうみてェだ。昔みたいに寝るまでなんか話するかっ!」
ウタ「えっ、ちょっとルフィ!」
ウタは勝手にウタのベッドに横になったルフィに慌てたが、これはルフィが言っている以上の意味はない行動なのだろうとも思った。
昔みたいに……とウタは幼い頃のことを思いながらルフィの隣に寝そべった。
横になったルフィと目が合う。
ルフィ「ウタがおれの恋人か!なんかまだ慣れねェなぁ」
ウタ「そこは慣れてよ」
2人、声を潜めて笑いあう。
2人は久しぶりに訪れた2人きりの夜に浸るように、眠りに落ちるまで他愛のない話をしていた。 - 125二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 00:04:34
ルウタのキリのいいところで今日はここまでです。
ゆっくりなせいでいろいろ考えてもらってしまって申し訳ないんですが、ストレートに受け取ってもらって大丈夫だと思います!
あまりにわかりにくいようだったら完結後に解説入れます。 - 126二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 08:20:57
ほ
- 127二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 11:39:32
- 128二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 17:55:22
ウソロビとゾロナミはどうなるのやら
- 129二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 23:56:13
ナミ「ゾロ、ウソップ。まだ起きてる……?」
そう呼びかけながらナミがキッチンの扉を開けると、ゾロとウソップはテーブルで酒を飲み交わしているところだった。
チョッパーはゾロの太股をやや高い枕にして眠っている。
ゾロ「ああ」
ウソップ「ルフィそっち行ったか?」
ロビン「ええ。来たわ」
ナミ「なんだかいい雰囲気だったから気を使って出てきたってわけよ」
ナミの言葉の後、少しの沈黙があった。
ここで口に出すものはいなかったが、ナミとロビンの気持ちはチョッパーを除くここにいる4人が知っている。
ゾロ「ナミ。お前は空いてるんだな?おれァまだ飲み足りねェ」
最初に口を開いたのはゾロだった。
チョッパーを片手で抱き上げ、ナミの側までやってくると「付き合えよ」とその腕を掴む。
ナミ「えっ。あ、はい」
急に腕を取られて困惑しながら、ナミはゾロに連れられてキッチンを出た。 - 130二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 00:07:10
2人だけだと、アクアリウムバーも広く感じる。
ゾロは一旦チョッパーを寝かせてくると言って男部屋に行ったため、ナミは水槽の中を泳いでいる魚たちを見ながら自分の気持ちを整理していた。
ルフィのことが好きだった。
その気持ちは最初から伝える気持ちはなかったし、ルフィが選んだ女の子がいるなら、その恋を応援しようと思っていたし、今も思っている。
ただ、それだけだったのに、急にゾロが自分のことを好きだなんて言うから混乱してしまっていた。
ゾロのことは好きだし、傷ついている自分に寄り添おうとしてくれるのも嬉しい。
ただ、全てが急すぎる。
ナミ「ゾロ……」
ゾロ「あ?なんだよ」
ナミ「……もう戻ってきてたんだ」
ゾロ「寝床に放り込んでくるだけだからな。ほら、酒だ」
隣に座ったゾロは瓶ごと酒を手渡してきたが、すぐに飲む気にはなれずに手の中でくるくると回してみる。 - 131二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 00:49:42
ナミ「あのね、ゾロ……」
ゾロ「言わなくていい」
ナミ「え……」
ゾロ「お前がまだ気持ちの整理つけられてねェのはわかってる。だから何も言わなくていい」
じっと見つめられて、ナミは黙り込んだ。
手の中の瓶に視線を移して手遊びを続ける。
ゾロ「付け込むようなことして悪かったよ。お前が嫌ならもう何もしねェ。だからここにいろ」
ナミ「うん」
ゾロ「おれは多分、お前をそういう対象には見てなかった。今回のことがなきゃずっとそうだったはずだ」
ナミ「うん……」
ゾロ「けど、お前がそうやって無理して笑ってんの見たら駄目だった。誰かに傷つけられるくらいなら、おれのものにしたくなった」
ふとナミが顔を上げると、ゾロと目があった。
いつも通りの鋭い眼光に優しさが見え隠れしているような気がするのは、気のせいだろうか。
ゾロ「だから、今はいい」
ナミ「……ルフィに妬いたりしない?」
ゾロ「あのなあ、お前はそのうち世界一の剣豪の女になるんだ。その女の趣味が悪かったらおれの格好もつかねェだろうよ」
ナミ「そういうものなの?」
ゾロ「さあな」 - 132二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 00:52:41
ゾロはナミの言葉を適当に受け流して、ナミの唇を自分の唇で塞ぐ。
ゾロ「酒、飲まねェなら続けるぞ」
ナミ「うん……」
ナミは両手で酒瓶を持ったまま、静かに頷く。
今は瓶で両手が塞がっているから、だからゾロを止めることができないだけだと言い訳を考えながら、自分の心と体をゾロに委ねた。 - 133二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 00:53:38
あとはウソロビの様子と、エピローグって感じです!
- 134二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 07:25:43
ぶひゃー!たまんねぇ!!
- 135二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 07:33:35
ありがとうございます!お待ちしてます!
- 136二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 15:22:07
ゾロナミのこの大人感
まだ21でしょうに - 137二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 00:00:38
ホスホスのピストル!!
- 138二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 08:07:20
今夜待っちょるけぇのぉ
- 139二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 12:26:27
今夜更新できそうですか?
- 140二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 14:15:22
今夜更新できそうです!お待たせしてすみません!
保守ありがとうございます。 - 141二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 20:37:53
ウソップ「行っちまったな」
ロビン「そうみたいね」
ウソップ「もしかして、朝まで女部屋に戻らないつもりか?」
ロビン「その方がいいでしょうね」
ウソップ「……だよなあ~」
あれだけルフィを焚きつけたのだから、こうなることはわかっていたはずだ。
ウソップはふう、とため息をついた。
ウソップ「あいつらバー行くって行ってたよな?ならウソップ工場……は近くでフランキーが寝てるし、ここじゃサンジの邪魔になるかもしれねェしなあ」
ロビン「あら?もしかして朝まで一緒にいてくれるのかしら?」
ウソップ「ん?だってロビン1人放っておくわけにゃいかねェだろ?」
ウソップの言葉を聞いて、ロビンはウソップをからかうような言い方をしたことを少し後悔した。
ウソップ「あ!ナミがバーの方に居るなら図書室はどうだ?ロビンはよく本読んでるし、落ち着くんじゃねえか?展望台でもいいぞ!今日は晴れてるから星もよく見える!」
な!とウソップは笑ってウソップなりに精一杯ロビンを励まそうとしてくれていた。 - 142二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 20:46:48
ロビン「どちらでもいいけれど……。折角だし、星を見てもいいかもしれない。本ならいつでも読めるけれど、あなたと星を見るのは初めてだから」
ウソップ「何言ってんだよロビン!星なんて、おれたちはこの船で何度も見てきたじゃねェか!」
ばんばん、とウソップがロビンの肩を叩いた。
無遠慮に見えるその手が、ロビンを気遣ってうまく力加減をしていることを知っていた。
ロビン「それもそうね」
ウソップ「だろ?ナミの指示通り、あの星に向かって全速前進!ってな!」
梯子を登って展望台に入ると、最初に目に付くのはゾロのトレーニング道具だ。
ウソップはそれを見て顔をしかめている。
ウソップ「また散らかしたままにしやがって、ゾロの奴!散らかってるとおれたちまでナミに怒られるのに……。今度ビシッと言ってやるか」
ロビン「ナミが?」
ウソップ「ああ。あいつは航路を読むためにここに来ることがあるし、時々運動もしてるみたいだ」
ロビン「そうなの」
ウソップ「ああ。で、そのときにここが散らかってるとそりゃあもう恐ろしい剣幕でな……」
ロビン「ふふ、想像がつくわ」 - 143二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 00:29:32
ウソップ側の感情がまだ定かじゃないからこっちが未知数でどきどきする
- 144二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 07:37:31
気遣いのウソップ好き……
- 145二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 14:56:39
ウソップが窓際のベンチに座り、ロビンはその隣に座った。
何を話すべきかわからず、ウソップは事前に言っていた通りに窓から見える星についての話を始めた。
もちろんそれはウソップが得意とする嘘の話だったが、ロビンはそれを真剣に聞いていた。
ウソップ「……ってな訳で、砂漠の大サソリは倒されたんだが、その功績が讃えられてあの星になったんだ」
ロビン「あの星の名前は知っていたけれど、その話は初めて聞いたわ」
ウソップ「いい話だろ?昔、この話にあこがれた子どもの話なんだが……」
ロビン「あら、次は子どもの話?」
ウソップ「ああ。えっと……退屈か?」
ロビン「もっと聞かせて欲しいわ」
ロビンは博識だった。
ウソップが作る星の物語に、嫌味なくその星の学説などを添えてくれる。
ウソップにとっても話がいがあり、物語を膨らませてくれるいい聞き手になってくれた。
ウソップ「……なあロビン」 - 146二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 19:21:22
ウソップは話の合間にそう呼びかけた。
思ったよりも落ち着いた声色が、これが今までのほら話とは違うことを物語っていた。
ウソップ「さっきのウタの話なんだけどよ。ゾロにも中途半端なことはすんなって釘刺されちまって……」
ロビン「……そうなの」
ウソップ「それでよ……。おれはまだ、恋愛とかそういうのはよくわかんねェんだ。だから……」
ロビン「……それもそうね。いつまでもウソップに頼っていたら迷惑……」
ウソップ「あーーーっ!早まるな!ちょっと待て!おれが言い終わるまで待て!」
ウソップはその場を立ち去ろうとしたロビンを慌てて引き留め、もう一度ベンチに座らせた
ウソップ「わかんねェが、中途半端なことすんのは勇敢なる海の戦士じゃねェ!とおれは思うわけだ。今はまだ勇敢なる海の戦士を目指してる最中だけどよ」
ロビン「ええ」
ロビンはウソップのことを既に立派な戦士だと思っていたが、それを口にすることはなく頷いた。
ウソップ「ちゃんと勇敢な海の戦士になったらよ。覚悟決めようと思うんだ。待たせちまうのはすまねぇが、ひとつずつちゃんとやりてェんだ。悪ィな」 - 147二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 19:28:32
ロビン「……いいえ。誠実で素敵だと思う」
ウソップ「急に褒めんなって。でも、別にロビンは待ってる必要はねェんだぞ」
ウソップにも、いつまでかかるかわからない話だ。
自分の答えを待って、他の機会を逃すなんてことはして欲しくない。
ロビン「ええ。もちろんそうさせてもらうわ」
ウソップ「そっか!だからよ、それまでは仲間としてお前を支えてェんだ」
ロビン「それでも嬉しいわ。今夜はまだ一緒に居てくれるんでしょう?」
ウソップ「もちろんだ!だからよ、色っぽくいうのはナシな。ナシで頼む」
ロビン「あら……そんなつもりはなかったのだけれど……」
ウソップ「そうなのか?なーんかロビンが言うとなんでも意味深になるのはなんでなんだろうな?」
ロビン「さあ?」
そうして2人の深夜の星の物語はそれから、翌日の朝まで続いたのだった。 - 148二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 23:11:22
翌日
ブルック「そう言えば昨日の話ってどうなったんです?」
ガシャーン
フランキー「それ蒸し返すのか!?」
チョッパー「昨日の話ってなんだ?」
ブルック「気にならないんですか?」
チョッパー「昨日の話ってなんだ??」
ジンベエ「気にはなるが、本人たちに任せるべきではないか?」
チョッパー「昨日の話ってなんなんだよー!!!」
ロビン「ちょっと。あなたたち、チョッパーの話を聞いてあげて」
ジンベエ「おお、すまんすまん。昨夜チョッパーは寝ておったか」
チョッパー「ああ!気がついたら部屋で寝てたんだ。夜になんかあったのか?」
ロビン「大したことじゃないわ。それに、多分そのうちわかると思う」
チョッパー「そうなのか?なら待ってるぞ!」
ロビン「そうしましょう」
フランキー「そのうちわかるって……お前は当事者じゃねェのか?」
ロビン「それも含めて、よ」 - 149二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 02:49:16
フランキー「ところで、サンジのやつはどうしてあんなに機嫌が悪ィんだ?」
ブルック「ああ。それなら私が知っていますよ」
フランキー「知ってんのかよ!」
ブルック「不寝番が朝方だったので。サンジさんが朝食を作っているときに下……アクアリウムバーからゾロさんから朝食のリクエストがありまして……」
フランキー「朝食のリクエストくれェで怒るか?」
ブルック「それが、リクエストがナミさんの分も、とのことで……」
フランキー「ああ……。ってことはあいつら、夜通し一緒に過ごしてたってことか?」
ジンベエ「なるほど……」
ブルック「やっぱりそう思います?そう思いますよね?で、それから……」
フランキー「まだあるのかよ」 - 150二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 02:56:09
ブルック「ヨホホホホ!みなさんお若いですからね!」
ジンベエ「年齢の問題か?」
ブルック「まあまあ。そしたら次はルフィさんとウタさんが揃ってやってきて、寝るまでおしゃべりをしていたなんてかわいらしい話をしながらサンジさんに朝食をねだり……」
ジンベエ「今の状態というわけか」
ジンベエたちが視線を向けた先には、なんとも禍々しい炎をまとったサンジが昼食の仕込みを続けている。
こんな状態でもしっかりと食卓を管理しているのは彼のコックとしての矜持なのだろうが、今日ばかりはそれを捨ててもよかったのではないかと思う。
サンジ「ゴム野郎、マリモ剣士、ゴム野郎、マリモ剣士……」
ロビン「変わったジャガイモの数え方ね」
フランキー「今は触れないでおいてやれ……」 - 151二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 03:04:57
サンジの地獄のようなテンションを大人組が見守っているうちに時間は過ぎ、昼食の時間になった。
朝食は別々になることもあるが、昼食と夕食は全員が揃うことが多い。
今日もそのつもりらしく、一旦船を停泊させてみんなでキッチンへと集まった。
サンジ「おら野郎共、飯だ!」
ルフィ「いっただきまーーー、うんめーーーっ!!」
ゾロ「うめェな」
ウソップ「ああ、うまい」
準備が終わった途端、ルフィが皿からひょいひょいと食べたいものを掴んでは口の中に放り込みだした。
それにつられるようにしてゾロとウソップも昼食に手を付け始める。
サンジ「全く、野郎共は落ち着かねェったら……。ナミさんとロビンちゃんはお先にお飲物からどうぞ」
ナミ「ありがと」
ロビン「ありがとう、サンジ」 - 152二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 13:42:32
保守
- 153二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 21:19:56
みんな優しいな
- 154二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 22:01:00
ウタ「あの……みんな!昨日のことなんだけど……」
ウタの言葉に、みんなが彼女の方を見た。
ウタはみんながキッチンに集まる前からサンジのドリンクを飲みながら何かを考えていた様子だった。
ウタ「本っ当にごめんっ!人のそういう話、他人から話すのってよくなかったなって、反省したの!ルフィとあんまり上手くいってないって思いこんで、変なこと言っちゃって、本当にごめん!」
立ち上がって頭を下げたウタに、隣に座っていたルフィが「バカだなあ~」と声をかけた。
ルフィ「お前は他人なんかじゃねェだろ。この船の仲間だ」
ウタ「ルフィ……。嬉しいけど今はそういう話じゃ……」
ナミ「そうよウタ。昨日はびっくりしちゃったけど、別に悪いことだなんて思ってないわ」
ロビン「ええ。そうね。私たちは気にしていないわ」
ウタ「ナミ!ロビン!」
サンジ「おっと、あぶねェ。気をつけてね、レディたち」
ウタがナミとロビンに飛びつき、揺れたグラスを押さえながらサンジが声をかける。 - 155二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 07:17:18
ゾロ「まあ。元々隠してたわけでもないからな」
フランキー「あ?なら、昨日のあれは事実ってことでいいのか?」
ゾロ「ああ。別に言い触らすようなことでもねェが、黙ってたことで不都合があるようなら言っといた方がいいだろ」
ゾロのしれっとした態度に、サンジが体を燃やしながら「おれの女神になんてことを!」と絡んだ。
ゾロもそれに刀を抜いて応えて激しい喧嘩が勃発するが、ウタ以外のメンバーはいつものじゃれあいだと気にも止めない。
ルフィ「ナミ!ゾロのこと頼んだぞ!」
ナミ「嫌よ。恋人って面倒みてあげるものじゃないでしょ。ペットじゃないんだから」
ナミは恋人と言う単語を口にしながら、まだ慣れないその響きに照れてしまう。
バレないように取り繕ったつもりだったが、ルフィの態度ではバレたのかバレなかったのかあまりはっきりしない。
ルフィ「んー。それもそうか」
ウタ「ね、ねぇ!あれって止めなくていいの!?」
ルフィ「ああ。ほっといて平気だ」
ロビン「ええ。放っておけばそのうち止まるわ」 - 156二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 07:26:24
ナミ「ところで……ロビンは……」
昨日ウタが話題に上げたのはナミともう1人、ロビンだ。
あのあとどうしたのか、という心配も含んだ声でナミが尋ねた。
ロビン「ウソップと私はなんでもないわ」
ロビンは笑みを浮かべ、そう言った。
そして、ナミとロビンがなんとも言えない表情を浮かべたところでさらに付け足すように続けた。
ロビン「私の片想いなの。これからアプローチしていくわ」
ウソップ「ブフーーーッ!え!?ロビン!?」
チョッパー「わーーーっ!!ウソップーー!?」
この件の当事者でありながら、息を潜めるように座っていたウソップが飲んでいたコーヒーを吹き出した。 - 157二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 10:34:53
ブルック「はい、こちらで拭くとよろしいですよ」
吹き出したコーヒーが体にかかりそうになったチョッパーが悲鳴を上げて、ちょっとした地獄絵図が生まれそうになったところを布巾を手にしたブルックが上手く納める。
ウソップ「ロ、ロビン、お前……」
ロビン「あら。私から告白しちゃ駄目だなんて言われたかしら?」
ウソップ「言ってねェ!言ってねェが……」
ウタ「そうだったんだ!応援するね、ロビン!」
ナミ「私も!応援するからね、ロビン!」
ロビンを姉のように慕うウタとナミが両側からロビンに抱きつき、わいわいと盛り上がる。
それをどうしたものかと見守るウソップにフランキーが「頑張れよ」と声をかけた。
ウソップ「おう……」 - 158二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 10:39:01
きゃーー!
最高! - 159二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 10:41:13
しばらくして、甲板から爆発音が響いた。
ゾロとサンジの喧嘩がいつの間にかヒートアップしていたらしい。
ナミ「えっ!?あの2人まだやってたの!?」
フランキー「あ、おいナミ!お前が行ったら逆効果だ!」
チョッパー「2人とも怪我してないといいけど……」
ウソップ「いや~、してたとしても自業自得じゃねェか?」
慌てて立ち上がったナミを追いかけて、みんながキッチンを飛び出していく。
そんな彼ら一味の日常を追いかけるように、ウタもまた彼らに続いて足を踏み出した。
ウタ「ちょっとーーー!置いてかないでよ、ルフィーーー!」
ルフィ「あ、そうだ!甲板まで競争しよう!ウタ!」
呼びかける声に、今は応えてくれる人がいる幸せを噛みしめながら。
end - 160二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 10:44:49
一応これで一区切りです。
話でわかりにくくて聞きたいところとかあれば投げてもらえたら!
途中で話題に出たので爆発オチにしてみました。 - 161二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 12:30:12
お疲れ様でした!
みんな収まるところに収まりそうで良かった
やっぱり麦わら一味は平和で仲良しじゃなくっちゃな(甲板の爆発から目を逸らしながら) - 162二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 23:37:45
爆発オチ回収笑った
サンジ以外平和に過ごせそうで何より - 163二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 10:18:49
保守
- 164二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 19:20:54
キッチンでの一幕
ブルック「そう言えばサンジさん」
サンジ「ん?なんだ?」
ブルック「なぜサンジさんはナミさんとロビンさんにアプローチしなかったんですか?」
サンジ「はぁ?バカ言うな。おれはいつだってナミさんとロビンちゃんにはアプローチを……って、そういう話じゃねェか」
ブルック「聞かせていただいても?」
サンジ「人に聞かせるような話でもないんだが……。ナミさんとロビンちゃんがルフィの奴に惚れてたのは知ってただろ?」
ブルック「ヨホホ。あれはかわいらしかったですね」
サンジ「でも、2人はそれをルフィに言うつもりもないんだってことは見てりゃわかった」
ブルック「……そうだったんですか?」
サンジ「多分な。ナミさんも、ロビンちゃんも、ルフィにはデカい恩がある。困らせたくなかったんだろうし、恋人って関係にならなくてもいいと思ってたんだろうな」
ブルック「そうですね。私もルフィさんには大きな恩がありますから、気持ちはわかります」
サンジ「そこに……ルフィの幼なじみのウタちゃんが来た。ウタちゃんだってルフィには恩はあるだろうが、彼女はナミさんやロビンちゃんとは違って、ルフィへの恋心を隠さなかった。……それが決め手だったのか、ルフィが元々ウタちゃんを好きだったのかはおれの知るところじゃない」 - 165二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 19:30:43
サンジ「結果だけ言えば、ルフィはウタちゃんを選んだわけだ。別にそれは悪いことじゃない」
ブルック「そうですね。そして、失恋したお二人は新たな恋へと……。切ないお話です」
サンジ「おれはルフィもクソ剣士もウソップも悪い奴じゃねェと思うし、きっとこれから上手く行くと思ってるが……。まあ、それでも万が一ってことはあるだろ?」
ブルック「人の心の話ですから」
サンジ「そんなとき、おれの身動きがとれなかったら悲しんでいるレディを誰が癒して差し上げるんだ?」
ブルック「サンジさん……あなたは……」
サンジ「ま、男と女の関係は色々あるってことだ。ほらよ、話聞いてくれたお礼にカリカリポテトの試作品食うか?」
ブルック「いいんですか?私、サンジさんの料理の試作品食べるの好きなんですよね」
サンジ「そりゃよかった。いいコメントしてくれよ」
恋とは違う愛情もある、そんな一幕。
end - 166二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 04:19:21
小ネタ(本編に入れ忘れたネタ)
ゾロ「そういえばウタが「彼氏の好きなところゲーム」をやったって言ってたんだが」
ナミ「うん!?」
ナミ(ウタ~~~!何でその話をこいつにしちゃうのよ~~~!)
ゾロ「で?お前はいくつ言えたんだ?」
ナミ「……5つ……」
ゾロ「あァ!?5!?少なすぎるだろ!!」
ナミ「だから言いたくなかったのに!!っていうか勝負自体途中で中断したから少ないだけだって!!」
ゾロ「なるほど。なら……今から6つ以上言えるってことだな?」
ナミ「いや……それはちょっと難しいんじゃない?私不寝番だし、暇じゃないし……」
ゾロ「てめェの女に1人で不寝番なんてさせるかよ。一緒にいてやる」
ナミ「この前普通に寝てたくせによく言うわね。はいはい、それなら先に行ってるからあんたは毛布持って来て」
ゾロ「わかった」
ナミ(なんかいつも向こうのペースになっちゃうの、なんとかしたいもんだわ……) - 167二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 15:42:03
乙
面白かった - 168二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 16:01:55
頑張って絞り出せナミさん、仮にも仲間の好きなところ5つは少なすぎるよ
- 169二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 20:41:40
ロビンサイドはどうなるんだ?
- 170二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 01:43:55
考えて書いてみます!
- 171二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 10:09:40
保守
- 172二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 21:43:26
保守
- 173二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 02:28:37
ウソロビ小ネタ
ロビン「ウソップ」
ウソップ「おっ、めずらしいなロビン。お前も釣りか?」
ロビン「ええ。一緒にいいかしら?」
ウソップ「えっ!?本気か!?釣りって餌に虫とか使うんだぞ!?あっ、待てよ……この辺りにウソップルアーが……(バタバタ)」
ロビン「餌の虫ってこれかしら」
ウソップ「大丈夫なのかよ!それでいいけど、付け方とか……」
ロビン「わからない。教えてくれる?」
ウソップ「ああ!いいぞ!」
[ウソップの釣り講座]
ロビン「…………」
ウソップ「…………」
ウソップ(ロビンは普通にしてるけど、おれのこと好きだって言ってたよな……。でも普通にしてるし……あれは夢かなんかなんじゃ……。) - 174二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 02:36:49
ロビン「ねえウソップ」
ウソップ「ん?どうかしたか?」
ロビン「普通は待つものなのかしら」
ウソップ「あー、大体そうだな。池や川なんかじゃ違うこともあるけど、グランドラインでの正しい魚の釣り方なんて知らねェしな」
ロビン「そうなの」
ウソップ「っておいロビン!あんま海のぞき込むなって!覗いたってすぐに魚は見えねェって!」
ロビン「それはわかっているのだけれど……」
ウソップ「わかってんなら戻ってこい、な?」
ウソップは船から乗り出しかけているロビンの肩を掴んで甲板へと引き戻した。
くるりと振り返ったロビンは釣りがよっぽど気に入ったのかにこにこと笑っている。
ロビン「……やっぱり、待ちきれないかもしれない」
ウソップ「それ、釣りの話だよな?釣りの話なんだよな!?」
ロビン「さあ?どうかしら♡」 - 175二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 07:26:19
積極的なロビンちゃんかわいすぎるだろ……
ありがとう - 176二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 17:27:54
このSSでウソロビに目覚めてしまった……かわいいなこいつら
- 177二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 02:00:25
ゾロとナミって考えたこと無かったけどよかった
- 178二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 13:44:35
ウタ「ルフィ!」
ルフィ「なんだ?ウタ」
ウタ「何でもないよ。ただ呼んだだけ~」
ルフィ「そっか!暇なら一緒に風呂入るか?」
ウタ「え!?」
ルフィ「女部屋来るなら風呂入れってナミがよ……。ゾロだって似たようなもんなのにな」
ウタ「あ、あの、ルフィ」
ルフィ「なんだ?」
ウタ「サニー号では、その……っ。誰かとお風呂に入るのが当たり前なの?」
ルフィ「ああ!能力者は危ねェって、誰かと入ることが多いぞ」
ウタ「ナ、ナミやロビンと!?」
ルフィ「ん?大体ゾロかウソップだ。ナミはともかくロビンは能力者だしな。2人は一緒に入ってるみてェだけどよ」
ウタ「それは知ってる!私も一緒に入ってるから!」
ウタ(ルフィがお風呂に誘ってくるなんてびっくりしちゃった……。びっくりしてサニー号ではそういう文化が独自に発達したのかと思っちゃったけど、そんなことないよね) - 179二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 21:45:50
ウタ「あっでも、私も能力者だから2人だと危ないかも」
ルフィ「あ、そっか。それじゃ仕方ねェか」
ウタ(仕方ないって何!?)
ウタ「あと……えっとね、ルフィ。男の人と女の人はあんまり一緒にお風呂には入らないものなの。男湯と女湯っていうのがあるの、ルフィは知ってる?」
ルフィ「失敬だな~。そんくらい知ってる!ウタと一緒に入ったら楽しそうだと思ったんだ。恋人は一緒に風呂入ることもあるみてェだしよ」
ルフィ「でもまあ、危ないなら仕方ねェか。風呂場でウタになんかあったらおれだけじゃ不安だしな」
ウタ「う、うん!そうだよ!残念だな~、ルフィとお風呂入って、背中流したりしてあげたかったな~」
ウタはドキドキしてしまったのを隠すように、お姉さんぶってルフィをからかった。
ウタ「でも、お風呂に入って偉いルフィにはちゃんとご褒美があるよ」
ルフィ「肉か?」
ウタ「ううん。きっともーっといいものだよ♡」
ウタは勿体ぶってそう言って、ルフィの頬をふにふにとつついた。 - 180二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 21:52:18
ルフィ「そうなのか?じゃ、楽しみにしてる!」
ルフィは元気にそう言って、風呂場へと駆け出して……行く前に、ウタの頬に軽く口を付けた。
ウタがそれをキスだと認識する前にルフィは今度こそ駆けだしていて、その姿はもうすっかり遠くにあった。
ウタ「えっ……えっ……!?」
ルフィが口を付けた頬を自分の手のひらで押さえたまま、ウタは呟く。
ウタ「先払いさせられちゃった……」
ルウタ小ネタend
ちなみにルフィが恋人となら一緒に風呂に~と言っていたのはゾロがナミと風呂入ったら髪とか洗ってもらえてよかったというようなことを言っていたからでした - 181二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:25:58
良い、好き
- 182二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:49:34
- 183二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 01:36:17
ラスト
dice1d2=2 (2)
1 男性陣
2 女性陣
- 184二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 11:59:43
保守
- 185二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 23:03:01
保守
- 186二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 23:23:15
ウタ「ナーミ!」
ナミ「ウタ?どうしたの?」
男性陣に比べて眠るのが早い女性陣は女部屋で就寝の準備をしていた。
化粧水、乳液、ボディクリーム、ヘアケアとナミはその中でも一段と忙しくしている(歌姫であるウタの方が工数が少ないことに小言を言いながら)。
そんなナミにウタが勢いよく抱きついたのだった。
ナミは手に延ばしたクリームを抱きついてきたウタの手にも延ばし、塗り込めながら返事をする。
ウタ「へへ……えへへ~」
ナミ「あら、にやにやしちゃって」
ロビン「ルフィといいことでもあった?ナミ、私にも頂戴」
ナミ「いいわよ」
ナミに抱きついたままにやにやしているウタの髪を梳いていたロビンがそう言うと、ナミはロビンの手にもクリームを塗り伸ばしていく。
ウタ「今日……なんと……」
ナミ・ロビン「なんと?」
ウタ「ルフィにキス……されちゃった……」 - 187二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 23:32:19
ナミ「えっ!」
ロビン「あら……」
ナミとロビンは歌の言葉に驚きを隠せなかったが、失恋の傷が既に癒えている2人にとってそれは純粋な驚きだった。
あのルフィがキスなんて。
2人は好奇心に打ち勝てず、2人がかりで……ロビンに至ってはハナハナの能力を使ってウタを2人の腕の中に閉じ込めてしまった。
ナミ「ウタ……。そんなこと言うなんて……今夜は詳しい話聞かせるまで寝かせないんだから」
ロビン「ええ、右に同じ。ウタのかわいい恋の話、私も聞きたいわ」
ウタ「えっ、ええっ!でも……そんなに聞かれると……恥ずかしくなって来ちゃった……」
ナミ「駄目よ、ウタ。ちゃんと話さないと……こうよ!」
ナミは自分に手を回しているせいでがら空きになっているウタの脇腹をこちょこちょとくすぐった。
慌ててガードしようとしたが、ロビンの手にそれを阻まれて擽られるままになってしまう。
ウタ「あっ、アハハハハっ!やだっ!くすぐったいよ~!」
ナミ「ほらほら~、話したくなってきたんじゃない?」
ウタ「あははっ、うん!話す、話すよ!」 - 188二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 23:43:27
ウタはナミとロビンに挟まれて座ったまま、呼吸を整えてもじもじと話始めた。
ルフィにお風呂に誘われたこと、断ってしまったけれど入ってきたらご褒美にキスしてあげようと思っていたこと、先にルフィから頬にキスされてしまったこと。
ナミとロビンはうんうんと頷きながら、ウタの話を真剣に聞いている。
顔から火が出るんじゃないかと思うくらい真っ赤になったウタを2人はウタをからかわずに「良かったわね!」「意識されているじゃない」と激励の言葉をかけてくれた。
ウタ「あの……。ナミとロビンは本当にルフィと一緒にお風呂には……」
ナミ「入ってないに決まってるじゃない。まあ、ルフィと……あとゾロは時々間違えてドア開けて入ってくることはあったけど……叩き出してたわよ」
ナミ(アラバスタの覗きとワノ国でヤマトと入ってたことは黙っててあげるけど、1つ貸しだからねルフィ……!)
ロビン「そうね。でもナミ、そろそろゾロには気をつけてもらわないと……私は構わないけれどウタは気にするんじゃないかしら」
ナミ「えっ!?あいつロビンの入浴中に入ってきたことあるの!?」
ロビン「迷ったそうよ」
ナミ「あ~、頭痛い。あいつ、ハーネスつけて散歩させた方がいいんじゃないかしら」 - 189二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 00:20:40
ナミ「あ、そうだ」
ロビン「どうしたの?ナミ」
ナミ「さっきのウタの話なんだけど……。ルフィから見ると、まだご褒美もらってないことになるんじゃない?あげたの?」
ウタ「あっ!!あげてない!!」
どうしようナミ、とウタが言うのとほぼ同時に女部屋のドアが蹴破られる。
ルフィ「ウタ!風呂入ってきた!なんかくれ!」
ウタ「ルフィ!?!?!?」
ナミ「あー、遅かったわね」
ロビン「そうね」
あっと言う間にウタに腕をぐるぐると巻き付けて、ルフィは見張り台の方へとすっ飛んでいく。
うっかり海に落ちないように祈りながら、ナミとロビンは壊されてしまったドアを見やった。
ナミ「今日は吹きさらしかな」
ロビン「……ふふっ、そうでもないみたいよ」 - 190二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 00:30:05
ゾロ「おい、なんかデカい音がしたが……って何でドアが壊れてんだよ」
ウソップ「あーあ、ルフィのやつ……。これくらいならおれでも直せそうだけどよ……」
ナミ「あらゾロ。とウソップ」
ウソップ「おれをついでみたいに言うなっ!ドア直してやるって言ってんだぞ!」
ナミ「冗談だってば。直りそう?無理ならフランキー呼んできた方がいいんじゃない?」
ウソップ「あー、金具が外れただけだからすぐ直りそうだ。え~と、ドライバードライバー……」
持ってきた工具を探すウソップの横でロビンの手が咲き、ドライバーをウソップに手渡した。
ウソップ「おっ。ありがとうロビン。助かるぜ」
ナミ「あんたたち何してたの?」
ゾロ「ルフィが風呂に入るっつーからおれも。ウソップもついでだ」
ナミ「はいはい。あんたもお風呂に入ってきてえらいえらい」
ナミに頭を撫でられ、怒り出すと思いきや満更でもなさそうなゾロを見てウソップはため息をついた。
あの鬼のような男が、好きな女の前ではまるで待てを命じられた飼い犬だ。 - 191二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 00:31:59
ウソップ「おれは海の戦士……おれは海の戦士……」
ロビン「私がおばあちゃんになる前になってくれると嬉しいわ」
ウソップ「うわっロビン!急に背後から近づくな!」
ずでん、と音を立ててひっくり返ったウソップを見て、ロビンやナミ、ゾロまでが笑い声をあげる。
ルフィが海賊王になる、その前にあった一夜の出来事だった。
end - 192二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 00:35:50
- 193二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 00:37:18
- 194二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 10:08:05
乙でした!
それぞれが仲良くてすごいほんわかできたよ
良いSSだった、語り継がれるしで釜で煮込まれる - 195二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 12:13:31
- 196二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 13:14:57
推しカプ全盛り欲張りセットで楽しかったです!!
タダで読ませて貰って申し訳ない⋯⋯!!これが薄い本だったら言い値で払ったのに⋯⋯!!
ありがとうございました!! - 197二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 19:10:17
完結おつ
途中でスレ見失って焦ったけど完結まで読めて良かった - 198二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:33:17
面白かったよ!
ウソロビの解釈が一致すぎて嬉しかった、ありがとう - 199二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 09:31:32
完結おつ!ルウタとゾロナミ好きだったんだけど死角からやってきたウソロビに見事に刺された
- 200二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 09:38:48
200なら全員幸せになる!