【閲覧 ルウタ注意】《SS》天竜人「こいつら買うえ〜!!!!」二体目

  • 1愛ある罰22/11/11(金) 06:47:17
  • 2愛ある罰22/11/11(金) 06:49:40

    ・



    二人の心境 



    ウタ


    ・”風のゆくえ”が歌えない(歌詞が今の自分達には辛すぎる、楽しかった日々を思い出してしまうから)


    ・私が従えば、ルフィは安全



    ルフィ

    
・俺のせいでこうなったんだ

    
・俺が言うことを聞けばウタは安全

  • 3愛ある罰22/11/11(金) 06:50:56



    

____朝

    

”奴隷”ウタは目を覚ました。



    『…ん……ん??』

    

目を開き、一番最初に見えたものは、視界一面に広がるルフィの頬だった。


    

つまり、彼の顔の上に自分の顔を落とす形で眠りについていたのだ。


    


そして彼女の唇には”違和感”があった。


    

……まるで誰かと口付けでもしていたかのように

  • 4愛ある罰22/11/11(金) 06:51:46

    ・



    『ま…まさか……』



    彼の顔をよく見てみると、”包帯”が巻かれていない口元のごく一部に、”不自然”と思える液状の跡が付いている。



    彼女は擬似的だが”してしまったのだ”。

    

『……』




    初めての”キス”を____

  • 5愛ある罰22/11/11(金) 06:53:11

    ・



    本来なら、少女として”それなりの感情”を顔に出すものだろう。



    だが、今の彼女は____




    『ごめんなさい!』





    ”奴隷”だった。



    『ごめんなさい!”初めて”を奪って……またルフィから一つ大切なものを”奪って”!』バタバタ



    彼女はもう、以前の彼女ではいられなかった。

    

以前の関係ではいられなかった。

    

”好敵手”でも”幼馴染”でも”友達”でも、いられない




    ならなんなのだろうか。

    

彼女が思うルフィから見られた自分との”関係”は。



    

そして彼女自身が”ありたい”と思える彼との理想の関係とは____

  • 6二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 06:54:32

    流れ変わったな

  • 7二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 06:54:38

    再立て乙です。

  • 8愛ある罰22/11/11(金) 06:59:19



    彼女は大声で泣きながら謝り続けた。

    何度も、何度も。

    ”奴隷”が”主”に頭を下げるように

    それでも彼は起きなかった。



    ……いや、起きたくなかったのだろうか。

    最も大切な人の泣き顔が、目覚めの景色になるなど、”最悪な目覚め”でしかないのだから。


    目覚めても”悪夢”が続いてしまっているのだから。

  • 9二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 08:59:33

    保守

  • 10二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 09:15:25

    立て乙

  • 11二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 10:12:35

    庇って傷を負って意識を失い目が覚めたら、
    夢を誓い合った大切な幼馴染が、
    奴隷のように怯えて泣いて謝り続けている

    心まで変わり果ててしまって……………………ぞくぞくする

  • 12二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 16:39:58

    保守

  • 13愛ある罰22/11/11(金) 17:01:00



    『……ごべん”ね”…』ポロ…


    ____涙は……枯れた


    ガタッ……ガタッ……

    《朝食をお持ちしました。》

    部屋に降りてきた黒服の男の呼び掛けと、朝食の匂いにつられ、ルフィは体を起こした。

    「…………」


    『?…ルフィ。久しぶりのご飯だよ。喜ばないの?』


    彼は喜びも、飛び上がりもしなかった。

  • 14愛ある罰22/11/11(金) 17:02:11



    ただ、大人しく……


    『…ル、ルフィ!?』


    私の手を握り、食事の席まで案内した。

    「……いっしょに食べよう」


    まるで”なにか”に抑えつけられているかのように、感情が抑制されていた。


    ___変わったのは私だけではなかった


    __彼もまた”奴隷”である。

  • 15愛ある罰22/11/11(金) 17:02:36



    「……運ぶよ。」

    私達が皿の上のものを平らげた後、彼は自ら”労働”を申し出た。


    《余計なことはしなくていい。そういう”命令”だ。》


    彼の申し出は断られた。


    ”奴隷”の要求など通らない。



    それがここの…いや、この世界のルールなのかもしれない。

  • 16愛ある罰22/11/11(金) 17:03:26



    《命令が下るまで、ここで待て。》

    《それと、庭に出ることは禁止になりました。ご注意を。》


    黒服の男は、”買主”からの伝言を言い終え、皿を持ち、”希望のない地下室”から退室した。


    ……そうだ。キスのこと、謝らなきゃ。



    『ねぇルフィ。私さ……』

  • 17愛ある罰22/11/11(金) 17:04:01



    『あ、あんたに……キ…キs…』

    「なんだウタ?それより、お前の顔すごく赤くなってるぞ!」

    『は、はー!?はー!? 別に赤くなってないし!』

    「ひひひ!!やーい!ウタの赤っ面〜!!」

    『むっ!ルフィ〜!!!!!』


    ……まったくこいつは



    人を笑顔にするのが上手だ。


    (ありがとう。ルフィ。)


    彼女の心を締め付けていた”鎖”が



    ほんの少し緩くなった

  • 18二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 18:06:50

    もっとイチャイチャするんだえ

  • 19愛ある罰22/11/11(金) 18:06:54



    ____少し落ち着いた。

    私達は椅子の上で、そのままこれからについて話し合った。

    『……ルフィ。これからどうする?』

    『もう逃げれない。もう抵抗なんて二度とできない。』

    『……私達の人生どうなるのかな?』



    そんなこと彼だって分からないはず。

    彼に聞いても、意味が無いのに。


    私は知りたかった。

    ……いや、聞きたかった。



    彼が出してくれる、明るい提案を。

  • 20愛ある罰22/11/11(金) 18:07:25



    「……生きよう!」

    『………へ?』

    確かに、前向き……ではある


    「諦めなければ”今度こそ”何とかなる!」

    「いつか絶対逃げるチャンスが来る!」

    「だからそれまで生きよう!!!!!」


    『…うん!一緒にがんばろう!』


    私の視界に”光”が戻った。

  • 21愛ある罰22/11/11(金) 18:09:05



    第1部 完


    お待たせしました!!!!!



    ここからイチャイチャが多くなります!!!!!

  • 22二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 18:11:22

    これはのちの解放の戦士

  • 23二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 18:59:39

    >>21

    やったぜ

  • 24二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 19:16:49

    イチャイチャ…認識の齟齬が起きていたりしません?

  • 25愛ある罰22/11/11(金) 19:31:56


    〜第二部〜

    ……私達は生きる。

    生きて必ずここから出て、そしてまた”あの日々”のように楽しく暮らしたい。


    その”いつか”のために。

    心を保たないと。

    ……なら、”あれ”しかないよね♡

  • 26愛ある罰22/11/11(金) 19:35:04



    『ルフィ!またあれやろう!』

    「おう!いいぞ!」ギュー

    私達は再び抱き合った。

    抱き合い続けた。


    だが、それはもう 恐怖を紛らわすためだけの行為では無かった。


    『ルフィ〜♡』


    彼女に”自覚”は無い。

    ____無意識の…”愛”ゆえの行為であった。

    彼女が自身の恋心を知るのはいつになることやら

  • 27愛ある罰22/11/11(金) 19:46:21



    ____だが、その行為ができるのは束の間。

    私達が”二人きり”でいられる時だけ。

    ___私達が”人間”でいられる時だけだ。


    《来い。キブリ聖がお呼びだ。》

    私達はすぐに、抱き合うのをやめて、口を塞いだ。

    彼らの前では…抱き合うことなど出来ない。

    なぜか、そんな気がした。


    「……」

    『…………』

    《ついて来い。》

  • 28愛ある罰22/11/11(金) 19:57:05



    白く、綺麗な部屋

    《来たか。》

    『…はい。』

    「……」コクリ

    私達は気持ちを一切出さず、抵抗せずに、ただ命令を待った。


    《お前》

    『……ひっ!?』

    綺麗な椅子に腰をかけた”買主”は私のことを……指した。

  • 29二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 20:17:11

    お疲れ様です!
    イチャイチャ楽しみすぎる

  • 30愛ある罰22/11/11(金) 20:21:04

    >>24


    二部の中盤までは多分大丈夫だと思います…

  • 31愛ある罰22/11/11(金) 20:21:31

    >>29


    ありがとうございます。

  • 32二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 20:22:41

    >>30

    中盤まで…?妙だな…?

  • 33愛ある罰22/11/11(金) 20:48:30



    《昨日の夜、その少年に子守唄を歌っていたな。》

    『…はい』

    悔しい…ルフィの為に歌った歌声が…

    こんな奴に聴かれていたなんて!


    《いい歌声だった。》

    『…ありがとうございます。』

    ……嬉しくなんかない。

    こんな奴に褒められたくない。

  • 34愛ある罰22/11/11(金) 20:48:51



    《その歌声、より上達させたいと思わないか?》

    『……え?』


    《……思わないのか?》ギロッ

    『ひっ!? いえ!上達させたいです!!』


    《なら良い、そこらの島から音楽の専門家を連れてきた。》

    《存分に教わるがいい。》

    『……ありがとうございます。』


    ……こいつは一体何を考えている?

  • 35愛ある罰22/11/11(金) 20:49:20



    《そしてお前。》

    ”買主”が指し示したのはルフィだった。


    「…うん。」

    《…礼儀は教わったはずだろ?》

    ”買主”はボタンをチラつかせた。


    恐らく……”私の腕輪”の起爆装置。

    ____つまり、ルフィの”足枷”



    「……はい。」

    (こんなルフィ見たことない…)


    《お前はその娘の補助係だ。練習中の彼女の水分補給や、雑用をこなせ。》

    「……はい。」

  • 36愛ある罰22/11/11(金) 20:49:47



    《レッスンはこの後開始だ。練習部屋へは黒服の男の内の誰かが日替わりで案内する。》

    『…はい。』

    《この機会を大切にしろよ。》


    最後にそう言われ、私達は部屋から退室させられた。



    そしてそのまま、練習部屋へと____

  • 37愛ある罰22/11/11(金) 20:51:06



    前スレ200

    ”200ならルウタは幸せになれる”


  • 38二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 20:53:17

    勝った!第三部完!

  • 39二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 22:26:35

    もし200で救われないとかやると、そのまま救われない話を実行するだろうから怖いねぇ~

  • 40愛ある罰22/11/11(金) 22:48:06

    今のうちに、色々聞いておきたいので、”あり”もしくは”なし”のコメントお願いします。

    1・みなさん的に、ダラダラと地下室でのルウタイチャコラを見続けるのはアリですか?
    《性的描写は無し、イチャイチャのみ。》
    (デメリットは多少展開が遅くなったり、テンポが悪くなってしまう。)


    2・これは、数パートあとの話ですが、

    オリキャラ登場。また、ネームドキャラ化は許容できますか?(とても頻繁に出てくる。)

    《設定》

    ・ちいさな双子。

    ・ルウタととても親しい関係になる。

    ・名前は安価

    もちろん、そのパートになったら、オリキャラ注意は付けます。

    皆さんの意見が聞きたいです。
    是非、コメントよろしくお願いします。

  • 41二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 22:50:38

    オリキャラは正直なしです

  • 42二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 22:53:04

    オリキャラ登場でルウタの関係性は変わりますか?
    変わる内容次第ではありなしが変わりますね

  • 43二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:03:56

    ルウタのイチャイチャはありです。
    オリキャラはとても親しいの程度や展開次第なので判断できません。

  • 44二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:05:46

    1は全然あり!
    2のオリキャラはちょっと嫌かな…
    まあ最終的にスレ主の判断に任せますが

  • 45愛ある罰22/11/11(金) 23:07:02

    >>42



    プラスの方向で結構変わってしまいます。


    展開はいい方向へ向かいます。


    ルウタの息子、娘みたいな関係になります。

  • 46二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:12:56

    変わらずルウタがイチャイチャし続けるならオリキャラはありです

  • 47二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:15:56

    全然ダイジョウブ!

  • 48二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:20:59

    元々奴隷ルウタのイチャイチャスレだと思ってたので1はアリ
    主題からズレないなら2も好きにやって構わないです

  • 49二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 23:26:34

    >>45

    ありがとうございます

    ルウタが子供ながらも自分達にとって子供同然な子ができることによってまた一味違った共依存がみれそうなので2も全然ありです

  • 50二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 02:10:37

    どちらでもおけです!

  • 51二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 02:49:28

    完走期待

  • 52愛ある罰22/11/12(土) 07:23:42



    皆さんご意見ありがとうございました!

    1が”あり”でよかったです。

    2は両方の意見が納得できるように、第三部を一つの終わりになるようにして、Telegraphで閲覧自己責任の第四部を、作りたいと思います。

  • 53愛ある罰22/11/12(土) 08:51:22



    《では、レッスンを始めます。》

    いくつもの楽器が置かれた部屋には、白い服を着た女性がいた。
    あれが、連れてこられた”専門家”だろう。

    その人は、無理やり連れてこられたはずなのに、笑顔で私に話しかけた。

    あの人だって天竜人の”被害者”なのに、なぜ笑顔でいられるのだろうか。

    『…お願いします。』コクリ


    ____正直気分は乗らなかった。

    あいつの命令で”歌唱力”を上達させるなど、不本意だ。

  • 54愛ある罰22/11/12(土) 08:51:42



    《じゃあ、どれくらいの歌唱力なのかを知りたいから、最初にこの歌を歌ってみてくれる?》

    『…はい。』

    【⠀……🎶〜〜】

    《…うわぁ…既に上手……》

    歌っても私の心は少しも晴れなかった。


    ____彼の顔を見るまでは。


    (え?)



    彼は私の顔を見て、笑っていた。

  • 55愛ある罰22/11/12(土) 08:52:28



    ____その後、何曲も歌い終わったところで、初日のレッスンは終了した。


    《では、また明日。》

    ”専門家”はずっと笑顔で接してくれた。

    ……久しぶりだった。
    ルフィ以外の誰かの笑顔を見たのは。

    『……ありがとうございました。』


    黒服の男に再び連れられ、私とルフィは再び地下室へと戻った。

    《次は夕飯の時間に来ます。》

  • 56愛ある罰22/11/12(土) 08:53:22



    ____ようやく、私達は二人になれた。


    …………やっと!


    『ルフィ〜!!!!!』ギュー

    ベッドに座った私は、再びルフィに抱きついた。

    『怖かった。怖かったよ〜!!』デレデレ

    「でもお前楽しそうに歌ってたぞ?」

    『それでも怖かったの!!それに、楽しそうに歌えたのは、あんたが笑顔だったから!!』

    「いーや!俺よりも先に、ウタの方が楽しそうにしてた!!」

  • 57二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 08:55:57

    そうか 歌の練習をずっとそばで見させるための補助係か……

  • 58愛ある罰22/11/12(土) 09:15:01



    『____もうそれでいいよ。それでいいから、私の頭を な…なでて…///』

    「こうか?」ナデナデ

    彼は私の頭に左手を置き、頭の頂を左右に撫でた。

    『えへへ…。』ニヘ~

    「もういいか?」ナデナデ

    『今日は頑張ったんだからもっと〜♡』

  • 59愛ある罰22/11/12(土) 09:15:28



    ____確かに、以前のように心の底から楽しくは歌えない。

    それでも、歌おう。


    歌えば眼前の彼が、笑っていてくれるから。


    『…そろそろ夕飯の時間だね。やめよっか…』


    「……もう少しいいだろ。」ナデナデ

  • 60愛ある罰22/11/12(土) 13:34:14



    夕飯の時間が来てしまった。

    いつも通り”黒服の男達”の前では、私達は”感情”を出さなかった。

    でも、先日よりは辛くない。


    ルフィに心を癒してもらったから。

    癒してもらった後は、右腕の”二つの腕輪”を見ても、左手の”烙印”が目に入っても、取り乱すことはなくなった。

  • 61愛ある罰22/11/12(土) 13:35:26



    ____そう。癒された後なら……


    ……彼女は闇の中にいた。

    『シャンクス…?ルフィ……?』

    ただ一人で何も無い闇の中をさまよっていた。

    そんな彼女が唯一見ることが出来たのは

    左手の手の甲に刻まれた____

    新時代のマーク……

    今の彼女にとって、そのマークは…

    『…………いや!!!!!』

    ”奴隷の烙印”だった。

    それを認識した瞬間、彼女の体に鎖が巻かれ始めた。

    ……彼女が動けぬように、縛り付けるように、何重にも鎖は巻かれ続ける。


    『……だれか…たすけ…』

  • 62愛ある罰22/11/12(土) 13:36:18



    『____はっ!!!!!』

    今までの光景は彼女が見ていた夢だった。

    ”海楼石”が付けられていない、本来の彼女ならば、悪夢など見ることは無かっただろう。


    『…ぐずっ…うぅ…』


    『…ルフィ…だずげで”……』



    『だずげでよ"……』


    彼女の目元から涙は流れない


    ____涙はもう枯れていた。

    彼女は横で眠る、小さな体に抱きつき、その小さな体の少年に過度な期待をよせた。

    それをしてしまうほど、今の彼女の心は、疲弊していたのだ。

    ルフィの前で、少しだけお姉さん風を吹かせていた、以前の彼女は……もういない。

  • 63愛ある罰22/11/12(土) 13:53:16



    「____ん。ウタおはよ…!」

    『おはようルフィ。どうしたの?』

    『急にそんな顔して。』


    彼は今、"悪夢"を見ている。


    眼前の彼女の顔。

    その顔が昨夜まで自分に向けていた顔と同じ……では無かった。


    ルフィ以外の相手にのみ向ける"絶望"を感じさせる顔。



    ____その顔が、彼に対しても向けられていたのだ。


    『もしかして、私が怖くなったの?』

  • 64愛ある罰22/11/12(土) 14:00:32



    「……ちょっと寝ぼけてただけだ!」

    「ウタは怖くなんかねェよ!」

    『そう、良かった。』

    また昨夜、彼女に何かあったんだ、とルフィは思ったの"だろう"

    「……」ギュー

    彼女の気を楽にするために、今はただ抱きしめた。


    『…優しいね。大好きだよルフィ。』


    『…一緒に生き続けようね。』

  • 65愛ある罰22/11/12(土) 14:26:06



    ____結局、ご飯を食べても、ルフィの前で歌っても、一緒にシャワーで体を洗い流しても、彼女の顔は一向に良くならなかった。


    「…ウタ、どうやったら笑ってくれるんだ?」

    『え?私 今笑ってるよ?』

    …とても笑っているようには見えない。

    彼に向けられているのは、やはり彼女自身が感じている"絶望"を相手に伝える顔だった。

    「……」

  • 66愛ある罰22/11/12(土) 14:26:34



    「じゃあ、ウタがやりたいこと言えよ。」

    「俺にできることだったら、なんでもやってやるぞ!」

    彼は、自分に出来ることをやろうと考えた。

    彼女の心を救うために……


    『……何でも…か。』

  • 67愛ある罰22/11/12(土) 16:16:49



    『…ずっと隣にいて。』

    『絶対に私を見捨てないで。』

    『どんな時も一緒にいて』

    彼女は暗い顔のまま、彼に懇願した。

    呪いの言葉にも聞こえる"それ"を受けた彼は……

    「おう、いいぞ。」

    とても軽い口調で、されど笑顔で彼女の要求を受け止めた。

    『…約束だから、忘れないでよ。』グー

    「おう!」グー

    彼らは"夢を誓い会う時のように"互いの握り拳を、ぶつけ合わせ…誓った。

  • 68愛ある罰22/11/12(土) 16:18:12



    希望を見いだせたからか。
    以降の彼女は、ルフィの前では、"悪夢を見る以前"の顔でいることが出来た。

    二人の"奴隷"生活は続いた。

    起きて 食べて 歌い 休む

    その繰り返し。

    その繰り返しの生活を、二人は生き続けた。

  • 69愛ある罰22/11/12(土) 16:27:09



    ____夕食前

    「ウタ!お前また歌が上手くなったな!」

    『ありがとう!じゃあまた撫で…』

    …そういえば、ここに来てからずっとルフィに甘えてばかりだった。

    なにかお礼しなきゃ。

    『ねぇルフィ。なにか私にして欲しいことある?』

    「ん?特にねェぞ。」

    『えー。何かあるはずでしょ!』

  • 70愛ある罰22/11/12(土) 16:28:35

    《男。お呼びがかかった。来い。》

    ルフィだけの指名。

    ……こんなことは初めてだ。

    『…ルフィ。』

    私は咄嗟に彼の腕を掴んだ。
    そんなことをしても、彼を引き止められないことは分かっているのに。

    彼は黒服の男に連れられ、地下室から去ってしまった。

  • 71愛ある罰22/11/12(土) 17:19:04



    《本日の夕食です。》

    『あの…ルフィは?』

    問いかけても、男は何も言わない。
    運ばれる量が少なくなっていることから、夕食の時間内には帰ってこないのだろう。

    ……ルフィが恋しい。

    今の私を支えてくれる唯一の"希望"なのに。

    一緒にいてくれないと、食欲がわかない。

    一緒にいてくれないと生きてる実感が全くない

    ____にたい…

  • 72二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 19:11:07

    突然釜で煮たいとか、ここのウタちゃんはメタいなー(白目)

  • 73愛ある罰22/11/12(土) 20:33:58



    トコ……トコ…

    階段から足音が聞こえる。
    誰かやってくる…

    (…お願い、ルフィ…来て。)

    彼女の望む人物……

    《お皿を片付けます。》

    ではなかった。

    『……ルフィは…?』

    《…………》

    やはり答えは、かえってこない。


    ____いやだよ、ひとりぼっちは…

  • 74愛ある罰22/11/12(土) 20:34:26



    彼女はベッドの上で小さく、うずくまっていた。

    (ルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィ)

    呪いのように、彼女の頭は彼の名前で埋め尽くされていた。

    彼女は眠らぬよう、意識を保った。


    ここで寝てしまったら、必ず"また"悪夢を見てしまうと分かっていたから…


    (……早く帰ってきて)

    今はただ、彼の帰りを待った。

  • 75愛ある罰22/11/12(土) 20:34:50



    トコ……トコ……

    地下室に、再び階段をおりる足音が鳴り響く。

    彼女が音の鳴るほうへ振り向くと……

    『……あ。』

    「……ただいま。」

    "希望"《ルフィ》が降りてきた。

  • 76愛ある罰22/11/12(土) 20:35:18



    ……幸い、彼の小さな体に新しい傷は無い。

    『…』ギュー

    ウタはルフィの体に傷がないことを確認すると、すぐさまその小さな体を包むように抱きしめた。

    『…酷いことされなかった?』

    「……大丈夫だ。」

    二人の互いを抱きしめる力は、今まででのハグの中で、いちばん強かった。

  • 77愛ある罰22/11/12(土) 20:35:39



    「なぁウタ。おれ、お前にして欲しいこと決まったよ。」

    『なぁに?』


    「一緒にいて欲しい。……ずっと一緒にいて欲しいよ」ポロポロ…

    ……さきほどまで、彼の身に何があったのかはわからない。

    ただ 寂しがり屋の彼は、ようやく本音を吐露することができた。

  • 78愛ある罰22/11/12(土) 20:36:01



    『…良かった。私と同じ思いだったんだね。』


    『じゃあ、これからも二人で、一緒に生き続けようね。ルフィ。』

    「……うぅ…」ポロポロ


    二人は互いさえいれば、この日々を乗り越えることが出来た。

    ____実際に、この日以降の生活で、片方だけが地下室に残ることは無かった。

    特に新しいことも無く、日々 ウタのレッスンが続く中


    ____いつの間にか8年の時が過ぎていた。

  • 79二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 21:45:07

    俺の中のロミィがもがき苦しみながらもこの状況を心のどこかで喜んでて罪悪感が…
    というかガープとシャンクスやべえことになってそうだな…

  • 80二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 21:47:33

    は、8年!?!?

  • 81二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 22:08:33

    8年!?

  • 82二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 22:10:57

    八年…17歳と15歳か…

  • 83二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 22:19:04

    中身は9歳と7歳のままなんだろうな……8年……
    ガープもシャンクスも探せなかったか……

  • 84二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:45:29

    エースやサボとも会わないのかこれ…

  • 85二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:50:28

    ドラクエ5の主人公みたいになってきたな…

  • 86二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:53:02

    >>85

    嫌だよ子供産まれたら今度は2年間石になるルウタを見るのは…

  • 87二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:57:16

    こんなんちょっと見方を変えたらR-18ですよたまらんですよ

  • 88二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 00:05:06

    一気に時間が飛んだな

  • 89二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 00:17:48

    シャンクス何やってんだよ…

  • 90二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 00:43:08

    フーシャ村コルボ山のイベントほぼ全部なしのルフィか
    関係者たちもみんな曇ってるというかメンタルが心配だな

  • 91二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 01:55:50

    赤髪海賊団がヒューマンショップとマリージョアに度々襲撃かけるやばい一味になってそう
    あと英雄が革命軍入りしてそう

  • 92二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 02:25:16

    8年経ったら依存度増してそうだな 期待

  • 93チャルロス聖22/11/13(日) 03:47:22

    8年後のルウタが楽しみなんだえ

  • 94愛ある罰22/11/13(日) 07:21:31


    〜ウタ17歳〜 〜ルフィ16歳〜


    ____約八年の年月で二人の肉体はかなり成長した。


    ……が、


    『…むにゃ…おはようルフィ!!』


    「…んあー。。 おはようウタ!!」

    ※イメージ図(未だに地下室に幽閉)



    良くも悪くも、精神面は全く成長していなかった。


    『ルフィ今日も頑張ろうね!』


    「おう!」

  • 95愛ある罰22/11/13(日) 07:22:38



    《本日の朝食はこちらです。》

    『……』

    「……」

    八年経っても、相変わらず二人は、互い以外の相手に感情を出さずにいた。

    《では、後ほど……》

    つまり、黒服の男が退場すれば…


    『…ルフィ怖かった〜!』ギュー

    「ほら、もう大丈夫だって。」ギュー

    二人は以前のように、"二人だけの世界"に浸っていた。

  • 96愛ある罰22/11/13(日) 07:24:42



    『もうルフィ、口についてるよ。拭いてあげる♡』フキフキ

    「ししし!ありがとな!」


    『早食い勝負する?負けたら、勝った方の言うことをひとつ聞くの!』

    「絶対負けねェぞ!!!」

    いや、以前に増してより激しく、二人はお互いの存在に"依存"していた。

  • 97愛ある罰22/11/13(日) 07:26:48


    『……はい。私の勝ち〜!』


    「…うっぷ。 ウタ卑怯だぞ!全然食べてないだろ。」


    『出た、負け惜しみ〜!私はこれで十分なの!それに…』


    『ルフィは私の分も食べないと、満腹にならないでしょ?』


    「そうでもねェよ!」


    『……ははは。うん!そうだったね!』


    『あと罰ゲーム!夜にやるから忘れないで

    よ!』



    二人は"幸せそう"に、生き続けていた。

  • 98愛ある罰22/11/13(日) 07:27:18



    《キブリ聖からのお呼びがかかった。二人とも、ついてこい。》

    『「……」』


    "買主"。二人が絶対に逆らえない存在

    二人に、幾つもの"心の枷"を付けた張本人。


    《来たか。》

    『「…はい。」』


    絶対に逆らえない。

    ……逆らえば、大切な人を失ってしまうのだから。

  • 99愛ある罰22/11/13(日) 07:27:49



    《女。今日から お前はこの"貝"に向かって歌え。》

    "買主"から差し出されたのは、でかい貝だった。

    "音貝" これに向かって歌えば、歌声が録音され、いつでも私の歌を聞けるようだ。

    《これを使ってお前の歌声を、色々な島へと伝える。……分かったら、練習部屋で"これら"に向かって歌え。》

    (……"これら"?)

  • 100愛ある罰22/11/13(日) 07:30:10



    練習部屋にたどり着くと、そこには先程見た"貝"が山のようにあった。

    そして倉庫にも、まだまだ"音貝"が あるらしい…

    これら全てに歌いかけるのか…

    "買主"の目的がよく分からない。

    でもやらなきゃ。反抗したら、ルフィが…

    そう、彼女は断れない。

    そんな彼女を心配したルフィが口を開く。

    「……ウタ。無理すん…」

    ルフィが言い終わる前に、ウタは人差し指で、彼の口の動きを止めて、自身を心配してくれた彼の言葉を遮った。

    『大丈夫だよ。大丈夫だから。』

  • 101愛ある罰22/11/13(日) 07:30:46



    ____当然一日では終わり切らない。

    彼女が、"理想の歌声"で録音できるのは、一日六つ程が限界だった。

    部屋には、まだまだ山のように、未使用の"音貝"が積み重なっていた。

    …つまり、終わりは見えない。


    《本日はもう結構です。地下室へお戻りを。》


    黒服の男に作業を中断され、二人は地下室へと戻った。

  • 102愛ある罰22/11/13(日) 07:33:39


    《では、夕飯の時間まで ご自由に。》


    『……』




    『…終わった〜。…ルフィ!褒めて〜』


    「…よく頑張ったなァ〜」ナデナデ


    『えへへ♡』パタパタ


    彼に頭を撫でられると、彼女の後ろ髪は羽のようにパタパタ激しく上下に動いた。


    『あ!思い出した!』


    『ルフィ!罰ゲームの時間だよ!』

  • 103二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 07:34:30

    おそらく犬

  • 104二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 08:37:19

    犬は犬でも鎖に繋がれた犬だがなァ!!

  • 105二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 08:48:57

    人の心

  • 106二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 10:12:39

    8年でガッチリ固まった共依存がこれからどんな側面を見せていくのか楽しみだ

  • 107二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 11:19:08

    可愛いけど精神的に成長できないって辛い

  • 108愛ある罰22/11/13(日) 12:21:28



    『唇にチューして♡』

    「いいぞ。…ンチュ。」

    敗者である彼は、彼女の要求を受け、即座に実行した。
    躊躇する理由も必要もないからだ。

    ……それにただ、忠実に彼女の命令をこなすだけではない。

    『…プハァ…ハグまでしてくれるなんて♡』

    「好きだろ。抱きつくの。」

    『うん♡』

    二人は互いのことをほぼ完璧に理解していた。

  • 109愛ある罰22/11/13(日) 12:23:55


    「こんなのいつもやってるだろ。罰ゲームにして、良かったのか?」


    『…ん? ルフィはこんなのじゃ、物足りなかったってこと?』



    『じゃあ、ルフィは私に"何を"命令して欲しかったの?』


    「……」


    『…ごめんね、変な事聞いて。』


    『…もう少しの間、チューして欲しいな。』


    ____二人のキスは、夕飯の時間まで続いた。

  • 110愛ある罰22/11/13(日) 12:27:46


    ____夕食後


    ……"二人にとって最も自由な時間"



    ベッドの上で、ルフィはウタを"ぬいぐるみ"のように、抱きしめていた。


    『もっと強く〜♡』パタパタ


    「…」ギュー


    『…ルフィ大好きだよ。』


    『……ずっと離さないで。』


    「ずっとは無理だろ。飯食えねェし。」


    『そういう事じゃないの!ルフィのバカ!』


    『…それに、ルフィが手を使えなくても、私が"あんたの両手"になってあげるから。』

  • 111二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 16:59:17

    保守するぜ、俺たちは山賊だ。だがこのスレを荒らしにきたわけじゃない

  • 112二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 17:01:07

    初めて見たけど面白い

  • 113愛ある罰22/11/13(日) 18:02:33



    ____シャワー室

    『ふふ〜ん♡』

    肉体が成長しても、"いつも通り"ルフィはウタと"洗いっこ"をしていた。

    "抱きつき合う体制"で。

    「なぁ ウタ。もう少し自分の体を洗ってくれよ。お前の体洗うところ多くて大変なんだ。」ゴシゴシ

    『え〜。ルフィは手が"こんなに"おっきいんだから、そこまで苦じゃないでしょ。』ゴシゴシ

    『それに、今はルフィの方が身体が大きいんだから…大変なのは私も同じなの。』ゴシゴシ

  • 114愛ある罰22/11/13(日) 18:03:02



    『…手疲れちゃった。ルフィ今日はあんたが洗い流して。』

    疲れが溜まった彼女は、シャワー室の中で、腰を落とした。

    「いいぞ。目つぶってろよー。」シャー



    『…えへへ♡綺麗になった?』

    「おう!全部洗い流したぞ。」

    『"いつも"ありがとう。ルフィ。』


    ____そう。"いつもの"。
    二人にとっては日常的なことである。

  • 115愛ある罰22/11/13(日) 18:03:26
  • 116愛ある罰22/11/13(日) 18:15:56

    >>112

    ありがとうございます。

  • 117二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:21:20

    (そういえばこの人絵も描けるんだっけか、スゲェ)

  • 118※私が描いたものではありません22/11/13(日) 18:59:37
  • 119二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 19:28:55

  • 120二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:48:12

    >>115

    素晴らしい…… 語り継がれる

  • 121二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 21:14:28

    監禁奴隷共依存生活故の爛れた関係…えっちだ

  • 122愛ある罰22/11/13(日) 21:25:46

    >>117


    空間認識能力が乏しいし、線の太さとかも上手く調節できていないので、下手です。

  • 123愛ある罰22/11/13(日) 21:26:21


    ____就寝前。

    『ぎゅー♡』

    二人は、ベッドで横になったまま抱きしめ合っていた。

    「ウタ…そろそろ寝ないと明日、体が持たないぞ。」

    『やーだ♡ぎゅーー♡』

    「…ウ…タ……んがー……」ジュクスイ


    『えへへ♡チュー。』ンチュ…


    ウタは眠りについたルフィの頬に、唇を押し付けた。

    悪い夢など、見せないように。

  • 124愛ある罰22/11/13(日) 21:26:45



    彼女は何年も"悪夢"を見なかった。

    だからといって、いい夢を見れたわけでもない。


    『……』

    いつも見る夢。

    暗い中、ひとりぼっちの自分。


    ただ、それでも寂しくなどなかった。

    現実の体は彼と一緒にいるから。

    目を覚ませば横に彼がいてくれるから。


    『……早く起きないかなぁ。』


    海楼石によって能力を封じられた彼女は、夢の世界より現実を大事にして生きていた。

  • 125愛ある罰22/11/13(日) 21:30:25


    『…やっと朝。』


    『ちゅー♡起きてルフィ。』


    「…ウタ………むにゃあ…」ネムネム


    彼は十分に眠れなかったのか、目を覚ましきれていなかった。


    『もう!……ハグとちゅー どっちをしたら起きてくれる?』


    「………ほ…」ボソッ


    『両方?いいよ!』


    彼女が宣言通り、"両方"をしたことで

    ようやくルフィは目を覚ました。



    「…おはようウタ!」パチッ


    『おはようルフィ♡』チュッ

  • 126愛ある罰22/11/13(日) 21:31:53



    ____今日も再び、彼女の歌声の録音が続いた。

    【⠀🎶〜 】

    彼女は歌い続けた。

    "買主"に命じられたことだが、不満には思っていない。

    なぜなら、部屋に自分たち以外の人間がいても…


    彼女が歌っている間だけ…


    眼前の彼が笑顔でいてくれるから…



    ____彼が笑顔でいた理由…


    それは、ルフィから見ると、彼女が心の底から楽しそうに歌っていたからである。

    楽しそうに歌う彼女を見たのは、本当に久しぶりだったから…

  • 127愛ある罰22/11/13(日) 21:32:17



    さらに約一年

    ウタ19歳 ルフィ17歳


    ____一年経ったが…未だに"音貝"の録音は続いていた。


    ____地下室。

    今日の録音を終え、二人は自室へと戻った。

    『……何年経っても終わらない…あんなに録音して何に使うんだろ?』

    「知らね」モミモミ

    そう言いながらも、彼女の体を心配していたルフィは、ウタの肩を揉んでいた。

  • 128愛ある罰22/11/13(日) 21:32:40



    『……疲れが取れた。次は…』

    トン…トン…

    上から誰かが降りてくる足音が聞こえると、二人は体制を元に戻し、沈黙した。

    《…………》

    黒服の男は長きに渡るこの習慣に慣れたからか、何かあった時以外は何も言わなくなった。

    ただ、皿を並べ、そそくさと地下室を後にするようになった。


    『……行ったね。』

    『食べよっか♡あーんして♡』

    「いいや!おれが先にあーんしてやる!」

  • 129愛ある罰22/11/13(日) 21:34:18


    彼は優しかった。


    疲れた彼女をこれ以上疲れさせないよう、労働の時間以外は、彼女の負担を減らすように気を使っていた。


    『…ん〜ん。 ごくん。』


    『おいしかった♡』ペロッ


    「そうか!良かったなあ〜」ナデナデ


    『えへへ♡』パタパタ


    肉体も心を癒すように…


    彼は彼女のためにできることをやり続けた。



    ____そうでもしなければ、生きている実感が湧いてこなかった。

  • 130愛ある罰22/11/13(日) 21:35:50



    感想ありがとうございます。

    多分明日ぐらいから、展開が2転3転します。

  • 131二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 21:36:06

    ついに原作開始時か……

    黒服さんも「関わるな」「喋るな」とか命令されてんだろうな……

  • 132二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 21:37:21

    >>115

    これの逆パターンでルフィがウタのを…なパターンもありますか…?

  • 133愛ある罰22/11/13(日) 21:39:03

    >>132



    欲しいなら書きます。


    他にも書いて欲しいシチュで、本編展開に差し支えないシチュエーションなら、書いてリンクを貼ります。

  • 134二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:08:14

    誘拐されてから10年間もずっとイチャラブしつつ歌を歌う生活
    原作とはかけ離れた世界で二人はどうなるのか
    原作主人公の不在の世界はどうなってるのか

  • 135二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:25:28

    >>133

    就寝前に少しばかりの自由な時間でルフィに膝枕を要望して膝枕されながら「にへへ~」とか笑いながらだら~んとしながらご満悦なウタとかをですね

  • 136二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:28:37

    >>133

    ほしいれす!

  • 137二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:52:31

    >>130

    2転3転の中にルフィとウタが自由の身になる展開が果たしてあるのかどうか気になる!

  • 138二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:54:58

    キブリ聖は干渉してこないけど
    番い鳥を飼育観察してるようなものかな

  • 139二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 00:06:21

    しかしこれシャンクス地獄だろ
    自分が見出した新時代を担う愛する娘と友人2人が突然行方不明になるとか

  • 140二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 00:08:29

    攫われて何もしてなかったガープは海軍の英雄(笑)になるな。
    大好きな孫が攫われたのに何一つ出来てないのだから…
    寧ろ、老害認定されてもおかしくない。

  • 141愛ある罰22/11/14(月) 00:10:32
  • 142愛ある罰22/11/14(月) 00:45:13

    >>135


    展開の都合上、もう少し進んだら書きます。

  • 143二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 02:05:52

    おれは真っ当な船員
    お頭あの日から毎晩泣いてる

  • 144愛ある罰22/11/14(月) 06:56:09


    ……彼女の歌声は、以前よりも早いペースで成長し続けた。


    おそらく、実践で成長するタイプだったのだろう。


    そして、毎日全力で歌ったからか、体力がつき、”音貝”への録音も一日十曲ほどできるようになった。


    【⠀🎶〜🎶〜 】



    ……いや、以前より成長速度が早いのは、おそらく気持ちの問題だろう。


    ……今の彼女は楽しく歌っていた。

  • 145愛ある罰22/11/14(月) 06:56:33



    ____地下室。ベッドの上。


    『……つかれた。』グテー

    「今日もよかったぞ!ウタ!」ナデナデ


    『にへ〜♡』パタパタ

    相変わらず 彼に頭を撫でられた彼女は、後ろ髪を羽のように羽ばたかせていた。

    「よかったか?」

    『えへへ♡うん!』パタパタ

  • 146愛ある罰22/11/14(月) 06:57:53


    『ぎゅー♡ぎゅー♡』


    彼女は更に甘えた声で、更なる要求をした。


    「いいぞ。来い、ウタ!」


    抱きつきを要求されると、彼は即座に手を広げ、彼女がこちらに来るのを待った。


    『ルフィしゅき♡だいしゅき♡』


    『いつまでもいっしょ♡』ギュー


    「ああ!いっしょだ!」ギュー

  • 147愛ある罰22/11/14(月) 06:58:25



    ____翌日。朝食後。

    《二人とも、キブリ聖がお呼びだ。ついてこい。》

    「『……』」

    ……最近呼ばれる事が多い。


    ……もしかして、私たちは…


    もう、用済み……?

  • 148愛ある罰22/11/14(月) 06:59:09



    《来たな。》

    「『……はい。』」

    《簡潔に言う。》


    《今からお前達をライブ会場に連れていく》

    『………はい?』

    《近日、お前の独占ライブを開催することにした》





    《開催場所は”エレジア”。》

    《音楽の都と呼ばれている島だ。》

  • 149二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 07:03:41

    来たか

  • 150二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 07:32:32

    人前に出しちゃったらシャンクスやガープが来そうだが果たして…

  • 151二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 07:55:00

    ついに来たか この世界線だとエレジア滅んでないんだよな

  • 152二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 11:56:13

    大丈夫?トットムジカ飛んできたりしない?

  • 153二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 16:45:22

    シャンクスなら爆発機能付きの青色の腕輪を二人を傷つけずに破壊できるはず
    シャンクスエレジアに来てくれ

  • 154愛ある罰22/11/14(月) 17:13:14



    『……なぜライブを?』

    私は久方ぶりに、”買主”へ質問した。
    あいつの前で、了承の言葉以外を言ったのは本当に久しぶりだ。

    《お前の歌を録音した”音貝”。あれを加盟国、非加盟国関係なく、世界各地に配布した。》

    《それが各地で好評となり、今回ライブすることになった。》

    ……なんだ…こいつの目的は。

    なにか裏があるに違いない。

    ……油断は…できない。

    ____そう、何かあるはず……

  • 155愛ある罰22/11/14(月) 17:14:18



    《という訳だ、だから さっさと二人とも案内された船に乗れ。》

    最後にそう告げられ、私達は部屋を後にし、そのまま黒服の男に連れられ政府の船に乗せられた。

    ____しかし、簡単には乗せてもらえなかった。

    ここに来た時と同様。

    二人とも船内の個室に閉じ込められ、

    手首と足を鎖で繋がれ、

    目と口を封じられた。

  • 156愛ある罰22/11/14(月) 17:14:40



    ____だけど怖くはなかった。

    私達は手を繋いでいた。

    お互いの存在が、近くにいると分かっていれば、前とは違って怖くなんてなかった。

    (航海の間も、一緒に頑張ろうね。ルフィ)


    暗闇の恐怖も、彼の手の温もりのおかげで乗り越えられそうだ。

  • 157愛ある罰22/11/14(月) 17:15:06



    《一応説明しておきます。》

    《あなた達が聖地に到着したあと、海の上で大規模の戦争が起こりました。》

    《その結果、海は荒れに荒れ、航海が難しくなりました……が、海軍の軍艦が島に着くまで同行しますので、安心してください。》

    私達が知らないところで、世界は大きく動いていたようだ。

    (……海戦…か。)

    ____シャンクス。無事だといいんだけど……

  • 158二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:26:36

    大規模の戦争ねェ……

  • 159二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:32:56

    シャンクスが暴れたのかな…

  • 160二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:37:20

    ガープやドラゴンが暴れてても不思議じゃないぞ

  • 161二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:43:19

    そっかここのウタってシャンクスに置いてかれたとかじゃないから別に恨んでないのか、忘れてたわ

  • 162二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:55:49

    歌声が響いてるってことはシャンクス覇気がついてるだろうし絶対にぶち切れて何度も侵攻してるんだろうな。。。

  • 163二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 20:36:24

    これ同行する海軍の船がガープが乗船する船だったらワンチャン解放される展開もあり得るぞ。

  • 164二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 21:01:37

    >>163

    今この状態からいきなり解放されても可哀想だろ

  • 165二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 21:44:25

    この時期ってマリンフォード頂上戦争起きた年かな?

  • 166二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 21:51:21

    >>165

    歴史の修正力が働いてガープ、シャンクスがインペルダウン襲撃してバギー他脱獄囚率いて頂上戦争勃発とかしてそう

  • 167愛ある罰22/11/14(月) 22:40:14



    ____乗船後、数時間

    《ご飯の時間です。……叫ばないように、お願いします。》

    手と目の拘束を外され、拘束されている手でも、無理せずに手が届く地点に、皿が置かれた。


    出された飯を食べる時も、私達は手を繋ぎ続けた。

    船内の個室内では、常に一人監視がいるため、”感情を表に出す”ことが出来ず、仲良くすることも出来なかった。

    そのため、私達は食べている時も、手を繋ぎ続けた。

  • 168愛ある罰22/11/14(月) 22:40:38



    食後、荒れ狂う海域に入ったからか、船がよく揺れるようになった。

    ”視界”を奪われていたからか、揺れをより体で強く感じ、不安を感じ始めた。

    (……ちゃんとたどり着けるかな…)


    恐怖だけでなく、不安をも かき消すためか、二人の手を繋ぐ力がより強くなった。

  • 169愛ある罰22/11/14(月) 23:18:44



    船に乗ってから数日……

    《到着しました。》

    ようやく…たどり着いた。

    《目と口の拘束をときますが、顔が分からぬように、布を被って頂きます。》

    私達は 目、口の拘束を外された。

    代わりに、頭に布を被ることにはなったが…

    ____布を被るのは、”天竜人”に買われた時以来だ。

    ……悔しいが…懐かしさを感じてしまった。

  • 170愛ある罰22/11/14(月) 23:19:08



    私達の”手の鎖”を引いた、黒服の男に連れられ、私達は歩き続けた。

    そして……

    【⠀ガチャッ…… 】

    ひとつの部屋に入室させられた。

    《ここが、楽屋です。更衣室で服を着替え、ライブが始まるまで、ここで待機を。》

    部屋に入り、黒服の男にそう説明された後。
    ようやく私達の頭に被せられた布をとることが出来た。

  • 171愛ある罰22/11/14(月) 23:19:35



    『……じゃあ…着替えてくる。』

    見張りの男も一緒にいたため、彼女のその声には感情がこもっていなかった。

    「……おう。」

    彼もまた、どこか悲しそうな声をしていた。

    ライブ前だと言うのに、二人の気持ちは一切晴れてはいなかった。

  • 172愛ある罰22/11/14(月) 23:20:10



    《……少し席を外す。》

    そう言い、見張りの男は部屋を後にした。

    そう、これで……”二人きり”

    『……』


    『ルフィ〜♡どう?この衣装似合う?』

    「おう!似合ってる(?)ぞ!」

    ルフィ本人はよく分かっていなかったが、彼女のために、彼女が望んでいる言葉を口にした。

  • 173愛ある罰22/11/14(月) 23:22:03


    『ライブ前になでなでして♡』


    「いいぞ!」ナデナデ


    『えへへ♡ルフィもっと♡』パタパタ


    二人は、”二人の世界”に浸っていた。


    そうすることで、お互いの気持ちが保たれていた。


    ……今まで、なにがあっても乗り越えられた…


    『ぎゅー♡ えへへ、もっと〜♡』パタパタ


    二人は互いに甘え続けていた。


    …幸せな時間を生きていた。



    ____ここから、二人にとって地獄になるとも知らずに……

  • 174二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:22:55

    え…

  • 175二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:24:30

    え...あの...ちょ...

  • 176二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:26:20

    >ここから、二人にとって地獄になる


    え…なに、何が起こるの!?ワイ怖い

  • 177二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 01:41:24

    地獄の共依存から二人にとっての地獄とは恐れ入った
    期待

  • 178愛ある罰22/11/15(火) 06:42:01



    トントン……

    扉を叩く音がしたため、二人はすぐさまソファに腰を落とし、静かにした。

    《…ライブ開始前になりました。会場まで案内します。》

    ルフィの役割はボディーガードのため、ルフィもウタと一緒にステージの裏へと、ついてきた。

    久しぶりに見る、外の景色は綺麗だったが、二人はまじまじと見ることが出来なかった。

    ……いや、許されなかった。

  • 179愛ある罰22/11/15(火) 06:43:15



    手を繋いだ二人を連れ、黒服の男はステージ裏へとたどり着いた。

    《…始まるまでここで待て。始まったらステージへと上がれ。》

    …少し怖い。

    彼女がステージの近くにいるのは、”人間オークション”以来だった。

    ……つまり、彼女はステージに上がるのに恐怖を覚えるようになっていた。

    ”商品”となった自分たちに”歓声を上げる”観客達。

    あの光景が頭から離れていなかったのだ。

  • 180愛ある罰22/11/15(火) 06:44:33



    U!T!A! U!T!A! U!T!A!

    ____観客席から、歓声が聞こえる。

    (”ゆてぃあ”? 私の名前”ウタ”なんだけど…)


    《時間だ。行ってこい。》

    時間となり、彼女の足がステージへと動__

    ___かなかった。


    彼女はやはり、恐怖していた。

    歓声がなる中、ステージへと歩くことに。

  • 181愛ある罰22/11/15(火) 06:46:17


    《…どうした?》


    黒服の男に問われても…動かない。


    逆らったら…ダメなのに……


    ……体が震える



    「…ウタ。」


    『ん?ルフ…!?』


    突然、ルフィはウタの唇に、自身の唇を合わせた。


    彼から進んでキスをすることは珍しい。


    『…ぷはぁ……ルフィ!?』


    黒服の男の前でも、二人は感情をあらわにした。

  • 182愛ある罰22/11/15(火) 06:47:44


    「これで落ち着いたか?」


    『…ほんとだ……だいぶ落ち着いた…』


    彼女の震えが止まり、恐怖も和らいだ。


    ……今なら…行ける。


    『…ありがとう。ルフィ』



    『終わったら、また”キス”しようね!』


    「ししし!がんばれよ!」


    二人は軽く言葉を交わし…



    ”歌姫”はステージへと足を運んだ。

  • 183二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 09:15:08

    ああ、ぞくぞくする…

  • 184二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 11:43:19

    これさぁ…歌う楽譜すり替わったりしてない?大丈夫?

  • 185二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 11:46:25

    ムジカ歌ったら詰みじゃね
    ゴムゴム食ってないし修行もしてないから戦闘力皆無でしょ

  • 186二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 11:48:40

    >>185

    このウタ海楼石の手枷してるからワンチャン発動しない可能性も

  • 187二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 13:23:18

    >>184

    流石に気づくやろ

  • 188愛ある罰22/11/15(火) 18:13:21



    【⠀____🎶〜 】

    彼女がステージに近づくと、バンドメンバーが、もう彼女の歌う楽曲のイントロを流し始めた。

    (え!? いきなり歌うの!?)

    ____よし、やろう!


    ……見てて…ルフィ。

  • 189二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 18:14:15

    保守

  • 190愛ある罰22/11/15(火) 18:18:09



    楽曲の前奏が終わると同時に____

    ”歌姫”《ウタ》が登場し、口を開け……歌う。

    【⠀🎶〜〜🎶……】

    彼女の登場によって、観客は歓声を上げ、立ち上がった。


    ……それは、”人間オークション”の時のような光景であった。

    ____だが、観客が喜ぶ理由は”その時”とは全く違う。


    彼女の”歌声”で、観客は歓声を上げたのだ。

  • 191二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 18:24:19

    流石に隠してると思うけど、観客から焼印のこと指摘されたらまずくないか...流石にないか、ないですよね

  • 192愛ある罰22/11/15(火) 18:24:26



    ウタは楽しく歌っていた。

    今の彼女は”心”を縛られてなどいない。


    ウタは楽しく踊ってもいた。

    今の彼女を縛るものは何一つないのだから。


    ……彼女は自由を手にしていた。

  • 193愛ある罰22/11/15(火) 18:28:01


    【⠀🎶〜____】


    彼女の”序曲”は終わった。


    《ウオオオオォォォォォ!!!!!!!!!!!!》



    観客は余韻に浸ることなく、すぐさま、今までで1番大きい歓声を上げた。



    (……良かった。私の歌で、誰かを幸せにすることができた……)


    会場はとても盛りあがった。


    ____はるか昔の彼女が、思い描いたとおりに。

  • 194愛ある罰22/11/15(火) 18:29:52


    《オオオオオォオォォォ!!!!!!》


    しばらく経っても、感性は一向に鳴り止まない。


    それほどまでに、彼女の歌声は観客達を虜にしていた。


    (…お礼、した方がいいよね。)


    彼女は手を振りあげ、観客達に歓声を止めるよう、ジェスチャーした。


    観客達も、それを理解し、落ち着きはしなかったが、声を上げるのをやめてくれた。

  • 195愛ある罰22/11/15(火) 18:30:40



    ____ステージ裏。


    《…あ、まずい。》

    黒服の男は、二人に対して一度も出したことがない”付き人らしからない”声を上げた。

    「ん?」

    その”声色”で気を許したのか、ルフィは”彼女の前”での口調で、黒服の彼の言葉に反応した。

    《…あの子は自分の名を名乗ってはいけない!》


    《観客の前で、名乗ってしまったら____》

  • 196二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 18:40:43

    名乗ってしまったら____…何だ?

  • 197愛ある罰22/11/15(火) 18:47:49
  • 198二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 18:49:51

    行方不明の人物が大衆の前で名乗ったら…

  • 199二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 18:51:20

    期待梅

  • 200二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 18:52:00

    200ならハッピーエンド

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