- 1二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 10:43:59
- 2二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 10:45:33
- 3二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 10:46:18
- 4通りすがり22/11/11(金) 11:01:48
しょうがないにゃあ。短めね?
「ねえねえブルックさん!新曲出来たの!見て!」
サニー号の甲板にて演奏していたブルックに駆け寄るウタは興奮冷めやらぬと言いたげな声色と表情だったが、それに対してブルックは対照的に穏やかな、しかし優しい態度で返す。
「おやおや、それは楽しみですねヨホホホ。あ、話変わりますけどパンツ、見せ「見せない!!楽譜は見て!!」手厳しい〜!!」
訂正、いつも通りの彼だった。とはいえ別に本当に見せてもらおうとは思ってないブルックは改めてウタから新曲の楽譜を受け取り拝見しだす。
…そんな風景を、サニー号の船首から覗く様に様子見しているのは船長であり、ウタの幼馴染のルフィだった。 - 5二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 11:02:30
似たような妄想はしてる。
- 6通りすがり22/11/11(金) 11:09:39
「ウタもブルックも楽しそうね」
「そりゃあ、どっちも音楽家だしな。話も合うだろ」
「実際、ブルックがミュージシャンとして活躍していた事を知った時はスゥーパー驚いてだけど嬉しそうだったよな」
甲板の反対側で話しているロビン、ウソップ、フランキーの会話を聞いて、ピクッとルフィの耳が動く。
「仲良いわよね〜」
「祖父と戯れてる孫みたいに見えるのォ、微笑ましいわい」
「クソ、クソォ…おれだってその気になればウタちゃんへの愛の歌の一つや二つ…!!」
「やめとけ本職前じゃ騒音でしかねえよグル眉」
「あんだとクソマリモ!?」
食堂から出てきたナミ、ジンベエ、サンジにゾロの掛け合いもそこに加わり、ルフィはなんとなく自身の麦わら帽子の位置を直す。 - 7通りすがり22/11/11(金) 11:13:59
「ただやっぱ二人とも芸術肌っつーかよ…今はウタだけだけど、偶に熱中し過ぎると偶に部屋から出てこないよな…セッションやらアレンジやらで盛り上がるのは分かるけどよ」
「ウタなんて時折徹夜するからなァ…おれ、医者としては心配だ」
緑星の為の植物の水やりから顔を上げるウソップとその手伝いをしていたチョッパー。
つまるところ、ルフィ以外のほぼ全員がブルックとウタの掛け合いを見て、仲がいいねと言う。
…何故か、ルフィはそれを見て笑顔になれなかった。それどころかム、と顔を顰めてしまう。 - 8通りすがり22/11/11(金) 11:14:22
続きまた後で
- 9二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 11:55:20
ありがとうございます!
- 10二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 11:59:42
期待あげ
- 11二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 12:30:07
とおりすがりでこの文章量!いよいよ本物だな!
- 12通りすがり22/11/11(金) 14:01:27
このなんとも言えない感情をルフィは理解出来なかった。彼は基本的に一味の全員が大切で、好きだ。
大切な人たちが仲良く笑い合っている。何の問題があるのだろう?そんな風に首を捻る。
その時
ビュウッ
「あ」
一際強い潮風が、ルフィのトレードマークの帽子を攫う。本来ゴム人間であるルフィなら手を伸ばせば簡単に捕まえられたはずなのに反応が遅れてしまった。
「え!あ、もー!」
すると、先程まで笑顔でブルックと談笑していたウタが慌てて顔を上げ、帽子を追いかけ、最後に一押しと飛び跳ねて捕まえる。彼女のリボンの様な髪がふわりと宙を舞うのも束の間、着地した彼女は帽子を手にこちらに駆け寄る。
「ちょっとルフィ!帽子大事にしてよね!海に落ちたら私もルフィも拾えないんだから!」
まったく…と言いたげな顔でウタはルフィを注意してから、船首に腰掛けていたルフィに目線を合わせる様に屈んで帽子を被せた。
「聞いてんのルフィ?」
返事のないルフィの頬をこれでもかと引っ張る。ゴムなので痛くもないし、よく伸びた。 - 13通りすがり22/11/11(金) 14:15:16
「……」
「ルフィ?」
こちらを向いているのに、見ていない様な、ただウタを見つめ続けるルフィに、少し心配になり、ウタは膝を折って更に目線を近づけた。
鼻先がくっつきそうだな。なんて何処か片隅にルフィは思っていたがそんな事を知らないウタは分かりやすく髪を下げて声をかける。
「大丈夫?なんかあった?」
「……なんでもね」
「ええ…!?何よそれ…」
心配して損をしたと肩を落としながらも、何もないならよかったとでも言いたげな口の端を緩めるウタは、またブルックのところに戻ろうと…した。
「え、ルフィ?あの?」
「んー?」
しかし、彼女の腹部をグルグルとルフィの腕が捕らえていてそうもいかなくなったので困惑する。
「あの、動けないんだけど?」
「んー」
「ねえ、本当にどうしたのよ?」
「うーん…分からん」
「はァ〜〜!?…もう、しょうがないなあ。ブルックさーん!!また後でー!って、うわっ」
半ば諦めの感覚でウタはブルックに話の中断を告げたが急に視界の上半分が暗くなる。先程返したばかりのルフィの帽子だった。 - 14通りすがり22/11/11(金) 14:24:13
「も〜〜!なーにーがーしーたーいーのー!!」
とうとう業を煮やして、ウタは踵をトントンと踏みつつルフィに詰め寄る。しかしルフィの方がまるで困ってるといった顔をしていたので、すぐに勢いがなくなってしまう。
「悪い、分かんねー」
「〜ッ、…はぁ……はいはい。船長さんのお好きなように!」
そうしてストン、と完全にルフィの横に腰を下ろしたウタ。そうなる様にしたのはルフィなのに彼女がそうしてくれた事が意外だった様に目を開く。
「ただ、落とさない様にちゃんと支えててよ〜?分かった?」
そう、優しく自分に微笑むウタ。船首という位置と、麦わら帽子で、きっと後ろにいる他の一味には見えてないその表情を見て…
「…ニシシッ、おう!」
漸くいつもの調子で、ルフィはウタに笑いかけた。 - 15通りすがり22/11/11(金) 14:42:47
そんな二人の掛け合いを見ていた他の一味は…
「んがァアア!!あのアホゴムゥ!!あんな羨ましい思いしときながらまあだ自覚無しか!!!」
「ホント鈍感よね〜」
「それはウタにも言える事じゃろ」
「でも、ああしているのを見るとちゃんとウタもお姉さんらしい感じがするわね」
「いや、どっちもガキだろ…」
「甘え空気だな…コーヒーでも飲むか」
「空気って甘いのかウソップ?…でも、ルフィは最近いつも変だな。この前なんて心臓がおかしいって診にきたんだぞ…」
「ま、可愛らしいもんじゃろ…これくらいの嫉妬なぞ」
「ええ、ええ!とても甘酸っぱくて私胸がドキドキします…あ、私心臓がないんでした!ヨホホホホ〜!」
「アゥッ、早くくっつけば良いんだがな!んまーその辺りは本人達のペースだろ!」
本人達には聞こえない声で、ただ切実に、早く自覚して想いでも伝えないかな…と船長とその幼馴染の幸せを祈っていた。
船長が船員全員が大事な様に、船員もまた、船長の事が大事なのだから
fin. - 16通りすがり22/11/11(金) 14:43:12
終わりだ!!あばよ!!
- 17二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 14:45:24
見事なSSだと語り継がれる
- 18二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 14:47:36
- 19通りすがり22/11/11(金) 14:50:03
- 20二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 14:57:17
- 21通りすがり22/11/11(金) 15:06:32
えと、ホビウタの?それとも個人で建てたスレ?
- 22二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 15:12:39
すみません!どちらでも大丈夫です!
- 23通りすがり22/11/11(金) 15:15:48
んあー、人が建てたスレで自分の小説色々宣伝するのはアレかもだけど…film UTAとか、個人でやったのだと前に理性強めのウタちゃんを見たくて媚薬部屋にルフィと4時間閉じ込めたり、したね…
- 24二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 15:25:38
理性強め良かったです!
- 25二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 15:30:58
甘ずっぺぇぇええええ おれはすきだ!!!!
- 26二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 15:51:25
最of高
- 27スレ主です22/11/11(金) 16:11:29
- 28二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 20:36:22
通りすがりのスゲー文豪がスゲー最高の文投下してくださっている⋯⋯
これだから掲示板は止められねぇんだ - 29二次元好きの匿名さん22/11/11(金) 20:37:45
- 30通りすがり22/11/11(金) 21:14:31
恐悦至極