【安価とダイススレ】パーティーから追放されちゃった冒険者の今後の人生を安価とダイスで立ち直してくれ!!!4

  • 1>>122/11/12(土) 22:11:14

    画像は王城のヒミツの階段を降りた先にある地下です。

    地下へ地下へと続く階段を降りていくと、あやしい魔法の明かりに照らされて、謎の調度品がずらりと並んでいます。

    魔物封じの結界がありますけど、幸いわたしはモンスターじゃないのでちょっとピリッとするだけです。


    舞台は剣と魔法とモンスターとダンジョンと冒険者ギルドのあるゲーム的な中世ぽいファンタジー世界です!


    タイトル通り、主人公の冒険者を作成して、追放されるとこからスタートしました。

    追放された後の人生を頑張っているところです。


    主人公のアデルちゃんの人生が決めるべく、参加してくれたら嬉しいです!


    なおこのスレはあまりにも人いなかったり詰まったり荒れたりIP規制受けたらいきなり爆発するので了承してください!


    前スレです

    【安価とダイススレ】パーティーから追放されちゃった冒険者の今後の人生を安価とダイスで立ち直してくれ!!!3|あにまん掲示板画像は王国の王城です! とっても広くて王族の住居とか騎士の宿舎とか政治の場とかぜんぶあるらしいです!わたしは第二騎士団の宿舎に落下してずっと地下に放り込まれてたのでよく分かりません!!舞台は剣と魔法と…bbs.animanch.com
  • 2>>122/11/12(土) 22:11:50

    ■主人公:アデルちゃん

    職業:双剣士です!
    性別:女の子ですよ!
    種族:肌に赤黒い紋様が浮かんでちょっと短めに角が生えているだけの人間です!
    スキル:剣からビームを出せます!ご主人様の血で再生します!灰を出してモノの形に固めて操作できます!
    パワー:力を込めたら素手で鋼鉄ぐらい引き裂けますがなにか?(ドヤ顔)

    ■装備

    ニョロニョロ剣ちゃん:自在に伸縮して枝分かれして自力歩行して柄の眼球で周囲を警戒してくれる一組のショートソードです

    ■素晴らしいご主人さま

    ・グレーターデーモン(名前は発音できない):弱肉強食の理念、教義から力を得る、偉大なる悪魔の領主様です。

    ■ご主人さまのお子様

    ・ヴァー様(名前は発音できない):強力な力を持ちながら争いを好まない穏やかな人格ゆえ自分から人間の世界へ訪れる。
    ・ネッコさん:召喚をはじめとする様々な魔法が使える魔法使い。夢は便利な道具を作ってお金持ちになること!

    ■王城

    ・ガーランド:王国第二騎士団・副団長。モンスターの討伐を主目的にする騎士団を率いる、酒飲みだけど仕事のできるおじさん。
    ・ミヒャエル:戦いにしか興味がない戦闘狂の第二王子。生まれながらに再生の呪いを持つ大剣使い。
    ・ハリセンボンさん(名前は聞き取れない):人間と恋して子供を作った天使さま。王城の地下に封印されて針串刺しになってる。

  • 3>>122/11/12(土) 22:12:10

    ■わたしを追放したパーティー

    ・魔法拳士サイキョウ:殴り合い、殺し合いが大好きなサイコパス狂人です!悲鳴が好きとか悪趣味ですね!
    ・僧侶ブニォン:近接戦闘至上主義者の筋肉バカな僧侶です!
    ・狩人エリック:顔だけはいい優男です。コナかけられたのでお断りしたら、気まずいからとかいう理由で追放してきました!
    ・斥候トーマス:お金大好きな慎重派のおじさんスカウトです。揉めるのがイヤって理由で追放を止めませんでした!

    ・魔法使いセメンドリア:わたしの代わりにパーティーに加入したエルフちゃんです。今頃どうしてるんだろ?

    ■わたしをダンジョンに放置して武器と財布盗んだ人

    ・斥候ギハイオ ・僧侶トビィ=ラサ

    ■わたしを奴隷商から購入してデーモンの生贄として置いていった人

    ・羊仮面被った黒ローブの人

    ■必ずぶっ潰す予定のダンジョン

    ・ゴリラ:ダンジョンマスター。生死をさまよう冒険者の姿を美術品として形にするためにダンジョンを作った芸術家。

  • 4二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 22:13:07

    おお、再開かな?

  • 5>>122/11/12(土) 22:13:49

    ■あらすじ
    主人公は、剣からビームを出せる双剣士アデルちゃん。
    ある日、パーティーに新人の女の子エルフ魔法使いを加入させるという理由で雑にパーティーから追放されました!
    くやしい!でもお父さんがギャンブルで作った借金を返さないと……!

    【追放後の足取り】
    ・新しくパーティーを結成したけどダンジョンで休憩中に武器と財布を奪われ放置されました。
    ・ダンジョンから逃げてスラムで寝てたら借金取りに捕まって奴隷にされました。
    ・黒ローブの怪しい人物に買い取られて儀式に連れられていきデーモンに生贄として譲り渡されました。
    ・デーモンの領地である異界で魔獣の蠢く森の管理人として弱肉強食の殺し合いの連鎖をたくさん経験しました。
    ・やったー殺し合い楽しい!
    ・ご主人さまにたいへん気に入られて、ご主人さまの理想を広めるために人間の世界にカムバック!
    ・ご主人さまの教えを布教するため手近な村でアデルちゃん流剣道場を開いたら通報されて騎士が来ました。
    ・返り討ちにしたら危険人物として手配書が出回りました。
    ・ダンジョンを攻略して名声を得ようとするものの返り討ちにあって死体をゴリラに描かれる辱めを受けました。
    ・ご主人さまからの呼び出し! 人間に召喚されたお子さんの様子を見に行きました。
    ・召喚士を即殺そうとしたらお子さんに針串刺しの刑にされました。
    ・お子さんことヴァー様は、召喚士の女の子ネッコさんと良好な関係を築いていたのです。
    ・ははーん交尾したなこの二人!と気付いた空気の読めるわたしはお二人を見守ることにしました。
    ・布教活動再開!
    ・ゴリラのダンジョンに突撃したらテレポーターで空の彼方に飛ばされました。
    ・城に落下して瀕死に。
    ・前に剣道場を開いた時に返り討ちにした騎士さんがいて、そこの第二騎士団によって確保されました。
    ・第二騎士団と殴り合って満足してもう野生に帰っていいぞ的な流れになりました。
    ・と思ったら、超武闘派の第二王子さんがやってきて、なにやらお部屋に拉致されました。
    ・第二王子さんがどっかにいっちゃって放置プレイされました。ふわふわ布団で体力回復!
    ・興味本位でお城の地下へGO!
    ・地下には魔法陣とかで封印されて針串刺しになって血を摂られてる方がいらっしゃいました。
    ・謀殺(?)されて封印されて血を摂られてる初代王の母親の天使さんだそうです。
    ・天使って強いのかな?

  • 6>>122/11/12(土) 22:14:07

    (IP規制といて貰えたので復活します!絶対エタると思ったよ!だが私は帰ってきた!!でもニーズがなかったら消えます!)

  • 7アデル22/11/12(土) 22:15:36

    巨大な円形の広間には、天井には魔力の灯りが等間隔で並び。煌々と室内を照らしている。

    二重に三重に四重に五重に張り巡らされた、複雑な幾何学模様の魔法陣。
    生き物のように脈打つ光は、今もなおその魔力が力を発揮していることを示している。

    壁から伸びて鎖の数は七本。
    それぞれが禍々しい呪い纏う黒鉄で鋳造され、引き絞られたそれは今もずっと、重く軋む音を上げている。

    五重の魔法陣に封じられ、七本の鎖に引き絞られたそれは、無数の剣に貫かれている。
    一本一本に悪意が込められたその剣に、まるで奇妙な植物のように飾られ、人のカラダの形すら伺うことのできない黒い肉の塊。

    その肉の塊が天使なのだ。
    しかも、人間の男に恋して人間の世界に降りて子供まで作って子孫も見守ってた、善意しかない天使さま。
    ずいぶんひどい目にあってるなーって思うよね?

    それでもなお、わたしの心に語りかけてくる声には、憎悪の一欠片すらも感じられない。

    天使は痛みを感じないのだという。
    わたしは痛いのが好きなので、痛みを感じないということに、あまり良い印象を抱けない。
    わたしにとって痛みは、自分が生きていることを確かめるために必要なものだから。

    もしも痛みを感じなくなったらわたしはきっと生きていられない。
    それでも生きている天使は、わたしにとって、まるで想像できない未知の生き物だ。

    そんな未知の生き物だからこそ、わたしはなんだか気になってしまった。
    …………天使って強いのかな?

    というわけで、わたしはニョロニョロ剣ちゃんをブンブン振って、広間にピンと張っている鎖をぶった斬った。

    『    あ   っ  』

  • 8二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 22:15:47

    おかえりー

  • 9アデル22/11/12(土) 22:15:52

    呪いパワーが込められた鎖だから、ちょっと簡単にはいかないかも?

    そう思ってちょっとお試し気分で斬ってみたのに、意外と普通に斬れたので逆にびっくりした


    もしや、ニョロニョロ剣ちゃんたち、もしかしてパワーアップしてる?

    もしくは相性が良いのかもしれない。

    呪いパワーって見たらすぐ分かるぐらいだし、なんとなくおっなかなかの禍々しさじゃん!みたいなの感じるし。


    『あ     の   な   ん       で   ? ?   ?』


    わたしは広間の端をぐるっと壁沿いに駆け出して、ニョロニョロ剣ちゃんをブンブン振った。

    鎖は面白いように斬れていく。鎖の黒鉄が纏っていた呪いパワーもそのままニョロニョロ剣ちゃんがたいらげてただの鉄鎖になる。


    さん、よん、ご。 ろく、の、なーな。おしまい!


    鎖がぜんぶ千切れても、ハリセンボンになった天使さんは落ちてこない。空中に繋ぎ止められている。

    じゃあ次はこっちね。


    ニョロニョロ剣ちゃんを宙に放って、床を殴る。床を殴る。床を殴る。床を殴る。床を殴る。床を殴る。床を殴る。


    魔法陣が弱々しく明滅して消えていく。

    はっはっは! わたしは魔法とかサッパリだけど、描かれてる床がなくなったら封印もクソもないでしょ!!


    『ま っ   て  ま    っ  て』


    あと二つで魔法陣が全滅するってところで、天使さんを串刺しにしてた剣が抜けた。

    細いひとのカラダが宙に残される。


    宙を待って広間の四方に散った剣は、空中で弧を描くように反転すると、一斉に剣先をわたしに向けて飛んでくる。


    dice1d100=81 (81) (100ほど問題なく対処)

  • 10二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 22:17:32

    バカな、アデルが成長してる……!?

  • 11アデル22/11/12(土) 22:27:57

    くるくる回転しながら戻ってきたニョロニョロ剣ちゃんたちをキャッチ!
    低く身構えて壁を背にして、両手を全力全開でブン回す!
    バカみたいな勢いで殺到する剣先の洪水を、片っ端から薙いで弾いて叩いて折って、ボキンボキンと破壊し尽くす!!

    あははははははすごい殺意!剣先にこもった呪いがビリビリと肌を刺す感覚!それを叩き割るのが最高に楽しい!!

    『あ   っ  あ っ       あ っ   あ  っ』

    打ち漏らしたのが一本、二本、痛い痛い、刃先から刃の奥まで憎悪が籠もってるから泣いちゃうぐらいに猛烈に痛い!
    でも止まらないんだよねわたしは!!

    ニョロニョロ剣ちゃんたちはわたしの両手から伝わる意志に忠実に、刃先を硬く硬く尖らせて剣を砕いていく。
    殺到する剣の洪水は次第に勢いを落としていって、やがて途切れて尽きた。よし。

    最後にバカみたいにわたしに刺さったままの剣を腹とか肩とかから引き抜いて、一本づつポキンポキンと折ってやる。

    はい、おしまい。

    『だ  い    じ ょ   う       ぶ ?』

    ぜんぜん大丈夫ですよ。痛いけどそのうち治ります。
    あ、痛いのちょっと治るまで時間かかるかも。まだ痛い。すごいこれぜんぜん痛いの治らない。

    とか思って顔を上げたら、すぐ目の前に心配そうにわたしを見下ろす、長身のすごい美人さんがいました。

    背中には三対六枚の羽根のある、金髪の凄い美人さん。
    あなたついさっきまで全身グズグズに破壊されてましたよね? こっわ

  • 12アデル22/11/12(土) 22:47:10

    目の前に立つその女性は、子供の頃に通っていた教会に飾られていた天使の似姿のそれよりも、ずっと美しかった。
    “天使のような”とか“女神のような”って例えが人の形になったみたいな。

    張りのある白い肌には、なんにも身に着けていないので、たいへん目に毒なのだけど。
    あんまりにも美人だからそれが自然に見えるというか。ハダカですよーって言うのも憚られるというか。

    というか、さっきまで針串刺しになってたダメージはもうないんですか?

    『わ た し   は  す   ぐ に    な   お  る   か ら   い い   の』

    すこし嬉しそうに微笑んで天使さんはそう答えた。
    心配してくれて嬉しい!ありがとう愛してる!っていう幸せオーラが伝わってくる。

    でも、そういうことなら遠慮はいらないよね?

    『な ぁ    に  ?』

    わたしは手にしたニョロニョロ剣を振り上げ、天使めがけて振り下ろした。

    振り下ろしたけど回避も防御もしてくれないので頭の上で剣先を止めざるをえなかった。
    赤子みたいにきょとんってした顔でこっち見てる。

    あの、そうじゃなくてですね。わたしはこう、いま攻撃してるので。反撃してほしいっていうか。
    ぶっちゃけわたしと戦って欲しいんですけど!

    『    え  っ』

    いや「えっ」じゃなくてですね。

  • 13アデル22/11/12(土) 22:58:41

    天使さんはじめて見た!

    どれくらい強いのか気になったから戦ってみたい!

    戦って!


    わたしの説明に天使さんは「なんで?」って顔しかしてくれない。ふしぎないきものみたいな目で見てくる。


    さっきの見た限り、再生能力すごいんだから! 戦ってもどうせ治りそうだし!

    ケチケチせずに全力の天使パワーを見せてくださいよ!

    ほら聖なるビームとか聖なるレーザーとか聖なるラリアットとか隠してるんでしょ!繰り出してこい!!


    『  い   や 』


    プイってされた。ふわって金色の長い髪が揺れる。

    美人さんのプイってするやつは美しいですね。いえそうじゃなくて。


    『だ れ   も   き ず   つ け   た  く   な  い    も の』


    ほほぅ、一方的に傷つける側です宣言ですよ。

    完全に上から目線ですよ。

    これだから美人は!じゃなかった天使は!!


    こうなったら…… >>14

    ①こんどは本気で斬っちゃうぞ!

    ②もう知らない!帰る!

    ③お前の大切なものを傷つけられたくなければ……戦え!

    ④その他(自由に書きたい場合はこれ)

  • 14二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:10:38


    わかった!じゃあお互い傷つく要素のない腕相撲でどうだ!

  • 15アデル22/11/12(土) 23:33:56

    だれも傷つけたくない!わかりました!!

    じゃあお互い傷つかなない方法で戦いましょう!そう……腕相撲で勝負です!!


    ぐいっと腕を出して提案すると、天使さんはきょとんと目をまたたかせた。


    『う   で  ず    も  う  ?』


    よし、ルール教えるところからですね!

    なんとなく分かってました!


    えーと、台、台は……ちょうど血を落とす器の置いてた台座が無事なので、これを使ってー……

    あ、器は壊すのなんかもったいないから横においておくね。


    よし、この台の上にお互いの利き手を乗せて組み合ってですね。

    そうそう、あ、握手じゃないです。こう手をこう斜めに組み合う感じでガッチリとですね。

    うっわ手柔らかい……


    『こ  う    ?』


    よーしばっちりですそんな感じ!

    あとは、お互いに力を込めて、前に腕を倒そうとがんばる勝負です。

    天使さんはこっちに倒して、わたしはこっちに倒す……はい、わかりましたね? 大丈夫ですね?


    じゃ、力を込めて……ちゃんと力を込めてくださいね? 倒そうとしてくださいね?


    『わ   か っ    た』


    よし、それじゃせーの!


    dice1d100=21 (21) (高い数字でアデル勝利) ※天使のパワー補正-30

  • 16二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:36:46

    平和!
    流石に腕相撲くらいなら断る理由ないよね

  • 17アデル22/11/12(土) 23:41:54

    わたしと天使さま。石の台座の上に互いの片腕を乗せて、がっつりと手のひらを重ね合わせて。
    ぐっと力を込めてから、合図とともに全力で。

    うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

    ぜんぜん!!! ビクとも!!!!!! しないんですけど!!!!!!!!!!

    わたしの腕に刻まれた紋様が脈動して、鋼鉄を紙のように引き裂き、迷宮の石床を砕く力が込められる。
    筋肉は膨れない。筋肉の代わりに魔力が力となって腕の内側を巡って膂力を生み出す。

    『  ?  』

    ふしぎないきものを見る目で!!! 見ないで!!!!! いっそひと思いにやって!!!!

    『う   ん  』

    うううううううううううううう……ぜんぜん抵抗できない…………っっっ ぐふっ

    パタンとわたしの手は倒れました。
    負けました。

    つっっよ!!!!! 天使つっっっっっっよ!!!!!!!

    『お    わ り   ?』

    はい。

  • 18二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:49:46

    バトル漫画で圧倒的な実力の敵と対峙したときにでかい岩を幻視するやつ

  • 19二次元好きの匿名さん22/11/12(土) 23:50:42

    本気の殺し合いならミンチにされてたかもしれんね

  • 20アデル22/11/13(日) 00:22:53

    天使ってみんなこれぐらい強いんです?

    『わ  た し   は、 ほ か  の  こ  よ り、  つ   よ い  み た  い』

    よかった私は四天王でも最弱とか言われたらどうしようかと思いました。
    いえ天使に四天王がいるかどうか知らないですけど。残念ながら神父様のお話には出てきませんでした。

    それにしても、いったいなにたべたらそんな強くなるんですか?

    『あ い   で   す    よ』

    優しく微笑んでそうおっしゃられた天使さまからは後光が差しているかのようでした。

    うん。食べられないし、わたしには縁がないパワーの源ですね。
    いさぎよく諦めて、わたしは弱肉強食の理念で強くなる方向で頑張ることにします。

    『む   り  し   ち ゃ    だ  め   で す   よ ?』

    そっとお腹を触られると、実はずっと痛いままだった悪意の剣に刺された痕から、痛みがあっさり消えました。
    もしかしてずっと不思議そうにしてたのは、痛いの大丈夫なのかなって気にされてたんですかね。
    ほんとに優しいんですね。

    だけど、わたしの痛みはわたしのものなので、もうとっちゃイヤですよ?

  • 21二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 00:24:58

    このレスは削除されています

  • 22>>122/11/13(日) 00:29:07

    (ちょっと間違いがあったので展開修正しつつ、今夜のところはここでいったん終了します。)
    (読んでくれる方いて嬉しいです。がんばります。)

  • 23二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 08:55:21

    復活してるヤッター!

  • 24アデル22/11/13(日) 10:11:54

    それじゃあ、もう要件は済んだので帰りましょう!
    と、振り返ったら、扉がバーンと向こうから開きました。勢いよく。

    「……天使様?」

    驚く声は、扉を開けた人物が発したものです。

    魔女。
    先端がへにゃりと垂れた三角帽子。大胆なカットで露出の多いローブで豊満な身体に身に纏ったブロンドの美人。
    ついでに背中から、白い、もとい、白とか薄茶とかグレイとか、複雑な羽根模様の羽根がたくさん生えてる。
    天使、じゃないかなこれは。天使さんから感じる、後光的なオーラがないし。

    「もしや、封印を破ったのは……?」

    魔女は顔色を青ざめさせながらそう言って、まじまじとわたしを見た。
    あっ、もしかして、魔法陣とか鎖とかぶっ壊しちゃったから、城の人が気付いたやつですかね?

    「天使様どうかお聞き届け下さい」

    あっわたし見てませんでした。うしろにいる天使さん見てました。わーいなんか恥ずかしい。
    魔女はわたしの後ろにいる天使さんに話しかけてます。わたしはスルーです。

    「その者を封じて血を利用していたのは、この国の力のため、国の民を導くためなのです。
     邪悪を赦さず滅ぼすべきとこの地に降臨されたのだとしても。
     どうかその矛を収めて、この邪悪の処遇を我々人の手に委ねてくださいませ。
     わたくしたちをお疑いならば、再びこれを封印することで、人にその力があることを証明いたします」

    厳かに告げた魔女は、杖の先をわたしに向けながら、天使さんにそう宣言しました。

    ……んん???

  • 25アデル22/11/13(日) 10:13:27

    あの、もしやわたしのことを封印されていた邪悪なモンスター的なやつだと勘違いしてません?

    しかもそっちの天使さんは、そんなわたしを討ち滅ぼしに天から降臨した天使さま、だと思ってたり?


    逆ですよ逆。いえ天使さんは邪悪なモンスター的なやつではないですけどー


    「凍結せよ」


    杖が真白に輝いて、冷気の風が吹き抜けると、わたしの周囲の空気が凍った。

    うわびっくりした! 一瞬、カラダの表面の血まで凍りかけたぞ!!

    慌てて魔力を全力で稼働させる。肌の紋様が輝くと、肌に張り付いていた氷が砕ける。


    まってまって「やはりデーモン……!」みたいな顔で魔女が見てる。ちがうんです落ち着いて。


    あわてて振り返ったら、あわあわと身振り手振りを交えてなにかを伝えようとしてる天使さんと目があった。

    視線を戻して魔女を見る。


    あっ、杖は構えたままだし、キリッとした決意の表情からしてこれ誤解とけてませんね。


    どうしよこれ? >>26

    ①殺し合い!!!!!!

    ②あんまり気がのらないので逃げます!グッバイ!!

    ③なんか面倒くさいことになりそうだし、超がんばって誤解を解こう!おねがい話を聞いて!!(キリッ)

    ④その他(かしこいアデルは状況を解決する天才的アイデアを閃く!自由に書いて!)

  • 26二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:10:56

    ④天使様の方を向いて「どうしますボス」と言う

  • 27二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 00:03:54

    保守

  • 28アデル22/11/14(月) 03:01:04

    へー、へー。そういう展開なら、こっちにも考えがありますよ?
    天使さんが良いもの扱いで、わたしが悪いもの扱いだと言うなら! その前提を覆す一手!

    わたしは後ろ、天使さんの横まで一足に跳んで、両手のニョロニョロ剣を魔女に向かって構えた。
    そしてチラリと視線だけを向けて、天使さんに言った。

    どうしますボス!

    「えっ」
    『     え   っ    ?    ? ?』

    魔女の声と、天使さんのテレパシーがサラウンドで聴こえてくる。

    さっきまで天使さんを良いものと思いこんでいた魔女が、みるみる動揺していく。
    どうやら自分が単なる先入観だけで物事を見ていた事実に気づいたようだ。

    そうそう、よく気付いたね! よーし、それじゃこれからどうしよう! なにも考えてない!!

    「クハハハハハァ! これは困ったなぁ、どうやら我が王家の秘密をデーモンが奪いに来たようだ!!」
    「へ、陛下!?」

    えっ

    『あ  、  わ た   し   の 子     げ    ん き   そ う』

    魔女の後ろから広間に入ってきたのは、わたしを城まで連れ込んだ、例の赤毛の巨漢の男。
    そうですね王族ですね。天使さんの子孫ですね。

    でも天使さんお子さんの元気な姿に喜んでる場合じゃないですよ。
    この陛下、クソデカ大剣まで持ち出して、なんかわたしも天使さんも全部デーモンでまとめる気ですよ?

  • 29アデル22/11/14(月) 03:01:32

    「陛下、地下に住まうものが言葉を交わすご無礼をお許し下さい。ですが、このような場所に足を運ばれては、」
    「無礼を許す。だが、今が火急の事態であることは、貴様も理解しているだろう?」

    鉄塊みたいなサイズの大剣をわたしに向けながら、陛下の人はたいへん楽しそうに裂けた口を笑みの形に歪める。
    叱責を受けた魔女は、ぶるりと背中の羽根を揺らして手にした杖を構え直した。

    完全に2vs2の形になりましたね!

    『ど    う  し ま   し ょ  う  ?』

    さっきから天使さんが困った顔でわたしに訴えてるんだけど、どうやら陛下も魔女も聞こえてない模様。
    そっか、テレパシーでしか意思疎通できないし、そのテレパシーはこの場ではわたしにしか聞こえないんですね理解。

    言葉って大事だなって思いました。

    いや陛下これ絶対分かってて戦う気でしょう絶対。

    「デーモンよ。まさか王家の秘奥を知って、なおお前たちの世界へ逃げられるとは思っていないな?」

    大剣を軽く床にぶつけて火花を散らす。
    わざとゆっくりとガリガリと弧を描くように床を削り、上段に構える。
    目線はじっとわたしに向けて、真紅の瞳はまるで射抜かんとばかりに鬼気を放っている。ぞくぞくするよな熱視線。

    うん、しゃーないね戦うしかないね!

    ちょっとだけお子さんと遊ぶので、天使さんは見ててくださいね。

  • 30アデル22/11/14(月) 03:02:40

    「魔法の矢。狙い違わず。降り注げ」


    魔女の詠唱とともに宙に生まれた淡く光る魔法の矢が、わたしめがけて洪水のように降り注いでくる。

    とっさに地面を蹴ったわたしを、弧を描く軌道が追いかける。


    同時に陛下が正面からわたしに斬りかかってきた。真横に薙ぎ払われた鉄塊が高速で迫る。


    ひゅ、と息を吐いて、空中で身体を丸める。

    その一瞬で魔力を練って、宙を蹴った。足先ギリギリを鉄塊が通り過ぎる。

    身体を反転させてニョロニョロ剣をブンと振る。細く無数に分岐した極薄の刃が、魔法の矢を薙ぎ払った。


    空いてた片手を突き出す。ニョロニョロ剣が真っ直ぐに伸びて、陛下の心臓を一突きに。

    下から上に鉄塊が振り上げられた。

    火花が散って、ニョロニョロ剣は弾かれる。ぐにゃん、と曲がった刃をすぐに引き戻した。


    「閃光。稲妻。細く細く射抜け」


    わたしはもう一度宙を蹴って天井まで跳んだ。魔女の杖から放たれた白い光線が空中を走る。

    髪の毛が炭化した。あっぶな!

    脚先に力を込めて、天井に触れた瞬間に思いっきり蹴った。狙いはもちろん床に着地したばかりの陛下。


    一気に加速する身体が空気を裂く感覚。陛下が顔を上げる。わたしの視線と陛下の視線が交差する。


    魔女の魔法は間に合わない。陛下はクソデカ大剣を下段に構えた。振り上げて迎え撃つつもり。

    わたしは懐に飛び込んでぶっ刺してやるつもり。


    ────どっちが勝つかな?


    dice1d100=52 (52) (100に近いほどアデル有利)

  • 31アデル22/11/14(月) 03:37:52

    陛下さんが両手で手にした鉄塊を振り上げる。疾すぎるそれの先端は、わたしの目にも捉えられない。
    ただ、夢中でその軌道の奥へ、中へ、身体を滑り込ませるようにして距離を詰める。

    片手の重みがなくなった。頭に衝撃を受けて身体が傾ぎそうになる。夢中で床に着地した脚に力を込める。
    焼けるような痛み。灼熱を感じながら、わたしは残ったニョロニョロ剣を硬く握る。
    強く鋭く尖らせたその先端を、わたしの身体ごと突き出した。

    肉を貫く感覚を受けて、そのまま押し倒す。牙を肉に突き立てたようなその感触に、わたしの心は歓喜する。

    「存外、やるじゃないか……、くく、く」

    見下ろすと、獣がわたしと同じように、口に笑みを浮かべている。
    たぶん心臓を破壊してるのにね。よっぽど痛いのが好きらしい。もうこのまま食べてやろうかこいつ。

    「陛下……っっ!」

    悲鳴を上げて、魔女が杖を向け……なんかヤバい気配を感じて、わたしは慌てて床を蹴って陛下さんから離れた。

    一瞬の間を置いて、洪水みたいに白いなにかが、空中を滑って壁を破壊する。
    わたしを追いかけるように白いなにかが雪崩をうって壁にぶちあたり、この広間の壁をどんどん破壊していく。
    あっこれヤバい。部屋壊れる。

    「ぐっ……ばか、ものが……! 制御の、ために……ここに留まっていたのを、忘れたか……!」

    陛下さんの叱責の声が聞こえるけど、白い洪水は止まらない。これ白い鳥だ。鳥が魔女から飛び出してる。
    わたしは慌てて鳥の雪崩を避けて駆けながら、天使さんのところまで戻り、有無を言わせずその手をとった。

    逃げますよボス!

    天使さんのボスってなんですか的なテレパシーを聞き流しながら、わたしは崩壊しそうな広間から脱出した。

  • 32二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 12:34:32

    ボス!w

  • 33アデル22/11/14(月) 23:19:54

    なにもかも面倒くさくなったので逃亡しました。

    秘密の地下室の階段を、風に乗って駆け上がり、窓を破って脱出。
    そのままの勢いで城壁を駆け上がって城下町にジャンプ。一目を避けて路地裏に逃げ込みました。

    ふー、すっきり。

    陛下さんにぶった斬られた片手と、ニョロニョロ剣の片割れは、あとで返してもらいましょう!
    招待状は出したんだから、きっともってきてくれるよね?

    『わ  た   し   の  、     子  …… 』

    あの人はぜったい死なないので大丈夫ですよ!
    瓦礫に潰されて死ぬくらいだったら、あのときにわたしが殺せてましたし!!

    というわけで、天使さんも勢いで城下町まで連れてきちゃいました。

    暗い路地裏だとぺかーって光るからちょっと目立ちますね。訂正しますめっちゃ目立ちますね。

    さすがに瓦礫の下敷きにするのも悪いなーって思って連れ出したんだけど、どうしようかなこのひと。
    どうしたいですか?

    『子 ど も  た ち   の   も と  、 か え ら  ない と』

    『こ  ま  ら せ    ち ゃ  う    わ』

    でも天使さんのことデーモン呼ばわりしてましたよあの陛下さん。
    そういえば、王族っぽいのに、天使さんのことは知らなかったのかな? それとも知ってたのかな?

  • 34アデル22/11/14(月) 23:20:39

    さて、これからどうしましょう。

    ちょっと不測の事態なので、ご主人さまの元に戻るのも一考です。


    天使さんはほっといたらお城に帰りそうだけど、これ戻したらまた地下でハリセンボンになるコースですよね?

    さいわいご本人はいたって穏やかなので、頼み込んだらついてきてくれそうです。

    でも、戦いの役には立たないし、布教の役にも立ちません。


    むむむむむ…… >>35

    ①ご主人さま、天使をつかまえてきました!って遺跡の儀式場から領地に連れて行こう!!

    ②いったん城下町に潜んで事態が動くのを待ちましょう!(なにもしない)

    ③天使さん、おうちにおかえり……して、わたしはダンジョンアタックに戻るよ!

    ④その他(なんか他にアイデアがあったらそれで!)

  • 35二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:20:17

    2+城下町で食べ物買って天使様に餌付け

  • 36二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 01:04:23

    よーし! 城下町に潜伏するからには、久しぶりに人間っぽいことしよう!!


    『ど ん      な    こ  と ?』


    よくぞ聞いてくれました天使さん。

    人間っぽいことというのは、お金をつかってモノを買ったり、美味しいものを食べることなのです。


    ナマのお肉とちがって、ソースたっぷりの焼いたお肉の串焼きは、それはそれで乙なのですよ。

    天使さまもひとくち食べてみたら、きっとトリコになりますよ。


    とはいえ今は夜中だから、まずは宿でもとりましょう。

    王城のベッドほどじゃなくても、針串刺しになるよりはマシな部屋ぐらい、探せば見つかるでしょう。


    そう決めて、わたしは通りに出ようとして気付いたのです。


    お金ないじゃん!!!!!!!!!!!


    こうなったら! >>37

    ①夜の間にお金持ってる悪いやつというとてもレアな存在を街中を屋根伝いに飛び回って探そう!

    ②てきとーな安宿に突撃して頼み込んで泊めてもらおう!!

    ③教会にいったら泊めてもらえるのでは?

    ④その他(なんか他にアイデアがあったらそれで!)

  • 37二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 09:16:19

    4
    あ!お久しぶりですねギハイオさんにトビィさん!( ^ω^ )
    オラァ!(奪われたものを取り返すという名目での金品強奪)

  • 38アデル22/11/15(火) 11:15:31

    ぴょんぴょんぴょん。屋根から屋根にジャンプする。
    こうやって街の屋根を跳んで移動してると、昔より身体能力上がってるんだなーって実感するよね。

    ご主人さまの庭に生えてる樹って超大きい上にだいたい肉食なんで、大きさの感覚がおかしくなってた。
    地面から基本動かない植物は、とにかく頑丈じゃなきゃ長生きできないからしょうがないんだけど。

    ちなみに天使さんは路地裏に置いてきた。これからの戦い(略奪)についてこれそうにない。

    戻らないでいいの?って顔でソワソワしてたし、はやめに帰りたいよね。
    だから、ささーってお金持ってそうな悪いやつを見つけたい。

    幸い夜中なので人通りは少ないし、夜中に街を出歩いてる人間って悪者率高いんじゃないかな!(願望)

    あ、みっけ!

    ぴょんぴょんぴょん。屋根から屋根にジャンプして、路地を歩いてた人の近くに移動。
    陛下さんと殺りあった時に覚えた、空中に魔力で力場をつくって蹴る時の応用で、ふんわりと着地。
    見付からないようにかくれんぼするのは、お庭の獣とたくさん戯れて大得意。

    そーっと屋根から歩いてる人を観察。
    冒険者だね。

    というか知ってる顔だ。えーっと、なんだっけ……たしか、たしか……そうだ!
    ギハイオさんにトビィさんじゃん!! やったー悪者だ!!!!

  • 39僧侶トビィ22/11/15(火) 11:16:22

    今日はギハイオと二人で久しぶりに大きな仕事を成功させて、気分良く高い店で酒を飲んだ。
    三人組の田舎者の冒険者を上手い具合にハメる仕事だ。
    怪しまれないように信用させるため、下準備にはだいぶかけたが、稼ぎは結構なもんだった。

    帰り道でも上機嫌なギハイオはしつこく自慢話を続ける。

    「なぁ、あのガキの表情、覚えてるか?」
    「そのはなし、何度目だよ。さてはよっぽどタマってやがったな」
    「あのガキ共にはずいぶんイラつかされたからな。年長者を敬えってんだ。へへへ」

    まだ酔いが頭に回ってるんだろう、ギハイオが下品な笑い声をあげた。

    ま、無知なガキ共が騙されたと知って、顔を青ざめさせて黙り込む。あの瞬間はたまらんよな。
    酒で酩酊した頭に、連中の顔が思い浮かんで、ついついにやけちまう。

    そんなことを思ってた時だ。

    「こんばんは!」

    急な挨拶の言葉が、夜道に響いた。
    能天気に響く明るい高音の、イラつくガキっぽい声。酔いの回った頭に響く。

    「あぁん!?……はぁ?」

    冒険者はみんな正義の味方だとでも思ってる、バカなガキにでも出くわしたかと振り向く。
    ちょうどギハイオの立っていた方だ。

    うつ伏せで街路に倒れて動かないギハイオ。その背中を踏みつけにして、女が立っていた。

  • 40僧侶トビィ22/11/15(火) 11:25:02

    片方が折れた角のある、片腕のない、ドス黒く固まった血で汚れたドレスの女。
    そいつがネコ科の猛獣のように足を折り曲げ身を屈めた姿勢で、裸足でギハイオを踏んでいる。
    笑顔で手を振るその女の目は、闇夜で紅く輝いていた。

    「お久しぶりです、トビィさんですよね! お金返してください!!」

    なに言ってんだコイツ、どこから出てきたコイツ、どうやって現れた? ギハイオは生きてるのか?
    頭の中に次々と疑問が浮かんでは消える。

    その一方で、オレの体はすぐに動きはじめていた。
    体を捻って地面を蹴って、女に背を向ける。そのまま全力で路面を蹴って、夜の道を駆け出した。

    「逃がしませんよ! わたしのお金!!!」

    声が追ってくる。それを背中に感じた時には、首になにかが巻き付いた。
    女の足だ、と気付いた時には、首を綺麗に挟まれていた。

    前につんのめるようにして視界がぐるりと反転する、足が宙を蹴る。背中から地面に叩きつけられる。
    肺の中に入っていた空気をぜんぶ吐いた。遅れて背中から痛みが伝わってくる。

    上手く息ができない。ぜぇぜぇと咽るオレの視界に、さかさまに女が見下ろしてくる。

    「お金返してもらいますねー」

    ごそごそ、と懐をまさぐられる感触。こいつ、オレの財布を探ってやがる。
    うまく回らない頭のすみに、安堵が広がる。

    どうやらこの女は、オレを殺すつもりはないらしい。なんだ、そうか。よかった。

  • 41アデル22/11/15(火) 11:36:21

    片腕が無いと戦いにくいので、足技でがんばってみました。


    わたしはこれでも街暮らしの長い冒険者ですので、街で人を殺して食べたりはしません。

    なので、足で首を挟んで転ばす時も、やさしくふんわり、折らないように細心の注意を払いました。


    乙女の生足を首に感じてきっと夢心地のはずなので、トビィさんも喜んでくれたはず。


    ほら、トビィさん倒れてるのにちょっと笑顔です! 幸せそう!!


    これはお財布から、女の子に密着するサービスの料金もらっちゃっていいのでは?

    もちろん、わたしの双剣ちゃんを奪った料金と、財布に入ってたなけなしのお金は頂くのですけど。


    えーと、これぐらいかなー? お金持ちさんだったので、遠慮なく頂いちゃいました。


    ほくほくしながら、>>42


    ①「ところでトビィさん、ちゃんとわたしのこと覚えてます?」

    ②そうだ!ダンジョン探索の冒険者集めのお手伝いの人員集めとかお願いしましょう!

    ③用は済んだのでさようなら!

    ④その他(なんか他にアイデアがあったらそれで!)

  • 42二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 18:39:12
  • 43二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:46:58

    保守

  • 44僧侶トビィ22/11/16(水) 09:26:12

    女はオレの財布の中からいくらかの硬貨を懐に入れて、律儀に元のポケットに戻した。


    まるで物盗りみたいだな。それなら最初からそう言ってくれよ。

    オレだってガキの頃にはやったことがあるぜ。

    なんだ、バケモノじゃなかった。ただの物盗りなら、こんなにビビる必要はなかったぜ。


    そんな風に弛緩した思考が頭をよぎっていたところで、そいつはだしぬけにこう言った。


    「ところでトビィさん、ちゃんとわたしのこと覚えてます?」


    背筋が冷えるのを感じる。

    仰向けのオレを、じぃっと女が見下ろしている。


    街灯のポールの上で煌々と輝く、橙色の魔法の灯が逆光になって、その表情は見えない。

    だというのに、目だけは、紅く光ってオレを見ている。


    笑っている。


    オレは…… dice1d2=2 (2)


    ①そうだ、こいつは前にハメた双剣士のガキ……!

    ②お前はあのガキ共の知り合いか! 連中の居所は教える! 今から助けに行けば間に合うぞ!

  • 45アデル22/11/16(水) 10:04:31

    「そうか、お前はあのガキ共の知り合いか! 連中の居所は教える! 今から助けに行けば間に合うぞ!」


    ???????


    トビィさんの口から飛び出した発言に、しばらく気まずい沈黙が流れた。

    あのガキ共ってだれ? 助けに行けば間に合うとか言われても。


    えー、えー? ……あ! これ別の人と思われてるやつだ!


    そしてわたしのこと忘れてるじゃんトビィさん!!

    ダンジョンで放置して武器と財布を奪った相手のこと忘れてるって酷くない!?


    わたしは憶えてたのに……!


    いや、これトビィさんで合ってるよね? うん、合ってる…… いやなんか自信揺らいじゃうけれども。

    ほらなんか、発言の内容からして、べつの人たちをなんか困らせてるっぽいし。

    きっとまたなにか悪いことしてたんだよ。だから、お財布の中身を頂いても問題ないやつだよ。


    よし! >>46


    ①「そうだぞ。連中の居所を教えないと食べます」

    ②「ちがいまーす! わたしは双剣士アデルちゃんでした! 殺す!!」

    ③用事は済んだので放置して帰るね

    ④その他(なんか他にアイデアがあったらそれで!)

  • 46二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 10:24:49

    4
    たまには人助け(をして合法的な謝礼金をもらうの)もいいかもね
    というわけで連中の居場所とやらを教えてもらおう

    ……それはそれとしてこの人、嘘つきなれてそうだから、首根っこつかんで一緒に連れていくね( ^ω^ )
    その場逃れの嘘だったら皮を剥ぐからね( ^ω^ )

  • 47二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 20:40:05

    保守

  • 48アデル22/11/17(木) 03:54:51

    思い出すのは……えーと、どれくらい前だったかちょっと忘れた、わたしが冒険者だった時の記憶……
    休憩から目覚めたら愛用の剣もお財布もとられてダンジョンに取り残されたわたしはとてもピンチでした。

    そう、武器なしでダンジョンに取り残されるのはとても困るのだ!

    困った人! → 助けるわたし! → あふれる尊敬の念! → わたしの教えを聞いてくれる!

    これは今までの布教活動の中でもかなりイケる計画のような気がする!
    たまには、人助け…… するしかないよね!!

    というわけで、そのガキ共の居所というのを教えてください! あ、いえ、案内してください!!

    「待って、教える! 分かるように教える! いや地図だって描くから、だから」

    トビィさん、わたしに前にウソつきましたよね?
    今度もウソつくかもしれないから、その、現在進行系で困ってる子たちのとこまで案内してもらいます!

    「ウソを、ついた……?」

    それじゃ行きましょう!

    あ、現地行く前に、ちょっと先に寄るところがあるので付き合ってくださいね?

    まだなにか言ってるトビィさんを片手でひょいと持ち上げて俵担ぎすると、わたしは屋根まで跳んだ。
    何回か跳んだあたりで静かになってくれたので、きっと同意してくれたのでしょう。

  • 49二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 07:47:28

    昔のこと忘れかけてるの魔族化の影響なのか
    アデルちゃんの脳ミソがもともとアデルちゃんだからなのか
    判断に困るな……

  • 50二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 18:36:02

    保守

  • 51アデル22/11/17(木) 18:42:49

    じゃーん、路地裏に帰還!

    『お か   え り   な   さ い  ?』

    ただいま!

    ちょこんとお行儀よく路地裏にお尻をついて座っていた天使さんが立ち上がる。
    うん、なんかちょっとしょんぼり感が出てました。
    そうだよねいきなり置いていかれたら心細くなるよね。街なかにいきなり放置しちゃってごめんなさい!

    あと服とか着てないので、人に見つかったらよろしくないですね!
    美人さんの裸が見れてラッキー!ってスキップで去っていく男の人ばかりじゃないですもんね。

    背中に羽根が生えてることのほうが大問題かもしれませんけど!

    『だ   れ  ?』

    あ、この人は、トビィさんという悪い人です。
    ダンジョンに人を置いてけぼりにするという、とっても悪いことをした人です。

    今からその人達を助けに行きます。この人に、その人達のところまで案内してもらうところです。

    …………はっ、ごめんなさい!
    お金ありますし、天使さんはどこかで休めるように、宿でお部屋をとりますね!

    『い   い  え 。  わ た  し も 、 つ   れ て い っ  て』

    ふるふると首を振って、天使さんは羽根をふわりと広げて揺らした。
    真摯にわたしを見つめる瞳は、その『困ってる人』を助けたいって意志をはっきりと伝えていた。

  • 52二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 18:46:05

    天使さんに服あげたい

  • 53二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 18:48:23

    ちょっとエッチな衣装用意してあげなきゃ……!

  • 54アデル22/11/18(金) 03:38:51

    『ご わ  ご わ   し ま   す 』

    ズボンとシャツを身に着けた天使さんが、窮屈そうな胸のあたりを気にしながら訴える。
    男物であることを抜きにしても、内側からはちきれんばかりにシャツを圧迫してる胸の存在感が強すぎる。

    これもしかして、余計に男の人の視線を集めちゃうんじゃないでしょうか?
    夜中のうちにさっさと街から出発したほうが良さそうだ。

    ちなみに服の出どころは秘密です。
    ジャンプアタックでやっつけたギハイオさんが、いい感じに気絶したままでいてくれて良かったとだけ。
    今は暖かい季節ですから、きっと明日の朝には元気に目をさますことでしょう。

    『は  や  く   い    き   ま しょ  う』

    わたしの腕をぐいぐい引っ張る天使さんの、大きく開いたシャツの背中からは天使の羽根がとびでてる。
    聞くところによると、羽根は隠せることは隠せるらしい。
    らしいのだけど、今は気が逸ってるせいか、その羽根で今にも飛んで行きたそうにしている。

    ダンジョンの場所知らないのに飛んで行かないでね?

    ところで今更だけど、トビィさんは気絶してました。
    わたしが肩に担いだまま屋根をぴょんぴょんしてる時に、意識をどこかに落としちゃったらしい。

    ダンジョンに着いてから起こせばいいよね?

    というわけで、とりあえずダンジョンめざして、街を後にしました。
    街の外壁をジャンプで飛び越えて。

    …………だってトビィさん担いだまま門を通ろうとしたら捕まりそうだし。

  • 55二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 07:48:33

    天使様積極的かわいい

  • 56二次元好きの匿名さん22/11/18(金) 17:02:22

    保守

  • 57二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 00:54:30

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 11:32:30

    ダンジョンの入口から、見張りの兵士さんに見つからないようにそーっと突入。

    モンスターの出入りを禁止する結界も、天使さんには無反応。
    ピリッともしなかったようです。
    わたしはするのに。

    さて、夜中にダンジョンを探索中の冒険者さんもあんまりいないでしょう。
    階段を下りた広場で気絶したまんまのトビィさんを起こして、あらためて目的地を聞きました。

    「なんだこいつは!?」

    天使様です。ひざまずけー。

    『ひ ざ  ま    ず か  な  く て  い い  で  す よ  ?』

    なんとトビィさんマジでひざまずいちゃいました。天使パワーすごい。
    わたしも羽根とか生やしたら威厳出るかな?

    「どどど、どうか、御許しを……っ 私は神の御許に送られる価値はございません……っっ」

    そういえばトビィさん僧侶だったっけ。
    やっぱ悪いことしてるから、天使が怖いのかな?

    『わ た  し も 、  か み   の み  も と よ り、 は な  れ たみ  で す』

    天使さんも困っちゃってる様子なので、とりあえず、ひざまずくの終了で。

    これだけビビってくれてるなら、正直に教えてくれるはず!
    ダンジョンのどこかで困ってる、わたしに教えを説かれて信徒になる冒険者さん達(予定)の居場所を!

  • 59二次元好きの匿名さん22/11/19(土) 21:08:14

    ほしゅ

  • 60二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 08:59:10

    「ギィッギィィッッ!」「ゴゥッゴウゥゥゥゥッキュゥゥゥッッ」「ゴポッ、ゴポポッ、ゴポッ」


    わたしがダンジョンを歩くと、遭遇したモンスターが逃げてく。

    天井に張り付いていたスライムまであわてて滑るようにて逃げていったのはちょっと真顔になりました。


    この前に遭遇したモンスターはぜんぶ逃さず殺したはずなんですけど。

    実力差を察して逃げるほど、賢いモンスターばかりではないと思えないんですけど。


    一匹くらい襲ってきませんかね……?


    「ギャアッギャアアッッッ」


    天井に張り付いて固まっていた巨大コウモリが、ひきつった悲鳴をあげて逃げていきました。

    ちぇー。


    「こ、ここっ、こっち、です……!」


    まぁよし! 今は急ぐので、ちょうどよいってことで!!


    青ざめた表情のまま、しきりにこっちを振り返っては早足で案内するトビィさんを先頭に進みます。

    天使さまはモンスターがいないかのようにグイグイ進んでいくから、ほっといたら襲われちゃいそうですし。


    さて、間に合ったでしょうか? dice1d6=2 (2)


    ①間に合いませんでした。

    ②残念ながら、一人死んじゃってました。

    ③瀕死だけどみんな生きてた!

    ④籠城して必死に戦闘中。

    ⑤じっと隠れて震えていたおかげでみんな無傷でした。

    ⑥ガーン、自力で帰ってる……

  • 61二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 10:26:58

    テラ惜しす(´・ω・`)

  • 62二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 22:10:25

    ほしゅ

  • 63二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 09:22:46

    ほしゅしゅ

  • 64二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 17:38:45

    ほす

  • 65二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:29:26

    保守

  • 66新人冒険者22/11/22(火) 10:39:27

    ダンジョンの地下三階、休息地点。
    酒場で先輩冒険者の話に上がっているのを何度か聞いたことがある。

    休息地点というのは、いわゆる「モンスターが出現しない区域」のことだ。
    この「出現しない」は「モンスターが来ない」とはイコールではない。
    というのも、ダンジョンの通路や部屋では基本、一定間隔、あるいは数が減少するとモンスターが自動的に新しく召喚されてくる。これはダンジョンの主の仕業とも、ダンジョンという空間がそうさせているとも言われているが、つまりこの召喚現象が発生しない空間が、休息地点と呼ばれている。

    それでも、モンスターがやってくる可能性がある通路のみを警戒していればいいだけマシ。
    召喚からの不意打ちの可能性に常に晒されるダンジョンの中では安全な空間だ。

    だから、地下一階、地下二階のモンスターとの戦闘を軽くこなせるようになった冒険者パーティーは、そこで休みをとって本格的な地下三階からの戦闘に備えるのだという。

    「ハハハッ、お前らにははやかったなぁ? だが、ちょっとは自信がついただろう?」

    私達よりもベテランの冒険者、同行していた僧侶のガリィさんの言葉にムッとする。
    けれど、言い返す気力はなくて、私達はそろってゆるゆると頷いた。

    その日はじめて地下三階に到達した私達は、最初の戦闘でボロボロになり、二度目の戦闘で音を上げた。

    地下三階に足を踏み入れたのは、同郷の仲間の提案だったので、言い返すこともできない。
    なにかあればちゃんと家に帰してやるよ、と、斥候のギハイオさんが後押ししたのも原因だけど。
    実際、私達のような新人の冒険者に付き合ってくれる二人がいなければ帰れないだろうし。

    「ま、自分たちの実力が分かったのなら、しばらく休んでろ。見張りは俺たいがやってやるからさ」

    斥候のギハイオさんがそう言って、気付けのお茶を勧めてくれる。
    心を落ち着ける効果があるというそのお茶を、二人はよく冒険の前後に振舞ってくれていた。

    独特の風味の味と香り。飲み込んで、礼を言って器を返す。
    しばらくして、眠くなってきた。

  • 67二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 22:19:58

    保守

  • 68二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 08:03:29

    ほす

  • 69二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 17:17:46

  • 70新人冒険者22/11/24(木) 01:28:22

    「────!!!!」
    [~~~~~~~~~~~!~~~~!!!!]
    「───!─────!!──────────────!!!!」

    うるさいなぁ、もう、起きてるよ。
    がなり立てる声、肩を揺らす腕の感触、怒鳴り合う喧騒。騒々しい、不快な音で目が覚めた。

    どうしたの? そんなに大声上げて

    ペーターとジョッシュ、二人の幼なじみは、わたしが尋ねると、揃って私を見る。
    途方に暮れたような顔だった。

    「武器がないんだ。俺の剣も、ジョッシュの弓もやられた。ご丁寧に盾まで盗んでいきやがった」
    「確かめたけど、君の財布もなかったよ。明らかに、二人の仕業だ」

    仲間だと思っていた先輩冒険者。
    斥候のギハイオさんと、僧侶のトビィさんが、私たちの装備と財布を盗んで逃げちゃったんだって。
    慌てて探ったら、たしかに私の財布はなかったし、愛用していた杖もなくなってた。

    ペーターは戦士、ジョッシュは弓使い。どちらも武器がなければ何もできない。
    私は魔法使いだから、杖がなくても魔法は唱えられるけど、精度はどうしても落ちてしまう。

    こんな状態で、地上まで戻れるかって言われたら…………

    「他の冒険者がここを訪れるのを待って、助けてもらおう。三人が助かるにはそれしかない」

    ジョッシュは落ち着いた顔で言う。ペーターもしかめつらで頷いた。
    私も同意見だった。
    だって、私は足が遅いから、みんなが走って逃げていくなら、絶対置いていかれるから。

  • 71二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 13:29:48

    滑り込み保守

  • 72新人冒険者22/11/24(木) 13:30:22

    ひたすらに、休息地点で息を潜めて。

    残された保存食を齧って、今何時ぐらいだろうと推測して。
    この階に訪れるかもしれない冒険者の話をして、少しでも楽観的に、気を紛らわせて。

    サイコロを繰り返し振り続けるような、幸運のロープの上を渡る時間を過ごして、何度目かの安堵の息を吐いて。

    それでもいつか、ロープから落ちる時が来る。
    休息地点の通路の一つから、モンスターの息遣いが、足音が聞こえてきた。

    ダンジョンの通路を巡回しているモンスターがとうとう訪れたのだ。

  • 73二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 23:05:51

    もふ

  • 74二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 07:56:23

    保守ーヌ

  • 75新人冒険者22/11/25(金) 18:15:26

    通路の奥から聞こえてくる、石床を叩く爪の音。ちらちらと揺れる炎、そして紅く輝く目の輝きが見えて。

    ヘルハウンド。
    黒い毛皮に包まれた子馬ほどの大きさの猟犬たちは、口元から炎の吐息をこぼしながら姿を現した。

    万全なら決して勝てない相手じゃない。
    ペーターの剣で抑え込んで、ジョッシュの弓のサポートを受けながら、私が魔法で一掃すれば。
    だけど、剣も弓もない。

    「俺が抑える」ペーターが乾いた声でつぶやきながら前に出る。「魔法で殺すんだ。確実に」

    硬く握った甲冑のガントレットを構えて、ペーターが駆け出した。
    一瞬迷うような間があって、ジョッシュもそれを追う。

    犬達が左右に分かれようと跳ぶが、ペーターはそのうちの一匹の頭を掴んだ。「やれ!」

    杖がないから、魔法が上手く収束しない。
    慌てて放った火線の魔法は、暴れるヘルハウンドを逸れて石床を焼いた。

    「前に出るんだ。あいつらは僕が抑える!」

    ジョッシュが叫ぶ。

    抑え込まれているヘルハウンドは一匹だけ。
    武器も持ってないのに、二匹のヘルハウンドを抑えられるわけない。
    そんなこと言えずに、わたしは震える足で前に出た。

  • 76新人冒険者22/11/25(金) 18:22:08

    すかさず私めがけて飛びかかってきたヘルハウンドの横腹に、ジョッシュが蹴りを入れる。
    そこにもう一匹のヘルハウンドが襲いかかる

    魔法、魔法を命中させる。命中させないと。もう魔力がない。絶対に外せない。

    ペーターが抑えてる頭に両手を近づけて、魔力を絞り出すようにして魔法を放った。
    火線がヘルハウンドの頭を熱で焼く。肉を焼く嫌なニオイと悲鳴。それでも魔力を絞り出す。

    「よし、次!」

    ペーターが二匹目のヘルハウンドに駆けていく。
    私をかばったジョッシュは、足と腹を噛みつかれて血まみれだった。

    ああ、だれか、だれか助けて!

    悲鳴を上げたくなるのを唇を噛んでこらえて、ペーターが後ろから抑え込んだヘルハウンドに駆け寄る。
    至近距離から魔法を食らわせる。
    目から頭の髄までを火線で焼かれた獣は激しく暴れて動かなくなった。

    「ぐぅ、ううう」

    私の魔法がペーターの腕や手を焼いてしまっているのに気付いても、謝ることも止めることもできない。
    魔法を途中で止めても消費した魔力は戻ってこない。殺し切るしかない。

    「ぐあああっ」

    最後の一匹がペーターに逆襲した。首の後ろを狙って飛びついてくる。
    首をちぎられるのは避けたけど、鎧の薄い部分を爪で裂かれて、鮮血が舞った。

  • 77新人冒険者22/11/25(金) 18:34:38

    たまらず石床の上にうつ伏せで転がったペーターの姿に絶望する。
    甲冑を着込んでいるるペーターに転倒は致命的だった。

    重い装備を立ち上がる間に……

    ヘルハウンドの紅く輝く双眸が私を睨めつける。舌なめずりをしているのが分かった。
    鎧を着込んでいない私を先にたいらげるつもりなのだ。

    魔法を当ててやる、当ててやるんだから。両手をヘルハウンドに向ける。
    でも、あいつに通じる攻撃魔法をあと一回撃てるだけの魔力しかない。外したら後がない。

    ヘルハウンドが石床を蹴った。

    「うわあああああああああ!!」

    その横腹に、血まみれのジョッシュが組み付く。
    すかさず牙がジョッシュの肩口に食い込む。炎が吐き出されると、肩が焼けただれて、悲鳴が上がった。

    やめて!!!!!!

    ジョッシュに噛みついたヘルハウンドの頭に、両手を押し付けて、火線の魔法を放った。
    欠けた頭からブレスの炎が爆発するように溢れて、私の両手が炎に巻かれる。

    私は悲鳴を上げながら必死にローブの端布と石床でぬぐって、火を消し終えて。
    それでようやく休憩所には静寂がる。

    ペーターはなんとか立ち上がることができたけど、ジョッシュはもう死んでいた。

  • 78アデル22/11/25(金) 18:53:48

    トビィさんの証言に寄ると、新人冒険者さんは三階の休憩所に置いてきたそうです。


    眠たくなるお薬の入ったお茶を飲ませて眠らせて、武器とお財布だけ盗んで、そのまま放置したんですか?って聞いたら、トビィさんは『なんで手口まで知ってるの?』って顔で驚愕してました。

    どうやら本当にわたしのこと覚えてない模様ですね。

    これはつまり、名前とか顔とか忘れるぐらい、たくさん同じことやってるってことです。


    これはひどい。


    ちなみに、こういうわるーい人間のきたなーい手口に関して、天使さんはノーコメントでした。

    というか腕をグイグイ引っ張られて、はよ!って雰囲気出してます。たぶんよく分かってないですねこれ。


    わたしもあんまり興味が無いので、とにかく急ぐの優先でトビィさんをグイグイ押して地下三階まで降りたところ。


    「ひっ……」

    「て、てめぇ!」


    休憩所にて、女の子の魔法使いちゃんと甲冑姿の戦士さんに遭遇することに成功しました。

    それとあと一人。残念ながらもう死体になっちゃっていました。


    天使さんは、怯えてる魔法使いちゃんと身構える戦士さんを悲しそうな目で見ると、そのまま彼らに近づいて。

    死体の傍で膝をついて、その髪を優しくを撫でました。


    一方わたしの最初の一手は、>>79


    ①戦士さんに、トビィさんを示して、騙されて置いていかれたのが事実かを確認する。

    ②魔法使いちゃんを、もう安全ですよ!って安心させる。

    ③天使さんに、死んじゃった冒険者を助ける方法がないか聞いてみる。

    ④その他(なんでも自由)

  • 79二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 20:18:02

    死に体の冒険者に肉か力を分け与えて仲間に出来ないか試してみる
    無理なら、
    近くの魔物を掃討しながら退路を開く姿を見せて行動で教義を見せつける

  • 80二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 20:40:15

    やはり強さ
    強さはすべてを解決する

  • 81二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 07:34:45

    保守

  • 82二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 16:39:09

    文章読みやすくて好き
    ほしゅ

  • 83二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 02:01:39

    面白い 定期的に読み返してる

  • 84二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 13:32:40

    ほす

  • 85アデル22/11/27(日) 13:44:40

    「お、おい、あんた達、いったい……なんだ? そいつの仲間じゃないんだろう? そいつは……」

    新人冒険者の男の人、戦士さんがトビィさんとわたし、それに天使さんを見比べて言う。
    うん、何の集団家わけ分かんないよね。わかるー。

    トビィさんは案内人、わたしはたまたまトビィさんにあなた達のことを聞いたので助けにきました!
    死んじゃった人はご愁傷さま、間に合わなくてごめんね!
    もう大丈夫だから地上に帰りましょう!

    「……帰れるの?」

    はい、もちろんです!(ニコニコ)

    これでとりあえずはよし! ちゃんと説明できたよね?
    あとは……あとは、天使さんだけど。
    天使さんが見下ろしている死体、男の人、死んじゃった冒険者さんを見下ろしている。

    死んじゃってるね。

    死んじゃったものを生き返らせる方法はない。
    蘇生の魔法、奇跡というのは、伝説とかでは聞くけれど、それが使える人が実在するって話は知らない。

    もしかしたら天使さんにはできるのかも、と、ちらりと思ったけれど、わたしは頼まなかった。
    わたしの理想、ご主人さまの理想は“弱肉強食”。戦いの中で命を失ったものを助けることは、しない。

    実のところ、天使さんがそれをできて、そうするなら止めるつもりはなかったんだけど。
    そうはしなかったのはちょっとだけ意外だった。

  • 86アデル22/11/27(日) 16:37:19

    天使さんは死んだ冒険者さんの躰をそっと両手で抱き上げた。

    そのまま持っていって弔ってあげるつもりなんだろう。

    冒険者さんたちが、ぎょって顔で彼女を見る。細い腕なのにすごいパワーだよね。分かる。


    「あの、ありがとう……ございます」


    おそるおそる、魔法使いの女の子が礼を口にすると、天使さんは小さく首を振って悲しげに微笑んだ。

    なんとなく伝えたい事は分かるだろうし、通訳する必要はないよね。たぶん。


    それじゃあ、地上に帰りますよ!


    片手に構えたニョロニョロ剣ちゃんを掲げて、高らかに宣言すると、のしのし階段へと向かう。

    戦士さんが、ぎょって顔でわたしを見る。

    ふふふ、モンスターが集まっちゃう、なに大声上げてんだこの女!とか思ってるんだよね。分かる。


    それこそ望むところ! わたしが華麗にモンスターを弱肉強食するところを見るがいい!!


    わたしは力強く戦闘を歩き始めた! dice1d4=1 (1)


    ①ビビッたモンスターは影も形も姿を現さなかったのであった……

    ②ちょこちょこ出てくるモンスターを瞬殺で終わっちゃった。

    ③血の匂いに惹かれたヘルハウンドたちが大挙して集まってきた模様!

    ④ゴリラ

  • 87アデル22/11/27(日) 16:51:23

    ダンジョン一階、地上へ続く階段の目の前。まっすぐに到着しました。あれ? モンスターは?

    「モンスターが一匹も出てこないんなんて……」
    「いや、通路をうろついてたのが、こっちを見るなり逃げていったのが見えたぞ」
    「えぇ……」

    そう、それ! これが強さです!! 強ければモンスターも逃げ出すってことですよ、えっへん!!!

    お、おぅ、みたいな顔で新人冒険者さんたちが頷いた。
    わたしつよいのに……。

    「……それより。そいつだ!」

    それよりって流された。

    あー、うん。トビィさんのことですね。
    ダンジョンから出る道すがら黙りこくっていた彼は、自分を呼ぶ新人冒険者に青ざめた顔を向ける。

    「そいつは俺たちをハメやがった。ジョッシュが死んだのもそいつのせいだ」

    言われてますよトビィさん!

    「わ、悪かった、目が眩んだんだよ。……金は返す。武器はもう売っちまったが、その分の金は渡す」

    しどろもどろにそう言うトビィさんの胸ぐらをつかんで、戦士さんが「ふざけるな」と怒鳴る。

    そこでわたしはナイスアイデアを投入しました。
    ここでトビィさんと新人冒険者さんたちがバトルして、勝ったほうが全財産ゲットするってことにしましょう!

  • 88二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 16:51:45

    流石ですアデルさん
    "力強く戦闘を歩き始めた"
    先頭の誤字なのかもしれないけどしっくりくる当て字だな

  • 89新人冒険者22/11/27(日) 18:41:29

    「ここでトビィさんと新人冒険者さんたちがバトルして、勝ったほうが全財産ゲットするってことにしましょう!」

    何を言い出すんだろう、このひとは。

    突然に休憩所にやってきて私たちを助けてくれた女性……というには、少し幼い雰囲気の、少女。
    血で汚れたドレスを着た、隻腕の、どこか怪物じみた雰囲気をもつ彼女は、素晴らしい思いつきと言わんばかりの笑顔。

    すぐに私たちが頷いて戦うと信じている様子で、トビィさんとわたし達の間を遮らないように一歩下がって。

    「それじゃ、よーいドンで、はじめてください!」

    なんて一方的に宣言した。

    焦ってペーターを見る。
    そうだ、武器。私たちは武器がないから戦えないはずで……

    ああ、このひと、ニコニコしながら手にした剣を投げ渡そうとしてる! いらない気がきく!!

    「こいつを……俺たちで」

    ペーターが呟いた。ジョッシュのかたき。

    そう、そうなんだ。
    わたし達は助かったけど、ジョッシュは死んじゃったんだ。
    ダンジョンで冒険者が死んだとき、責任を追求する法律なんてない。
    私たち以外は、私たちの財産を奪って、置き去りにした二人をだれも責めてくれない。

    ごくり、と喉が鳴った。

  • 90新人冒険者22/11/27(日) 18:51:41

    私は……私の魔力は、少し回復してる、一回分ぐらいは攻撃魔法を使う魔力は絞り出せる……

    うぅん、トビィさんは僧侶だから、ジョッシュみたいに組み付けば、ピーターにチャンスを作れる!
    もういっかい、今度は私が死ぬ気でがんばればやれる。やれるはず。

    目の前のトビィさんの目には怯えがある。そうだ、二人がかりだから、こちらが有利なんだ。
    いける。杖はないけど、杖なしで攻撃魔法を当てるコツを、私はもう知っている。
    どんなに暴れられても、殴られても、集中を切らさずに魔法をぶつけられる自信が、私にはある。

    それなら────!

    「待った、待ってくれ!」

    奇妙な少女から剣を手渡されそうになっていたピーターがそう叫んだ。
    戦いの合図は上がらなかった。

    「俺たちは戦わない。財産は……俺たちのぶんの財産を返すなら、許してやる」

    ペーターの言葉に、なんで、と言おうとして、顔を上げたらちょうど目があった。
    気遣うような眼差しに、自分がもしかしたらトビィさんに負けて、死ぬかもしれないってことを思い出す。

    膨らんでいた怒りとか、戦おうって熱がみるみるしぼんじゃう。

    「わかった、金は全部渡す。渡すから、許してくれ……」

    トビィさんは、小さな声で絞り出すようにそう言って、それで戦いはおしまいになった。

    私は、ホッとしていた。

  • 91アデル22/11/27(日) 21:47:51

    トビィさんがお財布を渡して、新人冒険者さんたちが受け取って、それでお開きになりました。

    あれ、なんか思ってたのと違う感じに……?

    モヤモヤしたならブン殴ってスッキリしよう!
    戦って勝てないなら、自分の弱さと向き合って、より強くなるのだ!!

    みたいなのを期待してたのに…… あっ、これもしかして、わたしのアピール不足的なやつ!?

    「……お……俺はこれで……行って、いいですかね。誓って、足を洗いますんで…………」

    おそるおそる問いかけてくるトビィさんに、イイデスヨーって生返事をしておく。
    トビィさんはダッシュで地上へ続く階段を駆け登って逃げていった。

    『良  か   っ た   で す』

    天使さんがホッとした顔でコメントしたので、わたしはソウデスネーと答えておいた。

    あ、テレパシーが聞こえてない冒険者さんたちがビクッとした。
    こっちの話ですよー。

    それにしても、やっぱり人間のってよく分からない。

    こういう時こそ腕力に物を言わせたほうがスッキリするよね!って善意から提案したのに。
    いえ、そこからの、ご主人様の教えをちゃっかり布教しようとしたことは認めますけれども。

  • 92アデル22/11/27(日) 21:50:50

    というわけで、新人冒険者さんたちともお別れのタイミング。

    わたしと天使さん、普通にダンジョンから出ていったら門を守ってる衛兵さんにメチャクチャ止められるし。


    ただでさえ、王城から脱出したばっかりだし、揉め事はゴメンなのです。


    「あー、あの、どうも……ありがとうございました」

    「……お二人のこと、聞かない方がいい……ん、ですよね……?」


    そんな説明を聞いた戦士さんと魔法使いさんから、微妙な感じで別れの言葉(?)を伝えられる。

    死んじゃった冒険者さんは、戦士さんが墓地まで連れて行くと、天使さんから受け渡されることになった。


    わたしから、新人冒険者さん達に送る言葉は…… >>93


    ①お二人共わたしが鍛えてあげましょう!

    ②ところで、お礼金とかもらえないかな……なんて(チラッチラッ)

    ③わたしの名前はアデル! 正義の冒険者です!! 街で今回の活躍の宣伝をぜひお願いします!!!

    ④またねー(特になし)

    ⑤その他(なんかすごいアイデアが思いついたらこれで!)

  • 93二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 09:46:18

    ②でお願いします!

  • 94アデル22/11/28(月) 21:42:50

    ところで、お礼金とかもらえないかな~~~~~~~……な~んて、ねっ!(チラッチラッ)

    「……えっ」
    「え?」
    『え  っ      ?』

    いやいやいやいやわたしも決してお金の亡者というわけじゃないのですけれどもむしろお金とはもっとも縁遠い世界に生きていると言っても過言じゃありませんしかしわたしの本来の目的というかやりたかったことが頓挫した感じであまり活躍の場もありませんでしたしせめてお金を手に入れることで選択肢を増やしたいなとかいえこれは新人冒険者さんたちに対してただ助けられるだけじゃダメで貸し借りなしというかタダより高いものはないよ!っていう大事なことを教えるためのレッスンというか弱肉強食の世界ではただただ助けられる存在はなにも得られないのですだからお金という形で分かりやすくお返しすることで気持ちよくスタートを切れる的なそんな大金はいらないですお気持ちだけホント

    「あっはい」
    「はい」
    『は な   し   な   が い  よ く   わ   か ら   な  い』

    新人冒険者さんたちは、苦笑いのような気が抜けたような表情を浮かべると、顔を見合わせました。
    お財布から頂いた礼金の額は宿代にして二日分ぐらいでしたけど。

    「すいません。これで勘弁してください。
     ……残った金で武器を買って、また稼いだら、足りなかった分も払いますんで」

    戦士さんは清々しい笑顔でそう約束してくれました。
    うんうん、よかった! そういってくれると嬉しいです!! もっと強くなれ!!!

  • 95アデル22/11/28(月) 21:51:34

    それはそうとして去り際に、魔法使いさんにアドバイスを受けてしまった。

    「その、それより……その格好。街で買い物したいなら、着替えたほうがいいですよ。
     ぜったい兵士に呼び止められますし」

    そうして階段を登って去っていった新人冒険者さんを前に、残されたわたしと天使さん。

    えっ、そんなに?
    そういえば血まみれのドレスのまんまだったけど。
    いえいえTPO的にあんまり街を歩くのに向いてないやつだよね。知ってますし!

    戦ってたらすぐズタズタになって使い物にならないから服の存在忘れがちなだけです。

    『ち  ゃ ん   と し  た の  着  よ   う   ?』

    ほっといたら全裸だった天使さんに言われると衝撃なんですけど。
    いえ、たしかに今は、男性モノとはいえ、上着にズボンも履いてるので常識度高いですけど。

    いえいえ、その白くてフワッフワの羽根の方が目立ちますし!

    あっ、羽根しまうのずるい! 完全にふつうの美人さんじゃないですか!!
    いえいえ、いえいえいえ、ちょっとおっぱいが上着の下から存在を主張しすぎてますよね!

    これはぜったい目立ちます! おっぱい罪で兵士に捕まりますよ!!

  • 96アデル22/11/28(月) 21:59:48

    さてさて、陽が昇る前に地上へと戻りました。

    もちろん、ダンジョンの門を守る兵士さんに見つからないように、そーっと隠れて。


    わたしはとても記憶力がいいので、元の目的を忘れてはいません。


    そう、まずは宿で一休みして、次に天使さんと城下町で美味しいものを食べる!


    さいわいお金はすでに揃えてます。

    服はまぁ、なんか下町から侵入して、古着屋か何かで買いましょう。

    深夜に営業してる店とかないですけど。こう、ちょっとムリ言って開けてもらいましょう。


    『め    い わ く  か  け  て は だ   め よ ?』


    大丈夫です。街の中では殺しはしません。

    なにしろわたしは人間です。人間らしくヒトの街に溶け込んで活動するのも余裕なのです。


    dice1d3=1 (1)


    ①一時間後、兵士の詰め所の地下にある牢にわたしの姿が!

    ②一時間後、チンピラの衣装に身を包み、チンピラの巣窟を占拠したわたしの姿が!

    ③一時間後、カジュアルな衣装に身を包み、宿にチェックインしたわたしの姿が!

  • 97アデル22/11/28(月) 22:12:06

    よーし、ここの服屋にしましょうか。
    もしもーし、開けてくださーい! 開けて!くださーい!! 開けないと!こじ開けますよ!!

    あっ、すいませんお騒がせして、この服屋さんが開けてくれたらすぐに静かにしますので。
    すぐに開けちゃいますからもう大丈夫です。
    いえいえこの剣で扉を壊すわけじゃなくてですね、こう、スキマから入って鍵を開ける感じで──

    えっ兵士さんなんですか夜遅くまでお疲れ様です。

    いえ待ってください、わたしはあくまで服をお金で買おうとしているだけの善良な市民で。
    この血はあくまでわたしの血です大丈夫。
    あっキズはもう塞がってるので心配しなくていいですよ?
    きゃっ、ダメですダメですそんなに見たら! 女の子のお肌をじっと見るなんてエッチな兵士さんですか?

    はっ? デーモン? ちょっとそれはいただけませんねわたしのどこがデーモンですか!

    デーモンというのは大きくて立派で、それでいて揺るぎない精神を持つ完全な存在であるべきで──
    えっちょ、手枷とか酷くないですか!? あくまで話し合いで説明しようとしてるのに!
    べつにとって喰ったりしないですからいちいち槍の穂先向けないでください!!

    あっ、ニョロニョロ剣ちゃん、ステイ! 威嚇しない!!
    この子はあくまでご主人さま思いなだけでとっても良い子なんです。ほら、おすわり! ねっ?

    はいはい、行きます行きます! 話せばすぐ分かりますから!!
    そしてそうなったら、あなたたちは罪なきものを捕らえた罪の意識で涙することでしょう!!!

    あっ、天使さん、見送らないで! 迷子になっちゃいますから!!

  • 98アデル22/11/28(月) 22:21:43

    わたしの一番得意なこと(戦い)を封じたら、わずか一時間で牢屋に入れられちゃいました。

    うまくいくと思ったのですけれども。解せません。
    やはり人間の世界って、わたしには合ってないのでは……?

    いえいえ、こんなことでくじけてはいけません。
    幸い、天使さんは兵士の詰め所の方で待ってるようなので、うまく誤解を解けば大手を振って街を歩けるはず!
    (ついてきたお姉さんが心配してるぞとか言われました。その姉妹設定どこから出てきたんですか?)

    「いや、マジでお嬢ちゃん、何者なんだよ……」

    日差し差し込む取調室で、渋面のベテランっぽい兵士さんを前に、わたしが口にした説得の言葉とは?

    ①正直こそ美徳! わたしの目的を正直に語りましょう!
    ②ここは知恵を使います! わたしは呪いでデーモンっぽくされた不幸な旅人の娘なのです!!
    ③ここはコネを使います! この国の第二王子さんが身元保証人です。わたしは彼の客人なのです!!
    ④ここはパワーを使います! 壁をぶち抜いて脱出しちゃいましょう!! 街のことは諦めました!!!
    ④その他(なにかアイデアがあったらこちらで!)

  • 99二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 22:23:05

    (安価忘れた!ここより下のコメントで最初に番号指定してくれた方ということで)
    (いつも保守してくれる方ありがとうございます。ご期待に添えるようにがんばります)

  • 100二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 23:57:00

    暴力で逃げようと一瞬思うものの、取り調べの定番であるカツ丼(的なこの国の肉料理)を出されてホクホク顔で正直に全部話す
    天使様も一緒に食べようね🤗

  • 101二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 09:07:32

    ほす

  • 102アデル22/11/29(火) 18:51:02

    「いやあのね、君が自分を人間だと主張するのは分かったけど、それを確認する方法がないのよ」

    というのは、わたしの事情聴取を受け持つことになった年嵩の兵士さんの主張。
    わたしがモンスターっぽいので、住民の安全を守るためにも、安全が確認できないと街には放せないと。

    「そもそも、深夜に店の扉をガンガン叩いて、ついでに不法侵入しようとしてたんだって?」

    それは不法侵入じゃなくて、ちょっと強めに服を売ってもらおうとしてただけです!
    だってほら、この服! 固まった血の色で汚れてるでしょ? こんな服装で平気で街を歩けません! 
    ほら、あちこち破れてますし……
    あっほら、今、兵士さんもエッチな目で見てましたよね? つまりそういうことですよ!!
    女の子的にピンチ! だから緊急避難として、急ぎ新しい服を必要としていたのです!

    「いやおじさんはもうちょっと大人の女性のほうが好みだなぁ」

    よしここはパワーを使いましょう!
    たった今すごく壁とかぶち抜きたくなりました!!

    「とはいえ、寒そうだから代わりの服は用意したよ」

    くっ、服ぐらいでこの怒りが静まりませんよ?

    「それにもう長い時間突き合わせてるから、夜食ぐらいならご馳走するよ」

    仕方ないですね……もうちょっと付き合ってあげます。
    あっ、わたしにご馳走するなら、いっしょにいた、えーと……お姉さん?の人にもあげてください。

  • 103アデル22/11/29(火) 22:51:04

    サクッと油で素早く揚げた豚肉を、じっくり出汁を染み込ませたタマゴとネギで綴じて。
    薄目の塩味だけの味付けで炊いたライスをたっぷり盛った上にのせて食べる。

    これが、カツドゥーン!

    『お  い し    い    で す』

    そうでしょうそうでしょう。
    わたしも久しぶりに食べましたけど美味しいですよねカツドゥーン。

    これ最近流行りの料理ですから、天使さんが外にいた頃にはなかったはずです。
    王都の数少ないいいところって、新しい美味しい料理がバンバン出てくるところですからね!

    「その王都を守っている兵士さんが目の前にいるんで、あんまりひどいこと言わないで欲しいなぁ」

    でもわたしのこと捕まえてるじゃないですか。自由バンザイ。不当な拘束ハンターイ。

    「ところで、天使さんってなに?」

    この方のことですよ。
    あ、夢中になって食事されてるご様子なので詳しくは後でお願いします。

    わたしも今から夢中になってお食事しまうs。

    「はいはい。喉に詰まらせないようにね」

    カツドゥーン美味しいです。長いこと空っぽだったお腹にしみます。
    ちゃんとライスに合う渋い系のお茶を添えるとは、この兵士さんなかなかやりますね。

  • 104アデル22/11/29(火) 23:06:30

    カツドゥーン食べておなかがいっぱいになったので、メチャクチャ話しました。

    要約するとこんな感じで。

    ・わたしは偉大なるデーモンの領主様からの命でその教えを人に広めるために遣わされた所有物です!
    ・危険人物として手配されてたけど、騎士団に剣向けられたので返り討ちにしただけです!
    ・この前、その騎士団にリベンジされてボコボコにされてお咎めなしになりました!
    ・この方はお城に迷い込んだ時に会った天使さんです!
    ・色々あってお城で倒壊事故があったのでドサクサで城下町に連れてきました!
    ・せっかくなので美味しいご飯でも食べさせてあげる予定です!

    「……………………俺はその話の後半は聞かなかった。
     その方は、お前の姉なんだね。うんうん、お姉さんに街を案内するなんて良い妹さんだ」

    ええー。

    「いや待て、そもそも前半も聞かなかったことにしたいんだが……。
     確かに手配の件は聞いてるんだが。手配が取り消しになってることも。話は合うんだよな」

    それじゃぜんぶ聞かなかったことになるじゃないですか!?

    「そうか、君は田舎のよくわからない神の教えを広めに来た、お上りさんだったのか」

    存在しないわたしの話が捏造されていく……!

    「うん、お上が危険じゃないと判断したのなら、国の一兵士には止める理由はないんだ。
     でも俺は関わりたくない。帽子を教会関係者の前で脱がないでいてくれるなら黙っておくから」

    そんな感じで無罪放免になりました。

  • 105二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 23:15:53

    アデルちゃん≠シティガール
    アデルちゃん≒田舎っぺ

  • 106アデル22/11/30(水) 00:18:14

    というわけで、なんか色々と捏造されちゃいました。

    わたしと天使さんは、田舎から上京してきた世間知らずの姉妹として兵士の詰め所を後にすることに。


    ちょっと老け込んだ感じのベテラン兵士さんから、くれぐれも荒ごとを起こさないようにとお願いされました。


    もちろんですとも。帽子とワンピースを頂きましたし。


    魔力を活性化して紋様を光らせたりしない限りは、わたしのことを人間じゃないと勘違いする人もいないでしょう。

    なぜか天使さんがわたしのこと後ろから抱っこしてきて大丈夫ですよ感を放ってくるのが遺憾です。

    さてはお姉さん呼ばわりされたから、保護者の使命に目覚めましたね?


    それならば、わたしは手のかからないデキる妹キャラを演じるとしましょう。

    手がかかるのは天使さんの方だってことを思い知らせてあげますとも。


    というわけで、まだ陽が昇ってないので、いったん宿のお部屋で寝ちゃいますか。


    例のベテラン兵士さんが、この時間でも泊めてくれる宿を教えてくれたんですよ。デキる兵士さんです。


    お、けっこういい宿ですよここ!

    カラダ拭くのにお湯出してくれるそうです!


    は? お風呂? そんなの部屋に持ってるのは王侯貴族か大商人だけです甘えんな!!


    それじゃ、おやすみなさーい…… dice1d3=2 (2)


    ①ちゃんと朝に起きたぞ!

    ②うーんぐっすり寝ちゃったらお昼になってた……

    ③早朝に寝る→夕方に起きるのコンボが成立しちゃったんですが!

  • 107アデル22/11/30(水) 00:30:49

    カーテンの隙間から差し込む日差しの眩しさに、思わず目を覚ましましたら、もう昼!


    窓を開けると賑やかに通りを歩く人々の喧騒が聞こえてきます。

    うーん、快晴。


    もぞもぞと自分のベッドから、寝ぼすけの天使さんがモゾモゾと這い出してきました。

    服を着てないことには突っ込みません。男物の窮屈な服だし。

    でも、白い大きな羽根が背中から飛び出してるのは、部屋に羽毛が飛び散るのでやめましょう。


    窓から身を乗り出しちゃだめです。二重にダメです。

    ゆっさゆっさ出てるモノが見えちゃいますし。ばっさばっさ出てるモノも見えちゃいます。


    窓を閉じて、服を着せてから、あと顔を洗わせて、とりあえず準備完了!

    宿をチェックアウトして、街を散策しよう!>>108


    ①このまま屋台を中心に通りを散策しましょう!

    ②男物の服のまんまだと目立つし、天使さんにもちゃんと服を買ってあげましょう!

    ③お金たくさんあるので、お高い店に昼食を食べに行きましょう!

    ④その他(なにかアイデアがあったらこれ)

  • 108二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 00:57:02


    アデルちゃんのファッションセンスチェックのお時間だ

  • 109二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 07:54:48

    保守

  • 110二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 12:26:29

    アデルちゃん冒険者として独立してたくらいだからと最初は10代後半~二十歳そこそこくらいでイメージしてたけどもしかして結構幼いのね

  • 111二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 22:23:56

    テンポがよくて好き
    ギャグに力入ってて面白い

  • 112アデル22/12/01(木) 00:38:23

    服飾店『ベルース』
    王都の一等地に店を構える服飾店。
    豪華にも透明度の高い硝子の嵌め込まれた窓からは、店内が覗けるように工夫がされている。
    そこには色とりどりの衣装でで飾られてマネキンが並んでその美しさを競い合う。
    奥に見える店内には、上品な衣装で飾って上品な客達が、教育の行き届いた一流の店員たちの案内で服を選んでいる。

    王都の女子なら誰もが憧れる、いわばオシャレの殿堂なのですよ。

    冒険者をやっていた時、この店を通りからちらりと見ては溜息を吐いていたのがわたしです。
    だって当時のわたしは貧困を極めていましたし。稼いでも稼いでも、借金取りにお金を持っていかれるばかり。
    だれに頼れるものもなく、着飾る相手を作ろうなんて余裕もなく…………

    今となってはなにもかも、すごく昔のことのように感じます。

    というわけで、そういうのぜんぶなくなって、お金の貯蓄なんて概念もなくなったわたしは思ったのです。
    せっかくだし一回ぐらいこの店入ってみよう! と!!

    まぁわたしはほら、兵士さんからもらった服あるからいらないですけどね!どうせ似合わないですし!!

    でも天使さんなら!
    わたしから見ても超がつく美人さんだから、こういう店の服こそ似合うと思うわけですよ。
    そんな考えから、天使さんの腕を引いて、ついにわたしはベルースの店舗の中へと足を踏み入れたのでした!
    ────決して天使さんを盾にして入ってみただけじゃありません。ちがいます。

    「まぁ! 透けるような白磁の肌に、黄金の滝のような柔らかな髪、整った鼻梁に浮かぶ表情のなんという可憐さ!!
     貴女は神のおわす地より気まぐれに舞い降りた天使様、いいえ、女神にちがいないわ。
     どうかこの私に、店の案内をさせてくださいませ!
     貴女の美しさを、そのような粗野な衣装の中に閉じ込めておくのは、美への冒涜にほかなりませんわ!!」

    一瞬で美しく着飾ったハイセンスな男性店員さんに補足されました。ひぃ。

  • 113アデル22/12/01(木) 00:40:26

    天使さんは、店員さんが片膝をついて訴えかけてきたるのに、にこにこしながら頷いて手のひらを差し出しました。
    店員さんは宝石を受けとったかのように目を輝かせて頬を紅潮させると、感動に潤んだ目で感謝の言葉を発してます。

    「今すぐVIP用のフィッティングルームを一つ空けて。最高の服を集めるの。直しの道具も揃えるように」
    「オ、オーナー……畏まりました!」

    しかも店員さんじゃなくてオーナーだった模様。

    オーナーさん、口調は女性っぽいというか、いわゆるオネエってやつです。
    鼻筋の通った精悍な顔立ちを、化粧で美しく飾っていて、耳にはピアスがきらめいている。
    頭頂から爪先まで、皺一つのないジャケット、ズボンで揃えていて。ピンと張り詰めるような背筋の立ち姿がかっこいい。

    「あなたは……?」

    妹です。姉の服を買いにここに案内しました。

    「でかしたわ! 最高のドレスを贈ってあげる。お姉さんの服が決まってからね」

    いえドレスはいらないです。姉の服だけで。

    「そう……? 遠慮なら必要ないわよ?」

    いえいえ、着る機会がないので。
    せっかく作ってもらっても、すぐにダメにしちゃうので。もったいないです。

    『つ く    て  も ら   っ た   ら ?』

    天使さんが、わたしの残ってる方の腕に手をおいて、部屋に飾られたドレスを手のひらで示す。
    うーん、そりゃまぁ、昔はねー。そういうのにも興味ありましたけどねー。
    ねー。

  • 114アデル22/12/01(木) 00:51:07

    王族が使うそれみたいな、ずらりと衣装が並んだフィッティングルーム。


    わたしの知ってる試着室って、防具を売ってるお店にある、雑なボロ布で隠しただけの、スケベな店主がちらちら覗いてくるやつだけなので、広々とした一室まるごとというのはちょっと理解が追いつかない。


    ここにある服はぜんぶ天使さんが選ぶために持ってこられたらしいですよ。


    『ど  れ    が   に あ  う    と     お   も う  ?』


    天使さんは、楽しそうに壁際に並べられた衣装を見めている。

    そういえば天使さん、王族といっしょに暮らしてた時期もあったんでしたっけ。

    こういうのもなれっこだったりするのかな? うーん、単に物怖じしない性格なだけかも?


    「妹さんも、縮こまってないでいらっしゃい。いっしょにお姉さんを着飾ってあげましょう?」


    わー、オーナーさんイケメン。

    なんかビビってると思われるのも悔しいので、わたしも気合を入れて、衣装の列へと飛び込むのでした。


    こうして完成した天使さんの街歩き用のファッションとは……!(100ほど高い)


    派手さ(アデル「普段着にしたいのであんまり目立たないやつで」) dice=1d100

    センス(店員さん「美しさを隠すのは罪だわ」) dice=1d100

    露出(天使さん「しめつけるのきゅうくつですいやです(意訳)」) dice=1d100

  • 115アデル22/12/01(木) 00:53:07

    (判定ダイスまちがえました!やり直し!そして判定結果の続きは明日です!)

    (アデルちゃんはお父さんの借金で冒険者させられてる関係上、十代中頃~後半なイメージになってます!)


    派手さ(アデル「普段着にしたいのであんまり目立たないやつで」) dice1d100=43 (43)


    センス(店員さん「美しさを隠すのは罪だわ」) dice1d100=78 (78)


    露出(天使さん「しめつけるのきゅうくつですいやです(意訳)」) dice1d100=7 (7)

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