- 1GM21/10/26(火) 23:36:35
本スレ
ここだけダンジョンがある世界の掲示板 第279層|あにまん掲示板前スレhttps://bbs.animanch.com/board/124067/設定スレhttps://bbs.animanch.com/board/112651/姉妹スレhttps://bbs.a…bbs.animanch.com前スレ
ここだけダンジョンがある世界の掲示板ダンジョン攻略スレ 第89層|あにまん掲示板本スレ省略前スレhttps://bbs.animanch.com/board/124426/攻略イベント『永遠なるセレネリオス』難易度 S+~(詳細不明)報酬 500万G~集合場所 セレネリオス…bbs.animanch.com攻略イベント『永遠なるセレネリオス』
難易度 S+~(詳細不明)
報酬 500万G~
集合場所 セレネリオス首都『セレネポリス』
→近郊の遺跡にある祭壇の銀貨へ触れることで途中参加可能(そういうRPです)
《あらすじ》
セレネリオスの歴史調査に当たっていた学院の一団と、同行していたギルド所属の冒険者「竜血喰らい」が突如として行方不明になった──────
事態を重く見た学院と冒険者ギルドは連携し、各捜索隊をセレネリオスへと派遣する。
しかし、これは『文字通り』歴史を揺るがす大事件の前触れに過ぎなかったのである。
2021年10月25日 20:00開催予定
書き込みの方針は以下でお願いします
何もなし or ※付き →メタ会話
「」→セリフ
()→心情
【】→状況描写
※《戦闘開始》の表記が出るまで攻撃行動はお控えください
エピローグ
- 2鋼鉄腕21/10/26(火) 23:38:24
たて乙
- 3氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:38:59
立てありです!
りんご渡したけどこれ過去書き変わったら新種じゃなくなる…? - 4仟ゴゼン21/10/26(火) 23:39:04
たておつです
- 5放浪魔術師21/10/26(火) 23:39:14
立て乙です!
「…む?ここは…」
【再びの意識の喪失。彼は時の揺らぎに身を任せ眠り、何者かの声で意識を取り戻す】 - 6鬼神娘21/10/26(火) 23:39:20
- 7能天気21/10/26(火) 23:39:39
いちおつです
「ありがとうございました! さようなら!」
【光に包まれるとき安らいだような気持ちになりながら……そっと意識が落ちる。あたかも光と一体化したように】 - 8〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:40:14
【起きる。蔦でぐるぐる巻になっている。森術士だけ】
「…ぼくで遊ばないでください」
【生きる森は渾身のドヤ顔をしている】 - 9〈火薬庫〉21/10/26(火) 23:40:23
立て乙です。
火薬庫「ん……ここは?」
炎術師「……祭壇前ですかぁ?」
魔術少年「とても……長い夢を見ていたような」 - 10雷精竜21/10/26(火) 23:40:45
【目覚める】
「おはよう、皆揃っているか?」 - 11〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:40:54
栽培失敗して種だけ残ってるとか…
- 12鋼鉄腕21/10/26(火) 23:40:59
夢ならば どれほど 良かったでしょう
- 13GM 捜索隊案内係?21/10/26(火) 23:41:10
- 14転換21/10/26(火) 23:41:18
たて乙です
【なにか悪い夢を見ている】
「───うるせえっつってんだろお客様まずアンタに足りないのは成長期だ流石にケンタウロスの想い人相手にその体格じゃ変身以前の…………ハッ!?」 - 15鋼鉄腕21/10/26(火) 23:41:20
「ぬ……」
- 16魔剣使いたち21/10/26(火) 23:41:33
【声で起きる】
魔剣使い「おはようございます…」
悪魔「ふわぁ」
小天使【ふわふわ】 - 17氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:41:34
「う~ん…あのピカーッ!!には慣れませんね」
【起き上がる】
「りんごは…ない!ブローチは…ある!!」
【ちゃんとりんごを渡せたことが嬉しいらしい】 - 18変身新人少女21/10/26(火) 23:41:47
「ええと、帰ってこれたんですかね?」
- 19鋼鉄腕21/10/26(火) 23:41:53
「…………慰安?」
- 20仟ゴゼン21/10/26(火) 23:42:12
「むッッッ!!!朝のようだ!!」
「慰安旅行だと…?」 - 21氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:42:18
- 22鬼神娘21/10/26(火) 23:42:21
- 23ギルド研究者21/10/26(火) 23:42:26
「…ん?あれ?なんかおかしい?」
【起きてすぐ、異変に気づく。しかし警戒0】 - 24魔剣使いたち21/10/26(火) 23:42:29
- 25嵐のお嬢様21/10/26(火) 23:42:43
「……おっと、世界線が変わったようですわね?さて破滅の世界でなければよいのですが!」
【ふっと起き上がる】 - 26〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:42:50
やっぱり過去改変してるじゃないか!
- 27GM 捜索隊案内係?21/10/26(火) 23:42:51
- 28氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:43:27
(慰安旅行…?思い当たるのは過去のセレネポリスしか無いんですが…)
- 29魔剣使いたち21/10/26(火) 23:43:39
- 30魔剣使いたち21/10/26(火) 23:44:06
小天使「ここどこ?」
- 31氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:44:07
「すみません…え?砂漠なのに川!?川あるんですか!?」
- 32〈火薬庫〉21/10/26(火) 23:44:09
「おかしい。それはもう暑かったはず」
炎「かなり暑かったはずですぅ」
魔「危うく干からびるほどの暑さのはず」 - 33詩謳う御子21/10/26(火) 23:44:18
新スレ立てお疲れ様でございました
「んんんー?」
「マナフ・ピラ、応答を。世界座標を送信せよ」
【情報が送信される】
「一種の蒸着のようなものでございますかね……?」 - 34放浪魔術師21/10/26(火) 23:44:51
「慰安、か。これは済まない事をしたな…ええと、なんと言ったか?少し寝ざめがな。」
【身を起こしながら感じる、深く親和したが故に分かる僅かな感覚。この風は、風が巻き上げるこの砂は、砂の下に感じるこの水気は、無遠慮に身を登ろうとするこの虫は…】
「…私にとっては短い別れだったな。だが…また来たぞ、永遠なるセレネリオスよ」
【魔術師は、微笑み呟いた】
- 35転換21/10/26(火) 23:44:59
「慰安と言うには刺激的すぎた記憶があるが」
【傷は癒えども、限界を超えた疲労感や神格の力を振るった実感などはありありと思い出せる】 - 36仟ゴゼン21/10/26(火) 23:45:06
「川……成る程?」
- 37鬼神娘21/10/26(火) 23:45:18
- 38魔剣使いたち21/10/26(火) 23:45:20
悪魔「龍脈がまだ残っていたからかねえ」
- 39ギルド研究者21/10/26(火) 23:45:24
- 40GM 捜索隊案内係?21/10/26(火) 23:46:01
- 41生きる森21/10/26(火) 23:46:01
- 42能天気21/10/26(火) 23:47:12
「って、えぇー!?」
【驚きのあまりすっとんきょうな声が出る】 - 43〈火薬庫〉21/10/26(火) 23:47:13
「……よし、歴史が変わったかもしれないが、それは誰も知らないようだ。
ギルドのみんなには内緒だよ?」 - 44変身新人少女21/10/26(火) 23:47:19
- 45魔剣使いたち21/10/26(火) 23:47:30
魔剣使い「やっぱり…」
- 46ギルド研究者21/10/26(火) 23:47:38
- 47嵐のお嬢様21/10/26(火) 23:47:55
- 48GM 竜血喰らい21/10/26(火) 23:48:05
- 49魔剣使いたち21/10/26(火) 23:48:11
悪魔「証明できるヤツは少なそうだし、信用されねえと思う」
- 50氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:48:13
- 51鬼神娘21/10/26(火) 23:48:15
- 52転換21/10/26(火) 23:48:59
- 53〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:49:25
- 54魔剣使いたち21/10/26(火) 23:49:27
【向かう】
- 55氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:49:42
『よく分かりませんけど…転換さん悪い事してないし…』
- 56放浪魔術師21/10/26(火) 23:49:44
- 57二次元好きの匿名さん21/10/26(火) 23:49:46
このレスは削除されています
- 58嵐のお嬢様21/10/26(火) 23:49:58
- 59氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:50:39
- 60仟ゴゼン21/10/26(火) 23:50:41
- 61放浪魔術師21/10/26(火) 23:50:44
【軽い足取りで、しかし足早に向かう】
- 62〈火薬庫〉21/10/26(火) 23:51:01
- 63鬼神娘21/10/26(火) 23:51:09
- 64詩謳う御子21/10/26(火) 23:51:10
- 65〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:51:23
【やっと開放された】
「いったい何でしょう…」 - 66GM 竜血喰らい21/10/26(火) 23:51:30
- 67放浪魔術師21/10/26(火) 23:52:28
- 68魔剣使いたち21/10/26(火) 23:52:35
- 69氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:52:49
- 70〈火薬庫〉21/10/26(火) 23:53:03
- 71能天気21/10/26(火) 23:53:25
- 72魔剣使いたち21/10/26(火) 23:53:27
- 73GM 竜血喰らい21/10/26(火) 23:53:32
- 74〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:53:49
【神職ぶりっこを思い出してはずか死】
- 75〈火薬庫〉21/10/26(火) 23:54:00
お疲れ様でしたー。
- 76鬼神娘21/10/26(火) 23:54:12
- 77魔剣使いたち21/10/26(火) 23:54:20
- 78氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:54:45
- 79〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:54:52
お疲れ様でした。
範囲回復と森林火災(使用後発狂確定)を習得したぜ - 80ギルド研究者21/10/26(火) 23:54:57
【眼鏡らしきものをかけた結晶を周囲に生やす男と、空を飛ぶ竜人に似た絵を見て真っ青な顔で倒れた】
お疲れ様でした - 81鬼神娘21/10/26(火) 23:54:57
お疲れ様でした。楽しい時間をありがとうございました!
- 82氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:54:59
お疲れさまでしたー!
- 83雷精竜21/10/26(火) 23:55:03
- 84仟ゴゼン21/10/26(火) 23:55:22
お疲れ様でした!
- 85〈ツッコミ担当〉森術士21/10/26(火) 23:55:30
- 86放浪魔術師21/10/26(火) 23:55:48
- 87GM 21/10/26(火) 23:55:51
- 88転換21/10/26(火) 23:56:03
- 89雷精竜21/10/26(火) 23:56:21
- 90〈火薬庫〉21/10/26(火) 23:56:42
- 91嵐のお嬢様21/10/26(火) 23:57:05
お疲れ様でしたわー!大長編に参加させて頂きありがとうございますわー!とても楽しかったですわー!……これは報酬金はなしですわねー!?
「……これから私の刻む伝説は増えていきますが、そのうちの1つとしてはまぁ及第点ですわね!」
- 92放浪魔術師21/10/26(火) 23:57:43
- 93仟ゴゼン21/10/26(火) 23:58:23
お疲れ様でしたー!
- 94氷結りんご(村娘)21/10/26(火) 23:58:38
- 95変身新人少女21/10/26(火) 23:58:54
- 96GM 21/10/26(火) 23:59:09
報酬金は…おそらく出ます。
学院長などは気づくことでしょう…そしてこっそり支払われるはずです。
そして忘れてましたが、
ようこそ。『太陽と月の国、セレネリオス』へ! - 97鬼神娘21/10/26(火) 23:59:10
お疲れ様でした!今回のクエストに参加できてよかったです。鬼神娘もめっちゃ強くなりました!
- 98ギルド研究者21/10/26(火) 23:59:37
【ヨロヨロと起き上がり、不死鳥に吹き飛ばされた時より遥かに弱々しい声で呟いた】
「どうか、今回の件は内密に頼みますぅ〜…」
お疲れ様でした。初日ちょっと早めに落ちてしまいすみませんでした。楽しかったです
- 99詩謳う御子21/10/26(火) 23:59:52
お疲れ様でございました!
大長編、ハラハラもいたしましたがとても楽しかったです。
ありがとうございました!
ちなみに御子は時間遡行して星を救った伝説を聞いて育ったので、実は歴史改変にはそこまで拒否感ない人 - 100〈ツッコミ担当〉森術士21/10/27(水) 00:00:07
あとお焚き上げ参加してくれた人、ありがとうございました。満足。
- 101魔剣使い21/10/27(水) 00:00:24
- 102転換21/10/27(水) 00:01:12
- 103仟ゴゼン21/10/27(水) 00:02:20
「さて……歴史通りならば……!」
【ぐっと腕を高く上げる】
「……!!」
「行くかッッッ!!!再び【あの出会いの地】に!!」
「そこにアイツは居る筈だッッッ!!!」 - 104鬼神娘21/10/27(水) 00:03:50
- 105GM 21/10/27(水) 00:05:16
- 106変身新人少女21/10/27(水) 00:05:57
- 107放浪魔術師21/10/27(水) 00:06:49
【掲示板画面を弄り、パンドラと連絡を取っている放浪魔術師。
しばしあれこれ確認や話をし、問題なくひと段落ついたのかほっと息をつく】
「土産話にたっぷりの土産を…
と言っても先ずはこれについて知らねばな。さてどのように伝わっている事やら。」
【楽し気な声で呟き、博物館を歩き回る魔術師】
「…そうだ、この壁画ポストカードを1セット頂きたい。ああ、全英雄分だ。」 - 108〈春風〉21/10/27(水) 00:07:01
- 109氷結りんご(村娘)21/10/27(水) 00:07:05
「私はりんごが育ってるのか気になります!!育ってるかなぁ?」【ソワソワして駆け出す】
- 110魔剣使いたち21/10/27(水) 00:08:32
【博物館を見学して帰る】
- 111冥王21/10/27(水) 00:08:49
【冥界】
【死の王は罪人を裁く手をとめ、白い本を開く。ふと目を向ければ、そこには黒衣の幼子達】
「おかあさま?」
「おむかえです」
【死の王は微笑み、1つの名に目を落とした後、白い本を閉じる】
【あれから時が立った。与えられた無の永遠に始めは悲しみもした。怒ることもあった。ついには絶望すら消え失せた。そして―】
「なんでもないのよ、娘達。さあ、いってきなさい」
【無罰は終わらない。いまだに生まれ変わる事もなく、死ぬこともない。】
【あまりに長い時に無になったそれに、ある時差し出された、お揃いの黒衣】
【かつてホルコスと呼ばれた"死の王の娘"は夜へと消えていく。永遠に続く営みのための、正しい終わりをセレネリオスに運ぶために】
無情過ぎるのも後味悪いので精一杯救い…になってるかなあ - 112GM 21/10/27(水) 00:10:50
- 113GM 21/10/27(水) 00:15:20
- 114GM 21/10/27(水) 00:19:21
では、あとはゆっくりエピローグを書くとしましょう。
返信は不要です。
改めて感謝を!
お付き合いいただきありがとうございました! - 115冥王21/10/27(水) 00:20:27
- 116〈春風〉21/10/27(水) 00:29:11
なるほど、了解です。
- 117嵐のお嬢様21/10/27(水) 00:58:59
個人的自己満足エピローグも投げてよろしいでしょうか……!(土下座)
- 118GM21/10/27(水) 01:14:21
- 119〈春風〉21/10/27(水) 01:18:03
じゃあ私も自己満SS書いちゃおっかなー。参加すらしてないけど
- 120二次元好きの匿名さん21/10/27(水) 01:26:48
このレスは削除されています
- 121GM21/10/27(水) 01:31:21
- 122嵐のお嬢様21/10/27(水) 01:58:06
良いと思いますわー!私もイメソンとか大好きですわー!
そして失礼しますわー!(スライディング土下座)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「流石にあれだけの大金、お父様もお母様も腰抜かしてましたわね。
……にしても、英雄登竜門さんのところで成長は見られましたが、結局まだまだ力不足ですわねー……。」
【想起するは不死鳥の致死攻撃を受けたこと、不死鳥と星竜の戦いを眺めることしか出来なかったこと、何より……街人を守り切れなかったこと】
「結局また美味しいところは竜血喰らいさんに持っていかれましたし!不愉快ですわ!ムカつきますわー!……はぁ」
【こんなに胸に突っかかりを感じるのは似た気質の竜血喰らいに雪神や不死鳥の件で一歩先をいかれたことだろうか、再び人を守り切れないと力不足を見せつけられたからだろうか。】
「……私ってこんなに繊細な心してましたっけ?
まぁいいですわ。それよりも……。うーむ、味方に喧嘩売るのはまだ躊躇いがありますわね。……よし、試練型ダンジョン辺りにしますか。……ふふふ、こんなに心踊ることもありませんねぇ……!
さぁ、いざ『格上狩り』ですわ!」
【……強度の増した『罪』の侵食のせいだろうか。】 - 123『至宝詩編』21/10/27(水) 02:19:54
お疲れ様でした。
まーた、寝落ちしてしまった。
【〈ギロチンの担い手〉、〈輝ける剣〉、〈魔砲手〉として絵は残っている】
塩漬け「『最後の戦いには参加したが、王との謁見にいなかったので実在したかは意見が分かれる』か、すげー微妙な扱いだな……」
絶壁「『実在したと仮定した場合、異界渡りをした者が戯れに介入してきたというのが定説。更に信憑性の薄い説として、その後の大衝合の黒幕ではないか
とも言われている』ですかー。まるで〈不滅〉さんじゃないですかー……」
熱剣士「『この度現れた〈輝ける剣〉が、古代エルフ王国の〈輝ける剣〉と同一人物かどうかも物議をかもしている』……奇しくも〈春風〉と同じ名前を授かったのは少し嬉しいが、畏れ多いな」 - 124〈春風〉21/10/27(水) 02:57:33
参加してもいないのに間借りするようで気が引けるけど、思いついちゃったので投下しますね……
───────────────────────
「……ああ、君が言うなら真実なのだろう。信じるよ。しかし奇妙な気分だ。こういうことは以前にもあったのかい?」
『我の識る限りでは無い。通常であれば……過去へ介入しようとしても、世界が"分岐"する。故、"双方の歴史"を識る者は絶対にあり得ないというのが、我の識る理である』
「つまり、君が二つの歴史を知っている以上、"実際に起こった"と判断するしかないと……」
――セレネリオス。『大衝合』によってこの世界に現れた砂漠地帯一帯に存在する国家の名だ。『ネセリス川』を中心として栄えるその国は、大衝合の影響で打撃を受けながらも逞しく立ち直り、現在まで連綿と続いている。
たしかに私はそう記憶している。
・・・・・・・・・・・・・・・
なにせ、現れた直後からこの目で見ている国だ。
しかし、我が古き友……埒外の存在たる彼が言うには、それは"本来の歴史ではない"のだという。曰く、本来は大衝合の折に一度滅びた国であると。
――あの『慰安旅行』。妙に旅行に乗り気な冒険者が多いものだと疑問に思ったものだが……本来の歴史でのあの時間に"異変"が起こり、その結果として歴史が改変されたらしい。曰く、本来は「行方不明者の捜索任務」であったと……なるほど、ならばあれだけの人数が向かったのも頷ける。
彼らが過去に飛ばされ、そしてセレネリオスを救った『英雄』となり……今の未来を創った。
……あれ、先祖とかじゃなくて本人だったんだなあ。
「つまり、私のこの記憶は"つい最近現れた"ものだと?」
『記憶だけでなく、事実もだな。我の識る本来の歴史では、君たちが大衝合直後にかの国を訪れ、復興に協力したことなどなかったはずだ』
「……凄まじいね。いや、本当に。まさか過去の改変なんてことが実際に起こるとは……」
にわかには信じがたいが、しかし信じる他ない。どっかの馬鹿と違って、彼は冗談を言うようなキャラクターではないし。
……まさか、本当に。
"過去を変える"ことができるなんてね―― - 125〈春風〉21/10/27(水) 03:00:45
『――変えたい、と思ったか?君たちの、歴史を』
心配するような声色で彼が問う。
ああ、忌むべき過去を持つ者が、『過去の改変』なんて事象を知ったら……"きっとそれを求めるはず"。そう考えるのが自然だろう。
そして実際に、私はそう考えるように見えたのだろうね。
「思わない。」
ああ、思わない。
もっとも、少し前までの私なら君の想像通りだったのだろうけど。私は変わった。変われたんだよ、友よ。
確かに、あれは忌むべき過去だ。消し去ってしまいたい歴史だ。
取り戻したいヒトもいる。帰りたい場所もある。
楽園の消失も。王国の崩壊も。『やり直したい』と思ったことは数えきれないよ。
でも、最近さ。気づいたんだ。それを無かったことにしたら、きっと――
「きっと、"今のこの私"にはならなかった」
「私は、今のこの世界が好きだ。この世界に生きる者たちが好きだ。そして……ようやく、その中で生きる自分を好きになれた」
過去を否定すれば、あるいはあの幸せな時間が続いた未来に至れるかもしれない。
でも……そのために、私は現在までも失いたくはない。
そう思うようになったんだ。
彼らの戦いを、歴史の改変を、否定はするつもりはない。でも、私が……私の過去に、それを求めることはない。
思い出よりも大切な今を、見つけたから。
───────────────────────
……こっち半分は完全に蛇足、この件にかこつけて勝手に持ちキャラの描写してるだけですね……
冷静になったらしれっと消すかもしれません。はい。 - 126鋼鉄腕21/10/27(水) 07:27:58
お疲れ様でしたー! 楽しかったです!!
- 127鬼神娘21/10/27(水) 07:58:09
おはようございます。俺も思い付いたエピローグを投下します。
「『戦いに現れたもう一つの龍は太陽の化身、すなわち王神の一側面ではないかとされている。また記録によれば冥府より蘇った英雄の1人である【角を持つ少女】が変じたともされているため、死した王神の妻が火急の事態を察知して写し身を送ったという説もある』……」
【鬼神娘は博物館で過去の記録を読み上げ微妙な顔をする】
「なんかうち自身やのうて王神に関わりある者とされてしもうたか。頑張ったんやけどなぁ。自分の伝説は自分で作れいう事かもしれんな」
【少々残念そうに嘆息するも、直ぐに顔を上げる。その顔には『自分はまだまだ行ける』という確信に満ちていた】
「ま、今回の件はうちの大きな可能性を見せてくれた。それだけでも充分や!」
【いずれ自分の力だけで、あの龍の姿になってみせると決意を堅め、『セレネリオス神話』を片手に博物館を後にした】 - 128〈ツッコミ担当〉森術士21/10/27(水) 08:53:01
【苦い気持ちで壁画の中の自分を見つめる。とっさに被った化けの皮のせいで、聖人もかくやに描かれた《緑の主の使い》。《果実の乙女》とともに傷ついた者を救って回った聖人として残されてしまった。黒歴史にもほどがある。
自分は見なかったことにしたくても、言い逃れのできないものが横に描かれている。背中に森を背負ったカエルなんぞ他にいるわけもなく。】
「どうしようもないですよね…」
【諦めながら解説に目をやり、そこの記述に目をとめる。】
『…壁画に描かれた生物が《生きる森》と呼ばれた霊獣の一種と酷似している事などから、一部有識者の間では○○地方に存在した宗教、《森術信仰》と関連した人物であるとの説が…』
【ぽかんとしたあと、笑い出す。】
「そ、そうですよね。そりゃ関連疑っちゃいますよね。」
【つまり、歴史に関わってしまったことで、森術にセレネリオスの学者が興味を持ち、こうして数ある説の一つとはいえその存在が記録に残ったのだ。ひっそりと失伝するはずだった過去が。
真実を知る身としては歴史家が気の毒すぎて笑うしかないが、仲間たちの存在していた事を、誰かに覚えていてもらえることが、嬉しかった。】
「よし、ぼくは諦めません。必ず森の教えを復興させます!」 - 129詩謳う御子21/10/27(水) 11:24:42
「眠りの歌姫……? そりゃ確かに最初は眠たふりをしてございましたけれど……」
【謳って花を咲かせる女の絵を見ながら苦笑する】
「あー いぇんいぇら そーぬ しぇんしゃえら」
「えく しえらん と りんかーら」
「ろろし てぃりあ えとる てぃしあ」
「わす いぇあ ら そんうぇ れぽえあ よら」
【少しだけ、胸の中で誰かが微笑んだ気がした】
- 130悪魔と魔剣使い21/10/27(水) 12:05:48
悪魔「俺が天使扱いされてるのマジで笑う」
魔剣使い「俺も天使扱いされてる…なんで…」 - 131鋼鉄腕21/10/27(水) 12:51:49
「…………十字架背負った隻腕の神の御使いと赤いマフラーの鋼鉄の戦士で別々に認識されてる………」
- 132GM エピローグ21/10/28(木) 21:13:49
不死鳥が滅び、ハヤブサが空へ消えた後、ネフェルティアは『竜血喰らい』と、徐々に元の時間へと帰っていく英雄たちを残し、決戦の場であった王宮周辺からネセリス川へと向かっていた。
街を歩いていると、ヘリオポリスの被害の甚大さを改めて思い知らされた。
幸いにして犠牲者は…裏切り者を除いて、英雄たちの救助や避難支援によって比較的少なかったものの、無視できる人数ではない。
それに不死鳥が起こした砂嵐によって、怪我をしていない者などほとんどいなかった。右を見ても左を見ても、誰しもが傷を負っている。
身体にも、心にも。
失ったものは多く、大きい。
しかしそれでも、人々は懸命に復興を進めていた。
傷の浅い者が率先して動き、重傷者の手当、瓦礫の撤去、物資の配給…それぞれが連携して効率よく作業を進めている。
老若男女問わず、誰しもが。
見ると王国軍の装備を身につけている者が反乱軍と思われる者へ肩を貸し、反乱軍と思われる者が王国軍の兵士の治療へ当たっていた。 - 133GM エピローグ21/10/28(木) 21:14:17
元々、心は一つだったのだ。
この光景を見て改めて思う。誰しもがこの国の、世界の未来を思い、他者の幸福を祈っている。
それはホルコスとて同じだった。
その思いが強過ぎたあまり、喪失の恐怖を前にして歪んでしまったのだ。
この場にいる誰もが。
そうして起きてしまった戦いだった。
「ネフェルティア…大丈夫か?」
声をかけられてハッと気がつく。物思いに耽り過ぎた。
後ろにいた彼…『竜血喰らい』が心配そうな面持ちで、肩にそっと手を置いてくれていた。
「いえ…心配はいりません。急ぎましょうか。」
思わず零れかけた涙を気づかれないよう拭う。
「俺も少し話をしたいとは言ったが…良いのか?お前とて一刻も早く復興作業に入りたいのであろう?様子を見ればわかる。」
無理はしなくていい、と彼は付け加える。
「無理はしていません。作業に混ざりたいのは事実ですが…。」
「見てください。彼らは私や神官たちがいなくとも、自分たちで考え、自分たちで動いています。非力な私が行っても…邪魔になるだけでしょう。」
「………そうか。」
彼はじっと目を見つめてくる。普段の様子からは想像もできない、悲しみと慈しみを湛えた目で。
思わず目を逸らしそうになる。
すると………。 - 134GM エピローグ21/10/28(木) 21:14:54
「王様!副王様!ここは大丈夫ですので、どうぞお行きください!」
「私たちのことは気にせず!」
「内戦の間、ずっとお二人は休まず頑張っていたのですから。そのお礼ですよ!」
周りにした者たちから温かい声をかけられた。つらい思いもあるのだろうが、それを臆面にも出さず、笑顔で。
嗚呼…敵わないな…。
また、涙が溢れてくるのを、必死に堪えた。
私はいつも助けられてばかりだ。支えられてばかりだ。何も、彼らに報いられていない。涙を見せては、示しがつかないというのに。
「…ありがとう、皆のもの。」
「……行ってくる!」
そう言うと、『竜血喰らい』は私を乱暴に掴むと、背負って駆け出した。
突然のことで驚く。
しかしその後、周りの目に羞恥で顔が赤くなるのを感じた。口笛すら聞こえてくる。
「ば、馬鹿!何をするのですか!?」
「何って、負ぶっただけだが!?このままでは時間ばかり喰ってしまうと思ってな!さあ急ぐぞ!しっかり掴まれ!」
加速。周りの景色がグングン流れていく。
行く先々で作業していた人々に目を向けられ…あるいは冷やかしのような声をかけられて…ますます顔が熱くなる。
誰にも見られないように、彼の背にぎゅっと顔を埋めた。
筋肉と鱗でゴツゴツした広い背中。熱さと冷たさが混ざり合ったような不思議な温度。
王宮でよく使われる香油の香りがした。最初、彼は嫌っていたっけ。
安心感と胸の高鳴りを覚えつつ、肩に回した腕に力を込めると、背中の向こう側で脈打つ彼の心臓の音に耳を澄まして、目を閉じた。
(私の心臓の音も…聞こえていたりするのかな。) - 135GM エピローグ21/10/28(木) 21:15:52
《竜血喰らい》
「ほら、着いたぞ。」
背負っていた彼女をそっと降ろす。
今いる場所はネセリス川の畔にひっそりと佇む小さな祭儀場だ。初めてこの時代に飛ばされた時、追ってくる衛兵隊をかわし続けてここまで逃げ、いざ追い詰められたという時、彼女と出会ったのだ。
衛兵隊を掻き分け姿を見せた時、最初は…気取った女だと思った。
まず目が気に食わなかった。自分の生まれや家族について何の疑いもなく、言い訳もなく自分に誇りを持っている者の目であると、一目で思った。
我ながら女々しいことだと思う。他人のどうこうなど、結局自分とは違う存在なのだから気にするだけ無駄だというのに。
その時もそう自分を説き伏せようとした。
けれど、どうしようもなく、彼女の深い瞳から目を逸らすことができなかったのだ。
そこからは…話すと長くなる。要は奥の手の『混沌脈導』を使ったら、隠していた小蛇が顔を出し、王の資質だのと何だのと衛兵隊が騒ぎ出して…王になった。正確にはされた。
こうして言語化すると妙だなと思う。紛れも無い事実なのだが。 - 136GM エピローグ21/10/28(木) 21:16:25
背から降りた彼女は顔も見せず、祭儀場中央の広間に立つ。あそこからはネセリス川一帯の風景がよく見えるのだ。
不死鳥が起こした砂嵐の影響か、祭儀場の柱がいくつか倒れ、石畳も傷ついていた。
より一層閑散と寂れた雰囲気になったこの場所に立つネフェルティアの姿は、どこか不似合いなようで、これ以上ないほど似合っているような、不思議な思いを抱かせる。
寂しげな背中がそう思わせるのだろうか。
ここは、彼女の弟との、思い出の場所だったという。
「…風が涼しいですね。いつものように。あんな嵐の後であっても。」
唐突に彼女が口を開く。後ろからでは表情は見えない。
どういう意図なのか掴みかね、返答に迷う。
曖昧に「ああ。」とだけ答えると、しばし沈黙が続いた。
川と風の歌声だけが、ゆるやかに時の流れを告げる。
この地に長く居座り、大地の基礎たる龍脈との結びつきが深まっていたためか、身体が光の粒となる速度は他の遡行した冒険者たちと比べても緩やかだ。もう少し余裕はあるだろう。
しかし、確かに、時間は迫っている。 - 137GM エピローグ21/10/28(木) 21:17:03
彼女が振り返った。
息を呑む。
解かれた長い髪に、風に靡く衣服に、きつく結ばれた唇に、そして、涙を湛え、しかし堪えようとしている瞳に。
どうしようもなく、全てが美しかった。
胸が締め付けられる。
芸術などまるでわからない。理解しようと思ったこともない。ただ形が整っているかどうか、わかるのは精々それくらいだ。
それでも、目の前にいる彼女は、途方もなく美しいと思った。
こんな感情は初めてのことだった。
どうすればよいのか、わからない。
居ても立ってもいられず、彼女へ歩み寄った。
一歩、一歩。
ネフェルティアは何も言わない。身じろぎ一つしない。じっと、今にも泣きそうな目でこちらを見つめる。
────────こんなにも、悲しい目をしていたのか。
ここで初めて気がついた。
いや、漸く気がついた。
いつもそうやって、堪えてきたのだな。 - 138GM エピローグ21/10/28(木) 21:17:32
いつかの記憶が胸を刺す。幼い日の自分と重なって見えた。似ても似つかない、目の前の女と。
自分と他人は違う。わかっている。わかっているはずだ。
片膝を突いて、目線を合わせる。
やはり深い瞳だ。しかし、あの時は違って見えた。
手を彼女の頭の後ろに回し、額と額…棘がない場所へ、コツンと合わせる。
「……『涙を恐れることはない。心を自由にさせよ。』」
「………?」
「故郷の言葉だ。今は我慢しなくても良い。」
「よく頑張ったな。お前は立派な女王だ。」
雫が頬を伝った。
堰を切ったように溢れてくる。
いよいよしゃくりを上げて泣き始めたネフェルティアを、出来るだけ優しく、傷つけないよう、けれど力強く抱きしめた。
胸が暖かい。その奥まで。
しばらく、小さな泣き声だけが、祭儀場を充した。 - 139GM エピローグ21/10/28(木) 21:18:29
《ネフェルティア》
泣いてしまった。
いつ以来だろう?記憶の彼方にある風景は懐かしかった。
あの時は王宮の暮らしや王家の責務が窮屈で嫌になり、飛び出したのだったか。
そうして、今と同じこの場所で、一人泣いていたのだ。
皆探してくれていたのだろうが、中々迎えは来なかった。自分勝手なことではあるが、それでも、寂しかった。
ひとしきり泣いた後、心は多少軽くなったような気もしたが…それは気のせいだと変な意地を張った。
『王家の一員たる者、人の上に立つ者、涙を見せてはいけない。指導者が自分の心すら従えられないのなら、誰が民を導けるというのか。』
そう教えられてきた。
事実だと、当時は子供ながらに考えた。
もし自分の心を楽にすることを理由にしてしまったら、また泣いてしまうと思ったからだ。今度こそ、涙を見られてしまうかもしれない。
泣く暇があれば、現実に立ち向かわなくては。
そう言い聞かせて。
その後、弟が一番先に迎えに来たのだった。優しい子だった。小さい頃は、ここへよく遊びに来ていたっけ。 - 140GM エピローグ21/10/28(木) 21:19:02
泣かないよう心掛けても、私は生来の泣き虫だった。
何度も泣きそうになる。堪えても、堪えても。
誰かが傷つくのを見ると、どうしようもなく目の奥が熱くなる。
彼は抱きしめたままじっとしていた。鱗の肌は微動だにしない。その温もりが嬉しくて、安心できて、益々涙が溢れてくる。
止められなかった。
止めようとも、思わなかった。
どれくらい時間が過ぎただろう。
彼の身体は少し薄く、半透明になっていた。
こんな姿を晒したいわけではなかったのに、と恥ずかしさも半分に抱擁を解いて立ち上がり、背を向ける。
辺りはもうすっかり日が暮れていた。
女神たる月が大地を見守り、色とりどりの星たちが夜空を彩っている。あの虹の竜が残した天の川は焼きついたままだ。
眼前に広がるネセリス川がそれを写し、薄暗い空間にぼんやりと二つの大河が、鏡写のように輝く。 - 141GM エピローグ21/10/28(木) 21:19:42
「…綺麗ですね。」
「…そうだな。」
二人並んで景色を眺める。
それ以上の言葉が出てこない。
聞きたいことは沢山あるはずなのに。
言いたいことは沢山あるはずなのに。
高鳴る胸につかえてしまったように。
「……これからどうするんだ?」
先に口を開いたのは彼の方だった。こちらは見ていない。ネセリス川をじっと見つめる。
「…わかりません。ただ一つ確かなことは、王政はこれで終わり、ということです。」
驚いた気配。我ながら恐ろしいことを言ったと思う。だが、これが良いと確信している。
彼もそう思ったらしかった。
「そうだな。事実がどうであれ、王の力が龍脈を貪り、神官が悪事を働き、王宮はおろか街そのものが悪しき計画の土台だったのだ。信用、信頼の問題よな。」
「ええ。けれど、丁度良い機会なのかもしれません。民たちの働きを見ていて思いました。私たちの心は一つです。王は象徴に過ぎません。例え王家が消え去ったとしても、きっと大丈夫なはずです。」
方策もないわけではないですし、と付け加える。
古い時代に終止符を打つ。
とてつもない責任だ。普段ならこんなことなど口が裂けても言えない。
けれど、心が軽かった。不思議と勇気と自信が湧いてくる。
まるで十数年の重りが、心から流れ去ったかのように。 - 142GM エピローグ21/10/28(木) 21:20:09
「そうか。なら…俺が去っても心配ないな。」
安心したように漏れるその言葉に、不意に胸を突かれた。
そう、その通りだ。当たり前だ。
はじめから、そういう予定だったはずだ。
内戦を終わらせる、元の時代に戻る方法を探す。この二つの利害に基づく関係にしようと言ったのは私ではないか。
なのに──────────
『行かないで。』
そう、口にしそうになった。 - 143GM エピローグ21/10/28(木) 21:21:12
《竜血喰らい》
いつか自分はこの国を、この時代を去る。
わかっていたことだ。
それに避けられないことでもある。
それなのに、いざ言葉を、この女の前で口にすると、途方もない寂寞に襲われた。
まだ俺には成さねばならぬことがある。
帰るべき場所もある。
そこで待つ戦友たちも、越えるべき『壁』たちも。
ここが大切な場所でないというわけではない。こんな俺を王と呼び、あるいは王でなくとも慕ってくれる者たちがいる。
そして、このネフェルティアがいる。
それだけで、この脚を止めるには十分過ぎる。
ここに残って、この国と共に生き、骨を埋めるのも選択肢としてありえるのだ。
だが、それでも、幼い日の自分が叫ぶ。
『ここで止まれない。』、
『ここで終われない。』と。
迷いはある。どちらかを選ぶことなどできない。しかし、既に決まっていることなのだ。そして、自分が選んだ道だ。自分が望んだ道なのだ。引き返す真似はしたくなかった。
何よりそれは、自惚れでなければ、こんな俺を好いてくれるこの女への裏切りだ。
それだけはできない。 - 144GM エピローグ21/10/28(木) 21:21:41
重い。予想以上に。
だが耐えなくては。俺が膝を折れば、この女はもっと辛い思いをする。
耐えなくては──────
「『涙を恐れることはない。心を自由にさせよ。』」
ハッと隣を見る。
彼女と目が合った。
「あなたの言葉です。」
微笑みながら。
胸に嵐が宿る。
「───ッ!ネフェルティア、俺は!」
ポタリ。
光が滴った。
ポタリ。ポタリ。
何度も。少しずつ勢いを増しながら。
雨だ。やや勢いは強い。少し遅れた夕立だろう。
月と星の光を天地の両方から浴びて、暗闇の中でも虹の輝きを放っている。
空を二人で見上げると、まるで自分たちが星の海に浮かんでいるような錯覚を覚える。 - 145GM エピローグ21/10/28(木) 21:22:28
「凄いな…!」
「ええ…!本当に!」
雨はすぐに止むだろう。
永遠に続けば良いのに。
もう一度見つめ合う。
「貴方、もしかして泣いてらっしゃるの?」
思わず問われた。
「な、泣いてなどいない!」
もう気にすることなどないのに、また変に強がってしまった。隠すように目元を拭う。
「嘘!泣いてますね!雨でよく見えませんけど!」
「それを言うなら貴様もだろう!?」
「あら?泣いて良いと言ったのは誰でしたか?」
泣きながら、二人で笑い合った。
心がどんどん軽くなっていく。
どうせ最後だ。 - 146GM エピローグ21/10/28(木) 21:23:19
「この際だから言うがな!俺はお前と一緒に生きたい!一緒に来て欲しい!」
言ってしまおう。答えはわかってる。
「それはできません!私には王でなくとも、この国の行く末を共に見守る義務があります!遺された者として!最後まで!」
そうだろうさ。
「こちらの番ですね!」
彼女は続ける。雨の中だ、互いに涙混じりの声で叫ぶ。
「私も貴方と一緒にいたい!隣にいて欲しい!叶うなら、この時代で!」
知っていました。
「それはできない!俺は元の時代でやり残したことが山程ある!お前はお前の使命を果たせ!」 - 147GM エピローグ21/10/28(木) 21:24:14
二人で思いの丈を叫んだ。笑顔で。
降り注ぐ光の雨は一層強くなり、身体から昇る光の粒もまた勢いを増した。
時間だ。
「主様。」
小蛇が…もう小蛇と呼べる大きさではないが…背の竜槍から囁く。
「わかっておる!そろそろだ!代わりにと言っては何だが、欲しいものはあるか!?俺以外の何でもくれてやる!持っていけ!」
両腕を広げて見せる。
「ええ!?そんな唐突な!何故いつもそうなのです!?」
「仕方ないだろう!?さあ!急げ!」
「ええと…」
迷っている時間すら惜しい。
「まどろっこしい!ほら!持っていけ!」
顎下の鱗を一枚剥ぐ。
所謂『逆鱗』という奴だ。
かなり痛い上に出血もしたが、この雨だ、気づかれまい。時間はかかるだろうが、どうせその内また生える。
差し出すと驚いた顔をした。少し小気味良い。
「いただけません!こんな貴重な!」
「いいから!貴重だから意味があるのだ!持っていけ!!」 - 148GM エピローグ21/10/28(木) 21:24:47
強引に手渡し、握らせる。
小さな手だ。だが、とても暖かく、王宮勤めとは思えないような、美しい、働き者の手だ。
「……ッ!私から送れる物は多くありませんが…ではこれを!月の神官たる証…私の半身です!」
渡されたのは……あの銀貨だ。
しかし、古さを感じさせない。真新しい月のように光り輝いている。
その瞬間悟った。
コヨーテ…あるいはジャッカル。
あの獣が何者かは知らない。
どういう意図かも。
しかし、あれは彼女の、ネフェルティアの思いを幾星霜を超えて届けたのだ。
『影を超え導く者』、『月の運び手』。 - 149GM エピローグ21/10/28(木) 21:25:25
「ネフェルティア!」
「竜血様!」
鱗と銀貨を隔て、手を取り合う。
強く。強く。
二度と忘れないように。刻み込むように。
また額を合わせる。
嫌いだった瞳。今では……。
「『さよなら』は言わんぞ?」
「ええ、また会いましょう。永遠を超えて!」
涙を浮かべて微笑み合う。
目は逸らさない。決して。最後まで。
そして、光に包まれた。 - 150GM エピローグ21/10/28(木) 21:40:29
《ネフェルティア》
彼…竜血喰らい…名もなき王の身体は光となり、空へ散った。
昇る光を迎え入れるかのように、雨足も弱まっていく。
その光景を、静かに、忘れないように、最後まで見つめて佇んでいた。
嵐の後の静けさ。
ただ一つだけを残して。
もう貴方は隣にいない。
壊れてしまった故郷。
しかし、また芽吹く生命。
私が望むものはこれ以上ない。
ただ思い出だけが。
砂嵐が壁画すら削ってしまった。
過去などいくら残り伝わるのだろう?
わからない。
だけど必ず。
また、新たにやり直すために。 - 151GM エピローグ21/10/28(木) 21:40:45
私の声が聞こえていますか?
静寂はまるで砂嵐のようにこの胸を打ちます。
だから、今、貴方のために歌いましょう。
いつまでも。
貴方もきっと、どこかでいつものように叫んでいるのでしょう?
雨の中でも、貴方の涙は見えていましたよ。
私と似て、泣き虫で、いじっぱりな貴方。
「いってらっしゃい。」 - 152GM エピローグ21/10/28(木) 21:54:52
《竜血喰らい》
皆と別れた後、ヘリオポリス…元の時代にはなかったはずの街を見て回った。
王であった時、早朝の見回りが日課だったのだ。
やはり、街並みのほとんどは変わっているが…かつてを思い出させるようなところはあちこちにある。
街道などは全く変わっていない。
ピラミッド、旧王宮、現博物館の周りは不死鳥によって完全に破壊されてしまったはずなのに、その基本的な構造は記憶にあるものと全く変わりない。
「ネフェルティアはよくやったのだな…。」
僅か数刻前、あるいは幾星霜前に分かれた彼女の名を呟く。
思った以上に、その音の響きは胸を締め付けた。
彼女は王権を終わらすと言った。
あの博物館が成功を示す何よりの証拠だろう。
ということは、彼女は一人の…わからないところも多いが、『国』として、世界と歴史を後世に残したのだ。
それを誇らしく思う一方で、隣にいられなかった後悔も、やはりあった。
仕方ないと思う。運命だったと思う。
しかし、それでも────── - 153GM エピローグ21/10/28(木) 21:55:25
紫の色味を含む、長い黒髪。
ハッとして振り向く。
後ろ姿。それだけだ。
背の低い男児と手を繋いで歩いていた。
だが、一瞬、それだけ見えた。
首に下げた、鱗一枚。 - 154嵐のお嬢様21/10/28(木) 22:06:24
大作ですわー!お疲れ様ですわー!厚いそして熱いエピローグですわねー!
いやはや文章力と表現力と構成力と何から褒めればいいのか分かりませんわねー!クエスト共々面白かったですわー! - 155竜血喰らい21/10/28(木) 22:33:58
ありがとう…ありがとう…ありがとうございます…!
皆様のご協力あってこその攻略スレでした!
皆さま各々のエピローグも大変面白いですし、こちらこそいい思いを沢山させていただきましたとも!
また機会があれば是非!
それとエピローグなどはまだ募集中ですので、どうぞお気軽にご参加ください!
既に投稿した方でも構いませんよ! - 156放浪魔術師のエピローグ21/10/31(日) 22:02:45
(大作お疲れ様でした!エピローグめっちゃ良かったです。
遅れましたが、放浪魔術師もエピローグ失礼します)
「ありがとうございますシギさん!
ピラミッドも旧王宮博物館も凄く新鮮で、ネセリス川もとても綺麗で、皆さんも親切で…
私、セレネポリスに来れてとても良かったです。」
【セレネポリスの夕方、ピラミッドに隠れた夕日が道やレンガを赤く照らす中
二人の旅人が歩いている】
【揃いの白い日よけローブを着た男と少女。
男は放浪魔術師シギ、観光を満喫してにっこり笑う少女は放浪魔術師が引き取り手となった少女パンドラ。セレネリオスを旅行に訪れた二人であった】
「何、結果的にとはいえ、”慰安旅行に置いていった”事になったのだ。
埋め合わせをするのは当然だよパンドラ殿。…ついでに言えば”慰安旅行”では味わい損ねたものもある。」
【放浪魔術師はパンドラに笑い返す
シギは先日訪れたばかりのセレネリオスに再度訪れた理由は二つ。。
一つは彼が保護する少女、パンドラに世界を見せる一環。
一つは心残りを満たし、本当の意味で”慰安旅行”の旅を終える為】 - 157放浪魔術師のエピローグ21/10/31(日) 22:03:21
「味わい損ねたものですか。
でもシギさん、この先は私たちの止まっている宿ですよね。」
【少女は疑問を呈する。何を隠そう放浪魔術師の趣味は旅先での食べ歩き。
この旅の中でも様々な現地料理を味わったし、逗留に選んだ宿ともあらば、とっくに看板メニューを一通り楽しんでいるはずだ】
「ああ。ゆえに食べ物ではなく…失礼する。店主殿、こちらの席を使わせてもらおう」
【二人は放浪魔術師達の泊まる宿…1階に酒場、二階に部屋がある、いつ来ても庭にたわわに実る林檎が目印の宿に入る】
「失礼します。
…何だか凄く混んでますね。それにあれは、吟遊詩人さん?」
【宿の中は吟遊詩人と、その歌を聞きに来た地元の客で賑わっていた。
パンドラは目をパチクリとさせながら視線を泳がせ、楽器の最終調整を行っている詩人を捉えた】
「ああ。今日、この宿で行われる演目が私の”心残り”だ。
パンドラ殿も、きっと気に入る。
…店主殿、林檎のタルトを一台と林檎酒…パンドラ殿には林檎ジュースだな。を頼む
さあ、始まるぞ」
【へいお待ち。これ目当てとはお目が高いね!楽しんでいきな!という声と共に届いた注文の品を受け取り、放浪魔術師も吟遊詩人に意識を向ける。
酒場の騒がしさはぴたりと静寂に変わり、誰もが吟遊詩人の言葉を待っていた】 - 158放浪魔術師のエピローグ21/10/31(日) 22:03:37
「それは危機を救わんが為、冥府より再来せし王の物語。
それは王と共にセレネリオスを救わんがためやってきた、冥界の英雄達の物語
…今宵語るはセレネリオスに名高き伝説、”王と冥界の英雄たち”に御座います」
【吟遊詩人は朗々と語り、鮮やかにハープを爪弾き音を奏でる
男と少女は飲み物を一口含み、わくわく、そわそわと物語を待っている】
「戦いは副王ネフェルティティの演説より始まりました。反乱軍は二つの城壁に押し寄せ、一足遅れて攻城槌が後を追う。しかしそれを許さぬは…」
【反乱軍との戦いが歌われていく
客たちはネフェルティの演説に立派なお人だと深く聞き入り
英雄達の各々異なる不殺の手管を聞いては、誰が好きだ彼のが見事だと盛り上がる。
そして少女も理解する。放浪魔術師がここへの帰り道、とても楽しそうであった理由を】
【…パンドラは冒険者達に助けられた少女だ。
掲示板でのお話を楽しみにし、冒険者達に感謝と好感、親愛の情を持つ少女。
救出依頼に行く放浪魔術師と、救出対象の竜喰らい、そして参加した冒険者達の無事の帰還を強く、強く祈っていた少女。】
「こういう事だ。この演目を聴くとあらば君もと思ってな。」
【ゆえに放浪魔術師は彼女と共に来て、共に聴く事を楽しみにしていた。
きっとこの”王と英雄の物語”は自分にとってだけではなく、彼女にとってもとても輝かしい物だから】 - 159放浪魔術師のエピローグ21/10/31(日) 22:03:57
「現れたるは原初の獣に比肩せし不死鳥。
だが諦める者は誰一人としていない。王は打開の為奔り、
邪魔はさせぬと英雄達、不死鳥に挑み障壁を抉り、それをその場に縫い止める!」
【朗々と歌われる不死鳥の巨大さ。
客たちはその威容にに手に汗握り
セレネリオスのピラミッドを翼で覆う程のそれに立ち向かう英雄達の勇気に盛り上がる
男と少女も楽しみながら、これはあの人あれはあの人…ひそりひそりとと言葉を交わす】
「不死鳥に繰られる死者が人々を襲う。
英雄たちは人々を守りながらも、死者を解放し弔っていく。」
【おどろおどろしい音楽と共に語られるは恐ろしき屍繰りの所業と、それに挑む冒険者達
各々のファン達は英雄の鮮やかな手際に舌を巻き
誰もが≪緑の主の使い≫が人々を守り死者を弔った事に敬意を示す
男と少女も神妙に聞き入り、≪緑の主の使い≫の下りではあの人だ。と目を合わす】 - 160放浪魔術師のエピローグ21/10/31(日) 22:04:18
「ついに振るわれるは恐ろしき風、不死鳥が翼を振るうや、一帯の町を消し飛ばす暴威が吹き荒れた」
【荒々しく弾き鳴らされるハープ。その脅威は誇張されているようだが…知る者は知っている。その表現すら不足な程のものであったと。
その暴威に息をのみ民を守った≪果実の乙女≫の献身に感嘆しない客はなく、
うちの林檎は≪果実の乙女≫様が残したものの末だと誇る店主は何やら自慢げだ。】
「あれは酷かった…」
「お疲れ様です。折角頼んだのですし、タルトを食べて気を取り直しませんか。」
【男は思い起してげんなりし、少女は気遣う様にタルトに手を付けようと誘う。
…≪果実の乙女≫の下りに入ったのは丁度その時で、あまりに丁度なタイミングに二人はくすりと笑みを溢す】
「ついに王は月の港たる天文台に辿り着き、月たる妃神の力を借り、星竜となり戦った
激突するは二つの極限たる力。その結果は果たして…!」
【とうとうの王の再登場に人々の盛り上がりは最高潮。
セレネリオスを守って来た二柱の神と偉大なる王を讃え乾杯の声が飛び交った。
男と少女も盛り上がりを分かち合う様に乾杯し、歌とこの空気を味わう様に心を傾ける】 - 161放浪魔術師のエピローグ21/10/31(日) 22:04:36
「そして尚も不死たる不死鳥、
”貫かれ、切り裂かれ、叩き潰され、あらゆるエレメントの一撃を受け、災厄はヘリオポリスを横断するかのように吹き飛んだ!!”
英雄たちの一撃をもって戦いは終わりを告げる。」
【そして、とうとう物語は終わりを迎える。
もっとあの英雄の一撃を、いいやあの竜のをだとアンコールが飛び回り
のど自慢の酔っ払い達は曖昧に伝わった≪眠りの歌姫≫の歌を合唱している】
「凄かったです。皆さんはあんな冒険をして…そして、今も愛されているんですね。」
【聞き入っていた少女は言う。何かに没頭した後の虚脱感の様な物を味わいながら、しかし満足げに、幸せそうににっこりと笑って】
「ああ。あの日の人々が望み伝え、今迄の人々もそれを受け入れて来た。その結果だろう。」
【放浪魔術師は笑う。
失われる物がある/伝説の多くは欠けているものがある
新たに得る物がある/伝説の多くには新たなつけたしや補充がある
…だが、代わらない物もある。伝える意志と受け取る意志があり続けたならば】 - 162放浪魔術師のエピローグ21/10/31(日) 22:04:55
「まあ”放浪のエレメンタル”というのには笑ったが」
「ああ、やっぱりシギさんだったんですね、あの場面。」
【男と少女は見事な演奏に拍手を送る
名残りは惜しいが、席を立とうと─】
「アンコール?わかったわかった。
ではもう一度、今度は少し違う角度から語るとしよう。何せ英雄達も多いからな。」
【吟遊詩人は飲み物をひと舐めし、座り直した】
「…どうやら、まだ続くようだな。」
「はい!」
【二人の表情は望外の楽しみを得た喜びに満ち溢れている
歌は紡がれ、今度は彼と彼女も節々の掛け声や合いの手に参加し…セレネリオスの日は落ちていく】
放浪魔術師のエピローグ、終わり