- 1二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 17:59:02
- 2二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:01:13
ナミさん全然ツッコまねぇなと思ったけどイチャイチャしてるだけか
ええぞもっと見たい - 3二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:02:27
サンナミはいいぞ…
- 4二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:04:51
>>「“ん”がついたからサンジくんの負けー!」
>>「ずっと貴女に負けてまぁす♡♡♡♡♡」
ここ好き
- 5二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:05:53
でれっでれで良いぞもっとやれ
- 6122/11/13(日) 18:06:24
- 7二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:15:53
サンジが幸せそうで嬉しいよ
- 8122/11/13(日) 18:16:36
ウソップ「よお、探したぜーサンジ」
「10回クイズしよう、ナミさん♡」
「いいわよ。じゃあピザって10回言って」
「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」
「ここは?」
「そこは♡愛しのナミすわん♡♡♡♡♡」
ウソップ「い、いや、それ10回クイズ関係ねーだろ~! まったくも~、サンジくんったら~!」
「……」
「え、えっと、正解はひじでした! サンジくんの負けー!」
「また負けました♡幸せです♡♡♡♡」
ウソップ「お、おいおーい、無視は酷くねーか? おーい、サンジー」
「ね、ねぇ、サンジくん、ウソップが話しかけてるわよ」
「おれの耳はナミさんの声しか聞こえません♡おれの目はナミさんしか見えません♡♡」
ウソップ「……………………?」 - 9二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:17:39
良いサンナミですね
素晴らしい - 10122/11/13(日) 18:21:25
- 11二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:23:32
えぇ…(困惑)
- 12二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:25:54
- 13122/11/13(日) 18:31:09
サンジ「ナミさん、ちょっとこっちに」グイッ
ナミ「え、サンジくん? ちょっと」
ウソップ「あっ、おい、サンジ! ……行っちまった。どうしたんだあいつ……あんなに睨んで……」
____________________________________________
「なぁ、ナミさん。ナミさんはおれの天使だ。女神だ。おれの全てだ。そうだろ?」
「きゅ、急にどうしたのよ、もう!」
「誰が何を言ってきても、誰と何をしようとも、おれの心はナミさんのものだ。それだけじゃ駄目か?」
「はあ……? 何言ってんの!? 駄目に決まってるじゃない! あんた何考えてんの!?」
「!! ……そうだよな! そんなの駄目に決まってる!」(駄目か……手段を選んでる場合じゃねーな……)
「次そんな意味分かんないこと言ったら、承知しないわよ」
「はい♡ナミさん♡」(さっきは危なかった。クソ…ウソップの奴……) - 14122/11/13(日) 18:37:46
コメントありがとうございます
ラブラブでバカップルなサンナミを求めていただきありがとうございます
自分も大好物です
そしてお求めのものが多分提供できないので本当に申し訳ない。あるとしたらラストかなぁ - 15二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:40:01
サンジ…お前そういうとこやぞ…
- 16122/11/13(日) 18:49:17
「ナミすわぁ~ん♡今日のナミさんも昨日のナミさんも明日のナミさんも素敵だぁ……♡♡」
めろりん♡めろりん♡
「はいはい」
ウソップ「……サンジとまともな会話ができなくなって何日経った?」
ロビン「かれこれ三週間かしら。あの時に滞在していた島で、きっと何かあったのね」
ゾロ「そんなに変かぁ? あいつは元々あんなだろ」
ウソップ「いやいやいや、もう意志疎通もできねぇぞ。それに、ナミを追いかけるったって限度があるぜ。おれ達が話しかけても聞こえてねーし。いよいよヤバいんじゃねーか?」
チョッパー「おれもそう思って調べてみたけど、サンジの体に異常は無かったぞ」
ロビン「そう。少なくとも命に別状はないのね」
ルフィ「なーんだ。ならいっか!」
ウソップ「いや、よくねーよ」 - 17二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:50:27
これはジェルマの改造人間ですわ。
- 18二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:51:09
不穏になってきた…
- 19二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 18:57:30
マジカルバナナの返答がバナナとしかいってないのに黄色、ヒヨコっていってるのに卵ってナミが答えてるからナミさんになってるとこ本来別の言葉が変換されてない?
これサンジがおかしいんじゃなくてナミさんに異常起きてそう - 20122/11/13(日) 19:04:40
ルフィ「でもよぉ、あいつがナミにあんな感じなのは元からだし」
ブルック「そのせいで発覚が遅れましたね」
ルフィ「それに、相変わらず飯はうめぇし」
ブルック「一級品ですよね」
ルフィ「ほらな? 問題ねーよ。そのうち元に戻んだろ」
チョッパー「なんだ、戻るのか! よかった~」
ウソップ「ちくしょう! まともな話し合いができねぇ……。帰ってきてくれナミ~!」
ルフィ「あ、そうだ。そういや何日か前に、サンジの奴いきなり普通になって話しかけてきたぞ」
ウソップ「えええ!? おいルフィ!! お前なんでそのことすぐ言わなかったんだ!?」
ルフィ「なに言ってんだウソップ。サンジに話しかけられたくらいで一々騒ぐわけねーだろ」
フランキー「そりゃそうだ」
ゾロ「だな」
ウソップ「お前らなぁ、サンジが心配じゃねーのかよ!!」
ロビン「……………」 - 21二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 19:08:19
マジカルバナナのサンジのアホ回答を自分以外に変換してゲームに付き合ってあげるナミさんかわい♡って思ってたのに不穏になってこわい(すき)
助けてロビンちゃ〜ん! - 22二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 19:10:18
さっき:バカップルサンナミかわいい♡
いま:……… - 23122/11/13(日) 19:28:03
数日後(キッチン)
ロビン「おはよう。あら、サンジ一人?」
サンジ「おはよう、ロビンちゃん。みんな買い出しやら散歩やらで出ちまってな。おれが船番しとくから、ロビンちゃんも羽伸ばして来なよ」
ロビン「ありがとう。でも今日はやることがあるからここに居るわ」
サンジ「昨日も夜更かししてたろ? それも最近ずっと……。調べものにしても、根詰めすぎるのはよくないぜ」スッ
ロビン「あら、美味しそう」
サンジ「紅茶のゼリーとフルーツの特製ドリンクです。スプーンでお召し上がりください」
ロビン「これ……綺麗ね」
サンジ「炭酸だけど平気?」
ロビン「ええ。朝でも食べやすそう。うふふ、ありがとう」
サンジ(もう昼を過ぎてる。ロビンちゃんは寝起きに食欲が無いタイプだが、夜食もほとんど食べない。昨日は夜更かしついでに船の見張りもさせちまったし、何も食べずに10時間は活動してる。睡眠時間を入れると、最後に食事をしてから16時間は経ってる。いつもなら起床後の4時間は飲み物しか口にしないから、ここで何か腹に入れねーと20時間も飯を食わない計算になる)
ロビン「とっても美味しいわ」
サンジ「お口に合ったのなら光栄です」
サンジ(無理に食べさせるのは主義に反するが……今回だけは……) - 24122/11/13(日) 19:42:56
ロビン「ごちそうさまでした。さて……これでゆっくり出来るわね」
サンジ「ああ、今日は天気もいいし、甲板でゆっくりしなよ。後でサンドイッチでも持ってくから、」
ロビン「いいえ。今日はやることがあるから“ここ”にいるって言ったでしょ。ずっとこの時を待ってたの。あなたと二人きりでお話ができる、この時を」
サンジ「えええ!? ロ、ロロロ、ロ、ロロビンちゅわあああん!!♡♡……いや、ゴホン……失礼。き、聞き間違いかなぁ。ロビンちゃん、誰と何をしたいって?」
ロビン「サンジと」
サンジ「おれと……」
ロビン「お話しがしたいの♡」
サンジ「……」
ロビン「ふたりきりで♡」
サンジ「ああ、なるほど。おれはまんまと罠にハマったってわけか」
ロビン「空腹の私を放ってはおけないでしょう? 優しさにつけこむような真似をして本当にごめんなさい。こうでもしないと話ができないと思って」
サンジ「あいつらもグルか?」
ロビン「ウソップにはそれとなく人払いを頼んでおいたわ。他のみんなは何も知らない」
サンジ「まぁ、隠し事ができる奴らじゃねーよな」シュボッ - 25二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 19:50:09
急にメロリンやめるサンジこわい
- 26二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 19:50:58
サンジの反応が演技してたけどスパイバレた敵の反応なんよ
- 27二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 19:54:14
な、なんでこんな不穏になりだしたんですか……??
- 28122/11/13(日) 20:06:43
サンジ「ロビンちゃんには悪いが、話すことは何もない」
ロビン「あら、私振られたのかしら? 悲しいわ」
サンジ「……」
ロビン「そうよね。本当は今こうしていることも、マズイのよね?」
サンジ「!! ……あ、いや」
ロビン「以前滞在していた島について調べたわ。あの島を出てからですもの。あなたがおかしくなったのは」
ロビン「原因はもう分かってる。あの島で栽培されている禁断の果実。古くには媚薬として使われたこともあったそうよ。でも……実態はそんな可愛らしいものじゃない。人格が変えられてしまう危険な代物。……それを、食べたのね」
サンジ「ああ、ははは。バレちまったか。そうだ。気になって、つい食っちまった。あーあ、馬鹿なことしちまったなぁ」
ロビン「サンジ、あなたの優しさには脱帽する。でも私、少し怒っているわ」
サンジ「……」
ロビン「食べたのはあなたじゃない。ナミなんでしょう?」 - 29122/11/13(日) 20:08:43
反応してくれた方々ありがとうございます!
怖がっていただけてとっても嬉しいです!
サンナミ増えてほしいです!
今日はここまでですが頑張ります! - 30二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:10:26
週刊誌のような続きが気になる引きだ(白目)
- 31二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:11:46
単純に続きが気になる はよ
- 32二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:23:52
不⋯不穏!??
- 33二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:27:13
さっきまでのほんわか具合が嘘みたいに不安なんだが…
- 34二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:32:33
続きがすごく気になる
- 35二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:33:17
ちゃんとサンジっぽい?わからん続きを楽しみに待っとこう
- 36二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 20:39:51
ニコニコしながら読んでたら知らぬ間にミステリーに巻き込まれているとは…
翌週のジャンプ並みに続きが気になる - 37二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 21:07:46
どうなるというのだ…
- 38二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 21:35:03
神SSか…
ヒザをついて待機する以外になかろう… - 39二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 03:30:00
続きが…続きが気になる…
- 40122/11/14(月) 04:17:50
次から“以前滞在していた島”編(つまり過去回想)になるのですが、どうしても台本形式だと内容が書ききれませんでした。すみません。
地の文がついてますが、なるべく地の文を読み飛ばしても内容が分かるようには意識しました。
読みたくないけど内容知りたいという要望があれば、投稿後に三行で内容書きます。 - 41122/11/14(月) 04:22:35
カラリ島。この島にはほとんど雨が降らない。
「あったけーとこだなー。お、村が見えるぞ! 肉が食える!」
ぽかぽかと優しい光が大地を包みこんでいる。船場からでも村が見えた。小さな島だった。
錨を下ろしたサニー号からルフィが飛び降りる。心地よい風を受けて「んん」と伸びをすると、彼は真後ろからの視線を感じて振り返った。
「……」
鋭い目線をルフィに向けていたのは、背の低い老婆だった。いつからそこにいたのか、気づいたルフィはわあっと声を出して驚く。
「はあーびっくりしたー! 婆さん影うすいなー!」
「あんたたち海賊かい?」
いかにも警戒した様子を、眉間に寄せられたシワが示している。対してルフィはニカリと笑って爽やかに答えた。
「おう、オレ達は海賊だ」
「何しにきた?」
「警戒しないで! 私たち、ログが貯まればすぐに出ていくわ。その間、食料や物資の調達をさせてほしいの」
ナミは慌てて船から降り、船長を隠すように前にでた。明け透けな彼から主導権を奪ってでも、この島ではいざこざを起こしたくはなかった。 - 42122/11/14(月) 04:24:35
「そうかい」
老婆の眉間に刻まれたシワが、ほんの少し緩む。しかし声だけは険しいままだ。
「……だが、この島にはね、絶対に破っちゃならねえ鉄の掟がある。島民は勿論、海賊だろうが海軍だろうが、例え神様だろうが破っちゃならねえ。鉄の掟だ」
「鉄の掟?」
「そうさ。大したことじゃねえ。だが絶対に破っちゃならねえ」
「……どんな掟なの?」
その剣幕に、一味の面々はそれぞれ神妙な面持ちを老婆へと向ける。ごくり、と生唾を飲み込んだのは誰だろうか。
「この島では、みかんだけは絶対に口にしちゃいけねえ。たったそれだけの掟さ。守れるのなら歓迎するよ。ようこそ、カラリ島へ」
「おう、分かった。みかんは食わねえ。ありがとう、婆さん!」
それだけ言うと、止める間もなくルフィは村へと走っていった。彼にとっては肉さえ禁止されなければ問題ないのだろう。 - 43122/11/14(月) 04:27:01
青果店へ訪れたナミは、その品揃えを見て肩を落としていた。やはり、みかんは売られていない。
自身の好物をストックしておきたいという願いは、この島の謎の掟によって儚く散っていった。彼女はガックリと肩を落とし、深いため息をつく。
自身の好物というだけではない。海の上では貴重な、保存の効く栄養源だ。総合的に考えて、みかんは航海に欠かせない。少なくとも、ナミはそう思っている。
往生際悪く、若い店員に「みかんは……?」とこぼせば、対応した男が慌てた様子で「しっ」と口元に人差し指を置いた。
「あんた海辺にいた婆さんから聞いてないのかい? カラリ島では、みかんは神様への献上品なんだ。そのみかんを食用に売買するってだけでも、罰当たりな行為だ。めったに口にするもんじゃねえよ」 - 44122/11/14(月) 04:32:46
「そう……ちなみに、みかんを食べるとどうなるの?」
「はあ!? とんでもねえ!! 天罰がくだるぞ!! 考えたくもねえ!!」
「はあ? 天罰? それだけ?」
「そ、それだけって……。あとは、犯罪だからな。捕まって拘留される」
「そう。諦めるしかなさそうね」
この島のログは二日もすれば貯まるらしいことは、老婆から聞いて知っている。天罰とやらはともかく、拘留されてはたまったものではない。
神への献上品というからには、どこかで栽培はされているのだろう。しかしそれを手に入れる労力やリスクを考えると、引き下がるのがベターだ。
サンジに頼まれていた他の果物を一通り購入し、ナミは青果店を後にした。
その日は一日、村中の店を見て回った。なんの変哲もない、平和で暖かい村だった。
物資の調達を続けている間も、ナミの頭の片隅にはみかんがあった。
ぽかぽかとしたこの島特有の空気が、ナミに絡み付く。ナミを求めるように、絡み付く。逃がさないように。 - 45122/11/14(月) 04:35:02
- 46122/11/14(月) 04:36:46
紙袋の底に、あるはずがないものを見つけ、サンジはその一瞬、思考を巡らせた。それはみかんだった。
見た目も、触った感触も、ただ一つの、普遍的なみかんだった。
落ち込んでる天使にこれを伝えれば極上の笑顔を見せてくれるだろう。しかし何故、あるはずもないソレが紛れ込んでいたのだろうか。ナミの口ぶりから察するに、青果店には置かれてすらいなかったはずだ。店員の手違いがあったとしても、紛れ込むはずがない。そこに無いものが、入っている訳がない。何かがおかしい。
結局、サンジはそのみかんのことを誰にも告げることはしなかった。わざわざ騒ぐほどのことでもないと思えたし、かといってこの不気味な果実を仲間に食べさせる気にもなれなかった。だから、ただ黙っていることにした。
(でもなぁ……腐ってるわけでもねーし、捨てる訳には……。明日婆さんに渡せばいいか。棚の奥にしまっておこう) - 47122/11/14(月) 04:42:06
____________________________________________
深夜4時を回る時刻。サニー号の女部屋。静かに眠るロビンを尻目に、ナミはむくりと上体を起こした。
(……喉乾いた。それに、)
みかんが買えなかった。みかんを買いたかった。みかんを食べたかった。
そればかりがぐるぐると脳のなかを渦巻いて眠れない。考えたくも無いのに、頭の中から消えてくれない。
ナミは疲れていた。体も、頭も。早く眠りたかった。
ギシリとベッドから起き上がり、キッチンへと足を向ける。一つくらいなら、あるかもしれない。たった一つだけで良い。
みかんをひとかけら口にすれば、穏やかに眠れる。みかんが一つでもあれば楽になれる。その思いがナミの足を動かしていた。
冷静に考えることができたなら、サンジが食材の管理を(それもナミの好物の管理を)誤るわけがない、と分かるだろう。彼が無いと言った食材は無いのだ。
しかしこの時のナミは冷静ではなかった。
そして、引き込まれるように迷わず棚を開ける。
(あった) - 48122/11/14(月) 04:44:26
朝特有の少し冷えた空気を肌に感じ、ナミはベッドから起き上がった。両手を伸ばして軽くストレッチをする。
遅くまで眠れなかったナミだが、みかんを食した後は気持ちが落ち着き、深い眠りにつくことができた。今朝は頭がスッキリしており、とても気分が良い。
甲板に出ると、ざぶんざぶんと波の音が船を揺らしている。ふわりとした太陽光が反射して、海面は煌めいていた。
「いい朝ね」
そのままキッチンに入れば、既に起きているサンジが朝食の準備をしている。
「おはよう、サンジくん」
「……おはよう、ナミさん」
「?」
何か言いたげな彼の雰囲気を感じとり、ナミは目線だけでその先を促す。サンジは少しいい淀むものの、どこかばつが悪そうに疑問を溢した。
「ナミさん、もしかしてみかん食った?」 - 49122/11/14(月) 04:45:50
「あ、そうなの! 勝手にごめんね。夜中どうしても我慢できなくて……。でも残ってたなら教えてくれたっていいんじゃないの?」
「いや、残ってたっつーか……入荷したっつーか……。ええと、あのみかん、何か変な感じとかしなかった?」
「?? しないわよ。美味しかったし」
「そっか、それならよかった」
「……大丈夫?」
「ああ、なんでもない。ちょっと考えすぎてたみたいだ。もうすぐモーニングの時間です。しばしお待ちを♡」
調子を取り戻したサンジが、デレデレとした笑顔をナミへ向ける。上ずった声は幸せそうに弾んでいた。
(……ん?)
いつも見ているはずのその笑顔と声に、自分の体がふわりと浮くような感覚を、ナミは覚えた。このときのそれは、ほんの一瞬のささやかな違和感だった。 - 50122/11/14(月) 04:49:49
- 51122/11/14(月) 04:52:41
「あんた、みかんを食ったね。そうなんだろう? あれだけ食うなと言い含めてやったのに……」
「や、やーね、おばあちゃん! 食べてないわよ? 本当よぉ」
「隠さんでええ。わしはあんたをどうこうするつもりはないからね。はあ……明日にはここを発つんだろう? いなくなってくれるんなら、別にええんだよ」
何を根拠に断定したのか、定かではなかったが、老婆はナミの掟破りを確実に見抜いている。似たような現象を空島で経験しているナミは、無理に弁解することをやめた。
有罪だ逮捕だ拘留だと騒がれることが無いのなら、別にバレてもかまわない。しかし昨日あれほど強く念を押してきた割には、老婆の剣幕は萎えているように思えた。
表情に浮かぶのは怒りではない。呆れ、諦め、もしくは哀れみだろうか。
「あんたには悪いが、助けてやる義理はない」
「一体なんだっていうのよ……」
「この島のみかんは……飢えているのさ」 - 52122/11/14(月) 05:04:59
「せめてもの情けだ。わしが知っていることをお前さんに教える。ついてきな」
訳が分からないままに、ナミは老婆の家へと案内された。村のはずれ、海がよく見える家だ。ここならば自分達の船が着たことに、いち早く気付けたのも納得できる。
老婆のただならない雰囲気に気圧されて付いてきたナミだったが、実際のところ早く解放してほしいと思っていた。彼女は神を信じていない。それ故に、天罰も信じてはいないからだ。
ただみかんを食べた。ナミにとっては、たったそれだけのこと。
「あれを食べたのはお前さんの意思だが、多少の不可抗力もある。……あれはね、自分を欲する人間が分かるんだ。自分を求めてほしいんだよ。飢えているんだ。愛に。だから、自分を求める人間の側に、いつの間にか現れる。お前さんはそこに目をつけられたんだろう」
「確かに私はみかんが好きだけど、そんなオカルトみたいな話……。それに、昨日食べたのは元々船に置いてあったやつで」
「そうかい。本当にそうならよかったんだがね。わしには分かるんだよ。あんたが食ったのは、間違いなくこの島のみかんさ」 - 53122/11/14(月) 05:06:55
「……そ、それに、みかんが愛に飢えてるとか、ちょっとよく分からないわ」
「この島で取れたみかんは、呪いを抱えて生まれる。みな忌み子なのさ。人間が食えば、少しずつ人格を蝕んでいき、最後には別人のようになっちまう。だからわしらはみかんを食さない。あれを食すことは神を冒涜する行為だと、子ども達に教育し、市場には決して流通させないことにしたんだ。はるか昔にね」
「つまり、迫害されてるせいで、みかんは愛に飢えてるってこと? 訳が分からないわ。禁じているからおかしくなるっていうのなら、解禁すればいいじゃないの。……いいえ、変よ。だって、みかんがおかしいから禁じているのよね?」
「それはな、卵が先か鶏が先かっちゅー話だ。大昔に出来た決まりだからね。その時に何があったのかなんて、もう誰にも分かりはせん。ただ一つ確かなのは、この島のみかんには確実に意思があるってことだ」
「……にわかには信じられない話だけど、でも、それが本当なんだったら、どうして作り続けるのよ」
「きらしちゃ駄目なのさ。一体どういう因果なのか、この島はみかんの木を、一定以上植えておかなければならない。みかんの成分がこの島の毒素を中和しとるんだ」
老婆の話は最初からずっと現実離れしている。しかしここは偉大なる航路(グランドライン)だ。ナミはこれまでの航海の中でも、信じがたい現象を何度も見てきた。
それに、この老婆の言論には、嫌な種類の説得力がある。冷や汗が耳の横を通りすぎく感覚に、ふるりと震えた。 - 54122/11/14(月) 05:12:32
「ところでお前さん、好いとる男はいるのかい?」
「……いないけど」
「今どきは女同士ってのも珍しくないらしいね」
「女でもいないわよ!」
「そうかい。それなら、まぁ、安心かね。さっきも言うたが、この島のみかんは愛に飢えておる。それを食っちまった人間も巻き込んで、愛を求め続けるのさ。ロマンチックに聞こえるかもしれないが、実際はそんな可愛いもんじゃないよ。恋い焦がれた相手の愛を独占せにゃ気がすまんようになる。最終的には、嫉妬に狂い、相手の周りにおる人間を全員殺すのさ」
「……」
「あんたが乗っとった船には若い男が何人かいたと思うが。あの中に特別な相手がもしいるのなら、お前さんはそのうち他の船員を殺すことになる」
老婆の低い声がぼそぼそと部屋に落ちる。その後、しばしの沈黙を割るようにして、ナミは快活な笑い声を上げた。
「はははは! アハハハ! なんだ、そんなこと。大丈夫よ、お婆ちゃん。それは絶対にありえないわ!」 - 55122/11/14(月) 05:13:32
「ほう?」
「だって私、好きな男なんていないし。あいつらのことは好きだけど、そういうんじゃないから! もしそういう相手がいたとしても、私があいつらを殺すなんて、絶対にあり得ないわ! 第一、勝てっこないもの! あいつら化け物みたいに強いんだから!」
「……そうかい」
老婆の話を半信半疑に聞いていたけれど、話が進むにつれて不安は底知れない闇のように色濃くなっていた。けれど、最後の最後でナミは安堵する。
自分は恋をしていない。
自分が大切な仲間に手をかけるなんて、心情的にあり得ない。
自分より仲間の方が強いのだから、肉体的にもあり得ない。
ナミはやっと、目の前に出されたコーヒーに口をつけた。すっかりぬるくなったそれは懐かしいインスタントの味がした。酸味が強くて、安い味。
(サンジくんのコーヒーが飲みたい)
ふと脳裏に掠めたのは、そんな小さな欲だった。 - 56122/11/14(月) 05:17:06
____________________________________________
カラン島を出た翌日には、ナミは自身を襲う異変にハッキリと気が付いていた。
(まずい……まずい……)
「ハァ……ハァ……」
一人きりになれる場所を探し、倉庫にたどり着いて胸を押さえる。今まではなんともなかったことが、ナミに苦しみを与えていた。
胸に走るのはキリキリとした切なさと深い苦さ、そしてほんの少しの柔らかな甘さ。最初は気のせいで済ませていたけれど、今日になっていよいよ体調にまで変化が及んでいる。こうなってはもう認めざるを得なかった。
(わたし、サンジくんのことが……好きだったのね……)
繊細に、それでいて踊るように料理をする綺麗な手が。みんなの食事を心底嬉しそうに眺める横顔が。そして目が合ってしまったときに垂れ下がるその目元が。
鮮明に脳のなかで再現されては、体がぼっと熱くなる。
男の何気ない動作が、言葉が、頭から離れない。 - 57122/11/14(月) 05:19:34
- 58122/11/14(月) 05:21:46
自分の異変を仲間に伝えようか。そうすれば、何か解決策が見つかるかもしれない。チョッパーなら治せるかも。ロビンなら何か知っているかも。
(でも……伝えるったって……そしたら私がサンジくんを好きだって……みんなに言うの……? 私がサンジくんを好きなせいで……みんなを殺すかも、なんて……)
背に腹は変えられない。仲間に危害を加えるくらいなら、そのくらいの羞恥心は大した問題ではない。
(嫌よ……まだ自分でも折り合いがつけれてないのに)
いっそ船を降りようか。みんなの元を離れれば危害を加えずにすむ。
(絶対嫌!! 離れたくない。みんなと……サンジくんと……離れるなんて、私、おかしくなっちゃう……)
『お前さんはそのうち他の船員を殺すことになる』
(嘘よ……嘘よ……あり得ないわ。私がみんなを……)
あり得ない。あり得ない。頭のなかで老婆の言葉を否定しながらも、ナミの体は震えていた。無意識に自分自身を抱きしめ、うずくまり、震えていた。 - 59122/11/14(月) 05:25:19
- 60122/11/14(月) 05:27:54
「ほら、あったかい」
「……え、ふぁは?♡ あ、夢?♡」
「もう隠しておけなくなると思うから、言うわ」
「へ?」
「私、サンジくんが好き。まだ正気だから、今のうちに言っておきたかったの」
今夜ナミは、サンジに全てを打ち明けるつもりで彼を呼び出した。一人では抱えきれない未知の気持ちにも、這い寄ってくる恐怖にも、耐えられなくなっていた。
今すぐ手を打たなければ、もう自分が冷静な判断ができなくなるという確信があった。むしろ彼女は今の自分が冷静なのかどうかも、既に判断ができていない。だから、この先の全てをサンジに託すことにした。
カラン島のみかんのこと。その歴史。自分が食べてしまったものの正体。老婆の言葉。そして自分がこれから、どんな風に変わってしまうのか。それら全てを。 - 61122/11/14(月) 05:29:20
「最初はね、本当になんともなかったのよ。特に体調も悪くならなかったし、ただの迷信だって思って……。でも、今は分かる。私、これからどんどんおかしくなっていく。だって私……サンジくんがただ、誰かに笑いかけただけで、酷いこと考えて……このままじゃ私……本当にみんなのこと……っ……!」
その先を口にすることは、彼女にはできなかった。言葉の変わりに、すすり泣く声が漏れてくる。
「ねぇ、サンジくん。私怖い……でも、どうしたらいいのか分からなくて……ねぇ……お願い……助けて……」
小さな悲鳴が、月夜に紛れて消えた。
「当たり前だ」
男の腕の温度が、女の背に回る。いつか聞いたようなやり取りは、今のナミにほんの少しの、安心を与えてくれた。 - 62122/11/14(月) 05:30:06
過去回想は以上です。
- 63二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 05:47:05
回想踏まえて1から読み返すとサンジ超頑張ってる…!!
うわあああ続きが楽しみです - 64二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 07:03:42
オモロ
- 65二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 07:04:08
つまりヤンデレになるみかんか
- 66二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 08:09:52
ナミさん…!サンジ…!
- 67二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 08:18:22
凄い引き込まれた面白い
- 68二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 09:18:21
このレスは削除されています
- 69二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 11:29:33
もちろんサンジは素でナミさんのこと大好きだけど頑張ってナミさんを安心させて手を汚させないようにしてるサンジを見ると…おおぅ…
- 70二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 11:33:41
1人だけを愛して他を総スカンなんてサンジには土台無理だからな…
もちろんナミさんが誰が好きでも積みっぽいけどよりによってサンジは… - 71二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 11:42:51
読み返したらウソップと会話した後のサンナミのやりとりの意味が逆転していい意味でゾッとした。あの場面まじでウソップ危なかったんだな…
- 72二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 12:42:46
「誰が何を言ってきても、誰と何をしようとも、おれの心はナミさんのものだ。それだけじゃ駄目か?」
「はあ……? 何言ってんの!? 駄目に決まってるじゃない! あんた何考えてんの!?」
「!! ……そうだよな! そんなの駄目に決まってる!」(駄目か……手段を選んでる場合じゃねーな……)
⬆ここの『駄目』の意味、そういうことだったのか……!って今になってゾワっとした
続きが楽しみ! - 73二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 13:38:18
めちゃくちゃ面白い!
真相が分かってから読み直すと全く違う景色が見えてくる
続きが楽しみ、待ってるね - 74二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 15:21:51
サニーにはみかんの木乗ってるから、普通に考えたら仕入れる必要無いはずなのに異常に求めてるの最初から狙われてた感あるな
- 75二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 15:23:33
- 76122/11/14(月) 17:25:42
反応ありがとうございます!
形式変わったので見てもらえないかと思ってたので嬉しいです!
サニーにのせてるみかんの木は食料のストックにはカウントされてないという解釈でした! - 77二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:33:23
むちゃくちゃ面白いです
みかんの木の解釈一緒だ
続き楽しみにしてます - 78122/11/14(月) 17:43:18
サンジ「これが、おれの知ってる全てだ」
ロビン「……話してくれてありがとう」
ロビン「それであなたは、嫉妬に取りつかれたナミが私達に危害を加えないよう、ナミを見張ることにしたのね。……いいえ、もしかして、ナミに自分以外と話すなと脅されているのかしら」
サンジ「……脅しだなんて、おれは思ってない。ただまぁ、約束はいくつかしたよ」
ロビン「約束……物は言いようね。なんにせよ、このままじゃ何も解決しないわ。ずっと未来永劫、ナミとしか話さないつもり?」
サンジ「未来永劫このままって訳じゃない。ちゃんと考えてる」
ロビン「どんな考えがあるの?」
サンジ「……」
ロビン「……言えない? あなたが犠牲になるような方法じゃないわよね?」 - 79二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 17:48:50
- 80122/11/14(月) 17:49:54
サンジ(あんなクソみたいな態度を続けてりゃ……そのうち、おれがみんなから相手にされなくなる……。もしかしたら、船を降ろされるかもな。ナミさんも一緒に降りることになるのは可哀想だが、そうなれば、ナミさんがあいつらに殺意を抱くこともなくなる)
サンジ(とか、言えるわけねーよなぁ)
ロビン「どうしてそんなに破滅的なの? どうして誰にも打ち明けなかったの?」
サンジ「……」
サンジ(ナミさんはおれにだけ話してくれた。それが全てだ……。ナミさんが知られたくないことを、おれがべらべら喋るわけにはいかねぇ)
サンジ(それに、ここ最近のナミさんは本当に情熱的におれを求めてくれる。正直夢みたいだ)
サンジ(……だからこそ、万が一ナミさんが正気に戻ったときに受ける辱しめは一体どれ程のものになる? あまり話を広めたくない……)
サンジ(なんてロビンちゃんに説明しても、絶対納得してくれねぇだろうな) - 81122/11/14(月) 18:02:23
- 82122/11/14(月) 18:06:46
- 83122/11/14(月) 18:14:02
ロビン「取り乱してごめんなさい」
サンジ「いや、謝らないでくれ。おれのほうこそ、ごめん」
ロビン「……話を戻すけど、今この船にある関係ありそうな書籍には一通り目を通したの。でも治療法らしきものは無かった。黒歴史のような扱いなのかしら。島の外になるべく情報が漏れないようにしているのかも」
サンジ(それで最近夜更かししてたのか。悪いことしたな)
ロビン「それとなくチョッパーにも聞いてみたけど、何も知らなかったわ」
サンジ「そうか」
ロビン「カラリ島には何か解決策が遺されているかもしれないけど……ログは書き換えられているし、戻るに戻れない」
サンジ「いや、あの島に行けたとしても、そんなものあるか怪しいぜ。ナミさんが、あの婆さんから聞いた話で全てじゃねーかな」
ロビン「そうよ……その話。ちょっと引っ掛かったの。みかんは愛に飢えている……」ブツブツ
サンジ「??」
ロビン「……試してみたいことがあるわ」 - 84二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 18:16:11
神スレ見つけちゃった
- 85二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 18:32:55
自分もさっき見つけてここまで一気読みした
面白い!!!! - 86二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 18:52:34
続き気になりすぎる…!こんな引き込まれると思わず何気に読み始めたら最後まできてた!
- 87二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 19:13:19
うひょー続きが来てるー!
面白すぎてまた1から読み直したわ - 88122/11/14(月) 20:42:23
____________________________________________
サンジー!シンパイシタンダゾッ
メイワクカケタナチョッパー
クソコックノクセニ、メンドウカケヤガッテ
ナンダトマリモコノヤロウ
ナミ「…………………………」
サンジ「おかえり、ナミさん」ニコッ
チョッパー「見てくれよ、ナミ! サンジが……サンジがぁ……!」
ウソップ「元に戻ったんだ!」
サンジ「悪かったな、みんな。最近腹の調子がわるくてよ。もう治った」
ウソップ「いや腹の調子で性格変わりすぎじゃねーか!?」
ルフィ「まーなんでも良いじゃねーか! にっしっしっ。よーし、今日はサンジ復活の宴だーー!!」
フランキー「用意するのもサンジだけどな」
ブルック「ヨホホ、手伝いますよ」
チョッパー「オレも! オレもー!」
サンジ「ああ、ありがとう」 - 89122/11/14(月) 20:46:25
- 90二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 20:47:06
他の船員とのやりとりがカタカナになってるのがまた⋯
- 91二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 20:50:39
ふ、不穏…
- 92122/11/14(月) 20:58:54
- 93122/11/14(月) 21:07:39
- 94122/11/14(月) 21:21:27
- 95122/11/14(月) 21:23:59
- 96122/11/14(月) 21:52:08
- 97二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 22:02:40
このレスは削除されています
- 98122/11/14(月) 22:03:34
ぎし…
ナミ「……じょ、冗談でしょ?」
ロビン「あら、ナミも私が好きでしょう?」
ナミ「そ、そういう好きじゃなくて……こういうのは……サンジくんと……」
ロビン「言ってることがよく分からないわ。好きなら良いじゃない」
ナミ「だから! だから違うって! 違うもん!」
ロビン(可愛い)
ロビン「そうね。白状すると、私もナミをそういう目で見たことはないわ。でも、あなたは今愛に飢えていると聞いたから、サンジ一人の愛ではきっと足りないんだと思ったの」
ナミ「????」
ロビン「つまりね、あなたを満足させるためなら、体を張るなんてやぶさかじゃない。そのくらいにはあなたが好きよ♡」
ナミ「????????」
ロビン「今夜は寝かせないわ」 - 99122/11/14(月) 22:13:40
- 100122/11/14(月) 22:17:39
- 101122/11/14(月) 22:28:12
サンジ(ナミさんとロビンちゃん……上手くいってれば今ごろ……)
ロビン『愛に飢えているのなら、飢えを満たすまで愛せばいいの。きっと一人分じゃ足りないのね。私がナミを一晩中可愛がってあげるわ♡』
サンジ(ってロビンちゃんは言ってたけど……)
サンジ(力ずくでも止めるべきだったか?)
サンジ(いや、でも……現状これしか解決策が浮かばねえ。ナミさんを救える可能性があるなら、背に腹は変えられない)
サンジ(……ナミさん大丈夫かな。いや、ロビンちゃんだってナミさんの嫌がることを強要はしない、はず……いや、どうだ? あれで結構強引なところあるよなぁ)
サンジ(でもナミさんが乗り気だったとしたら、それはそれで複雑……)
サンジ(……ああ……今ごろ二人は……熱く……うわあああああ)
サンジ(眠れねぇ……)ボタタ - 102二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 22:50:40
キマシマワー!?!?
- 103122/11/14(月) 23:07:25
- 104122/11/14(月) 23:09:33
- 105122/11/14(月) 23:12:19
- 106二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:13:04
ナニを想像したんですかねぇサンジさん
- 107二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:14:32
確かにしりとりもマジカルバナナも、めっちゃ接待してるなサンジくん
- 108二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:14:51
お前はジェルマの恥だ!
- 109二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:26:43
サンジお前やっぱ仲間大好きかよお…ってニヤニヤしてたら割と普通に遊んでた!!
- 110122/11/14(月) 23:33:06
今日は以上です!
補足ですがロビンはわざと思わせぶっています!
明日には終わらせたいですが、書き留めが尽きました!
落とさないように頑張ります! - 111二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:35:37
乙!!面白い!!好き!!
- 112二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 23:40:26
おつかれさまです!保守絶賛協力しますのでがんばってください
- 113二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:14:38
とてもよかっだっ''!!!!!!!!!!!
- 114二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:18:51
そういえば冒頭のサンジとナミもただ遊んでるだけなんだよな
良いレトリックだわ - 115二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:35:38
待って涙出てきた………
私の推しカプ2つ同時に浴びれる事ってできたんだ……
ギャグもあって中盤はシリアス展開でしっかり恋愛してたし言葉にできないくらい最高
本当に感謝です…
あにまんに、このSSに出会って本気で良かった - 116二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 00:50:46
前半のミステリーも後半のほのぼのも良いな…面白い
- 117二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 07:56:01
よき!!保守!!
- 118二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 16:49:22
ギミックもキャラも面白いなー
続きめっちゃ期待! - 119二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 17:21:11
続き待ってるぜ
- 120122/11/15(火) 20:24:39
サンジ「ロビンちゃん、昨夜は一体何を?」ヒソヒソ
ロビン「ナミを一晩中可愛がるって言ったでしょ? 可愛かったわ。顔を真っ赤にして悔しがるナミ」ヒソヒソ
サンジ「あ……可愛がるってそういう……。昨日はかなり荒れてたけど、大丈夫だった?」ヒソヒソ
ロビン「ええ。確かに最初は泣いて暴れて大変だったけど、少し驚かしたらすぐにしおらしくなったわ。意外と純情ね」ヒソヒソ
サンジ(“驚かした”……?)
ロビン「いつもより感情の起伏が激しいのはみかんの影響かしら。でも頭を撫でると大人しくなって可愛いの。スキンシップは好きみたい」ヒソヒソ
ナミ「近い! 何の話してるの!?」
ロビン「あなたが可愛いっていう話よ」
サンジ「膨れっ面のナミさんも素敵です♡」
ナミ「……」ムスッ
ロビン「それじゃあ、ナミを届けたことだし、私は戻って少し寝るわ」 - 121二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 20:27:06
さぁみかんの呪縛は解けるのか
- 122122/11/15(火) 20:27:30
サンジ「ナミさん、楽しかった?」
ナミ「……まぁ」
サンジ「そりゃよかった!」
ナミ「……」
サンジ「おれも昨夜は楽しかった。久々にあいつらと馬鹿やって」
ナミ「!!」
サンジ「なぁナミさん。おれ、ナミさんと遊ぶの多分向いてないんだ」
ナミ「なんで……なんでそんなこと言うのよ。ロビンと遊んだから? サンジくんが嫌なら……もうしない……」グスッ
サンジ「そうじゃない。むしろ逆だ。おれはナミさんが笑っていてくれればそれでいい。だけど、おれとばかり遊んでも、つまんねーよな。おれはナミさんには絶対に勝てないから」
ナミ「……それはサンジくんが……いつもふざけてるせいでしょ?」
サンジ「いいや、いつも本気だ。でも勝てない。惚れてるから」 - 123122/11/15(火) 20:31:53
- 124122/11/15(火) 20:36:37
- 125122/11/15(火) 20:40:17
前にナミさんを、こうやって抱き締めたときのこと、覚えてるかな。あの日のナミさんも……泣いてたな。
おれに助けてって言ったんだ。頼ってくれて嬉しかった。
おれ達、手も繋いだことなかったよな。
二人でやることといえば、ガキの遊びばっかりで。
おれはそれだけで充分幸せだった。ナミさんが隣にいるだけで、いつもドキドキしてるんだぜ。今もそうだ。変だよな。
でもナミさんはそれだけじゃ不安だったかな。寂しい思いさせて、ごめんな。
おれ以外に何もいらないって言ってくれたとき、すっげぇ嬉しかったんだ。……でも本当は、嬉しいよりもずっと、悲しかった。
おれは、真剣に海図を書くナミさんが好きだ。
夢を追いかけるナミさんが好きだ。
あいつらに説教したり、我が儘言ったり、甘えたり、みんなと笑ったりするナミさんが好きだ。
ナミさん。ナミさん。ナミさん。
あの日、おれを頼ってくれたナミさんの期待に、ちゃんと応えたい。応えたかった。
なのに、おれ一人じゃ何もできなくて、情けねぇ……こんなに好きなのに、伝わらないのも辛かった。
泣き言言ってごめん。
でも、これだけは分かってほしい。
ナミさん。愛してる。 - 126122/11/15(火) 20:44:20
- 127122/11/15(火) 20:56:40
____________________________________________
子ども「うっ……うぅ……うっうっ……」
ナミ(ここは……? 子どもが泣いてる)
子ども「……ううっ……ぐす、ぐす」
ナミ「どうしたの?」
子ども「大好きな人が……急に、いなくなったんだ……っ……寂しいんだ……」グスッ
ナミ「それは、寂しいわよね」
子ども「ううぅ……うっうっ……」
ナミ「……私もね、大好きだった人が、目の前で急にいなくなったことがあるの」
子ども「お姉ちゃんも?」
ナミ「そうよ。あのときは、いっぱい泣いた」
子ども「でもお姉ちゃんは今、泣いてないよ?」
ナミ「今でも、思い出すと悲しいわ。……だけどね、楽しかった思い出も沢山あるの! それに」 - 128122/11/15(火) 21:00:09
- 129122/11/15(火) 21:03:56
- 130122/11/15(火) 21:05:15
短いくてすみませんが今日はここまでです!
コメントと保守ありがとうございます!
嬉しいです! - 131二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 21:06:10
おつです!
今日もどきどきしながら読みました - 132二次元好きの匿名さん22/11/15(火) 22:56:41
乙です!お互いに仲間が大好きで大切に思ってる描写がめちゃくちゃ良い…!
- 133二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 00:50:52
サンナミっていいな…
- 134二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 04:30:10
ありがとうございます!!
幸せになる… - 135二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 08:19:50
保守
サンナミいい… - 136二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 08:22:51
めっちゃいい着地点じゃないですか…
サンジもナミさんも素敵だし仲間たちも素敵だ - 137122/11/16(水) 09:45:40
- 138122/11/16(水) 09:47:55
- 139122/11/16(水) 09:50:53
- 140122/11/16(水) 09:53:01
- 141122/11/16(水) 09:55:29
- 142122/11/16(水) 09:56:40
ナミ「ねぇサンジくん、覚えてる? 私が隣にいるだけでドキドキするって言ったでしょう? 今でもそう?」
サンジ「……うん」
ナミ「ドキドキしてるって顔じゃないわよ。ほら、こんなに近くにいるのに」
サンジ「……うん」
ナミ「色んなことがあったわよね。仲間も増えたり減ったり。いえ、あいつらとは離れてても、ずっと仲間よ? ……臭いこと言っちゃったわ」
サンジ「……うん」
ナミ「……ごめんね、サンジくん。私はここには残れない。まだ世界地図は完成してないから」
サンジ「…………うん゙」 - 143122/11/16(水) 09:58:05
ナミ「泣くことないでしょー! 笑顔で別れましょ! 電伝虫だってあるんだし!」
サンジ「……」
ナミ「あいつらの食事は任せて! サンジくんが沢山レシピ残してくれたし、みんなでやるし、大丈夫だから! あ、勿論ルフィには触らせないわよ?」
サンジ「……ナミさん」
ナミ「うん?」
サンジ「……覚えてる? おれ以外に何もいらないって言ってくれたよな」
ナミ「……ええ、言ったわね」
サンジ「……」
ナミ「その言葉通りに、夢も仲間も全部捨ててここに残れってわけ?」
サンジ「そうしてくれたら、すっげぇ嬉しい」
サンジ「……でも、それ以上に、悲しい……!」 - 144122/11/16(水) 10:01:48
- 145122/11/16(水) 10:05:20
- 146122/11/16(水) 10:09:31
番外編も考えてますが、一先ずおわりです。
たくさんのコメントや保守ありがとうございました!
サンナミはいいぞ…! - 147二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 12:01:27
面白かったよ
お疲れ様でした - 148二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 12:07:46
面白かった!サンナミは良い!!
- 149二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 13:20:01
とても良かった…ありがとう
- 150二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 14:03:44
お互いのことを大切に思ってるのがとても伝わってきていいお話だった
ありがとうございました! - 151二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 19:33:34
とっても面白かったよー、ありがとう
サンナミ良いな - 152二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 19:38:23
良かった…このサンジは、メロリンはするけど愛してるのはナミさんだけって感じだ…
- 153122/11/16(水) 21:16:48
おまけ ※古今東西ゲームとは手拍子をしながらお題に答えるゲームです。手拍子をするんです。
サンジ「古今東西ゲームしよう、ナミさん♡」
ナミ「いいわよ。お題は趣味ね。せーのっ」
サンジ「ナミさんとデート♡」
パンッ パンッ
ナミ「どくしょ」
パンッ パンッ
サンジ「ナミさんを眺める♡」
パンッ パンッ
ナミ「……さん、ぽ」
パンッ パンッ
サンジ「ナミさんとキス♡」
パンッ パンッ
「ん……」
パンッ パンッ
ナミ「口ふさぐのは、はんそく、から、さんじく…のまけ……っ!」
サンジ「はい……♡」
パンッ パンッ♡ - 154二次元好きの匿名さん22/11/16(水) 21:17:32
ありがとうございました!!番外編も是非!!
- 155二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 08:11:33
- 156二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:11:20
サンナミの良さに目覚めた
- 157122/11/17(木) 19:23:21
- 158122/11/17(木) 19:31:14
最後詐欺してすみません。これで本当に最後です。
一応番外編に詰め込もうと思って回収できなかった伏線を書いておきます。
・ルフィがサンジの変化に対して楽観的だったのは、サンジはおかしくなっていないと本能的に分かっていたから。
・サンジがナミとした約束は「裏切らない」とか「ずっと好き」みたいな、行為に関しては抽象的なものです。
・これはサンジが守れない約束はしたくないために、ナミ(inみかん)が「私以外と喋らないと約束して」等の実現が難しいことを言い出すのを防ぐ目的で取り付けた約束です。
・みかんの妖精が言ってた「大好きな人」はみかんの木を育てていた人です。寿命で亡くなりました。 - 159二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 19:39:02
あっ!!!!ありがとうございます!!!
- 160二次元好きの匿名さん22/11/17(木) 21:43:10
切なくも良い話だった…ありがとう