俺の願いを聞いてくれよ

  • 1二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:45:36

    マックイーンが不摂生なトレーナーに対して弁当を作ってきて恥ずかしがりながらも渡してくるシチュが見たい!!!

  • 2二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:46:05

    私も見たい

  • 3二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:47:02

    ダイエットメニュー組めるトレーナーが不摂生とは思えないが・・・

  • 4二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:47:45

    俺にも見せてよwwwww

  • 5二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:48:15

    お前が始めた物語やろ

  • 6122/11/13(日) 22:48:39

    で す の で

    自己生産してきました。

  • 7二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:49:13

    やるじゃない

  • 8二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:49:32

    お見事

  • 9二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:49:48

    ジンクスを打ち破ってくれたな

  • 101(1個目)22/11/13(日) 22:50:14

    朝、トレセン学園トレーナー寮前。

    まだ時間としては出勤する前で尚且つ生徒たちが登校するのよりも早い時間、ウマ娘が普通はここにいることはなかったはずだった。だが今はそのいるはずがない生徒が例外としてそこにいた。
    美しい葦毛を持つウマ娘の少女、メジロマックイーンは、手にいくつもの絆創膏を貼りつけながら落ち着かない仕草でソワソワとしながら、ずっと待ち人を待っていた。

    最初に聞いたのはクラスメイト達にとって他愛のない会話だった。クラスメイトの中では外に彼氏を作り進んでいる子がいてそういうコイバナに華を咲かせることもあった。いくらレースに情熱をささげているとはいえ彼女らも花の女子中高生、恋バナなど大好物だろう。

    「でね~彼ったら私の作ったお弁当おいしく食べてくれてさー…なんていうか母性とでもいうの?美味しく料理食べてもらう姿見てたらなんか胸の奥からときめいちゃうんだよねぇ」

    「えー…なにそれー、それも彼氏持ちのヨユーって奴なのー?」

     
    移動教室の準備をしていたマックイーンがその話を聞いたのはたまたまだった。クラスメイトの彼女たちが割と大きい声で話していたので意図せずともその会話が彼女に聞こえる結果となっただけ、ただそれだけの話だった。マックイーンはいつもと変わりないすまし顔で授業の準備を進めていた。しかし脳内には先ほどの彼女たちの会話がずっと反芻していたのだ。

    ──もし例えばあの人が、私の作ったお弁当を笑顔で美味しいと言ってもらえたら…それはたぶんとても嬉しく…そして…すごいであろう。

    マックイーンは完璧なポーカーフェイスを保ちながら、最初は何てこともない戯言のように考えていた。やがてその計画が具体的に形になってきたのは放課後のトレーニング中のことだった。

  • 11二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:50:29

    >>3

    人の為なら出来るけど自分の事になると適当になる人間は結構いる

  • 121(2個目)22/11/13(日) 22:50:38

    ぐぅーと腹の虫が鳴ったのだ、それは普段はマックイーンのほうだが今日に関してはトレーナーのほうから鳴ったのだった。

     

    「ごめん、見苦しい音を聞かせたね」

    「いえ、それはお互い様の話ですが…トレーナーさん、失礼ですが昼食を食べておりませんの?」

    「不摂生なのは自覚しているんだけどね。いかんせん最近は繁忙期だからまともに昼食を用意している暇もないんだ。元々弁当とか作らないし料理もかなり大雑把だから今更そんなことを気にしても誤差なんだけどね。ただ時間がないから食堂に行く暇もないし…作業中に食事ができるような弁当でもあれば話は別かもね」

    「そう…ですか…私が言えた話ではありませんがトレーナーさんも食生活には気を遣うべきですわ」

    「ハハ、本当だね。君に食事の重要性を説いても俺がこの様じゃ説得力がないや」

     

    …それから暫くマックイーンはトレーナーを観察していた。繁忙期というのは事実でありトレーナーの昼食もただ栄養を流し込んでいるだけというのが近かった。これでは充実した食生活などないただの栄養補給をするだけの無味乾燥な生存活動に過ぎないとマックイーンはそう思った。

     

    マックイーンがトレーナーと契約するに至ったきっかけは彼女の過度な節制を改善してくれたからだ。その食事を彼が欠いてしまうには正直言って本末転倒にもほどがある。…だからメジロマックイーンは決意した。彼の食生活を…特に昼食を彩のあるものにしてみせると。

  • 131(3個目)22/11/13(日) 22:51:07

    端的に言えばメジロ家の手配するコックを差し向ければそれは簡単な話だ。マックイーンは幼少のころより彼らの料理で舌を育んできた故にその腕前の高さは一番理解している。トレーナーの食生活にコックを差し向ければ一瞬で解決する。マックイーンは分かっていた…がそれ故にマックイーンはその選択を選ばなかった。マックイーンはむしろコックの手を借りることもなく…それでいて他の生徒の中には料理上手な生徒も多数いたがマックイーンは彼女らを頼ることもなく。放課後に家庭科室に籠り、修行の日々が始まった。

     

    包丁を握ったのは調理実習くらいだっただろうか。自分から料理することなどめったになかった。弁当にはどんなものがいいのかなど見当もつかない。故にマックイーンはそこだけはメジロ家を頼りコック監修の弁当レシピを用意してもらった。そこは意地を貼るべきか悩んだが、ないものはない。マックイーンはそこは妥協をした。

     

     

    一人でやり始めた時マックイーンはトレーナーに漏れないように必死に隠し通した。というよりも彼女の努力を知るのは同じメジロ家のウマ娘くらいだろう。彼女らも末妹の努力に温かい視線を向けていた。最初に包丁を持った時あまりにもおっかなびっくりだった。けれどもマックイーンは折れはしない。彼女の強さたる所以は決して満足を知らないストイックな強さだ。それはレースだけじゃない、何においても努力を欠かさない彼女は諦めの二文字を知らなかった。

     

    そして手のケガに苦しみながら格闘すること数日。マックイーンはようやく満足のいく出来のものができた。ここ数日で荼毘に付した料理は大量にあったがマックイーンは責任をもって自分で処理した。中には食べられたものじゃないものあったが何とか流しこんだ。自分の責任は自分で負う、それもメジロマックイーンの流儀だ。

     

     

    …目的に人物がトレーナー寮から出てきた。ここ最近の目撃通り朝一でトレーナー寮から出てきたというのも事実のようだ。正直朝食を食べているのかすら怪しい。トレーナー寮から出てきたマックイーンのトレーナーは門で待っていたマックイーンに気が付いた。

  • 141(ラスト)22/11/13(日) 22:52:08

    「…あれ?マックイーン、珍しいね」

    「…おはようございます、トレーナーさん」

    マックイーンはここにきて緊張してきた。手を後ろに回し、渡すべきものを隠してしまった。意識すれば心臓の鼓動が早くなってきた。
    (な、何をここにきて日和っているのよ私は…た、食べてもらうのよ。トレーナーさんには…)

    「…?どうしたんだい、マックイーン」

    「…!?!?…いいえ、なんでもありませんわ。少々内なる獣を掌握していたところですわ…えーと、それで、トレーナーさん…本日は私から…」

    しかしここにきてやはり言葉に詰まる、羞恥の感情が体を駆けていくのが良くわかる。何なら肌もほんのり赤くなってきたかもしれない…マックイーンは己を見つめなおす。結局なんだかんだ理由をつけて、理屈付けて話を進めていたが、根底にある思いはもう分かりきっていたことだった。

    (そうね…私は…この人に…トレーナーさんに…好きな人に…私の料理を食べてほしかったんだわ)

    それは実に子供らしい、そして少女らしい衝動だった…先に考えていた理屈の数々はもうすでに忘却の彼方へ飛び去った。マックイーンは遠慮しがちに…後ろ手に隠した可愛らしい包みに包まれた弁当箱を差し出した。

     

     

    「トレーナーさん…私が作ってきたこのお弁当…受け取っていただけますか?」

     

     

    頬を赤く染め、瞳もわずかに潤んでいる少女を前に…その返答はわざわざ記すこともないだろう。

  • 151(くぅ疲)22/11/13(日) 22:53:08
  • 16二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 22:54:26

    >>1 乙なの。辻斬りしようとしたら自給自足なんて聞いてないの。今せっかく書いたし投げさせてほしいの。

    ***

    「ま……待ってください!!」


     今まさにトレーナー室でカップ麺のビニールを破ろうとしていた時、ドアを勢いよく開いたマックイーンから声がかかる。

     驚いて手を止めて、きょとんとしてマックイーンと目が合った。

     いつもよりやや早歩きで、こちらに向かってくる。


    「……またインスタント食品ですの」

    「え、まぁお弁当作ってる時間とかないし、楽だし……」

    「普段は私にダイエットメニューを渡したりするのに、自分の食生活はそれでいいのですの?」

    「そう言われると困るけど、ただのトレーナーとアスリートだと気の遣い方は違うでしょ」


     と、言いながらもう一度ビニールに手を伸ばす。

     が、同時にマックイーンの手が俺の手首に重なって、何かを訴えたいかのようにこっちを見ていた。

     と思えばすぐに目をそらして、何やらモジモジしている。言いにくい事なのかな。


    「……これ」

    「え?お弁当箱?」


     少し顔を赤くしながら、自分の鞄から取り出したのは小さなお弁当箱だった。


    「あ、マックイーンはお弁当なの? じゃあ一緒に食べようか」

    「ちょっ……なんでそうなるんです!? これは……」


     急に声が大きくなる。いや、正直俺もわかってて少し意地悪をした。

     さっきまで恥ずかしそうに眼をそらしていた彼女は今度はしっかりと俺の目を見て、両手で箱を差し出してくる。


    「これは……トレーナーさん、あなたのために作ったのです」

     少しだけ赤かった顔は、今度ははっきりと紅潮していた。

  • 17二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 23:00:00










  • 18二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 23:01:57

    >>6

    よくやった。お前は偉い

    自分の見たいものがなかったらお気持ち表明より書くしかない

  • 19二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 23:11:46

    なかなかできることじゃない…そう思った

  • 20二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 23:18:45

    可愛いかよ

  • 21二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 23:22:19

    オデ オマエラノSSスキ

  • 22二次元好きの匿名さん22/11/13(日) 23:25:25

    >>15

    お前かよ!また見られて嬉しいぞ

  • 23二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 01:43:05

    かわヨ…

  • 24二次元好きの匿名さん22/11/14(月) 12:02:24

    あら素敵

オススメ

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