まじたきIF 3

  • 1二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 03:28:18

    前スレ

    まじたきIF 2スレ目|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/1081281/まじたきの可能性を自由に語り合うスレの続き。千束ロス後の傷の舐め合い展開でも、千束救出のための共闘展開でも、たきなを取り合…bbs.animanch.com

    真島×たきなの可能性を自由に語り合うスレです。


    まじちさたき3人で仲良くする概念とか真島が海外の英雄として国賓になってたりする概念とか生まれてます。


    スレ画はバランスとって3人揃った数少ないシーンをチョイス。

    いや、アニメでまじたき両方の顔写ってるシーンの画像本当に見つからないね。

  • 2スレ主22/11/20(日) 03:44:09

    セルフ保守がてら小話。

     このスレのきっかけである「まじたき」の概念が生まれたのは9/23。
     その日はスレ主が自転車で長距離ライド試してたのでよく覚えてる。
     自転車乗りながら「次回でリコリコ最終回かぁ。千束生き残れるのかなぁ」とか「真島悪役だけど面白いから死んで欲しくないなぁ」とか疲れ頭で考えてるとふと浮かんだのが「千束が心臓拒否して死んだら、リコリコ組だけでなく真島も悲しむよな?」と言う考えだった。
     プラス、まじちさ概念は前からメジャーだったけど、「まじたきはどうすれば発生するか」も考えていた為、綺麗にパズルのピースが噛み合った。
     ただこのIFは最終回で本当に千束が死んでたら洒落にもならないし、最終回見てからスレ立てようと思って寝かせてたわけだけど。生きててよかったぁ……

  • 3スレ主22/11/20(日) 03:55:03

    (まぁ、せっかく1週間くらい時間あったんだからスレ立てる前に文章もっと練っておけば、とか反省点はあった。あと誰だよマイケルって。『ミカ』エルもじったけだけど)

  • 4スレ主22/11/20(日) 04:00:11

    話変わるけど真島ってこたつ似合わなさそう。

    ちさたきと一緒にこたつでゴロゴロしてるシーンとか想像できるけどシュールな気がする。

  • 5スレ主22/11/20(日) 04:07:45

     国賓真島概念、まじちさ・まじたきの味方として頼もしい限りだった。
     本編では敵同士だっただけに平和に過ごせる関係にはなれなかったし。

    ↓スレ画像に使いたかったけど没にしたたきな達

  • 6スレ主22/11/20(日) 04:22:15

    このスレシリーズはひとまず3で終わりにしてもいいかな?
    続けたい人が4立ててくれればいいと思う。

  • 7二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 05:45:00

     なんかご飯を一緒に過ごす事になったテロリスト真島とちさたきSS
    ま「いいか、料理ってのは味のバランスが大事なんだ」
    た「それさっきも聞きました」
    ち「もー、いいじゃん! 麻婆豆腐なんて辛ければ何でもいいでしょ! 作るなら早く作ってよー!」
    た「千束、ご飯前にミカン食べないでください。と言うか暇なら手伝ったらどうですか?」
    ち「えー、だって3人も厨房入ったら狭いじゃん。料理当番たきなだし、千束はこたつでぬくぬくしてます」
    た「そうじゃなくて。この人が急に包丁をこちらに向けたりしないか警戒してて下さい」
     しかし真島は2人に危害を加えようとする様子を見せず、楽しげに豆腐をサイコロ状に切っていた。
     器用にも、塊だった豆腐をほぼ1cmの均等な立方体にしていく真島。その洗練された手つきに千束は思わず見惚れる。
    た「そんな細かくしなくてもよくないですか?」
    ま「ところが、だ。均一さも大事だが麻婆においての豆腐のサイズは食感をまるで別物のように変えるんだ」
     真島は切った豆腐を鍋一杯の熱湯に放り込むと、別の鍋で肉を炒め始める。

  • 8二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 06:13:27

    >>7

     調味料を手に取った真島はぴくりと手を止める。

    ま「おい、電波塔。豆板醤は?」

    ち「あちゃ〜、忘れてた。ごめん」

    た「どうしますか? これでは麻婆豆腐は難しいと思いますけど」

     真島が手にした瓶にはわずかにしか豆板醤が残っていない。しかし真島は他の調味料の数々を物色すると、ニヤリと笑った。

    ま「ないなら代用すればいい」

     いくつか調味料を混ぜ合わせて、肉に絡めながら炒める真島。刻みネギと茹でた豆腐を肉の中に合流させると、ラー油と花椒を多めに振りかける。

    ま「できたぜ」

    た「……見た目も香りも普通ですね」

    ち「豆板醤少ししか使ってないし、なんか味噌とか入れてたし、大丈夫なのこれ?」

     恐る恐る一口食べる2人だったが、それは2人の知る麻婆豆腐の味に近く、控えめに言っても美味だった。

    た「そ、そんな……!?」

    ち「嘘でしょ!? さてはアンタ豆板醤隠し持ってたな!!」

     驚愕する2人を尻目に平然と食べる真島。

    ち「ちょっとちょっと、なんとか言ってよ」

    ま「あー、米炊いておけばよかったな」

    ち「そうじゃなくて!」

    ま「……テロリストなんてやってる奴はほとんど社会不適合者だ。貧しい家の出だって少なかねぇ。金がないから美味いモノにもありつけないし、食えるモノがあるなら不味くても食うしかねぇ。ま、例え家が貧しくなくてもテロリストになれば、食うモノに困る日だってあるさ。そんな環境、少し味覚が鋭敏な奴が飛び込めば、まさに地獄だぜ。マシなモノ食うために、嫌でも料理の腕が上がるってもんだ」

     その話を聞いてから、たきなと千束は無言で麻婆豆腐を食べるのだった。

    ち・た(いや、でも味覚が鋭敏だからってこの麻婆豆腐は辛さが控えめ過ぎるような……)

     終

  • 9二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 07:13:25

    保守

  • 10二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 07:32:25

    渋でやればいいのに

  • 11二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 11:24:40

    新しいの来てるやんけ!

  • 12二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 15:51:32

    国賓真島のの方も続き待ってる

  • 13二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 16:25:04

    >>12

    あ、ごめん2の方で書いちったわ

  • 14二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 21:21:13

    ごくごく短い1シーンの妄想なんかはこういう掲示板に投げるのが最適だと思うわ

  • 15二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:36:59

    スレ2の続きから続けさせてくれ。


    >>199

    「ほら」

    「……ありがとうございます」

     カップはここの備え付けのようで、繊細な模様がついているもの。

    それが真島の手にあるのはなんだか笑っちゃいます。

    「不安か?」

     わたしが液面を見ながら固まっているのを見たのか、真島が先に飲んだ。

    「ち、ちがいます。動機はないし、それにあなたは毒殺なんかつまらない方法で殺さないでしょ」

     わたしが固まってたのはさっきのカップとの不釣り合いだったことについてだ。

    でもそんなこと言ったら不審がられるだろう。

    「ほお……」

     でも真島は何か面白がったようで、ソファの端に腰を下ろす。

    「まあ、お前らに対してはそうだったかもしれないが……わりとなんでもやるぞ俺は。爆弾仕掛けたりな」

     何か自慢げです。そうですね、知ってます。

    「それは千束がいるからですよね」

     もう捨ててしまったとはいえ、あのフクロウを共にした者としての興味が千束に対してあったはずだ。

    「ああ」

    「……わたしに対してもその基準というか、まともに戦ってやろうって気持ちになるんですか」

     真島と対峙した時、そのたびに無力化されていてわたしも悔しいという気持ちもあるのだ。

    尤も、わたしには真島のようなフェアネス精神はないので余裕で寝込みを撃ちます。


    「もう戦わないがな、まあ……お前を殺したらあいつはまともに戦ってくれるかもしれねえな?」

     十中八九嘘や冗談だと分かっているが、あまり気分がいいものではない。

     でも別に千束にとってはわたしはただの相棒だし、代わりがDAから補充されてくるから大してそんなに

    気にはしないとは思いますけどね。

    「千束はそれでもあなたを殺さないと思いますけどね」

     そう言うと真島はなんか、形容しがたいような顔をして黙りこくってしまった……。

  • 16二次元好きの匿名さん22/11/20(日) 23:56:38

     まじたきの考え方は自由でいいと思うけど、ちさと生存の話書いてくれる人多い分、ちさとロス世界の話が書きづらくなるのはちょっとしたジレンマだな。
     まぁちさといないIFなんてこの際いらんか。

  • 17二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 00:35:56

    千束ロス状態だと、会話する仲まで持ってくのは難しいけど、面白いと思う
    真島が直接の原因で千束が死んでたら多分無理があるかもしれない
    心臓の寿命で死んだのなら割とイケる

  • 18二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 03:15:21

    新しい心臓なら10年は戦えるだろうし、その頃のたきなはアラサーか。
    まぁでもそれくらいなら一般人は結婚とか真剣に考える時期だし、まじたきが加速しそう

  • 19二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 07:41:35

    >>18

    そこは心臓再交換できないかねぇ

    そしたら、まじたきちさが続くはず

  • 20二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 12:22:14

    十年更新の寿命は普通に辛い

  • 21二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 19:14:06

    >>19

    ち「もう新しい心臓も寿命かぁ。そこそこ長生きできたし悔いはないけどねぇ」

    た「なんとかならないんですか? 前の心臓修理して使ったり、前のを参考に新しい心臓作ったり」

    ま「ちーっす。なーにしけた顔してんだ。ちょっとアラン機関に殴り込み仕掛けて新しいの貰ってきたぞ」


    ち・た「真島ァッ!!」

  • 22二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:35:49

    >>15

    「……そうかい」

     何か不満なのか、真島は黙りこくってズズズと珈琲を飲む。

     わたしたちはあまり喋らないけれど、あまり緊張感はない。

    不思議な感覚です。珈琲のなせる業でしょうか。


    「……これ、どこの豆なんですか?」

     初めての味だ。とっても甘いというか、果実のような、強い感じがします。それでいてわざとらしい加工の様子はないです。

    結構わたし好みです。お店で出したら、きっと喜ばれるでしょう。

    「これはコスタリカだったかな、珍しい豆だ。病気に弱いんだが、丁寧に育てるとこうなる」

    「へえ……。高いんですかね」

    「そんなでもないぞ、気に入ったのか?」

    「まあ、お店で出してもいいかなって」

     店で出しているスイーツは実はそこまで甘いものは少ない。これなら相乗効果が狙えるかもしれない。

    「いいね、卸してやるぜ?」

    「……いいですね考えておきます」

     真島はぼったくらないような変な信頼がある。「バランス」が悪い気がするからか。

    「他にも色々向こうから持ってきてるんだが、飲んでくか?」

     いい誘いだ。ただ、飲みすぎると仮眠できなくなる。千束との交代まであと三時間以上もあるけど

    変なタイミングで眠れなくなると明日に差し障るかもしれない。

    「いえ、今日はこれまでにしたほうが混ざらなくていい」

    「そうか、味わう方なんだな」

    「ええ。まだこれありますよね?」

    「あるけど、気に入ったんだな」

    「耳だけでなく舌もまあまあいいんですね」

    「褒めるなら素直に褒めろ」

  • 23二次元好きの匿名さん22/11/21(月) 23:36:17

    >>22

     普通に褒めてるじゃないですか。……真島は砂糖をいくつか放り込んでいたけど

    苦いのは苦手なんだろうか? これはそんなでもないと思うのだけど。

    やっぱりガキじゃないか。なんてさっきの会話を思い出して頬が緩む。

    いや、そんな情けない顔を晒すわけにはいかない。他の話題は……そうだ。

    「千束にも飲ませてあげてくださいね?」

    「あいつに味が分かるか?」

    「……それは……まあそうでしょう。美味しい物が好きですし」

    「ただ甘い物が好きなだけだと思うがな」

    「それは正直否定できません……」

  • 24二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 06:39:43

    保守

  • 25二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 07:39:51

    保守

  • 26二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 12:19:25

    俺も保守

  • 27二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 12:36:35

    保守しかしてないなら渋でなんなよ

  • 28二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 19:28:58

    まじたきから漂うケンカップル感

  • 29二次元好きの匿名さん22/11/22(火) 23:18:00

    少なくともまじちさよりケンカ多そう
    それはそれとして距離が開くことはない

  • 30二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 00:38:03

    >>23

    「でも、割となんでも食べる人ですよ。人生が短かかったじゃないですか、全部の食事に満足したいみたいな」

    「なるほどな、なかなか重い動機だな」

    「ただ、一人だと面倒くさがって何もしないんですよね……よくあれで生きてたと思います」

     ちょっと目を離した隙に千束の家のゴミ箱はファストフードの紙袋が突っ込まれていますね。

    わたしが研修で一週間ほど居なくなった際には、まあお菓子だのなんだのが山積みでした。

    そうだ、こんな姿を真島が見たらバランス不足を指摘するだろうか?

    「意外だな。こだわるのは珈琲だけなのか?」

    「ああ、そうですね。珈琲だけはちゃんとやるんですよね」

    「そっちのほうがめんどくさいだろうに」

    「ですよね」

     豆を焙煎したり、挽いたり、フィルター掛けたり、色々洗って乾かしたり……。

     そういうのを鼻歌混じりでできちゃうのだから、料理なんてもっと楽なのではないかと思ってしまう。

    「でもまあ、あいつの珈琲は美味いからな」

    「……そういや、行った事ありましたもんね」

    「あんときゃお前が出し抜けに撃ってきてビビったもんさ」

    「嘘、軽くあしらわれましたけど」

    「それはそれ、精進しろよな」

     ……千束の珈琲を飲ませてもらったのは別にいいんです。わたしも淹れてもらいましたからね。

    問題は、千束が「こいつには珈琲いれてもいいな」と思ったことなんですよね。

    あの時はバリバリの犯罪者でしたから。敵なのにもてなしたことに対してわたしはずっとモヤモヤしてました。

    今の真島なら……まあいいでしょう。

  • 31二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 07:05:45

    >>29

    千束がまじたきの応酬を見てオロオロしてるけどいつのまにかまた仲良さそうに喋ってる感じ

  • 32二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 09:07:33

    でも怒ると一番怖いのは千束

    たまに真島とたきなが並んで正座してお説教されるのが見える見える

  • 33二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 09:15:33

    >>32

    何したらそんな怒られるんだろ……

  • 34二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 09:20:19
  • 35二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 13:06:48

    わざわざこっち来てまでそれ言うのか。
    流石に引くわ。
    他所スレで貼った人が配慮足りなかったにせよ、いちいち噛みついてくるのはそれ以下もいいところだろ。

  • 36二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 13:10:20

    >>30

    「千束の家に行ってもいいですが、わたしがいるときにしてくださいね」

    「ハハ、なんだよそれ。保護者か」

    「そうです。千束はすぐに知らない人について行ったり招いたりしますから」

     本当にそう。アメ一つで誘拐できそうなリコリスは千束ぐらいしか知らない。

     ……一回やってみましょうかね? 

     千束は強いからって油断してるんですよ。

    「……どうした?」

     わたしが一瞬千束への不満とか不安を浮かべたことにすぐに気づく。

    「いいえ、千束が自由人なのは彼女が強いからでしょうね、とか思っただけです」

    「そうか? 仮にあいつは弱くてもあのままだっただろうな。尤も長生きは出来なかっただろうが」

     確かに。店長から聞いた千束の幼少期も、かなりの自由人だ。

     ……まあそのころも最強だったんですけどね。今より劣る状態でもそうなら、きっとどうあってもそうだ。

    「少なくとも、殺さないのは無理でしたでしょうね」

    「そのおかげで俺は助かったわけだが」

     ニヤニヤとしている。

    「千束の自由人加減に感謝してくださいよ?」

    「あいつは礼を言われるのは好みじゃないだろ、自分のやりたいことやってるだけだからな」

     それもそうか……。

     というか、真島がいちいち千束の性格や行動を当ててくるのは癪に障りますね。

     わたしの方が長く付き合ってるんですけど? 

    「真島が微妙な表情してたの、自分が好きなことやってるだけなのにみんなに感謝されたからですか?」

     TVの中の、真島の顔はそうだった。さっきは苦虫を潰したような顔だと思ってたやつだ。

     あれは困惑なのだろう。自分が好きなことをしただけなのに持ち上げられてしまったことに対する。

    「よくわかってんじゃねえか。尤も、あいつらが強い国になったら俺は他の国を助けに行くからな」

    「落ち着かない人ですね」

    「落ち着くと腐るからな。権力機構は時折交代しなければならない」

     冗談ではなさそうだ。真島なら本当にそうするだろう。しかし、自分が政権を取ったのに、ここまで簡単に権力を投げうてる人も中々珍しいのだろうな。

     そしたら真島の最終地点ってなんなんだろう、ずっと弱い、不利な方の味方をし続けた後は?

  • 37二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 13:17:07

    >>35

    自分で貼ったって言ってるのに…

  • 38二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 13:26:09

    逆になんでこのスレのSSが全部同じ人の書いたものだと思ってるんですかねぇ……。
    渋がどうとか言ってるけど根本的に何か勘違いしてない?

  • 39二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 13:28:07

    そりゃ向こうで批判されてるタイミングであげたからでしょう
    自己顕示欲強いから自己弁護なんだろうけど

  • 40二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 13:34:17

    まあこのスレタイで今までがよく平和だったよ
    千束ガチ恋と狂レズたきなに倣って真島スレにでもすればいいんじゃないか

  • 41二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 14:16:42

    やっぱり持ち出しは勘弁願いたい
    百合に挟まるってのはどうしてもデリケートな話題だしそういうのがなかったから真島はよかったって人も中にはいるし

  • 42二次元好きの匿名さん22/11/23(水) 16:26:04

    そうだね。
    他所スレへの持ち込みは以後禁止で。

    まじたきの話書く人いなくなればどうせ落ちるし、どうせ次スレもないので、この話はこの辺で。

    ハーメルンとかpixivとかにまとめるのはアリだとは思うし、今スレでまだ書き足りないならリンク貼ってくれればいい。

    あとは自由だけどケンカはなしで頼むよ。
    まぁ、スレ立てた際に「閲覧注意」書いておくべきだったのはスレ主のミスだけど(元々千束ロスルートだったし)。

  • 43二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 01:02:59

    何もないけど保守はしておく
    ま、今の話続き期待してるんでな

  • 44二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 01:41:47

    自分はスレ主とも国賓の話を書いてる人とも違うが、1スレや2スレでいくつか書いたよ
    最近はネタが尽きたんで保守するくらいだけど、浮かべば書こうとは思ってる

  • 45二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 03:12:35

    >>36

    「最終的にあなたは……どうしたいんですか?」

    「どうってなんだよ」

    「その、ずっと革命を支援し続けるんですか? 死ぬまで」

    「……そうだな」

     真島はその気だるそうな目を一層細めて天井の、細かい彫刻の一本一本を睨むようにする。

     何を考えているんだろう。

    「なんというか……なんでしょう。一回国をまっさらにしないといけないものなんですか? 

    全部やり直しにしてしまうのは……どうなんでしょう。効率が悪い」

     わたしの語彙の中にはこれらを適切に示すものがない。

     だから、こういう抽象的な物言いしかできないのだ、勉強不足だ。不甲斐ない。

    「勿論全部やり直したいわけじゃない。残せるものは残した方がいい」

    「ですよね」

    「ただ……そうだな。法律と人間の意識、どっちの方が規範として強いかって話だな」

     ……よくわからないな。ここは突っ込むべきなんだろうか。

     カップからの珈琲の香りが弱くなる。徐々に冷めてきているのだ、

    結構長く話してしまったな。……さて、どうこたえよう。

    「それは……法律じゃないんですか? 法があればそれを守りますよね。勿論守らない奴らはわたしたちの

    領分なんですけど」

    「なるほどな、それは多分お前みたいな真面目な奴……なだけだ」

    「真面目ではないですけど……。まあ」

     真面目。よくわたしが言われる言葉でそれは大抵嫌味を伴っているのだけど、真島のそれは

    あっさりさっぱりしていて、不思議と不快感がなかった。

    「意識が変わってくれるのなら、何も壊さなくてもいいんだ。ほんとは」

     真島のその呟きは、願いとか祈りみたいな雰囲気がまぶされていて、

    反実仮想を、叶わないと知っているから伴う悲しみの味がした。

  • 46二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 07:30:30

    たきなは……真面目か?

  • 47二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 12:56:21

    自称真面目

  • 48二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 22:11:29

    分かり合えてそうな気がする……

  • 49二次元好きの匿名さん22/11/24(木) 23:17:31

    >>45

    その悲しそうな顔にわたしは何も言えそうもない。

    そういえば真島もアランチルドレンだ。障害や貧困の所為で才能があっても

    発揮できない者を支援するのかアラン機関だという。


    なら真島もそういう結構苦しい過去があったのかもしれない。

    それが、現在の思想を形作っているとしたら?

    ……千束もそうだった。命を救われるという経験をして人を殺さないという思想を心に抱いた。

    アランチルドレン、わたしが知っているのは二人だけだけれど、それはとても強烈だ。

    だから、あの「バランス思想」だって千束の「不殺」と同じぐらいの思い入れと

    強さがあるんだろう。

    だからどんなに言っても変わらないだろう。


    あいつにとっての宝物で、それでいて業みたいなものかもしれない。


    そう考えてみると、千束と似た者同士、ではあるんだよな。認めがたいけど。

    ゆらゆら揺れている癖に一本の芯があるようなタイプ。

    掴みどころがない、それなのに自立しているような。

    その自立と言うのは……本質的に仲間を必要としていないような、そういうものだ。

    どれだけ仲間に囲まれていても、「独り」みたいな人。


    千束も少し間違えていれば、あの吉松と……店長が少しでも展開を間違えていれば

    その才能を殺人に使って、最強最高のリコリスになって、でも千束自体は殺しは嫌いだから

    ああいう目になっていたんだろう。真島のような目に。どこか何かを見透かしたような目に。

    どこか諦めたような目に。


    そして真島も少し環境が違えば……千束のような人間になれていたのかもしれない。

    この二人は……そういう紙一重の関係だったのだな。

    なんて、感傷的すぎるかな

  • 50二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 01:24:46

     真島がテロやってなければ普通に千束と打ち解けるキャラになってただろうけど、リコリスとかやってる千束とは接点なくなるかな?

     ならいっそリリベル真島とか……まぁ、こっちも千束殺しに来るような立場か

  • 51二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 07:48:16

    たしかに接点ないな

  • 52二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 12:19:30

    たきまじはくっついたら終わりな感じがする

  • 53二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 13:18:00

    真島は釣った魚に餌をあげない派な感じはする

    千束やたきなは本人が強いから尚更「無理にかまってやらなくても大丈夫だろ。向こうから離れていくなら仕方ないな」って感じにはなりそう。でも寂しくなると真島は自分から近寄ってくるんだきっと

  • 54二次元好きの匿名さん22/11/25(金) 21:46:17

    さびしんぼ真島はいいね

  • 55二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 02:20:05

    真島は小学五年生男子概念だからさ……

  • 56二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 12:14:56

    もう終わりかな?
    正直途中から1人しかほとんど書かなくなったのは、国賓真島の概念が強すぎるからだと思う。
    ぶっちゃけ一番平和な設定だから他にネタ出しようがなくなったのかなって。

  • 57二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 12:45:15

    >>49

    「ああそうだ。その時にあいつと言ったら――とまあ、クソつまらん話もやめだな。もう交代の時間のようだが」

     真島はドアを見遣る。……?

    「相棒が来てる」

     その言葉に反応するように、例の重い扉が開いて、千束が隙間からちらっと顔を出す。

    「あはは……いや、ただの交代だから……あの、盗み聞きとかしてないから……」

     なんでそんな気まずそうな顔をしてるんだろう?

    「あ……たしかにそうですね。すっかり話し込んでしまいました」

     時計を見るとその予定の時間だ。大して多くの話題を共有したわけでもないと思うけど

    交代まではあっという間だった。

     途中、料理の話だったり、珍しい武器の話だったりがあったのが原因か。

     大抵の国は取り敢えず豆か芋があればよくて、それを皮剥いて茹でればいい。という話や、

    真島がその雑さに耐えきれずに芋を潰して固めて揚げたらウケたという話。

    (ただのコロッケですよね?)

     銃弾そのものに推進力がついてて、水中でも撃てる……とかどこに需要があるのか分からないものが

    この世にはあるんだなあ……とか。あ、銃弾が非殺傷弾より高いので使うのは却下ですが。

     伊達に世界中を逃げ回ってませんね。中々面白いです。


    「……それでは。おやすみなさい」

    「ん……おう」

     千束にも挨拶をしてその場から離れようとするけど……。

     後ろを振り返ると、千束はちゃんと鞄を背負って扉の前にいた。

     が、それだけだ。扉の前に立って警戒をする――所謂立哨ってものです。

    「入らないんですか?」

    「……うーん……なんというか。逆にたきなは良く入ったね」

    「誘われたので」

    「え、は……ふーん……そうなんだ」

     赤い瞳が大きくなったり小さくなったりとして忙しい。

    「珈琲ぐらいはいれてくれますよ。あ、でも真島も寝るかもしれませんけど」

     それじゃあ、とベッドに戻った。

  • 58二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 12:45:30

    >>57

     リコリスの制服のまま、すぐに出動できるようにしたまま、身体を横たえる。

    平和なはずの日本で、わたしたちはそういう人生を送ってきた。


    ――意識が変わってくれるのなら、何も壊さなくてもいいんだ


    あの言葉の意味を未だにわたしは掴めずにいる。

    さっさと察処分することより大切なことなんて、わたしにはあまり思い当れないのが実際だったけど。

    真島が変えたい「意識」ってなにで、それはどうやったらできるのか。

    悪いことをしたら罰せられるということだけなら、わたしたちと変わらないじゃないか。

    あいつは……わたしたちの何が気に入らないんだろう……。


    そんなことを想いながら少しばかり目を閉じる。いつもは使わない脳の部位がわたしを眠らせる。

  • 59二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 13:05:41

    >>58

    殺処分 ね。誤字った

  • 60二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 22:04:09

    >>58

    「……千束?」

     あ、そうだった。千束とは交代だったんだ……。

    隣は千束がいないベッドだ。まったく、帰ってきてないのにわたしのより

    乱れているってどういうことなのかしら?


    比較的窓側に置かれたわたしのベッドはカーテンから差し込む早朝の青い光にわたしの瞼は焼かれて目が覚めた。

    あまり上等な起き方ではないのにも関わらず、身体の倦怠は少ない。

    自分の家のよりふかふかのベッドの効能だろう。


    だけどぼんやりとした脳はキリリと奥に痛みを抱けて身体と脳みその状態のギャップで不快だ。

    ……寝不足か。

    こんなふうになるのは久しぶりだ。いつもは短眠でも平気なのに。

    いつもとは違う頭を使ったからか。それとも緊張感が薄れてしまったからか。

    下手に弛緩して寝ると体は熟睡を求めてしまうんだな。

    時計をちらっと見るともうそろそろ交代の時間……。


    気になりますね……。

    わたしは真島の間(なんとなく言いやすいので)の前の扉に立つ。

    ……ちょっと近づきすぎると真島にバレる。いや、バレても別にいいんですが……。

    なんかコソコソしているという事実自体が情けなくないですか?

     クリアファイルを耳の後ろに立てる。集音効果を高めて向こうの音を聞きたいのだ。


    ……ん、なんか談笑してますね。なんですか千束、楽しそうにしちゃって。

    あんなに不信感をあらわにしてたのに……。どうしちゃったんだろう。

    まあ? わたしと違って共通の趣味がありますからね、仕方ないですね。

    ……もう少しほっといてもいいでしょう。別に。


    わたしは更に離れた場所の壁に身体を預けて天井を眺める。吸い込まれそうな高い天井が

    わたしを見下ろしている。

  • 61二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 00:19:18

    二人とも同じことを思ってるんだよね……

  • 62二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 05:48:27

    まじたきの皮を被ったちさたきじゃん!!

  • 63二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 15:21:13

    >>60

    「まあバレでるでしょうから」

     部屋から出てきた時点でもうわたしが起きてることぐらい察せられてそうだ。

     バレてるのに隠れようとしている方がよほど情けないような気がして、半ば観念。ノックなしでドアを開ける。

    「あ、たきなーおはよー!」

     フリフリと手を振ってくる。……真島と近くないですか?

     三人掛けのソファの両端に座っているのは昨日と同じなのだけど、なんか肩が触れそうじゃないですか?

    「おはようございます。朝食の時間ですよ」

     これは事前に決まっていたことだから別にわたしの機嫌とは関係ない。

     

     真島は賓客なのでそれ用の食堂へ。わたしたちは真島の後ろと食堂の入口とに立って警戒。

     千束は接近戦が強い。その性能を生かすべくドアの向こうにいて、わたしは真島の後ろに控える。

     千束が突破されるわけはないので、わたしは少し気を抜いてしまう。

     しかしまあ、こんなに広いのに一人というのは寒々しい。給仕係が一回運んできて、それで終了だ。

    「お前らは食わねえの?」

     振り向かないで真島は箸を振るう。

    「あとで交代で食べますよ」

    「……なんか、それは違うな」

     ワゴンを下げようとした係を呼びつけて二言三言告げて行かせる。

    「お前も食え、電波塔も」

     五人分ぐらいはあるはずだ、一人分だけしか作らないことなんてないからな、と真島は当たり前のように言う。

     まあ、料理で一人分だけ作るのは確かに難しいが……しかし。

    「……警戒中なんですけど?」

    「じゃあお前だけでもいい」

     頑固そうだ。……真島の前にある朝食は、朝食の理想像のようなものだった。

    湯気の立つ味噌汁、艶めくご飯、脂ののった鮭、歯触りのよさそうなお浸し、柔らかそうな卵焼き。

    出汁の効いてそうな煮物。パリパリと軽快な音がしそうな海苔。ごくり、となってしまうのは偽らざる事実だ。

    「御馳走さまです」

     頭をコクリと下げる。真島はこちらを見ていないが、多分ニヤついているだろう。

     ごめんね、千束……。

  • 64二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 00:57:52

    >>63

    正面に座るのはなんとなく憚られて、適当に左横に座ります。

    真島の利き手は右です。右の銃で狙うにはすこしばかり時間がかかるはずです。

    ……尤も、そんなことはしないでしょうが。


    「……」

    「……そういえば、どうなったんでしたっけ?」

    「ああ、爆竹の話だっけか」

     中国の新年はやたら爆竹を鳴らして祝うみたいな話を昨日していた。

    派手さに興味がある訳ではないが、純粋になんでそんなに火薬の無駄遣いをしているのかは

    気になっていた。結構貴重なものだと思ったのだけど。

     わたしから話題を振られるのは少し意外だったようで、真島はうーんと頭を整理している様子。

     ずずず、と味噌汁を啜ったあとにようやくまとまったようで口を開く。

    「あれは……そうだな、なんでも願いらしい」

    「願いですか?」

    「そう、中国の山奥には病気や死を引き起こす魔物がいたらしくて、みんな恐れてたんだな。

    あるとき、山に竹を取りに入った男が仕事終わりに焚火を囲んでゆっくりしていたところ、

    それに遭遇してな、思わず取った竹を火に放り投げてしまったんだ。竹を火にかけたことあるか?」

    「……いいえ」

     そんなことしたことある人なんかいるんでしょうか? あ、千束はギリギリありそうな気はしますね。

    「竹は中が空洞だろ、火にかけられて膨張した空気がパン! と竹を割って出てくるんだ。魔物はその音に驚いて逃げ去ったんだと。まあ……病気や死から逃れるために腐るほど火薬を使うんだな」

    「へぇ……」

    「俺、結構この話好きでな。死や病気から逃れるために火薬を使うなんて、今と同じだろ?」

     ……なるほど、確かにそうです。ええ、わたしたちはそのために火薬を使っています。でももっと具体的です。

    もっと言うと、火薬で推進された弾で魔除けをしています、でも精神は同じでしょう、真島の言う通りに。

     それとも、この話も敢えて抽象化されているのかもしれません。山に住む山賊を爆殺した話を子供向けにしたような。

  • 65二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 01:01:14

    >>64

    「面白い……ですね。なんというか、無力でありたくなかったという感覚はします。こう、病魔とか目に見えない物にどうにかして対抗したいと思ったときに頼れるものがなにかあるだけで、心持が少し違います」

     そりゃ、よく効く薬を探したり、医者を探す、手段を確保するほうが重要です。でも、

    それが満足にできなかったとき、確保できても祈る他ないときもある。

    そんなときに何かに縋りたい気持ちだってわかる。数年前には分からなかったとは思う。こんな気持ちは。

    「なるほど、無力さは嫌いか」

     珍しくわたしの台詞自体に興味を抱いた様子だ。

     電波塔の相棒としての興味が今までは主だっただろうから、ちょっと珍しい。

    「ええ、嫌いです」

    「精神的に向上心がない物はバカか?」

    「……なんですかそれ」

    「お前日本人だろ?」

    「ええ。それと何か関係が?」

    「いや……いいや。相棒にでも聞け、あ、あいつも怪しいな……。まあ映画ばかりではなくて本も読むんだな」

    「はぁ……」

     元テロリストに読書を勧められる。よくわからない。

  • 66二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 07:42:14

    餌付けされるたきな
    (玉子に飴)

  • 67二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 12:30:32

    口が減らない3人なのは想像が容易。
    ただ最初に千束が負ける

  • 68二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 23:48:36

    >>65

    「それにしても……ここの料理は、どれをとってもおいしいですね。DAを思い出します」

     DA、食事ぐらいはまともなものを出してやろう、という方針なのでしょうか。腕の良い料理人が

    居た気がします。千束が言うには宮内庁の総料理長らしいですが、それは知りませんでした。

    「追い出されたんだっけな?」

    「まあそうですが、結果的にそれでよかったと思ってますよ」

    「あの話電波塔から聞いたぜ、お前俺の仲間を機銃掃射したらしいな」

     批難めいた文面だが、別段恨みつらみは感じられないから、わたしだってそうやって返そう。

    「あなたの仲間がわたしの仲間を機銃掃射したらしいですね。地下鉄で」

    「あれは事故だ。勝手に出てきたんだ」

    「そりゃ、あなたみたいなのを殺すのが仕事ですからね」

    「失敗なさったようで」

     語尾にハートマークがついてそうな台詞にギっと悔しくなるけれど、そこまで悔しくは実はない。

     お互い、仲間を殺されているがそこまで執着していないことも同じだ。

     あ、千束は別ですよ、彼女にもしまたなんかしたら真島は不慮の事故で死にます。

    なに、わたしと千束は「マジマサン ナラ タバコスッテクル ッテ イッテタ」と言う準備はしておきます。

    「でも、まああいつらが俺らを止めようとしたことは忘れない。あいつらは自分の職務を全うしようとしたことは、日本国が隠しても、俺は覚えておく」

    「……そう、ですか」

     墓標なき戦士、リコリス。それがわたしたちだ。昨日までいた、いや、さっきまで談笑していた仲間が

    夜には死体袋に入れられて焼かれる。持ち物は証拠隠滅され、勿論墓などない。

     真島みたいな奴の中にでも爪痕を残して逝けたのなら……少しはあいつに悪夢でもフラッシュバックさせることができたのなら、リコリスとして生きたその生涯は無駄じゃなかったんだろう。

     ……忘れるな。お前の所為で死んだ者のことを。


    いいや、あいつはこういうところは律義だ。きっと人数まで覚えているに違いない。

    ふふふ……少しは胸でもチクチクされてなさい。

  • 69二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 07:43:08

    応酬いいよね

  • 70二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 12:52:27

    保守

  • 71二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 23:24:53

    >>68

    「まあ、わたしたちはそういうのに余り大きな価値を置いていませんけどね」

     真島に素直に同意するのも癪なので否定してしまいます。

    「そうなのか、じゃあ忘れておくかな?」

    「……勝手になさったら?」

     しかし案外何も表情が変わらないのでこちらがカチンときてしまう。

     ……なんだかいいように遊ばれている気がします。

     この人と話すといつもそうです。

    「そうだ、今日の予定なんだがあいつと話したところ、なんか水族館に行くらしいな」

    「ええ……」

     千束め、なんでこう、警護しづらいところをわざわざ選ぶんですかね?

    いや、千束だってそんなにバカじゃないはず。こう……宮内庁すごいパワーを使ってですね……。

    「か、貸し切りとかですか?」

    「いや、それまでには時間が足りないだろう、多分何もしてない。しかも自腹だ」

    「え……あ、はい」

     結構な人出の所に警護対象を連れて行くのは……どうなのか。

    わたしが昨日一人でコンビニ買い出しに行ったのは微妙に無駄だったことになるわけですが。

    「まあ、移動は流石に車を出してくれるらしい。リコリスは運転できるのか? 免許持ってんのか?」

    「ええ、必須ですからね」

     免許は……まあ、些末な問題だ。本物の偽造免許がある。検問に引っ掛かったときに便利。

    「じゃあ楽しみにしてるからな」

     仏頂面の、微細な変化がなんとなくわかってくるような気がした。今の顔はまあ、本当に面白がっていそう。

  • 72二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 07:33:34

    これはスーパーカーの流れ

  • 73二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 12:43:28

    目立つでしょ

  • 74二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 23:05:49

    >>71

    「千束……ほんとにこれで行くんですか?」

    「もち! ね! 頼んだら貸してくれたんだよお」

     千束はウキウキルンルンといった感じである。

    ええ、真っ赤なスーパーcarをどこからか借りてきたのだ。

    いえ、四人乗れるので厳密にはそれではない、と千束が昔解説していましたが

    この際、四人ではないといけませんからどうでもいいでしょう。

    「ひゃー。私の運転に痺れっちゃいなァ!」

     出だしからアクセルをベタ踏みするのは! やめてくださぃっ!


    「うぉぉぉぉ……やるじゃねぇか、電波塔ォ」

    後部座席にかかるGも相当なものだろうが、あちらもスピード狂というか、

    スリルを求めているタイプだからか、少しおびえながらも

    言葉の端には楽しさが乗っています。

    というか、四谷から水族館までってそんなにベタ踏みするようなタイミングでしたっけ?


    「……ちぇ、また信号か」

     案の定普通になんの感慨もなく引っ掛かります。都内では五十メートルに一つは信号機があり

    それにいいタイミングで全て引っ掛かっています。

     助手席のわたしとしては安全でいいことですね……。ヘルメットも被るべきだったでしょうか?

     

     それにしても……。わたしの背後に、真島を座らせるようになるとは……人生わからないものです。

    背後はどうしたって無防備になってしまうのに、それを許している。

    真島の身体を触って武器を隠していないことだってチェックしていません。

    でも情況が変われば、そういうことだって起きる。千束の言っていた通りです。

    ――今回は敵だっただけ。ええ、何回でも頭によぎります。

    ルームミラーに映る真島は楽しそうだったり、暢気そうだったり、急加速と急減速のおかげで

    巻き起こされる表情の変化は千束と似ていて、まるで兄弟のよう。

    ええ、それでいいのかもしれませんね。

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 07:51:15

  • 76二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 12:52:33

    ほの字

  • 77二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:45:06

    >>74

    「はぁ……無事につきました……」

     千束は腐ってもファーストリコリスですし、その自慢の目で事故は未然に防がれました。

     車の整備もばっちり……だったみたいですし、それは感謝です。

     駐車場では流石に穏当に進んでいき、ぴったり、決められた位置に停車させました……。

     いえ、そんな精確なハンドルテクニックを持ってるんだったらですね、最初から発揮してくださいよ……。

     今日は平日。人気のない駐車場に降り立って開口一番、

    「さすが私!」

    「いや、向こうが避けてったんだろうが……」

     自信満面の千束の後ろ頭に真島の手刀が入ります。……ナイス。見て見ぬふりをしましょう。


     後ろ頭をどつかれた千束は抗議していますが、本来なら避けられるはずです。

    まああれがじゃれ合いというものですね、羨ましい。

     ……わたしはああいうことしてみたことないかも、まあ……ちょっかいだしてきたら

    蹴ってみるのでおあいこでしょうか? でもそんな機会ってめったにないですよね。


    「わー! ほら見てみて、たきな、さかなーだよ? ほら!」

     案外そういう機会って来るんですね、狙ってます?

    「どれも魚だろうが」

     ネタが分かってない真島は千束の「さかなー」発言の真意を知らずに頭を掻いていますが、

    時折「ほお」とか言って水槽に見とれているので、あら、意外と楽しんでるようですね……。


    入口はクラゲが占めていて、ふわふわとしている姿をまず入場客に見せる。

    身体が殆ど透明な彼らは、照明に従って様々な色に染まります。

    クラゲはリコリスのようだと、以前思いました。

    自分という骨になるものを持たないで、染められるにしたがって染まり

    流されるように生きて、ああ、染まるのは血の色にでしたね。

  • 78二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:45:17

    >>77


    わたしが思わずそこで立ち止まっていると真島もこちらから数メートルの地点で

    同じ水槽を見ています。

    暗いから、少し焦点をずらすと真島が水鏡越しにこちらを見ているのがわかる。

    何か言いたげでしたが、何も、特に何も言わずにずっとそこにいます。

    千束はとっくにわたしたちを置いて……たぶんチンアナゴのところへいるのではないかと思いますが。


    「クラゲ見てそんな悲しそうな顔してる奴初めて見た」

    「……クラゲを人と見たことあるんですか?」

    「ねえよ」

     適当な人だ。それだけ言うとまた別の、とは言っても隣のクラゲを見に行く真島。

    ああ、着いていかないと。

  • 79二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 08:12:34

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 12:52:03

    モデルとなる水族館も最初はクラゲだったかも

  • 81二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:25:56

    保守~

  • 82二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 05:54:41

    まじたきは少女漫画っぽいよね。
    たきな主人公にすえると丁度いい

  • 83二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 15:56:16

    いや、そうすると本格的に真島が怪しいやつだ

  • 84二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 22:49:39

    >>78

    「ほら! たきな! チンアナゴ~」

     ああ……やっぱり、嫌な予感は的中しました。

     チンアナゴの水槽の前で彼女は例のポーズをしています。

    そして目で訴えかけてきています、あれをやれ、と。

    いいえ、千束と二人っきりでならともかく、今はアレがいるのです……。

    絶対できません、やりませんよ……。という目を送る。

    あれ、千束も諦めませんね……往生際が悪いです。いつまでもあのカールした手を

    解こうとはしません。

    むむむ、とした怒りとかなら対抗できるはずですが、悲しそうなときには

    わたしはどうしようもなく彼女に甘くなってしまう。


     とりあえず真島を向こう側にやりましょう。それならいいですよね。

    大きな金魚がいましたから、あっちに連れて行けば興味がそっちに向かないかな?

    あ、いや、とりあえず警護は一人はくっついていなきゃいけないんだった……真島は一人にさせられない。

    でも、背に腹は代えられません。いやこの場合……背ってわたしのことだったりしますよね。

    国賓と一人のセカンドリコリスならどちらが腹かなんて分かり切ったこと。


    「さ……さかなー」

     千束の隣であれをしました……。

     ああ……悲しい。真島に見られています。その眠そうな目が開かれてわたしを見ています、

    ああ神よ、居るのならばわたしの寿命をすべて千束に分け与えてわたしを消し去ってください……。


    「……ぺんぎんー」

     な? 真島? 真島がペンギン? わたしのとなりに立って手を広げている。いや、ペンギンかそれ?

    「あー真島ぁー。お前がペンギンか? いわしーぐらいだろ」

     千束の噛みつくツボが正直分かりません。いわしーってなんですか? さかなじゃないですか結局。

    「同行者がバカやってんだから俺もやんないとな」

     真島は律義にそれをしただけだったみたいた。ああ、変な人だ。

  • 85二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 08:55:48

    真島は律儀

  • 86二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 16:06:47

    それにしてもペンギンか? という疑問はあった

  • 87二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 01:45:21

    >>84

     千束が満足したようで、わたしはあの格好から解放される。そして波に攫われる魚のように

    彼女はさっさと別の展示に行ってしまう。わたしもようやく二本の足で床に立てます。

     ……あんな無様な格好を一緒にしてくれた真島にコクリと頭を下げる。

    「……ありがとうございます」

    平日の昼間でよかったと思うけど、やっぱり羞恥心は勝ちます。

    そんな中で一緒に恥をかいてくれた……のでお礼をします。

    独りでやっているのは勿論アホですが、二人、三人と着いていけばそういう集団に見えるでしょう。

    わたしはその中に見事埋没することが出来る。

    それに……真島は背が高いですからね、みんなの注目を集めるのは彼の役割になります。

    「なんだよ……お前が俺に礼を言うとか予想だにしたことがねえな、長生きするもんだな」

     フフンと口の端だけを曲げてその辺の椅子に座る。

     流れでわたしもその隣に座ることにした。どうせ一緒に居なければならないのだ。

    「いえ、ああいうの恥ずかしいじゃないですか」

    「……前にもやったんじゃねーのか? あいつと一緒に」

    「やりました……」

     なぜわかるんでしょう? 目がいいってのは洞察力にも優れるという意味なんでしょうか。

    まあ千束の様子を見ていれば分かるかもしれないですよね……。

    ほらほら! あのときのやつ! ってイッヌ千束の尻尾がブンブン振られていましたし。

    「いや、そっちの方が俺としては不思議なんだよな。お前が自主的にそういうことをしたってのはなんか想像できない」

     ええ、わたしもなぜあんなことをしたのか自分でも分かりません。

  • 88二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 01:45:36

    >>87

    「まあ、電波塔が最初にやったんだろうが……」

    「あ、それは違います。わたしが最初にやっちゃった……んですよね……さかなーって」

     すぅぅぅ……! という息を飲む音が隣から聞こえる。わたしは真島の顔を直視できない。

    きっと目を剥いて……「マジかよ……」みたいな表情をしているんでしょう。

    ああ、わたしは無駄に事実を重んじます。だから千束が最初にやったということを

    訂正せずにはいられません。その結果わたしに恥辱が来るとしても。

     それから少しの間があって、なにか小声で「そうか」という納得の声が聞こえて、

    「やるな、黒いの」

     伏せた目の前にごつごつした拳が差し出されました。その拳の許を辿るとやはり真島です。

    「こう? ですか?」

     その拳に自分の拳をコツン、とぶつけると真島は満足したように笑って「相棒想いだな」とだけ呟いた。

  • 89二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 07:39:34

    ほほえま

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 12:21:11

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 22:47:41

    >>88

    「相棒想いって……なんですか」

     わたしは釈然としない。確かにあの時は……悲しそうな千束を

    少しでもそれから晴らさせようと思ってたら体が勝手に動いてしまって……。

    というか全然状況を説明していないのに察せられてしまうのはいささか怖いです。

     ……まあ拳をコツン、と当ててしまった後に言うのもなんなんですけどね。


    「いや、明確な根拠はないんだが、お前が自発的にモノマネする奴には見えない訳よ」

    「あたってますね」

    「で、お前は相棒の為ならなんでもする奴さ、大方あいつにここに連れてこられて、なんかあいつが元気が無かったり、悲しそうにしたから元気づけようとしたんだろ……。多分」

    「……ロボ太から当時の水族館の映像貰ってたりしますか?」

    「しねえよバカ」

     当たりすぎててハッキングを疑いましたが、そうではないということでゾクっと背中を冷たい物が走る。

     その眠そうな目でわたしたちのことをどこまで見抜いているのだろう。

     頭皮に生じる冷や汗すら一滴ごとに見分けられているような錯覚を抱く。

    「いや、わりとあなたと敵対してよく生きてたなわたしって今思いました」

    「はは、俺の狙いはあくまであいつだったからな、正直お前は……まあ、そんなに気にしてもなかったが」

     む……。いや、ここでムッとする必要はないでしょうわたし。

     タンカーの中で、わたしも真島もお互いの事には興味がないと言い合ったじゃないか。

    「千束のことですが……」

    「おお」

    「今でもなんか気になってますか? やっぱりアランの子として、とか」

    「まあな……あんな化けモンはそうそういない」

     それは……同意する。

  • 92二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 08:00:12

    保守

  • 93二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 12:41:47

    >>82

    千束は少女漫画の主人公にするには色々強過ぎた……

  • 94二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 12:54:00

    >>93

    千束の身体というか、それにも況して精神が強すぎるから……

  • 95二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 20:56:59

    少女っぽいのはたきななの面白いよな
    無垢っぽいからか

  • 96二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 07:47:35

    無垢ではあるよね……

  • 97二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:05:39

    まじたきは師弟の雰囲気出るかも

  • 98二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:32:24

    >>91

    「まあ、お前も中々悪くないとは思う」

    「そ、そうですか?」

     予想もしなかったけど、そう言われると悪い気はしない。

    千束――強い千束と並べたということなんだから。

    「弱ぇえ癖にしつこいところとかな」

     ――っ、前言撤回。やっぱだめだわ。

    「逆です、弱いんで何回もやらないといけないんですよ」

     そりゃそうですよね。弱いのだから何回も叩かないと。雨だれ石を穿つといいますし。

    千束や……こいつみたいな天才はそんなことしないでもいいかもしれませんけどね。

    「いや、それはそうなんだよ」

    「……?」

    「それはそうだ。弱いなら何度も叩かなければいけねえ、手段を選んでもられねえ。でもそれまで保ってるのがすげえのよ。精神とか肉体とか」

    「……いや、目標を定めたらそれをするだけでしょう」

    「『千束を助ける!』という目標だろ?」

    「ええ、そのためにできる合理的なことをしただけです」

    「……それが他の人にはできねえんだよ。大抵の場合は心が折れるんだよ。余命数カ月の相棒を置いてDAに戻るのも愛着がありすぎるとできなかっただろうが、お前はやったんだろ。俺とヨシさんの情報を握るために」

    「そうですけど……」

     そりゃ確かに千束と別れるのは本当につらかった。戻ったところで何も手がかりを掴めないで、

    その上千束が死んだら……死に目にも会えなかったかもしれない。でも、何もしなかったら

    絶対に死にました。だからそうするのが当たり前で……わたしにとっては。

  • 99二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 07:34:09

  • 100二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 12:25:01

  • 101二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:41:48

    >>98

    「決心したことは絶対やる。どんな障害物があっても。そういうのはスゲエんだ」

    「はぁ……」

     褒められているのでしょう。でも、わたしには実感がわかない。だって当たり前のことですから。

     千束のことを助けたい。ならとれる手段はなんでもとりますと、あの日の、降る雪に誓いました。

     そしてそれをわたしは履行しただけなんです。淡々と。

    「逆に聞きますが、真島も誰か絶対助けたい仲間がいれば、絶対に破れない誓いがあればわたしと同じことを……しますよね?」

    「するかもな」

     意外とあっさりと、ほぼ考えることも無く真島は答えた。

    「でしょう?」

     ほら、わたしは変じゃないでしょ? いや、変とまでは言われてはいませんが。

    「でもそういう奴はなんて呼ばれるか知ってるか? 『テロリスト』だぞ?」

    「……ぐっ……」

     いや、そんなことはないはず。わたしはリコリスです。断じてテロリストではありません。

    ただわたしは千束を助けるための合理的で効率的な手段を取り続けただけで……。

  • 102二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 07:49:37

  • 103二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 12:17:03

    たきなテロリスト概念がよみがえって来るわけよ

  • 104二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 22:24:20

    たきなの合理性は目標の為にならなんでもショートカットしてしまうところにあるから
    その邪魔するものが法律であればテロリストとかダークヒーローだし、
    本編だと真島とかだから千束とエリカにとってのヒーローになれた

  • 105二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 08:56:44

    保守

  • 106二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 12:09:31

    >>101

    「さて、あいつのところにでもいくか」

     わたしを置いてさっさと行ってしまう。

     その場に取り残されてしまうわけにもいかないから、慌てて後を追う。

    圧倒的常識人のわたしを捕まえて、変なやつ扱いは癪に障ります。

    千束に抗議してもらいたい……ですね。

    千束はペンギンを見ながらわたしたちを待っていました。

    真島は少し離れた場所でペンギンの群れを興味深そうに眺めていますが

    地獄耳なので……今相談するのは止めておきましょう。


    「ほらほら、たきなが好きなペンギンだよー」

    「そうですね。可愛いです」

    「たきなの方が可愛いって~」

     チョイチョイと千束はわたしを突っついてきた。そういうこと、他の人にもしてないでしょうね?

    「……真島って意外と可愛い物好きなのかな、めっちゃ熱心にペンギン見てるけど」

     ほんとだ。手すりにしがみついて、じーっと見ている。どれを見てるんだろう?

     視線の先のペンギンは群れているから、特定のペンギンではないのかな?

    「クラゲもけっこう真面目に見てましたからね、水棲生物好きなんでしょうか?」

     思えばあそこで十分以上はいたかもしれません。時折真島が喋り、わたしが答えるような、そういうやり取りで。

    気が付けばそれぐらい経っていた。

  • 107二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 12:09:43

    >>106

    「ずっと砂漠とかにいて海の物は珍しんじゃない、テロリストだし」

    「なるほど、それで」

     テロリストのイメージが貧困なのは仕方がありません。

     砂漠とかそういうところで大きな車に乗って、無差別に乱射しているイメージ。

    「じゃあ逆に動物園とかはつまらないでしょうかね?」

    「え、あ、どうだろ? それは考えたことなかった」

     千束の目がぱっと開いて、そして考え込むように細くなって、いっつも表情に出ますね。

     敵に悟られるからやめた方がいいと思いますが、やめられそうもありません。尤も千束なら、悟られたって余裕でブチのめしてくるでしょうけど、心臓に悪いんですよ。……心臓関連の話は止めましょう。

    なんて、くだらないことをを考えている間に

    「じゃあ動物園も行ってみますか!」

     あ、予定表に追加されてしまった。

  • 108二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 21:06:12

    まだ続いてた……大したものですね

  • 109二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 03:51:29

    あげ

  • 110二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 08:46:36

  • 111二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 15:50:06

  • 112二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 21:33:08

  • 113二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 23:32:20

    >>107

    「さて! お昼ご飯は鉄板焼きですよ~!」

     千束の先導でわたしたちは水族館を出て、少し歩く。

     近辺のショッピングモール内に敢えて陣取ることによって、人目に常に晒されておく

    という作戦である。正直それでよいのかどうかはわからないけど。

    「鉄板焼きって……よくわからないんですけど、一応調べましたが、お好み焼きってことでいいんですか?」

    「そうそう! もんじゃもあるよ! 東京観光っつったらこれでしょ!」

     忘れてました。これは真島の観光案内でしたね……。

     そういえば、わたしもここに来て長いですが、実は鉄板焼きを嗜んだことはないんですよね。

    自分で焼くのは難しそうです。動画サイトでちらっと見てみますが、ひっくり返すタイミングなどが掴めない。

    「真島って鉄板焼きやったことあります?」

    「……似たものならあるな」

     よし、千束と真島に任せましょう。


    「明太餅チーズもんじゃとカレーもんじゃ取り敢えず一個ずつくださーい!」

     店に入るなり、千束が注文してくれます。味の想像がつかないです……美味しいんでしょうか?

     座敷に案内されて、掘りごたつに足を通さないといけないみたいですが……最初に靴を脱がなければならないのは

    安全上あまりよくないのでは? と逡巡しますが、二人ともさっさと靴を脱いで奥に行ってしまいます。

     まあ……千束のことです、なんとかなるでしょう。

     一番奥の席の、その壁側の席に真島と千束が仲良く座っています。

     メニューを広げて仲良く見ています……兄妹ですかね?

     わたしはあきらめて二人の前に陣取ります。水族館で買ったお土産の袋をわたしの隣に置いて。

  • 114二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 23:57:01

    >>113

    問題は座る位置でした。真島は奥の方に入れられて、その隣に千束がいます。

    まあ護衛対象ですから当然ですね。奥の方です。

    わたしは一人なので……奥に詰める方が自然ですよね? そうすると

    わたしの正面が真島になってしまうわけなんですよ……。

    いえ、いや……なんとなく違うんじゃないかと。


    ……わたしは今任務中です。私心は殺しましょう。

    真島の正面に座り、荷物を左側に置きます。リコリス鞄もすぐに取れるようにしておいて

    もし万が一他の敵が来た時に鞄を盾にすることができるはずです。


    「ヨォ」

     正面に座ったわたしのひきつった表情を真島は面白がって、声を出す。

    「……どうも」

     なんです? 今日初めて会ったみたいな反応してしまった。

    「たきなも楽しかったよねー?」

     微妙に張り詰めていたわたしたちの空気を察したのか、千束が助け船を出してくれます。

    ありがたい。

    「ええ、楽しかったです……あ、そうだ。真島って結構水族館好きなんですか?」

     千束と話していたこと――どうせ聴いていたんでしょうけど――を訊いてみる。

    「まあな、食うわけじゃないのに育ててるっての、文化って感じがしないか?」

     何か誤魔化してくるかと思ったけど、意外と素直に首肯してくれた。

    だけどよくわからない説明とともにだった。

    「……?」

     わたしがハテナという顔をしているのを察して補足してくれる。

    「魚って食い物だろ? でも水族館は生け簀じゃなくて、ただ見るためだけに設備が維持されて、人も来るわけよ。豊かな場所じゃないとできないよな」

    「なるほど……」

  • 115二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 08:29:46

  • 116二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 08:35:24

    もんじゃ焼き期待してるぞ

  • 117二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 12:33:46

    舞台は墨田区とか台東区だから出て来てもおかしくない

  • 118二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 23:12:48

    もんじゃはバランス食

  • 119二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 23:20:01

    明太餅チーズもんじゃ美味しいよね

  • 120二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 00:49:21

    >>114

    そんな風には考え事はなかったな。いや、最初は思ったかもしれない。

    何の意味があって飼っているんだろうって。でも千束と巡って楽しかったから忘れてしまったのだろうな。

    ただ、千束が楽しそうにしてくれているのなら、それで意味があるんだって。

    わたしは千束に会ってだいぶ変わってしまったということか……。


    「もう、二人とも~表情硬いよ、はい。カレーもんじゃ来たよ!」

     大きな丼にこんもり盛られたキャベツに鰹節。別皿のカレー粉。

    正直どうやって食べるのか見当もつきませんね、あ、いや、広がってるのは分かるんですけど。

    「輪っか作るタイプか?」

    「んーどうしようかな?」

     輪っかってなんです、輪っかって。二人にしか分からない用語を使わないでください。

    「あ、そうだ、真島やる? こういうのはやるのも楽しいしさ」

     とまあ、千束は早々に真島に丼を渡してしまっています、いや、これは料理でして

    お客さんにやらせるようなもんではないですよね?

    「――ちさ」

     わたしが止めようとしたところを真島は制して、

    「いいぜ、見てろよ」

     真島は悪戯っぽい顔をしながら、テーブルに置かれた油をぴゅーーっと細く射出して

    お好み焼き用の返しを使って広げていきます。熱せられた鉄板は軽くしゅうしゅうと油を蒸発させていく、

    油自体もいいものな気がします、芳香が嫌味じゃない。

     真島はしゃあしゃあと音を立たせながら、キャベツを鉄板の上に躍らせる。

     そして、あの大きなへらを垂直に立てるようにしてキャベツを細かく刻んでいく。

    カカカカカカ、と規則正しい音が鉄板から響く。


    「上手いじゃん」

    「だろ?」

     上手いんですかね? これ、いや確かにブレたりはしていませんが、相場感がわからないのでなんともいえません。

    それにしても……真島はそもそも日本人なんでしたっけ?

     千束も千束で、なんかくっつき過ぎです。油断しすぎですよ……。あ、警護中だからと言う意味で。

  • 121二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 01:03:13

    ほう

  • 122二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 08:08:07

    嫉妬か?

  • 123二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 13:38:36

    あげ

  • 124二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 20:59:55

    どうなる?

  • 125二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:30:41

    まだ読んでくれる人がいて嬉しいな

    >>120

    「そもそもだ、もんじゃやお好み焼きはバランスがいい」

     確かに見ていると、鮮やかな手つきだということがわかる。

     へらで細かく刻まれたキャベツをドーナッツのように整えて焼いています。

    こういうものなのでしょうか?

    「出た、バランス厨」

     千束が唇をすぼめてからかう。

    「うっせ、調和と進歩だろ」

     その輪っかになったところに、丼の中身である液体を流す。しゅわしゅわという軽快な

    音を立てながらわたしたちを煙で燻す。

     驚いたことに、あんなさらさらの液体が輪っかから逃げて行かないのです。

    すべて輪の中で留まってぷくぷくと泡を立てています。

    「……すごい」

     思わず漏れた声に真島は満足したのか、その輪をちょっとずつ広げていく。

     せき止められていた液が徐々に染み出してしまうのだがこれでいいのだろうか?


    「なにそんな真剣に見てんだよ、ウケるわ」

    「な! いや、よく知らない料理法なので今後の参考になればと」

    「ん? そうか……お前、初めてか、そうか。じゃあ次に来るやつはお前がやれ」

    「は? 初めてだって言ってるじゃないですか」

    「だからやってみろって言ってんの、そんなに難しくないから」

    「……そうですか。千束はどう思います?」

  • 126二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:32:15

    >>125

    「えっ? 私っ?!」

     いきなり振られて驚いているのか、いや、食事のタイミングとはいえ、

    警護中にスマホぽちぽちするのは止めましょうよ……。

     お品書きを広げながらスマホを操作するのはマルチタスクがすぎます。

    「いえ、わたしは初めてだって言ってるんですが……真島が……」

    「ああ、はいはい。なるほどね……」

     じーとわたしともんじゃを交互に見て唸っています。

     そんなに悩むようなことなら止めといたほうがいいと思うんですけど……。

    「いい経験になると思う!! あと私もたきなが作ったやつ食べたーい!」

     ああ……。わたしは愚かでした。千束に訊けばそうなると決まってたようなはずなのに……。

     ここにいるご兄妹には勝てませんね……まったく。

    「あとたきな!」

    「は、はい!」

     凛、とした声でわたしをキリリと指さした。なんでしょうそんなに重要な注意事項でもあるんでしょうか。

    思わず上ずってしまった。

    「あんまり初めて、初めてって言わない! understand?」

    「いや、初めてですし……」

     の割に意味が分からない命令を受けた。真島の方を見ても……まあいつものようにニヤついているだけですね。

    まったくわかりません。

  • 127二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:43:56

    僕もわからないよ

  • 128二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 08:05:02

    誰もわからん!

  • 129二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 12:31:05

    こいつらがもんじゃをどう食べるのか?

  • 130二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:44:39

    >>126

     まあ、この二人の決定に逆らおうとするのは中々に骨が折れるので観念します。

    千束は千束で言い出したら聞かないし、真島は……なんでしょう、なんとでも丸め込まれそうになってしまう。

    わたしが構えた銃を、手首を掴んで逸らしたように。わたしの反論を容易にいなしてしまう。

     というわけで……じーと真島の動きを見ているほかないのです。

     しかし、簡単な料理に見えます。上手な人がやると、なんでも簡単に見えるという話でしょうが、

    どうやら手首がカギなのではないか? という気もしてきますね。それでいいんでしょうか?

     千束に注意したいと思った手前、気が引けますがここは少しでも情報を手に入れないといけません。

     ちら、とネットで調べます。……確かに下町生まれの食べ物のようですね。子供用ですからそこまで

    難しいわけでもなさそうですが、あんな水っぽいものが固まるイメージが付きません。


    「もういいころだろ」

    真島はわたしたちに小さいへら? のようなものを渡してきます。え、ああ? これで取るんですか?

    千束はヤリィィィ!! とか言いながらもんじゃをつっついています。え? このまま行くんですか?

     なんか……なんでしょ……恐ろしく抵抗があります。だってこれ完璧に直箸というか直へらじゃないですか。

    「これは切り分けないんですか?」

    「え? これはこういうものだよ? こうやってちょぼっとへらにつけて、自分の所にまで引きずってきて

    もちょっと焼いて食べるの」

    「なる……ほど……」

     まあ、わたしは二人の前に座っているので、わたしは別に食べたところが共有されづらいのでいいのですが

    「そんな間接キスぐらいでガタガタいうんじゃねーよ」

    「な! そんなこと思ってません!」

     だから当てるなって!

    「あ……」

     千束が何かピン、と来たような顔をしましたね……なんですか? 千束もやっぱり嫌になってきましたよね?

    「いや、なんでもない……です」

     わたしが何か言う前にもそもそと食べることを再開する。ん……何か気になりますね。

  • 131二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:49:26

    気になるのか

  • 132二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 07:46:18

    なるでしょー

  • 133二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:38:29

    例の件じゃん!

  • 134二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:52:34

    天下三分の計しとけよw

  • 135二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 23:31:33

    もんじゃは分けられないじゃん!

  • 136二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 23:55:12

    鉄板の上でコテで掻き分けてエリアを分ける
    そして領土の面積で戦争が始まる

  • 137二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 02:06:20

    >>130

    「いや……真島としたかもなーって? 思って」

     千束が少しわたしから目を逸らして言う。まあ、隣り合っているところだから多少は仕方ないでしょう。

    「は? いや、まあ加熱されてるから良しとしましょう」

     わたしもほら、なんと慈悲深い台詞か、こいつが国賓でなければ撃ち殺しているところですよ。

    いや、この熱い鉄板にご自慢の耳を押し付けてやりましょう。

    「あ……あの、ジュースです……かね……」

     ジュース? え? なんで? いつ? どのタイミングで? は?

    「き、昨日ですか? まあ……間違えてコップを取っちゃったんですよね、それなら仕方がありません……」

     昨日の机の上を思い出す、沢山のお菓子にお弁当にコップ、あれでは紛れてしまうのは仕方がない。

     そうです、千束を責めるべきじゃない……! ない。片づけを少しサボったわたしのせいです。

    「あ……うん、そう、昨日! 昨日!」

    「もしかして延空木でのことか?」

     真島? お前何言ってんの?

     千束の顔がみるみる青くなっていくのと同時に自分の脳が不思議とクリアになっていくきがしていきます。

    どんどん思考が冴え渡って思考の速度が速くなっていくのが体感できる。

    「……したんですね? 真島が犯罪者の時に……」

     延空木での時なんて、あの時しかないじゃないか。

    わたしがどんな思いで梯子を登ったか、

    エレベータの内部とはいえ、ひゅうひゅうと風が通っていて怖くなかったと思いますか?

    金属の冷たさに手を放しかけたことが何度あったと思いますか?

     千束が割れたガラスと共に地面に吸い込まれそうになったのを見てどんな気持ちになったか想像できますか?

    あの時の肩の裂けた痛みが分かりますか?

    「ち、違う! あれは事故!」

     千束の弁明だとしてもこれは許しがたい。わたしなりの線引きだ。

     脇にどけてあった大きなヘラでガン!! ともんじゃを二分割した。

     あふれ出た汁がしゅわしゅわと煙を立て、わたしたを遮る。

    「真島はこっちです、わたしたちはこっち」

    「……お、おう」

     素直な真島ですね、感心感心。……不服そうな千束ですね? 教育が必要なようです

  • 138二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 08:40:19

    バレテーラ

  • 139二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 08:50:49

    真島のアシストに草生える
    そして流れるように千束と間接キスに持っていった

  • 140二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 15:06:35

    真島が犯罪者の時にした、って言い方がなんとも背徳感あってよきかな

  • 141二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 00:23:21

    狂犬成分摂取した

  • 142二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 07:56:28

    あの時たきなも大変だったからねぇ

  • 143二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 13:02:26

    >>137

    「どれ、お手並み拝見と行くか」

     カレーもんじゃを食べ終わり、いい頃合いで餅チーズ明太もんじゃという謎の逸品が届きました。

    わたしがやる、ということになっていたので……さっき見たものを頑張って再現しましょう。

    まず、混ぜるんでしたっけ?

    「チーズと明太子は外しておいた方がいい、火が通りすぎるからな」

     真島の助言、なるほど……確かに。そう言うと、真島は綺麗な取り皿を渡してきて、そこに置けと示す。

    「まずは鉄板に油を引くんだな」

     ……っ! そうでした。丼を左手に持っているわたしはその手順を飛ばしてしまったことがバレバレです。

     何食わぬ顔で丼をコトン、とテーブルに置いて油を引きます。

     適量、さっき真島がやってたことを思い出せ……。意外とびゅーびゅー出してましたよね?

     あれでいいのでしょうか。まあ多いに越したことはないでしょう。

     ヘラで延ばすと油のはじける音と、いい香りがしてきます。手元に来る温かさも適温を伝えています。

     よし……キャベツを鉄板上に展開して、真島がやっていたように、刻んでいきたいですが……。

     思ったよりコントロールが難しいですね、的はこんなに近いのに。手首の柔軟さでしょうか?

    普段は手首を固めていることが多いのでこの動きは慣れていない。まあ……それでも頑張りましょう。


     千束はふむふむという顔で、真島はいつも通りの間抜け面でわたしの手元を見ていますが

    バカにした雰囲気はありません。きっと間違ってはいないのでしょう。

     悪くねえな、という言葉が真島の声で脳内再生される。


    「どれぐらい細かくすればいいんですか?」

    「輪っかを作る予定なら、結構細かめの方がいい。あとは餅に火が通るのには時間が少しかかるから様子をよく見るんだな」

    「なる、ほど」

     餅をヘラで突くと確かにまだ固い。少し待ちましょう。

     ……もんじゃ焼き、時間がかかる癖に栄養価は微妙な食べ物ですね。

  • 144二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 14:26:21

    脳内真島w

  • 145二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 23:02:46

    参照点ww

  • 146二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 03:44:48

    待ち

  • 147二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 10:50:20

    三分の計にならんやつ

  • 148二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 14:29:33

    >>143

    「そういや、たきなってもんじゃは初めてなんだよね」

    「あ、はいそうですね、お好み焼きならやったことはあるんですけど……」

    「え、意外、あそっか、たきなは関西の出身だもんね! やったことがあるのか~」

     お好み焼きはもんじゃとは反対にかなり利点の多い食べ物でしょう、

     炭水化物に野菜、肉などが同時に摂取できますし、大抵は混ぜたものを鉄板に流して置いておき、

    しばらくしたらひっくり返すだけなので。あとは冷めてもそこそこ美味しいです。

    手で食べられないのは難点ですが、パンに挟んで食べていましたね。

     とまあ……機能の面について話すとまた引かれそうですよね……。

    「ええ、お好み焼きも頼むんでしたらわたしがやりましょうか?」

    「おっ! たきなシェフ~! 最高ですねぇ、真島もよかったな!」

     バシ! と真島の背中を叩く千束。

    「ああ、俺の為に働いてくれてありがとうな」

     真島は礼を言ってる風ですが、これは単に挑発ですね。まったく……。

     いいんです、わたしは千束の為に作ってるんで。なんか真島とかいう謎の奴が脇からつまみ食いしてくる……という認識なので。

    「もうそろそろじゃないか?」

     真島は餅を見遣る。ふむ、少し膨れているように見えますね。

    「……ありがとうございます。たしかに」

     へらの角でツンツンすると確かに柔らかい。

  • 149二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 14:29:47

    >>148

    「明太子とかチーズとかは……?」

    「餅が大丈夫なら、今、上に掛けて全体を混ぜて馴染ませろ。判断は任せる」

     ……。真島のアシストなしでやらないといけないのか。

     いいえ、わたしが間抜けだと思われてたらもっと口が出されるし、最悪、ヘラも取られていたでしょう。

     そうではなく、初めてのわたしに任せてくれている……。千束もそうだ。

     期待……か。いや、おひるごはん程度になにを重みづけてるんですかわたしは……。

     取り敢えずすべての餅をツンツンしてそれなりに柔らかいことを確認した。よし……。

    「いきます……!」

     小皿にあった皮付きの明太子をもんじゃの上に、そしてチーズも散らす。

     ヘラで明太子の皮を掻き破って、卵を出していきます。それと同時にチーズも混ぜ込む。

     わたしの動作ごとにもんじゃはジュウジュウと音を立て、煙が広がる。

    ああ! チーズのいい香りです。これでいいのでしょうか!

     真島の目をちらっと伺ってしまう。……どうやら問題ないようです。よかった……!

  • 150二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 14:36:36

    真島を意識し過ぎてて草

  • 151二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 18:07:42

    お好み焼きをパンに挟んで……?

    妙だな

  • 152二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:41:45

    >>149

    「……食べていいですよ!」

     そう、わたしの判断なのだ。これでもう食べても大丈夫だと二人に供する。

    万が一にもお腹を壊さないことを祈りながらも、その責任がわたしに来ることに就いて

    少しばかり心地よさを感じてしまう。

    「わぁい!」

     千束がさりげなく最初に口に入れる。一応の検食なのだろうけど、それを感じさせないような

    振る舞いをしてくれて助かります。

    「お……」

     千束の眉がピクッと動きます。そしてもぐもぐと口が動いています。終始無言。

    な、なんですか……。ダメでしたか? もっと火を入れるべきでしたか?

    明太子は生でも大丈夫ですし、チーズだってそうですし……。

    「ち、ちさと、あの……危ないなら――」

    「美味しいよこれ! 天才! たきな!」

     パァァァと明るい顔がより一層明るくなります。小さなへらを携えた手がフンフンと空中で舞います。

     ああ、もう……!

    「びっくりさせないでくださいよ!」

    「お、電波塔お墨付きなんだな、どれどれ」

     真島もヘラの先にもんじゃをつけて、鉄板の自陣に引きずっていき、シューと押し付けてから、口に運んでいきます。振り返ってみると、真島はずっとそうしていましたね。そうした方がいいのでしょうか……?

    目を閉じて何か集中している様子。

    でも、千束が美味しいって言ってくれましたから……。

    「……うまいな」

    「……っしゃゃししゃっっ!!」

     やっりぃぃぃ! やりましたよ! どうだ真島! 


    「たきな……喜びすぎじゃん?」

     ……わたしは少し赤面した。

  • 153二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 00:59:27

    真島を意識するわ喜びすぎるわなにこの可愛いたきなは?

  • 154二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 07:55:22

    好意とかじゃなくて負けず嫌いだとは思うけどかわいい

  • 155二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 12:44:04

    ジャンケンに勝ったときの鳴き声

  • 156二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 23:53:15

    >>152

    「お前も食えよな」

     真島がカチャカチャとスイッチをいじって鉄板の温度を調整する。かき混ぜなくても焦げないようにしてくれているらしい。ありがたい。

     では……と掬って食べる。うん、これは美味しい。餅とチーズと明太子という全く理解できない組み合わせですが、

    加熱するとここまで相性がいいとは。

     あ、そうだ、押し付けて食べましょう。一区画を削って、ぐっと鉄板に押し付けます。温度は下げられたとはいえ

    まだまだ熱いので煙が上がってきます。チーズの焦げるような匂いが食欲を刺激します。ああ、なるほど

    こういう効能もあるのですね。

    「もぐ……」

     おいしい。さっきより味がくっきりしたような印象を受けます。なんでしょうかこれ? ビックリです。

     他に味を足していないのにただ押し付けるだけでこうなるとは……。

     お好み焼きにはあまりない変化です。これは……千束も真島も好きな理由がわかりますね。

     お餅などはカリカリに焼くと食感も変わってきて、柔らかいもんじゃとの対比がはっきりしてとてもいいです。

     明太子も確かに加熱したものと、してないものとで味わいも食感も変わりますよね、なるほど、

    関連がないと思っていましたが実際はとてもあるってことですか。 


     なんて思いながら食べ進めていると、カチリと正面の人のヘラに自分のが当たる。ふとその持ち主を辿ると、まあ分かっているのですが真島です。……わたしとしたことが。もんじゃを二分割するのを忘れてしまいました。

     ……いいでしょう、あまりうるさいことも言いません。今はもう違うのですから。

  • 157二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 23:57:51

    優しいたきなさん

  • 158二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 07:44:34

    こんな長く続くとは

  • 159二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 11:57:04

    呑気に飯食ってるのが好き

  • 160二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:35:48

    >>156

     もんじゃはカリカリになったところが美味しいんだ。という真島の言葉に従って

    薄くもんじゃを広げて、そのあとから個々人で小さなへらで掬ってもらう。

    「! お、パリパリだねえ~」

     ……よかった喜んでくれてる。これ、家でもできますよね? 考えてみれば小麦粉を節約できるし、

    それに……作っててちょっと楽しいし、千束と囲んだらいいかなとも思う。

    「お好み焼き、わたしやりますよ、何にしますか?」

    「え? いいの? じゃあね……あ、真島なににする?」

     ……さっきから無意識なんですかね? メニューを広げて肩を寄せ合うの。 

    いいえ、分かってますよ、メニューが結構小さいからそうなっちゃうの分かります。

    片側A5用紙ぐらいですからね、そうなっちゃいますよ。

    ……。いや、

    「少しわたしも見てもいいですか?」

     さりげなくメニューを奪取し少し迷う振りをしながら、わたしの方が、二人の方に向けて提示するような形をとる。

    「どれにします?」

     これなら二人の距離は縮まらないはず。

    「うーん」

     真島は目が悪いようで、うーんと頭をこちらに伸ばしてきます。そうすると、千束の視界が真島の頭で遮られているようで……あれ、千束まで首を伸ばして……あー! ダメですダメ! 頬同士が触れる!

     そうです、テーブルの真ん中にはアツアツの鉄板があるのです。そこにメニューが置けないのでこうなるのです。

     ……もう、二人に手渡した方がまだマシですね……。

    「ど、どうぞ」

     メニューを真島に渡した。

     

  • 161二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:39:31

    剣呑な飯になったw

  • 162二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 07:45:01

    ちょろたきなさん

  • 163二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 12:19:47

    この後どうする?

  • 164二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:16:12

    >>160

    「じゃあ豚玉で」

    「おー真島にしては普通だね、じゃあ私は……」

     真島はすっとメニューを千束に手渡した。……その目は「やれやれ、これでいいんだろ」と語っているかのよう。

    正直すみませんでした。

    「あれ? なにこれ珍しくない?」

     千束が今度はメニューを広げて真島に近寄ります。真島の目がこちらを見て泳いでいる、いいんですよもう……。

    わたしは軽く頭を横に振ると、なぜか安心したようにふぅ、と息を吐いているのが見える。

    あ、いいんですよっていうのは、千束から近寄ったから仕方ないですね、という意味であって断じて

    真島の方から近寄ってもいいですよ、という許可を与えたものではありませんからね。

    「まあお前向けでいいんじゃないか、赤いし」

    「な? そういうこと? じゃあこれにしようかな」

     千束が店員さんを呼ぼうとするので、わたしもあわててメニューからまた一枚選ぶ。

     真島がベーシックな奴、千束がなにか珍しいの、そしたらわたしは中間をとって……。

     あーだめだめ、イヤな台詞が脳にリフレインする。

    「ベビースターお好み焼きで」

     これでいいかな? 普通のと珍しいのの間にあるものとしては、悪くないのではないでしようか。

    「お、たきな、いいの選ぶねぇ!」

     千束が意外そうに褒めてくれますが、それよりだいぶ気になるのはですね……。

    「千束の頼んでたやつってなんです? シーフードトマト焼きそばお好み焼きって……」

    「あ、うん、私も知らないんだけど、珍しそうじゃない?」

    「珍しいのはその通りですけど……」

     シーフードトマト、というのはわかります。しかし、焼きそばが混ざるとなるとよくわかりません。

    シーフード焼きそばも、トマト焼きそばもちょっと想像がつかない。

     赤いのだからちょうどいいのは、トマトのことなんですね。

    「あーでも、三枚頼むとは思ってなかったから、もうちょっと軽めのにしておけばよかったかな?」

     千束が腕を組みながら唸る。

    「え? 人数分頼む物ではないんですか?」

    「え?」

  • 165二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:43:13

    え~
    嫌な台詞?間か?嫌だなw

  • 166二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 04:54:36

    中間をとる、バランスをとるってことやろ

  • 167二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 06:55:01

    間に挟まるとかだったら嫌だなw
    バランス取らねぇとなぁ、って嫌な台詞なのか?

  • 168二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 07:50:44

    そらぁいい思い出はなさそう

  • 169二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 12:05:02

    お好み焼き食べたくなってきた

  • 170二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:35:52

    保守

  • 171二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 07:42:14

  • 172二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 12:21:09

  • 173二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 20:18:33

  • 174二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:53:51

    >>164

    「いや、そうなんだ?」

    「ええ……」

     千束の習慣だと一人一枚ではないのでしょうか? いえ、この前パンケーキを一緒に食べた時も

    一人一枚でしたし、お好み焼きも同じようなものだと思うんですけど……違いますかね?

    千束にこんなことを言うとお好み焼きとパンケーキは違うんだよ! と力説されてしまいそうだから

    黙っていましょう。

     さっきのもんじゃも食べてしまいましたし、暫く鉄板は空になっている。

    そしてわたしも暫し暇になります。……どうしましょうがね。

    わたしの前には真島、斜め前には千束。二人とも大してやることもなくなんとなく視線が空中を揺らいでいます。

    「……そうだ、これからどうするんだっけか?」

    「ああ、そうだね、予定だと近所のショッピングモールをうろつくことになってるけど?」

     結構この辺はわたしたちも来るので土地勘もあり、警護慣れしているということで許可されている。

    人気のない場所より逆に安全だという理屈を千束が通しちゃったのと言うのもありますね……。

    確かに狙撃されるとかならもっと障害物が少ない方がいいですし。

    「なるほどな、あんまりそういうところ行かないからよろしくな」

    「あいよー! 勿論! お客さんは楽しませるのがリコリコの流儀よ」

     ふふんとどこか得意そう。確かに今は本当に客人なんだから楽しませてあげなきゃという気持ちになってきます。

     ただ、どこに行くのでしょうね、わたしと千束が回ったような所だと服とか化粧品ですしそれは真島向けじゃない気がしますね。

     女性ものの服とか着ないでしょう……? 化粧は……多分してないし。

     少し訊きたかったけど、多分お楽しみだからって答えてくれないやつですね、まあいいでしょう。

    わたしは何処までもついていくのですから。

  • 175二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 11:09:27

    >>174

    「おーやっぱり上手だねぇ!」

     千束がめちゃめちゃ手放しで褒めてくれるのは嬉しい。

    まずは豚バラを焼いて、その隣にざわーと中身をあけます。勿論卵黄は中で混ぜていますよ。

    「確かにこっちは手慣れているな」

     ふふん、どうだ真島! 恐れ入ってください。

     今は豚玉を焼いているのですが、確かに一個ずつしか運ばれてきませんね、

    やはり東京ではこれは一人一枚ではなくて、分割して食べるんでしょう。

    その土地の文化風習に紛れるのもリコリスとして大切なことです。

    「たきなってお好み焼きよく作ってたんだ?」

    「ええ……まあ」

    「パーティーとか京都でもやるの?」

    「たまにですね……あとお好み焼きは粉を溶かして材料を入れて焼くだけなので早いんですよね、色々な材料を混ぜられるので栄養バラ……栄養もいいんですよ。冷蔵庫の余りとかも入れられますし」

     突っ込んで聞かれたので、答える他ない。あまり細かく説明するとやっぱり引かれちゃうしね?

    「なるほどね」

     千束にとってはこれはパーティーの象徴なんだね、ああそうするとここもそうなんだ。

     わたしと三人でパーティー。

    「さて……」

     真島の目が鉄板上を泳ぐ。上に載せられたそれは徐々にぷくぷくと泡を発していて

    そう、その時が近いのだ。

  • 176二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 12:39:12

    バランスwドヤ顔誘発ワードw
    それにしてもいいタイミングでお好み焼きネタ来てるね

  • 177二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 21:28:52

    保守っておく

  • 178二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 01:45:35

    待ち

  • 179二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 12:25:15

    保守しておくか

  • 180二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 22:22:41

  • 181二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 07:59:52

  • 182二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 14:32:12

  • 183二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 21:09:41

    このスレもう200行くけど、どうするんだろ?

  • 184二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 21:50:11

    保守されててありがてえ。まあ需要あるようなら次は立てるか

    >>175

    いえ、わたしが家で作る時には、多少割れてもまあお腹に入れば一緒でしょ? 的な雰囲気で

    すました顔で全ての工程を処理するのですがここは千束がいますし……まあ、真島もいますから?

    くるんとひっくり返せるほうがかっこいいわけですよ、千束の歓声を受けたいというわたしの

    意思だし、意地でもある。

    まずはヘラで周囲を確認します。具体的には、するっとお好み焼きの下にへらを突っ込んで

    鉄板と癒着がないかどうかを調べます。

    ええ、ありません。するっと動きますね。しかし、少し持ち上げるとまだ「骨」がない気がします。

    次に注目すべきはお好み焼きの外周です。外周がぷっくりと膨れていることが重要です。

    でろんと滴り落ちている状態ならまだまだです。

     少し待ちましょう。待っている間に、取り皿を二人に分けます。

    千束はすぐさま割り箸を配ってくれます。ありがたい。

     早く食べたいなー! という期待が見えますね、でも焦りは禁物です。

    千束が犬であったとしたら、尻尾が左右に揺れていることでしょう。でも、待て、ですよ。待て。まだです。

    「……どうですかね」

    「わりといいかもね、たきな」

     確かにもうそろそろよさそうだ。くっと持ち上げてもひびが入りそうもない。

    では……やっていきましょう。両側にへらをすっと入れてみる。

    うん、鉄板にずっと触れているところが硬い表面になっている。

    では……!


    「……真剣だな、黒いの」

    「ええ、やるからには真剣にやります」

    「そういうとこ好きだぜ」


    「なっ……!」

    「おい!」

     わたしの躊躇いがちな声と千束の怒声とが共に合わさって宙を舞う。

     狂う手元、減速する回転、バネが効かなくなった手首。

  • 185二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 21:55:01

    引くねぇ次に

  • 186二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 08:33:07

    全裸待機

  • 187二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 12:51:29

    大胆な告白はテロリストの特権!

  • 188二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 22:50:59

    結構続くね

  • 189二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 04:39:33

    >>184

    「くっ!」

     わたしがお好み焼きを広い鉄板の上でひっくり返すときは、左手のヘラは固定、右の方を左方面に動かして

    くるりと一回転させるのだが、その手元がわずかに狂う。狂ってしまうと見事に円盤が半分に俺目が付いてしまう。

    しかし、わたしはすんでのところで、右手の動きを止めて一旦待機状態にする。

     ただ、もうこれ以上火を入れるわけにはいかない。豚が焦げてしまう。

     一旦停止したことを悟られないようにして、一呼吸置く。あくまでもあれは癒着を確認するためのものだったんだ

    というポーズを忘れない。

    「えい!」

     くるん、と返す。本来の予定より三秒も変わらない。

     じゅわあああ、という美味しそうな音が周囲に跳ねる。

     よっしゃ! これは最高やんな? 

     ピューイという軽快な音が聞こえる。真島が唇を窄めてその音を出したのだ。

    「お! すごいじゃんたきな!」

     なんでもないですよ、みたいな顔をしているが実はとても照れくさくて、そしてとても嬉しくて。

     ひとしきりわたしを褒めた後、千束はキッ! と表情を変えて真島を睨む。

    「こら、真島! たきなに好きって言ったろ!」

     ガルル! と尻尾を逆立てていますね。

    「お? 悪いか?」

     その狂犬千束の覇気を怖がるどころか、面白がって対峙する。

    「ワリぃに決まってんだろバカ!」

    「じゃあ嫌いになっておこうか?」

    「は? たきなの魅力に気づかないとか耳以外は腐ってんのかァ? いーや、たきなの声の魅力がわからんのなら耳も腐ってんだろ」

    「ほー。そんなに魅力的な人間に料理を給仕してもらえる俺はもっと魅力的って訳だ」

    「はぁぁぁん?」

     やっぱり真島はああ言えばこう言う、口では勝てませんね。

    ……いや、わたしは武力でも勝てませんでしたが……。

  • 190二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 04:39:51

    >>189

    「ほらほら、ケンカしないでくださいよ」

     わたしはお好み焼きにソースを平筆で塗って、細くマヨネーズを発射する。

     青のりを散らして、鰹節を降らせる。熱せられた鰹節がふわふわと生き返る。

     さぁて、切り分けますか……。


    「え?」

    「おい」

     今の今までケンカしていた真島と千束が声を合わせて疑問を呈した。

  • 191二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 11:11:14

    切り方に疑問?

  • 192二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 21:10:06

    >>176

    そういや、お好み焼きネタっていいタイミングだったのか? 実は作者たるワイはまだゲーマーズちゃんからアンソロ受け取れてないんや……その中の話かな?

    >>190

    「え、なんでそんな細かく切ってんの?」

    「そうそう、なんでだよ」

     わたしがお好み焼きのヘラで、ささっと分割したところこのような不満が上がったのです。

    「え、いや……それ以外にどうやって切るんですか」

     多数決だとわたしの負けなのだが、ここは疑問を解消しておきたい。

    「ピザみたいに切る……しかなくない?」

     千束の指が円盤を放射状になぞる。すっ、すっ、すっと。

    「なるほど……でもこれはピザじゃないですよ、それにこの方がお箸で食べやすいですし」

    「あーお箸かぁ……」

     ちょっとわかってくれただろうか?

    「円盤なら放射状じゃないと分配するときにバランスが悪い」

    「あ、それも確かにわかる。端っこのとこだと小さくなるし」

     千束はどっちの味方なんですか? まったく

    「あ、そうか、たきな。これってシェア前提じゃないでしょ?」

     ぽん、と手を叩く千束。ああー。なるほど、そういうことか。

    「……そうかもです。もともと一人一枚で食べるんだと思ってたんで」

     そうだった。いつも慣れた方式で切っちゃったからこうなるのね。

    「なるほどな、黒いのは腹ペコだったってことなんだな」

    「違います、文化と風習の違いです」

     わたしは切り分けた後、各々お箸で取ってもらっていながらスマホで調べます。

     確かに関西だと一人一枚で食べて切り方は賽の目。関東だと一枚をみんなで食べるからピザ状。

    なるほどぉと一人で唸った後にビシ! と真島に見せつける。

    「まあ、それはわかるんだが、それでもお前は一人一枚入りそうだな……と思ったわけだからなァ……。一緒に朝飯苦食ったろうに」

    「え、たきな真島と朝ごはん食べたの?! いつ!?」

     千束はにっこりと笑いながらも声にハリがあります。ハリです……。針とも言います。

     やば、あの時のことバラされた……。いや、わたしは被害者だ。一緒に食えって脅されただけなんです。

    「……黙秘権です」

  • 193二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 21:11:00

    >>192

    朝飯食ったろうに


    に訂正しておきます……。

  • 194二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 21:51:13

    >>192

    ここを読んでる合間に丁度他でお好み焼ネタを読んだという事で被ったなと

    ピザ切りでバランス取ってきた

  • 195二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 01:03:23

    そういえば朝飯食う話しあったな
    続けぇ~

  • 196二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:36:39

    続くのか?

  • 197二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 12:42:48

    終わりが近いな

  • 198二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 22:12:15

    保守っとく。続けるなら立てといて

  • 199二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 22:47:15
  • 200二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 02:03:56

    うめ

オススメ

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