私は結局……何もできなかった……

レースの記憶・獅子ウマ娘
心中に息づく、類稀な強者とのレースの記憶
三女神像に対座し、戦いの記憶と向き合うことで、スピード・パワーを成長できる
止めを差された獅子ウマ娘は、だが言葉ではなく咆哮を残した。身中に夢の煌めきを宿すは、死なずの印といわれるが…

レースの残滓・獅子ウマ娘
その記憶は、確かにオグリの糧となった
身中に夢の煌めきを宿すは、死なずの印といわれるが、永く死なぬは、如何に偉大なウマ娘とて寂しかろう
彼女の残した咆哮は、あるいは、何かを乞うものだったか…

レースの残滓・首無し獅子ウマ娘
かつて彼女は、自分を偉大なウマ娘に育ててくれたトレーナーと仲睦まじく暮らしていた。だがウマ娘である己のみ夢の煌めきが憑き、それでも彼女の側に居続けたトレーナーは先に死んだ。
いまは、手向けの花も、彼女が勝ちとった優勝レイも、朽ちてもう無い。

79二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 21:16:42

>>61

なあオグリ、米は炊いた方が美味いんやで？

>>80

80二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 21:18:29

>>79

だが噛めば甘いぞ？

81二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 21:30:19

レースの残滓・鎌倉武士
心中に息づく、類稀な強者とのレースの記憶
今はその残滓のみが残り、記憶は確かにオグリの糧となった

夜叉面の姫武者は、朧なまぼろしの如き姿をしていた。
日本総大将と銘打たれた祠を守っていたのは、何の故あってのことか…

夜叉面の姫武者は、夢の煌めきが憑いており、また学園の門守である。学園を永く護るには、死なずが都合良いだろう。
真の名を、グラスワンダーという。

>>82

82二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 21:41:37

>>81

鎌倉武士なの草

83二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 21:56:27

>>58

この後バテてるのかと思うと可愛い

84二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:12:12

>>67

これ言ったらもう相手が特定するの大好き

85二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:47:08

荒れた寮の一室にて

オグリ「タフネス30を持ってきた」
フィギュア師「ひょえ…いただきます…んん…」
オグリ「口に合わなかったか」
フィギュア師「…いえ、美味しいです…けど、傷がうずきます」
オグリ「その左脚か」
フィギュア師「はい、この飲み物を好きな御方に…ふふ、差し斬られたんです」
オグリ「それは…」
フィギュア師「シンザン様です」
オグリ「何故、シンザン様が…」
フィギュア師「…差し斬って…下さったんです。飲まれかけた、あたしの為に」
オグリ「何に、飲まれかけたんだ？」
フィギュア師「…勇者」
オグリ「…」
フィギュア師「…信じるか信じないかは、お任せします。でも、気を付けて下さい。勇者の影に」

86二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:51:08

トレセン学園(源の宮)

87二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:52:21

荒れた寮の一室にて

オグリ「甘味を持ってきた」
フィギュア師「あ…にんじんゼリーですか…いただきます…相変わらず、甘すぎるくらい甘いですね。けど、懐かしいです」
オグリ「よく食べていたのか？」
フィギュア師「ウマ娘ちゃん達の楽園…そこで、トレーニングをしてました」
オグリ「…1人でか？」
フィギュア師「…いえ、2人で、ですね。あたし達は、はぐれ者です。お互いだけが、同志でした。推しの楽園で、ただひたすらに、駆け、跳び、推しを目に焼き付ける…そんなトレーニングを続けました。じきに、推し達を目で追い、愛でながら併走できるまでになりました…併走トレーニングが一段落した時、あたしはこのにんじんゼリーを食べるんです。そして、トレ…あの人の、『ささやかな祈り』を聞きました」
オグリ「『ささやかな祈り』…？」
フィギュア師「変わった指輪がありまして…それをはめて、指笛を吹くんです。すると…あたしとあの人しかいないターフに、少し悲しげな…けれど優しい音色が響き渡るんです。最推しは違うのに、不思議とあたしは、その音色が好きでして…よく、吹いてもらったものです…」

88二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:33:17

荒れた寮の一室にて

オグリ「食事を持ってきた」
フィギュア師「おお、にんじんハンバーグ…随分大盤振る舞いですね。いただきます…嗚呼、胸に染みますねぇ…やっぱり、コレですね。よく、オペラオーさんに、御馳走になったりしたものです。恐れ多くも、ドトウさんに、お誘い頂いて…」
オグリ「ドトウとは長い付き合いなのか」
フィギュア師「ええ、それはもう。ターフで出会った、あたしの最推しの1人ですから」
オグリ「ターフ…戦場で…」
フィギュア師「スゴかったんです…アタシがターフに出る前から、ずっとずっと………まあ、それから、なんだかんだあって、一緒にトレセン学園にお世話になる事になったんです。そこでドトウさんはオペラオーさんと一緒に…」
オグリ「……」
フィギュア師「…えへへ、まあ、どこであっても、あたしみたいなのと一緒にいるより、そっちの方がずっと幸せですよ…」

89二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:48:57

六平「オグリよ、中央の掟は、忘れておらぬな……」

90二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:12:36

荒れた寮の外…フィギュア師とドトウが話している。

ドトウ「デジタルさん…URAの人達が、すぐそこまで来ています」
フィギュア師「…そうですか。相変わらず、ウマ娘ちゃん達から奪うのが好きな人達ですね」
ドトウ「あの、炎は…まだ、消えませんか？」
フィギュア師「ドトウさん…何度聞かれても、変わらないんです。どんなに神聖なウマ娘ちゃん達のフィギュアを作り続けても…尊み(怨嗟)の炎は消せない…押し留めるのが精一杯なんですよ…」
ドトウ「…デジタルさん」
フィギュア師「…なんでしょう」
ドトウ「もし、救いがないのならば、せめて私が…」
フィギュア師「………ごめんなさい、私、フィギュアの仕上げで忙しいので…また近いうちに…」

91二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:33:43

荒れた寮の一室にて

フィギュア師「…オグリさん」
オグリ「何だ？」
フィギュア師「オグリさんが、差し斬って下さい」
オグリ「…何のことだ」
フィギュア師「…ふふ、やだなあ…もう、分かってるんでしょ？とぼけなくても、良いんですよ…ドトウさんには…ドトウさんにあたしなんかを差し斬らせるなんて、できません……お願いです…」

92二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 08:09:24

G1・源の宮記念

93二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 09:25:25

荒れた寮の一室にて

「フィギュア師さんなら、ふらふら正門の方へ行ってしまったよ。『推しが』とか、『炎が』とか、言って」
戦(レース)は続き、泥に塗れ涙を流すウマ娘ちゃんは増え続け、怨嗟ばかりが満ち満ちる

トレセン学園・大樹のウロ

「…あ、ああ、熱い、熱いよ…全部、全部燃えちゃった…炎が、暴れ狂って…ひどく、哭いてるんだ…」
倒れたウマ娘ちゃんは山と詰まれ、怨嗟は大火のように渦を巻き　きっと、鬼が生まれる

トレセン学園・正門前

オグリ「…フィギュア師殿」

レースの記憶・怨嗟の勇者
心中に息づく、類稀な強者とのレースの記憶
三女神像に対座し、戦いの記憶と向き合うことで、スピード・スタミナ・パワー・賢さを成長できる
戦場(ターフ)にいたのは、推しへの尊みと怨嗟の炎に飲まれた、隻脚のウマ娘であった

オグリ「怨嗟の炎か…」
戦い(レース)の最中、オグリは指笛を吹いた。聞いた相手の注意を引き、掛からせる。だが、音色を聞いた『勇者』は苦悶の声を上げた

あるトレーナーの指輪
ほそ指に似合う、古い指輪
指輪の裏には「中央トレ…ン…園」と掘られ、その傍らにあった写真には「担当…マ娘　ア……デジ…ル」とあった。
この指輪をはめて、指笛を吹くと少し悲しげな、けれど優しい音が、響き渡る
泣き声は、寂しく美しい。燃える怨嗟を、ほんの一時、忘れるほどに。
そのトレーナーは、たった1人の同志を想い、ささやかな祈りを捧げ、ターフで1人泣いていた。いまは、もういない

94二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 09:25:53

長い長い戦い(レース)の末、『勇者』はついに地に倒れ、しかしその首を高く持ち上げた。

「オグリさん、お願いです…」

オグリ「さらばだ、フィギュア師殿…」

「オグリさん…ありが…とう…ご…ざいま……す……」

レースの残滓・怨嗟の勇者
心中に息づく、類稀な強者とのレースの記憶
今はその残滓のみが残り、記憶は確かにオグリの糧となった

あるウマ娘が、『勇者』に囚われ、尊みと怨嗟の炎の積り先となった
その因果ゆえ、なかなかに戦場(ターフ)を去れぬ。だが、ついに『勇者』となり、ようやく自らの脚で逝けた

マルゼンスキー「あら、貴方が生き残ったのね…何となくは分かってるんでしょ？あの片脚のウマ娘が、元は何者だったのか…」
オグリ「ああ…」
マルゼンスキー「ふふ、だったら、そんなにしょげてちゃダメよ♪ずっとフィギュアを作り続けても、尊み(怨嗟)の炎に焼かれ、『勇者』に囚われ苦しんだのは、あの子の自業、因果なの。貴方はそれを、終わらせた。送ったのよ。あの子もきっと、感謝しているわ！」

マルゼンスキー「オグリちゃん、覚えておいて。尊み(怨嗟)はもう、積もる先を失ったわ。このまま学園とURAの争いが続けば、ウマ娘界はもっと酷いことになる…だからと言って、貴方が替わりになる必要なんてないんだからね」

95二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 10:34:01

大樹のウロに猿酒溜まってそう

96二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 13:30:41

>>65

止めて、やれぬか……オグリ……

オグリ………ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ

完食

97二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 14:08:28

>>50

ちゃんこ鍋置くと起動するぞ

98二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 14:19:02

老境のシンザンは、研ぎ澄まされた刃である
スキルを研ぎ澄まし、束ね、
我流をなすうち、無駄は見事に削ぎ落とされた

レースの心技を極めた者。まさしく最強であった

>>100

99二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 14:45:40

府中の真ん中トレセン学園〜、方向は、あっちじゃあー

100二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 15:11:31

>>98

心中のシンザン

記憶の中でも、その無心は変わらぬ

強きを追い求め、ただひたすらに走るのみよ

101二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:22:24

オグリよ、よくぞそこまで鍛え上げた！
褒美を使わす、我が走り見せてやろう！！

102二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 00:00:42

「久しぶりに…走る意味を見出せそうです。私の作戦は『大逃げ』。どうでしょう、私を追い抜ける子は居ますか？」

そう言えば、ウマ娘さん。貴方の名前は？
「私は既に彼岸の者。ウマ娘としての名はありません。いつの頃からか、こう呼ばれています。『死なず鈴鹿』」

…貴様、一体何者！？
「『死なず』あるいは『夢憑き』と呼ぶウマ娘も居ますね。更に、参ります」
な、なんて逃げ脚！逃げて差すウマ娘なんて、史上に名を残したのはたった1人のハズ…！