【SS】キングヘイロー「ウララさんの料理！？」【百合】

1二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 21:45:29

「うん！キングちゃんの為に作ってきてあげる！」
そう言ってキッチンに飛び出していったウララさん、怪我をして動けない私の事を思ってのことだとは思うが心配の方が勝ってしまった。
「杖をつけば⋯」
ウララさんが包丁で手を切ってしまったら⋯ウララさんが揚げ物をしようとして火傷をしてしまったら⋯そう考えてしまい、自然と体は動いていた。

2二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 21:45:49

痛い脚を引きずりながらキッチンの近くまで行く、ふわっと鼻をくすぐる優しい香り。
「キングちゃんは濃い味、薄味どっちが好きかなー？」
「あ！体に良いアレも作ろう！」
「うーん⋯ちょっと苦味強いかなー？」
いつも通りの独り言を呟きながら慣れた手つきでキッチンを駆け回るウララさんがそこに居た。
「なによ⋯私より全然出来るじゃない」
悔しいと思うより先に私の顔は微笑んでいた。
Uターンをして部屋に戻る、どうやら今回は私のお節介は一流ではなかったらしい。

3二次元好きの匿名さん21/10/28(木) 21:46:06

「キングちゃんお待たせー！！」
部屋に運ばれてきた大量のお料理、彩りも鮮やかで良い香りを立てている。
「⋯でもこれ、量多くないかしら？」
「キングちゃんのことを思ってたらいっぱい作っちゃった！」
屈託の無い笑顔、嗚呼私はこの笑顔が好きなんだ。
「確かも多いかも⋯スペちゃん呼ぼうか！？」
「呼ばなくて結構よ、ウララさんのお料理を今日は独り占めしたい気分なの」
「えー！私の分はー！」
「うふふ、それじゃ二人占めかしらね」
ウララさんの作ったお料理はどれも私の好みの味付けをされていた、そういえば彼女、私の頼むメニューもよく見ていたっけ⋯
やっぱり悔しいので、今度は私が彼女を驚かせる為に料理の勉強をしようと心に誓ったのだった。

完