【会話文SS】Gaze on Me!｜あにまん掲示板

1二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 10:55:28

「ジョーダンちゃん、ナカヤマちゃん、待たせちゃってごめんねぇ」

「アキュートさん日直おつ〜！レッスン室借りられた？」

「バッチリよぉ、二人とも、付き合わせちゃってごめんなさいねぇ」

「約束さえ果たしてもらえりゃ気にしないさ。楽しみにしてるぜ？」

「ふふふ、わかってますよぉ、おいしいぽりぽりさん、今度持っていくからねぇ」

「アキュートさんウマスタの使い方慣れた？」

「そうね、ぼちぼちかしら。ナカヤマちゃんもちょこちょこ教えてくれるから、写真を撮影して、文章と一緒にあっぷろーどするところまではばっちり覚えたのよ。……はっしゅたぐは、まだよくわからないけど……」

「タグならウマトックにもあるしアタシに任してよ！めちゃくちゃイケてるタグつけたげるし！
　にしてもさ〜、ファル子さんとタルマエちゃんとコラボとか、アキュートさんすげーじゃん。ミニライブの練習に付き合ってほしいって言われたときはビビった！」

「確かにアキュートはウイニングライブ以外のイベントに出ているイメージはないな」

「ナカヤマもな〜？ナカヤマとアタシの兼ファンからめっちゃナカヤマのイベント情報聞かれるしぃ。たぶんナカヤマファンよりもナカヤマのイベント情報知ってっかも」

「……。しかしウマスタグラムでライブまでのカウントダウン企画をやるんだろ？ご苦労なことで」

「あぴーる力の強いファル子さんやタルマエちゃんと違って宣伝はおぼつかないけど、せめて本番くらいはね、ふたりに負けないよう歌って踊れるようになりたくてねぇ」

「フォーメーションダンスってやつだっけ？ステージ上移動するやつ。アレタイミングとかムズいんだよね。ま？アキュートさんだけじゃなくてアタシもやったことあるし？アキュートさんのフォローは任せろ的な？」

「はいはい、任せた任せた。やったことのない私は精々邪魔しないように立ち回るさ」

2二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 10:56:52

＊＊＊

「ワン、ツー、スリー、フォー、手前、変えて、ポーズ♪」

「ひい、ふう、みい、よぉ、なみ、あし、なみ、あし」

「アキュート、テンポとの折り合い気ぃつけろ。ここから遅れがちだ」

「了解よぉ、……。……ふぅ、ちょっと休憩にしようかねぇ」

「さんせーい！アタシ紙パックジュース買ってきた！りんごでしょ、オレンジでしょ〜」

「あらまぁ、まるでピクニックねぇ。はい、既製品じゃなくて申し訳ないけど、クッキー包んできたんよ。ジョーダンちゃんはこっち」

「やりぃ、期待してた！どれどれ〜うわ、めっちゃかわいい！クッキーの真ん中キラキラしてるじゃん！これなに？」

「ふつうのクッキーにジャムを乗せて焼いたものなんよ、ジョーダンちゃんのねいる、いつもぴかぴかできれいで、かわいいでしょう？それをイメージしたの」

「えマうれしい！写真とってウマトックあげてい？」

「もちろんどうぞ！ナカヤマちゃんにはこれね」

「おいおいアキュート、ジョーダンと違って私は徒手だぜ？」

「ふふ、そんな気はしてたのよ。でも、お菓子作りって楽しいから、ナカヤマちゃんに食べてもらいたくてねぇ。はい、おからの塩クッキー。ナカヤマちゃんは甘すぎないほうがいいでしょ？」

「せっかくのおやつタイムなんだから遠慮すなー？ほらナカヤマのぶんも飲み物あるし。お茶だけど。ね、そういえばさ、こないだの音楽の授業でさ、カシカイシャク？ってあったじゃん」

3二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 11:00:10

「歌詞解釈な」

「そうそれ！歌詞書いた人が歌詞にどんな気持ちをこめたかってやつ。スペレコとかさー、メイクデビューとかさー、なるほどね〜みたいなのはあったけど……うまぴょい伝説だけ、わけわからんくね？」

「あまり細かくは考えたことがなかったけれど……たしかに、うまぴょいってなにかのぅ」

「う〜〜うまだっち♪」
「う〜〜うまぴょい、うまぴょい」

「……」

「ナカヤマ、ノリ悪い」

「……うーーすきだっち」
「う〜〜うまぽい」
「うまうまうみゃうみゃ♪」
「みい、ふう、ひい、ふぁい」

「うまだっちってなに？うまぴょいってなに？うまぽいって、なんなん……？」

「掛け声みたいなもんだろ？」

「たしかに、こぉるあんどれすぽんす、の部分ではあるわねぇ」

「うまぴょい伝説ってどこもわけわかんないけどさぁ、一番ナゾなの、ここ。『今日の勝利の女神はアタシだけにチュゥする』よ。アタシよくわかんないけどさ、レースで一着になったから、勝利の女神がアタシにチュゥしてくれんだよね？」

「歌詞の意図としてはそうだろうな」

「でも実際チュゥすんの、アタシらじゃん。どゆこと？？」

4二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 11:01:09

「言われてみればそうだねぇ……」

「しょーじきあそこめっちゃ照れんだよね〜、あの振り付けの時だけそわそわすんの。二人はあそこの振りやるとき何考えてんの？」

「そうだな、私は──ウイニングライブ後に寮に帰ってひと風呂浴びて、行きつけの店で1杯引っ掛けるかな、とか」

「えっ？！ナカヤマ酒はダメっしょ？！」

「阿呆。店主がにんじんジュース用意して待っててくれんだよ。……アキュートは？」

「そうねぇ、あたしもちょーっと照れくさいから、お夕飯のことを考えてるかもしれないねぇ。あたしはとくに身体を作り込むから、お腹がぐうぐう鳴っちゃって……」

「そ、そうなん……？！」

「もちろん、レースを見守ってくれたお客さんにありがとうねぇって気持ちは忘れてないわよぉ～、いつもお夕飯のことを考えてるわけじゃないもの、ね、ナカヤマちゃん」

「まぁな。……で、言い出しっぺはどうなんだ？」

「アタシは、……チュゥするつもりでやってた、かも。だってチュゥするってあってチュゥする振りなんだしチュゥしなきゃおかしいじゃん？！レース終わって帰ってもいいのにライブまで残ってくれてさー……嬉しいじゃん、……ねぇ、チュゥチュゥ言いまくってなんかいまアタシめちゃくちゃハズくない？！」

「うふふ、ジョーダンちゃんは可愛いねぇ」

「いい心がけだと思うぜ？ま、安心しろよ。私だって『チュゥ』してもいい気分な時はあるさ」

「んも～～、ほら、練習再開しよーよ、もーー！！」

5二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 11:02:26

＊＊＊

「……なんとか形になってきたかしらぁ……」

「うん、いい気する！アタシたちの息もあってきた的な？！この曲めっちゃいいよね、気分アガる。かわいいし、オシャレだし。げいずおんみー、だっけ」

「gaze on me! だねぇ」

「アキュートさんときどきめっちゃペラペラーってなるよね？！ビビる。クリスエスさんと会話できたりする？」

「ちなみに、ジョーダン、どういう意味かわかるか？」

「えなにいきなり、えーと、……オンが乗る、ミーがアタシ、でしょ？ゲイズは……、わかったアレだ、マルゼンさんじゃね？あのふわふわ持って踊るやつ！アヤベさんがよろこびそーなやつ！フワフワフッフーってやつ！」

「不正解。……正解は、……ジョーダン」

「なに？」

「──私だけ見てろよ」

「うぇ？！なななななに？！」

「あっ、あたし知ってるわよぉ、ナカヤマちゃん、それ、顎クイって言うのよねぇ～」

「ご名答。まぁ、シリウスの野郎の真似さ」

「シリウスさんの真似なの？！シリウスさんいつもこんなことしてんの？えなに怖……」

6二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 11:03:31

「……ジョーダンちゃん、ジョーダンちゃん」

「え？なに？」

「……あたしだけを見つめていてくれるかい？」

「へぇ、逃げ場を奪う両手ホールドか。アキュート、なかなかやるじゃねぇか」

「ちょ、もうさっきからなに？？！！もしかしてアタシで遊んでる！？」

「ジョーダンちゃんの反応が可愛らしくてついねぇ……げいずおんみぃはね、『あたしを見つめて』って意味なのよ」

「そうなん？アタシを見つめて、かぁ……っていうかもしかして二人で勝負とかしてた？！どっちがアタシをビビらせるかとかさ！」

「してないぜ？偶然の賜物さ」

「ナカヤマちゃんに乗っかりたくなっちゃったのよねぇ。悪くない勝負だったでしょ？クッキー分の返せる貸しになったかしら～？」

「ハハ、気遣い感謝するぜ。この勝敗はともかくとして、だ。ジョーダン」

「なに？」

「うまぴょい伝説の『チュゥ』に対してあれだけ真摯になれるんなら、テメーのファンにももっと押していけよ」

7二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 11:03:53

「なになに、どゆこと？」

「あたしもねぇ、たまに言われてたのよぉ。いつかファル子さんとこらぼしないんですか、とか、タルマエちゃんやリッキーちゃんとの写真が見たいです、とか」

「だが──ファンの前に立ってるのは、私でもファル子でもタルマエでもコパノでもない、ジョーダン、テメー自身だ」

「兼任ファンさんの気持ちもわかるのよぉ～。こんび推し、って言うのかねぇ？でも、目の前にいるのは、あたしなの」

「……」

「ジョーダン、てめーがファンに対してお人好しすぎるのを責めやしないさ。どうせ私だけじゃない、フラッシュやらゴルシやらのことも聞かれたら知らんだけで済ます気はないんだろ？」

「ジョーダンちゃんはそういう優しい子だものね？でも、もっと『アタシを見つめて』って表現するのも、いいんじゃないかのぉ？」

8二次元好きの匿名さん22/11/26(土) 11:04:20

＊＊＊

「……よぉし、宣伝用のはこれで大丈夫かのぅ？」

「バッチリっしょ！あとでちょっとヘンシューして動画送んね！タグも一緒に送っから、そのままコピペして投稿すればオッケー！キラキラに盛っちゃるから覚悟しとけー？」

「うふふ、ありがとう。ジョーダンちゃん。ナカヤマちゃんも付き合ってくれて助かったわぁ」

「どういたしまして。いい気分転換になったさ」

「あ～～めっちゃ腹減った！ね、アキュートさん、ナカヤマ、これからどっか出ん？飯食いて～」

「でも痩せてぇ期間じゃないから、あたしは大丈夫よぉ～」

「よかった！ならさっさと片付けて行こ行こ、ナカヤマなに食べたい？」

「私も行くこと決定してるのかよ。まあ付き合ってやってもいいが……空きっ腹にはモツがいいな、私は」

「シブすぎるやつじゃん！それ以外で！」