CP注意 閲覧注意? 赤いキノコ

  • 1122/11/27(日) 10:59:07

    エレジア ウタの部屋

    「もう少しだよ…みんな…もう少しでみんなが幸せになれる新時代が来るよ…」

    独り言を呟く、女の名はウタ。またの名を世界の歌姫、救世主。

    「……そうだよ…私がやらなきゃ…ファンのみんなは幸せになんかなれない…」

    カゴから一つのキノコを手に取り、食べる。

    「……にっが…でも食べなきゃ…半分くらいでいいか…後でいっぱい食べるんだし…………パンケーキ食べたい…」

    そのカゴに入っているキノコの名はネズキノコ。食べると眠ることができなくなり、やがて死に至るという毒キノコ…新時代計画の要だ。

    「……ライブの時間だ…行こう…」

    硬い顔つきでステージに向かうウタ。その内心をわかるものはウタ以外誰もいない。

    部屋に残されたのはファンとの交流をするための映像電伝虫と食べかけのキノコだけだった。






    そのキノコの色はピンクではなく、赤い色をしていた。

  • 2122/11/27(日) 11:00:17
    CP注意 最近ルウタのSSを書き始めた者なんだけど|あにまん掲示板早速ネタ切れを起こしている。なんかいいネタない?bbs.animanch.com

    ここのスレ主です。ここでもらったホンネキノコという設定を入れて、書いていこうと思います。

  • 3二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 11:04:16

    待ってます、楽しみ

  • 4二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 11:21:06
  • 5122/11/27(日) 11:23:06

    新時代だ♪

    一曲目の“新時代”を歌い切る。ファンのみんなが大きな歓声を上げている。

    「みんな、やっと会えたね!ウタだよ!」

    さらに歓声が強くなる。色んな人が私の名前を呼んでくれている。

    「(………ああ…もう、引き返せない…」

    思わず涙が出てくる。唇を引き締める。

    「ゴメン……ちょっと感動しちゃった」

    涙をその言葉と共に拭う。しっかりしろと自分を叱咤する。

    「みんな!今日は楽しんでいこう!」

    U・T・A!! U・T・A!! U・T・A!! U・T・A!!

    大きなコールが響く中、目の前に男が飛んでくる。

    「誰だあいつ」「おい、邪魔だ」「すっこんでろ!」「あいつもウタを狙ってんのか?」

    ファンのみんなの野次が響く。が、まるで聞こえないとばかりに私のことを見つめる男。

  • 6122/11/27(日) 11:31:02

    「(誰だろ…邪魔しないでほしいな…)」

    「あ!やっぱりそうだ!ウタ、お前ウタだろ!」

    「はぁ?」

    何を当然のことを言ってるのだろうか。目の前の男は。
    UTA のライブなのだからここにいるのはウタ以外あり得ないだろう。

    「おれだよ!おれ!」

    「おれ?」

    ちゃんと男の顔を見てみる。そして目を見開く。

    「(ありえない…あいつが来てくれるはずが……でも、もしかしたら…)」

    「……もしかして、ルフィ!?」

    「ししし!ひっさしぶりだなァ!ウタ!!」

    「〜〜〜〜!ルフィーーー!!!」

    思わず感極まって抱きついてしまう。そして、優しく抱き止められる。

    「(すごい大きくなったんだね…ルフィ…私の体と全然違う)」

    少し力を込めて抱き締めるとルフィはそれに応えてくれた。

  • 7122/11/27(日) 11:46:40

    私たちはしばらく抱き合ってから離れる。ルフィは大声を上げて笑っていたが、私はなぜか笑うことができずにルフィをただ見つめていた。

    「(何か変な感じ…)」

    「あはは!……ん?どうした?ウタ?」

    「あ、何でもないよ」

    ルフィに見られるだけでなぜか顔が熱くなる。まさかこれってーーー

    「テメェ!知り合いだったんなら紹介ぐらいしやがれ!」

    ルフィと一緒にいた金髪の人の声で思考が途切れ、冷静になる。

    「おい!何でプリンセスウタと仲良し「なんだー!?」!?」

    「(そうだよ。私がこいつのことをすーー)」

    「だってこいつ、シャンクスの娘だもん!」

    「あっ」

    一瞬の静寂。そして、

    「ええええええええええぇぇ!!!」

    凄まじい困惑の声が上がった。

  • 8二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 12:00:50

    さてこのキノコがいい方向に作用するか。

  • 9122/11/27(日) 12:01:12

    「シャンクスって……」「あそこにいる麦わらのルフィと同じ四皇だよ…極悪人だ」
    「しかも確か…」「ああ…このエレジアを滅ぼした張本人だ…」

    「ウタ……」

    ざわめきが広がる。そしてその声の一部がウタの耳に入ってくる。

    「シャンクスと同じ…?ねぇルフィ、あんた今何やってんの?」

    ルフィに質問をする。もしも海賊なんて言ったら……………………に……よ……

    突然銃声が響く。

    気づけば、色々な人がステージに集まってきていた。

    曰く、シャンクスの娘ならいい取引材料になる、シャンクスの弱点になる、ということらしい

    「(そんなことのために私とルフィの邪魔を……!)」

  • 10122/11/27(日) 12:02:37

    昨日、この時間帯に例のやつがきたので少し時間置いてから上げます。

  • 11二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 15:01:46

    続き楽しみに待ってます。

  • 12122/11/27(日) 15:55:42

    「熱風拳!!」

    「ウタ!危ねぇ!」

    「え?」

    考え事をしていた私は、急にルフィに抱き抱えられ、移動する。直後、海賊たちの元に熱風が巻き起こり、吹き飛ぶ。

    「ウィッーウィッウィッウィッ!その子は私たちの獲物だよ!」

    「お前は……枝!」「枝?」

    「ブリュレだよ!ビッグ・マム海賊団の!」「隣の人は?」

    「ビッグ・マムことシャーロット・リンリンの四男、オーブンだ。楽しそうだな!混ぜてくれよ!」

    「本当、偵察に来てみたらこんな面白いことが聞けるなんてね。ウタ!悪いけどーーー」

    色々言ってるようだが、最後の方までは聞き取れなかった。

    「(面白い?シャンクスの娘だってことが?……そんなことで私とルフィの邪魔をしたんだ……)」

    何故だかわからないが、ルフィとの時間を邪魔されてすごいイライラする。

    そのルフィは私を守るために戦ってくれている。


    ……………ないで……

  • 13122/11/27(日) 15:59:56

    「ふー……はーい!そこまで!!」

    一つ息を吐き、こちらに注目させる。海賊をやめるよう説得を試みるが、全く意味がない。加えて、私の歌なんか興味がないと言われてしまった。

    「穏便に済ませようと思ったのに残念……なら、歌にしてあげる」

    二曲目 “私は最強”を歌う。自信満々にみんなが笑顔になるように歌う。

    海賊たちが音符に囚われ、歌になる。もちろん私を守ってくれたルフィとその友達は別だ。

    「みんなー!悪い海賊は、楽しい歌になってもらったよ!ここでは、私が守ってあげるから安心してね!」

    再び歓声。それに混じって、シャンクスとウタは違うという言葉が聞こえる。

    「そうだよ…私はあいつとは違う。今度こそ、私はみんなを守るんだ…」

    苦しそうに顔を俯かせ、呟くウタ。次に顔を上げたときには元の顔に戻っている。

    「すっげェ強くなった…な………んん?」

    違和感に気づいたのはルフィだけだった。

  • 14122/11/27(日) 16:15:08

    「ウタを討伐することが決まった」

    「おっかしいねェ〜。ただの女の子一人に世界が注目するなんて」

    「甘く見るな!ヤツはウタウタの実の能力者。そして、会場の島には“トットムジカ”が存在する。その二つが交わった結果は知っとるじゃろう!」

    「……で、どれだけ出すんです?」

    「今すぐ出撃可能な軍艦は?」

    「三十隻」

    「よし!中隊小隊率いて全艦出せ!」

    「よりにもよってあの子かい…平和に終わってくれないもんかねェ…」

    「すでに取り込まれている人たちがおりやす。例え、穏便にことが終わろうが、監獄行きは免れんでしょう」

    それ以降、黄猿は無言で海を睨み、藤虎は俯き加減に口を引き結び、エレジアに到着するのを待った。

  • 15二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 16:28:06

    お労しい...海軍...

  • 16122/11/27(日) 16:30:32

    「なぁ、サンジ。なんかウタのやつ変じゃねェか?」

    「ん?そうか?楽しそうに歌ってるように見えるが…」

    「んーーー…後で聞いてみるか!」

    言いたいことだけを言って、とっとと食事を続けるルフィ。

    「全くあいつは……ん?……おぉっと…」

    野菜箱を見たサンジは“ネズキノコ”が混じっていることに気づく。

    「これは使えねェな……こっちの方は調理法はあるが、今日はやめておくか」

    ネズキノコを指で弾き、ゴミ箱に捨てる。そしてそのまま調理を続けるのであった。

  • 17122/11/27(日) 16:44:07

    その後はライブを何事もなかったように続ける。何曲か歌った後に私からルフィの元に行く。

    「ルフィ!……とみんな楽しんでる?」

    「はひ!プリンセスウタ!」「変わった食材もあるしね。天国だよ、ここは」
    「楽しいことだらけだな!」

    「良かった!ルフィに…とみんなに楽しんでもらえて!」

    さっきから何かがおかしいことに気づかず、ルフィに顔を寄せるウタ。

    「ねぇ、これで全員……」

    「あァ。……顔赤いぞ、どうした?」

    「え!?……ううん!…そんなことないでしょ?その帽子ーー」

    「…?…ホントに全員だって」

    さっきからいつもの調子が出ない。ルフィに近づくと顔が熱くなるし、言葉は遮られるしでイライラする。こうなったら……!

  • 18122/11/27(日) 17:02:53

    「ルフィ!久しぶりに勝負しない?」

    「今のおれに………うし!やるか!」

    「そうこなくっちゃ!今は私の183連勝だったよね。」
    「違う!おれが183連勝中だ!」

    あの日以来の言い合いがすごく楽しい、嬉しい。

    「認識の違いが激しすぎるわ」
    「勝負って?」

    ルフィの友達に話しかけられる。二人ともすごい美人だ。

    「えと、昔、ルフィと色んな対決をしたんだ。ナイフ投げとか腕相撲とか」

    話してる間に勝負の内容を決め、ルフィを連れていく。

    「今日の種目はこれ!チキンレース!」

    「なつかしいなァ。あとはーー」
    「ちゃんといるよ!」

    「やるぞ!」
    「よーい!」

    フーシャ村の日々が頭をよぎる。

    「「3、2、1!」」

  • 19122/11/27(日) 17:11:59

    相変わらずルフィはジュースに引っかかり、私に負けた。変わってないなぁ…

    「さっきのは反則だ!もう一回!」

    「でた、負け惜しみィ」

    幼い頃からのやりとりが心をあったかくしてくれる。でも、時間もそんなにない。
    聞かなきゃ…

    鼻と鼻がくっつくぐらい近づく。今度は赤くならない。

    「私が勝ったんだから教えて…シャンクスはどこ?」
    「知らね」
    「だったらその麦わら帽子は何!」
    「預かってる」

    「ねぇねぇ!」

    また邪魔をされた。でも、悪意はないからそんなに嫌じゃない。そのままルフィと私のフーシャ村での話をみんなにしてあげた。
    途中で聞かれた私がいなくなった理由はなんとか誤魔化せたみたいだ

    そして私はさっき聞けなかったことをルフィに聞く。

    「ルフィは?今何やってんの?」

    お願い……海賊なんて言わないで……お願いだから…

  • 20122/11/27(日) 17:16:39

    「決まってんだろ!海賊だ!」

    聞いた瞬間、私の中の何かが壊れた。

  • 21122/11/27(日) 17:26:27

    「…そっか…海賊…か」

    あの時、シャンクスと同じ四皇だと聞こえた時から覚悟はしていた。それでも悲しいものは悲しい。…………寂しい。

    「ああ、海賊王になるんだ、おれ!」

    今の私とは違い、楽しそうに答えるルフィ。…………羨ましい

    ルフィは他の海賊みたいに略奪してるの?………そんなことしない

    ルフィはいっぱい人を殺したの?………そんなわけない

    歪む、歪む、気持ちが歪んでいく。そのまま話を聞くのではなく、ルフィを無理矢理にでも止めるという気持ちで心が埋まる。(ホントに?)

    そして、私の運命を決めた決定的な一言をルフィに告げる。

    「ねえ、ルフィーーー」

    海賊やめなよ。

  • 22122/11/27(日) 17:27:44

    「私のそばにいてよ…」

    そんな言葉がなぜか口からこぼれていた。

  • 23122/11/27(日) 17:27:59

    一旦ここまでにします

  • 24二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 17:39:49

    言えたじゃねェか…

  • 25122/11/27(日) 18:48:22

    再開します

  • 26122/11/27(日) 18:51:12

    ………………………………

    ライブ会場から音が消える。

    「………………ウタ?」

    ルフィが振り返り、私を見つめる。

    「……違う!……今のは…違う…」

    否定するもどんどん声が小さくなってしまう。本当の気持ちが抑えられない。

    「ルフィ!お願いだから一人にしないで!さみしいの!苦しいの!ファンのみんながいてくれるけどダメなの!………一人ぼっちはもう嫌なのぉ……」

    ルフィに縋りついて、“本音”を叫ぶ私。抑えようと思っても抑えきれない。

    「もうヤダァ…こんなこと言うつもりじゃ…なかったのにぃ…」

    「……ウタ」
    「あっ………」

    優しく抱きしめられる。

    「何があったのかはここでは聞かねェ。今は…ウタと二人で話をしてェ」

    ルフィの声を聞くだけで心が落ち着く。抑えきれなかった本音が少し収まる。

  • 27122/11/27(日) 19:06:11

    「…いいよ…ううん…お願い。私の話を聞いて…?」

    「もちろんだ……お前ら、ここ頼む」

    ルフィが友達にお願いをする。

    「おう、とりあえずゆっくり話しとけ。久しぶりの幼馴染なんだろ?」

    「おう!ありがとう!」

    誰かにルフィが感謝をした後、居ても立っても居られず、私は能力を使い、私の部屋に移動した。

    「…………」

    ルフィは無言で私を抱きしめてくれる。何も聞かないでただ優しく抱きしめてくれる。

    「………ごめんルフィ…もういいよ」

    「………大丈夫なのか?」

    「うん…」

    ルフィの温もりが離れる。思わず手を伸ばし、ルフィの服を掴む。

    「ごめん…大丈夫って言ったのに…」

    「気にすんな!ここはおれとお前の二人しかいねェんだからな!」

    満面の笑みを向けてくれるルフィ。それだけで心が落ち着いていく。

  • 28122/11/27(日) 19:22:59

    「………聞いてくれる?私の話…」

    「もちろんだ…ウタがいいならな」

    そこで私はルフィに話した。
    エレジアを滅ぼしたのが私であること
    それを庇ってくれたシャンクスを12年間も恨んでいたこと
    ファンのみんなに歌を届けていたら、救世主と呼ばれるようになってーーー

    もう引き返せないとこまで来てしまったこと。

    「引き返せないって…どういうことだ…」

    「私のこのライブは私の能力でファンのみんなをウタワールドに入れるためのものなの」

    「ウタワールド…お前の“夢の中”か」

    ルフィが覚えてくれてたことが意外だった。私の世界はルフィにとってはつまらないものだっただろうし…

    「うん…ルフィは知らないと思うけど、ウタワールドに入った人はね、私が死んだら永遠に出られなくなるの…」

    「そうなのか……けどよ!その前に出る方法はあるんだろ?」

    「……私が眠ればみんなを解放できる…」

    「じゃあ…!」

    ルフィの表情が明るくなる。それもすぐ曇ることになるんだけどね…

  • 29二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:27:18

    頑張れ 
    本音言えたんだ!

  • 30122/11/27(日) 19:58:59

    「言ったでしょ…もう引き返せないんだって…」

    能力で例のキノコを作り上げる。

    「なんだ…?そのキノコ?」

    「ネズキノコって言ってね…食べたら眠れなくなって……最後は死んじゃうの…」

    「まさかお前!」

    ……………

    「もう食べちゃったの…」

    ルフィの顔から血の気が引いていく。当然だ。勝手に閉じ込められて、もう二度と出ることができないなんて急に言われたら、そうもなる。

    「(……………怖いよ……ルフィに拒絶されるのが……嫌われるのが怖いよ…」

    「ごめん…ごめんね…るふぃ…せっかく私の歌…聞きに来てくれたのに…」

    涙が止まらない。泣きたいのはルフィの方のはずなのに。

  • 31二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:35:19

    トラ男頼んだ。

  • 32122/11/27(日) 20:35:21

    「……………」
    「え………?」

    ルフィの手が優しく私の涙を拭う。

    「怖がんな…ウタ…おれがついてる」

    そう言って反対の手で優しく撫でてくれるルフィ。

    「……なんで…なんでそんなにやさしいの…?私はルフィの邪魔をしてるんだよ!ルフィにだって夢はあるでしょ!その邪魔をした私に……なんでそんな優しくするのよ!」

    「ウタが大事だからに決まってるだろ」

    あ……

    「そんな辛そうな…寂しいって言ったウタを放っておけるわけないだろ…一人なのは痛ェのより辛ェんだ…」

    だめだ…また抑えられなくなる……
    初めてルフィに会ってから、ずっと気づかなかった感情に気づく。

    「ルフィ…」
    「なんだ…?」

    これを言ったら、ルフィはどんな顔をするんだろ?迷惑そうな顔をするのかな…驚いた顔をするのかな…仕方がなさそうな顔をするのかな…………嬉しそうな顔をしてくれるのかな…

    「…………………」

    ルフィの頬に手を添える。

    「ウーーーー」

  • 33122/11/27(日) 20:36:00

    「大好き…」

    私はルフィに初めてのキスをした…

  • 34二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:48:13

    あとはシャンクス待つだけだなヨシ!!

  • 35二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:59:00

    俺が見たフィルムREDこれな気がしてきた

  • 36122/11/27(日) 21:02:55

    ぎこちないキスをルフィにする。一瞬ルフィの体が固まったが、優しく抱きとめてくれた。

    「……ん………ごめんね…こんな……え?」

    口を離し、ルフィの目を見て、謝る。そのルフィの顔を見て驚く。

    「……………………」

    そこには目を泳がせながら、顔を赤く染めているルフィがいた。
    こんな反応をしているとは予想外だ。もっと平気そうな顔をしてると思ったのに…

    「だ、大丈夫…?」
    「……おう…けどよ…なんでこんなことしたんだ…?」

    純粋な疑問を問いかけるルフィ。当然の疑問だ。

    「……ルフィが好きって気持ちに気づいちゃったら…抑えられなかったの………」
    「…………そうか…」

    それだけを呟くルフィ。

    「(嫌われちゃったかな…当然だよね…いきなりこんなことされ「ウタ」?なに…ん!?」

    不意にルフィの方からキスをされた。

    腰をしっかりと手で抑えられ、もう片方の手で私の後頭部を支えて、しっかりとキスをされる。
    多少の息苦しさが心地よい。嬉しさからか涙が溢れる。

    抱きしめられながら全身でルフィを堪能する。

  • 37二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:13:06

    おぉ…すげぇ

  • 38122/11/27(日) 22:09:03

    長い長いキスの後、ルフィの方から離れていく。
    お互いの口の間に銀の橋がかかる。

    「……はぁ…はぁ…るふぃ……」

    「……おれ、多分ウタのことが好きだ…」

    突然ルフィから告白される。

    「お前がそばにいてくれって言った時、何がなんでもそばにいたくなったんだ。寂しいって言った時も辛いって言った時もなんとかしてやりたいって思ったんだ。」

    「えっえっ…ちょ、ちょっと待って…」

    突然の告白に頭がパニックになる。涙も止まる。でもルフィは止まってくれない。

    「いやだ待たねェ。お前が死ぬってわかった時、すげェ心臓が痛くなった。お前からキスされた時、すげェあったかい気持ちになったんだ。だから多分おれ!ウタのことが好きだ!」

  • 39122/11/27(日) 22:10:55

    そう断言したルフィを見て、また涙が溢れる。

    「だからよ…ウタ…諦めてくれねェか?」

    「なに…を…?」

    「助からないことをだ」

    「……何言ってんの…」

    「おれはお前が好きだ。だから絶対にお前を助ける!」

    「だから、それは無理なんだって…」

    「そうやって諦めるのも諦めろ!」

    人の気も知らないで……!ああ!もう!やってやる!

    「ルフィ!もう一つ方法があるの!みんなを解放する方法!」

    「!!!なんだ!どうしたらいいんだ!」




    「…………私が…魔王を呼ぶ!」

  • 40122/11/27(日) 22:11:27

    今日はここまでになります。
    更新は明日の夜になると思います。

  • 41二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 22:13:19

    あっ本編の流れに…‼︎

  • 42二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 22:13:33

    保守

  • 43二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 22:46:29

    流れが本編なだけだ
    きっと結末は違う

  • 44二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 22:55:53

    俺が見たかったREDだ…

  • 45二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 03:01:42

    言うてネズキノコ後のウタワールドからの出方はトットムジるか解毒剤を飲むかのどっちかだし、あのルフィが死にかけないと来れない赤髪の解毒剤は期待出来ないしコレがこの世界線での最適解

  • 46二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 03:05:13

    食べたのはホンネキノコだぞ

  • 47二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 03:06:22

    >>45

    寝なくても出せるでしょ

    最後の時世界のつづき歌って出してたし

    ネズキノコの影響とトットムジカの邪魔が無ければ多分いける

  • 48二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 03:52:41

    >>47

    最後の世界のつづきはトットムジカ撃破が遅れたせいで皆の心が飲み込まれた

    それを解放するために歌って皆を救ったってやつだぞ

    だからもうウタのウタワールドからは離れてたけど、トットムが悪あがきで引き止めてたみたいな感じだったハズ

  • 49二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 09:54:48

    保守

  • 50122/11/28(月) 12:08:00

    時間できたので少し更新します

  • 51122/11/28(月) 12:08:17

    「ルフィ…大丈夫かなぁ…」

    「大丈夫だ、チョッパー。ルフィとその幼馴染を信じろ」

    ルフィを心配するチョッパーと心配などしていないゾロ。

    「あんたなんでそんなにウタのことを信頼してんのよ」

    「………さぁな」

    ステージ上ではブルックのライブが一区切りを迎えたところだ。海賊嫌いの歌姫のファンのわりに海賊となったソウルキングのライブは非常に好評である。

    「さ、流石にちょっと疲れましたね…」

    「だ、大丈夫かよブルック?」

    「ええ…心配は無用ですよ…我らの船長のために私ーーー」

    そこに突然ウタを抱き抱えたルフィが現れた。

    「む!?……話は済んだのか?ルフィ」

    「ああ!みんなありがとう!」

    そのままルフィとウタで話したことを伝える。

  • 52122/11/28(月) 12:09:03

    「えええ!ネズキノコを食べたァ!い、い、医者ーーー!!」

    「お前だろ」

    「どうして食べちゃったんだよ!?ウタちゃん!?」

    「それについては後でいいんじゃねーか?まずは間に合わなくなる前に、このスーパー厄介な世界から出なきゃいけねェんだろ?」

    「で、だ…どうやって出るんだ?」

    大丈夫…大丈夫…隣にはルフィがいるんだから…

    「私がトットムジカを歌えば、魔王が現れて現実とこの世界が繋がる。そこを同時に攻撃し、魔王を倒せれば、この世界から解放されます」

    楽譜を見たときになぜか浮かんできたトットムジカの攻略方法、それを伝える。

    「………本気なの?その楽譜は…」

    「危険なのはわかってる。でも今となったらこうするしかないの…お願いします!私に力を貸してください!」

    頭を下げて懇願する。

  • 53122/11/28(月) 12:10:35

    「当然、力を貸すに決まってるでしょ!」

    「え……」

    「そもそもそいつを倒さなきゃここから出られねェんだ。倒すしかねェだろ」

    次々と力を貸してくれるという声が上がる。

    「ごめん!みんなありがとう!」

    ルフィたちは力を貸してくれるらしい。あとは……

    「みんなー!ーーーーー」

    観客の人たちの説得と避難は済んだ。もっと罵倒とかされると思ったけど、意外と受け入れてくれる人が多かった。
    その中に天竜人がいて避難の邪魔になったが、ルフィがぶっ飛ばしたことで事なきを得た。

  • 54122/11/28(月) 12:10:50

    続きはまた夜にします

  • 55二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 12:18:22

    さらりと殴られるチャルロスww

  • 56二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 15:23:19

    保守ー

  • 57二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 19:10:15

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 19:14:41

    あとは現実世界をどうするかだな…

  • 59122/11/28(月) 20:35:46

    少しずつ上げていきます。ここから展開がちょっと急になったなと思うかもしれません。

  • 60122/11/28(月) 20:38:38

    あと避難しない人たちの中にルフィの友達とか知り合いがいたみたい。

    「お前はまた厄介ごとを……」
    「トラ男!お前もウタのファンなのか!」
    「違う、付き合いだ、ベポの…」
    「すんません」

    「うおー!まさか麦わらの一味の皆さんとウタ様が並んでるところが見れるなんて!……感動で前が!前が見えねェべ〜!」

    「本当に信用していいのかよ、コビー」
    「こいつの言う通りだな」
    「ルフィさんが信頼しているんです。僕たちも信じてみましょう」

    あとは少しでも戦力が欲しいから私たちに協力すると言う条件を与えて、歌にした海賊を解放した。

    万が一の会話を終えた時、未来を決める瞬間が来る。

    「………来た……」

    「ウタ…行ってこい!」

    ルフィに激励され、私は………外の世界の海軍と交渉を開始するのであった。

  • 61二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 20:41:02

    このレスは削除されています

  • 62122/11/28(月) 20:43:36

    現実のエレジアーーー

    「これは……なんだ…?」

    モモンガの目に映るのは倒れ込んでいる大勢の人々。そこに通信が入り、観客たちが一向に目を覚まさないことを伝えられる。

    「まさか死んでいるのか!?」

    「寝てるだけだよ」

    後ろを振り向く。そこに立っているのは一人の女…世界の歌姫ウタだった。

    「でもこのままじゃ起きないよ……絶対に」

    咄嗟に部下たちに指示を出そうとする。しかし、

    「私を殺したら、みんな帰ってこれなくなっちゃうからやめて」

    その一言で指示が止まる。

    「……妙な雰囲気を持っていやすね…お嬢さん…もしやーーー」

    「あ…盲目の人…あなたが“賭博のおっさん”?」

    「む?その呼び方は…まさか麦わらの御仁とお知り合いで?」

    「うん…あっちの世界にいるルフィから伝えたいことがあるって…」

  • 63122/11/28(月) 20:45:09

    私は少し前の出来事を思い浮かべる。

    「ウタ、海軍に目が見えないおっさんがいたらそいつに言うんだ。力を貸してくれって。賭博が好きなおっさんなんだけど、いい奴なんだ!」

    「……もし、藤虎がいなかったら?居たとしても海軍が協力を拒んだらどうするんだ?」

    「………どうしようもできないね…」

    トラ男と呼ばれた人の疑問に答える。
    外の世界で攻撃できる人たちは海軍しかいない。断られたら…
    「一人いる」

    !…この声は…

    声の聞こえた方を見ると、頭に傷のある男が歩いてきていた。

    「ゴードン…」
    「誰だ?おっさん?」

    「ここで12年間…私を育ててくれた人…」
    「おっさんが!?」

    なんでここにいるんだろ…一緒に避難しなかったのかな…

    「一人いるってのは誰のことだ…?」

    「シャンクス…」

  • 64122/11/28(月) 20:47:31

    「シャンクスが来ればウタを助けてくれるはずだ」
    「………来てくれるのかな…」

    相変わらず本音が抑えられない。来るはずがないと言おうとしたのに…

    「…来てくれるに決まっている…!シャンクスは君が大切なんだ…!」
    「……大切なら…私のそばにいて欲しかった」
    「………!」

    また本音が…!泣きたくないのに泣きそうになる。
    その時、誰かに後ろから優しく抱きしめられた。

    「おっさん…今、その話はしないでくれ。時間がねェんだ」

    ルフィだった。私の顔を見て、話を止めようとしてくれたのだろう。

    「来てくれたとしても間に合わなかったら意味がねェ…」
    「そうだな……すまないルフィくん…」
    「………まずは交渉をしてからだね…断られたら……ギリギリまでシャンクスが来るのを待つ…これでいい?」

    みんなが頷く。交渉できなければ、失敗すればみんな閉じ込められるというのにすごい度胸だ。

    「ありがとう、みんな」

    そして、現在に戻る。

  • 65122/11/28(月) 20:49:04

    「なぜ、あっしなんです?」

    「あなたは敵だけどいい人だからって言ってた。……私もそう思う。上手く言えないけど、すごい優しそうな雰囲気を持ってる」

    モモンガは困惑する。世界を転覆させようとする歌姫が今にも消えてしまいそうな雰囲気を持っていることに…それなのに物怖じせず、海軍大将と話をしていること、歌姫と四皇が知り合いだと言う事実に驚愕する。

    「……何を言っておりやすか?」

    「『力を貸してくれ』…って」

    「何を言ってるんだ貴様は!」

    流石に止めなくてはいけないとモモンガは判断する。

    「海賊が海軍に…よりにもよって大将に力を借りようとするだと!?貸すわけがーーー」

    「一度落ち着きやしょう。最後まで聞いてからでも遅くはない」

    「…………続けてくれ…」

    「……これから…魔王を…トットムジカを呼びます。魔王を呼べば、現実と私の世界はつながります。そこを同時に攻撃して…魔王を倒せばみんなを解放できます。だから…力を貸してください」

  • 66122/11/28(月) 20:49:48

    「…なぜ魔王を呼ぶんですかい?能力は眠れば解除されるはずでは…」

    「私はネズキノコを食べてしまったんです。だから眠れません」

    「…………なるほど…」

    「………どうするんですか?イッショウさん…」

    頭を下げる少女をモモンガは見る。その体が微かに震えていることが目にとれた。

    「…………力を貸しやしょう。あの人にも連絡を。そして、観客の皆さんの避難の準備を」

    「………ありがとうございます…」

    「それよりもお嬢さんこそ大丈夫なんですかい?たとえ、全てが終わっても毒でそのまま亡くなる可能性がありやす。……いや…今でも相当きついんじゃないですかい?」

    「……大丈夫です。みんなが帰ってくるまでは耐えれます…」

    「………………あい、わかりやした。その覚悟は無駄にはしやせん…」

    そう告げ、観客の避難をしようとする藤虎。






    その隣を褐色の肌と白い髪、黒い翼を持つ少年と少女がついて行った。

  • 67122/11/28(月) 20:50:02

    少し空けます

  • 68二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 21:27:43

    「………はぁー…緊張したァ…」

    ウタワールドに意識を戻す。

    「ウタ!大丈夫か!何もされなかったか!」

    「うん!あの人ルフィの言った通り、いい人だったよ!」

    「だろォ!あのおっさん、おれも好きなんだ!」

    騒ぐ二人を横目に医者が話を進める。

    「治療についての話はこの辺でいいだろう。後は薬だが…トニー屋、正直に言え。間に合うと思うか?」

    「…………このままだったら間に合わねェ…」

    「だろうな…麦わら屋とウタが二人で話したおかげで体力の消耗が少なかったとはいえ、まだ戦闘が残っている…ウタの体力を一番奪うであろう戦闘が…」

    「なんとかするさ!戦闘まで時間はあるんだ…今のうちに薬の作り方を見直して、絶対に救うんだ。もうルフィの大事なやつは奪わせねェ!」

  • 69二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 21:43:11

    セラフィム来ちゃった…

  • 70二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 21:47:06

    ウタワールドから出すだけならウタが歌えば出せるくね?
    REDの最後がそうだったし

  • 71二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 22:00:26

    >>70

    今は揚げ足取りより最後まで見よう

    最後歌ったのは魔王から戻すためだったし(レスを食うからこれ以上は無しでお願い)

  • 72122/11/28(月) 22:06:18

    >>70

    >>71

    小説にはそんなこと書いてませんでしたし、REDの最後のシーンもトットムジカで世界が繋がったことによって解放できたという解釈をしてました。

    どこかでそういうことが書いてあったらすみません。

  • 73122/11/28(月) 22:12:06

    その時が来る。みんなの顔を見回す。

    「じゃあ…行くよ…私が指示を出すから、それに従って攻撃してね…」

    「おう!任せろォ!」

    私は歌った。魔王の譜を…

    そして忌々しいあの魔王が降臨する。



    あの映像が蘇る。トラウマで足がすくむ。けど……負けてたまるか!
    私の必死の抵抗がトットムジカを第一楽章で封じる。これなら大丈ーーー




    その抵抗を突き破り、トットムジカは第二楽章を飛ばし、第三楽章へと移行する。

  • 74122/11/28(月) 22:23:43

    「あああ!もう!ほんっとに上手くいかないなァ!歌なら楽章ぐらい守りなさいよ!!」

    苛立ちをあらわにするウタ。それでも魔王の自由にはさせない。
    第三楽章まで至った魔王の動きを根性で封じる。
    魔王の動きが鈍る。

    「ごめんみんな!お願い!」

    「任せろ!!!野郎ども!!!気合い入れろォ!!!」

    『おう!!!』

  • 75122/11/28(月) 22:28:13

    作戦通り、私が両方で指示を出す。私がやらなきゃ始まらない。

    「まずは予定通り手足を奪うよ!増えたから少し大変だけど、指示に従って動いて!」
    「まずは右足から!」

    「閻王三刀流 煉獄鬼斬り!」

    「……………!」

    外の世界ではミホークのセラフィムが、ウタワールドではゾロの一撃がトットムジカを切り裂く。

    「左腕!」

    「海流一本背負い!」
    「おおおお!!」

    「はぁあああ!!」

    モモンガが、ジンベエとヘルメッポが左腕を粉砕する。

    「左…足!」
    魔王の怨念が私を襲う。全身を痛みが襲う。負けてたまるか…!

    「仕方ねぇ!」
    「魔神風脚 粗砕!!」

    「………!!!」

    ハンコックのセラフィムが、オーブンの協力によりさらに火力の上がったサンジの一撃が左足を蹴り砕く。

  • 76122/11/28(月) 22:35:28

    「はぁ…はぁ…」
    「大丈夫だべか!?ウタ様!?」

    現実の私は限界に近づいている。でも…!

    「だい、じょうぶ!次!真ん中・右と左!えと…大将さん?左右両方お願いします!」

    「刻蹄『椰子』!」
    「千紫万紅『魚人空手』“花葱”」
    「行くわよ!ゼウス!」
    「はぁーーーー!!!」

    「無茶をさせるねェ……八尺瓊勾玉!!」

    黄猿による規格外の威力の光弾が、チョッパーとロビン、ナミとブルックの攻撃が魔王の身体を破壊する。

    「右………腕…!」
    魔王の力が強まる。でも、ここで倒れるわけにはいかない!

    「必殺緑星!“衝撃狼”!
    「フランキー………ラディカルビーム!!」

    「重力刀“天落”」

    藤虎が呼び寄せた隕石が、ウソップの衝撃波とフランキーの熱線が魔王の身体を追い詰める。

  • 77二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 22:54:07

    このレスは削除されています

  • 78二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 22:59:08

    このレスは削除されています

  • 79122/11/28(月) 23:04:47

    あと少しだ…!でも…

    「手が足りない…!なら…最後は私が……あぐ…」

    頭が割れそうな頭痛がくる。足に力が入らない……でもやるしかない!
    他の人はみんなトットムジカの尖兵に足止めを食らっているのだから。

    「い…くよ!ルフィ!」

    「ギア……5!ああ!いくぞ!ウタ!」

    体を白く染め、“解放の戦士”と呼ばれる姿になり、空へ飛び上がるルフィ。
    私もそれに応えようとするが、意志とは裏腹に膝から崩れ落ちる。
    例え崩れなくとも、私の攻撃じゃあトットムジカには通用しない。

    「ここ…まで……来たのに……」

    「ウタ!?…………え!?………………ははっ!」

    驚愕の表情を見せるルフィだか急に笑顔を浮かべる。私は攻撃できないというのに…

    「ウタ!!もう大丈夫だ!休んでてくれ!これで終わらせる!!」」
    何を……いや、12年間の繰り返しはしない。今度こそ信じよう……私の大好きなルフィを…

    「ゴムゴムのォ!!猿神銃!!!」

  • 80122/11/28(月) 23:07:53

    ルフィの一撃がトットムジカを粉砕しようとする。けど、妨害が激しい現実では誰も攻撃できていない。
    だけど私は黙って見つめる。ただただルフィを信じる。




    そしてーーー

  • 81122/11/28(月) 23:09:16

    海の方から強大な斬撃が飛んでくる。

  • 82122/11/28(月) 23:09:52

    今日はここまでにします。明日には完結できると思います。
    ありがとうございました。

  • 83二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 01:31:46

    >>82

    楽しみにしてる

  • 84二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 07:12:31

    楽しみ
    藤虎はネズキノコじゃなくてホンネキノコ食べたの気付いてるのかな

  • 85二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 07:40:59

  • 86二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 16:14:34

    楽しみ

  • 87二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 20:30:38

  • 88122/11/29(火) 21:15:13

    「……え?」

    思わず振り向くが、海には船も誰もいない。
    しかし、その斬撃とルフィの一撃によって、トットムジカは確実に消滅することとなった。

    消滅するトットムジカの残滓がウタに触れる。その感情をウタが読み取る。

    「なんだ………あんたも寂しかったんだね……」

    トットムジカの消滅により、ウタワールドは消え、全ての人の心は解放された。

  • 89122/11/29(火) 21:18:54

    「…これで…みんな帰ってこれます…力を貸してくれてありがとうございます…」

    消えそうな意識をなんとかして保ちながら、感謝を告げる。
    海軍の人たちが戸惑う雰囲気を感じる。

    「……なぜ君のような少女が…こんなことをしたんだ。世界の4割の人間、いやそれ以上の人を取り込んだ世界転覆計画など…」

    「世界転覆…かぁ………そんなつもりなかったんだけどな…でもそう見えちゃうよね。」

    「……これ以上話す時間も惜しい。すぐに海楼石の錠を彼女に。全速力で本部に向かい、解毒を行う。急げ!」

    海軍の人が私を取り囲む。当然だ。このチャンスを逃すわけにはいかないだろう。……大犯罪者を苦労せずに捕まえることが出来るのだから。

    「ごめんなさい…捕まるわけにはいきません…」

    なんとかして立ち上がる。全然足に力が入らず、足が震える。
    (ネズキノコの毒ってこんなに強いんだ…みんな起きるまで耐えれるかなぁ…)

    不安になりながらも私は取り囲む海軍の人たちを睨みつける。

    「生きるって決めたので……捕まるわけにはいかない!」

    「生きるのなら我々と共に来るべきだ!本部に辿り着けば、解毒はまだーー」

  • 90122/11/29(火) 21:21:51

    叫ぶ。心からの本音を叫ぶ。

    「私は!ルフィの隣で生きるって決めたの!だから、あんたらに捕まる気はない!」

  • 91122/11/29(火) 21:23:50

    叫んだことで意識がさらに朦朧とする。それでも気丈に海軍を睨むウタ。

    「……こりゃまいったね〜…穏便にいきたかったんだけど仕方ないねェ…」

    取り囲んでいた海軍の人たちが私に銃を向ける。

    「元々討伐の指令だったんだ。任務を続行する」
    「……お嬢さん、もう一度だけ聞きやす。あっしらと共に来る気はないんですね?」

    「あんたらについて行く気は……ない!!……ごほっ!ごほっ!」

    叫んだ途端、口から血が溢れる。予想以上に毒が効いているらしい。

    「仕方ありやせん……」
    「せめて一撃で心臓を撃ち抜いて、楽ゥ〜に逝かせてあげるよォ〜……」

    急に体が重くなり、地面に叩きつけられる。大将さんの指に光が集まる。

  • 92122/11/29(火) 21:25:55

    「三刀流!!千八十煩悩鳳!!」
    「魔神風脚!!首肉ストライク!!」

    終わりだと思ったその時、ルフィの友達の二人が私を守ってくれた。

    「チッ…かすりもしねェか…」
    「こっちもだ。完全に防御された」

    「まさかこんなに早く目覚めるとはねェ〜。ロロノア・ゾロ。“黒足”のサンジ」

    二人の目覚めを皮切りに…いや、おそらく二人と同時にみんな動き出していたらしい。
    私を守るように周囲に散る。

    「………みんな…」
    緊張が解け、倒れ込む。それを…

    「…………」
    「………あっ…」

    ルフィが支えてくれた。

  • 93122/11/29(火) 21:33:47

    「大丈夫だ、ウタ。あとは任せてくれ」
    「うん…」

    眠れないのにこのまま眠りたくなる。それほどまでの安心感が与えられた。

    「麦わらのルフィ…ウタをこちらへーーー」
    「ウタを渡す気はねェ。それに時間がねェ。そこを退け…」

    「困ったねェ〜。ウタの討伐が今回の指令。それを渡さないとなると君たちとも一戦交えなくちゃいけなくなるねェ〜」
    「大人しく引き渡すのなら悪いようにはしやせん」

    交渉…いや、一方的な要求が始まる。私を渡さなきゃこのままここで私と共に殺すのだろう。
    私が行けばみんなは助かる?その考えに加えてキノコの作用が感情を暴走させる。

    行きたくない行かなきゃみんな死んじゃうかも守ってほしい守らないで傷つかないでそばにいて置いてって一緒にいたいいる資格はない死なないで死なないで隣で生きるって決めたのに

    生きると決めた意志に反して、暴走した感情は“本音”を隠した結論を出す。

    「ねぇルフィーー」
    私を置いて行って……

  • 94122/11/29(火) 21:34:35

    「助けて……」

  • 95122/11/29(火) 21:35:31

    「当たり前だろ…!」

  • 96122/11/29(火) 22:12:43

    「やはり渡す気はないみたいだねェ…」
    「そのようで…」

    みんなが思うままに構える。
    それぞれが対峙するべきものを睨みつける。

    「…こいつはおれの大事な女だ」
    ルフィに強く抱きしめられる。

    「おれの大切な幼馴染だ」
    私からも弱々しくだが、抱きしめ返す。

    「それを奪うって言うんなら……!」

    「死ぬ気でこい!!!」

  • 97122/11/29(火) 22:13:31

    「ホォ…!」
    「む…!」
    「ぐぅ…!」

    ルフィが覇王色の覇気を放つ。
    中将以下の兵士たちが気絶する。モモンガは一瞬意識が遠のくだけで済ませる。
    セラフィムは平然としている。

    「一瞬とはいえ、モモンガ中将の意識すら奪うとはねェ…これが四皇、麦わらのルフィの覇気か……やはりあの時確実に殺しておくべきだったねェ…」
    「観客の皆さんの避難は済んでおりやす。戦力も数は少ないが質は申し分ない。始めるとしやすか」

    黄猿と藤虎、モモンガ、ミホークとハンコックのセラフィムが構える。
    それに対応するため、麦わらの一味も構え直す。

    そして、戦いの火蓋が切ってーーー

  • 98二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 22:13:59

    このレスは削除されています

  • 99122/11/29(火) 22:14:11

    「そこまでだ」

    落とされることはなく、戦場に男の声が響き渡る。

  • 100122/11/29(火) 22:25:18

    ウタは抱きしめられたまま、声のする方に目を向ける。
    そこに立っていたのは忌々しい/会いたかったあの男。

    「シャン…クス…?」
    「おせェよ…」

    ルフィが後ろを見ることなく、呟く。

    「ここで戦う理由はもうない。双方手を引いてもらおうか」
    「おっかしなことを言うねェ〜赤髪。わっしらの目的はウタの討伐。理由はまだまだ残っているよォ〜」

    「娘との久々の再会なんだ。首を突っ込まないでもらえるか」
    「そうはいきやせん。こっちも世界を背負ってるんでさァ…」
    「その通りだよォ〜。世界を滅ぼそうとした極悪人を放っておくわけにはいかないねェ」

    私たちを挟んでシャンクスと海軍の人たちが一触即発の空気になる。私は見てるだけしかできない。けど…

    「そうか…だがな………そいつは、」

  • 101122/11/29(火) 22:28:13

    「おれの娘だ」

    ずっと聞きたかった言葉がシャンクスの口から聞こえる。
    涙が溢れる。涙が抑えられない。

  • 102122/11/29(火) 22:31:17

    「俺たちの大切な家族だ」

    12年間待ち望んだその言葉が心に染み渡る。
    どうしようもなく嬉しい。
    涙を拭う。だが、止まらない。

  • 103二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 22:33:18

    このレスは削除されています

  • 104122/11/29(火) 22:36:05

    「それを奪うつもりなら……!死ぬ気で来い!!!」

    “四皇”赤髪のシャンクスとしてではなく、一人の父親として娘を守るために覇王色の覇気が放たれる。

  • 105122/11/29(火) 22:40:52

    すみません。今日で終わる予定だったんですが、思った以上に長引いてしまったのでここまでにします。
    明日明後日、更新できるかわかりませんのでお待ちしていただけると嬉しいです。

  • 106二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 22:42:01

    保守

  • 107描写盛るペコ病罹患者22/11/29(火) 23:11:14

    >>105

    思う存分書いてくれ

    書きたい欲を押さえて短くなんて持ったいなさすぎる

  • 108二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 07:09:05

    保守

  • 109二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 15:21:58

    保守保守

  • 110二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 15:36:31

    たのしみ!

  • 111二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 20:35:14

    >>105

    俺はスレ主を王にする···!!!

  • 112二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 03:04:15

    ほす

  • 113二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 06:17:09

  • 114二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 08:07:51

  • 115122/12/01(木) 08:16:10

    少し更新します

  • 116122/12/01(木) 08:17:40

    「………………!?」

    二人のセラフィムが崩れ落ちる。その顔は驚愕で染まっている。

    「まさかパシフィスタであるセラフィムすらも覇気のみで圧倒するとはねェ……これが“四皇”シャンクスの覇気か…」
    「やめときやしょう。このお二方を相手にするには戦力があまりにも足りねェ…」

    海軍が撤退していく。その姿が見えなくなるまでシャンクスは覇気を放ち続けた。

  • 117122/12/01(木) 08:21:13

    「死の外科医、これをウタに」

    ホンゴウが薬を投げ渡す。ローとチョッパーがそれを受け取る。

    「……ん?おい、この薬じゃあ……いや、そういうことか」
    「なんでこの薬を……あああ!そういうことか!」

    一瞬怪訝そうな顔をした二人だが一瞬でその薬の意図を理解する。

    「ウタの言ったことに囚われすぎたな……ウタ。これを飲め」

    ローがウタに薬を飲ませようとする。
    しかし、ウタはそれを飲むことができないほど弱っていた。

    「クソ!予想以上に毒が回ってる。あのキノコがここまで強いとはな」

    思わず毒づくロー。なんとかして飲ませようと考えようとしたその時、

    「これもらうぞ、トラ男」
    「おい!麦わら屋!?」

    ルフィがローから薬を奪う。
    そして、自らの口に含む。

    「…………」
    「………る、ふぃ…?」

    ウタの顔に手を添える。そしてーー

  • 118122/12/01(木) 08:22:03

    「……………」
    「ん…………」

    ウタを救うキスをする。

  • 119二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 08:22:57

    このレスは削除されています

  • 120122/12/01(木) 08:23:19

    「マジかよ……あのルフィが……」
    「ルフィ……どこでそんなことを……!」

    誰かが呟いたのが少し聞こえた。けどルフィのことで頭がいっぱいになる。
    ルフィの口から薬が流し込まれる。飲み込む力すら無くなっている私でも薬を飲めるように少しずつ…少しずつ…
    数分のキスののちにルフィの温もりが離れる。ちょっと寂しい。

    「…ウタ、大丈夫か…?」
    「……うん……ありがと、ルフィ」








    「……………………………」
    「お頭、覇気を抑えろ」

  • 121122/12/01(木) 08:23:47

    ここまでにします。更新できそうなので夜にでも

  • 122二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 08:46:20

    >>120・・・

  • 123二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 08:51:21

    ウタに解毒剤を口移しするルフィいいよね・・・

  • 124二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 12:02:33

    (歌)姫が毒物で昏睡状態だけれども、(彼女にとっての)王子様のキスで目が覚める

    ロマンチックですわ!

  • 125122/12/01(木) 17:52:12

    更新していきます。更新止まったらIP規制食らったと思っていいです。

  • 126122/12/01(木) 18:00:03

    ルフィは振り返らない。覇気を出し、睨むシャンクスを恐れているのではない。今会うのは約束が違うと考えているからだ。
    シャンクスもそうだ。睨みつけはするもののルフィに声をかけようとはしない。

    「……ウタはもう大丈夫そうだな。これでおれたちの役目は終わった」

    睨むのをやめ、そのまま船に帰ろうとするシャンクスたち。

    「ま、待ちなさいよ!ウタと話さなくていいの!?いや、話しなさいよ!」
    「おれたちにその資格はない。あの人がいたとはいえ12年もの間、一人ぼっちになる原因となったおれたちにウタに合わせる顔があると思うか?」

    そう断言し、こちらを振り返らずに歩き続けるシャンクスたち。
    それに気づいたルフィがシャンクスたちの方を振り返り、睨みつけている。

    振り返ったことにより、目に入ったその光景があの日の光景と重なる。

  • 127122/12/01(木) 18:02:31

    「……まって」
    「………………」

    歩みは止まらない。

    「………やだよ」
    「…………………」

    その“背中”が遠ざかっていく。

    「……おいてかないでよぉ…」
    「……………!」

    その歩みが止まる。

    「………さみしいよ…」
    「………っ!」

    こちらを振り替えようとして寸前で止まり、中途半端なところで止まるシャンクス。

  • 128122/12/01(木) 18:04:56

    「おれがいるから……いや、“海賊”麦わらのルフィがいるからそれ以上は振り返れないのか?」
    ルフィがシャンクスに聞く。シャンクスは答えない。

    「おれが目の前から消えれば、ウタと話をしてくれるのか?」
    「………今のウタがお前から離れられるわけがないだろ…」
    シャンクスが質問に答える。こちらを一切見ずに私とルフィの状態を的確に当てる。

    「そうだな。おれも今のウタから離れる気はねェ」
    そう言い、より強く優しく私を抱きしめるルフィ。

    「離れる気はねェけど、シャンクスとウタを会わせてやりてェ…二人は会わなきゃなんねェ……ならーーー」

  • 129122/12/01(木) 18:05:52

    「“海賊”麦わらのルフィは一旦休業だ」
    ルフィの帽子が私に被せられる。

  • 130122/12/01(木) 18:12:59

    「シャンクス…今ここにいるのはお前と約束した“海賊”じゃねェ。今ここにいるのは“フーシャ村”のルフィだ」
    「……そうか、ありがとうルフィ。ならおれも“海賊”赤髪のシャンクスではなく、“ウタの父親”としてお前に…お前たちに会うとしよう」

    シャンクスがようやくこちらを振り向く。それをきっかけに他のみんなが私たちの方を向く。

    「あ…ああ……しゃんくす……しゃんくすぅ……」

    本当は眠らなきゃいけないのは頭では理解している。でも体がそれを拒否する。
    意識せずに、私の手がシャンクスたちの方に伸びる。

    「っ!ウタ!」

    ルフィの温もりが離れる。瞬間新しい温もりが私を包む。
    シャンクスが壊れないように優しく、けれども存在を確かめるように強く抱きしめてくる。

    「ひっく……ぐす…しゃんくす……あいたかったぁ…」

    シャンクスは“新時代”に腕を賭けたことを後悔したことは一度もない。そして今後もそれを後悔することはない。
    しかし、胸の中で泣きじゃくる娘を見た時、どうしても思ってしまった。片腕ではなく、両腕で力強く抱きしめて上げたかった…と。

  • 131122/12/01(木) 18:25:21

    「あいたかった…ずっとあいたかった…」
    「おれたちもだ…すまなかった…何も言わずにお前を置いて行ってしまって…」

    「あやまんないで…わたしをまもるためだったんでしょ…」
    「そうだったとしても、何もおれから話さずにここに置いていくのはあまりにも酷だった」

    「そうだとしても…私はみんなのことをしんじれなかった…なのに……ありがとう、たすけにきてくれて…」
    「……娘を助けるのは親として当然だろう。出来ることならもっと早く着くべきだったがな……」

    親子の時間を取り戻すかのように少しずつ会話をする二人。
    だが、その時間ももう終わる。

  • 132122/12/01(木) 18:35:57

    「……赤髪、ウタ。悪いが、それ以上の会話は止めさせてもらう。このままだと薬の意味がなくなる」
    「……それはダメだな。なら最後に一つ。ウタ、お前はどうしたい?」

    シャンクスがウタに問う。

    「このままおれたちの船に乗るのか、聞いてからだがルフィの船に乗るのか…選択肢は他にもあるが、これだけはここで決めてくれ」
    「…………私はーーー」

  • 133122/12/01(木) 18:42:34

    「ルフィの船に乗りたい…ルフィとずっと一緒にいたい…!」
    ウタはあの時叫んだ本音を偽ることは出来なかった。

  • 134122/12/01(木) 18:45:22

    「…ふっ…そうか……全く麦わらのルフィは大したやつだな!おれたちの娘の心を奪っちまうなんて!」

    嬉しそうに、けどちょっと寂しそうに笑うシャンクス。

    「……ならおれたちはもう行くよ。いつ“麦わら”が帰ってくるかわからないからな」
    シャンクスの温もりが離れる。再びルフィに包まれる。

    「ウタ……」
    赤髪海賊団のみんなが……私の家族が私の手を握る。
    シャンクスは頭に手をのせる。そこで意識が薄れていく。

    「離れていても、おまえは一生、おれの娘だ…」

    その言葉を最後に私の意識はなくなった。

  • 135122/12/01(木) 18:50:29

    「ルフィ…ウタを頼む……ああ、”麦わら“に会ったらそう伝えてくれ」

    「わかった。ちゃんと伝える」


    シャンクスはルフィの胸の中で安心したように眠るウタを見つめる。




    「…………」

    「…………」


    そのまま、船に戻る赤髪海賊団。ルフィたちはその姿が見えなくなるまで……数名何か言いたげにしていたが、黙って見送った。

  • 136122/12/01(木) 18:53:06

    ちょっと休憩入ります。
    後この先、ご都合主義が強まるかもしれないので注意してください

  • 137二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 18:54:31

    無事ハッピーエンドで何より

  • 138二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:09:25

    >>136

    一流のバッドエンドよりご都合主義のハッピーエンドが好きです

  • 139122/12/01(木) 20:20:40

    再開します。

  • 140122/12/01(木) 20:21:05

    エレジアの港、サニー号ーー

    「これでキノコの解毒は完了した。あとは安静にして寝かせるだけだ」
    「ありがとう。トラ男、チョッパー」

    サニー号のベッドで眠るウタ。その診察を終えたローとチョッパーに感謝するルフィ。

    「しかし、なんであんなにも消耗が激しかったんだ?ネズキノコは確かに毒キノコだが、あそこまで毒の回りが早いキノコじゃねェぞ?」
    「歌を歌ったから回りが早くなったとかじゃねェのか?トットムジカを抑えたりもしてたしな」

    サンジとウソップが疑問を唱える。

    「いや、ウタが食ったのはネズキノコだがネズキノコじゃねェ」
    「ん?どういうことだ?トラ男」

    ゾロが問いを返す。

    「おれが話すよりトニー屋が話した方がいいだろう」
    「ウタが食べたのは、ネズキノコ変異種…通称ホンネキノコと呼ばれるものだったんだ」

  • 141122/12/01(木) 20:21:53

    ウタが食べたキノコの正体が判明する。

    「ホンネキノコじゃと?なんじゃ、それは」
    「海軍とか海賊とか色んなところで尋問に使われるキノコのことだ」

    チョッパーが説明を続ける。

    「このキノコを食べると本来のネズキノコ同様眠れなくなるんだ。けど、ネズキノコみたいに体力が尽きて死ぬなんてことはない。ある条件が満たされない限りはな」
    「そのある条件って?」

    「生きることを諦めた時……つまり生きる意志が尽きることだ」
    一瞬ざわめきが広がる。それもローが説明を引き継いだことですぐさま収まる。

  • 142122/12/01(木) 20:23:57

    「この効果についてはベガパンクが実験を行い証明してみせた。生きる意志がカケラでも残っているのならこのキノコで死に至ることはない。だが、その意志を奪うかのように急速に体力を奪い、苦しめる。ウタの消耗が激しかったのはこれのせいだろう」
    「効果は分かりましたが、なぜホンネキノコと呼ばれているのでしょうか?」

    ブルックが名前の由来を聞く。
    チョッパーが答える。

    「単純な理由だぞ。このキノコを食べたら、本音を抑えられなくなるんだ」
    「正確には本音を抑えられなくなるに加え、偽りではなく真実を話してしまうんだ」

    尋問に使われる理由と名前の由来にみんなが納得する。

    「良かったな麦わら屋。ウタと何があってあんなことをしたのかは知らないが、ウタがお前に言ったことは紛れもなく本音だ………なんだその顔は」
    「……………うるせェ」

    顔を赤くし、ローを睨むルフィ。その顔を見て全員が驚愕する。

  • 143122/12/01(木) 20:25:52

    「あんたほんとに大丈夫!?なんか変なもの食べたんじゃないの!?」
    「明日は槍でも降るのかしらね」
    「フランキー、船の強化をしておいた方がいいぞ。この先の海は荒れるぞ」
    「アウッ!!スーパー任せとけ!!」
    「お前ら失敬だぞ!?」

    「騒ぐな!患者が眠ってるんだぞ。今のウタに必要なのはとにかく休息だ。心も体も休ませることが大切だ。その邪魔をするんじゃねェ」

    そう言われて沈黙する麦わらの一味。

  • 144122/12/01(木) 20:26:19

    「とにかく、これでおれの役目は終わった。後はトニー屋がなんとかするはずだ」
    「ありがとう…トラ男」

    感謝を告げるルフィ。

    「敵に感謝なんてするな。ただの気まぐれで助けてやっただけだ」
    「それでもだ。ありがとう、トラ男」

    それに何も返す事はなく、ローは自分の船へと帰っていった。

  • 145122/12/01(木) 20:30:10

    “容体は安定してるから安心していいぞ。もしかしたら起きちゃうかもしれないけどできればすぐに寝るように言ってあげてくれ。あと、何かあったらすぐ呼んでくれ“

    そうとだけチョッパーは告げて、少し前に他の一味と共に医務室から出る。
    今はルフィとウタの二人きりだ。

    「………ん…るふぃ…?」
    「………まだ寝とけ、ウタ」

    チョッパーの言う通り目を覚ましてしまうウタ。
    ウタの頭を撫で、もう一度眠りにつくよう告げるルフィ。

    「……目、冴えちゃったから少し話そ…?」
    「嘘つくな、まだ眠そうだぞ」

    なんとかしてもう一度寝てもらおうとするルフィ。

    「……お願い…」
    「………少しだけだぞ…体、大分きついだろ」

    ウタのベッドに寄りかかるルフィ。

    「……まだルフィに言ってなかったよね…」
    「何がだ?」
    「助けてくれてありがとう…って」
    「いいよ、気にすんな。大事なやつを助けるのは当然だろ!」

  • 146122/12/01(木) 20:31:42

    「それでもだよ。私を助けてくれてありがとう」
    「……じゃあよ!お前が元気になったら、おれの仲間にも言ってやってくれ。あいつら、お前のファンなんだ」

    笑顔でそう告げるルフィ。ウタも思わず笑みを浮かべる。

    「ファン…か……ほかのみんな…大丈夫……かな…?」
    「大丈夫だ。海軍の奴らが連れてったんだろ?なら大丈夫だ…」

    ファンを想いながらも再び眠りそうになるウタ。
    ウタのそばに立ち、髪に触れるルフィ。

    「ほら…ウタ。もう一回寝とけ…大丈夫だ、ずっとそばにいてやるから」
    「ん…おやすみ……ルフィ…」
    「ああ、おやすみ…ウタ」

    その後ウタは二日間眠り続けた。
    その間ルフィは一切ウタから離れることはなく、そばに居続けた。

  • 147122/12/01(木) 20:34:42

    そして、ウタは目覚める。

    「んん……ふぁああ……あっ、おはよう!ルフィ!」
    「おう!おはよう!ウタ!」

    約束通り片時も離れることなくウタのそばにいたルフィの目には大きな隈ができていた。

    「ルフィ、目元すごいよ?もしかして、寝てなかったの!?」
    「そりゃそうだろ。寝ててウタに何かあったらどうするんだよ」

    まるでなんでもないような顔であたしに笑いかけるルフィ。
    感謝はするけど、本当にありがとうって言いたいけど……!

    「ルフィ!ご飯は!?」
    「食ってねェ」
    「食べるとこどこ!?」
    「あっち」
    「よし!行くよ、ルフィ!」

    そうして立ち上がり歩き出そうとしたが、視界が歪み倒れ込みそうになる。
    それをルフィが支えてくれた。

  • 148122/12/01(木) 20:35:25

    「お前ずっと寝てたんだぞ?いきなり立ったらそうなるに決まってんだろ」
    「うう…ごめん」

    そのままルフィの手を握って、ご飯を食べに行こうとするがルフィに抱き抱えられる。

    「な、ななな、何すんのよ!?」
    「腹減ってるだろ?チョッパーもそこにいるだろうし、このまま行こう!」

    私をいわゆるお姫様抱っこの状態で進むルフィ。
    色々のことが重なり、感情が暴走する。

    「お、下ろして!自分で歩けるから!」
    「元気だなァ!そんだけ元気なら大丈夫そうだな!」
    「人の話を聞け!」

    結局そのままルフィの仲間たちの元に連れてかれる私。
    そこでまた一悶着あったのだが、それは割愛しようと思う。

  • 149122/12/01(木) 20:36:25

    エレジアの港ーー

    もうじき出港するため、ゴードンとの別れを済ませる。
    私がいなくなればゴードンは一人ぼっちになってしまうと思っていたのだが、

    「……ゴードンはさ、これからどうするの?」
    「嬉しいことに色んな島から音楽について指導してくれとの依頼が入っているんだ。だから、私は一人じゃない。安心してルフィ君たちと行きなさい」

    音楽の国の王というだけあって引くて数多らしい。流石ゴードンだ。

    「そっか…良かった!」
    「…………ウタ、私には一つ夢ができたんだ」

    ゴードンが神妙な顔で私に告げる。

    「その夢って?」
    「まずはこのエレジアを復興させる」
    !!
    「そして、復興したエレジアの舞台で……もう一度君に歌ってもらうことが私の夢だ」

    …………………

  • 150122/12/01(木) 20:37:16

    「嬉しいけど、本当に私でいいの?私はエレジアを…」
    「あれは君のせいではない!全て私が原因なんだ。だから君がそんな顔をする必要はない」

    ゴードンの手が肩に置かれる。
    ゴードンのサングラスに隠れた目から強い意志を感じる。

    「………わかった。復興した暁には最高の歌を響かせてあげる!だからゴードン!私にもーーー」
    「いやダメだ。君はもう自由なんだ。あの楽譜にもあの悪夢にも囚われることはない。君は自由にルフィ君と共に生きなさい……」

    ……………

    「わかった!なら私ももっと歌を上手くなるように頑張る!世界全ての人が幸せになれるような歌を歌ってみせる!だからゴードン!その舞台が完成した暁には、一番最初に私を呼んでね?」
    「ああ!もちろんだとも!」

  • 151122/12/01(木) 20:38:07

    「ではウタ…元気でな…」
    「うん…ゴードンも体には気をつけてね」

    サニー号が出港する。ゴードンは港のギリギリに立って見送ってくれる。

    「ウターー!!体に気をつけるんだぞー!私は君の幸せを心から祈っている!!」
    「ゴードンも元気でねー!私もゴードンの幸せを心の底から祈ってるよ!!」

    ゴードンの目に光るものが見えた気がするが気のせいだろう。私の頬を伝うものもきっと汗だろう。私たちの別れに涙は必要ないのだから。

  • 152122/12/01(木) 20:38:59

    エレジアの影も見えなくなるほど進んだ頃、ルフィのーー

    「うし!野郎ども!ウタの加入を祝って宴だーー!!」

    この言葉と共にいきなり宴が始まる。
    そして、どんちゃん騒ぎだ。
    初めは困惑していた私だったが、そこは海賊の娘。いつの間にか私もその騒ぎに混ざっていた。

    「よーし!気分がいいから歌っちゃお!」
    「おっしゃ歌ってくれー!プリンセスウター!」
    「ウター!無茶しないでくれよー!」

    ウソップくんとチョッパー君は特に私のファンだったみたいですごく喜んでくれてる。
    何歌おっかな?

    「んー……ルフィ!何歌ってほしい?」
    「おれが決めていいのか?なら……フーシャ村でよく歌ってくれたやつで頼む」

  • 153122/12/01(木) 20:40:02

    少しだけ眉を顰める。

    「あの曲でいいの?宴の雰囲気には合わないと思うけど…」
    「ああ、あれがいいんだ。頼む」

    ま、いっか!ルフィの頼みだからね!

    「じゃあいくよ!『風のゆくえ』」

    私の歌声が海に響く。宴を楽しんでいたみんなも私の歌を黙って聞いてくれる。
    私を救ってくれたルフィとみんなのためだけに歌う私の歌。

    「〜〜〜♪……みんな!聞いてくれてありがとう!」

    みんながそれぞれ色んな反応で喜んでくれてる。
    私の歌、喜んでもらえたみたい。

    「よっしゃあ!じゃあ次はおれがーー」
    「今日は私が歌うって決めたの。だから我慢して?ね?」

    そう言うと渋々といった感じだが引き下がるルフィ。
    今日はルフィには私の歌を聴いてほしい。

    「好きな歌を言ってね!いっぱい歌っちゃうから!」

  • 154122/12/01(木) 20:41:01

    宴は結局夜まで続いた。みんな、私の歌を楽しんでくれたみたいでよかった。
    宴の後片付けを済ませて、私は医務室に戻ろうとする。そこへーー

    「なぁチョッパー、おれもウタと一緒に寝てもいいか?」

    そんな発言をルフィがした。

    「え……いや流石にまだ安静にしてないといけないし……いや、今のルフィなら平気か。ウタがいいんならそれでもいいぞ」
    「うし!ウタ!おれと寝るか!」
    「ちょ、ちょっと待って!ねぇ誰か止めてよ!」

    そう言うとゾロさんが口を助け舟を出してくれた。

    「ルフィ、いきなりそう言ったらウタも戸惑っちまうだろ」
    「そうか?」
    「そ、そうだよ!ルフーーー」
    「今からおれたちは全員引っ込む。二人でゆっくり話せ」

    訂正、助け舟ではなく追い討ちでした。

    「おう!ありがとな!ゾロ!」
    「ああー!みんな待ってよー!」

  • 155122/12/01(木) 20:43:22

    みんながいなくなった後にルフィの特等席に連れて行かれる。
    少し落ち着いた私はさっきの意図を問う。

    「ねぇルフィ…なんで急にあんなこと言ったの?私と寝たいなんて…」
    「なんでって言われてもなぁ……一人は寂しいだろ」

    そこでようやくルフィが私を気遣ってくれたことに気づく。

    「あ、そっか…あそこは夜、誰もいないんだ…」
    「………いや…まあ…それだけじゃねェんだけど…」

    ルフィが顔を赤くしてそう呟く。赤くなった顔を帽子で隠す。
    ルフィが顔を赤くするのが珍しくてついからかう。

    「あれ?もしかして私と一緒に寝たかったの?」
    「………そうだよ」

  • 156122/12/01(木) 20:44:45

    「お前が心配なのもそうだけど、お前と一緒に寝たかった」
    「待って待って」
    「いやだ待たねェ。言っちまったんだ。もう全部お前にぶつける」
    「る、ルフィ……」
    「お前のそばにいたい。お前が安心できるようにしてやりたい」
    「……うん」
    「ウタ、お前が薬を飲めないで苦しそうにしてる時もずっと寝てた時もすげェ辛かった。間に合わないんじゃなか、もうこのまま起きねェんじゃねェかって思ってた。そんで、そこまでしてやっと気づいたんだ」
    「………なに、に気づいたの?」

    「ウタ…おれ、お前が好きだ。今度は多分じゃねェ、お前が大好きだ」
    「あ……」

    ルフィに再び告白される。現実の世界では初めての告白。

  • 157122/12/01(木) 20:45:50

    「……あの時はよ…ウタに先を越されちまったからこっちじゃ、おれの方から言いたかったんだ…返事を聞かせてくれねェか?」
    「……わかりきってるのに?」

    少し意地悪をする。ここまで心を乱されたせめてもの反撃だ。

    「お前の口から聞きてェんだ」
    「………私の負けだね…」

    「(これで私の…184勝1敗かぁ…)」
    ルフィに顔を近づける。

    「………ん」
    「………!」

    軽く触れ合う程度のキスをする。現実の世界でも私の初めてをルフィに捧げる。

  • 158122/12/01(木) 20:52:16

    「これが私の答え。私も…あなたが大好きです…」
    「ウタ…!」

    ルフィに力強く抱きしめられる。ルフィの鼓動がよく聞こえる。
    心配になるぐらいすごい速さで動いているが、私も負けていないだろうな…

    「ルフィ…これからもずっとそばにいさせてね…?」
    「ああ…!これからもずっとおれのそばにいてくれ…!」

    美しい月の光の下で再び私たちの影は重なった。

  • 159122/12/01(木) 20:55:25

    しばらくの月日が流れ……

    「みんな!また会えたね!ウタだよ!」

    私は復興したエレジアの初ライブに呼ばれた。もちろんゴードンさんからの願いだ。
    海賊になった私だったけど、ファンの人たちの否定の声はそこまで多くなかった。

    おそらくは・・・舞台袖で私を見守ってくれてるあいつのおかげだろう。

    「ん?…ししし!」
    「……ふふっ!」

    あいつの方を見るとこれまたいい笑顔を返してくれた。思わずこっちまで笑顔になってしまう。

    「今日のライブはエレジアの復興記念!色々歌っちゃうよ!!」

  • 160122/12/01(木) 20:57:43

    観客の人たちが盛り上がる。その中にも見知った顔が沢山いる。

    トットムジカとの戦闘に協力してくれた海軍の大将さん、賭博のおじさん、モヒカンのおじさんも見える。他にも私服の海兵がいっぱいいる。

    あと、私を攫おうとしてきた海賊の人たちも私のライブを見にきてくれてる。

    海賊、海軍関係なく、私のライブを楽しもうとしてくれてるみたい。
    それがすごい嬉しい

    そしてーーー

  • 161122/12/01(木) 20:58:40

    『U・T・A!!U・T・A!!U・T・A!!』

    あの日ルフィ達がいた位置に陣取り、私を応援してるシャンクスたち。
    少し笑顔を向けてみる。

    『っっっ!!うおおおお!!U・T・A!!U・T・A!!U・T・A!!』

    さらに盛り上がった。

  • 162122/12/01(木) 21:00:15

    「さぁ行くよ!一曲目は“新時代”!!」

    左手にあるアームカバーの新時代の証を掲げる。そしてーー

    「ししし!」
    「にしし!」

    その薬指にはめてある指輪を見る。

    海賊王となったルフィから贈られたものだ。
    もちろんルフィの指にもお揃いのものがはめてある。

    「(あの時のルフィの顔、すっごい赤かったなぁ…)ふふっ…」
    「ウタのやつ余計なこと考えてるな?」

    「さぁ!!全力で楽しんでね!!」

  • 163122/12/01(木) 21:01:45

    エレジア復興ライブ終了・・・・・・

    「ライブ楽しかったー!!でも疲れた…」
    「あんなにはしゃぐからだろ…」
    「だって楽しかったんだもん…」

    エレジアのゴードンが用意してくれた部屋でくつろぐ私とルフィ。

    「それに…みんなが楽しんでくれて良かった…」
    「シャンクス達ははしゃぎすぎだけどな」
    「あはははは……」

    一瞬思い出すが、すぐに忘れる。

  • 164122/12/01(木) 21:02:56

    「これでゴードンの夢も叶えることができたし、ルフィの夢も叶ったね…」
    「おう、海賊王にもなったし、“新時代”も作れたからな…」

    落ち着いた声でそう呟くルフィ。
    ここ数年でルフィは大きく変わった。今まで通りの明るさを見せることもあるが、こういった落ち着いた雰囲気を纏うことも増えた。

    「(ま、どのルフィもかっこいいんだけどね)」
    「あとはウタの夢だな」
    「私の夢?もう叶ったじゃん。ルフィの隣で“新時代”を作れたし…」

    そこまで話して、もう一つの夢が生まれる。

  • 165122/12/01(木) 21:04:34

    「……うん、もう一つ夢できた」
    「なんだ?」

    ルフィに抱きつく。

    「ルフィと死ぬまで…死んでもずっと一緒に居たい」
    「……!ウタ…」

    「ここまで色々なことがあったけど、私の夢はこれだよ。……叶えてくれる?」
    「当たり前だ…!」

    ルフィに抱きしめられる。
    ルフィは今までも今でも多くの人を救い、多くの人に好かれているが、今のルフィのこれは私だけの特権だ。

    私も強く抱きしめ返す。

  • 166122/12/01(木) 21:05:13

    「ねぇルフィ、一緒に幸せになろうね…」
    「ああ…一緒に幸せになろう…ウタ」













    「ところでさ」
    「ん?なんだ?」
    「そろそろ子供欲しくない?」
    「……………え?」

    終わり

  • 167122/12/01(木) 21:06:52

    これにて完結とさせていただきます。REDのIFを初めて書いたため、あれ?っと思うところはあったかもしれませんが、ここまで見ていただきありがとうございました。
    またこれからもよろしくお願いします。

  • 168二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:08:32

    とても面白かったです!
    それにしても相変わらずの気ぶりのゾロに笑った

  • 169二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:11:02

    俺が見たかったREDがここにあった…ありがとう

  • 170二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:16:25

  • 171二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:22:27

    良いもの読ませていただきました!ありがとう!!

  • 172二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 22:28:47

オススメ

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