- 1二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 17:45:48
- 2二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 17:48:18
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- 3二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 17:48:44
「おやドフィ、どうしたんだい一人で」
「父上……ロシィがまた転んで母上を困らせてるえ」
「はっはっは……ロシィはまったくドジっ子だな。ドフィ、兄として面倒を見てやってくれ」
またこれだえ。なんであんな奴が弟に……。 - 4二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 17:52:09
「あ、兄上……」
「ロシィ!お前は何でいっつも転ぶんだえ!?しっかり前を見て……」
「ぶえっ!」
「……もういいえ!お前みたいな弟のせいで母上も困ってるえ!」
もう我慢できんえ。母上も父上もなんでもっと怒らないんだえ!? - 5二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 18:18:59
「ドフィ、ロシィと喧嘩したんですって?」
母上に言いつけたのか。全くどこまでおれに嫌がせすれば気が済むんだえ!
「あいつがいっつもおれに迷惑をかけるからだえ!」
「あらあら……どうしてそう思うの?」
「いつもおれにまとわりついて……それに母上も父上もあいつのことばっかりかまうから……ロシィなんて嫌いだえ!」
「ドフィ」
……母上の口調がいつもと違うえ。またあいつのせいで怒られるえ。なんでおればっかり……。 - 6二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 18:21:14
下の子につきっきりな親と嫉妬する上の子・・・
よくある光景だな - 7二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 18:32:08
……母上に持ち上げられたえ。
「そういえば抱っこなんて久しぶりね」
母上、いい匂い……あったかいえ
「ロシィはドジっ子だから、しっかり者のドフィには我慢させちゃってたわね」
「母上恥ずかしいえ。もうおれは抱っこなんか……」
「だーめ。今日は母上がちゃんとドフィを愛してるってわかってもらうまでぎゅーってしなきゃ」 - 8二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 18:41:02
ついつい下の子もしくは手のかかる子にリソース割いてしまうけど普段放って置きがちな方にもその子オンリーで可愛がるのって大切だよな
さらに疲れるだろうから世のお父さんお母さんは本当にお疲れさまです - 9二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:23:38
- 10二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:25:44
基本的に上の子に有りがちな素直じゃないだけで家族大好きな子だからなドフィ
- 11二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:26:23
めちゃ可愛い…ドフィこの頃に思いを馳せると泣いちゃう
- 12二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:31:11
でも兄上の後ろついて行くロシー
兄上のことも大好きだし頼りにしてるんだな… - 13二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 19:46:43
「愛してるわ、ドフィ。ロシィと変わらないくらいあなたを愛してる。父上もよ」
「もういいえ、わかったえ母上!」
「ふふっ、わかってくれた?」
恥ずかしくて顔が熱いえ。
「ドフィ、ロシィを守ってあげて。母上があなたを愛してるように、あなたもロシィを愛してあげて。きっとロシィもあなたを愛してるはずよ」
「……」
……よく考えたらロシィにも言い過ぎた気がするえ。でも自分から謝るのは嫌だえ……。
「ほらロシィ、出ておいで」 - 14二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:01:38
「!?」
そんなとこにいたのか……母上に抱き上げられてるのも見られてたえ。
「ほら、兄上に渡したいものがあるんでしょ?」
渡したいもの?
「兄上……これ……」
庭園で摘んできた花か。でも正直……
「おれは花なんかいらんえ」
「……!」
しまった。母上の陰に隠れてしまったえ。 - 15二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:18:26
優しい…泣きそう
そしてこの後の悲惨さも考えると辛くて泣きそう - 16二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:24:29
「ああいや──そんなものなくてもおれはロシィを愛してるえ!」
勢いに任せて変なことを言ってしまったえ。母上のせいだえ……。
「あらっ聞いた?ロシィ!兄上はね……」
母上もうやめてほしいえ。というかロシィも一言くらい喋るえ。
「兄上ぼくも……」
ああもう小恥ずかしいえ……。
「わっ!?」
ああまた転びやがった。……。
「ほらロシィ、つかまれ」 - 17二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:32:50
「お前はまったくドジだえ」
「ごめんなさい兄上……」
わかりやすくしょげてやがる。
「だからおれが守ってやる。弟がドジだとこっちがしっかりしないといけないから大変だえ!」
「……」
また袖を握ってくるえ。まあ母上も言ってたし、しばらくはこうしといてやるえ。
「ほら行くぞ!今日は銃の撃ち方でも教えてやるえ」
「銃……」
……ああもう!
「じゃあ庭園に行くえ!見ててやるから花でも摘んでるえ」
「うん!」 - 18二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 20:50:19
「そうか、ドフィがそんなことを……」
「ええ、でもちゃんと仲直りしてくれたわ。ドフィは優しい子ですもの」
「そうだな。二人とも君に似て優しく育った」
「あら、それはあなた譲りじゃなくて?」
「ははは……」
頼れる長男と温和な次男。そして底抜けに優しい両親。彼らが天竜人であるということを除けば、それは幸せを絵に描いたような家庭だった。
「あなたどうしたの?難しい顔して」
「ああいや──少し話があるんだ」 - 19二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:02:59
────少し夢を見てたみたい。頭が痛い。寒い。目がぼやぼやする。
「ロシィ、ドフィ……こっちにおいで」
二人ともずいぶん痩せたわね……。
「母上!しっかりするえ!ちくしょう……!あいつら薬も売ってくれないんだえ!」
ああドフィ、そんな怖い顔しないで。
「大丈夫よドフィ……母上は元気だから」
「母上……」
ロシィ、大丈夫よ。そんな不安な顔しなくても、大丈夫……。 - 20二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:03:14
うわぁぁぁ(泣)
- 21二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:05:56
やだぁぁぁ;;;
- 22二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:14:09
「ドフィ、あなたはとても強い子……。でも、本当に辛いときは父上とロシィを頼ってね。どんなことがあっても、家族が一緒なら耐えられるわ」
「ロシィ、あなたはしっかり兄上を支えてあげて。あんまりドジでドフィを困らせちゃダメよ」
視界がかすむ。もう本当にお別れが近いみたい。
「母上!変なこと言うのはやめるえ!」
泣かないで、私の天使たち。──もっといっぱい甘えさせてあげたかった、立派な大人になったあなたたちを見てみたかった……。でも今は、あなたたちが仲良く生きてくれれば十分。 - 23二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:26:41
あなた……。こんなことになってしまったけど、自分を責めないでね。家族4人で〝人間〟として過ごせた。それだけで私は幸せだったわ。こんなに優しくて強い子供たちがいるから、お人よしのあなたでもきっと大丈夫。
「……手を……ぎって……」
二人の手。あの時はあんなに小さかったのにもうこんなに大きくなって……。わたしの子になってくれて……あり……と……。
「「──うえ!──!」」 - 24二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:52:33
今思えば、運命が決定的に狂ったのはあの日からかもしれない。生まれて初めて味わった空腹。堕ちた天竜人へ向けられる憎悪。母上の死。おれに〝力〟を与えた男。
おれはどうすればよかった?父上を殺したからこうなったのか?いや──どうしようもなかった。このクソったれな世界が定めたんだ。おれはこうなる運命だったと。なら──全部ぶっ壊すしかねェ。
ロシィ、お前はなんで運命に逆らわなかった?なぜおれに逆らう?お前もこの腐った世界の一部でしかないのか。なら……父上と同じように殺すしかない。
そうだ……俺にはローがいる。世界のすべてを恨んでいるあの目。10年もすれば必ずおれと同じような男になる。おれは奴を理解し、奴は俺を理解する。それですべて収まる。 - 25二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:58:32
そうだ。それだけでいい。
引き金にかけた指に力を込める。物言わぬ骸となった弟から視線を外し、ドフラミンゴは振り返った。かつて優しい母が願った〝幸せ〟はとうに消え果て、真っ白な雪に血の跡を残すのみだった……。
おわり - 26二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 23:03:13
age!!
- 27二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 23:16:26
悲しい…
保守 - 28二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 07:29:15
幸せになってよ