なあスズカ…

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:09:24

    よく動物のパネルに添えてある学名ってなんなんだ?


    ※前に似たようなスレ建てましたが寝落ちしたので作り直します。今度は完走したい

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:10:12

    動物園スズカさんだぁ!!

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:14:23

    みなさんこんばんは。サイレンススズカです。
    今日は無知無知のムチムチなトレーナーさんのために生物学における学名について簡単に説明します。


    学名というのはざっくり言うと「世界共通名」です。

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:22:43

    生き物は地域にごとにさまざまな名前が付けられています
    例えば日本で「イヌ」と呼ばれる動物は英語圏だと「dog」と呼んでいますよね?
    更に言うと同じ国でも地域特有の呼び方をしていたり、成長段階で名前を分けていたりもします。

    名前というのはそれぞれの歴史や文化などに由来するものなので各々尊重されるべきではありますが、学術の世界ではそうはいきません。
    学術というのは世界中の人に対して発信するものですから、そこで自国の呼び名で呼んだとしても聞き手、読み手が理解できませんよね?

    そこで登場したのがスウェーデンの学者、カール・フォン・リンネが提唱した「学名」です。

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:33:47

    学名というのは生き物の名前に限らず自然科学分野のあらゆる場面で使用されているものですが、今回は生物の種名における学名の話になります。

    学名は適当につけているわけではなく、ちゃんといくつかのルールに基づいてつけられています。
    基本的な点
    ・言語はラテン語
    ・属名+種小名(+命名者名)
    ・表記には斜字体を使用
    と言うくらいでしょうか?

    ラテン語は現在常用する民族がおらず今後変化する可能性が低いという点がメリットですね。
    何年、何十年経っても理解できますからね。

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:59:00

    属名と種小名を繋げた命名を「二名法」と呼びます。
    簡単に言えば◯◯ ××という名前の場合「◯◯属の××種」ということですね。

    例えば
    アジアゾウを例にしますと

    Elephas maximus (Linnaeus, 1758)
     属名  種小名   命名者名

    となります。
    同じ学名の動物は存在しませんが、種小名は被りが許されています。
    なので、属名と種小名を繋げて初めて生物の種名なるわけです。

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:05:09

    Tyrannosaurus rexならTyrannosaurusが属名でrexが種小名というわけだな

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:12:26

    属名+種小名というのは名前だけでこれらは同属で近い、似てるけど別属で少し離れてる、などの判断ができるのでとても画期的な命名方法ですよね。
    覚えにくいという点を除けば。

    例えば同じクマの仲間でも
    Ailuropoda ジャイアントパンダ属
    Helarctos マレーグマ属
    Melursus ナマケグマ属
    Tremarctos メガネグマ属
    Ursus クマ属
    これだけの属に分かれています。

    さらにクマ属は
    アメリカグマ Ursus americanus
    ヒグマ Ursus arctos
    ホッキョクグマ Ursus maritimus
    ホラアナグマ Ursus spelaeus(絶滅)
    ツキノワグマ Ursus thibetanus
    に分けられます。

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:15:01

    >>7

    そういうことですね。

    ティラノサウルスはあくまで属名で正式名称はティラノサウルス・レックスというわけです。

    ティラノサウルス属に他に種がいるかは現状不明ですが

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:28:10

    ただし、学術の世界は日進月歩。
    研究が進むにつれて分類体型が変わってくることもあります。
    例えば、20世紀最大の発見とまで言われたイリオモテヤマネコは新属新種とされ、Mayailurus iriomotensis と命名されました。
    しかし、後にネコ属に分類し直されてFelis iriomotensis に、更にその後遺伝子解析の結果ベンガルヤマネコの亜種であることが判明し、現在ではPrionailurus bengalensis iriomotensisとなっています。

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:36:49

    さらっと出しましたが、亜種というのは種を更に細かく分類したものです。
    同種でも地域によって微妙に形質に変化が起こり、全く同一のものとは見なせなくなる場合につけられます。
    亜種名は種小名の後につけます。

    アジアゾウの場合だと
    Elephas maximus maximus セイロンゾウ
    Elephas maximus indicus  インドゾウ
    Elephas maximus sumatranus スマトラゾウ
    Elephas maximus borneensis ボルネオゾウ

    といった具合です。
    種小名と亜種名が同一のものは原名亜種と呼びます。
    原名亜種はその種を種として登録する際に使用したタイプ標本に由来するものであり、決してその全ての亜種の起源というわけではありません。

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 23:58:21

    古生物の世界ではよくあることですが、新種とみなされていた生物が前に発見されていた種と同一であることが判明することがあります。
    この場合は基本的には先につけられたものが優先され、後の方は同物異名(シノニム)とされ、無効になってしまいます。

    かつて竜脚類の代名詞であったブロントサウルスBrontosaurusは後にアパトサウルスApatosaurusと同属とみなされ、無効となりました。
    しかし近年、かつてブロントサウルスと呼ばれていたアパトサウルス属の化石はアパトサウルスと別属とみなすには十分な違いがあるという主張が現れ、ブロントサウルス属が復活される模様です。
    賛否はあるようですが。

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:15:58

    ここで余談を一つ

    かつてアメリカコロラド州で世界最大級の恐竜が発見されました。
    この化石は「ウルトラサウルス」というニックネームがつけられ、論文がまとまり次第Ultrasaurusとして登録する予定でした。
    しかし、記載する前にとある学者が自身の発見した竜脚類の化石をUltrasaurusと命名してしまいました。
    学名は先につけられた方が優先されますので「ウルトラサウルス」にはUltrasaurusと命名出来なくなりました。
    当時ウルトラサウルスはかなり話題になったので確信犯でしょうね…
    結局「ウルトラサウルス」は少し名前をいじってウルトラサウロス・マッキントッシUltrasauros macintoshiと命名されました。


    この話にはオチがあってウルトラサウロスはスーパーサウルスとブラキオサウルスの化石が混ざったものであることがわかり、無効名となりました。もう一方のウルトラサウルスについても上腕骨の一部を尺骨と間違えていたために推定よりもかなり小型であることが判明した上にそもそも固有の種なのかも疑問視されているという現状だそうです。

    救いがないですね。

  • 14二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:18:22

    有名なティラノサウルスも消えそうになったけど特権でどうにかしたって聞いた事あるな

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:18:38

    二名法はやったぞ

  • 16二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:27:15

    >>14

    マノスポンディルス・ギガスManospondylus gigasのことですね。

    こちらが先に記載されたので当然こちらに先取権があるはずなのですが、動物命名法国際審議会が強権を発動し、ティラノサウルスを保全名に登録したことで現状のようになりました。

    さまざまな論文で使われ、あまりに有名になりすぎたので今更変えると混乱を招くということなのでしょうね。

  • 17二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:30:53

    爬虫類とか飼おうとすると嫌でも覚えていくやつ

  • 18二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:34:36

    今回はこの辺にしておきましょうか。

    動物の学名は「国際動物命名規約」に従ってつけられています。植物、菌についてはそれぞれの規約が存在するため、微妙にルールが異なります。
    例えば、属名と種小名が同じものは動物の命名でしか使用できません。ゴリラ・ゴリラGorilla gorillaなどがそうですね。
    学名はラテン語なのでそれぞれにちゃんと意味があります。
    好きな動物の由来を調べるのも楽しいと思いますよ。

    以上、サイレンススズカでした…














    …?
    … Equus caballus…?

    うっ頭が

  • 19二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:36:26
  • 20二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 06:00:56

    >>17

    爬虫類や熱帯魚は学名で呼ぶことも多いですよね

    和名のついている種類が少ないですから

  • 21二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 06:33:47

    面白かった
    スズカさんは博識だなぁ

  • 22二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 09:53:03

    >>21

    反応あると嬉しいです。

    ありがとうございます。

  • 23二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 13:56:34

    ゴリラと言えば学名がゴリラ・ゴリラ・ゴリラだ、というネタがあるな
    現在だとゴリラ属がニシゴリラ(学名Gorilla gorilla)とヒガシゴリラ(同Gorilla beringei)の2種類居ることが分かったので「ゴリラの学名」は存在しなくなってしまったが

  • 24二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 14:12:59

    昆虫の世界だと学名を一般的に使いますね
    学術的には違うけど、他人の空似が起きてしまって見抜けずに和名がついてる種類群があるので、和名が使いづらいんですね
    あと、台湾朝鮮の似ている種類を調べたいときに、ハングルだの中国語を読むのはめんどくさいですから

  • 25二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 14:13:37

    バカマツタケは学名もbakaですよー

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