- 1二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:18:41
ウマ娘たちが集うトレセン学園にダイタクヘリオスとメジロパーマーという二人がおりました。
二人はとても仲が良く、この日も一緒にジョギングなんかをしていますと。
「ねえパーマー、ちょっとおなすいじゃね?」
「じゃああそこの定食屋さんでなにか食べようか」
ふらりと立ち寄った定食屋には大きく“数量限定!秋刀魚定食”の文字。
年頃の女子……に限らず人は数量限定という言葉に弱いものでございます。
二人は喜び勇んで秋刀魚定食を注文いたしました。
しかし、ヘリオスはあまり魚を食べなれていないのかうまく骨から身をはがせないでおりました。
するとパーマーが隣へ座り、ヘリオスに手を添えながら食べ方を教え始めました。
もちろん旬の秋刀魚も大変美味だったのでしょうが、大親友に教わりながら食べた思い出というのもまた格別なものでございました。 - 2二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:19:08
それから数日経ち、ヘリオスはギャル仲間のジョーダンと商店街をぶらぶらとしておりました。
魚屋の前を通りかかるとちょうど秋刀魚が売られております。
そこでヘリオスがぽつりと。
「あの時パーマーと食べた秋刀魚、バリウマだったなあ……」
この言葉をジョーダンは聞き逃しませんでした。
ジョーダンという少女はそれはそれは友達想いのウマ娘でありまして、ヘリオスにぜひ秋刀魚を食べさせようと計画を始めたのです。
こっそりと秋刀魚を買い、同室のチケゾーも誘って早速料理を始めたのですが……。
「ち、ちちち、チケゾー先輩!?めっちゃ!めっちゃ秋刀魚から血ぃ出てきた!!!」
「台所が真っ赤っかだよおおお!!!」
「魚そのままだと食べづらいかなあ……あ!肉団子?つみれ?まあなんかそんな感じにしよう!」
「さんせー!」
「……ねえジョーダン、まだゆでるの?」
「だって脂多いとヘリオスの肌に悪いかもしれないし……」
とまあ悪戦苦闘しながらも二人は料理を完成させました。
どれ、と一つ味見をしてみます。
要は脂の抜けきったぱさぱさの魚団子でありますので……。
あまりの不味さに二人は頭を抱えました。
「……これはやめておこうか」
「……そだね」 - 3二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:19:33
するとそこにゴルシが通りかかり、
「おいおい!もったいねえ食い方してんなジョーダン!このゴルシ様が秋刀魚の食い方ってやつを教えてやるぜ!」
と二人をグラウンドに連れ出すと、どこからともなく七輪と秋刀魚を取り出したのです。
これだ!とばかりにすぐさまジョーダンはヘリオスを呼びました。
呼び出されたヘリオスは差し出された秋刀魚の塩焼きを嬉しそうにほおばりました。
しかし、ヘリオスはなんとも言いようのない違和感を感じておりました。
たしかに出来立て、しかもゴルシが焼いたものですので味は絶品なのです。
それでもヘリオスは首をかしげるばかりでした。
そこに偶然パーマーが通りかかりました。
パーマーもまた秋刀魚を受け取り、ヘリオスの隣で食べ始めます。
そう、定食屋でヘリオスと秋刀魚を食べた時のように。
するとなんということか。
ぐっとおいしさが増し、笑みがこぼれるほどでした。
どしたん?と尋ねるパーマーにヘリオスがはにかみながら答えます。
「やっぱり秋刀魚はメジロに限るなあ、って」 - 4二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:20:35
おあとがよろしいようで……よろしいかなあこれ!?
もうほとんど原型ないけどいいのかな……いいってことにしてください(懇願)
お目汚し失礼しました - 5二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:22:30
良きかな……
- 6二次元好きの匿名さん21/10/29(金) 22:23:24
言うまでもないかもしれませんが、某落語SSの方のパクリスペクトです…
目黒の秋刀魚でこれだからもっと長いのとか考えたくねえな… - 7落語21/10/29(金) 22:43:31
ありがとうございます…ありがとうございます…!
元話があるやつのアレンジは一からお話作るのとは別の技能が要るのでめちゃくちゃ大変ですよね… - 8二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 00:49:30
すき
- 9二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:11:39
オチの趣は元ネタと違うかもだが、途中の展開とかは割と沿ってるし、アレンジも上手いし、何よりパマヘリの尊さが天元突破してるから全く気にならない。
素晴らしかった