ここだけダンジョンがある世界の掲示板 イベントスレ外伝

  • 1バフォミトラ22/11/27(日) 21:09:04

    本スレ

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    このスレは「ここだけダンジョンがある世界の掲示板」の番外編みたいなものです


    イベントとは名ばかりのSS投稿スレ

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  • 2地下遺跡にて22/11/27(日) 21:09:36

    「ねぇ、マルダー……?あたし達は夢でも見ているのかしら…?」

    「………奇遇だね、スカリア。僕もそう思い何度も頬を抓ったが、僕の五感と魂は間違いなく、これが"現実"だと告げているよ。」


    「…冷静さを取り戻すために、もう一度ここまでの経緯を振り返るわよ?」

    「あたし達はギルドの依頼を受けて、セレネリオス首長国にある禁断の砂漠地帯"ロバ・エル・カリイエ"にて発見された古代遺跡へと足を踏み入れたのよね?」


    「ああ、そうだ。…ハッキリ言って、この依頼を受けたのを今はひどく後悔しているよ。」

    「…極端な暑さと寒さと飢えと渇き、グールを筆頭とした砂漠特有の魔物達の襲撃に加え、果ては禁則地を恐れるあまり、高い報酬で雇った現地ガイドと護衛の殆どはトンズラするわと、ロクなもんじゃない。」

    「……そして、漸く苦労した辿り着いた地下遺跡にて僕らは迷い、"こんな場所"へと辿り着いた。」


    ──"こんな場所"──


    この遺跡探検家夫婦は調査に熱中するあまり次第に地下へ地下へと潜り、冥府への道を歩む古代の英雄らの如く、昏き大地の底へと降りている──筈だった。

    だが、途方もなく長い地下階段を潜り、最奥にあった扉を開けた先に広がっていたのは、"永遠の黄昏に覆われた広大な神殿の廃墟"であり、吹き荒れる風には微かな磯の香りが混ざっていた。

    加えて、荒れ狂う波の音が響き渡る事に驚愕した夫婦が先程の扉を見渡して見ると、扉の背後は険しく切り立った崖となっており、ルルマリーナ共和国の著名な断崖を思わせる場所に、扉だけが不自然にポツンと置かれていた。

  • 3地下遺跡にて22/11/27(日) 21:09:59

    次から次へと夫婦の想像と理解を越えた驚天動地の出来事は、オカルトや陰謀論好きのマルダーの心に熱い火を灯したようであり、彼は無邪気な子供のような笑みを浮かべながら、興奮したように捲し立てる。

    「…落ち着いて聞いてくれ、スカリア。…三十数年近く遺跡探検家として僕達は様々な苦楽を共にしてきたが、如何やら僕らはとうとう世界の真実に触れてしまった様だ……!!」

    「…………………一体何を言っているの、マルダ―? ……世界の真実っていったい何よ?」


    「……惑 星 空 洞 説だよ、スカリア!? 君ならば、イアンドロス=ヴァン=フレーリーを知っているだろう!?」

    「嘗て、古代のレウネシア神国において異端視された天才学者でしょ……? それが一体──」


    「彼 は 正 し か っ た ん だ よ、スカリア!!? 彼が提唱した惑星空洞説によると我々の住むこの惑星は、中身の詰まった球体ではなく、ゴムボールのように中空であったり、別世界へ繋がっているという考え方さ!!」

    「彼はこの仮説を元に、かの有名な幻の地底世界"アガルタ世界"に関する独自の考察論と架空幻想記である"地底旅行"を記したが、その内容の過激さと先鋭性ゆえに教会から破門され、遂には処刑されたんだ……!!」

    「……以前、僕も若い頃この仮説に出会いMOOに投稿したものだが、やっぱり、イアンドロス=ヴァン=フレーリーの唱えたあの仮説は──」


    「ちょっと、ちょっと、やめて…や め て 頂 戴 マルダ―!!? 今は貴方の大好きなオカルト論に関する考察や意見を熱心に聞いている場合では無いのよ!?」

    「…確かに、こんなふざけた状況を目の当たりにすれば、貴方のMOO好きの魂に火が付くのは無理もないわ……。けど、今は違うでしょう!?」

    「今、あたし達が目撃しているこの後景の数々が、幻術系統の罠や呪い…あるいはあたし達が気付いていないだけで、強力な魔物によって幻影を見せられている可能性だってゼロじゃないのよ!?」

  • 4地下遺跡にて22/11/27(日) 21:10:23

    「…………すまない、スカリア。…僕としたことが余りにも軽率だったよ。」

    「………あたしも少し言い過ぎたわ、マルダ―。 こんな非現実離れした状況に出くわせば、その様な仮説に縋りたくなるのも無理ないわよ…。」


    「…だがね、スカリア? 幸いなことに僕達の手にしている幻術破りのアーティファクトは、一切反応を見せていない。それに……。」

    「それに?」


    「……気付かないかい、スカリア? 」

    「──僕達がこの地下遺跡に足を踏み込んでから、一回も魔物に遭遇するどころか、愛用のエネミーソナーすらも反応していない……!! 地上の砂漠では、ウンザリするほど化物連中に出くわしたのにだぞ!?」


    「……………………!!?」


    「まるで……まるで、"魔物ですらこの地に足を踏み入れる事を恐れている"……。 そんな、気がしないかい…?」

  • 5地下遺跡にて22/11/27(日) 21:10:49

    「………とても今更だけど、調査を中止する? 化石じみた上層部からは、またネチネチネチネチと嫌味を言われるだろうけど……?」

    「…いや、あともう少しだけ……この先に見えるあの朽ちた大神殿をちょっとだけ探索して、それで引き上げよう。」

    「僅かな証拠さえあれば、上も渋々黙るだろうよ。それに…まだ、帰還用の転移スクロールや回復薬は大量に用意してある。」

    「それにこれは、僕個人のどうしようもない我儘だが……これ程の未知や驚異と遭遇しておきながらスゴスゴと逃げ帰るのは、ハッキリ言って性に合わない。」

    「曲がりなりにも長年、遺跡探検家として飯を食って来た人間としての些細な誇りと抵抗……って奴さ。」


    スカリアは呆れた様に大きなため息を吐き終えると、普段の彼女の明るさと笑顔を取り戻す。

  • 6地下遺跡にて22/11/27(日) 21:11:03

    「………全く、何であなたと結婚しちゃったのかしら?」

    「あの時の情熱的なプロポーズをマトモに信じ込んだ、当時のあたしに警告してあげたいわ──遺跡探検家としては幸福だけど、一人の女としては大変苦労する──てね。」


    「…その……何というか……スカリア、あの──」


    「──後悔しているとは一言も言ってないわよ、マルダ―? ソワスレラの生まれ女はあの土地の様に忍耐深く、何でも受け入れるのよ?」

    「だから、覚悟しなさい。あなたが見初めた女はこの世の如何なる遺跡よりも難解かつ不可解で、底知れないんだからね?」

    「…………有難う、スカリア。」

  • 7地下遺跡にて22/11/27(日) 21:11:17

    「──さて、ちょっとはいつものペースを取り戻したところで、さっさとあの大神殿を調査しましょう、善は急げよ?」

    「…そうだね、行こうスカリア。」


    こうして私達夫婦は、ロバ・エル・カリイエの地下遺跡の奥深くにて発見した謎の場所を探索し始めた。

    矮小なる定命種としての危機意識よりも、遺跡探検家としてちっぽけな誇り──そして、何よりもそれを塗りつぶすほどの圧倒的な好奇心と探求心が勝ったしまったが故の決断だった。


    だが……だが、「今」は大変後悔している。


    私達夫婦はあの時、冷静に思い出すべきだったのだ──『好奇心は猫をも殺す』という東方の金言たる諺を……!!

  • 8地下遺跡にて22/11/27(日) 21:11:37

    「…ねぇマルダー、この大神殿の構造を見て何か思わない?」

    「……神殿…というよりも聖塔……? よく見れば、この大神殿は、数階層に組み上げて建てられた形跡がある。」

    「つまり、本来のこれはジッグラト状の建造物であり、王を中心とする専制体制の遺物あるいは大規模な建造物自体が"神"を象徴するという意味…。相当な資源と富、そして労働力が使われたのは間違いないわね。」

    「入り口付近にある、この雄牛像も相当な出来だ。…時間の経過によってかなり錆びているうえに崩壊が著しいが、これは全て純金だった可能性が高い。」


    少し…あと少しだけ。

    そんな言い訳をしながらもその足取りは徐々に大神殿の奥へと進み始め、気がつけば私達の脳内に「戻る」という選択肢は完璧に消えて去っていた。

  • 9地下遺跡にて22/11/27(日) 21:11:53

    「…ちょっとマルダー、見て!! 壁画よ!! 」

    「…………何だこれは………!!」

    奥に進むとそこには、人知を超越したとしか表現しようの無い芸術的な壁画が室内一面にずらりと記されており、何らかの神話・伝承を事細かに記しているのが一目で見て取れた。

    薄暗い闇の中を魔法の光で照らしつつ最初の壁画に目を凝らすと、そこには鳥の翼、雄牛の角を生やした人間男性が描かれており、絵の背後に描かれた光輪から見てこの神殿で崇められていた主神であろうことが容易に分かる。

    この謎に満ちた神──仮にAとしよう──の手には鍬に似た三日月型の農耕具に酷似した刃を手にしており、その隣には同じく光輪が描かれた妻と思わしき女神(仮Bと定義)と眷属らしきドラゴンが描かれている(仮Cと定義)。

  • 10地下遺跡にて22/11/27(日) 21:12:24

    壁画に記された古代文字は、辛うじて読める共通言語と未知の言語が混ざっており、ところどころ不自然に欠けてしまっている。

    ──が、幸いなことに言語学に長けたスカリアのお陰で、この壁画に記された神話・伝承を如何にか読み解くことができるようであり、僕は母親の昔話を聞く幼い子供のような心境で彼女の解読に耳を傾けた。


    太陽の若き雄牛…王の中の王………並ぶもの無き主(ベル)………自然の守護者………偉大なる■■■■■■

    その大い■る妻にして■の髪を持つ女………"月の刃(チャンドラハース)"を持つ麗し■天の乙女………"ザルバニドゥ"

    ………かくて両■に伏す大■なる竜…ム■■フ■ュ………■を持ち、恐るべき怒れる蛇竜■■■………


    「………ごめんなさいマルダー、これ以上の解読できないわ──テキストの破損と壁画の荒廃が酷過ぎるのよ。」

    「いや充分だ、有難うスカリア。……"太陽の若き雄牛"……どうやら、ここで祀られていたであろう存在は、僕達の世界に関する神では無いという事が確定した。」

    「そうみたいね。どうやら、この神格に纏わる遺跡は、"大衝合"にて接続された偶然と事故の産物みたいね。」

  • 11地下遺跡にて22/11/27(日) 21:12:40

    「下手をすれば僕達が今いるこの奇妙な場所自体も、その産物……そんな所かな?」

    「まぁ、その方がハッキリ言って都合がいいし、納得できる答えだわ。」

    ある程度、謎に満ちた"手品の種"が割れたせいか、僕達夫婦に言いようのない安堵感が広がり始める。

    だが、ふと遥か奥の部屋から朧気ながらも人の気配を感じ取った瞬間、僕の警戒と緊張感は一気に最高潮に達する。


    「……スカリア、僕の後ろの急いで隠れろ──奥の部屋に何かいる……!!」

    相手に聞こえぬ様、小声で妻にそう告げると僕は手にしていた、愛用のショートソードを取り出し、速やかに戦闘態勢に入る。

    そして、妻も事の重大性を察知すると、無表情で僕の背後に下がり、隠し持っていた愛用の銃を構え始めた。

  • 12地下遺跡にて22/11/27(日) 21:13:04

    『……全ては何もかも遅すぎた。』

    生気を感じぬ声ともに現れたのは、気品ある老人──嘗て、セントラリアの冒険者ギルドで何度か見かけたことがある謎多き存在。

    だが、今の彼はまるで実体のない幻影の様に朧気であり、あろうことかノイズのようなものが全身に走っていた。


    「…あ、貴方は……確か……!?」

    「旅人の方………?」

  • 13地下遺跡にて22/11/27(日) 21:13:21

    『……所詮、私は遥か遠き過去の亡霊であり、死せる神の残滓に過ぎない………。』

    『………ここに来てしまったのは、君達だけか。』


    『………折角の良い機会だ、お二方………。最早、只消えゆくだけの哀れな亡霊の最期の願いと思い、これから語る"昔話"に耳を傾けて頂けぬか……?』


    「…む、昔話……ですか?」

    『……作用。』

    「……それは別に構いませんが……一体どのような内容で?」

  • 14地下遺跡にて22/11/27(日) 21:13:53

    『"とある神"の収めていた楽園世界とその栄光と繁栄……。』

    『そして、"真の邪悪"によって齎された破滅と……その悍ましい所業によって生まれ堕ちてしまった、"哀れなモノ"……。』


    『まだ多元宇宙が遥かに若く、地球という蒼き星など存在していなかった頃の遠い遠い昔の話……。』

    『神々が己が似姿に似せて産み出した人の処遇を巡り、静謐なる天に亀裂が入り始めた頃だ……。』


    『広大なる宇宙の大海に一つの惑星が在った──その惑星の名は"マルドゥク"──』

    『今から私が語るのはその栄枯盛衰と末路だ………!!』

                                                ──続かない

  • 15二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:30:00

    続かないんだ──!!!

  • 16二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:31:11

    ※ダンスレ名義でスレ立ててダンスレの国出してるって事はバフォミトラとは一切関係ない設定になったって事でおk?

  • 17二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:34:07

    >>16

    ※すいません、これは只のコピペミスです。

    ※一応設定スレにも書きましたが、これから過去編に入り、そこで「旅する青年」が何だったのかに触れるので合了承ください。

  • 18二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:40:36

    ※私の一存では了承しかねます
    ※ダンスレの設定は虚空が生えて来たものではなくそれぞれ作った方がいるのです

  • 19二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 21:53:39

    バグみたいなものと設定スレでは言ってましたが結局はご自分でキャラを動かしているのにそんな当然例外扱いされるものと勝手に決められても困るといいますか…そもそも問題を起こしたキャラで問題を起こしたまま自他ともに関わらないと決めてたのにしれっと混ざりに来て、そして関わらないと決めたスレの人が作った設定を借用しているのはどうなのかなと

  • 20二次元好きの匿名さん22/11/27(日) 22:09:31

    落ち着いて、これまでも脳内SSで非道な行い、哀れな被害者等が描写されることは多くありました
    それが解決されないことも

    一応脳内の話で、ダンマススレの方と「対象がバフォミトラさんの魔界に手を出したことが原因で、余計なことをしなければダンスレ世界には関わってこない」という方向性になったようですから…。

  • 21二次元好きの匿名さん22/11/28(月) 06:54:37

    そもそもの問題だったのが、「明確に現在進行形で悪い事をしているキャラクターが、秩序ある人間世界のダンスレのメイン舞台に平然と来ていること」「それがダンマススレのキャラなので、ダンスレ側のキャラは見過ごすというロールしか取れないこと」なので、今のところはセーフなんじゃないかと
    旅する青年さんの設定にもよりますが……

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