- 1二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:07:59
生憎の雨、室内でのトレーニングを終えていつものコーヒーブレイクへ。
「あ、トレーナーさん……!」
窓際のカフェが振り向く。
曇った窓に広く拭った跡が残っている。
「雨、止みそうにないな」
「そう、ですね。 あ、珈琲淹れましょう」
……?
なんだかカフェがそわそわしている。寡黙な彼女にしては次の口が早い。
それに、何やら窓から離れたがっているのか、片足が居心地悪そうにしている。
「……何か外に気になるものでも?」
「え?……いえ、何も。」
やはり変だ。こんなどんより曇った日暮れなら霊障ジョークの一つでも投げて来そうなものだが。
結局、僅かな違和感の正体を掴むこともなく、カフェはミルの元へ行ってしまった。
ドン
なんとなく釈然としないので窓際に立ち尽くしていると、いつもの「あいつ」の呼び出しがかかった。 - 2二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:10:32
コツコツとしきりに窓枠を叩く音。
音のする方へ目をやると、窓一面の曇り色の上に、独りでに藍色の線が走り始めた。
傘。その中に黒猫。傘の隣には棒人間。
片手と尻尾を重ねる様に、一つの傘にふたり。
傘のてっぺんにはハート。
そしてこの棒人間の妙な形...
「……" t " 、か?」
「トレーナーさ……え、あっ!?」
戻ってきたカフェが声を上げた。
「ち、違、私ハートなんて描いて……」
「ハート以外は」
「あっ」
言質。隣の消した跡はそういう事らしい。
「カフェが描いた方も見たかったな」
「……イヤです」
「終わったら寮まで送るよ」
「……私、傘持ってませんよ?」
「もちろん。お望み通りに?」
顔を赤くしてこちらとその肩の向こうを睨む。
こっそり背中に手をやるとパチンと軽い音がした。
コーヒーブレイクの時間が終わっても雨が上がりませんように。 - 3二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:10:58
描いたなコイツ!
- 4121/10/30(土) 01:13:04
- 5二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:13:17
窓に落書きしてるカフェほんと可愛い
- 6二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:15:33
コッチコイ ミロ
- 7二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:16:45
カフェとねこちゃんの絵の相性は人を尊死させる
- 8121/10/30(土) 01:18:04
- 9二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:45:22
挿絵まで自力とは新しいパターン来たな...