【SS】サイアクなあたし【閲覧注意】

1二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:15:00

※センシティブになると思います

始まりは些細なものだった。にわか雨に降られたあたしを心配したトレーナーさんが、羽織っているジャケットを貸してくれた。それこそが、サイアクなあたしの始まりだった

「はぁ……はぁ……」

あたしが周りの人達から変態と言われているのは、知っている。しかしそれは一種の愛情や個性の表現に近いものであり、侮蔑的な感情を込められてない事は明らかだ
……今のあたしを見たら、どうなるだろうか。社会的に許されない、本物の変態に対してどう感じるだろうか

「トレーナーさんの、におい……」

それでも、止められない。以前に、トレーナーさんが宿直室で寝泊まりしてる隙に盗み出してしまったコートだ。もちろん替えのコートを置き、トレーナーさんを困らせないようにしたつもりだ。だからといってこんなことが許されるか。否、許されるはずがない

「はぁ……ふうっ……ふっ……！」

だけど、身体の昂りは止められそうにない。ウマ娘ちゃん達に抱くものとは全く違う、どす黒さと背徳感、そして言葉にしてはいけない悦楽が全身を包む
一糸まとわぬ姿で、異性の衣服を纏うその姿は、他人から見たら変態を通り越して不審者だろう

「トレーナーさん、トレーナーさん……！」

知っている。あたしは最早、後戻りできないのは。あたしが抱えてしまった、淀んだ性癖が治らないのは。この感情の根源が何なのかを、知ってしまっている
だけど、あたしは間違えた。サイアクな手段で、その感情を発散してしまった。あの時のジャケットの温もりを、掛けられた言葉を、優しい匂いを。今、許されない方法で思い起こそうとしている

2二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:18:46

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3二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:20:10

「におい、すき、すきぃ……いいにおい」

ああ、分かっている。こんな事してはいけない。いますぐ謝りに行かなければならない。そうしなければ、一生顔向けできない事になる。頭では理解しているのに、身体がそれを許してくれない。分かっている。あたしがどれだけサイアクなのか、どれだけ自分勝手なのか。欲望も制御できない、ケダモノ以下の生物なのか分かりきっている

「せつない、せつないです……」

なのに満足しない。足りない。あの時の温もりが。身体にはあの人のコートしか身に着けていないのに、壁を感じる。こんなに切ないなら、こんな事するんじゃなかった。思いを伝えたほうが幸せだった
歪んだ欲望は、歪んだ矛先へと向かい、不完全燃焼を続けている。あたしは、もう、戻れない

4二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 01:22:14

以上になります

トレーナーさんの性別はどちらでも良いように書いたつもりです

またトレーナーさんに恋人がいるかどうか、またデジたんに好意を抱いているかどうかも自由に解釈できるようにしたつもりです

深夜じゃないと許されない、はっきりわかんだね

前回書いたやつです