【SS】ネタをもらってSS書いてみた 麦わらの一味+ロー

  • 1二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 11:48:56

    某スレでSSのアイデアをもらって書いてみる
    ※注意→人物崩壊・特殊設定生やす・わりと見切り発車・時系列ちょっと自信ないなど
    良かったら読んでください

  • 2スレ主22/11/29(火) 11:50:05

    「おっサンジ!今日も旨そうだな!」

    ダイニングの扉を開け、一番乗りに夕食のテーブルに着いたウソップが言った。
    目の前には色とりどりの料理が並ぶ。今日のメインは昼間に釣り上げた魚だ。

    たっぷりと脂ののった白身魚を使った料理は上品なバター風味のポワレ、貝類と季節野菜を添えたアクアパッツァ、中華風野菜あんかけや煮つけなど盛りだくさんだ。

    特に丁寧に皮からぱりっと焼き上げられた塩焼きはきっと同乗者の口にも合うだろう。

  • 3スレ主22/11/29(火) 11:50:31

    ウソップに続いて一味が続々と入ってくる。

    「あら、ルフィは?」
    「そういえば居ねェな、メシと言やァ真っ先に来そうなもんなのにな」

    ロビンの問いかけにフランキーが答える。
    するとドアが開き、ルフィが入ってきた。

  • 4二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 11:53:42

    このレスは削除されています

  • 5スレ主22/11/29(火) 11:54:10

    「いい匂いだー!サンジ、あのでっかい魚か?」
    「おう!たくさんあるからいっぱい食えよ!…っておまえ、どうした?なんか疲れてねェか?」
    「うーん、なんだか体がギシギシするんだ。筋肉痛ってやつか?」
    「はァ?おまえが筋肉痛!?ありえねェだろ!?」

    ウソップが素っ頓狂な声を上げるが、確かにルフィの動きがどこかぎこちない。

  • 6スレ主22/11/29(火) 11:56:17

    「…チョッパー、昨日の怪我となんか関係あんのか?」ゾロが問う。
    「いや、普通の切り傷のはずだけど…ルフィ、もっかい見せてくれ」

    ルフィは上着を脱いでチョッパーに右腕を見せた。
    二の腕に包帯が巻かれている。そしてその下から白いシミのような痣がはみ出している。

    「なんだこりゃァ!?」
    「ここ、皮膚が真っ白だ!ルフィ、痛くないのか?」
    「痛くはねェけど…」

  • 7スレ主22/11/29(火) 12:00:09

    「おい麦わら屋、ちょっと見せてみろ」

    おもむろに立ち上がり、そう言いってルフィの腕をとったのはトラファルガー・ローだ。
    彼はある作戦の為に麦わらの一味の船に同乗していた。

    腕の白い部分を凝視している。この場にいる誰よりも驚いているようだ。

    「どうしたトラ男?」

  • 8スレ主22/11/29(火) 12:00:51

    「待って下さい、ナミさんは?ナミさんはどこですか?」

    ルフィの問いかけを遮るようにブルックが声を上げた。そういえばナミだけがいない。
    チョッパーがハッと顔を上げる。

    「そうだ!ナミも同じ怪我してる!」

    それを聞いた一味は一斉にダイニングを飛び出していった。

  • 9スレ主22/11/29(火) 12:02:18

    本日ここまで
    続きは夜か明日になります

    文体はシリアス寄りですがコメントもらえたらスレ主は泣いて喜びますのでよかったら感想聞かせてください

  • 10二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 12:08:40

    ルナミ展開か!?やったー!と思ったらシリアスと聞いて笑顔が一気に真顔になった

  • 11二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 12:17:27

    これもしかして・・・

  • 12二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 12:43:44

    >>2

    魚料理が美味しそうだ

  • 13二次元好きの匿名さん22/11/29(火) 14:51:40

    >>1

    元スレ26&新スレ主です

    アイデア採用ありがとうございまあああす!!釜を煮込んで続きを待ちますねっ🍲🔥🍢

  • 14スレ主22/11/29(火) 16:04:31

    >>13

    アイデア頂戴します!

    遅筆ですががんばります

    煮込まれ準備うれしい

  • 15スレ主22/11/29(火) 16:05:56

    >>10

    ルナミのネタあるのでまた終わったら書きます

  • 16二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 00:08:13

    期待

  • 17二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 10:58:30

    期待して保守

  • 18二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 19:29:30

    ほしゅ

  • 19スレ主22/11/30(水) 21:18:26

    再開します

  • 20スレ主22/11/30(水) 21:20:33

    「みんな!ナミはここよ!早く来て!」
    ほどなく、ロビンの大声が女子部屋の方から聞こえた。
    全員すぐさま駆けつけると、部屋の中にはロビンに抱きかかえられたナミがいた。
    ぐったりと体を預け、苦しそうな息遣いで目を閉じている。
    そして左手の小指あたりには包帯が巻かれており、手の先から半分ほどが白く変色していた。

  • 21スレ主22/11/30(水) 21:30:08

    「ナミさん!!」
    「ナミ!おい大丈夫か!?」

    チョッパーがナミに駆け寄るとナミはうっすらと目を開いた。

    「ナミ…」
    「チョッパー…体が痛い…なに、これ…?」
    「こんなに濃い色の白斑見たことねェ…それになんでこんなに広がてんだ?」
    「見せてみろ」

    困惑するチョッパーの隣にローが近づき、ナミの白い腕をとる。

    「いたっ!」

    ナミが声を上げる。手のひらを返しただけで痛むようだ。

  • 22スレ主22/11/30(水) 21:39:00

    ローは一瞥し、ルフィがいることを確認すると愛刀の鬼哭を抜いた。一瞬の緊張が走る。
    チョッパーが驚いて目を見開く。

    「トラ男!なにすんだ!?」
    「心配するな。ただの診察だ」

    そう言って腕を掲げる。

    「ROOM…スキャン」

    ローを中心に円形の淡い光が広がる。
    ローはナミとルフィを鋭い眼差しで交互に見やるとほどなく鬼哭を鞘に納めた。

  • 23スレ主22/11/30(水) 21:46:01

    「トラ男、何かわかったのか?」

    チョッパーがローを見上げる。その顔は青ざめ、脂汗を浮かべている。

    「あり得ない話だが…こいつは正真正銘の珀鉛病だ。だが…」
    「珀鉛病って?昔一国が無くなった原因になったあの病気か?」
    「詳しい話は後だ、トニー屋。まずはこいつらを診察室へ連れていけ」

  • 24スレ主22/11/30(水) 21:46:55

    本日ここまで
    うああ消し忘れがある

    すいません多少の違和感はふっとばして読んでください

  • 25二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 21:53:04

    わぁい珀鉛病 あかり珀鉛病大嫌い

  • 26二次元好きの匿名さん22/11/30(水) 21:59:27

    診察方法が物騒なんよトラ男…

  • 27二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 06:54:34

    待機

  • 28二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 07:22:50

    ルフィの痣でまさかと思ったけど…でもなんで?

  • 29二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 17:12:31

    待機待機

  • 30スレ主22/12/01(木) 21:02:29

    再開します

  • 31二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:03:02

    ありがとう…!!
    楽しみ!!!

  • 32スレ主22/12/01(木) 21:04:23

    診療室に移動し、ナミはベッドに横たえられた。
    額には汗が浮かんでいるが、先ほどよりは落ち着いた様子だ。

    ルフィは椅子に座り腕に巻かれた包帯をチョッパーがほどく。ローはそれをじっと見ている。
    診療室にはこの4人だけがいる。

    昨日つけられた刀傷が現れた。傷口には止血用のガーゼが当てられている。
    包帯で隠れていた部分のほとんどが白く変色していた。

  • 33スレ主22/12/01(木) 21:05:31

    「うへぇ、真っ白だ」

    ルフィは苦虫を嚙み潰したような顔で白い皮膚をつまむ。

    「ルフィは痛くねェのか?」
    「関節がちょっと痛ェかな?あと体がだるい」
    「ナミ屋の傷は小指の根本にこの10分の1ほどの大きさか」
    「うん。それなのに明らかにナミの方が白斑の広がり方も容態も症状が重い」

  • 34スレ主22/12/01(木) 21:06:55

    チョッパーはルフィの腕のガーゼを外した。
    傷口が赤く腫れて盛り上がっている。

    白斑は切り傷を中心に広がっているようだ。

    「これやっぱり傷が原因に見える。でもこの病気って感染症じゃないハズだよな?」
    「ああ。それに珀鉛病はそもそも昨日今日で発症するような病気じゃない」
    「うーんそれにこの広がり方は…」

  • 35スレ主22/12/01(木) 21:08:33

    「おい、輸血パックはいくつある?」

    ローは何かを思い出そうとするように腕を組みうんうん唸っているチョッパーに向かって言った。

    「あっゴメン。ルフィのF型とナミのX型それぞれ2つずつある…って何するんだ?」
    「治療に決まっている。ナミ屋は完全に足りないな。麦わら屋でギリギリか…」

    「おいトラ男、それどうするんだよ?どうやって使うんだ?」

    そわそわと膝を揺らしてルフィが聞いた。

  • 36スレ主22/12/01(木) 21:09:48

    「患者は黙ってろ。トニー屋、念のため生理食塩水を準備しておけ」
    「わかった。トラ男、治療って?」
    「体内の毒素を除去する。前はそれで症状が治まった」
    「除去ってどうやって!?それに前はって…これ不治の奇病じゃないのか!?」
    「…おれは治せる。早く用意しろ」

    チョッパーは怪訝な顔をしながらも言われた通りに準備をする。
    必要なものが目の前に揃うと、ローはルフィの方へと向き直る。

    「よし、まずはお前からだ麦わら屋。動くなよ」

  • 37スレ主22/12/01(木) 21:10:26

    とりあえずここまで

  • 38二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:18:48

    まだなんもわからんけどゾワゾワして続き気になる

  • 39二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:53:58

    なんか不穏だ…

  • 40スレ主22/12/01(木) 23:52:53

    「うわぁぁっ!!」

    診察室からルフィの大声が聞こえた。
    ダイニングにいた者たちは一斉に閉じたドアに注目する。

    「あいつら何やってんだ!?」サンジが思わず立ち上がる。
    「医者が2人もいるんだ。大人しく座ってろぐる眉」それを見て諫めるようにゾロが言う。

    「びっくりしたー!!なんだよこれー!」

    続けてルフィの声がする。

    「ルフィは元気そうね。後で何にびっくりしたのかみんなで聞きましょ」

    ロビンはそう言ってサンジに笑顔を向けた。

  • 41スレ主22/12/01(木) 23:53:59

    もういっちょ追加
    続きは明日

  • 42二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 11:02:07

    保ーーー守!!!

  • 43二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 11:07:04

    チョッパーがちゃんと珀鉛病が感染症じゃないこと知ってて良かった…
    Dr.くれはに習ったんだろうな

  • 44二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 12:28:16

    何が起こってるんだろう?
    先が楽しみ

  • 45二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 18:34:13

    待機待機

  • 46スレ主22/12/02(金) 21:06:29

    再開します
    なんかペース配分わかんなくなってきたのでちまちま上げていきます

  • 47スレ主22/12/02(金) 21:08:33

    診療室ではルフィが立ち上がったまま床に落ちた輸血用の袋を見つめていた。

    「おいトラ男、これ生きてるのか?飛んだぞ!?」
    「体内の毒素と中身を入れ替えた。その衝撃で跳ねただけだ。騒ぐな」

    ローは袋を拾い、金属トレーに戻しながら言った。

    「ルフィ、座って。ちょっと傷見せてくれ」

    チョッパーが近づきルフィの腕をとる。

  • 48スレ主22/12/02(金) 21:10:09

    「白斑が小さくなってる。トラ男の能力で血液ごと入れ替えたってことか?」
    「そうだ。だが結構残ってるな…もうちょっと取れると思ったんだが」

    「ルフィ、体調はどうだ?」
    「おぅ、体が軽くなった。痛いところもねェ」

    ルフィは立ち上がってパキパキとあちこちの関節を鳴らして見せた。

  • 49スレ主22/12/02(金) 21:12:16

    「ありがとう!トラ男!…で、ナミも治せるのか?」

    「交換する血液が足りない。ひとまずある分だけで処置しよう」
    「じゃあルフィはこっちだ。もう一度…傷見せてくれ」

    チョッパーはルフィの腕をじっくり見ると「ちょっとゴメンな」と言って小さなヘラで傷口を擦った。

    「いっ…!」

    ルフィは口をへの字に曲げて痛みに耐える。
    チョッパーは傷を消毒すると、新しいガーゼを当て手早く包帯を巻いた。

  • 50スレ主22/12/02(金) 21:23:11

    「…よし。もういいぞ、ルフィ。トラ男、そっちはどうだ?」
    「ああ、終わった」
    「ナミ、気分はどうだ?」
    「うん、だいぶ楽になった。さっきもらった鎮痛剤が効いてきたみたい…」

    「なぁトラ男、この毒素なんだけど…もしかして傷口辺りに集中してなかったか?」
    「その通りだ。本来は長期間かけて摂取され主に内臓に蓄積されていくんだが…珀鉛病には間違いないんだが何かがおかしい」
    「そこなんだ。金属性のはずなんだけど即効性があるし受傷が原因だしで珀鉛病の特徴が全くなくて、どちらかと言えば生物毒みたいに見えるんだ」
    「…」

  • 51スレ主22/12/02(金) 21:34:27

    「大丈夫か?ナミ」
    「ルフィ…トラ男にも見てもらったし、もう平気よ」
    「なんでお前の方はこんなにひどくなってんだ?おれはすぐに良くなったのに」
    「あのね、私はか弱い女の子なのよ?こっちが普通なの。バケモノ並みに頑丈なあんたと一緒にしないで」

    そう言い放たれたルフィはいまひとつ納得していない顔でナミを見る。

    「…あ、それかもしれない」

    しかし、それを聞いていたチョッパーがぽつりとつぶやいた。

  • 52スレ主22/12/02(金) 21:35:41

    1日1誤字…

  • 53二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 22:29:55

    なんか医者同士の会話いいな

  • 54二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 03:31:22

    楽しみに保守

  • 55二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 08:21:48

    このレスは削除されています

  • 56二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 16:29:26

    続き楽しみ

  • 57二次元好きの匿名さん22/12/03(土) 20:43:28

    待機

  • 58スレ主22/12/03(土) 21:05:29

    「ルフィの体は毒に耐性があるんだ。だから珀鉛を毒とみなすとしたら、ナミより症状が軽いのが納得できる」
    「傷をつけた時に体内に侵入させる…か。だが刀傷だと言ったな?」
    「うん。二人がけがした時おれはいなかったから詳しくはわからないけど」
    「あの変なばーさんの話か」

    ルフィが口を挟んだ。

    「何だ変なばーさんって」
    「この傷作ったばーさんのことだよ。いきなり斬りかかってきた」
    「詳しく話せ麦わら屋」
    「待てトラ男、昨日はゾロも島に降りたんだ。病状の説明もしたいし、話は皆のところで一緒に聞こう」

    チョッパーが促すと、ローは頷いた。

  • 59スレ主22/12/03(土) 22:55:20

    一昨日の話―

    航海中、大きめの島が見えたので物資調達の為に立ち寄った。
    ルフィ、ゾロ、ナミが町へ向かい無事に用を済ませた帰路でそれは起こった。

    「あんまなんもなかったな」

    ルフィがつまらなそうに言う。腕には買ったばかりの荷物を抱えている。
    3人は町を出てサニー号へ向かい丘を下っていく。

    「おれはいい買い物ができたぞ」

    ゾロが笑顔で言った。珍しく上機嫌だ。
    刀の手入れ道具が買えたらしい。なにやら良い品だそうだ。

  • 60スレ主22/12/04(日) 00:36:22

    「よく付いてきたわね。あんたいつもは島に着いてもずっと寝てんのに」
    「あの山、火山に見えた。もしそうなら鍛冶屋のひとつもあるかと思ってな」

    ナミはふーんと相槌をうって景色を見回す。
    よく見ると町から連なる山の頂付近が微かに揺らいでいる。煙だろうか?

    そのまま視線を巡らせると、歩いている道から少し逸れた草地に人のような影が見えた。

    「ねぇあれ…誰か倒れてない?」

  • 61二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 06:58:15

    これで、理由をわかるのかな

  • 62二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 11:32:50

    うーんまだ謎が多い

  • 63スレ主22/12/04(日) 13:56:42

    ナミは人影に向かう。その影は小さな背中を丸めうずくまっている。
    老婆のようだ。これは放ってはおけない。

    「おい」

    ゾロが呼ぶ。しかしナミはそのまま近づいていく。

    「おばあさん、大丈夫?」

    ナミが手を差しのべると、老婆はぴくりと反応し、ゆっくりと起き上がった。

    白い顔に暗闇のような双眸。異様な雰囲気に思わずナミの手が止まる。
    老婆の薄い唇が動く。

    「えっ?」

  • 64スレ主22/12/04(日) 14:08:00

    「引け!!ナミ!」

    ゾロの鋭い声と共にルフィの腕が伸び、ナミを抱え込む。
    同時にナミの鼻先を白い光がかすめていった。

    ルフィの二の腕が裂け、ナミの手にも焼けつくような痛みが走る。

    ルフィに引き戻され、ナミは地面に尻もちをついた。
    入れ替わるようにゾロが飛び出し、間髪入れず一閃を放つ。

  • 65スレ主22/12/04(日) 14:32:19

    手ごたえがない。

    老婆は素早く連続でとんぼを切るとゾロの刃をかわし、這いつくばるような低い体勢で着地した。
    キシシシ、と不気味な笑い声をたてると、細身の剣を目の前でゆらゆらと揺らした。

    ゾロは再び踏み込み、今度は剣を狙う。
    刃が交わる音と共に剣ごと老婆が飛ばされ、そのまま茂みに落ちていった。
    ゾロは続いて茂みへ、老婆を追いその奥の森へと入った。

    がさっと音がした。しかしそれっきり老婆の姿は消えてしまった。

    辺りを探るが不思議なほど何もない。
    気配さえも、かき消すように無くなっていた。

  • 66二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 16:53:38

    ばーさん怖い怖い

  • 67スレ主22/12/04(日) 20:38:03

    「その老婆がなんらかの能力者だった可能性は?」

    ローは出された日本茶を啜りながら聞いた。

    診察室から出てきたルフィ、チョッパー、ローの3人はダイニングで待っていた面々と昨日の出来事を確認していた。

    「う~~ん、年寄りのくせにゾロよりすばしっこかったからなァ。でも剣振り回してただけだし」ルフィが腕を組みながら首をひねる。

    「傷つけた相手を珀鉛病にする能力者…?そんな悪魔の実なんてあるの?」

    「そこなんだよなァ…」ロビンの問いにチョッパーも首をひねる。

  • 68スレ主22/12/04(日) 20:42:15

    「おいトラ男、珀鉛ってのはどんな金属だ?」

    ずっと腕を組み思案していたゾロが口を開いた。

    「白い色をした鉛の一種だ。毒性が明らかになるまではあらゆる物に加工され取引されたていた」
    「白い…武器は?」
    「武器もある。主に弾薬だな。だいたいの鉛製品は珀鉛でもできる」
    「剣は?」
    「剣?」
    「あっ」ルフィも何かに気づいたように声をあげる。

    「そういえば白かったぞ、あのばーさんの剣」

  • 69二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 22:57:59

    珀鉛製の剣か…
    でもやっぱりおかしいよ

  • 70スレ主22/12/04(日) 23:01:24

    「珀鉛製の剣だと?…いや、それは実用的じゃないぞ。所詮鉛だ、剣には柔らかすぎる」
    「ああ、その通り。あれは戦いに使う剣じゃねェ。多分美術品とかそんなやつだ」

    ゾロは老婆が持っていた剣を思い出しながら言う。
    金属でありながら鈍色を帯び深く美しい白さを見せる細身の剣。
    切先からガード、グリップに至るまで磨き上げられ、持ち手には細かな装飾と彫金が施されていた。

  • 71スレ主22/12/04(日) 23:08:09

    「だが刀を当てた時の感触…硬くはなかったがはじき返された」
    「普通に考えれば折れまよすね。何なんですかその剣?」ブルックが言う。

    「それにいくら珀鉛製だからって斬っただけで病気になるなんてありえないだろ」

    チョッパーがローとゾロを見ながら言った。ゾロはまだ難しい顔をしている。

    「ゾロ屋、まだ何かあるのか?」
    「いや…」

    珍しくゾロが言いよどむ。

  • 72スレ主22/12/04(日) 23:23:16

    「決めた!戻るぞ!あの島に」

    ルフィが勢いよく立ち上がるとそう言い放った。

    「これ以上ここにいても何もわからねェ。戻ってあのばーさん捕まえて原因聞き出しゃいいんだ!」

    全員が顔を見合わせる。

    「確かに。それにナミ屋を治す血液も必要だ」ローも頷いた。

    「よし、船を反転させろ!全速力で島へ向かう!」

    船長の号令の下、全員が立ち上がり持ち場へ向かった。

  • 73スレ主22/12/04(日) 23:25:08

    本日ここまで

  • 74二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:33:47

    ホラーですか
    ホラーなら牛乳を注ぐきんに君を流す準備をします

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:43:31

    続き気になるわ

    そして船長の号令かっこいい


    >>74

    なんだそれは字面で噴いたわ

  • 76二次元好きの匿名さん22/12/04(日) 23:45:08

    >>74

    きんに君が牛乳を注ぐ女を再現してるやつか

  • 77二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 07:18:03

    >>76

    それです

    きんに君が恐怖心を牛乳で押し流してくれます

  • 78二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 15:24:17

    保守

  • 79スレ主22/12/05(月) 20:43:59

    夜明け間近、ローは甲板に出て海を見ていた。
    そこに大あくびをしながらゾロが歩いてくる。

    「おぅトラ男、早いな」
    「こんなもんだ」そう言うと顎で前方を指す。

    船首の先に島影が見える。

    「朝には着くだろう」
    「そうか。ならおれはそれまでひと眠りしてくる」
    「待て、ゾロ屋。お前…昨日の夜、何か言いかけたろ」

  • 80スレ主22/12/05(月) 20:51:30

    ゾロは片眉を上げてローとその背にある鬼哭をちらと見る。

    「…あまり不確かなことは言いたくねェんだが」
    「何だ」
    「あの白い剣、もしかしたら妖刀の類かも知れねェ」
    「…」
    「けどなんか違う気もするんだよなァ…わかんね」

    そういうとゾロはまた大あくびをしながら行ってしまった。

  • 81スレ主22/12/05(月) 20:55:37

    朝、島に到着すると、チョッパーは上陸前にもう一度ルフィの傷を見ていた。

    「あれ?昨日トラ男に取ってもらったのにまたちょっと白いところが広がってるぞ」
    「うん…増殖してる」

    チョッパーは白斑に触れながら言った。

    「なぁルフィ、おれちょっと調べたいことがあるから船に残る」
    「そうか、わかった」
    「気をつけてな。何かわかったら追いかけるから」
    「おぅ」

  • 82スレ主22/12/05(月) 21:20:43

    牛乳注ぐきんに君見に行ってしまった

  • 83二次元好きの匿名さん22/12/05(月) 21:48:11

    スレ主もつられてる…!

    せっかく治療したのに治るどころか逆に症状進行してるとか怖いな

  • 84二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 01:49:45

    「ルフィ」

    立ち上がろうとしたところをナミが声をかけた。

    「どうした?」
    「あの時…おばあさんが言ったの。匂うぞ、お前たち、って」

    「…臭かったのか?お前」
    「違うでしょ!おまえたち、って言ってんだから」

    ナミは怒っているがいつもの迫力はない。

    「まぁ、意味はないのかもしれないけど…」

    ナミは老婆の暗い瞳を思い出しぶるっと震わせた。

  • 85スレ主22/12/06(火) 01:50:41

    >>84

    スレ主つけ忘れました

  • 86二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 02:01:15

    >>84

    脱字ぃ

    身を震わせた、です

  • 87二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 08:54:00

    ミジンコ並のホラー耐性だったばかりになんかすいません
    続きが気になって読むのやめられないのできんに君に頼りながら応援してます

  • 88二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 18:49:54

    保守

  • 89スレ主22/12/06(火) 19:59:43

    スレ主です
    すいません更新は明日になります!

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:03:05

    保守煮

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 07:39:38

    読み返したけど、やっぱまだまだ分からないな……

  • 92二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 17:52:52

    ほっしゅ

  • 93二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 18:02:57

    保守焼

  • 94スレ主22/12/07(水) 21:18:57

    島へはルフィ、ゾロ、ウソップ、ローの4人が降りることになった。

    「おい、ちゃんと道わかんのか?」

    ウソップがルフィに言った。ゾロには聞かない。

    「大丈夫だって。ほら、町が見えてる。ここずっと登っていくだけだ」

    波止場からはなだらかなつづら折りの道が伸びており、丘陵の中腹にある町まで続いている。
    町はそこそこ大きいようで、背の高い建物も見える。

    「よし行くか!おまえら!後たのんだぞー!」

    ルフィはサニー号に向かって叫んだ。留守番組が手を振ってそれに答える。

  • 95スレ主22/12/07(水) 21:40:41

    「んで、そいつホントに年よりだったのか?ゾロより速いなんて」

    歩きながらウソップが聞いた。

    「顔はしわくちゃだったぞ。白かったけど」
    「白いだと?おい麦わら屋、昨日は言ってなかったぞ」
    「あれ?言わなかったっけ?」

    あっけらかんと言うルフィを見てローは眉間にしわを寄せる。

    「あ、そういえばさっきナミが言ってたんだけど」
    「まだあるのか」
    「そのばーさんに言われたんだって。おまえら匂うぞって」
    「匂い?臭かったのか?」
    「病気治ったらナミにぶっ飛ばされっぞ…意味はわかんなかったって」

  • 96スレ主22/12/07(水) 22:32:10

    しばらく歩くと道の左側に森が見えてきた。

    「あれか」

    ウソップがスコープ越しにその森を見ながら言った。

    「ああ。今のところ手がかりがねェからな。まずはババァの消えたところからだ」

    そう言ってゾロはルフィを見て頷く。

    「じゃあこっちは先に町へ行って病院を探す」ローが言った。

    「小っちェえ森だけど…大丈夫か?迷子になんなよ?」
    「大丈夫だおれがいる!」
    「だから言ってんだよ…」

    胸をはるルフィにげんなりしながらウソップはため息をついた。

  • 97二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 02:43:22

    保守
    謎は深まる…

  • 98二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 08:05:59

    この2人だと絶対迷う

  • 99二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 11:39:39

    ルフィはちょっとマシになったっぽいから…

  • 100二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:20:25

    きになる!ほしゅ

  • 101二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 21:24:10

    保守

  • 102二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 21:41:28

    このレスは削除されています

  • 103スレ主22/12/08(木) 21:43:55

    町に向かう2人と別れ、ルフィとゾロは森の中へ入っていった。

    「あの時すぐ追ったんだが…いきなり気配が消えた」
    「さすがにもうばーさんはいねェよな」

    道沿いの開けた草場から茂みを隔ててすぐ、大きな木に囲まれた場所。
    ルフィが辺りを見回しながら言った。

    「さて、なんか残ってねェか探してみっか」
    「……ルフィ」
    「!」

    唐突に何かの気配が立ち上る。2人が同時に臨戦態勢になる。
    そしてその方向、まだ朝の光が届いていない森の奥を凝視する。

    木々の間から細く白い剣身が音もなくぬぅ、と現れた。

  • 104スレ主22/12/08(木) 21:44:23

    すいません貼り直しました

  • 105スレ主22/12/08(木) 22:11:01

    小柄な老婆の体ががさりと落ち葉を踏みしめながら出てくる。

    「あァ…いいネぇ…いイ匂いだ…」

    前に突き出した剣を揺らしながら近づいてくる。
    老婆の言葉とはうらはらに、なんとも言えない刺激臭が微かに漂う。

    「ルフィ、おれがやる」

    そう言ってゾロは和道一文字を抜いた。

  • 106スレ主22/12/08(木) 22:18:45

    ちょっと数日忙しくて毎日更新ができないかもしれません
    でも自分も楽しいので1日1つは落としたいと思ってます

  • 107二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 23:44:01

    うわぁすごいぞわっとした
    牛乳…

  • 108二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 09:15:49

    匂うって言ってたから臭い方かと思ってたら(ばあさんにとっては)いい匂いの方なのか

  • 109二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:38:56

    保守

  • 110スレ主22/12/09(金) 23:31:46

    老婆はふらふらと体を揺らしている。

    構えたものの、ゾロは攻めあぐねていた。
    技量からすると、勝負は一瞬で片がつくだろう。
    しかしいくら怪しいとはいえ相手は年寄だ。
    それに、最初に討ちあった時の違和感を再び感じていた。
    ギラギラとした敵意と同時に底なしの虚無感が伝わってくる。

    …首の後ろがチリチリする。嫌な感じだ。

  • 111二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 07:06:59

    保守

  • 112二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 15:34:34

    気になる👀

  • 113二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 22:42:34

    保守

  • 114二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 06:23:54

    保守
    めっちゃ気になる

  • 115二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 15:51:08

    ホシュッ

  • 116二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:26:32

  • 117二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 06:58:06

    ホシュッ

  • 118二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 13:27:20

    このレスは削除されています

  • 119スレ主22/12/12(月) 13:48:31

    ゾロは刀を握り直すと、雑念を捨て目の前に集中する。

    「邪マだよ…」

    老婆が呟いた。刹那、その体が横っ飛びに跳ね走り出す。
    ゾロはすぐさま並走し躊躇せずに刀を薙ぐ。
    老婆はそれを跳んで避けると宙返りをして後ろの藪に飛び込み姿を隠した。

    老婆の気配が消えた。

    ゾロは神経を研ぎ澄ます。

  • 120二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 14:01:35

    このレスは削除されています

  • 121スレ主22/12/12(月) 14:03:02

    …匂う
    その目は枝葉のすき間から標的を狙う

    ざ…と気配が立ち上ると同時に老婆の持つ剣が白い矢のごとくルフィ目掛けて飛び出した。直後に響き渡ったのは激しく金属のぶつかる音。

    ゾロが割って入りその攻撃を押し戻した。
    力負けしたのか、老婆はまたしても後方へ飛んで逃げる。

    が、そう何度も通用しない。

    ゾロは今度こそ狙いすました一撃を放った。

  • 122スレ主22/12/12(月) 14:05:14

    貼り間違えましたー

  • 123スレ主22/12/12(月) 14:22:06

    まともに喰らった老婆の体は大きく跳ね飛ばされ地面に転がる。
    その衝撃で剣が手から離れ宙に放り出された。

    ゾロは素早く走り寄っり切っ先を相手の喉元に突きつけた。

    「おい、テメエは何モンだ!?」

    老婆は仰向けに倒れたまま微動だにしない。

    ゾロの中で強まる違和感。先ほどより強く感じる異臭…。

  • 124二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 22:57:43

    保守屋

  • 125二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 05:28:27

    保守

  • 126二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 14:41:21

    ほしゅ

  • 127スレ主22/12/13(火) 22:04:04

    今まで飛び回っていたとは思えない枯れたように薄い体。顔の半分以上が白い。
    老婆のひび割れた唇が何か言いたげに弱々しく震えるが、そのままだらりと力なく開け放たれ、それっきり動かなくなった。

    ゾロは刀を引いた。老婆はこと切れている。だが原因は今の攻撃ではない。

    うなじにはまだ逆毛が立っている。

    背後で気配が動いた。

  • 128二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 22:07:56

    アッハイ異臭って死臭ですかね

  • 129スレ主22/12/13(火) 22:16:17

    振り返ると藪を切り裂き白い光が一直線に地を走った。
    次の瞬間、それは跳ね上がりぶつかる勢いでルフィの手の中に納まった。

    ルフィは思わず重心を持っていかれる。白い剣が天を突きぎらりと光る。

    「ルフィ!それを放せ!!」
    「くっ…それが…離れねェ!」
    「なんだと!?」

  • 130スレ主22/12/13(火) 22:37:13

    ルフィは歯を食いしばって剣を握った右手首を左手で押さえている。

    剣は一度ぶるっと大きく震えると、いきなりグリップがくねりながら伸びていった。
    その先端は細く、しなるように宙に弧を描くとルフィの傷口目がけて落ちていく。

    「…このヤロウ!」

    怒気を孕んでそう言い捨てると、瞬時に右腕に武装色を纏った。
    そして剣を掴んだまま思いっきりぶん回し、遠心力に任せて腕を長く伸ばした。

    白い先端が剣ごと離れてゆく。

  • 131二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 07:05:49

  • 132二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 17:28:49

    保守

  • 133スレ主22/12/14(水) 22:50:56

    大きく振り回された腕の先に向かってゾロが走る。

    スピードをつけて前方に迫る白い剣に刀を振り下ろす。
    刃が当たる瞬間、ゾロの目の前で剣の残像がぐにゃりと歪んだ。

    ゾロの刀は空を切り、ルフィの腕はそのまま旋回していく。
    しかしその腕にある白い剣は変貌していた。

    ぬらりと光る太いワイヤーのようなものが身をよじらせるように暴れている。
    その動きが激しくしなりルフィの力ずくで握った手を振りほどくと、うねりながら地面へどさりと着地した。

    砂埃りの中、そこには白く光沢を帯びた大蛇が鎌首をもたげていた。

  • 134スレ主22/12/14(水) 23:01:46

    場面転換ってどうやったらうまくできるんですか…

  • 135二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 23:10:00

    ーーーーーとか◇◇◇とか挟んどけば場面転換ってことになると古事記に書いてある

  • 136スレ主22/12/14(水) 23:11:04

    >>135

    ありがとう古事記とはスゲェもんだ

    ちょっと書いてくる

  • 137スレ主22/12/14(水) 23:23:50

    ..._____..._____...

    緩い上り坂。町に向かいウソップはローの少し後ろを歩いていた。

    「トラ男がいてくれて助かったよー。お前珀鉛病に詳しいのな」
    「………北の出身だからな」

    ローは前を向いたままそっけなく言うとまた歩き続ける。

    悪いやつじゃなさそうだけど愛想ってモンがねェな。
    ウソップは思ったがまだそんな軽口はたたけなかった。

    その時、後方から微かにエンジン音が響いてきた。

  • 138スレ主22/12/14(水) 23:53:22

    「おーーい!おまえらーーー!!」

    フランキーの乗るバイクが爆音を上げて近づいて来た。
    あっという間に追いついて2人の側に停まる。
    後ろのシートには獣人型に変化したチョッパーが毛布に包まれたナミを抱えていた。

    「ナミ!?お前らなんで来たんだ?」
    「ウチの船医が大急ぎでお前らに追いつきたいって言うからよォ、スゥーパ~~最速で連れてきてやったぜ」
    「いやだからなんで?」
    「ウソップ、トラ男!この珀鉛病のことちょっとわかったかも知れないんだ!」

    チョッパーがバイクから降りながら言った。

  • 139二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 06:39:11

  • 140二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 18:04:50

  • 141スレ主22/12/15(木) 23:23:12

    「何がわかった?」

    少し離れて様子を見ていたローが近づいてきてチョッパーに聞く。

    「ルフィの傷口から採ったサンプルを調べてみたんだ。そしたらやっぱり生物毒に似てて…成分は蛇毒が一番近かった」

    そう言って腕の中にいるナミを見る。
    ナミは顔色こそ悪いが意識はしっかりしているようだ。

    「だからとりあえずナミには船にあった血清を打った。でもちゃんと調べたいから病院に連れて行きたいんだ」

  • 142二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 23:28:21

    このレスは削除されています

  • 143スレ主22/12/15(木) 23:31:47

    「わかった。容態は落ち着いているようだな…腕を見せてみろ」

    ローに促されナミが毛布から左手を出す。
    白い部分が二の腕あたりまで広がっている。

    「気分はどうだ?」
    「あまり変わらないわ。大丈夫」
    「もし血清が効けば白斑はこれ以上広がらないと思う」
    「…毒と珀鉛が結びついている仕組みはまだ解らずか」
    「うん…それはルフィ達が言ってたおばあさん見つけて聞くしかないかも」

    チョッパーの言葉を聞いてローとウソップは今来た道を振り返り、その先の森を見やった。

  • 144スレ主22/12/15(木) 23:32:20

    またまた貼り直しました…

  • 145スレ主22/12/16(金) 08:53:59

    いつも筆遅くてすみません保守

  • 146二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 17:14:15

    一味はローの過去のことは知らないんだな

  • 147スレ主22/12/16(金) 22:59:28

    週末ちょっとペース落ちます保守

  • 148二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 09:47:30

    ゴムゴムの保守

  • 149二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 20:00:13

    ほーーーーしゅ

  • 150二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 21:31:10

    ちょっとずつ話が進んでいくのも乙なものだからスレ主は無理せずね

  • 151スレ主22/12/17(土) 21:31:56

    ——森の中。

    蛇はもたげた頭をゆらゆらと揺らしながらカッと牙を剝きだして二人を威嚇する。
    真珠のような白い鱗に脇腹に沿ってギザギザと波型の文様が動くたびに銀色に光る。

    「ルフィ!大丈夫か!?」
    「ああ!なんだこいつ!?」

    ゾロは直感的にルフィの盾になるように白蛇と対峙する。

    咽からシャーッと鋭い音を発し、白蛇は間合いを図るようにじりじりと移動する。

    ルフィはもう一度武装色を両手に纏うと闘気をむき出しにした白蛇に向かって身構えた。

  • 152スレ主22/12/17(土) 21:42:02

    >>150

    ありがとうございます!無理せずいきます!

  • 153スレ主22/12/17(土) 21:47:22

    白蛇がいきなり跳躍した。
    ゾロが踏み込んだが刃の先から消える。

    速い。

    真上からうねりながら落下し、ルフィを狙う。
    腕に噛みつこうと襲いかかる。
    しかしその牙は硬化した武装色に阻まれまとわりつく間もなく弾き飛ばされた。

    白蛇の体が再び地面をたたく。
    すぐさま跳ねるように体を起こした白蛇はまた鎌首を揺らす。

  • 154スレ主22/12/17(土) 22:01:46

    光沢のない黒い目がきゅぅと細められ、窺うように赤い舌をちろちろと出す。
    ゾロがまた間合いを詰める。

    「ルフィ、ババァはもうダメだった」
    「なに!?……」
    「こいつが本体だ」
    「みてェだな…ぜってェ捕まえるぞ!」

    目の前の白蛇から目を逸らさないまま、ルフィとゾロのオーラが熱量を上げる。

  • 155スレ主22/12/17(土) 22:02:21

    本日ここまで
    いつも保守ありがとうございます

  • 156二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 04:12:30

    この蛇が元凶か
    なんなんだ!?

  • 157二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 08:09:31

    蛇が珀鉛病の原因か?ん?
    わかってきたようでわからない

  • 158二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 19:14:32

    ホシュランド

  • 159スレ主22/12/18(日) 22:26:25

    白蛇は隙のない目でこちらを睨んでいる。
    が、一瞬ふっと殺気が緩んだ。

    「あっ!しまった!」

    ルフィが思わず出した言葉が届かないうちに、目の前の白蛇が消えた。
    白い残像がものすごい速さで藪の下を突っ切っていく。

    「くっそ!逃げられた!」
    「ゾロ!森の外だ!出るぞ!」

    二人は白蛇を追い藪を抜けていった。

  • 160スレ主22/12/18(日) 22:52:27

    「……オイ、今なんか光ったぞ」

    最後まで振り向いて森を見ていたウソップが言った。

    目を凝らすと遠くに下草をかき分け移動する影が見える。
    時折光を反射させながら右へ左へと動く。

    そしてぴたりと静止すると、ものすごい勢いで丘を駆け上がり一直線にこちらへ向かってきた。

    「う、うわ、わわわわああああこっち来たあああ!」

    あまりの速さにウソップは声を上げた。
    全員がいっせいに振り返る

  • 161スレ主22/12/18(日) 23:24:24

    シャァァァという不気味な音が響き何かが草むらから飛び出した。
    それは稲妻のような速さで悲鳴を上げるウソップの脇を通過しローへと突進した。

    ローはとっさに鬼哭を盾にそれを弾き飛ばす。

    重い音を立て何かが草むらに落ちた。
    そして草を跳ね上げ大きな白い蛇が頭をもたげる。
    ローに向かって赤い口蓋を見せカッ、カッ、と咽を鳴らしている。

  • 162二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 06:42:01

    続きやったー!!
    ありがとうございます

  • 163二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 17:10:51

    保守

  • 164スレ主22/12/19(月) 22:52:09

    白蛇は再び飛び上がるとローを狙う。
    ローがそれをかわしながら腕を伸ばす。

    「なんだこいつは!?…ROOM!」

    淡い光がまるく広がる。

    白蛇は瞬時に身を引くような動きをした。
    そして後方に、横方向にとジグザグに素早く移動し続ける。

  • 165スレ主22/12/19(月) 23:21:40

    「危ない!!」

    出鱈目に飛び回る白蛇が勢い余ってチョッパーとナミに激しくぶつかった。
    弾き飛ばされた二人はたまらず地面に転がる。

    「ナミ!!チョッパー!!」

    ウソップとフランキーが叫ぶ。

    「……ナミ?」

    いつもの大きさに戻ったチョッパーが上半身を起こしながら怪訝な声を出した。

  • 166スレ主22/12/19(月) 23:39:33

    ナミはうつむいたまま、その体を包んでいた毛布ごとむくりと立ち上がる。
    ゆっくりと正面を向いた瞳に光がない。

    そして、ゆらりと揺れると毛布が地面に落ちる。

    ナミの左手には白い剣が握られていた。

  • 167二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 09:39:53

    保守!

  • 168二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:16:33

    このレスは削除されています

  • 169二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 00:55:58

    シャン保守

  • 170二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 09:44:28

    人を操って襲ってくるとかこの蛇こわ…

  • 171スレ主22/12/21(水) 09:47:38

    あれ??チョッパーの台詞抜けてる!

    >>168貼り直しさせてください!♡貰ってるのにごめんなさい!



    グリップから伸びた蛇の尾がナミの白い腕に埋まるように巻きついている。

    ローに真っすぐ向けられた切っ先が膨張し、蛇の頭に変化し牙を剥いた。


    「ソの匂イ…おまエか…」


    しわがれた声がナミの喉から発せられた。

    蛇の頭が消えると同時にナミが信じられない高さに跳躍し、ローに向けて剣を突き出す。


    「やめろォ!!!」


    チョッパーの絶叫が技を出しかけたローの手を止めた。

    ローは舌打ちをすると鞘で飛んできた剣をナミごと弾き飛ばす。

  • 172スレ主22/12/21(水) 10:43:49

    「やめてくれトラ男!ナミがもたない!」
    「くそっ!じゃあどうすりゃいい!?あの手を見ろ!剣と同化している!」

    ナミは立ち上がり、禍々しく光る切っ先をローに向ける。

    「こレ以上ナイ我の器だ…寄コせ、そノ体!」
    「こいつ…何言ってやがる…!」

    ナミの体を通して、白蛇が唇をゆがめて嗤った。

    「我ガ壊してヤる…望みドオりにナ」

  • 173スレ主22/12/21(水) 11:33:11

    ——黒く渦まく怨嗟を孕みその刃は白く輝く。

    老人は研磨を終えると柔らかい布で丁寧に剣を拭った。
    体があちこち痛み出す中、王家から賜った注文の品を全精力をかけ作り上げた。
    職人として最後の、いや、人生の最後に最高傑作を産みだし、今ばかりは充足感に包まれる。

    白く変色し、もううまく力が入らない指先で剣を箱に納め、綺麗な飾り紐で縛る。

    「…行ってくるよ」

    老人はもう返事が返ってくることのない室内に向かって言うとドアを閉めた。

  • 174スレ主22/12/21(水) 11:33:56

    妻はつい先日、同じ病で逝ってしまった。
    自分も長くないだろう。

    箱を抱える。

    この剣を献上した代金で、せめて息子夫婦と、孫だけでも良い医者に診せてやりたいと思っている。

    町はかつての栄華が嘘のように、ひっそりとただ太陽の光を白く照り返している。

  • 175スレ主22/12/21(水) 12:49:44

    王宮に着くと使用人専用の裏口から中へ入る。
    何度も訪れたこの場所だが、今日は少し様子が違う。
    受付の護衛官がいない。

    受付の先を見やると、普段は固く閉ざされている王族の住居へつながる扉が開け放たれている。

    多少の不安はあったが、沸き上がった好奇心に促され老人は通用口を奥へと進む。
    広くて豪奢な廊下に突き当たった。しかししんと静まり帰り人っ子ひとり見当たらない。
    老人はふかふかの絨毯にゆっくり足を下ろした。

    その時、廊下の突き当りから声がした。
    大急ぎで老人は通用口に引き返しそっと様子を窺う。

  • 176スレ主22/12/21(水) 13:20:32

    「もう王族関係者は誰も残っていないな?」
    「ああ。しかし考えたらひでぇ商売だなぁ。働かせるだけ働かせて病気が発症したら国ごと使い捨てて自分たちはトンズラとは」
    「政府もえげつないな。儲かればなんでもいいのかよ」
    「権力がすべてさ。あーあ俺も生まれ変わったら王様になりてぇ」
    「…オイ、今何か音がしなかったか?」
    「ああ、廊下の奥だ」

    言うなり男が一人走り出した。
    ほどなく大きな箱を抱えた老人を引きずるようにして連れてきた。

    老人は今自分が聞いたことの意味を反芻し、呆然としていた。

  • 177スレ主22/12/21(水) 13:39:49

    一気に書いたらまあ誤字脱字が多いこと
    いつもすみません

  • 178スレ主22/12/21(水) 13:45:57

    「聞かれたな」
    「ああ、どうするよ?」
    「お、お前さんたち、今のはどういうことじゃ?王が逃げ…!?」

    問いかけた老人の胸に、男の太刀が深く突き立てられた。
    箱が腕から滑り落ち大きな音を立てる。
    それを追うように老人が崩れ落ちる。

    「いきなり刺すかぁ?お前?」
    「逃がすわけにはいかない。それにどうせ死ぬんだ」
    「チッ…面倒増やしやがって」
    「捨てておけ。すぐにここは燃やされる」
    「あ、ちょっと待った。この箱…」

    男が箱を開けると、真っ白に輝く美しい剣が出てきた。

  • 179二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 14:02:31

    このレスは削除されています

  • 180スレ主22/12/21(水) 14:26:01

    「ほぅ…珀鉛の剣か。これは珍しい」

    職人の最高傑作は、一目見た者を虜にするほどの出来栄えだった。

    「おい、これは持って行け。使えるかもしれない」

    男たちは剣を箱に納め直し引き上げていった。

    老人は朦朧とした意識の中で、その後姿を見送る。

    儂の剣…王の為に丹精込めた剣…
    まさか白い病…この災いは王が作り上げたものだった…のか。
    王家が国民すべての明日を…壊したのか。

    老人は残された家族の明日を思い描くこともできず、無念のまま永遠に瞼を閉じた。

  • 181スレ主22/12/21(水) 17:17:01

    それから数日後、他国からの過激な迫害に対抗しついに戦争が起こる。
    主の去った王宮はすぐに焼け落ち、美しかった町は火の海と化した。

    一方、同じ刻とある島の研究所ではあるものが消えていた。

    「あれは成功したんだろう?何か起こる前に探し出せ!」

    だが消えたものが見つかることはなかった。

  • 182スレ主22/12/21(水) 17:38:36

    人が作る地獄 そうして欲しいのだろう?
    我ら殺された者たちと同じようにしてやる
    さあこっちに来い 我がすべて壊してやろう…



    ナミが構える。剣の先がまたゆらゆらと揺れる。

    「サあ…」
    「何が望みどおりだ!ふざけるな!」

    ローは白い剣身を狙い鬼哭を討ち込む。
    ナミの体がすっと引かれ白い刃がまたしても蛇に変化した。
    素早くローの腕に巻きつき強い力で締め上げる。

  • 183スレ主22/12/21(水) 17:43:33

    白蛇がローの顔の前でカッと牙を剥く。

    「何ヲいウ…災いヲまき散ラス…我がコこニイる理由ダろう?オ前らガわざわザ呼び戻シた」
    「くっ!シャンブルズ!」

    白蛇の牙がローの喉元に食らいつく寸前に抜け出し、また構える。

    「呼び戻した?」
    「あァ…」

    また剣の姿に戻り、こちらを狙う。
    ナミが蛇のように剥きだした歯の間からしゅう、と息を漏らす。

    「ヘビヘビの実…モデル、ノコギリヘビ。我ガ喰らわさレた悪魔の実ダ」

  • 184スレ主22/12/21(水) 19:23:27

    スレ主です
    怒涛の書きこみしてしまいましたが明日から4~5日間もしかしたら書けないかもしれませんのでがんばりました
    来週半ばにはまたちゃんと再開したいと思います
    もしできたら書きこみします

  • 185二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 20:52:55

    それなら次スレ立てといたほうがいいかも

  • 186スレ主22/12/21(水) 21:01:09

    >>185

    了解です!保守には来れますのでタイミング見て建てたいと思います

  • 187二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 06:54:58

    保守

  • 188二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 12:11:16

    保守!

  • 189二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 20:55:51

    保守

  • 190二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 06:29:26

    保守!

  • 191スレ主22/12/23(金) 12:20:44

    保守!
    今日の夜にでも次スレ作ります

  • 192二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 12:56:48

    ヘビヘビの実を食べた珀鉛制の剣…でもそれだけじゃない
    兵器利用のために悪魔の実を食べさせた?

  • 193二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:18:46

    ホッホッホッ

  • 194スレ主22/12/24(土) 08:41:37

    保守です!

  • 195二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 19:21:50

    保守だべ

  • 196スレ主22/12/25(日) 00:07:33
  • 197二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:18:03

    埋めますね

  • 198二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:18:21

    うめ

  • 199二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:21:22

    うめうめ

  • 200二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 01:13:32

    埋め

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