【SS】モーニングパン

  • 1二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:15:51

    「お兄さま、お待たせ。ライス支度に準備かかったけど、迷惑かけたかな……」

    「いいや、俺もさっき来たばかりだから、待ってないよ。さぁ、いこうか、ライス」
     
     お兄さまはそう言って、まだ、お日様が完全に出てない薄暗い朝方にライスと一緒にモーニングを食べに出かけていった。
     お兄さまはライスがいつも朝食にパンを食べていることを知っているから、ライスのために今日は美味しいパンを出してくれるカフェに連れて行ってくれる。

     そのおかげでライスは今朝の朝食を楽しみにしていられたし、お兄さまとこうして一緒に出かけられることで嬉しいが、同時にお兄さまの睡眠の邪魔になっていないかという不安もあった。
     
    「お兄さま、こんな朝早くから、ライスのために早く起きてもらってゴメンね」

    「頑張ってるライスのためだから、全然大丈夫よ。それに、俺はライスのトレーナーなんだから、これぐらいは当然だよ」

    「えへへ……ありがとうお兄さま!」
     
     ライスを元気づけてくれるためにそんな言葉をかけてくれて、お兄さまの優しさが胸に染みわたる。
     
     早朝トレーニングと違って、ライス一人で走るのではなく、二人でゆっくりとしたペースで、お日様が登る様子を見ながら、歩いていった。
     日が昇ったことからか、途中通った河川敷では周りには同じように散歩している人やジョギングをしている人が多くいて、すれ違うたびに挨拶を交わす。
     そんな中でも、お兄さまは周りの人にちゃんと目を配りながら歩いていた。
     やっぱり、お兄さまはとても優しいなぁ……。
     
     それからしばらくすると、商店街少し離れた所にある目的地のカフェに到着。
     そこは昔ながらの雰囲気のあるレトロなお店で、そして、扉を開けるとカランコロンという鈴の音とともに中に入ると、店内は挽きたてのコーヒーの良い匂いに包まれる。
     店内の内装も木を多く使ってあり、ゆったりとしたジャズ音楽が流れることで、落ち着けるような空間となっていた。
     まだ、朝の早い時間なのにカウンター席には地元の人が新聞を読みながらコーヒーを飲みながら座っている。
     お店の奥のテーブル席の方を見ると、スーツ姿のサラリーマンらしき人たちが、トーストセットを食べていた。
     ライスとお兄さまはテーブル席に着いて、メニュー表を見る。
     

  • 2二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:20:35

     お兄さまがオススメしてくれた、この店の一番人気だというフレンチトーストを、ライスは食べることに決めて、カフェオレと一緒に注文する。お兄様はモーニングセットとの、サンドイッチとホットコーヒーを注文した。
     しばらくして、店員さんが運んできてくれたフレンチトーストは、分厚い食パンの四分の三ほどの大きさで、卵液がよく染み込んでおり、表面はカリッと焼けていてとても美味しそう。
     お兄様の頼んだサンドイッチも来たので、一緒にいただきますをしてから、ナイフとフォークをとる。
     
     早速ナイフを入れると、ふわっとした食感と共に、卵液が溢れ出てきて食欲を刺激する香りが広がる。
     まずはそのまま食べてみると、ふんわりと柔らかい口当たりでほんのりと甘さが口に広がっていく。
     今度はバターをつけて食べると、より一層味が引き立つ。
     最後にメープルシロップをかけると、甘い風味が広がり、また違った味わいを楽しむことができた。
     ライスが幸せそうに食べてるのを、お兄様が嬉しいそうに見ながら、

    「どう?ライス」
    「うん!すごく美味しいよ!お兄さま!!」
    「それは良かった。じゃあ、こっちのサンドイッチもおいしから食べてみて」
     
     そう言われて、ライスはお兄さまがくれたサンドイッチを一切れあげようとしたので、ライスが口を開けて待っていると、お兄さまは戸惑いながらも

    「はい、あーん……」
     
     とライスの口に卵のサンドイッチを食べさせてくれる。ちょっと恥ずかしかったけど、でもそれ以上に嬉しかったライスは、そのままモグモグと噛み締めてみる。

    「どお?」
    「うん、これもおいしいね!」
    「気に入ってもらえて良かった」
    と言って、お兄さまは優しく微笑んでくれる。その笑顔が見れただけでライスの心は温かくなるような気がした。
     その後、ライス達はお店を後にして、トレセン学園に帰ることにした。
     途中、河川敷を通るとちょうど日が出ており、その光がライス達を照らしてくれている。
    「お兄さま、綺麗な朝陽だね。今日はいい一日になりそう」
    「あぁ、本当にね」
     その言葉を聞いて、トレーナーは今日もまたライスのために頑張ろうと思えるのだった。

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:24:23

     書いたことがない朝の時間帯での活動を書いてみました。

  • 4二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 19:30:41

    フレンチトースト食いたくなってきた

  • 5二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 20:04:05

    素晴らしい雰囲気だGJ!

    ただ一つ問題点を挙げるとすれば、飯の直前に見ると腹が減って死にそうになることだ。

  • 6二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 20:06:07

    セリフとシチュ抜き出せばそのまま公式のイベントとして使えそうなクオリティだぁ…

  • 7二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 21:48:45

    すき…

  • 8二次元好きの匿名さん22/12/01(木) 23:46:50

    こういうのでいいんだよ

  • 9二次元好きの匿名さん22/12/02(金) 05:16:38

    >>8

    わぁ~い、素敵なイラストありがとうございます。恥ずかしそうなライスかとても良いです。


    応援コメントもありがとうございます。

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