[ss] イタズラ好きな霊

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:39:15

    カチッ──チカッチカパチ───
    照明が点滅している。ときどきこういった霊現象が起こるため、私たちはほとんど慣れており特別な反応はしなかった。
    日も暮れた夕方、トレーナーさんは書類仕事をしており机に向かっている。私の用事は済んでおり、トレーナーさんを待っている状況だ。
    「トレーナーさん…念のためドアのほう、閉めてきますね…」
    「ん、ああ、ありがとう。じゃあ俺は窓のほう閉めてくるよ。」
    二手に別れ、私がドアを閉めた瞬間、バチン──と部屋の照明が切れた。
    「おや…電気が切れてしまいましたね…トレーナーさん…大丈夫で──!」
    ダッ、と私はとっさに走り込みトレーナーを抱きかかえた。急に意識を失ったのか倒れ込んだからだ。
    「トレーナーさん…?大丈夫ですか…?」
    声をかけたらトレーナーさんが立ち上がった。少し妙な気も感じたが、どうやら無事なようだ、と安堵すると───両肩をガッと掴まれた。そして───

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:39:36

    「んっ!?〜〜〜っ!」
    思い切り唇を押し付けられた。そして肩を掴まれたまま押され、背中からソファに倒れ込んだ。
    「んっ…プハッ…ト、トレーナーさん…?んっ!?」
    再び唇が押し付けられ、舌が侵入し口内が蹂躙される。いったいなぜトレーナーさんが無理やりこんなことを、と考える。抵抗はできるが加減を間違えるとトレーナーさんを怪我させてしまう。と、周りを見渡したら窓が開いたままだ。そして先ほどから感じる霊の気配、とすると何らかの霊が窓から入り、トレーナーさんに取り憑いている可能性がある。しかしこの状況をどうすれば…
    「プハッ、ケホッコホッ、んっ…!……!?」
    離れたと思ったら、またしてくる。息が苦しい、そしてトレーナーさんの右手が私の胸に伸び、左手で服を脱がそうとしてくる。どうやら手段を選んでいる暇はないらしい。心の中でごめんなさい、トレーナーさん、と謝りながらトレーナーさんの肩を掴み引き剥がした。そして両手を広げ
    「バチィンッ!!」
    と、トレーナーさんの両頬を叩いた。今の一撃で意識が飛んだのか再び倒れこんでくる。それを受け止め、トレーナーさんに憑いている霊に話しかける。
    「縺薙l縺ッ遘√?繝医Ξ繝シ繝翫?縺輔s窶ヲ髮「繧後※縺上l縺セ縺吶°?」
    …分かってくれたのだろうか、トレーナーさんから霊の気配は離れ開いた窓から外に出ていった。悪霊の類じゃなくてよかったとホッと息を吐き、気を失ったトレーナーさんを抱きしめる。

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:40:06

    「んぅ………ん?」
    意識が朦朧としている。寝てしまっていたのだろうか、なにか暖かいものに体全体が触れているようだ、そしてなぜか妙に両頬がヒリヒリする。
    「おや…目覚めましたか?」
    「……?カフェ…?」
    腕で体を支えあげ状況を確認する。ソファに倒れていた自分、その下敷きになっていたカフェ、よく見ると唇とその周りが濡れており、服装も若干はだけている……
    バッ、と勢いよくソファから起き上がり離れる。
    「その様子なら…体は大丈夫なようですね…」
    「…なあカフェ、その、俺は君に…何をしたんだ?」
    と聞くと、自分が一時的にイタズラな霊に取り憑かれておりそのときに少し襲われた、とのことだった。話を聞いて顔が青ざめた。なんてことだ、自分の担当ウマ娘、それも学生に手を出してしまったのだ。すぐに頭を下げ謝罪した。
    「その…トレーナーさんは自分の意思で動いてたわけじゃないですし…私は気にしてませんが…」
    「いや…しかし…自分の意思でないとはいえ教え子に手を出したんだ…どう詫びればいいものか…」
    最悪契約解除…いや、学園や警察に通報されてもおかしくないことをしてしまったのだ。たとえ本人が気にしなくてもいいと言っても何も無かったことにはできないだろう…。
    謝罪を聞いたカフェは少し悩むような仕草をし、
    「ふむ…そうですね、では…」
    …何を言われるだろうか、いや、何を言われても仕方がない、受け入れるだけだ。

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:40:22

    「──最近、気になる喫茶店があるんです…しかし…少々値段が気になるんです…良い豆を使っているので…高いのは仕方がないのですが…ですので、トレーナーさん…一緒に行って、一杯ごちそうしてもらえませんか…?」
    まさかのお出けのお誘いだった。
    「えっ…と…そんなので良ければいいけど…ほんとにそれでいいの?」
    「はい…トレーナーさんと一緒に飲むコーヒーは…とても美味しいので…」
    少し泣きそうになった。気を使ってくれてるのかもしれないが、まさかこんなにも慕ってくれるとは…。
    「では…寮も門限が近いですし…そろそろ帰りますね…」
    「あっもうそんな時間か、その…今日はほんとにごめんな、迷惑かけて…」
    「大丈夫です…気にしてませんから…それに…」
    チュッ──と、すれ違いざまにカフェの唇が自分の頬に触れた
    「…迷惑だなんて…思ってないですから…」
    頬を赤くしたカフェがそのままドアを開けて帰って行った。あっけに取られてポカンとしていると…
    ───ドンッ、と、何かに頭を小突かれた。

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:42:03

    おっ?

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:44:35

    以上です。処女作です。ご覧頂きありがとうございます。

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:45:07

    >>6

    ええやん!

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:45:32

    トレーナーが自分の意思でしてくれる日が待ち遠しい…

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:49:49

    ほっぺっていう距離感がとても好き
    ゆっくり仲を深めて行ってくれ

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:52:14

    いいね!
    しかしホントに今日はカフェトレの供給が潤沢だな
    カフェイン中毒になっちまうよ

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:55:47

    多分分かると思いますが、1と2はカフェ視点で、3と4はトレーナー視点です。

  • 12二次元好きの匿名さん21/10/30(土) 21:58:33

    よきかな

  • 13二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 03:07:05

    アノレイ トレーナーニ ヒョウイスレバ カフェ オソウ
    コンゴノ テンカイヲ カンガエルト ミノガシタ ホウガ カフェ ヨロコブ ダロウ

  • 14二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 08:01:42

    「ふふっ…美味しい…です…」
    「ん、それは良かった」
    例の事件のお詫びに、連れて行ってほしいと約束した喫茶店に2人で来ている。正直これが乙女の純情を汚したお詫びになるのかは分からないが、喜んでくれているみたいだ。
    「ここは…雰囲気も静かで…落ち着いていて…リラックスできますね…」
    「そうだね、こういう場所でゆっくりしながらコーヒーを飲めるのは幸せだよ」
    自分もコーヒーを飲みつつ、ここ数日間を思い返す。まず、特に避けられたりはしなかった…というか、逆に距離を縮めてきたような気がする。ソファに座っているとき、隣に寄り添うように座って来たり、頭を撫でてほしいとお願いしてきたりと…。
    あの時の別れ際のキスもそうだが、カフェは自分に好意を抱いているのではと思った。いやないないと考えるほど流石にクソボケでもない。likeかloveかは分からないが。
    ……好意を持たれてるのは素直に嬉しい。しかし、大人と子どもの関係、あまり踏み込むことはできない。でも、できることなら彼女のために、彼女が喜ぶことをしてあげたい。もしカフェが今以上の関係求めてきた場合、それに応えてあげるべきなのだろうか…。
    「トレーナーさん…どうかしましたか…?」
    「……ん?」
    「いえ…どこか上の空でしたので…」
    「ああ…ごめん、ちょっと考え事してた」
    「そう…ですか…」
    顔に出てたのかもしれない。今日はカフェへのお詫びのために一緒に来てるのだから、これ以上1人で考え事するのは止めたほうがいいかと思い、この店のコーヒーについて語らうことにした。

  • 15二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 08:02:07

    帰り道、2人で並んで歩く。なんだか信号の挙動がおかしかったり、周囲に人間どころか鳥などの動物も見かけない気がする。ただ、特に問題はないので流すことにした。
    お互い無言で歩いていると、カフェがこちらを見つめ、
    「トレーナーさん…その…手を…繋ぎませんか…?」
    と聞いてきた。特に断る理由が無いし、周りの人に見られる心配もないので、
    「ん、いいよ」
    と手を差し出す。ギュッと手を繋ぎ、帰り道を歩く。夕焼けか、それとも照れからなのか、カフェの顔は赤く染まっていた。綺麗だな、と思いつい見つめる
    「その…あまり見ないでくれると嬉しいのですが…」
    後者だったらしい、カフェの顔がさらに赤く染まっていく、かわいい。思わずからかいたくなり、さらにじっと見つめる。カフェは顔を下に向け、繋いでいる反対の手で顔を覆った。全然隠せていない。少しニヤニヤしてたら、
    ───ドンッ、っとナニカに頭を叩かれた。あまりカフェに意地悪するなという警告だろうか、謝ろうと、
    「ごめんごめん、かわいかったからつい意地悪しちゃ」
    ドンッ!……また頭を叩かれた。なにか間違ったのだろうか、と、カフェのほうを見ると、顔を真っ赤にしていた。

  • 16二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 08:03:06

    続き書いてみました。後半はただイチャついてるだけですねこれ。

  • 17二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 08:03:46

    ありがとう
    もっとイチャイチャしろ

  • 18二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 09:25:00

    上質なラブコメだ…ありがとう…

  • 19二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 21:24:16

    ちょっと保守します

  • 20二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 21:29:28

    カフェが肩に寄り添って眠っている。パソコンの作業中に横に座っていたカフェからこてん、っと首が寄りかかったときにはもう眠っていた。
    「すぅ…すぅ…」
    トレーニングで疲れたのだろう、そう思い一旦席を外して横に寝かせようとしたが、謎の力により体が動かなかったためそのまま作業をしている。
    ──カタカタカタッ、パチン
    「ふぅ…今日の作業はこれで終わりかな」
    データを保存し、パソコンを閉じる。そして隣で寝ているカフェを見つめる。
    …かわいい寝顔だ、写真に納めておきたいが、相変わらず動けない上に手元にスマホが無いので諦める。
    最近、自分がカフェのことを見る目が変わってきている。倫理的にはよろしくないことだが、カフェに好意を抱くようになった。
    例の事件からカフェからのアプローチが多くなり、意識せざるを得なくなったのも大きいだろう。
    正直、自分としてはもっとカフェとお近づきたいのだが、大人と子どもという関係上良くない。社会的にまずいだろう。
    それに、もしもだが、カフェから自分への好意がlikeだったら、相手の信頼を裏切ることになってしまう。それは絶対に避けなければならない。
    ただ──寝ているなら、気づかれないなら、良いんじゃないのだろうか、と頭によぎる。そして手で少し前髪をかき分け、そっとおでこにキスをした。
    …この時間が、もう少し続けばいいのにな、と思いカフェの肩を抱き寄せる。

  • 21二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 21:30:42

    短いですが続きです、ほぼトレーナーさんだけですが。
    しばらく続きを書いていこうかなと思います。

  • 22二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 21:31:48

    あぁ、続きが読めるだなんて……ありがとう

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