- 1二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 09:30:16
今年もクリスマスがやってきました。
クリスマスと言えば、大好きな人やポケモンと一緒に過ごす楽しい日です。
ですが、この子には今、大好きな人やポケモンがいないようです。
「いやだ!いやだーっ!」
教会の裏に建てられた孤児院で響いたその大きな声は、この男の子・ラルフのものでした。
「ラルフくんダメよ、そんなに大きな声を出しちゃ。プンプン怒る子にはサンタが来ませんよ」
「サンタなんていらないやいっ!僕が来て欲しいのは、お母さんなんだよう!」
「ラルフくん……わかるわ、あなたの気持ちは。凄く辛いでしょうね……」
涙ながらに叫ぶラルフに、すっかり困った様子のシスター・ホルミー。
しわしわの手でラルフの頬を撫で、シスター・ホルミーは優しく語りかけます。
「でもね、どうかわかって欲しいの。今、あなたの家族は私たちなのよ。だからお願い、私たちと一緒にクリスマスを過ごしましょう?」
「そんなのお願いしてないよ!ぼくはお母さんと一緒にいたいんだっ!」
「あっ、ラルフくん!」
ですが、シスター・ホルミーの気持ちはラルフに伝わりませんでした。
ラルフは走って教会から出て行ってしまいます。 - 2二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 09:30:48
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- 3二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 09:43:34
支援
- 4二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 09:51:06
ラルフは街を走ります。自分ではどうしようもない気持ちで、心がいっぱいなのです。
ですが、幾らラルフが走ってもその心の傷が癒えることはありません。走るだけじゃ、辛さは消えないのです。
「ぼくのお母さん、知りませんか……?」
「えっ?君のお母さんなんか知らないよ。君は孤児院の子だろ?良かったら孤児院まで送っていこうか?」
「ぼくのお母さん、知りませんか?」
「さあね、君のお母さんの顔も知らないよ。でも今知り合った君はパーティに招待しようか」
走って街を巡る中で、ラルフは道行く人に自分の母親を尋ねました。
ですが、誰もラルフの母親を知りません。ラルフという子を知る人も少ないからです。
ラルフはそうして歩き疲れると、路地裏の階段に座り込みました。
「はあ……誰も知らない。でも、そりゃそうか。街の人が僕のお母さんを知ってるわけないよな」
ラルフも頭ではわかっていました。こんなことをしてもしょうがないということは。
ですが、寂しい気持ちがラルフを走らせていたのです。ラルフはどうしても、お母さんに会いたかったのです。
「会いたいよ……お母さん」 - 5二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 10:06:51
悲しみに暮れるラルフはすっかり気持ちも身体も俯いてしまいます。
すると、そんなラルフの耳に街中では妙な足音が聞こえました。
シュッ、シュッ……とスキー板を滑らせるようなその足音は、街中では聞くことがありません。
ラルフはその違和感に、思わず視線を上げます。
「……ん?」
すると、ラルフはまた妙な光景を目にします。
「デリ……バード?」
なんと、そこには人里に降りて来ることが少ないデリバードがいたのです。
はこびやポケモンのデリバードは主に雪山などに生息し、街中にいるのは大抵トレーナーのゲットしたデリバードなのです。
だというのに、そのデリバードは近くにトレーナーも見かけずに路地裏ですいすい滑っています。
「野生のデリバードなんて、街にいるんだ……あれ?」
ラルフはその物珍しさにデリバードをしばらく見ていると、またもや違和感に気付きます。
「なんか……あのデリバード、変にピカピカしてるな」
そう、ラルフが見たデリバードは、まるで超合金玩具のようなメタリック塗装がされていたのでした。 - 6二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 10:19:22
大丈夫?
ホラー映画じゃない? - 7二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 10:21:16
自分はスレ画の時点で覚悟してるよ
- 8二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 10:26:12
「え……これ本当にデリバード?」
ラルフは途端に怖くなりました。自分が軽率にデリバードと判断したそのポケモンが本当にデリバードなのかわからなくなったからです。
よく見たら瞳も液晶のようで、一昔前に流行ったお高めのハイテクロボット玩具のようです。
「こいつ、もしかしてデリバードじゃないんじゃ……」
そうラルフが呟くと、デリバードらしき謎のポケモンは無機質にラルフの方に向き直りました。
そして、まるで録音した人間のような声でラルフに話しかけます。
《YAA!BOKU DERI-BIRD!!》
「うわーーーッッ!?」
いきなり妙にノイズがかった声で話しかけて来たデリバードに、ラルフは驚きの声を上げます。
その直後、デリバードの首が勢いよくスポーンと飛び出してしまいました!
『ポ-ンッ』
「うわぁぁああ!?!?!?」 - 9二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 10:42:51
訳の分からないデリバードのその行動に、ラルフの頭の中ではもうそれがデリバードには見えていませんでした。
恐らく、何かもっと怖いお化けのような何かに違いない。ラルフは階段に蹲って頭を覆い、必死に懇願します。
「ひえええ!食べないで食べないで食べないで食べないで……!」
ああ、きっとぼくはこれから人喰いデリバードに食べられてしまうんだ……。
思えば短い人生だった、今行くよお母さん。そう考えて食べられることを覚悟していると、いつまで経っても覚悟した瞬間は来ません。
それどころか、何かウィンウィンと変な音が聞こえています。
『ウィ-ン ウィ-ン』
「うぅ……な、なんだ……?」
恐る恐る目を開けてデリバードらしき何かの方を見ると、デリバードらしき何かは仰向けに倒れ、翼と足をパタパタしながらじたばたしていました。
どうやら、何かの拍子に倒れて起き上がれなくなったようです。
「お、起き上がって来ない……逃げられる!」
これはチャンスです。今なら襲われずに済みます。
ラルフはへっぴり腰を立たせてそろりと忍足で逃げ出します。
しかし、逃げているラルフの耳に入ったデリバードらしき何かの声に、思わず足を止めてしまいます。
『ボク、クリスマス-』
「え……?」
『デリデリバ- デリデリバ- オショガツヨリスキ-』 - 10二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 11:12:10
「く、クリスマス……?」
デリバードらしき何かが言ったその一言に、ラルフは心が動きます。
昔の記憶が溢れ、それは今のデリバードらしき何かに重なるようでした。
(ねえラルフ、お正月とクリスマスだったらどっちの方が好き?)
(ぼく、お正月よりクリスマスの方が好き!)
(そう……フフ、お母さんもよ。ごめんね、ラルフ。来年からは一緒にクリスマスを過ごしましょうね……)
「……きみは、クリスマスが好きなの?」
『デリッバ-』
ラルフは、先程まで怯えていたこのデリバードらしき何かにシンパシーを感じてしまいました。
さっき発した言葉の意味は、もしかしたら人間とは違うのかもしれません。それでも、ラルフの心には何かが引っかかったのです。
「……今、起こしてやるよ」
『デリ?』 - 11二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 13:41:27
見た目のメタリックな印象と比べると軽く感じるような重さ(およそ11kg)の身体をラルフが起こしてあげると、デリバードらしき何かは液晶ディスプレイの目を笑顔にして嬉しそうな鳴き声をあげました。
『デデリバッバッバ ハロウィンオショガツタナバタ-』
「ふぅ……きみ、重そうに見えて意外と軽いけどやっぱり重いね……」
『デリバッバ』
「きみ、どっから来たの?雪山よりスーパーに住んでそうだけど」
『デリバリ-』
ラルフはこの不思議なデリバードらしき何かに尋ねました。
デリバードらしき何かにはそれが通じたのか、なにかをスワイプするような動作で手を空に切ると、また人間の録音のような声が聞こえました。
《YAA! BOKU DERI-BIRD!!》
「それはわかったから」
《KODOMO GA DAISUKI! IPPAI ASONDE! OMOIDE TUKURO!》
「……きみ、本当に変なデリバードなんだね」
《YAA! BOKU DERI-BIRD!》
「それはもういいよ!」
『デリバッバノバ』
ラルフはこのヘンテコなデリバードらしき何かのことが気になってきました。 - 12二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 13:44:38
- 13二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 13:45:25
このデリバード思ったよりいいやつなのか?
- 14二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 13:49:56
- 15二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:13:43
「はーっ、なんか変なやつに会っちゃったな」
『デリ』
取り敢えずデリバードらしき何かを起こしたので階段にもう一度座ったラルフは、ポケットから板チョコを取り出しました。
おやつはいつも常備しているのです。
「きみも食べる?」
『デリバ-ッ』
「じゃあ半分こね……美味しい?」
『デリシャス』
階段に隣同士で座ってチョコを食べていると、2人の間にはもうすっかり友達の和が出来ていました。
ラルフは気が抜けたのか、ぽつぽつと自分のことを話していきます。
「ぼく、きみみたいな面白い変なやつに会うの初めてなんだ」
『デリスマス』
「お母さんが死んでさ、孤児院に来て……でも、全然馴染めなくって。友達がいないんだぁ」
『デレンズ』
「きみは、友達になってくれる?」 - 16二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:18:29
《KODOMO GA DAISUKI! IPPAI ASONDE!》
「それ、録音でしょ?元のトレーナーかなんかの」
『バレンティン』
「きみはどう思ってんの?」
『デリバ-......』
デリバードらしき何かはちょっと考え込むと、ペタンと立ってラルフの前に滑り、手を振り上げて笑いました。
『デデバリデ-!!』
「本当!?やったぁ!!」
どうやら、デリバードらしき何かはラルフの友達になってくれるそうです。
嬉しさのあまりラルフが抱きつくと、またもデリバードらしき何かの頭はスポンと弾けました。
『ポ-ン』
「うわっ!?どうしたの!?」
『ア-』 - 17二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:23:15
ちょくちょくボケるなコイツ…
- 18二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:24:47
- 19二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:25:46
イベントの名前が鳴き声のデリバードとかゲーム本編のモブにいそう
- 20二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:33:26
頭は飛んだものの直後にそのままくっついたので、取り敢えずラルフはデリバードの手を引いて孤児院へと帰ることにしました。
「デリバード、ぼくのうちに帰ろう。家出しちゃってシスター・ホルミーが心配しているけど、友達が出来たって言えば許してくれるさ」
『デデ-ンバ』
「車に気をつけるんだよ」
よちよち歩くデリバードと一緒に歩道に出ると、2人の目の前の道路を大きなトラックが横切りました。
すると、またまたもやもやデリバードの頭がスポンと弾けました。
『ポ-ン』
「きゃあ!?」
「あのデリバード、頭が飛んだぞ!?大丈夫なのか!?」
おっと、これには道行く人もビックリです。
「大丈夫です!ぼくのデリバードちょっと変わってるんです!」
「なあんだ、ちょっと変わったデリバードなのか」
『ア-』
頭が戻ったデリバードと手を繋ぎ、2人はもう一度歩き出します。
「きみ、もしかして結構な驚き屋なの?」 - 21二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:34:49
- 22二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:39:21
- 23二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:42:19
- 24二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:43:58
- 25二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:45:28
SVでミラコラに指摘がないようにあの世界ポケモンに関しては割と雑そう
- 26二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 14:45:28
驚いたら首が伸びるポケモンくらいいそうなもんだろ
喉についたタイヤで走るモトトカゲも見かけたし - 272122/12/06(火) 14:45:29
- 28スレヌシ-!22/12/06(火) 14:48:32
- 29二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 18:55:39
ネルナーー!!!!
- 30二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 18:59:40
カケー!
- 31二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 19:18:22
キニシナイカラカケー!
- 32二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 21:09:15
道中街中の人に驚かれてしまいましたが、ラルフとデリバードは無事に教会に着きました。
途中で買ったアイスキャンディを舐め、2人はすっかり仲良しです。
「頭ポーンってしたらアイス屋さんの屋台がアイスをくれるなんて、ラッキーだなぁ」
『デリシャスデリシャス』
「きっと心配してくれたんだろうね」
教会に入ると、2人を出迎えてくれたのはシスター・ホルミーでした。
「ああ、ラルフくん!心配していたんですよ!」
「ごめんなさい、シスター……ぼく、我儘言っちゃって」
「いいのよ……あなたも辛かったでしょう……」
「シスター!ぼく、友達を連れてきたんです!」
「まあ!お友達が出来たのね!」
ラルフがデリバードを紹介すると、デリバードはラルフの後ろに隠れながら手を振ります。
『デリバ-』
「あら!デリバード!」 - 33二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 21:11:45
ツヅキキタ-!!
- 34二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 21:22:12
マッテター
- 35二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 21:24:26
タノシミー
- 36二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 21:37:47
- 37二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 21:39:56
シスター・ホルミーはデリバードの姿を見ると、パッと顔を輝かせました。
「この時期にデリバードと友達になるなんて、ラルフくんはとっても幸運ね!」
『デリババ-』
「でも、なんだかハイカラなデリバードねぇ。げぇむの画面みたいだわ」
「そうなんだよ、この子ちょっと変わった面白いデリバードなんだ」
「あらそうなの、個性的なのねぇ」
『デバ』
シスター・ホルミーがデリバードの頭を撫でると、デリバードの液晶は気持ち良さそうな顔になりました。
どうやら、デリバードもシスター・ホルミーが好きになったようです。
「ねえシスター、この子を孤児院で飼ってもいいでしょ?他の子やポケモンもお世話してるんだしさ」
「ええ、ええ!勿論良いですよ!ラルフくんのお友達だものねえ!」
『デリバンズ-』
「やったよデリバード!これからも一緒にいられるね!」
『クリスマス-!!クリスマス-!!』 - 38スレヌシ-!!22/12/07(水) 00:09:42
オレネルケ
- 39二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:11:30
オツカレー!
- 40二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:13:58
午後ローかなにか?
- 41二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:15:54
メタリックデリバード多すぎだろ
ここはエリアゼロか何かか - 42二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 06:55:43
ちょいちょい挟まれるギャグすき
- 43二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 07:28:26
「デリシャス」と「バレンティン」がすきq
- 44スレヌシ-!!22/12/07(水) 11:30:13
またも嬉しそうにデリバードは飛び跳ねます。ラルフと一緒にいれるのがわかったのでしょうか。
「来てよデリバード、孤児院を案内するよ!」
『デリバン』
「良かったねえラルフくん……」
デリバードを孤児院の中に連れて行くと、デリバードは興味津々に首を動かしています。
「ここが玄関で、ここが下駄箱で、これが神父様の写真立てだよ」
『デリシャッタ-』
「ここが廊下で……」
ラルフが孤児院を案内していると、珍しいポケモンがいるのがわかったのか孤児院内の子が集まってきました。
「わあ!サンタさんだ!サンタさーん!」
『ポ-ン』
「わあっ!?サンタさんの首が取れた!?」
「この子はちょっと変わったデリバードだよ、サンタさんじゃないよ」
「なあんだ、ちょっと変わってるだけのデリバードか……」
『ア-』 - 45二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:06:23
- 46二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:20:28
目を覚ませ!エリアゼロ突入組も『あれ?なんかメカメカしくなかった?』って言ってたろ!
- 47二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:26:54
ちょっとでもズレると即スプラッタしそう
- 48二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 17:03:31
「デリバードはサンタじゃないけど、ぼくの友達だよ」
『デリンズ』
「なんかテカテカしてるねー」
「カッコいい」
「玩具みたーい」
あっという間に子供たちに囲まれたデリバードは、これまた嬉しそうに液晶を笑顔にします。
本当に子供が大好きなんですね。
《YAA! BOKU DERI-BIRD!!》
「うわー!」
「喋った!」
《KODOMO GA DAISUKI! IPPAI ASONDE! OMOIDE TUKURO!》
「すごーい!喋ってる!」
「なんで喋るのー?」
「なんでだか知らないよ、でもデリバードって案外喋るんじゃない?」
「そうかなー?そうかも!」
「サンタさんの使いなんだから、特別なポケモンなんだよ」 - 49二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 17:58:37
そうかな…
そうかも…
…可愛ければOK! - 50二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 18:25:34
なんか段々デリバード語が分かりようになってきたかもしれない
デリンズはフレンズでバレンティンはバレたかみたいなニュアンスかな - 51二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 18:27:02
なんだろう…ほのぼのとしたいい話なんだけどいつ猟奇的な方面に舵を切られてもおかしくないような怖さがあるんだよな…
- 52二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 19:26:41
ポケ二次によくある幼少期からの相棒ってシチュいいよね
- 53二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 19:42:03
すっかり大人気になったデリバードは、パタパタと羽を羽ばたかせています。
早速みんなと打ち解けている様子を見て、シスター・ホルミーが入ってきました。
「さあさあ、みなさん。ラルフくんのお友達の歓迎会をしましょうね。明日は神父様も帰ってきますからね」
「「「「はーい!」」」」
「良かったなデリバード、みんなに人気だよ!」
《KODOMO GA DAISUKI!》
「ははっ!ご飯運ぼうな!」
『デリシャス?』
「シスターのご飯は美味しいんだぞ!サンドウィッチが沢山積み重なってるんだ!」
『デリシャス-!デリシャス-!』
ヘンテコな友達も出来て、これから孤児院は賑やかになりそうです。
良かったね、ラルフ。良かったね、デリバード! - 54二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 19:45:53
シリアス「そろそろ狩るか…♤」
- 55二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 19:47:44
孤児院滅亡ルートだけはやめて( ;´Д`)
- 56二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 20:53:05
子供が大好き…デリシャス…
なるほどね - 57二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 21:55:44
怖くないテツノツツミを…どうか見た目にすぐわず愉快なツツミのままでいてくれ…
- 58二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:35:48
テツノツツミにも人に慣れてる証は付くので…
- 59二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:37:17
やめろー!
- 60二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 00:29:39
新しい家族の歓迎会が終わり、翌朝になりました。
とっても騒がしい朝となっています。
『ジリリリリリリ!!!! ジリリリリリリリ!!!! アサダヨ-!!』
「うぅ〜ん……」
「うるさぁーい……!」
「なぁにぃ……?」
『フゴッ』
デリバードの目覚まし機能がみんなを起こしているようです。時刻は午前6時、小学校低学年なら健康的ですね。
雑魚寝状態のためもみくちゃになりながらあちこちから顔を蹴られ、デリバードは起き上がります。
『デリバヨ-』
「んあ……おはようデリバード」
『デリシャス-』
「朝ごはん?シスター起きてるかなぁ」
眠気まなこを擦り、ラルフも起きます。友達になってから最初の朝ですね。 - 61スレヌシ-!!!22/12/08(木) 00:30:06
オレクラベル
- 62二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 00:30:18
かわいい
- 63二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 01:02:28
色々搭載されてんなぁテツノツツミ
- 64二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 10:52:37
ラルフとデリバードがキッチンに行くと、とっくに起きていたシスター・ホルミーが朝ご飯を作っていました。
「おはようございます、ラルフくん。デリバード」
「おはようございます、シスター・ホルミー」
『デリデリバ-ス』
「今日の朝ごはんはアローラのハニー蜜をふんだんに使ったパンケーキですよ。沢山お食べなさい」
「やったぁ!パンケーキ大好き!」
『デリシャス?』
「凄い美味しいよ、デリバード!」
『デリシャス-!』
「あらあら、デリバードはとっても食いしん坊さんなのですね」
「昨日もたっぷり食べてたんだよ」
シスター・ホルミーの華麗な手首の使い方でフライパンの上を飛び跳ねたパンケーキを見て、デリバードは楽しそうに拍手します。
『デリババ- タナバタタナバタ-』 - 65二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 10:55:23
ちいかわのような不安感
- 66二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 10:57:50
なんかファービー感あるテツノツツミ
ファービーの声で再生されるわ - 67二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 11:14:16
このSSの影響でテツノツツミに可愛さを見出してる
帰ったら育てるか… - 68二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 14:05:34
「ほら、出来ましたよ。そろそろみんなも起きてくるから、お食事の準備をしましょうね」
「はい、シスター!」
ラルフはお手伝いをしていますが、デリバードはキッチンによじ登ってパンケーキにちょっかいを掛けてます。
『デリシャス- デリシャス-』
「こら、デリバードさん!みんなが揃ってからですよ!」
『デリシャス......』
「直ぐに食べられますよ。お席についてくださいね」
『デデリバ-』
シスター・ホルミーに叱られ、デリバードはすごすごと自分の席に座って行きます。
よちよち歩きをしていると、院の子供が落としたものに躓いてしまいました。
『ポ-ン』
「あら!また頭が」
『ア-』 - 69二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 14:24:10
七夕…?彦星お前…サンタさんだったのか…?
- 70二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 14:47:26
アー
すき - 71二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:25:15
そうこうしているうちに朝ごはんの支度が完了し、終わるまでずっと仰向けになっていたデリバードをみんなで起こしてあげます。
転ぶと起き上がれないのは、このデリバードの弱点ですね。
「うんしょ……はあ、やっぱ重いなあ」
『デリデリンバ』
「ねえラルフくん、この子モンスターボールに入れないの?」
「え?」
「モンスターボールなら転んでも一々起こさずにピュッと戻してパッと出せるよ?」
「そっか……モンスターボールに入れればいいのか」
『デリバ?イ-スタ-イ-スタ-』
「そしたらトレーナーになれるね!」
「ぼくがトレーナーかぁ、デリバードが相棒のトレーナーってなんかいいね!」
「ほらほら、みんな座ってください。お喋りはご飯を食べてからですよ」
『デリバ-!デリシャス-!』
「そうだね、デリバードまずはご飯を食べよっか!」
シスター・ホルミーのご飯の一言にはしゃぐデリバードに笑いかけ、ラルフもデリバードの隣の席に座ります。
「それでは皆さん、今日も母なるアルセウスに感謝の祈りをしましょう。天にまします我らの母よ……」 - 72二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:46:34
母なるアルセウス!!??
- 73二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:51:08
そいつに祈るのはやめとけギラ
- 74二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:51:38
アルセウスお母様説
- 75二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:51:43
シンオウなのか渡来したのか…全ての謎はパルデアの大穴に通ず
- 76二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:53:34
名探偵ピカチュウでもオーマイゴッドみたいなニュアンスで「アルセウスの母よ」って台詞あったから主神的な感じでは
- 77二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 23:55:58
お祈りを終え、みんなでパンケーキを食べます。デリバードも両手で大事そうにパンケーキを持って食べています。
『ン-デリシャスデリシャス』
「そんなにがっついて食べてると、喉に詰まっちゃうぞ」
『ウゴフッ』
「ほらやっぱり……」
「シスター、お背中叩いてあげなよ」
「あら、じゃあ失礼して……えいっ!」
『ウッ』
「あははは!凄い顔してるー!」
楽しそうな朝の食卓は、ラルフにとってとても久しぶりな景色です。
これも、デリバードに会えたからでしょう。友達が出来るのは、とても素晴らしいことなのです。
ラルフの頭の中では、こんな日々がずっと続いて欲しいと願っていました。
この幸せが、嵐の前の静かさとも知らずに……。 - 78二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 23:57:54
おい……おい……!
- 79二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 23:57:55
おいやめろ……
- 80二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 23:58:22
えっ…
せっかく幸せそうなのに… - 81二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 23:59:33
やだ怖い…
- 82二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 00:00:10
あー...うん...そうなるとは思ってた....
- 83二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 00:01:25
ここから狂ったオモチャ系ホラー映画始まっちゃうの?
- 84二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 00:02:25
『ウッ』
🤔 - 85スレヌシ-!!22/12/09(金) 00:05:24
キタイド-リノハンノウデエミガデルゼ
オレネマシュ - 86二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 00:07:50
オヤスミー‼︎
- 87二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 01:01:14
毎回首が飛んでからのアーで笑う
- 88二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 08:21:41
デリシャスだけ完璧に使いこなしてるのかわいい
- 89二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 11:53:23
「デリバード!遊びに行こうよ!」
『デリデリバ-』
朝ごはんを食べ終えた2人は、食器を洗ってから公園に遊びに行くようです。
すっかり雪景色となった街並みをコツコツとブーツを鳴らしながら歩き、ラルフを追うようにデリバードは滑ります。
『ク-リ-ス-マ-ス-』
「おっ、ツリーが飾ってあるよ!昨日の夜に街の人たちが建てたんだ」
『クリスマス-!!イヴイヴ!!』
「デリバードはやっぱりクリスマスが大好きなんだね!」
『デリバ-ッ!!クリスマスダイスキ!!』
「そうだ!デリバード、クリスマスショップでみんなへのプレゼントを見ようよ!クリスマス当日に渡すのが決まりなんだよ」
『プレゼント?プレゼント-』
ラルフの言葉に反応し、デリバードは自分の袋から虹色に光る球を取り出しました。
これはデリバードの技、「プレゼント」です。
「違う違う、技の方じゃなくて本当の方だよ」 - 90二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 12:33:42
男の子にこれからも一緒にいられるよ!って言われて「クリスマス!!クリスマス!!」って言ってたのは相当嬉しかったってことかな 可愛いなあ
- 91二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 13:59:13
デリバードと一緒にクリスマスショップに入ると、正にクリスマス一色の内装にデリバードは興奮のご様子。
『クリスマス-!!イッパイイッパイクリスマス-!!』
「楽しそうだね、デリバード。ぼくも嬉しいよ!」
クリスマスキャロルやリースを手に取り、飛び跳ねるデリバードにラルフはつい笑みが溢れます。
すると、ラルフはふとある商品を見つけました。
「あっ……スノードームだ」
『スノスノ- クリスマス?』
「これはスノードームって言ってね、この球の中に綺麗な景色が入ってるんだよ」
『プレゼント』
「あはは!デリバードのプレゼントにそっくりだね!欲しいなぁ……あれ?」
美しいスノードームに心奪われていると、あることに気付きます。
値札が無くて、商品のお値段がわからないのです。
「あれ……値札が無いな、これじゃ買えないや。デリバード、ぼくちょっと店員さんに値段を聞いてくるよ」
『イッデリバ-』 - 92二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:25:08
イッデリバー
- 93二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:48:39
ラルフが店員に値段を聞きに行くと、デリバードは1匹だけでクリスマス商品を見ています。
すると、客として来ていた子供のグループがデリバードを見つけ、近づいて来ました。
なにやら、人相が悪いですね。
「お?なんだぁ?」
「デリバードだ、めっずらしー」
「なんかテカテカしてねーか?」
『デリバ?』
「おいデリバード、こっち向けよ」
人相の悪い子供はデリバードの肩を掴むと強引に引き寄せます。
デリバードはいきなりの乱暴にびっくりして、頭が弾けてしまいました。
『ポ-ン』
「うわっ、なんだ!?」
「気持ち悪ぃ!」
『ア-』
「わけのわからねえデリバードだな」 - 94二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 17:42:45
ポケモンナンパとか肝座ってんなコイツら
- 95二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 17:45:07
これホラーで見たやつ
- 96二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 17:47:08
やめたげてよぉ!
- 97二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 17:49:14
人のポケモン虐めるなんてサイテーだぞ
- 98二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 17:51:18
クソガキミンチにしてほしい
- 99二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 17:52:55
いい子だからこっちおいで?ね?(静かな怒り)
- 100二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:23:20
子供たちはラルフよりも体格が良く、デリバードをもみくちゃにしながら押し出します。
デリバードは困惑するように目をぱちくりさせ、状況がわかっていないようです。
「アハハ!なんだこいつおもしれえ!」
「デリバードにしては硬えなこいつ!」
『デリ...デリデリバ?デリバ?』
「腹になんかスイッチがあるぜ!」
《YAA!BOKU DERI-BIRD!》
「おい喋ったぜこいつ!オモチャかよ!」
3人がかりでデリバードをいじめる子供たちに、デリバードはされるがままです。
自分がいじめられているということもわかっていないのです。
『デリバ-...デリバ-...』
「なあこいつ捕まえようぜ!デリバードだから戦う役には立たねえけどオモチャにはなんだろ!」
「いいなそれ!動画撮ったらバズるべ!」
「へへ!俺が捕まえてやるよ!」
子供の1人がデリバードにボールを押し付けようとしたその時、気がついたラルフが急いで駆けつけます。
「デリバード!?ちょっと、何やってるの!やめてよ!」 - 101二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:27:56
スイッチついてんねや!(EMERGENCY)
- 102二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:28:51
クソガキども許さねえぞ
- 103二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:29:16
そこのクソガキ三人衆ぅ〜
ほんとにいい子だから早くこっちに来てくれよなぁ~(ビキビキ) - 104二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:35:47
言うほどクソでもない……?
- 105二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:39:52
デリバード破壊光線
- 106二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:50:21
「あ?誰だよお前」
「デリバードの友達だよ!デリバードをいじめないで!」
「友達ぃ?トレーナーじゃないのかよ」
「なんだっていいだろ!デリバードから離れてよ!」
デリバードの前に立ち、ラルフはいじめっ子に叫びます。
ですが、いじめっ子は怯みません。
「トレーナーでもないならすっこんでろよ!捕まえてねえなら俺が捕まえる権利もあるだろうが!」
「やめて!」
「うるせえっ!」
『デリ...!?』
怒り立ったいじめっ子がラルフを突き飛ばすのを見て、デリバードは目を見開きます。
その直後、デリバードの液晶モニターが、恐ろしいほど赤く染まりました。
『デリ...!!』
「ああ?なんだよ」
「こいつ、一丁前に怒ってやがんのか!」
「舐めてんじゃねえぞ、デリバードのくせに!」 - 107二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:53:51
ああああどうなるんだ…
- 108二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:55:49
オオオ
ア 死 イイイ
イ ぬ
ツ わ - 109二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 19:56:33
ヒスイ民「死ゾ」
- 110二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:00:04
ポケモンはこわい生き物です!(嘘偽り無し)
- 111二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:12:31
横暴ないじめっ子たちの態度に堪忍袋の尾が切れたデリバードが尾袋をいじめっ子に向け、激しい水流を発射しました!
『デデデデリデリデリ・バ-!!』
「どおわッ!?」
「なっ……なにしやがんだてめえ!」
「デリバードのくせに!」
リーダー格のいじめっ子が吹き飛ばされ、残りのいじめっ子は怒り出します。
店内で始まったバトルに、店内の他の客がざわめき出します。
「なんだ……?」
「喧嘩か?やめさせるか……?」
「デリバード……?」
『デデデデデ...』
「この野郎……どうする?やっちまうか?」
「やっちまおうぜ!」
モンスターボールを取り出そうとするいじめっ子に対し、デリバードはポケモンを繰り出す前にいじめっ子2人にふぶき攻撃を放ちます!
『デリ-ト!!』
「「うわああ!?冷てえ!?」」 - 112二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:16:17
正しく堪忍袋の尾が切れとる
- 113二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:30:55
ゆけ、ぜったいれいどだ
- 114二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:33:43
デリ・バー!ってもしかしてキメゼリフ…?
- 115二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:36:47
これで「覚えてろよー!(スタコラサッサ)」ってなってくれたらいいんだけど...
- 116二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 20:59:51
この辺にとどめておいてくれや……
- 117二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:08:09
デリバード鬼つええ!
- 118二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:10:02
落ち着いて聞いてくれ
ポケモンの技は3回ほど食らったら危険域なんだ
もうすぐ死ぬんだ - 119二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:16:59
デリ-ト!!って言ってる
- 120二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 21:20:13
- 121二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 22:04:54
保持
- 122二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 22:14:38
出たなヒスイ人!
- 123二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 23:14:02
- 124二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 23:56:40
これ人間傷つけたポケモンとしてラルフくんと引き離されるのでは?????
- 125二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:03:27
ダーツデリートは恐ろしいデッキタイプなのです!
- 126二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:05:18
いじめっ子たちに攻撃を加え、デリバードは怒り狂っています。
ですが、そんなデリバードに向かってラルフは必死に叫びます。
「やめて!デリバード!もういいんだよ!」
『デリ-ト...デリ-ト!!』
「デリバード!」
袋に破壊エネルギーを溜め込み、放出しようとするデリバードを止めるため、ラルフは飛び出します。
「ダメだよ!やめて!」
『デリ...?』
「ぼくは大丈夫だよ、デリバード……デリバードは大丈夫?」
『デリ...バ...』
「そっか……良かったぁ」
身を投げ出してでも止めようとしたラルフの心が伝わり、デリバードの赤く染まっていた液晶モニターが元に戻ります。
どうやら、落ち着いたようです。
「な、なんだったんだよ……」
「おい!ずらかっぞ!」 - 127二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:05:37
- 128スレヌシ-!!!!22/12/10(土) 00:05:58
- 129二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:07:32
オヤスミー!!
- 130二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:08:48
赤い目、破壊光線……ははーんさてはこいつオヤブンだな?
- 131二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:11:36
n年後に普段は優しいけどキレたらド・怖いコンビが完成するんですねわかります
- 132二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:12:21
袋に破壊エネルギーを溜め込み、放出しようとするデリバード
なに撃つ気だったんだこいつ… - 133二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:14:08
- 134二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 09:31:03
テツノツツミ対戦でも強いのかねぇ
保守 - 135二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 09:50:42
とりあえずいじめっ子に捕まらなくて良かった…
- 136スレヌシ-!!!!!22/12/10(土) 10:02:16
- 137二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 10:09:21
ガンバレ-‼︎
- 138二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 15:45:35
ほしゅ
- 139二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 15:46:06
タノシミー!
- 140二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 19:20:40
ようやくでかでかツツミ厳選始められる記念カキコ
- 141二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 22:03:26
保守
- 142二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:45:25
退散するいじめっ子たちを尻目に、ラルフはデリバードの身体を撫でます。
怪我がないか、丁寧に確認するのです。
「痛いところは無いか?大丈夫だよね?」
『デリ...』
「良かった……店を出よう、デリバード』
これ以上騒ぎになる前にデリバードをおぶってラルフは店を出ます。
店を去った後、デリバードは申し訳なさそうな声をあげます。
『デリバリド-...』
「ありがとう、デリバード」
『デ...?』
「ぼくを助けるために、戦おうとしてくれたんでしょ?ぼくが突き飛ばされるまで、何もしてなかったのに」
『デリバ...』
「デリバードは優しいね!」
『デリィ...』
ラルフの言葉が染み入るように、その背にデリバードは顔を埋めます。 - 143スレヌシ-!!!!!!22/12/11(日) 00:46:34
オレオクレタ-!!
マジゴメン!!デモオレネル-!! - 144二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:47:52
ダイジョブヨー!
オヤスミー!! - 145二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 00:47:58
- 146二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 06:58:45
保守
- 147二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:22:33
「デリバード、そんなに落ち込まないで。技を喰らったって今時怪我する人はいないから……」
『デリバン...』
すっかり元気を失ってしまったデリバードを元気付けるために、ラルフは考えます。
すると、ラルフの視界に小さな映画館が見えました。
「あっ……そうだ、デリバード!映画を観ようよ!」
『デリ?』
「ほら、ここ古い映画もやってるんだよ……あっ」
『デリ-...?』
デリバードを持ち上げてポスターを順に見せていると、ラルフはある映画を見つけました。
「これ、お母さんと観たことあるやつだ……」
『デリ?...デリ!』
「えっ?これを観たいの?」
『デリバ-!』
「そっか……じゃあ、これを観よう!」 - 148二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:26:10
- 149二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:29:38
- 150二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:48:07
やはりパルデア人にはヒスイ人の血が……?
- 151二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 15:07:20
これは良きデリですね
- 152二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 15:20:49
嘘だ…ポケモンの技は5発食らえば意識がなくなるはず…
- 153二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 19:40:29
保守スシ
- 154二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:04:52
ラルフとデリバードは劇場に入り、席に座ります。
「映画館では静かにするんだよ」
『デリ!』
2人はその後、映画に見入ります。
少年科学者が友達ロボットを作り、ロボットと仲良くなる作品ですが……その物語はとても哀しい結末で終わります。
友達ロボットが暴走してしまい、少年科学者は唯一の友達を失ってしまうのです。
【F-00……ボクが絶対直すから……!】
「……!」
ラルフは画面に釘付けになっていました。
デリバードがいなかったら、自分もこの少年と同じようになっていたかもしれない。
それはデリバードも同じ気持ちでした。デリバードはラルフがいなかったら、あの路地でずっと彷徨っていたかもしれない。
デリバードの記憶メモリーには、映画を通してとある記憶が過っていました。
(223号、キミは優しいね。やっぱり、君だけがぼくの……)
『デリバ-...』 - 155二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:06:36
カルトエンドかな?
- 156二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:14:43
やっぱこいつデパートに並んでたんじゃ…
- 157二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 22:27:08
- 158二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 06:29:16
保守
- 159二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 06:41:51
テツノツツミ、本質がデリバードなので基本技でプレゼント覚えてるんだよな………
- 160二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:22:04
保守〜!!
- 161二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 12:17:55
ツツミのイメージを改善したい委員会
- 162二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 13:35:04
記憶メモリー?223号?やっぱりこれデリバードじゃなくてロボッ…
- 163二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 19:44:36
ほっしゅほしゅ
- 164オレイソガシスレヌシ-!!22/12/12(月) 22:15:07
【ありがとう、F-00……ボクの友達】
映画を見終わり、ラルフは涙で濡れた頬をハンカチで拭きます。
「良い映画だったね、デリバード……!」
『デリバ!』
「デリバードも感動した?」
『デリデリバ-!』
「そう……ふふっ!良かった!」
元気良く返事するデリバードと同じように、ラルフも元気の籠った足取りで孤児院に帰ります。
「ぼくね……お母さんと一緒に見た映画の内容忘れちゃってたんだぁ」
『デリ?』
「でも、デリバードと一緒に見て思い出せたんだ!ありがとう、デリバード!」
『デリバ-ド!』 - 165二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 00:14:46
映画館にカルトエンド並べる主人公じゃなくてよかった…
- 166二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 08:19:08
保守
- 167二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 12:24:58
「今日は神父さまが帰ってくるし、きっと美味しいおやつをシスターが作ってくれるよ」
『デリシャッス-!!』
「神父さまってすっごい強いんだよ。町で1番強いから孤児院を守るために神父になったんだって」
『デリバ-?』
「デリバードも強かったし、これからトレーナーになるなら神父さまにバトルの仕方も教えてもらおうかな!」
ウキウキしながらラルフとデリバードが教会に帰ってくると、なにやら教会内の雰囲気がいつもより重く感じました。
「ただいま……あれ?」
『デリバ?』
「どうしたんだろ……誰もいないや」
ラルフが不自然な空気に押されている一方で、無警戒にデリバードは足を踏み入れます。
すると、デリバードに向かって突然、大きな岩が放たれました!
「ギガイアス!ロックブラスト!!」 - 168二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 12:27:48
ほのぼのと非日常がすごくいい感じになってて好きだこのSS
- 169二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 12:30:17
ザッケンナコラーッ!!スッゾテメッコラー!!
奇襲するとか止めろ 止めろ(死角からのコリンク奇襲を思い出しつつ) - 170二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 13:00:10
『デリ...!?』
気付いた時には迫っていたその岩石に回避が間に合わず、デリバードは大きく吹き飛ばされます。
「デリバード!?」
「ラルフくん!そのデリバードから離れなさい!!」
デリバードが吹っ飛ばされた直後に、物陰からラルフに駆けつけたのはグシュナ神父でした。
グシュナ神父はラルフを担ぐと、急いで教会内に向かって走ります。
「神父さま!?な、何を!?」
「あのデリバードは危険です!でも大丈夫、私が倒します!」
「え!?そんな、やめてよ!デリバードは友達なんだ!」
「ギガイアス、ロックブラストを連射するのです!」
「ギガァァ!!」
ラルフの静止は届かず、グシュナ神父のギガイアスが放った岩石の連投はデリバードを更に大きく吹き飛ばします。
『デリィ!?』
「デリバードォ!!」 - 171二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 14:21:00
ホァーッ!
ホァーッ!!(悲哀) - 172二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 15:45:20
ヤメロォ!(建前)
ヤメロォ!(本音) - 173二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 16:05:52
イヤァァ!
- 174二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:14:47
ラルフが自分を呼ぶ叫びにデリバードが目線を向けると、デリバードの目に映ったのは「見知らぬ大人に連れ去られそうになっているラルフ」の姿でした。
その瞬間、デリバードの液晶モニターが再び真っ赤に染まります!
『デデデデリデリデリ・バ-!!』
《Activate instant kill》
「やはりそうか……気を付けなさい、ギガイアス!そのデリバードはただのデリバードではありませんよ!」
「ギッガァ!!」
尾袋を向けるデリバードにギガイアスが立ち塞がり、グシュナ神父はもう一体のポケモンをボールから出します。
「ジジーロン!ラルフくんを守るのです!決して近づかせてはなりませんよ!」
「ジィ……」
「やめて神父さま!デリバードはいい奴なんだ、いじめないでよ!!」
『デリ-ト!!』
「来ますよ、ギガイアス!ステルスロックで牽制を!」
「ギガァァス!!」
物凄い速さで院内を滑るデリバードの動きを邪魔するように、ギガイアスは多数の透明な岩を配置します。
デリバードがそのうちの一つに当たると、岩は爆発しました!
『デリ-ト!!』 - 175二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:17:43
物凄い勢いでやって来て物凄い勢いで話を聞かずに物凄い勢いで暴力に訴えている
お前本当に神父か??? - 176二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:20:32
やっぱデリデリ・バーはきあいだめ的なアレの可能性が…?
- 177二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:27:20
ラルフはジジーロンにシャツを加えられてその場に留まらされながらも、グシュナ神父に訴えかけます。
「どうしてこんな酷いことをするんだよ!神父さま、やめてってば!」
「ラルフくん……あなたの気持ちはよくわかっています。ですが、このデリバードと同じタイプのデリバードの目撃証言があるのです」
「え……?」
「この地方から遠い地方で、この玩具のような可愛らしいデリバードが人間の子供を連れ去り、行方不明になった事件があるのです。更には、これらのデリバードは危険な場所から脱走しているという裏付けも取れているのですよ」
「そんなの……ぼくのデリバードは違うよ!ぼくのデリバードは良い子だもん!!」
「ラルフくん……私は、この孤児院を護らなければなりません。この外来デリバードを一度瀕死にし、あるべき場所に帰さなければならないのです。君から友達を奪うのは心苦しいですが……いつデリバードが君やこの孤児院の子たちを誘拐してもおかしくはないのです!わかってください!」
「そんなの知らないやい!デリバードはぼくの友達だ!悪いデリバードと一緒にしないでよ!」
ラルフの言葉に、グシュナ神父は心から悲しげな表情で汗を流します。
「ごめんなさい、ラルフくん……ですが、一度倒しさえすれば……!」 - 178二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:28:54
お?
- 179二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:30:49
イイカラハナシキキヤガレコノクソボウズ
- 180二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:36:14
見事にツツミと相性不利ですね神父…
- 181二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 18:17:27
この神父全然話聞かねえ!
- 182二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 18:18:34
シスター助けて!
- 183二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 18:53:28
やめてくれヨォ…
- 184二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:43:42
グシュナ神父が一瞬気を取られていると、デリバードは一瞬でギガイアスに距離を詰め、握りしめた尾袋でアッパーカットを放ちながら殴ると同時にハイドロポンプを至近距離でギガイアスにぶち込みます。
『デリ-ト!!』
「グギガァ!?」
「ギガイアス!?」
『デデデデ...』
「くっ……ですが、私は負けるわけにはいかないのです!またあのような事件を起こすわけには……!」
「あの事件……?」
「行きなさい、ファイアロー!無力化に務めるのです!」
「クェェー!!」
気絶したギガイアスの代わりにグシュナ神父が繰り出したファイアローはデリバードを掴むと外に放り投げ、2匹はそのまま戦闘にもつれこみます。
「神父さま……その事件って一体なんなんですか!デリバードに関係あるんですか!」 - 185二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:55:37
見事にみんな弱点タイプ…
- 186二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 23:57:36
パルデアは怖えなぁ
- 187二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 08:36:02
保守保守
- 188二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 10:49:19
「それは……話すべきかもしれません。ポケモンという存在の持つ危うさを」
グシュナ神父はファイアローに指示を出しながら、ラルフに少しずつ事情を話していきます。
「私も君と同じくらいの頃に……デリバードと出会いました。普通のね」
「え……神父さまも?」
「善良な子でしたよ……それ故に!」
『デデデデ...デリ-ト!!』
プレゼントをばら撒いてファイアローの動きを牽制し、スピードが落ち始めたファイアローに馬乗りでデリバードが飛び乗ると、体制を崩して落下したファイアローの口内にプレゼントをねじ込み、爆発させます。
「グェェー!?」
「くぅ……ファイアローも、ですか!強過ぎる……!」
『デリ-ト!!デリ-ト!!』
「ジジーロン、行けますか?」
「ジィロォ……」
「で、デリバードがこんなに強かったなんて……」 - 189二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 10:52:43
デリちゃんの戦法がポケスペじみててこわかった
- 190二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 10:53:45
神父様の使用ポケモン的にパルデアじゃなさそうだし地方超えしてきたテツノツツミとかそりゃつえーわ
- 191二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 17:20:17
クリシュナ神父つよ…
- 192二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 22:08:13
あぁ誰も傷つかないでくれという気持ちと 描写カッコよくて続きが気になって仕方の無い気持ち〜〜〜!!
- 193スレヌシ-!!!!!!!22/12/15(木) 00:10:07
- 194二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 00:11:45
オツダシー!
- 195二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 00:12:55
シンプノキモチモワカルカラビョウシャハコウソウドオリデイイヨ-!
- 196二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 00:14:23
まあ神父の真相待ちだからねこういうのは
まだ中間点にいる - 197二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 00:15:13
- 198二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 09:24:00
オレハサイショカラズーットシンプサマシンジテルカラタノシミニコウシンマッテルシー!
マモルタイショウカラココロナイコトバハカレテモマモロウトスルイシガキエナイノサイコーニコウケツナヒーローダシー! - 199二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 09:33:43
ユックリカンガエロー!
オレタチハイツマデモマッテルゾー! - 200二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 09:39:20
オレガヌシー!