「ほーらトレーナーさん…私をお母さんだと思って甘えてください」

  • 1二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:18:36

    「あ、悪い…母さんは俺を産んですぐ死んだんだ。だから…どうやって甘えたらいいのか分からないんだ…すまん」

  • 2二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:19:49

    こんな事言われたらクリークが本物の母性に目覚めてしまう…

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:20:00

    クリークは…絶対にこの人を甘やかせようと決意した

  • 4二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:21:00

    「俺虐待受けてたから…」とかいう胸糞展開やなくて良かった

  • 5二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:21:37

    母から受ける愛を知らないから甘やかしが通用しないやつ

  • 6二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:22:19

    このトレーナー、もしかして将来的にスぺちゃんを担当することになるのか?

  • 7二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:23:03

    お母さんごめんなさいお母さんごめんなさい
    入れて寒いよお腹すいた

  • 8二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:25:53

    お、重い…

  • 9二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:30:44

    クリークの甘やかしはエスカレートし過激なものになっていく

  • 10二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:31:04

    カスケードってウマ娘の担当にいかがでしょう?

  • 11二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:31:36

    >>5

    だが待ってくれ、クリークのやり方はそもそも世の母親の常識なのか?

  • 12二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:32:23

    母親の愛じゃなくて一人の女性として愛するんだ

  • 13二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:40:39

    両親が親戚と揉めに揉めた果ての結婚だったため、一切の支援を受けられず父親が男手一つで育てる羽目に
    その父親も親としての自覚は兎も角、仕事という制約があったせいで乳幼児期はヘルパーに任せきり
    その時期を過ぎてからはそれこそ最低限の事しか出来ず、強いて言うなら「ネグレクト未満」と表現するぐらいの微妙なライン
    とはいえそれ以外に家庭環境の問題は無かったため学校生活において特に支障をきたすこともなく、それなりに充実した学生時代を過ごす
    そしてその結果「家族」に対する感性だけが綺麗に抜け落ちた人間となった

    ……ってなところまでは妄想した

  • 14二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:42:42

    クリークのカレーを食べろ
    そして泣け

  • 15二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:50:53

    中・外食に慣れ切ってて内食を違和感で上手く食べたり片付けたりできなさそう
    大人になっても気を抜くとつい、みたいな

  • 16二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:58:35

    昔出来なかった事をお願いするんやろな…
    それで内容が全て「○○したのを褒めて」「もっと俺という存在を肯定してくれ」という感じだったら泣く

  • 17二次元好きの匿名さん22/12/06(火) 23:59:57

    “ごっこ”じゃない完全体ママが生まれるぞ

  • 18二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:00:08

    ヤエノとチヨには悪いけど
    これはすごい子とかみの子にするしかない

  • 19二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:00:36

    >>16

    いい子いい子されてマジに嬉しそうにするトレーナー

  • 20二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:01:41

    >>2

    大抵のウマ娘というか女性は母性爆発するぞ

  • 21二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:12:58

    赤ちゃんプレイというより甘え方が分からない不器用な男を慰める感じか

  • 22二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:16:26

    頭を撫でられて一瞬すごく幸せそうな笑顔になるトレーナー
    はっと顔を引き締めるけどクリークはとてもニコニコしていた……みたいな

  • 23二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:17:16

    >>20

    それが、父子家庭の男はデカい赤ちゃんだから嫌だって陰口叩かれるんだよ

    一人暮らししててもちゃんと料理や掃除がをしててもそう言われるんだ

    ソースは俺と弟、あと弟の友人

  • 24二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:19:00

    >>23

    やはり現実は渋い

  • 25二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:20:16

    でもクリークはデカい赤ちゃん求めてるんだしウィンウィンじゃん

  • 26二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:22:03

    母子家庭の息子も姑の味方するから嫌だって言われるからな……
    あと、両親が揃ってても長男だと義実家の面倒見せられるのが嫌だって敬遠されるんだよな

  • 27二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:23:50

    不器用で甘え方がわからないなりに少しずつクリークに心を開いて悩みを打ち明けたりヨシヨシしてもらったりするうちに、クリークへの思いが母親や家族への親愛から徐々に別の感情へ変わっていくトレーナー…

  • 28二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:24:36

    俺の母親?ああ、クソ親父に虐待されていたけどな、ある日俺を置いて蒸発しやがった…全くどこでみじめな生活していることやら…

  • 29二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:27:05

    でちゅねや甘やかされるたびに無意識に涙を流すんだよね…
    これクリークの情緒がぐちゃぐちゃになる…

  • 30二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:28:08

    むしろ母親面すんな!と言われる展開も見てみたい

  • 31二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:29:01

    でちゅねされても、まず情緒が湧いてくるまでにかなりの時間がかかるんじゃないかな
    何かに飢えるというのは、その何かを知っているからこそできることなんだよ
    それが母性であってもな

  • 32二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:30:02

    でちゅねで無意識に「お母さん…」と口走ったトレーナーを見たクリークの情緒はもうぐっちゃぐちゃなんよ

  • 33二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:32:50

    マジレスすると、これ地雷だぞ

    生まれた直後に母親が亡くなった子って、それなりの確率で「自分が殺してしまった」という感情を抱いてるから
    幼少期に父親が再婚せずに母親不在の家庭で育つと、生みの母親以外に母性を感じることに罪悪感を持つんだよ

  • 34二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 00:45:39

    >>33

    下手したらトラウマ再発するんか…ヤベェなおい

  • 35二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 01:16:36

    >>26結局何だったら良いんだ……???

  • 36二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 01:41:50

    >>35

    自分の愚痴聞いてほしいだけだろうから聞くだけでいーよ聞くだけで

  • 37二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 01:46:16

    でも実際母親と付き合いたいとは思わんなぁ

  • 38二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 01:50:34

    >>37

    つまり...クリークをを母親代わりとしてしか見れないトレーナー × トレーナーさんを段々男性として見るようになってしまったクリークが見れるってこと?!

  • 39二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 01:56:52

    >>21

    俺…不器用ですから

  • 40二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 01:57:27

    クリークを育てるべく頑張るトレーナー、しかし心の拠り所がなく疲弊し始める

    冒頭のやり取り

    会話を重ねる、弁当を作ってみるなど近づく努力をしても壁を感じるクリーク

    トレーナーの心を救うため、自覚を持って母性爆発させるクリーク
    レースに勝つ度に過剰なまでにトレーナーを甘やかす

    最初は困惑していたトレーナーだが次第に甘え方を学んでいく


    近い未来、クリークが愛の結晶を生み出す
    「ね、心配ないって言ったでしょう? 他でもないトレーナーさんが私を丈夫に育て上げたんですから。これからは二人でこの子を立派に育てていきましょうね?」


    SSにするのは任せた

  • 41二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 03:12:56

    >>40

    「どうやって甘えたらいいのか分からないんだ。……すまない」


     初めてトレーナーさんが零した本心。それを聞いて、私は一瞬自分が言うべき言葉を失った。



    「……だめです。やっぱり、どうすればいいんでしょう……」


     読み尽くした本を閉じ、机に乗せる。こんな事をしてトレーナーさんが喜ぶなんて思えない。けれど、私の心はいつも通り、自分の出来る事をしなければと急かしてくる。

     既に机の上には十を超える本の山が、山脈のように連なってしまっている。

     図書室にこれ以上居ても意味はないですね…。後でそれぞれ、本棚に戻さないといけません。

     知識を蓄える事は嫌いじゃないといえ、それじゃあダメだという事ももう分かっている。本から得た知識じゃあ、これは解決出来ない。

     分かっているのに、自分のするべき事が、分からない。


     これまで、両親の保育所にそういう子が来た事はある。そうした子への接し方も、心得ているつもりだった。

     けれど、そうした子がそのまま大人になった時。その時、私がするべき行動までは経験の中に無い。トレーナーさんが好きに甘えられるようにしたいのは本心だけれど、無理に接すれば今以上に距離を取られてしまう事だけははっきりと分かっている。


    「うー、ん……」

    「なんやクリーク、けったいな唸り声出して」

    「あ、タマちゃん……」

    「しかもなんやコレ。こんな机中本の山作ってもろて、えらい悩んどるみたいやんけ」


     ふと隣から声がして、視線の先に居たのはタマちゃん……、タマモクロスちゃん。その手には本が幾つか抱えられていて、タマちゃんもここで勉強するつもりだった事が分かる。


    「実は……いえ、なんでも無いんです」


     一瞬、誰かに相談する方がいいのかと考え、直ぐにそれを消す。この事は一人のプライバシーにも関わってくるから、いくら親しい人でも簡単には話せない。

     けれど、タマちゃんは一瞬だけぴくりと眉を動かして、それから向かいの椅子に座ります。少しの間だけ本の中にその顔が消えて、それからゆっくりと山が切り崩されて顔が出てきた。

  • 42二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 03:14:31

    「当てたろか」
    「え?」
    「トレーナーの事、悩んどるやろ?」

     どきりとして、思わずうなだれていた身体が起きてしまう。タマちゃんは「ま、せやろな」と言いながらしてやったりと笑みを浮かべた。

    「アンタがそんなに悩み事にお熱になるんやったら、同じくらいアツアツのトレーナーの事くらいしかないで」
    「そ、そんなに分かりやすかったですか?」
    「当たり前やん。なんも思とらん奴自分からスカウトしてー、ってならんやろ」

     なんだかちょっと違う事について言われているような気はするものの、概ねの流れは確かに言う通りだった。私、そんなにわかりやすいんですね……。

    「んで? そんな必死になって頭捻って、トレーナーに何したいん? またなんか甘えさせたいんか?」
    「……、」
    「ええやん、好きに勝手なコト言い。勝手に聞いたるさかい」

     さっきとは違って、にこりと微笑むタマちゃん。何時もは私が甘えさせているハズなのに、時々、タマちゃんはこういう風になる時がある。兄弟を見るお姉さんの目は、私とは、多分違うもの。

    「……タマちゃんは、いっぱい甘えさせたいけれど、そういう事が苦手な人に、どうすれば上手く甘えさせることが出来ると思いますか」
    「なんや? 甘え…、ん? 甘えさせたい人が…ああ、分かった。トレーナー甘えさすのちょっと躊躇っとるって話か」

     自分でも上手くまとまっていない頭の中を、タマちゃんは上手に言葉に変えてしまった。

    「私、トレーナーさんにいっぱい甘えていいですよって、言ったんです。でも、トレーナーさんは、甘えるのは苦手だって……。私、どうすれば上手に甘えさせることが出来るんでしょうか……」
    「……あー……。んー……。せやなあ……」

     腕を組んで、顔と視線が行ったり来たりしていたタマちゃん、その状態がちょっとの間続いて、それからうんと頷いて顔が私の前に戻ってきました。

  • 43二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 03:15:10

    「クリーク。もっかしてやけど、ちょっと考えすぎとるんちゃうか?」
    「…考えすぎ、ですか?」
    「クリークのええ所はちゃんと相手と距離取って、上手に甘えさせる所やろ? んでも今回トレーナーはちょっとワケが違って、それじゃアカンと思とる」
    「は、はい」
    「せやったら、もう考えすぎてもしゃあ無いんちゃう? とにかく一回ぶつかってみて、ちょっとずつお互いにええ距離分かるまで繰り返してみるしかないやろ」
    「それは……」

     これまで子供達に行ってきた接し方と、同じ方法。
     確かに、トレーナーさんは大人だけれど、距離を測る事は間違いなく有効だと思う。ちゃんと効果が出れば、その時は大成功だ。

     けれど、それで、もし。
     もしもそれで、トレーナーさんを傷つけてしまったら。

    「……、」

     正しい事は分かる。けれど、失敗したらと思うと。

    「……あー、そうかそうか。せやんな。クリークもそういう所はあるか。ま、そりゃしゃあ無いわな」

     返答が出てこないまま迷っていると、タマちゃんは何か納得したように何度も頷いていた。
     な、なんでそんなに満足した顔なんでしょう。というより、一体何がそういう所なんでしょう?

    「まあ、なんやクリーク。ウチが言える事はあんま無いけど、これだけ覚えといたらええ。そういう時はな、胃袋掴んだらええんや」
    「い、胃袋、ですか?」
    「せや、ウチもチビらが機嫌悪かったり喧嘩した後やったりしたら、なんか作って食わしたって機嫌取んねん。あとはもう勝手に自分らで機嫌直すよって、こっちはちょっと手出すだけで済む」
    「は、はあ……」
    「アンタとトレーナーの間に何があんのか知らんけど、そんなに何とかしたいんやったら、時々でも飯作って食わしたったら勝手に懐いてくれるわ。知らんけどな!」

  • 44二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 03:15:22

     そう言ってタマちゃんは椅子から立ち上がる。

    「ま、やるだけやってみたらええわ。上手くいかんかったらまた相談したらええし。うちもオグリもイナリも居るんやから、あんまり一人で悩み詰め込んでも何ともならんで」
    「……わかりました。ありがとうございます、タマちゃん」
    「ん! 代わりに今度なんか奢ってや!」

     そういってまた本を抱えて去っていくタマちゃん。私より小さい背中が、何時もより頼りになって、なんだか胸の中があったかくなりました。


     本の山を戻そうと手を伸ばして、つい言葉が出てくる。

    「……お弁当、食べてくれるでしょうか」

     トレーナーさんの好きな味、ちゃんと分かるようにならないといけませんね。

  • 45二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 03:15:46

    若干タマちゃんの活躍が多いけど、甘えさせる覚悟は準備出来たよ! あとはガンバッテ!

    ところで関西弁ってこんな言語だっけ? なんか違くね?

  • 46二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 03:47:22

    いいssが出来てる...

  • 47二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 06:05:51

    >>13

    高すぎる理解度はやめて…

  • 48二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 12:14:12

    さすタマ

  • 49二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 20:37:15

    保守

  • 50二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 20:40:52
  • 51二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 00:39:11

    あの~、ここで待ってれば続きが読めるって聞いたんですが……

  • 52二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 00:47:04

    >>51

    上手ぁ!!!

  • 53二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 00:51:38

    >>50

    …もしかして、クリークに普通に甘やかされるウマ娘って意外といる?

  • 54二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 01:00:44

    >>51

    神絵師さん?!

  • 55二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 01:16:10

    >>51

    はじめて絵にしてもらえた……。ありがとう、本当にありがとう……。

  • 56二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 02:23:25

    >>55

    朝練習の後、一包みの弁当をスーパークリークに渡されたトレーナー。お昼用に作ってきたと言われ、「時間になったら食べてくださいね」とトレーナー室に残される。


    昼、怪訝な思いを残しながらも言われた通りに弁当を開けてみると、中に入っていたのは色とりどりの料理が乗せられた……ものではなく、家庭の料理をそのまま詰め込んだような、どこかシンプルな献立だった。

    尚も困惑を深めながら箸を取るトレーナー。手を抜いているようにすら感じられるそれは、しかし見た目からは気付けない程に手間暇をかけている事が分かる繊細な味をしていた。


    食べ進めるうちに、まだ学生の頃形だけでもと自分で作った弁当の事を思い出す。とにかく誰かが自分の為に作ってくれたのだと想像しながら用意したそれは、昼に手を付けるとどこか味のしないものを食べているような感覚に襲われた。

    そんな過去を振り返りながらスーパークリークの作ってくれた弁当の料理を口に含むと、味がまったく違う事に気付く、コンビニやスーパーに並んでいる出来合いや冷凍食品、そしてかつて作った自作のそれからは感じられない、作った者の想いを感じる弁当。言葉に出来ない感情に戸惑いを隠せないまま、トレーナーは何時の間にか完食され中身の無くなった弁当の蓋を閉じていた。


    放課後、午後の練習の為トレーナー室に戻ってきたスーパークリーク。彼女に弁当への感謝を言おうとして「明日も食べたい」と言ったトレーナーは、自身の思ってみなかった発言に驚かされる。

    一方、その言葉に自分の作戦に確かな手応えがあると理解したスーパークリークは、「あらあら」と零しながら花の咲くような笑顔でトレーナーを見つめていた。



    代わりにはなりませんが、時間が無いのでこのくらいしか出来ませんでした。ちゃんとSSになってるやつを探してるんですけど……どこにありますかね?

  • 57二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 02:59:50

    >>56

    そこになければ(作るしか)無いですね

  • 58二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 04:35:57

    >>56

    想像してだけで泣いた

  • 59二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 09:20:51

    >>56

    おら、ジャンプしろ

    まだ持ってるじゃないか

  • 60二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 10:53:26

    >>56

    あ、いい…ありがとうございます!!

  • 61二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 20:58:51

    >>56

    とてもいい…

  • 62二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:15:53

    >>59 ナイヨ…モウデナイヨ……。



     まず耳が。

     次に目が感じ取った。


     ルームメイトの自身より大きな影がゆっくりと扉の先へ消えるのを、身動ぎして気付かれないようにしながらナリタタイシンは見送った。数拍間を置いて、ベッドから起き上がる。日の光もまばらな、夜更けとほぼ変わらない早朝。扉の先に視線を向け呟く。


    「……今日もか」


     朝の練習をはじめ早くに起きる事が多いのはルームメイトとして分かっていたが、ここ暫く同室の彼女……スーパークリークが普段以上に早く起床している事に、ナリタタイシンは疑問とその答えを直ぐ様頭の中で並べた。


    「……そんなにトレーナーの事、気にしても仕方無いでしょ…、」


     そう言いつつも、それがスーパークリークなのだという結論を同時に割り出したナリタタイシンは思わず溜め息をつき、そしてベッドから降りて扉へと足を運んだ。


     こんな朝早くに起きている者など徹夜でもしない限り居ないだろうと分かる薄闇の廊下。調理場を目指すナリタタイシンの耳に、僅かな音が響いてくる。

     包丁が野菜を切りながら俎板に当たる音。卵が割れ菜箸にかき混ぜられる音。コンロの火が水を沸騰させる音。フライパンの使われる焼け音はあまりせず、それは前日の内にそうした料理だけは作られていた事を表している。漂い始める匂いは様々で、嗅いでいるだけで空腹が刺激される。


    「ふん、ふふん……」

    「……、」


     調理場の端、陰からこっそりと顔を覗かせたナリタタイシンは、その先に居るスーパークリークの料理を作る手付きを目に収めた。既に制服とエプロン姿に身を包み、小さな鼻歌を歌いながら指先に集中する顔は、薄い笑みと共に包丁の動きを追っている。


     その表情に確かな見覚えと、そして見た事の無い優しさを感じ取り、ナリタタイシンは理由も無く眉を顰めた。

  • 63二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:18:11

     スーパークリークとそのトレーナーの関係は、一見甘えさせるのが好きな彼女とそれに付き合わされるトレーナー、という構図に見える。
     しかし一つ遮るものを取り除いた先に見えるのは、形だけの甘やかしと、形だけの受け入れ。スーパークリークの普段通りの触れ合いはまるでほんの少し力を籠めるだけで粉々になってしまう何かに触れるようで、トレーナーは無防備に触れられているようで、何処か常に緊張を感じさせる鋭さを瞳に残している。

     表面からでは分からない内側の様相は、どこか歪な形をして見えた。

     何よりその感想を持たせるのは、そんな関係を、他でもないスーパークリークが受け入れている事だった。ある時渡された弁当箱が、そのまま毎日二人の間を行き来する。「今日もおいしかった」というトレーナーと、「それは良かったです」と笑うスーパークリーク。普段母のようにナリタタイシンに接する彼女と、トレーナーに献身的に接する彼女は、似ているようで、何処かが違っている。

    「タイシンちゃんですか?」
    「っ!」

     顔を上げもしないままのスーパークリークに呼び掛けられ、身じろぐ。沈黙が流れ、気不味い表情を何とか隠しながらナリタタイシンは自身の身体を陰から動かした。

    「ごめん、邪魔するつもりは、なくて」
    「ふふっ、いいんですよ。ごめんなさい、起こしちゃいましたね」
    「ん…。起きた時居なかったから、気になっただけ」

     そう言いつつ、調理場の中へ入る。普段朝食を自分で作っているような生徒すら、今の時間は誰も居ない。スーパークリークが独占するその場所には、たった一人の為の料理が多くの手間の基で作られていた。

    「今日も、作るんだ」
    「ええ、トレーナーさんが、今日も食べたいって言ってくれましたから」
    「……朝、早過ぎない?」
    「ちょっと大変ですけど、トレーナーさんの為ですから」

     少し眉を下げてそう言い、スーパークリークは出来上がったものを弁当箱へと一つ一つ入れていった。瞬く間に料理が詰め込まれた弁当箱の蓋が閉じられ、小さな袋へと包み込まれた。

    「完成……と。ふふ、喜んでくれるかな……」

     口許を隠しながら微笑むスーパークリーク。その笑みを見て、ナリタタイシンは説明の出来ない感情が再び内に戻ってくるのを感じた。そしてその正体が少しだけ口を衝く。

  • 64二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:19:08

    「アタシの……」
    「? どうしました?」
    「………………。なんでもない」

     スーパークリークは甘えさせることが好きだ。自分に甘えてくれる、頼ってくれるという事そのものに強い幸福を感じる。同室のナリタタイシンに何かと構うのも、親しいオグリキャップらに強く触れ合うのもその為だ。言うなれば、“形だけの母の役割”を深く愛している。

     ――しかし、トレーナーに対するそれは違う。決定的なほどに、何かが違う。
     自分を世話する時のそれとは明らかなほどに別のもの。トレーナーの事を考えているその笑顔は、ナリタタイシンの目を眩ませる程だった。

     ほんの少し前まで。弁当のやり取りをはじめるまで、彼女が担当契約を交わす前まで、トレーナーに目を付ける前まで、同室の相手として互いに自己紹介をした時までは。
     僅かにでもナリタタイシンにも注がれていたものは、もう全てトレーナーだけにしか向けられていないのだ。その事実を、鮮やかにさえ見える笑みが物語っていた。

    「その残り、さ」
    「はい?」

     ナリタタイシンが指した先にあるのは、詰める際に残った料理達。基本的にはスーパークリーク自身や寮の生徒達が消費していくそれだが、今はまだその多くが残っている。

    「朝食になるんでしょ。アタシも、食べていい?」
    「……ええ、一杯食べてくださいね」

     羨ましい。ずるい。私も。
     言葉は幾つも浮かんでいたが、その全てをナリタタイシンは意識的に思考から除外した。

     スーパークリークの慈しみは、元々誰に対しても向けられていたものだ。今だってその部分は変わらない。ただ、その比重が少しだけ変わっているだけ。
     何かが大きな切欠になった事は分かる。そしてその切欠が、自身の担当にまつわる大きなものであった事も。自分にとって大事な人だって、彼女のそれと同じなのだから。
     だから言わない。そこに居るべき人は、自分じゃあ無いのだから。

  • 65二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:20:54

     しかし、それでも。

    「泣かせたら……」
    「どうしました?」
    「……別に、アタシもクリークさんみたいに、今度から作ろうかなって思っただけ」
    「あらあら、ふふふ。タイシンちゃんも一緒なら心強いですね」

     もしも彼女が自分の目の前で悲しむ姿を見せた時は。
     自分にだって考えがある事を、思い知らせてやる。

     何時もと変わらぬ笑みに笑みを返して、ナリタタイシンはそう心に刻み込んだ。



    出ないです。もう出ないです。
    誰かー! 続きを書いてくれー! これがきっかけで寮全体でトレーナーにお弁当を作る習慣が出来るようになるSSをくれー!

  • 66二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 04:03:58

    >>64

    おら!

    すばらしいSS だせ!

  • 67二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:31:13

    誰か、続きは誰かが書いてください……
    毎回めっちゃ連投するので申し訳なくて……
    あと他の人のSSもみたいです……

  • 68二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:33:11

    >>20

    創作キャラに対してでなく女性に幻想持つのは辞めよう

  • 69二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 14:34:22

    ちょっと構想練るか…!

  • 70二次元好きの匿名さん22/12/09(金) 16:32:07

    >>65

    素晴らしいSSだ…ブラボー!

  • 71二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 00:32:39

    保守

  • 72二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 01:12:44

    とりあえず書いていますが時間かかりそう…!
    余り期待せずお待ちください!

  • 73二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 09:30:38

    保守

  • 74二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 13:08:59

    土日はバイトあるので少々進行が悪いです…
    仮にこのスレが落ちても別スレを建てて投稿しますので気長にお待ちしてください!

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 20:29:55

    待ちますよー。

  • 76二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:09:54

    俺は昔から親という存在がよく分からなかった。母は俺を産んで直ぐに死んだ、父も仕事人間だった事もあり朝早く家を出て夜遅くに帰ってくる…たまの休日も会社の人と何処かに出かけるのがほとんど。
    家族の思い出なんか皆無に等しいし、傍から見ればネグレクトと呼んでも差し支えないだろう。

    だけど俺は不満に思った事はない。
    小さい時は保育施設に放り込まれていて孤独を感じた事もないし、中学生になった時にはテレビで見たウマ娘のレースに憧れ…気づけばトレーナーになる為の勉強を必死でしていた。友達付き合いも特にしてこなかったから、家族間での格差についても悩む事も無かったし…自分の時間を思う存分取れたからむしろ嬉しかったよ。まあ困った事をあげると、家族の思い出をクラスで発表する時くらいだろうか?嘘の旅行話をした時は謎の虚無感に襲われたよ。

    話を戻すと元々勉強が得意な上に青春を全て捧げた事もあって…今俺は21歳という若い年齢で中央トレセン学園にトレーナーとして所属する事となっていた。

  • 77二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:11:00

    「……今日も早起き偉いですね。ほーら私をお母さんと思って甘えていいんですよ~」

    彼女はスーパークリーク。俺の担当ウマ娘だ、ことある事に俺を甘やかそうとしてくる。親しくなった相手を全員幼児退行させるとトレセン学園では都市伝説並の怪異と恐れられている。勿論トレーナーである俺は彼女にことある事に甘やかされようとするんだが…。

    「悪い…そういうの俺にはあんま分かんねーんだわ、タマとかオグリにやってくれ」

    俺は毎回断っている。別に年下の女の子に甘えるのが恥ずかしいとかじゃない、ただそういうのが必要がない俺にはそういう『甘え』が要らない…そう必要ないんだ。

  • 78二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:11:35

    「ばぶばぶ…くりーく…おかあちゃん…だいちゅき…」

    その日もクリークは完全に幼児退行したタマを抱きながらトレーナー室に入ってきた。契約当初なら度肝を抜かれた光景も、見慣れすぎて今は何も感じなくなっていた。慣れというのは本当に恐ろしいもんだ。

    「ほーらおっぱい飲みたいでちゅか?後でたーくさん飲んでいいのですよ♡」

    「のみたい…ばぶ…ちゅき…」

    「はいはい、まずはねんねしましょうね。ねーんねん~、ころり~よ♪」

    クリークの子守りをBGMに俺は書類作業に取りかかった。えーと上層部に提出すべき報告書と…トレーニングメニューの練り直し…次にやる事は……。

    「トレーナーさんって昔からそういう性格なんですか?」

    「昔からって?」

    ふとタマを寝かしつけたクリークから尋ねられた。幸せそうに眠るタマを器用に膝枕に移行させれながら聞いてくる。

  • 79二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:11:59

    「いえ、私が色々と世話を焼こうとしたり甘やかそうとしても拒否しますよね?最初はただ恥ずかしがってるだけ……と考えていたのですよ」

    「ですがよくよくトレーナーさんを観察すると……そういう癖なんじゃないかと思ったんです。誰かに頼ろうとせずに一人で全てを抱え込もうとする頑張りすぎちゃう癖が」

    自分の弟を諭すようなクリークは小首を傾けた。本人からしたらただ疑問に思った事を聞いただけだと思うが…それでも俺の心は錆びたナイフで抉られた様な衝撃を受けた。

    「まー、そこまで見抜かれてたら否定出来ないな…多分そういう癖だと思う。昔から誰かに甘えられる環境じゃなかったからな」

    「もしかしてお母さんやお父さんが厳しい方だったのですか?」

    そしてクリークは両手を広げると甘く優しい笑みを俺に向けた。屈託のない笑顔からは全てを受け入れる保護者の様なオーラが出されている。

    「構いませんよ。私をお母さんだと思って存分に甘えてください、もし良ければトレーナーさんの過去も……」

    「…母さんは俺を産んですぐ死んだんだ。父さんも仕事人間で俺に構ってくれたのは数えるくらいしかない」

  • 80二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:12:17

    「…え…」

    話した事もなかった俺の家庭環境に彼女は心底驚いたようで目を目開いた。本当に予想外だったんだろう、レースで負けた時以上に彼女は真っ青な顔になっている。

    「まーそういう環境だからな。誰かに甘えるという事が出来なかったし……恥ずかしいけど甘え方が分からないんだ」

    「別に同情するなとは言わないけどさ、俺は今までコレで上手くいってきたんだ。クリークの気遣いはすっげぇ嬉しいけど…甘やかしたいなら俺以外の奴を誘ってくれないか?」

    「トレーナーさん…申し訳ございません…!私良かれと思って…」

    ここで俺はようやくクリークの異変に気づいた、何やってんだよ。コレじゃクリークの甘やかしに嫌がっていみたいじゃねーか…俺は急いで表情を明るくしながら訂正した。

    「あ、悪い!ちょっと言い方が悪かったな、ホントにクリークの心遣いは嬉しかったんだ。コレはホントだ、ちょっとした事で褒めてくれて…初めて暖かい気持ちにもなれたんだ…だけどさ…」

    「どうすればいいのか分かんねーんだよ。誰かに甘えるなんかやった事ないし…なんて返せばいいのかも…」

  • 81二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:12:53

    あの事件以降、俺とクリークは何処か壁を感じるようになっていた。トレーニングの際も最低限の会話以外お互いに干渉しない…完全に泥沼に入ってる。そんな事は付き合いが苦手な俺でも分かっている。だけど…どうしたらいいのか分からないんだ…このままいけばクリークも愛想を尽かして…。

    「はぁ……どうすっかな…もうちょい上手く言ってきゃ良かったか?」

    時刻は夜の9時。書類作業も一段落しトレーナー寮に帰ろうとしたんがどうにも落ち着かない…今も話さないクリークに何て話せばいいんだ。

    (同世代のトレーナーに相談しようにも仲良い奴居ねーし…自分で考えるにも限界はあるな)

    文字通り頭抱えて悩んでいた。勇気をだしてタマかオグリ辺りに相談してみるか?正にそう思った瞬間トレーナー室のドアがノックされた。

  • 82二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:13:27

    「誰だ?」

    「トレーナーさん…今お時間よろしいでしょうか?」

    「なんだ、クリークかどうしたんだよ」

    どうやら来訪者はクリークだったようだ。丁度良かった…って言えないな、何か用でもあるのだろうが、マイナス方面の話題じゃない事を祈るしかない。

    「……少しコチラに来てください。私の隣に座ってくれますか?」

    クリークはソファに座ると俺にそう催促してきた。断る通りもないし俺は言われるがままクリークの隣に座ると……。

    「……えっ?!」

    急に俺の体がふわっと暖かくなった。鼻先にくすぐるよう甘い香水の匂い…驚く暇もなく腕が俺の背中を包み込むように回される。

    そう俺はクリークに抱きしめられているのだ。

  • 83二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:13:59

    「トレーナーさん少しだけ私に甘えてくれませんか?」

    「クリーク…」

    「今までお話出来なくてすみません…私なりに色々と考えたのですが。やはり私はトレーナーさんを甘やかしたいんです…」

    クリークはゆっくりとそう言った。俺を見つめる瞳には見下しや軽蔑といった感情は一切ない……ただ一つ『愛情』がそこにはあった。

    「……ゆっくりでいいんです…トレーナーさん……自分の好きな所や頑張った事を話してくれませんか?」

    「好きな所とか頑張った事って……」

    子供をあやすようにポンポン背中を叩かれながら俺は絞り出すように言ってみた。

    「頑張った事か…じゃあ先輩からの無茶ぶりの仕事を今日中に終わらせた事とか?」

    「いいこですね~。理不尽な事に耐えれるのは普通の人には出来る事じゃないですよ」

    クリークは息子が褒められたかのように嬉しそう笑うと、更に強く俺を抱きしめてくれた。何度も何度も頭を撫でながら。

    「……あ、それと後輩の相談に乗ったんだ。選抜レースの時は積極性を持たないと契約出来ないと色々とアドバイスした…」

    「トレーナーさんは後輩想いなんですね。誰かにアドバイス出来るという事はそれだけその分野に自信があるということ…自分に自信がある人は素晴らしい事ですよ」

    「……」

    「本当にトレーナーさんは偉いですよ。特に……」

  • 84二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:14:24

    それからクリークは話し始めた。俺との初めての出会い…初めてレースで勝った時の夜…今まで俺が居たおかげでどれだけの思い出が出来たのかを…全て俺という存在のおかげで肯定し褒めながら教えてくれた。

    「……な、なあクリーク……」

    「どうしました?」

    気づけば俺は涙ぐんでいた。というよりほとんど泣いていた、目から零れる涙でクリークの制服汚しながら俺は……生まれて初めて誰かに心を許してるかもしれない。

    「大の大人が…気持ち悪い願いをすると思うかもしれないけど…聞いてくれるか?」

    「ええ、構いませんよ。ここには私しか居ません…安心して甘えてください」



    「…母さん……俺頑張ったんだ…」

  • 85二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:14:48

    それは昔からずっと心の底に秘めていた願い。


    「ずっと1人で家事をしてきて…学生の時は弁当も全部自分で作ってたんだ…運動会の時も一人で体育館裏で弁当を…」

    「友達も居なかったから誰も褒めてくれなくて…父さんもロクに俺の事を構ってくれなくてさ!」

    「それでも俺はトレーナーになる為にずっと勉強し続けてきたんだよ、誰からも必要されなくてもずっとずっと頑張って生きてきたんだ!」

    「だから…母さん…」

    「俺を褒めてくれないか…よくやったって…褒めてくれ…」

    『家族なんか要らない』そんなの自分に言い聞かせてきただけだ。
    こうして青春を捨ててトレーナーになっても…満たされなかった想い…そうか…俺は…。

    傍に誰か居て欲しかっただけなんだ。
    使い切れない程の小遣いも要らない…最新のゲーム機なんか要らない…ただ一緒に家族とと居れるだけでよかったんだ。

  • 86二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:15:21

    「……安心してください…貴方は誰よりも立派で自慢の息子ですよ。100点満点です」

    「ずっと一人で頑張ってきたんですよね?それは普通の人には出来る事じゃありませんよ」

    クリークは俺の顔を甘く優しく自分の胸に寄せ付けてくれた。苦しいくらいに強く抱きしめながらも…このまま離れたくないと願うほどに心地よい抱擁だ。

    「不安に押しつぶされそうになった時も…壁に当たった時も…ずっと貴方は自分信じて努力し続けてきたんですよね?」

    「それは普通の人じゃ出来る事ではありません。本当に凄くて立派です」

    「かあ…さん…!!ああっ…!!母さん!!!」

    「ふふっ…甘えん坊さんですね。たくさん泣いてくださいね、私が見守ってあげますから」

    年下の女の子とか担当ウマ娘とかもう関係ない。俺はひたすらに泣いた、涙や声が枯れるほどに生まれて初めて母の胸で…生まれて21年目にして、俺は初めて愛された赤ん坊のように泣き続けた。

    「苦しいのは我慢しすぎないでくださいね?背伸びするのも長くは続きません、たまにはこうして私の胸で全てを忘れて甘えてください」

    「大丈夫ですよ、スーパークリークがずっとずっと貴方という息子を見ています…だから安心して泣いてください」

  • 87二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:15:52

    それからどれくらい経ったか。ようやく落ち着いた俺は掠れた声でクリークに尋ねる。

    「なあクリーク…なんで俺を甘やかしてくれるんだ?」

    「うーん……特に理由はないですね。強いていえばそこに愛に飢えている人が居たからでしょうか」

    「…おいおい、なんか怖い言い方だな。タマが恐れるのも分かるぞ」

    「ふふっ、ただ深く考える必要はありませんからね?私はトレーナーさんのお母さんですから、他の人より特に甘やかすと決めただけです」

    クリークは飛びっきりの笑顔を浮かべながら教えてくれた。



    「母の無償の愛に理由はないんですよ、そんなの常識じゃないですか」

    END

  • 88二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 02:17:33

    雑クオリティですがSS書いてみました(o_ _)o
    暖かい目で見てください…!

  • 89二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:58:13

    >>88

    乙!!

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 11:42:20

    >>88

    待ってて良かった……!

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 12:19:41

    >>87

    素晴らしい…少し泣いてしまった

  • 92二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 14:23:17

    >>89

    >>90

    >>91

    読んでくださり本当にありがとうございます!素晴らしい概念見かけたので遅れながらも書いて良かった…!

  • 93二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 17:30:21

    あっ❤ダメッ❤泣いた…❤

  • 94二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:48:58

    「手を繋いで、帰りたい」

     夕焼けの中、口から言葉が溢れ出た。言ったあとで、自分で自分の発言に耳を疑った。練習の無い休日に、担当ウマ娘のスーパークリークと公園に出かけて、彼女の用意した弁当を二人で食べて、少し歩いて、帰る時のことだった。

     違う。今のは気の迷いか、間違いで。そう言って取り消す前に、彼女は微笑むと、ふわりとこちらの手をとって歩き出した。

     手を引かれたまま、二人で茜色の空を見ながら、ゆっくりと歩く。大通りから少し外れた住宅街は、人通りも車通りもほぼ無かった。もしかしたら人目を気にしてしまう今の状況と自分に対する、彼女のさりげない心遣いかもしれない。

     大の男がこんなことを、とか。変なこと言ってごめん、とか。そういって謝っては、彼女は首を横に振る。何度かこのやり取りを繰り返してようやく、ぽつぽつと理由が口から出てきた。途切れ途切れの述懐を、彼女は何も言わず、ただ聞いていた。

    「夕日がきれいで、それで思い出したんだ」

     たぶん、小学生に通い始める頃か、その少し前の記憶。夕焼けを背景に、友人が母親に手を引かれて歩いて帰る姿。公園で友達と遊んで帰るとき、その後ろ姿を、素直に羨ましいと思った。

     夕飯の時、父親にそのことを話したら、涙を目に浮かべ「ごめんな」と言うばかりで。当時はよくわからないまま、わからないなりに酷く罪悪感を覚えて、反省した。これは言ってはならないし、思ってはならないものだ、と。

     それからは、父は不器用ながら男手ひとつでどうにか育ててくれたし、トレーナーという夢だって応援してくれた。こうして夢も実際叶えられているのだから、恵まれている。恵まれていたんだ。だから。だから。羨ましい、なんて。

  • 95二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:49:57

    「…『思っちゃいけない』ですか」
     詰まって出てこなくなった言葉を継ぐように、クリークが口を開いた。しゃくりあげながら、小さく頷く。

    「…話してくださって、ありがとうございます。こうやって話せるくらい、強い気持ちを、誰にも言わずに心の奥に隠してたなんて。本当に、偉いです」
     立ち止まると、クリークのもう片方の手が、頭を撫でる。今まで彼女からされるたび、どうすればいいか分からなかったその行為を、ただ、受け入れる自分がいる。

    「でも、もうそんなことしなくてもいいんです。私がいますから。あなたを甘やかしたい気持ちでいっぱいの、担当ウマ娘が、ここに」
     ずっと繋いでいた手に、ぎゅ、と力が込もる。つながりを示すように。繋いでいたことを思い出させるように。

    「あなたが羨ましく思ったことなんて、むしろ教えてほしいくらいです。そうすれば、今みたいに叶えることだってできるんですから!」
     沈んでいく西日の眩しさと、涙で滲んだ視界で、彼女の表情は見えなかった。一緒に泣いているようにも、微笑んだままのようにも見えた。

    「だから、これから一緒に、ゆっくり探しましょう。心の奥に追いやって、そのうちに忘れてしまったこと。本当はしてほしかったことも、行きたかったところも、食べたかったものも、全部」

    「見つけたら、話して、出かけて、叶えて。そうしたらまた今日みたいに」

    「手を繋いで、帰りましょう?」

  • 96二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:50:41

    以上です。お目汚し失礼しました。
    スレ主様の素敵でしんどい概念と、皆様の作品に触発され、遅筆ながら書かせていただきました。

  • 97二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 00:30:08

    スレ主ではないけど、面白いものを見せてくれてありがとう。すごい充実した
    もう投稿されるか分からないけど、次があるなら待つよ。

  • 98二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 01:02:25

    スレ主です、というより


    >>76


    のSSを書いたのは僕ですm(_ _)m

    久しぶりのSSだったので拙い内容と思いましたが…それでも感動して下さる方が何人も見受けられホントに感謝しかありません!それに深夜テンションで思いついた概念にここまで皆さんが反応してくれるなんて、想像もしませんでした!このスレにレスをして下さった皆さんありがとうございます…!

  • 99二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 01:45:43

    ウワーッ! そうだったのか!

    最初のSS以降連続投稿した人です。最初は「難しい概念持ってきたなぁ…」くらいだったのがレスを見てるだけで自分でもビビるくらい筆が進んでめちゃくちゃ投稿してしまいました。他の人が書くだろうと思ってトレーナー薄めにしてたら逆に変なキャラの固定になってしまってホント色々申し訳ない。でもすごい楽しかった! ありがとうございました!

    またレスするとかスレ立てするとかは分からないですが、楽しみに待ちます!

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています