- 1二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 21:30:36
- 2二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 21:33:57
ゾロベロスレだと!!
もう煮込む!!🍲 - 3二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 21:43:59
保守
- 4二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 21:55:19
青春を謳歌する高校生の頃である。そいつのことは、顔見知りぐらいの関係であった。
いつも麦わら帽子を被ったうるさいやつとつるんでいるそいつがある日、私が「オカルト部の部室」という名目で勝手に憩い場に使っている部屋で着替えていた時に、彼は突然入ってきたのだ。
ゾロ「あ、悪い」
年頃の乙女の着替え中の身体を見て、その反応だけで終わったのが妙に腹が立ってしまい、部屋中の物を投げつけた。
机を投げ、彼はそれを受け止めたが焦りもあり、勢いも加わって転倒。
ペローナ「ホロホロホロ!ざまぁーねぇーな!くそマリモ!」
ゾロ「お、おめぇ・・・!」
何故、この部屋に来たのかはだいたい察しが付く。
こいつの方向音痴さといえば学校では有名で笑い話だ。
かわいそうだけど無慈悲に、こいつに着替えを覗かれたと突き出しても良いが、自分の時間を取られてしまうことにもなるのでそれは面倒だ。
そこで、明日は土曜の休みであるのを利用する。 - 5二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 21:58:10
ゾロペロ好きだけどSS少なくて困窮してたんだ!素晴らしい文章と物語を書いてくれてありがとよスレ主!!
- 6二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:07:03
ペローナ「おいお前!私は今からお前のしたことを先公に言いつけようと思うんだけどなぁ・・・?」
解りやすい、脅しである。
ゾロという男は、鈍そうであるがこういった匂いにはすぐ気づく。
ゾロ「ちっ・・・!何が目的だ?」
ペローナ「察しがいいなぁ!お前!ホロホロホロ♪お前がやるべきは、荷物持ちだ!」
ショッピングとは重労働なのである。いつも買いたいものがあっても、自分の持てる範囲を考えて諦めてしまうことが多々ある。
昔は、義理の父親の部下であるホグバックとかいう医者とアブサロムを付き合わせたが、一回行ってから断られるようになってしまった。
ペローナ「明日の朝9時!駅前の外灯下!忘れんなよ!私が遅れても待てよ!」
嫌嫌そうな顔で、気だるそうに返事が返ってきた。 - 7二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:25:39
ゾロペロスレ!?
- 8二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:29:36
翌朝、雨が降っていた。けっこうな豪雨だ。
ノックから部屋に入ってきたメイドの「おはようございます、お嬢様」の挨拶は無視。
ベッドから出たくない。雨の音が行動力を奪っていく。
ペローナ「むぅぅ~~~・・・」
彼女の頭の中に、昨日のことなどすっかり抜けていた。
そんな風にベッドから出ずにグズグズしていたら、二度寝に入ってしまうもので・・・
ペローナ「ん・・・はえ?」
激しいノック音で、目が覚めた。
さすがに夕刻となっても現れない彼女に心配というか、呆れも踏まえて館の主人で義父であるモリアが自らが出向き、「夜の食事はいらねーのか!?」と扉の向こうから呼びかけてくる。
ペローナ「いりま~~す♪」
可愛らしく返事をした。それを聞いてモリアは「休みだからってな・・・」と、ブツブツ小言を漏らしながら去っていく足音が聞えた。
雨は、まだ降っている。
ペローナ「さーてと、顔ぐらいはあら・・・う・・・」
ベッドから起き、絨毯に足をつけた瞬間に思い出した。今日の約束のこと。
あいつの連絡先も知らない。
ペローナ「しょうがない、月曜に学校で謝ろっと♪」
割と呑気に自己解決し、顔を洗いに、食事をとりに向かった。 - 9二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:43:02
ペローナ「まったくモリア様ったら、私の休日は私の物なんだからどれだけ寝ようとも・・・」
食事の最中にされた説教に文句を垂れながら、お風呂にでもはいろうかなと廊下を歩いていたら雷が落ちる。
窓から見えたそれがきっかけなのか、叩かれて思い出させるようかのように、あの日の会話を思い出してしまう。
「私が遅れても待てよ!」これが浮かんだ。
ペローナ「いやいやいや、まさか・・・」
こびりついて、気になってしまう。どうしてだ?
絶対にもう帰ってる。そうに違いない。自分もこのことはすぐに忘れるだろう。
いや、まさか、ありえない。
顔は知ってるが、ほとんど会話もしたことない同士だ。そう深く守る義理もないし関係もないはず。
ペローナ「ああ!もう!!いなかったら私に無駄足運ばせたって傘で叩いてやるからな!!」
豪雨の降り注ぐ中、高級なコウモリ傘をさして駅へと向かう。
傘一本では心もとない雨の勢いであり、さしても意味ないぐらいにペローナはずぶ濡れになっていく。
いないなら、それでいい。互いに言い争って終わりで済む。
願った。いないでくれよと。
しかし、彼はいた。駅前の外灯下で腕を組みながら仁王立ちしている。
せめて駅内に入って雨宿りしていればいいものを。 - 10二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:53:08
ペローナ「お前バカか!!」
本当に大馬鹿野郎だと思う。
雨に打たれ、朝からずっと待ってくれていたことに。
ゾロ「遅刻しといて第一声がそれか・・・」
ペローナ「うるせーよ!ってか傘ぐらい持ってねーのかよ!?」
ゾロ「ウソップに案内されて着いた時にはまだ降ってなかったんだがな。傘を買いに行こうにも離れるのはまずいと思ってな、その間にお前が来たらなんて言われるか。お前が着いてから買いに行こうと思っていた」
ペローナ「そ、それにしてもこの時間まで来なかったら普通帰るだろ!」
ゾロ「は?お前、来たじゃねぇか・・・」 - 11二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:53:20
貴重なゾロペロだ、煮込め!
ゾロはこういうやつだよ… - 12二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:58:32
内にある真っ赤なガラスが打ち砕かれた気がした。
なにもかもが、真っ暗に。
胸が痛い、痛くてたまらない。
悲しくもないのに、涙と鼻水が止まらない。
傘を手から落とし、その場にへたり込んでしまう。
ゾロ「おい、どうした?」
何も聞こえない。なにも・・・
聞えるのは己が内心のみ。
決めてしまう。そう、決心の燃え上がり。
「結婚するならこいつしかいねぇ!」と!
ハリケーンが起こる。 - 13二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 22:59:30
恋はいつでもハリケーンしちゃった!
- 14二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:02:35
これはまさにハリケーン!!
- 15二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:02:39
え〜ん煮込む煮込むーーー!!!!!
「お前、来たじゃねぇか」ゾロ、そういうとこだぞ〜〜〜!!!!! - 16二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:12:43
ペローナ「おい・・・マリモ・・・いや、ロロノア・ゾロ」
ゾロ「あん?なんだ?これから買い物に行くにしても、ナミとかがいうブディックか?そういったとこは閉店間近だぞ」
ペローナ「いや、もう買い物はもういい・・・私の家に来い」
ゾロ「帰るのか?まぁ、夜道だから送りぐらいは・・・」
ペローナ「送るだけで終わらそうとすんなよ。泊ってけよ」
気迫が凄い。戦闘意欲や殺気とは違うのに、何故か押されてしまう。
夜道なのでちゃんと送っていったが、着いた瞬間にゾロは全速力で逃げた。
「あ!」と反応してすぐ、逃げていく彼の背中に向けて叫ぶ。
ペローナ「また学校で!」 - 17二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:14:26
ゾロペロって良いよな…好き♡
- 18二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:15:12
続きのワクワクと、初めての場所から無事に彼は帰れるのかな?というドキドキが止まらない
- 19二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:24:29
- 20二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:29:54
うほほー!たまんねぇな!
- 21二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:49:41
- 22二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:55:12
- 23二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:55:52
- 24二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:56:32
- 25二次元好きの匿名さん22/12/07(水) 23:57:29
高校生だから、口紅しない日があってもええんやで
- 26二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 00:04:58
これまでで、一番大きく籠った声の出し方だった。
その声量にたじろぐゾロ。
ルフィですら食事の手が止まってしまっていた。
ペローナ「はぁ・・・はぁ・・・うん、いや、わかってる。わかってるから、しつこいってのは・・・でもさ」
ペローナ「あの日みたいに待ってくれたお前みたいに、イエスかノーか出るまで私は待つからな!」
これまでずっと、逃げたり紛らわせたりして対処してきた。
ただそれは長引かせるだけである。
答えを出さなくては終わりそうにない。
ルフィ「あいつ、本気だぞ」
ゾロ「わかってる・・・」 - 27二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 06:12:11
あーつよつよまっすぐ……最高……
- 28二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 15:46:17
神SSが見える上に神絵も見れるなんて
- 29二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 17:37:00
そして、答えが出ぬままに卒業式まで延びてしまう。
卒業式後、第二ボタンなり告白なりの物語みたいな展開とかそういったトキメイタものはない。
ペローナはゾロを呼び出すというよりは、腕を引っ張って強引に連れ出した。
中庭とか、体育館裏とかではなく、階段で。
ペローナ「私と夫婦になれよ!なってください!」
ゾロ「よし、いいぞ」
さすがに卒業式となる今日まで、ヘコむこともめげることなく、解りやすい一本道でくる彼女なら大丈夫だろうと腹を括った。
嬉しさで思いっきり抱き着いたとかはない。
彼を連れて帰り、養父のモリアに「モリア様、私こいつと結婚するから」と唐突に告げる。
彼は泣いた。
ワインを深酒した。
ホグバックにウザがらみした。
しかし、関係はいつもと変わらないまま。
ちょっと意識を深るようになったとかはない。
ペローナ「というわけで、私とパパは結婚したの」
娘に、自分はもうちょっとロマンとティックに恋するよと言われた。
甘いな、娘よ。変に大掛かりにするよりはスッと馴染むような関係の方が上手くいくといつか気づくだろう。 - 30二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 18:07:59
ゾロが折れたというか、ペローナが勝ち取ったというか……
幸せにおなり なってる よかった - 31二次元好きの匿名さん22/12/08(木) 22:31:32
すっきり読みやすくてよかったわーい