【ウマ娘×メルスト】かぼちゃの紳士としあわせの青いバラ

  • 1二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:46:03

    「こんばんはお嬢さん!月の綺麗ないい夜だ!」

    「……!?きゃうっ!?か、かぼちゃのお化け……!」

    「ム、お化けと呼ばれるのはあまりいい気分ではないね。まあ、確かに言ってしまえばそのようなものなんだが。」

    「え……、ここは……?ラ、ライスはお部屋でベッドに入って……それで……。」

    「ならもう分かっているだろう?何者であろうとも、眠りについたのなら行き先はただ一つさ。」

    「え、えと……ここは……夢の中なの……?」

    「その通りだよお嬢さん!どこまでも広がる世界、いつまでも見ていられる幻想。果てのないこの世界こそ夢の町、アローウィンの町さ。」

    「あ、あなたはいったい誰……?本当に、お化けさんなの……?」

    「私かい?私はミスター・シトルイユ!友人の二人と共に世界を見て回っている、しがない紳士さ!」

  • 2二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:47:09

    「そ、そうなんだ……。なんか、意外だね……。」

    「意外!?うーむ、確かに少し変だとはたまに言われるが……そんなに紳士らしからぬ態度だったかな……。」

    「あ、いや、そうじゃなくて……、お化けさんなのに友達がいたり、あんまり怖い感じじゃなかったりするんだなって……。」

    「なるほど、そういうことか。なに、不思議なことではないよ。人間にもいろんな人がいるように、お化けにもいろんなお化けがいるだけだ。」

    「へぇぇ……、ライス、今までお化けさんってだけで怖かったから……。優しいお化けさんもいるんだね……。」

    「次は私が君のことを聞いてもいいかな?せっかく同じ夢の中で過ごせるんだから、君と仲良くなりたいんだ。」

    「えっと、ライスは……ライスシャワーって、言います……。よろしくね、お化けさ……あ、うーんと……シトルイユさん!」

    「よろしく、ライスシャワー!私のことはミスター、もしくはミスター・シトルイユと呼んでくれ!」

  • 3二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:48:06

    「うん、分かったよミスター……。それにしても、夢の中って本当に広いんだね……どこまでも走っていけちゃいそう……。」

    「君が望むなら簡単にできるさ、なにせここは夢の町だからね。例えばこんなことだってできる。さあ、お嬢さん、お手を拝借!」

    「手を握ればいいの……?わぁ、ミスターの手、おっきいね……きゃあぁぁぁ!?」

    「ハッハッハ!空を走るのは初めてかな?心配はいらないよ、エスコートなら私に任せてくれ!」

    「た、高くて怖い……!でも、ちょっと楽しいかも……!ミスター、もっと思いっきり走ってもいい?」

    「もちろん構わないよ!どうだい、町を見下ろしながら空を走るのは気持ちい……ヌォォォ!?」

    「はっはっはっ……!すごい、すごいよ、ライス空を走ってるんだ……!」

    「ラ、ライスシャワー、君は随分速く走れるんだね!?ちょっと怖いくらい速度が出てるよ!?」

    「はっはっはっ……♪」

    「聞いてない!!」

  • 4二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:48:56

    「ふう、楽しかった……!夢の世界ってやっぱり楽しいんだね、ミスター!」

    「……それはなによりだよライス、ウップ……。」

    「ライスね、もう一つやってみたいことがあるんだけど、試してみてもいい?」

    「他にも見たい夢があるのかい?いいよ、やってみてくれ。私も君の求めるものに興味がある。」

    「じゃあ、いくよ……、う〜〜〜ん、えいっ!」

    「おお、バラの花があたり一面に広がって……素晴らしい景色だ!」

    「えへへ、ライスね、バラが好きだからやってみたかったの!」

    「とてもいい夢だよライス!……しかし、青色のバラは初めて見たな。とてもキレイだ……。」

  • 5二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:49:33

    「この青いバラはね、ライスが一番好きな絵本に出てくるバラなんだ。初めはみんなを嫌な気分にさせちゃうお花だったんだけど……、お兄さまに見つけてもらってからは、他の人を幸せにできる素敵なお花になったんだよ。」

    「なるほど。みんなを幸せにしてしまうなんて、まるで君のような花だね。」

    「え!?ラ、ライスはまだ全然そんなことないよ……。他のみんなに迷惑をかけてばかりだし……。」

    「そうかな?私はいま君と遊べて楽しいよ!すごく幸せな気分だ。」

    「でも、もっと頑張らなくちゃいけないことがたくさんあって……これからお兄さまと一緒に……お兄さま……?」

    「ライスシャワー?」

  • 6二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:50:14

    「……ごめんなさい、ミスター。ライス、そろそろ起きなきゃ。」

    「ふむ、どうやらここでは叶えられない夢があるようだね。」

    「うん、お兄さまと一緒じゃなきゃ叶えられない……ううん、お兄さまと一緒に叶えたい夢があるの。だから、ここにずっといちゃダメだって思うんだ。」

    「そうか……。一緒に夢を見たい人がいるなら、それはとてもいいことだ。果てのない夢の中では、標がなくては迷ってしまうから。」

    「ライス、もう行かなくちゃ……。一緒に遊んでくれてありがとうミスター。絵本の中みたいな世界で、とっても素敵だった!」

    「私も楽しかったよライスシャワー。……じゃあ最後に君にプレゼントだ。」

  • 7二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:51:01

    「これは……絵本?」

    「私の友達の父が絵本を書いていてね。とても面白い話を書くんだ。君は絵本が好きなようだから、一冊あげよう。」

    「わぁ……!『火吹き竜とのたたかい』?ありがとう!あとでじっくり読むね!」

    「では、さよならだライスシャワー!いつかまた、見果てぬ世界の果てで会おう!」

    「うん、じゃあねミスター。ライスも、ぜったい夢を叶えるからね!」


    「練習上手◯」になった

  • 8二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:52:14

    以上です。ハロウィンだから書きたかった。読んでくださりありがとうございました!

  • 9二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 22:56:49

    これはいいですぞ...

  • 10二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 23:08:11

    アローウィンの町はSSの舞台にしやすそう

  • 11二次元好きの匿名さん21/10/31(日) 23:31:15

    初めて感想もらえた……嬉しい……
    夜のいきものたちは話を考えやすい気がする
    あと単純に好き

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