ドトウの育成シナリオに脳をやられたトレーナーのドトオペ怪文書

  • 1二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 09:57:38

    ずっと一緒に走っていける。漠然とそう思っていた。

    「へ.......?オペラオーさんが.......海外に.....?」
    「ああ!トレーナーくんと相談してね、次のレースに勝ったら世界へ羽ばたこうと!そう決めたのさ!
    ライバルである君には、伝えておこうと思ったのだが.....おや?どうかしたのかい?」
    「いえ.........さすがはオペラオーさんです〜.....」

    不思議そうな顔したオペラオーさんから逃げるようにその場を後にした。


    どうしよう。
    オペラオーさんが行ってしまう。
    オペラオーさんと一緒に走れなくなってしまう。

    でも、彼女はそれでいいのかもしれない。
    世界に挑戦する彼女の美しい姿を空想する。昔の私なら、その背中を押していた。
    でも今はどうしようもないくらいの飢餓感と執着で溺れそうになる。

    私はオペラオーさんと走りたい。
    ずっと、ずっと一緒に。


    トレーナーさんのいる部屋の前でドアノブに手をかけたときに、ふと簡単な結論に辿り着く。

    そうか、次のレース、私が勝てば

    「トレーナーさんっ!!!」

    ドアが壊れるんじゃないかと不安になる音が聞こえたがそれよりも、それよりも一番伝えるべき人にこの言葉を伝えなければ。

  • 2二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 09:57:54

    「私.....次のレース、絶対に勝ちますぅ!!」

    驚きでひっくり返っていたトレーナーさんが白黒させた目で私の目を見つめると、ゆっくり頷いて「もちろんだ」と答えてくれた。



    その日からレース当日まで、練習をいつもより増やした。毎日、日が暮れてからも走り込んでいたけど、いつもいつもオペラオーさんと鉢合わせるからどんなに練習しても安心なんてできなかった。
    彼女の目に私と同じものが宿ってるのがわかれば、「なんで私を置いて行っちゃうんですかぁ...!」なんて言葉は喉奥で溶けてしまう。

    言葉なんてもので彼女を引き止めることはできない。だからやっぱりレースで、敗北で繋ぎ止めるしかないんだ。

  • 3二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 09:58:44

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  • 4二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 09:59:13

    軽い。
    体が軽い。
    前を走るウマ娘までのハナ差を縮めて先頭に躍り出るとパァと視界が開ける。あと200m、このまま────
    瞬間、つい振り返ってしまいそうなほどのプレッシャーが背中にかかった。
    わかる。私にはわかる。彼女しかいない。
    何度も何度もその気迫を背に受けた。
    これが私の走りたいレース。これがなければ私は、私じゃない。
    いつも、開けた視界の端から見える端正な横顔は綺麗と思うよりも怖かった。

    「だけどっ.......!」

    今日はあなたのそんな顔は見ません。
    とにかく、とにかく一歩、できる限り先へ。

    ふっ、と世界が静寂に包まれる。背にはあの気配。目の前には────

  • 5二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 10:00:24

    「メイショウドトウ!!メイショウドトウだ!!!テイエムオペラオーの海外への切符をちぎって捨てた!勝ったのはメイショウドトウ!!」

    ぱた、ぱた、と中々足が止まらない。ようやく止まっても観客に目を向けることすらできず、自分が超えたゴール板を眺めていた。

    「はぁっ.......はぁっ.....................」

    「.......ッ!さすがは我が終生のライバルだ!やはりドトウ、君は強い...!この雪辱、必ず果たすよ!見ているがいい!!」

    私が、勝った.......?
    オペラオーさんに.....?

    「.......オペラオーさんには...」

    ぽつり、と胸の内が唇からこぼれていく。

    「...ドトウ.....?」

    「オペラオーさんにはっ!私が必要なんです!私は!あなたに相応しいライバルでい続けますぅ.....!だから.....



    一生一緒に、私と走ってくださいぃ!!」

  • 6二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 10:01:26

    「.....」

    「.........ひゃっ!あ、あのっ違うんですぅ!そんな大それたこと言うつもりじゃあ.....」

    「.....情熱的な宣戦布告だね!一生.....一生か.....ふふ.....」

    「あ、あのぅ.....」

    「いいだろう!!!ボクには君が必要...ね。ああまさしくその通りだ!!そして、君にもボクが必要!違うかい!?」

    「ち、違いませんっ!」

    「ならば駆けていこうじゃないか.....!このターフを!!共に!」

    「.......はいっ!」




    おわり

  • 7二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 10:01:57

    いい...

  • 8二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 10:02:18

    いいね、グー

  • 9二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 10:02:24

    いいですね、こういう友情、ライバル関係寄りの百合は私の性癖に合っていますよ。2人には時折一緒に買い物に出掛けて甘いものを食べてもらいたいものですね

  • 10二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 10:16:14

    これすき

  • 11二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 12:36:00

    熱くて素晴らしい

  • 12二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 12:38:36

    怪文書っていうか快文書

  • 13二次元好きの匿名さん21/08/22(日) 12:39:46

    お前最高だよ。最高だよ

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