カレンチャン・ハロウィン【SS】

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:01:25

    ───トリック・オア・トリート

    「ごめんねお兄ちゃん、本当はね、カレンお菓子持ってないの。」
    「だからお兄ちゃんに悪戯されちゃうね。カレンね、お兄ちゃんになら何されても大丈夫だよ?」

    どうして私はカレンチャンにトリック・オア・トリートなどと言ってしまったのか

    『カレンね、お兄ちゃんに朝から迷惑を掛けたからお詫びにおいしいお菓子を持ってきたの』
    『あっ、でもハロウィンなのにまだお兄ちゃんからカレン例の言葉を言ってもらってないから折角だし言ってほしいな♪』

    露骨すぎる罠だった。それすら見抜けないほど疲れ切っていた。
    披露の原因は眼前で手を広げて受け入れの態勢を示すカレンチャンもといカレンお化けである。



    ───本日の早朝、カレンチャンから朝練をしたいと申し出があったのでグラウンドに向かってみると
    『お兄ちゃん♪トリック・オア・トリート!』
    いたのはカレンお化けだった。
    お化けのコスプレは簡単なものだったがとても可愛らしかったと記憶している。
    当然お菓子の準備などないので悪戯されるほかなかった。
    『じゃあ悪戯はカレンを真正面からハグしてね♪時間は30分くらいにしようかなお兄ちゃん?』
    今日は朝練をしているウマ娘が何故か普段より多めで、いつも以上に気疲れした。

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:01:50

    次いでお昼休憩、カレンチャンとお昼を食べる前に業務用チョコレートを購入、
    これだけあればカレンチャンの悪戯を防げるだろう。


    ───一瞬でなくなった。

    食堂にたどり着く前に話したこともないウマ娘たちにトリート・オア・トリートされ続けお菓子を根こそぎもってかれた。
    アドマイヤベガさんが『ごめんなさい』と言っていた意味を理解したときにはもう既に食堂で、
    『お兄ちゃん♪トリック・オア・トリート!!』
    お昼の悪戯は『膝の上にカレンを乗せてご飯をあ~んさせて?』
    すごい疲れた。

    そして午後練。練習中のカレンチャンはいつも以上に真面目で、ハロウィンのことなど頭から抜けていた。
    『今日の練習メニューはこれで終りだねお兄ちゃん!トリック・オア・トリート!!!』
    ───私は馬鹿だった。
    この時の悪戯は『カレンの練習で汗いっぱいかいちゃった。お兄ちゃんに拭いて欲しいな?』。
    滅茶苦茶疲れた。

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:02:27

    ───このような経緯で疲れ切った私に、カレンチャンは夜トレーナー室に押しかけて慰労を込めたお菓子の差し入れに来たのだ。
    ハロウィンで垂れてきた蜘蛛の糸は救いなどでなく獲物を絡めとる蜘蛛の巣だったわけである。


    「お兄ちゃん?カレン、寮の門限も近いからはやく悪戯して♪ほら、はやくはやく!」
    「今日一日カレンがしてきた悪戯を帳消しにできる悪戯じゃないとだめだよね?お兄ちゃん♪」
    時間制限まで設けられた。いま悪戯されているのは私ではないだろうか。
    カレンチャンのご所望は抱きつかれて、膝の上でご飯を食べさせ合いして、汗を拭かされて、それを帳消しにできる悪戯。


    ───想像してしまった。色々とダメだった

    疲労と暴走した脳は思考を放棄し、気づいたときには体が勝手に動いていて、



    ふにっ ふにっ




    カレンチャンのほっぺを指でつついていた。とても柔らかかった。

  • 4二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:03:05

    「……お兄ちゃん?」

    ほっぺ柔らかい

    「むっーーー!!!」

    頬を膨らませてきたカワイイ。何故か不機嫌だが理由が分からない。
    カワイイなーと思って頬をつついていると、カレンチャンに動きがあった。
    「……お兄ちゃん。トリック・オア・トリート。お菓子持ってる?持ってないよね?悪戯しちゃうね?」
    口を挟む間もなくそう言うと、頬をつついていた手を掴まれて、
    伸ばした人差し指はカレンチャンの目の前に持ってかれる。

    「これくらいの悪戯してもいいんだよ?お兄ちゃん?」
    次の瞬間には私の指はカレンチャンの口に飲み込まれた。
    口の中は暖かくて、舌に触れる感触が…かんしょく?



    ───お兄ちゃんは正気に戻った。

    そこからの行動は早かった。飲み込まれた指を取り戻し、
    やりすぎた顔をしているカレンチャンを置き去りにトレーナー室を飛び出して、
    たまたま近くにいたアドマイヤベガのトレーナーに頼み込んで部屋に泊めてもらった。

    そうお兄ちゃんは───耐えきったのだ。

    カレンチャンは───トレーナー室で一晩を明かした。

    めでたしめでたし。

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:03:59
  • 6二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:04:02

    ああ…可愛い…。
    用意周到なカレンチャンもカワイイだしそこでほっぺたふにふにになるトレーナーさんもカワイイだ…。
    とても良かったですめでたしめでたし

  • 7二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:04:34

    よくそっから持ち直したな…

    >>5

    寝ろ

  • 8二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:04:42

    このレスは削除されています

  • 9二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:09:07

    なんでや今回は流石にやりすぎたとカレンチャンも反省してるやろ!
    それはそれとして自分の口とほっぺに手を当ててちょっとぼーっとしてるのを様子見に来たアヤベさんに見られてそうだけど

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:10:25

    >>5

    ありがとういい夢が見れそう

    お大事に

  • 11二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 02:24:05

    カレンチャンがトレーナー室で一夜を明かすのはめでたくないと思うの…

  • 12二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 10:55:14

    熱治って見返したら読みにくかったのでリベンジします。カレンチャンに看病されたいだけの人生だった

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