- 1二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:13:12
かごいっぱいに集まったお菓子の山を前に感嘆したような面持ちのフラワーさん。
「ふふっ、魔女フラワーさんの愛嬌の賜物ね」
「えへへ……キングさんもとてもかわいらしいですよ」
私とフラワーさんは魔女風の仮装をして、傍からだと姉妹のようにも見える。
「でもどうしましょう、こんなにたくさんのお菓子……」
フラワーさんが悩ましげに頬に手を当てる。
私たちは曲がりなりにもアスリートだ。
レース前の体重管理だってやらなければならないことの一つだ。
とはいえ食べ物、しかも好意でいただいたものを捨てるわけにもいかない。
「極端に日持ちしないものはありませんけどちょっとずつ食べるにしても多いですよね……」
「そうねえ……」
私はお菓子の山から板チョコを一枚取り半分に折ってから、思案するフラワーさんに手渡した。
「トレーナーさんや職員の皆さんにおすそ分けしましょうか。私たちは食べられる分だけ食べましょう」
フラワーさんはうなずきつつチョコをかじった。
私も彼女にならってチョコを口に入れる。
甘味が口中に広がる。
フラワーさんがなにか思いついたようだ。
「別のお菓子の材料にしてもいいかもしれませんね。キングさんも一緒に作りませんか?」
「……私、お菓子作りどころか料理もあやしいのだけど」
「大丈夫です教えますから!それに料理だってぐんぐん上達してるじゃないですか」
目を輝かせた彼女の提案に私は苦笑しつつ承諾するしかなかった。 - 2二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:13:45
談笑していると部屋の扉が開いた。
ドラキュラの格好をしたスカイさんが入ってくる。
「お待たせー。わお、これはまた大漁ですねえ」
フラワーさんが少し隙間を開けて私との間にスカイさんを座らせる。
マントを着け男装したスカイさんはまあまあ……かなり絵になった。
ふと、あることが気になった。
「スカイさん、お菓子はどうしたの?」
「いや~、それがですねえ……」
困ったように微笑むスカイさん。
「どうにも皆さんイタズラのほうがいいみたいで全然お菓子もらえなかったんだよね~」
パキッ、とフラワーさんが手に持った板チョコを割った。
「……どんなイタズラしたんですか?」
フラワーさんのなんの抑揚もない声がひどく恐ろしいもののように聞こえた。
「別に大したことはしてないよ~。耳元で囁いたりとか壁ドンとかが多かったかな~」
「…………そうですか」
フラワーさんが私に目配せをしてきた。
私は一つ息をついて立ち上がる。
そして扉の鍵をかける。
「あれ?キング、どうして鍵を……」
言い切る前にスカイさんがベッドに押し倒される。
「ふ、フラワー……?」
「怖がらなくて大丈夫ですよ、ちょっとイタズラするだけですから」
スカイさんが助けを求める視線を私に向けてくる。
私は添い寝をするようにスカイさんの隣に横になる。
「……スカイさんはもう少し自分がどれだけ想われてるか知っておくべきよ。だからね、スカイさん」
私とフラワーさんの声が重なる。
「トリック、オア、トリート?」 - 3二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:14:26
ハロウィン中に間に合いそうになかったのでハロウィン後のお話にしてみました
お目汚し失礼しました - 4二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:17:48
キングとフラワーって絶対仲良いよね
公式からの供給はないが、断言できる - 5二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:18:59
- 6二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 00:50:36
すきだ…
- 7二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 06:36:46
ああ……天に召される……
- 8二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 07:00:02
迫真のWIN