【SS】作家のライスと編集ココン【ココライ】

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 02:58:54

    目を瞑ると、思い出す。
    アオハル杯、芝と長い長いコースそして⋯
    「先生?先生!!」
    うとうとしていた所を目の前の編集さんに起こされる。
    「先生?またうとうとして、昨晩はちゃんと寝たんですか?」
    「ごめんなさい⋯新しいお話考えてたら眠れなくなっちゃって⋯」
    はあと金髪に手を添えて編集さん⋯リトルココンさんは呆れた顔をした。
    「寝る時間はちゃんとしてくださいって私言いましたよね、第一今日はサイン会なんですよ?眠そうな顔してたらファンに失礼です」
    真面目な顔をして怒るココンさん、怒っていても整っているその顔を私はじっとみてしまう。
    「先生?聞いている?先生!」
    「ひゃい!⋯⋯あの、ココンさんライスの事先生って呼ぶのやめない?」
    「ここではやめませんよ」

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 02:59:21

    そう言うとココンさんは手元で取っていたメモに小さく書き足した文字を私に見せた。
    (ファンにバレたら面倒くさいから)
    そう書いたメモを彼女は破り服のポケットにしまう。
    ココンさんは私以外の作家さんの編集もやっているから忙しくて中々会うことができない。
    今日も久々に顔を合わせたのに話すのは仕事のことばかりだ。
    そんなことを思っていると再度メモを取って今度は私のカバンに忍ばせた。
    「とりあえず今は今日のサイン会についてですよ」
    結局、段取りの話し合いにはプライベートの事は何にも出てこなかった。

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 02:59:37

    サイン会が終わる。
    私の絵本を読んでくれた沢山のファンご来てくれてとても嬉しい時間だった。
    サイン会を提案してくれたココンさんにもお礼を言いたい、そう考えて思い出した。
    打ち合わせの時にカバンに入れられた紙、何となく周りを見渡してからそっとその紙を開く。
    (今夜、あの場所で)
    たったこれだけの事しか書いていなかったけど、それが私にはとても嬉しかった。

  • 4二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 02:59:59

    電車を乗り継ぎ着いたのは小さい無人駅、誰もいないその駅に彼女は一人缶コーヒーをすすっていた。
    「ココンさん、待ってた?」
    「うん、ずっと」
    夜になって冷え込んだせいか、ココンさんの鼻が少し赤くなっている、私はそれが愛おしくて思わずココンさんの頬に両手を当てた。
    「ココンさん、こんなに冷たい⋯」
    「ライスの手は暖かいね」
    仕事で会っていた時とは違うぶっきらぼうで優しい口調、私にだけ見せてくれる本当のココンさん。
    「さて、冷え込んだし泊まれるとこいくか」
    「泊まれるとこってえ⋯ええ!?」
    ココンさんにも手を引かれて私はよろけながら着いていくしかなかった。

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 03:00:19

    連れて来られたのは、小さな一軒家だった。
    「ココンさん⋯家買ったの!?」
    「そ、都心からは遠いけどさ」
    ココンさんは慣れた手つきで鍵を開ける、空いたドアの内側に入り私に手を伸ばした。
    「ようこそ、我が家に」
    「お、お邪魔しますー⋯」
    そっと玄関に上がる、少し見渡すと段ボールが積まれているのが見えて、引っ越してきたばかりなのだと想像がつく。
    「余り荷解き手間きてないけどさ、ま、くつろいでってよ」
    案内された大きめの広間で席に着いた、一人で住むには大分大きい家だと思う。
    「ココンさん、こんなに立派な家買ったんだ」
    思わず私は呟いた、部屋もある程度多そうだし隣の部屋に行ったココンさんの物音が聞こえないので防音もしっかりしているみたいだ。

  • 6二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 03:00:54

    限界が来たのでここまでです、明日仕事から帰って残ってたら続き書きます

  • 7二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 03:10:48

    素敵なものを見つけた……

  • 8二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 03:20:48

    続きが気になって仕方ない

  • 9二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 03:25:14

    あげていけ

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