- 1◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:32:51
- 2◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:33:14
「野郎の相手して…月収6万だろ~」「この間売った腎臓が………」「120万」
「右目が…30万」「子宮売って」「…いくらで売れたっけ?」「高すぎて忘れちまった」
「残りの借金がぁ……」
3804万円… 「ワン!」
「…ポチタ~、わかってるって!さっさと殺しちまうか!」
「悪魔を一体殺せば」ヴゥン「だいたい…30万」
「やっぱデビルハンターが一番儲かるな!」
今日の相手は図体だけの雑魚悪魔だ
俺とポチタの二人なら
こんな奴、一瞬でカタが付く
「コイツぁトマトの悪魔ですね、種からまた復活するんで焼いといてください」
「よくやった、デンジ。闇市でコイツの死体を売りゃあ相当な値になる。報酬は40万だ」「あざっす!」
「そっから借金と利子引いて17万」
「さらに仲介手数料とその他諸々を引いて…」
残りが7万… 「この7万から水道代を払って…」 短い足でついてくるポチタを横目に見ながら計算する
「他んトコにしてる借金をはらうと…」「不思議だなぁ、もう残り1800円になっちゃった……」
「家に食いモンねえし…客はしばらく来なさそうだし…今月はこんだけで暮らさなきゃいけねえから…」
「ポチタ、今日のメシ食パン1枚だぜ」 - 3◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:33:37
薄汚い煙が窓から吐き出されていく「フゥ…なんでんなガキを嬢だけじゃなくてデビルハンターとしても雇ってるんです?」
「俺達にしてる借金を返させてんだよ、正確にはアイツの死んだ糞親父だがな」
「悪魔を飼ってるヤツにデビルハンターが務まるんですかねぇ?男ほど力も無いのに」
「ちゃんとしたデビルハンターはなぁ…俺達ヤクザに悪魔の死体流してくれねえぞ?それに銃も無え時代に悪魔を殺せるヤツなんざ滅多に居ねえ、男でもな」
「それにデンジのいいトコは逆らわねえトコだ」
「ふうん…」
「おい!メス犬!このタバコ食ったら100円やるよ!」
「マジっすか!?いただきます!」全部聞こえてんだよバ~カ
おもむろに口に火のついたタバコを口に放り込む
「アハハハハハ!マジで食いやがった!ほらよ」
「デンジ、また悪魔が出たら呼ぶ、逃げたらヤク漬けにしてよその国に売っ払うからな」
奴らが離れたのを見ると口ん中に充満した臭い煙に我慢ならなくて口を開けた
「べぇ~、飲み込むわけねえだろ」「ポチタ!これで三日は食えるぜ」
喉を撫でてやると気持ちよさそうにした。カワイイやつめ - 4◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:34:04
雨が降る。パンにカビ生えなきゃ良いけどな
「ポチタよぉ、俺この間聞いたんだけどさ」どうせヒマだからポチタと話す
この時間が何よりも楽しいんだ「…この前またハンバーガー見たんだけどやっぱ食っちゃダメかな…」
「クゥ~ン…」「わかったよ、オレもまたタマゴで腹壊すのもイヤだし」
胃に食パンを詰め込んでいく
「あ、そういえばよ、普通食パンにゃジャム塗って食うらしいんだぜ」
「まー…オレたちゃ普通なんて夢の話だけどな、死ぬまで借金返し終わる気しねーし」
「…私は死ぬまでケッコンも出来ねえんだろうな~、こんなボロ小屋にゃ来たがらねーだろうし子供産めねぇし」
「く~ん…」悲しそうな声出しやがって。そう思うと抱きしめる腕にも力が入る
「夢ェ叶うなら…ツラの良い男に愛されてから死にてえな…」
無情にも日は落ちる、ただでさえ今日は落ち込んでるっていうのに
「あー、ハラ減って眠れねえ……寝れねえと借金の事考えてもっと寝れねえ…」
「…決めた、今日寝たら見る夢」
「食パンにジャム塗って…ポチタと食って…」
「友達つくって…」「男呼んで一緒にゲームしたりして…」
「抱かれながら寝るんだ……」
「いいだろ?」「ワフッ」
こんな良い夢見ながらポチタと一緒に寝れるなんて俺ァ幸せモンだな - 5◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:35:01
不意に込み上げる不快感
何かが口から
「ッ!ウッ、ゴホッゴホッ」「ワンッ」
…血?…そういえば…
「私の母ちゃんさ…」
「心臓の病気で血ィ吐いて死んだんだとよ……」
私…まだ死にたかねーんだけどな…
コンコン
「デンジ、悪魔が出た。仕事だ」
「…今からかよ…」
夢くらい見させて欲しいよな…… - 6◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:35:31
- 7◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:36:37
…は、
「俺達ヤクザもよぉ」
「もっと強くなって稼ぎてえからよぉ テメエみてえに悪魔と契約するコトにしたんだ」
「俺達が望むのは悪魔の力」
「僕が望むのはデビルハンターの」
「死!!」
「デビルハンターちゃ~んマジこいつらバカだよ!めっちゃバカ!」
「悪魔の力あげるっつったらさぁ!自分達から僕の奴隷になってやがんのな!」
「その力でゾンビになっちゃうんだけどね!僕ゾンビの悪魔だから!」
なんでこんな目に、オレが、オレらが、
「デビルハンターは僕ら悪魔殺すから嫌い!!」
違え弱気になるな、頭回せ、どうすりゃ生きられる
「だから殺しちゃうんだ!」
どうすりゃ、どうすれば、
「みんな!バラバラにしてゴミ箱にでも捨てちゃって!」
手が
俺を掴もうと
あ、逃げなきゃ - 8◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:38:01
このゾンビ、遅え
走れば逃げ切れる、はしれば、走
「うっ…オェェ…」
血を吐く 靴にかかった ちきしょう ポチタ
ゾンビよりずっと俺は遅かった
ポチタの息が浅くなる。クソ、クソ
ポチタ、ポチタ…!
普通の生活を夢に見るだけでよかったのに
んな事も叶えられねぇのかよ
「あっガッぃあああ」
刃が、 貫く
痛え あちい
おれが おれは
俺は
『俺は』
『…俺は悪魔と戦ってるうちに死ぬかも知れねえ』 - 9◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:38:22
『…そしたら俺はポチタだけが心残りだ』
『ハラ空かして死ぬかもしれねえし、デビルハンターに殺されるかもしれねえ』
『…悪魔には…死んだ人の体を乗っ取れるヤツもいるらしい』
『ポチタにそれができるんだったら……私の体、ポチタにあげてーんだ』
『墓ァ入った後ならヤクザも追ってこねえだろうしさ』
『そんで…』『うん………』
『普通の暮らしをして』『普通の死に方をしてほしい』
『俺の夢を叶えてくれよ』――――――――――
―――――――――――――――
――――――――――
――――― - 10◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:38:55
あ… 「ポチタ……」
「ワン!!!」
よかった、元気そうだ
「…私の体、ちゃんと奪えたか?」
「私は……」
「デンジの夢の話を聞くのが好きだった」
「…これは契約だ」
「私の心臓をやる」
「かわりに……」
「デンジの夢を
私に見せてくれ」
「ポチタ!!!」 - 11◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:39:35
…なんだよ今の…
あ…
「傷が…」
…
俺の胸に、何かが
これ、ポチタの…!
「ポチタ……!」
俺の…私の為に…
「んん?」
「あいつバラバラにしたのに生きてんの!?キモっ!やっぱ僕デビルハンターって嫌い!」
「みんなァ!!そいつ食べちゃって!!」 - 12◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:40:25
なんで…
なんでコイツらは十分恵まれてんのにもっと良い生活を望んだ?
…私も…俺も、同じか
ポチタがいりゃあそれでよかったのに、もっといい生活を夢に見たんだ
そーか、みんな夢見ちまうんだなぁ
じゃあ悪い事じゃねえ…
悪い事じゃねえけど……
「俺達の邪魔ァすんなら、シね!!」
ゾンビが覆いかぶさる。やがてそれは山のようになり
影も見えなくなって
「さすがに食い殺しゃ死ぬだろ…」
音が、聞こえた
ヴヴン……… - 13◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:40:50
- 14◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:41:30
「な、なんだオマエ…!さっきの雑魚悪魔が体を乗っ取ったのか…!?じゃあ仲間だな!?」
山から飛び降りたそのチェンソーは悪魔の目に向かって飛んで行く。
「おああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!??」
激しいエンジン音と共に悪魔は血にまみれた汚らわしい肉塊となる
「アンタ達の方は…心まで悪魔になっちまったみてえだな」
「デビルハンターとして雇われてるからにゃ悪魔は…ぶっ殺さねえとなあ!!」
斬って 斬って 斬って
血まみれだ 俺ん靴も真っ赤っかだ
アイツは確か店じゃねえのに犯してきた野郎だったか
コイツは俺にタバコ食わせてきたヤツか
「どいつもこいつもクズしかいねえなあ!!」
「そうか!」「テメエら全員殺せばよぉ!借金はパアだぜ!!」
「ギャアーハッハハァ!!」
一人残らず殺してやる そうして俺は 俺達は
俺達は…
―――――――――――――――
――――――――――
――――― - 15◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:42:25
………
「うわっ、ちまみれだーっ」
「そうですね」
「ちぇんそーまんどこかなあ」
「あ、そこ…生きてるのがいますよ」(また知らない人の話してるマキマちゃん)
「え、どこ、あほんとだ」
「えーと…こういうのなんていうんだっけ、ひとでもあくまでもないの。わすれちゃた」
「まあいいや、きみがこれやったの?」 - 16◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:42:37
「…」
「…だ…」
「抱かせて……」
「え いいよ、ぎゅーっ」
あ…
あったけー…
「うわかおとけた、なかからひとでた!」
「悪魔による乗っ取りでは?」「ちがうとおもうよたぶん」
「確かに…頭は異形ではありませんね」
「ねえね、わたしね、あくまたおしにきたの、でびるはんたーなんだよすごいでしょ」
「いっしょにはたらきたいからさ、かってもいい?あ、えさもあるよ!」
「…飼う…餌って………」
「……朝メシはどんなの?」
「う~んとね…しょくぱんにあまいのぬって……さらだとこーひー…はいやだから…ぎゅうにゅうと…あとでざーと!」
なんだそりゃあ……
「最高じゃあないっすか……」
第一話「犬とチェンソー」 - 17◆5O4qhAEyac22/12/10(土) 21:44:49
以上です
- 18二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 22:07:52
支援
- 19二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 03:37:01
ほす
- 20◆5O4qhAEyac22/12/11(日) 13:44:44
保守です
2話書きます - 21二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 23:20:00
保守
- 22二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 09:41:01
chain boomerang !
- 23二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:47:48
just you and me have chained ... !
- 24二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 04:01:41
保守
- 25◆5O4qhAEyac22/12/13(火) 04:07:04
2話完成しました
今夜投稿予定です - 26二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 12:34:17
時間調整
- 27◆5O4qhAEyac22/12/13(火) 20:19:29
乗せられた車の中で俺のハラの音が鳴る
「いまのきみ?」「あ、ハイ…」
「わたしもまだたべてなかったんだった!ねーねーどこかおみせいこうよ!おすしがいい!」
「近場だとパーキングエリアですね」
「えーやだ!おすしがいい!」
「うどんありますよ」
「うーーん…じゃあそっちにする!ぱー…ぱー…」「パーキングエリアです」
「そうそれ!」
「あ…すいません俺カネないんですけど…」
「だいじょうぶだよ、わたしたちおかねもちだからすきなのかってあげる!」
「え!?」
「あ、はだかさむいでしょ、わたしのふくあげるー」
そ、そんな…
汚え臭ぇと言われ近寄られもしなかったこの俺が…
はじめて優しくされた…
それも超カワイイ子に…好き…
お、車止まったぞ
なんか見たことあんな、ここ飯屋だったのか - 28◆5O4qhAEyac22/12/13(火) 20:21:00
「ねえなにある?」
「えー、うどんと…カレーうどんと…」「わたしかれーうどんすきー!」
「了解しました」
「じゃあーと、俺うどんと……うどんとフランクフルト!いいすか!?」
「だいじょうぶだよたぶん…ん?」
「たったっ…!助けてくれっ!」
んだコイツ、血ィ出てら
「ひっだ、だいじょうぶですか、あっわたしたちでびるはんたーです、」
「あ…悪魔が俺の娘をさらって!俺の娘をっ」「娘をっ連れて森の方に!!」
「カレーうどんのお客様~」
「あ、わたしかれーうどん…うーん」
「そういえばきみ、なまえは?」
「デンジっす」
「でんじちゃん、わたしうどんきちゃったからかわりにいってきて!おねがい!」
「えええ、俺もうどんっすよ」
「今から優秀なデビルハンターがお嬢さんを助けます、危ないので建物の中にいてください」「え~…」
「ごめんね、でんじちゃんもいきたくないよね…やっぱり…でもうどん…」
ああ、ああ、泣きべそかいちまって
にしてもこんな理由で泣くとかカワイイなこの子
…ハア、ここはいっちょ行ってくるか…
その前に…マキマちゃんを元気にしてやんねえとなあ、うーん
「…じゃあ…い、行ってくる…ワン…」
「…え?」 - 29◆5O4qhAEyac22/12/13(火) 20:22:34
「えー…デンジ犬は飼い主のマキマちゃんの為に一生懸命がんばります、ワン…」
やべえこれすげえ恥ずかしい
笑ってくれっといいけど
「くくくくく…っぷ!はははは!ははは!はははははは!なにそれでんじちゃん、へんなのー!はあ~あ」
よかった、超大ウケだ
「よーしわかった、かいぬしさまがめいれいしよう!いってきなさい!でんじけん!」
「わ、ワン!」
「マジでよかった、元気になってくれて…」
咄嗟に出たとしてももう少しなんかあったよな…
あんな恥ずかしいもん、二度と思い出したくねー…
にしてもデンジ犬ねえ
「っぷ」
自分でも笑っちまうな…
「顔あち~……あ?」
どっかから声がする? - 30◆5O4qhAEyac22/12/13(火) 20:23:13
「あははは!」「ははは!」
ここか?
俺が木影から覗くとそこには
「あ」
悪魔と楽しそうにしてる女の子がいた
「あ」「お願いです!この悪魔さんを許してあげて!」
…は、「どゆコト?」
「私のパパ、嫌なコトがあると私を殴るの…」
「今日も駐車場で殴られてたらこの悪魔さんが助けてくれて…!」
「だからお願い!殺さないで……」
んだよそれ…ええでも俺殺さなきゃいけねえし悪魔…
でも…この悪魔もポチタみてえに良いヤツかもしれねえし…
それなら俺は殺したくねえし……うーーーん…
マキマちゃん…
「なぁ…みんなで許してもらいに行かねえ…?」「…え?」 - 31◆5O4qhAEyac22/12/13(火) 20:24:06
「俺も悪魔とダチだったからわかるんだ…気のいい悪魔もいるって」
「逃げるってのも考えたんだけどさ、俺マキマちゃんの悲しむ顔見たくねえし…」
「言えば許してくれるっしょたぶん…だから一緒に行かねえ…?」
「あはっ……いいの…?」
「いいっしょいいっしょ!」
「あはははは!」「ははは……」
「あハはハハははハハハ」
「あははははははははははははは」
「…はは………はあ…?」
掴まれた…
「はい!オレの勝ち確~!」
「はあ~!?んじゃコリャア!?」
「オマエ死ぬ前にいいモンみせてやるよ、オレは筋肉の悪魔だから…」
「触れてる筋肉は自由自在ってワケ!」
すると筋肉が膨張し、中で破裂したように
「んぎゃアアア!!」
いってえ! - 32◆5O4qhAEyac22/12/13(火) 20:28:24
「これからこのメスガキと楽しいコトすっからさ、オマエは後でな?」
「あはははははは、あははははははははははは!!」
「ふふふ…!」
コイツは…
ヴヴゥン
…ぜってえ殺す!
「イ!」
腕から生えたチェンソーが密着したコイツの体を裂く
「痛タタタタたたた!?」
「よかった、テメェみてーなクズなら殺しても心は痛まねえぜ」
「おらァ!」
肉を斬り付ける
「ギャアアアアアアア!!」
血が飛び散る
怒りを、何もかもぶつけてやる!
「ギャーッハははハハ!」
―――――――――――――――
――――――――――
「あーん…あ!あー、でんじけん、おかえり!」
「…ワン……」
2話 筋肉VSチェンソー - 33二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 21:45:16
保守
- 34二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 00:16:04
ほしゅ
- 35二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 07:44:13
EASY
- 36二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 14:49:01
POSO
- 37二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 14:53:39
保守
- 38二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 00:51:38
大きな変化が少しでも所々違うのが間違い探しみたいで面白い、保守
- 39◆5O4qhAEyac22/12/15(木) 08:33:43
- 40二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 08:56:46
これ結構面白いね 保守