扞格齟齬、エアグルーヴとトレーナーが口論していた

1二次元好きの匿名さん22/12/10(土) 22:50:31

エアグルーヴの生徒会活動に関する書類に押印してもらうため、彼女のトレーナーを訪ねたときのことだ
そこには、先にエアグルーヴが来ていて、トレーナーと激しく言い争っていた

何でも、エアグルーヴが作ったお弁当を２日も放置していたらしい
彼女の次走のため、レースプランを練っていたのだが、エアグルーヴ自身の身体状況、想定される相手への対策、レース場の予想される環境、その他もろもろの変数を加味して、考えうるありとあらゆる方策を睡眠も取らずに思案しつづけていたようだ

エアグルーヴのお弁当は、しっかりと味わって食べたいと思って取っておいたのだと言う
机の片隅には、仕事の片手間に飲んだのであろう、エナジードリンクの缶が積まれて塔になっていた

「それにこの季節なら、多少は置いといても腐ったりしないから」
「たわけっ！　万が一ということもある。それに、私はできればおいしいうちに味わって欲しかった……」

涙を浮かべたエアグルーヴが、不幸なお弁当を持って部屋を走り去ってしまった
一方、彼女のトレーナーは、徹夜したせいで頭が回っていないのか、ぼんやりまごまごしていた

私は、お節介なのは承知の上で、物申した
「全てのトレーナーはウマ娘のためにいる。だからこそ、君は食事や睡眠さえも犠牲にしていたのだろう。用管窺天、それは視野の狭すぎる行為だ。担当のために行ったことが、却って傷つけることになる。本末転倒もいいところだ。どうか、エアグルーヴが本当に求めていることは何か、彼女自身によく向き合って見出してほしい！」

私の青臭い説教を聞いたトレーナーは、雷に打たれたような表情をしたあと、私に礼を言って行こうとした
「こういうときにエアグルーヴがよく行く場所は……」お節介ついでに、伝えようとしたところ
「大丈夫。それなら分かる」しっかりと信頼関係を築けているじゃないか

結局、判子は貰いそびれてしまったが、エアグルーヴとトレーナーの前途が洋々たることを願いながら、私は生徒会室に戻った
その後、どんな遣り取りがあったのか、私は知らないが、エアグルーヴが嬉しそうな様子でお弁当と掃除用具を持ってトレーナー室に定期的に通っているという事実が、何よりも物語っている

トレーナーたる者、ウマ娘を支えるのだから自分自身も大切にして、しっかりと食事を摂らないといけないね

弁当はちゃんと食べんとう