- 1二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:18:41
- 2二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:19:13
続けてどうぞ!
- 3二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:19:15
いいじゃない
- 4二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:19:36
- 5二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:20:40
みたいなねじゃないが
はよ はよ - 6二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:22:12
- 7二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:23:13
小学生までならそれで通じるかも分からんけど中学生でそれは無理があるんじゃねえかな……
- 8二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:57:39
(変装して尾行するエル&ローレル)
- 9二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:58:41
このレスは削除されています
- 10二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 09:59:29
耳と尻尾隠すの大変じゃない?たづなさんに教えてもらう?
- 11二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:01:44
妹が「お姉ちゃんなんて絶対彼氏できないでしょ」
っていう発言を皮切りに売り言葉に買い言葉ちょっとヒートアップして
「実はもう彼氏いるんですよぉ~」
ってな感じでメッセージ送ったら親にいつのまにか伝わってて会いたい
みたいな事を言い出してでも周りに頼める人はいないしトレーナーも女性だし…
しょうがないセイちゃんに頼みましょう!
こんな感じか - 12二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:03:09
アメリカなら室内で帽子被ってても自然なのか…
- 13二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:05:17
両親(この子どう見てもウマ娘だし見知った顔だけど黙っておこう… )
- 14二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:06:16
ヘアバンドとかカチューシャみたいなので耳を押さえておけばいける……?か?
- 15二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:06:18
セイちゃんの代わりに俺が出てやるよw
- 16二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:06:29
(有馬記念で一緒に走ってた子だよね…?)
- 17二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:08:53
グラスファミリーって日本語話せるっけ
- 18二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:09:34
割と同性愛に寛容そうな向こうの世界でそれやるとマジだと勘違いされそう
- 19二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:10:38
- 20二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:11:41
グラスの両親って海外にいるんだっけ?
わざわざ日本に来た両親をがっかりさせたくないと思って形だけでも…って感じかもしれない
両親が気づいているのも薄々気づいてるけどーって感じでずっとそれを通して
で、両親が日本観光に向かう別れ際に 素敵な友達を持ったな って言ってくれるやつかもしれない
それはそれとしてセイちゃんがどんな格好していくのかは気になる所 - 21二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:30:07
意外とウマ娘の耳を隠すための帽子とか売ってるとかあるかも?
デザイン的に耳の形が出ないほうが好き見たいなウマ娘のために
個人的にはセイちゃんにはハンチング帽とかかぶって欲しい - 22二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:31:37
穴空けなければだいだいいける説
- 23二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:32:30
待てよ、ウマ娘が彼氏なのが当然の世界なのでは
でも親が「男女問わずイケメンにしとけ」と言ってるから…♡みたいな - 24二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:40:31
例えば…
両親に会う前の予行演習って事で男装セイちゃんとグラスがデートするんだけど、割と凝り性なグラスはしっかりと粧し込んでいくものだから
めちゃくちゃオシャレに気を使うグラスを見て、まさか男でもできたかのかと勘繰るエルがこっそりグラスの後をつけてみると…
みたいな…? - 25二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:40:32
- 26二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:41:50
- 27二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 10:48:33
- 28二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 13:13:24
なんだかんだ終わった後に
「セイちゃんどうにか切り抜けられました…どうもありがとうございます」
「いやいやぁ~グラスちゃんを怒らすとおっかないからセイちゃんちゃんとやりましたよぉ~♪」
「セイちゃーん?」
っていうやりとりをしてほしい - 29二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 13:17:53
まあ耳隠す帽子とかあったとしても彼女の親に会って屋外ならまだしも家とかに上がってからも帽子脱がないやつはちょっと…
薬の副作用とかならまだしもわりかしスカイ髪長いし
屋外で会うようにしようグラス - 30二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 13:24:53
- 31二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 15:11:26
本気で走るべきか悩みそうだなセイちゃん…
- 32二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 15:13:01
待てよ
逆にマジで男だと信じて、姉の彼氏に惚れちゃった妹の可能性とかあるのではないですか…? - 33二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 15:36:17
- 34二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 19:16:34
- 35二次元好きの匿名さん22/12/11(日) 20:32:12
- 36二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 01:39:37
- 37二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 04:48:02
グラスの妹ってグラスに絶対負かす!ってメール送るレベルの負けず嫌いだからたぶんそっち方面でセイちゃん大変なことになるんじゃ…
- 38二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 04:51:33
グラスにどんなウマ娘なのかとか名前を聞いてそれで色々調べてレースの映像とかを見て色々と感情が芽生える妹…ありね…
- 39二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 05:01:15
- 40二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 07:40:17
別にウマ娘ってバレても問題なくねぇか?
あの世界なら結構有りなのかもしれないし - 41二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 07:45:27
ノンケで通ってるんでしょ
- 42二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 08:21:48
- 43二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 08:24:55
クリスマスイベントとかじゃない?
- 44二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 12:51:08
グラスの妹だけが若干日本を誤解していたら面白いよね
- 45二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 12:57:15
- 46二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 15:56:37
あれからしばらくあった後に突然グラスに「セイちゃん…ごめんなさい…」って思いつめた顔で相談される事になるセイちゃん
セイちゃんちょっと頭真っ白になりますね… - 47二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:11:06
同性愛が受け入れられている世界なのかはわからないがマチカネタンホイザが母親にトレーナーのことを恋人かと聞かれるイベントは男女で変化しないんだよね
- 48二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:12:54
卒倒するエルキング
を保健室に運ぶスペツル
が行ったことで二人きりになったセイグラ
さて、ここから導き出される結末は? - 49二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:14:29
- 50二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:49:56
♂のウマ娘って線もあるだろ
- 51二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:54:56
このレスは削除されています
- 52二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 16:55:19
- 53二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:05:57
- 54二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:13:42
この概念は残したい
- 55二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:15:08
同期で対戦経験もあるから当たり前っちゃ当たり前なんだけどこの2人って結構絡むよね
2人だけでお茶会してたり仲良しでかわいい - 56二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:37:05
ハンチング帽にケープを掛けたスーツみたいなのととハーフパンツみたいな…
呼び方を知らないけどああいうのなんていうんだろうな
あんな感じの格好セイちゃんに似合いそうだからそれ着てグラスとお出かけして噂になれ
- 57二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:39:05
親にはバレバレだけど妹は全然気づかないでいて欲しい
- 58二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:41:27
- 59二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 17:58:15
ゼファーかなんかのシナリオでウマ娘同士の恋愛ドラマが流行ってるみたいなエピソードがあった気がするからそこ由来じゃないかな?
- 60二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:06:41
「にゃはは……」
なんだろう、ひどくむず痒い。
行く人々の視線が、自分に集まっているのをひしひしと感じる。
それがどうにもこそばゆく、鬱陶しく感じてしまう。
「あらあら、どうしましたか?」
いやいや、誰のおかげでこうなっていると思って……
なんて言葉を、ぐっと飲み込んだ。こうなったのはひとえに、自分が良いと言った結果なのだから。
でもでも、だけど、それはそれとして。
この周囲から刺さってくる視線が気になるのは、変えようもない事実なわけで。
「うふふ、いけませんよ。もっと堂々としてもらわなくては、ね?」
「……は~い」
これも練習なんですからと、いたずらっぽい笑みを浮かべる彼女の顔から、せめてもの抵抗とばかりに顔をそむけた視線の先。ショーウィンドウにありありと映し出された自分たちの姿を見て、私はおもわず苦笑いを浮かべる。
耳を隠すための大きめのキャスケットに、しっぽを隠すためのポーチ、グラスちゃんがそれはもうじっくりと時間をかけて見繕った、マニッシュスタイルのコーディネート。
そんな装いの自身と、おめかしした彼女が並び立つその様は……
「さあ、エスコートをお願いしますね、Darlig♪」
若々しい、カップルのそれに映った事だろう。 - 61二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:06:56
事の始まりは、先日の野点でのこと。滅多に人にお願いすることのないグラスちゃんが、どうしてもと相談してきたのが始まりだった。
いわく、妹にボーイフレンドができたとのことで。
そんな妹さんは、「どうせ貴女には恋人なんていないんでしょうね、私と違って」と散々に煽ってきたらしく。ひどく負けず嫌いな彼女は、とっさに自分も恋人くらいいると言ってしまい。
そこから嘘だ、本当ですと口論がエスカレートした結果。今度の日曜日、家族とのリモート通話をする際に、互いのボーイフレンドを同席させることになったそうな。
かくして、引くに引けなくなったグラスちゃんはというと、なんと偽のボーイフレンドを立てることに。
それで、そのボーイフレンド役として、なんとセイちゃんが抜擢されまして。
まあ、グラスちゃんには野点でなんどもお茶とお菓子をごちそうしてもらっているし。なにより、あのグラスちゃんがご家族相手にどうその場を切り抜けるのか、ちょっとだけ気になったこともあって。
別にいいですよ〜、セイちゃんボーイッシュだしこれくらいならねぇ、まあ他の子に頼るよりは上手くいくと思うから任せてよ。
なんて感じで、私も2つ返事でOKを出しちゃったわけで。
そんなこんなで、2人そろってたまたまお休みが重なった今日、グラスちゃんに誘われて、本番に向けての準備のためにと街に連れ出されたわけだけれども…… - 62二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:07:18
「うふふ、今のところはバッチリですね」
いたずらが成功した子供のような笑みを浮かべるグラスちゃん。
「あの~、グラスちゃん?」
「はい?」
「いや~その……ここまでする必要あるかな~、なんて」
そう言って、私は彼女の左手、ひいては自身の右手のほうへ視線を向ける。
グラスちゃんと指同士をからめた、いわゆる恋人つなぎ状態になっているその手に。
「ええ、もちろん必要なことですよ。これは“練習”なんですから、ね?」
「いや、さすがに恥ずかしいというか……」
なんて言うけれど、しっかりと絡められた指を外すことはできなさそうで。
「あらあら。ふふ、いい感じですね。さすがに恋人つなぎをしておいて、ちっとも恥ずかしさを見せないというのは、恋人としても不自然でしょうし」
そんな私をよそに、グラスちゃんは至極冷静に、彼氏役としての私の出来栄えを採点していく。
「……それにしても」
不意に、顔を覗き込むようなしぐさで、グラスちゃんが私をみた。
「そんなに、ドキドキしますか?」
鼻先にまで迫った、彼女の柔らかな笑み。
それをみた、私は思わず…… - 63二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:07:30
「……グラスちゃん」
「はい?」
「からかってます?」
「うふふ、そんなことありませんよ~」
「うっそだあ」
そうは言ってみるものの、彼女の笑顔は崩れない。
それが、してやられたようで、なんだか悔しい。
「さてさて、今日はこれから、噂のカフェに……あ、シューズ屋さんにも行きましょうか。そろそろ新しいのを見ておきたかったんです♪」
そんな私のことなどお構いなしに、パッと手を離した彼女は、今後の予定を勝手に決めていく。
「ちょっと~。なにもそこまでしなくても良くない?」
「駄目ですよセイちゃん。形だけ見繕っても、あの子は察してしまいますから。雰囲気づくりも念入りにしましょう。ね?」
「……は~い」
どうやら、今日はとことん彼女に付き合うしかないらしい。私はそう察した。
にしても、それにしても。
「いやはや、これはもうデートさながらですねぇ、なんて」
ふと、なにげなく、そんなことを呟いたその時。 - 64二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:07:46
「“予行練習”ですから、ね♪」
「……んぇ?」
思わぬ不意打ちに、思考が停止する。
「さあ、参りましょう♪」
「あ、ちょ」
その混乱から意識を取り戻す前に、彼女は先に行ってしまった。
「……」
耳に手を当てる。
不意打ち気味に、耳元でそっとささやかれた彼女の声。何やら含みのあるようなその一言が、耳のそばから離れない。
いや、まさか、もしかして。そんな考えが頭の中をグルグルする。
でも、あの目。すれ違いざまに、一瞬だけ見えた表情。
レース前、ライバルに狙いを定めた時の、ヒットマンのような鋭い眼光。
あの目が、見据えた標的は……
「……あ、ま、待ってよう!」
慌ててグラスちゃんの背中を追いかける。
ふと頭に浮かんだ考えを、かき消すように、パタパタと。 - 65二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:18:40
- 66二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:19:39
急な良SS投下で逝った
セイグラいいね…👼👍 - 67二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:23:07
すごく…すごく良いです!
いやセイちゃん×グラスちゃん好きなのに全然ないからマジで嬉しい… - 68二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:27:09
- 69二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:28:46
- 70二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:32:58
餌付けて釣り糸垂らして出方伺うセイちゃんだけど
グラスちゃんはその餌を無視して釣り糸辿って竿の持ち主のところにズイッて来る感じあるよね…
あるよね? - 71二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:37:19
- 72二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:41:32
- 73二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 18:43:35
ミ°
- 74二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 20:37:07
二人のデートをこっそり後からつけてく明らかに怪しい黄金野次ウマ娘達4人くらいいそう
セイちゃんの正体に気づいているかいないかどっちでもおいしい - 75二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 21:46:33
腹括って小細工なしでアタックするセイちゃんも見てみたい、と>>68を見て思った
- 76二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 01:21:08
グラスから「練習してみましょう」ってデートに何回か行ってたら、最初は「まぁ親御さんに会ったらおしまいですし~」とか余裕綽々だったのにだんだんグラスに惹かれていって、もはや完全に入れ込んでゾッコンになっちゃうセイちゃんはアリですか?
- 77二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 01:25:26
- 78二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:35:10
>>72 ※「」は日本語、『』は英語のつもりです。悪しからず。
「それじゃあ、繋げますね~」
「う、うん……」
ついにこの日が来た。来てしまった。
練習と称して、グラスちゃんと半ばデートじみたことをしたあの日から、丁度2週間後。あの日見繕った一式を身に纏った私は、柄にもなくちょっぴり緊張しながら、彼女のPCの前でその時が来るのを待っていた。
別に、何があるわけではないのに。友達のご両親に挨拶するのにちょっと緊張するのは、少年少女共通の感覚だったりするのだろうか。いや、そうに違いない。
それに加えて、自分が男であると騙し通さなければならないのである。
うっかりボロを出さないだろうか、なんて不安が、緊張と共に頭をよぎった。
「えっと、設定がこれで……よし!」
そんな私とは反対に、グラスちゃんは不気味なほどにいつも通りだ。
物腰柔らかながら、しかし決して揺るがない佇まい。それはまるで、いつでもかかってきなさいと言外に示しているかのよう。
いや、おそらくだが、内心ではかかって来いと思っているに違いない。
この間のデートもどきしかり、その後の入念な打ち合わせと設定づくりしかり。さらには、どこで調達したのか、真正面からだと見えにくいボイスチェンジャーに、カメラ周りに数枚のカンペまで。彼女がこの日のためだけに拵えた仕込みの徹底っぷりから、それが伺える。
ただ妹を、ついでに両親を騙すためだけに、これほど入念な準備をする。そんな、1度決めたことは徹底してやり抜く彼女の気質が、この場においてはやたらと頼もしく感じた。
- 79二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:35:24
「さて、セイちゃん」
「はひ!?」
「しつこい様で申し訳ありませんが、最後にもう一度言っておきます」
「は……はい」
で、あるからこそ。
「ここまで私ができることはすべてやりました。ですが、やはりこの作戦が成功するかは、あなたの演技力にかかっています」
「う、うん」
同時に、そんな彼女の徹底っぷりが。
「……何卒、よろしくお願いしますね。セイちゃん、改め、Darling♪」
「……Yes,mom」
とても、とっても、恐ろしかった。 - 80二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:35:54
『こんにちは。お母さん、お父さん、妹』
『やあグラス。変わりないかい?』
『はーい!1か月ぶりねグラス!元気にしてた?』
『……やっほ』
そして、ついに始まった。始まってしまった。
『それで……あらあら!まあまあ!その子があなたのいい人なのね?こんにちは!』
「あ、えっと……『こんにちは。ハジメマシテ。私の名前は、セイヤ、です』」
『はじめまして、セイヤ……「娘が、お世話になってます」』
『……』
緊張しながらも、なんとか最初の挨拶をこなす。
そんな私に、思いのほか流暢な日本語で返事をする、グラスちゃんのお父さん。ちょっぴりほっとする私。
一方で、ご両親とは別の画面に映っている妹さんが、さっきからほとんど話そうとしないのが、若干怖い。
まずい、何かやっちゃったかな?そんな不安が頭をよぎる。
『うふふ。そういえば、妹のボーイフレンドはどこですか?』
『!えっと、その……』
その時だ。
ほんの、ほんの少しだけ、グラスちゃんがほほ笑んだ、ように見えた。
『きょ、今日は大事な用事が入っちゃって、その……来れなくなっちゃったの!ごめんなさい。いやー残念だわ』
『……ふうん。「妹の彼氏さん、今日は用事があって来れないそうです」。残念です、是非一目見ておきたかったんですが』
『うぐ……』
あらら、残念。なんて思っていられなかった。
グラスちゃんが笑っている。何かを確信したかのような、そんな表情で。
いったい何を?気になって仕方がない。 - 81二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:36:23
なんて思った、その直後。
『……ねえお母さん、妹のボーイフレンドとはもう会いました?』
『ちょっ!』
グラスちゃんの一言に、妹さんが明らかに動揺した。
『いいえ、今日初めて会う予定だったの。残念だわ』
『そうだねえ。私も残念だよ。一目見たかったんだが』
なんだろう、妹さんの様子が明らかにおかしい。どんどん動揺しているように見える。
ねえ、これ、大丈夫なの?
私はおもわず、グラスちゃんにそう視線で訴えかける。
「♪」
大丈夫ですよ。
グラスちゃんは、そう空耳が聞こえるような表情を返してくる。
なんだろう、とっても怪しい。
『……ねえ妹、あなたのボーイフレンドって、どんな人?』
『はい!?』
おっと、動きがあったみたいだ。視線をモニターに移す。 - 82二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:36:40
『セイヤ君はこのように、ちょっとシャイで細身だけど、優しくてかっこよくて、とっても素敵な人なの。あなたのボーイフレンドは、同じくらい素敵な人?』
『そうねえ、気になるわ!ちょっと、どんな子なのよ』
『たしかに、気になるなあ』
『……』
……あれ、あれれ?おかしいな?
これ、私この場にいるのかな?そう思ってしまうくらい、勝手に話が進んでいく。
『え、えっと、私のボーイフレンドはね、その』
『ええ』
『その、セイヤさんに負けないくらいかっこいいのよ!体つきもしっかりしてるし、頭もよくて……』
『まあ、それはそれは。ご趣味はどんな?』
『えっと、あ、アメフト部のエースなの!この間の日曜日にも大会に出場してね、応援に』
刹那、背筋に冷たい感触が。
間違いない。これは、あの時の。
並走で、レースで、グラスちゃんに後ろから仕掛けられる時の……!
『……あらあら』
プレッシャー……!? - 83二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:36:51
『このあいだの日曜日。付近の学校のアメフト部に、試合をしているところなんてありましたか?』
グラスちゃんの一言に、空気が凍り付いた、ような気がした。
『……』
特に、妹さんは、まるで瞬間冷凍されたかのように、ピクリとも動かなくなってしまった。
いやいや、何をいったのさ。ねえ。
『……それは、その、彼はちょっと遠くの学校にいて、ね』
『あらあら、ではあなたは日曜日、休日の練習をほっぽり出してボーイフレンドの応援に向かったと。今度のレースは勝つと意気込んでいたのに、ずいぶんと余裕なのね』
『だ、だだだだ、だって、せっかくのボーイフレンドだし、ちょっとくらい』
『それに、あなたのコーチも言っていましたよ。ここ最近のあなたは、平日のみならず土日の練習にも精一杯取り組んでいると、今度のレースはもらったなと褒めていましたよ。つい2日前に』
『……あ、あと、えと』
『いつ応援に行ったの?』
あ、これは、決まった。
なにが、とは言わないけれど。その場の空気が物語っている。
グラスちゃんが、差し切った。
『……うわあああああん!!!!!』
妹さんが爆発したのは、そう感じた直後のことだった。 - 84二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:37:16
「はあ~……疲れた……」
その後、私が実はボーイフレンドではないと打ち明けたうえで、会話はお開きとなった。
「にゃはは、結局、いいように使われちゃった」
着の身着のままに、ベッドに身を投げる。
あの後グラスちゃんから明かされたのだが、実はご両親ともに、私がボーイフレンドではなく友達だということを、グラスちゃんから聞いていたらしい。
なんでもグラスちゃんは、妹さんの態度から、ボーイフレンドができたという話が嘘であると半ば確信していたらしく。事前にご両親や、はては妹さんのトレーナーさんにすら連絡をとって、裏をとっていたのだとか。
そのうえで彼女は、多少の見えを張るのはまだしも、ここまで大きな嘘をつき通そうとするのは、妹の教育上よろしくないと判断したらしく。妹さんの教育のためにと、両親と結託。その上で、こうして私に一芝居打たせたとのこと。
『何事も正直であれ。嘘を通し続けるのは、癖になると大変ですから』
別れ際、グラスちゃんはそう言った。今回の協力のお礼にと、ちょっとお高いお茶菓子を手渡しながら。
そんなわけで。セイちゃんはグラスちゃんに、まんまと利用されてしまったのでした。ちゃんちゃん。 - 85二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:37:29
「……」
……悔しい。
なんだか、とっても、とっても悔しい。
相手をひっかけるのは、策を張り巡らせるのは、私の専売特許のはずなのに。
悪意がないのはわかってる。グラスちゃんにそんな思いがないというのはわかってる。
でも、でも、だけども。
『ありがとうございました。セイちゃん♪』
あの日の、あの時の笑顔に、あの瞳に。最後の最後まで騙されてしまったのは。
「かなわなかったなあ……」
自分の得意分野で出し抜かれたようで、悔しいとか、情けないとか、そう感じてしまうのだった。
……それに。
『どうしても、セイちゃんに協力してもらいたくて』
あの日、この一幕が始まったあの日の言葉が、そもそも嘘だったなんて。 - 86二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:37:46
「なーんてね」
そういうと、私はベッドの上で仰向けになった。
まったく、何を考えているんだか。
他のみんなをよそに、頼ってもらって。一足先にご両親に紹介してもらえる立場で。
それがうれしいなんて。それが騙されていたのが悔しいなんて。
まるで、そんなの。
「……あ、そういえば」
そんな考えをパッパと払うように、グラスちゃんからもらったお礼に手を伸ばす。
「確かお茶菓子だっけ?グラスちゃんセレクションは外れがないからね~。楽しみ♪」
バリバリと、乱雑に包装紙を取っ払う。
グラスちゃんは下手すれば、そこらの日本人以上に日本文化に精通している。そんな彼女が選ぶお茶菓子は、どこで見聞きをしたのやら、毎度品が違うにもかかわらず外れたことは1度もない。
「さーて、なにか……なっと……」
そんな期待を胸に開けた箱の中身は、まさか、まさかのもので。 - 87二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:38:02
「……」
グラスちゃんは、日本文化に詳しい。
武道や茶道のみならず、華道もたしなんでいる。
だから、フラワーほどではないにしろ、華に対する知識は持っている。
そんな、彼女の、選んだものが……これ?
「……」
一つつまんで、口に入れる。
滑らかでとろける舌触りのそれは、私の思いとは裏腹に、ストンと胃袋の中に落ちていく。
でも、その肝心の味は。
彼女がこれを選んだのは、偶然か否か。
そんな彼女の、思いの真相は。 - 88二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:38:12
「……わかんないや」
真っ赤な菊をあしらえた練り切り。
感想は、その一言に尽きた。 - 89二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:39:20
- 90二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 02:42:03
ちょっとさぁ!!
赤い菊の花言葉調べちゃったらさぁ…
魂抜けたわ!! - 91二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 05:24:56
- 92二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 05:41:40
ふー危うく意識を手放す所だった……
だがギリギリ耐えた…で、赤い菊の花言ミ゜ッ - 93二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 06:55:00
グラエル好きだがセイグラ?グラセイ?もいいな……いいSSだった…
- 94二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 08:31:17
グラス×セイちゃんなんてと思っていたが凄い良かった
セイちゃんに反撃されてどぎまぎするグラスも見てみたい… - 95二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 08:35:04
朝からこんな尊いSSを見せるなよ…
死人が出るz - 96二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 08:45:30
- 97二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 10:25:55
- 98二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 10:28:17
- 99二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 12:43:46
この後セイちゃんめっちゃグラスの事意識するようになっちゃいそうだ…いい……
- 100二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:28:38
“愛”のイメージが強い赤色の花。赤い菊の花言葉は「あなたを愛しています」。
あ な た を 愛 し て い ま す
菊の色別の花言葉 意味・特徴とおすすめのモチーフ作品12選 | minneとものづくりと菊は古くから愛される日本の花。そして秋を代表する花のひとつでもあります。この記事では、そんな菊の色別の花言葉や意味とあわせて、minneで見つかるおすすめの菊モチーフ作品をご紹介します。minne.com - 101二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 17:39:46
セイちゃんに的を絞るヒットマングラスと
グラスに狙いをつけるスキーマーセイちゃん
お互い腹の読み合いで楽しくなってそう - 102二次元好きの匿名さん22/12/13(火) 18:35:51
セイちゃんに贈ったのが菊っていうのがまたね…いいよね…
- 103二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 02:55:35
お互いに時々サプライズで贈り物しあったりしてどうにか照れさせたいと思ったりね……
- 104二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 09:32:50
セイちゃんだったらどんな方法でやり返すかな
同じ方法では通じないってわかってるからこう…皆で遊園地おでかけしようって皆の前で誘って
実は裏でこっそりと皆に根回しして皆と行く分は翌日にずらしてたり - 105二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 09:47:24
はい、というわけで今日は二人きりのデートで~す♪とか言っちゃうセイちゃん…ありね!
- 106二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 15:19:27
セイちゃんがしかけてはグラスがカウンターする。グラスが仕組んではセイちゃんは出し抜こうとする。
うーん、お似合いのふたりですね。 - 107二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 18:16:06
- 108二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:00:30
- 109二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 22:34:59
こう後ろからじゃ見えないけど夕暮れで河川敷の土手かなんかに二人で座って川を眺めてる時に
手を繋いでるか尻尾を絡めてるかはわからないけどどちらかで夕暮れのせいで後ろから微かに見える頬が
赤く染まってるように見える状況になってほしいよね - 110二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 05:20:41
両方セットで行こう(強欲)
- 111二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:57:09
- 112二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 13:00:00
他のレスがあるけど
・ウマ娘同士でしか出来ない『尻尾ハグ』という特別な相手とする行為がある
・『尻尾ハグ』シーンが出てくる『普通の学校に通うウマ娘の恋愛ドラマ』が放送されている
・女性同士のカップルが公式に出て来た
- 113二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 13:03:59
お前さんの場合、性別がバレル云々の前に恋人演じる時点で照れがでそうでなぁ、めっちゃウブっぽかったし
- 114二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 13:04:37
もうスレ落ちしたかと思ったら生き残ってて草
やっぱ好きなんすねえ - 115二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 17:55:37
時期的にイルミネーションとか二人で見に行くのもありだな…
なっがいマフラー用意して来たセイちゃん二人でマフラーシェア作戦結構するんだ - 116二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 18:12:20
後ろから温かいお汁粉缶を頬に当てようとして
「セ〜イちゃん?」
ってゆっくり振り向かれてバレるセイちゃんはこの時期絶対いると思うんだ
なんならその手にはおんなじお汁粉缶があって、2人で肩を並べながら飲むことになるんだ
ちなみに同期たちはそのやりとりを肉まん頬張りながら茂みで眺めてるものとする - 117二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 20:16:04
- 118二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 21:40:50
温泉旅行で観光地とか二人でまわってほしさあるよね…
- 119二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 03:19:57
何かにつけ一緒で同じことしてそう。一緒にお昼寝とか、一緒に書道とか。
- 120二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 08:52:55
野点で茶目っ気を出して足をそわそわさせてるセイちゃんの足の裏をちょんって触るグラスとか見てみたいよね…
- 121二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 12:22:56
「この前のいたずらのお返し」をずっと続けてるんだ、可愛いね
- 122二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 12:25:15
このレスは削除されています
- 123二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 12:25:48
切り落とせばバレないぞ
- 12460兼78がお送りします22/12/16(金) 15:37:30
「うふふ、できました~」
「ひゃ~やっと終わった~」
学園のカフェテラスの隅で、人目をはばからずに机に突っ伏す。
疲労感がすごい。頭から湯気が出そうだ。もしかしたら、今外に出ると、本当に湯気が出ちゃうかも。
なにせ開始からざっと1時間。一切休みなしで作業し続けたのだ。
あんまり集中力がないと自覚している私にとっては、頭への負担が大きすぎた。
一方、疲労でフラフラな私とは違い、嬉しそうにノートを眺めるグラスちゃんは、全然平気そう。
というか、顔に疲労のひの字も浮かんでいないような。
その集中力、というか精神の強さには、まったくもって感服するほかない。
ただ、そんな強靭な精神力を何に使っているのかと言われたら……
「うん、一連の設定に矛盾はなさそうです。本番はこれで行きましょうか♪」
「へ~い……」
ノートに小さな文字で書かれた表題は、『セイヤ君設定集』
……つまりは、私が演じるべきキャラクターの設定集であった。 - 12560兼78がお送りします22/12/16(金) 15:37:49
仮の彼氏として、家族と会ってもらいたい。
そんな話を受けてしまったのが1週間前のこと。
その時の私は、なんだかんだちゃちゃっと終わるかな、程度に考えていたのだけれど。
「それにしても、ここまでする?」
「前にも言いましたが、両親はさておき、妹は勘も目も鋭いですからね~。できる限りのことはしておいた方がよいかな、と」
「いやいや、それにしても凝りすぎでしょ~」
「念には念を、ですよ~。準備は入念に越したことはありませんから」
「とか言って、途中から楽しくなっちゃってない?」
「うふふ、実をいうと、少しだけ♪」
好物や趣味はともかく、偽の経歴や住所まで作りこむのを”ちょっと”で済ませますか、とは口に出さなかった。
おそらく、グラスちゃんからしたら、これくらいでもちょっとの範疇に入る。なんとなくそう思ったから。
まあ、何はともあれ、終わってよかったよ。
というわけで、セイちゃん疲れちゃったから、お昼寝にでも……
と、立ち上がろうとしたその時。
「それでは、本番までに慣らしておかないと、ですね♪」
「……えっ?」
思いもよらぬ一言に、私は思わず固まった。 - 12660兼78がお送りします22/12/16(金) 15:38:03
「ほら、行きますよセイヤ君♪」
「いやいやいや、ちょっと、ちょっと待って待って!」
数日後、私はとある場所にいた。
「これはさすがに無理でしょ!?」
ハロンタワー。この街のシンボルマークであり、定番の観光スポット。
なかでもタワーの展望台は、そこからトレセンやレース場を含めた街一面を望めるということもあって、結構人気が高い。
私たちは今、その展望台のチケット売り場の前にいるんだけど……
「カップル割は無理だって!」
カップル割でチケットを購入しようとするグラスちゃんを、私は全力で引き留めていた。
「流石にばれるよ!?見た目はともかくとして、声とかで!」
「大丈夫ですよ~。今日までに何度か練習してますから、立ち振る舞いに違和感はないはずです。私が購入している間、セイちゃんは黙っていてくれれば、ちょっと恥ずかしがり屋の男の子で通せるでしょう」
「いやいやいやいや!」
確かに練習はしたけどさ、それにしても自信過剰じゃない?
第一、流石にお金払うような場面でこんなことをするのは、このセイちゃんでも憚られるというか…… - 12760兼78がお送りします22/12/16(金) 15:38:17
「それに、近年世間は同性カップルにも許容的ですから」
「そこまでするう!?」
勘弁してください。セイちゃんは至ってノーマルなんです。
というかグラスちゃん、普段こんなに押し強かったっけ……
「うふふ、冗談ですよ。ばれてしまったらきちんと正規料金でいきましょう。いざ!」
「うええ……カップル割に挑戦は確定事項なんだ……あ、待って!」
結局止めることかなわず、ズンズンと進んでいくグラスちゃんの背中を、慌てて追いかける。
「さあ、セイちゃんは男の子に見せることができているのか。検証です♪」
「……無理だと思うけどなあ」
その呟きには、きっと願望も含まれていた。 - 12860兼78がお送りします22/12/16(金) 15:38:30
「わあ~!聞いてはいましたが、これは壮観ですね!」
「……」
「1度来てみたいとは思っていたんですが、なかなか都合がつかなくて。ふふふ、来て正解でした♪」
「……」
いけたよ。
まったくもって疑われることなく、カップル割でいけたよ。
「あ、あれがトレセン学園ですね。空から見るとあんな感じなんですね~」
「……」
ショックだ。なんかこう、いろいろとショックだ。
セイちゃんね、これでも女の子なんですよ。
他の子に比べて、女っ気があるとは思わないけれど。でも、それでもですよ。まったく女っ気がないわけではないんですよ!断じて!!
グラスちゃんの本気の変装があるといってもさ、それにしたって誰も疑問に思わないとかおかしくないですか!?
「セイちゃん、そんなに女っぽくないんですかね……」
「あらあら、普段はそんなことありませんよ。今回は、私の技術が世間の目に勝ったというだけです♪」
そう言うグラスちゃんは、とっても自信気。
……ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、女の子っぽいおしゃれも頑張ってみよう、そうしよう。
心の中でそう誓うセイちゃんなのでした。 - 12960兼78がお送りします22/12/16(金) 15:38:42
そのわずかな時間が、致命的だった。
「……セイちゃん」
「はい?どうし……」
目の前に迫ったグラスちゃんの笑顔。
いつの間にか握られた手首。
不自然に刺されたれた人差し指。
その先にあった、予想外の絶望。
その名は。 - 13060兼78がお送りします22/12/16(金) 15:38:53
『記 念 写 真 撮 影』
- 13160兼78がお送りします22/12/16(金) 15:39:07
「さあ!参りましょう!」
「ムリ~ッ!」
逃げ出そうにも、手首を掴まれた私は、なぜかうまいこと振りほどくことができない。
え、なんで、どうなってるの?
まさかこれが合気ってやつですか!?くそう!こんなのまで習得してたんですかグラスちゃん!?
「大丈夫ですよ~。他の誰にも見せたりしませんから♪」
「嘘だあっ!」
セイちゃん知ってますよ!そういうものに限って、うっかりだとか偶然だとかで
流出してしまうものだということを!
「……どうしてもだめですか?」
「勘弁してよー!」
ダメだ、うっかり写真を見つけたエルちゃんが大騒ぎする様子が、目の前で見たかのようにはっきり浮かび上がる。
ですので!ここは何としてでも阻止せねば - 13260兼78がお送りします22/12/16(金) 15:39:18
「……セイヤ君は、いけずです」
「えっ」
えっ、なにその表情。
「恥ずかしがりやさんなのは知ってます。でも、折角ここまで来たのに……」
「あ、え、えっと」
普段のグラスちゃんでは見れない、しょんぼりとした表情。
じゃなくて、え、何、どうしちゃったの?
「ヒソヒソ……」
「ヒソヒソ……ナニアレ……」
……あ゛ッ!? - 13360兼78がお送りします22/12/16(金) 15:39:30
「……楽しみに、してたんですよ」
「ヒソヒソ……ケンカ?ケンカナノ?」
は、はめられたあああああ!?
きたない!周囲の目を味方につけるのはさすがに卑怯すぎるよグラスちゃん!?
「エーカノジョサンカワイソー」
「ヤダワー ワカイワー」
「ヒョエエエエエ」
あああああ!?周囲の目線が集まってるううううう!!!!!
やばいやばいやばい!このままじゃ……
ってあああああ!ウマホ構えないで!SNSに上げたら色々と終っちゃうからあああああ!
ま、まずい!まずいまずい!ど、どどどどどどうすればぁあ!? - 13460兼78がお送りします22/12/16(金) 15:39:48
……ええい、ままよ!
「ご、ごめんね!そうだよね楽しみにしてたもんね、わかった撮ろう!今すぐ撮ろう!」
「……ふふふ、ありがとうございます♪」
くそっ!打って変わっていい笑顔!
なんて言ってる暇すら惜しい!
「ヒソヒソ……ナカナオリヨ」
「ケンカニミセカケタノロケダワ……ウラヤマシイ」
「アラー アノヒトヲオモイダスワー」
「ミ゜ッ」
もはや被害を最小限に抑えるにはこうするしかない。
危機的状況でフル回転した頭で計算した結果、そう判断した私は、
オーディエンスとかした周囲をよそに記念撮影ブースに駆け込んだ。 - 13560兼78がお送りします22/12/16(金) 15:40:21
「はーい!それでは撮りますよー!笑って笑ってー!」
「はーい♪」
「い、いえーい」
スタッフさんに促されるままに、げんなりとした気持ちをごまかしつつ、必死に笑顔を取り繕う。
「はい彼氏さん、笑顔固いですよー、もうちょっと自然に!」
「あ、あはは……」
すみません。彼氏じゃないんですを私。男ですらないんですよ。
なんて言葉を必死に飲み込んで、どうにかこうにか笑顔を作るけど、はたから見ればうまくいってない様子。
うう、早く終わらせたいのに……
「あららー。じゃあちょっと、彼氏さんに寄ってみましょうか!」
「え゛っ」
「あら?……うふふ、わかりました~」
促されるままに、グラスちゃんが体を寄せてくる。それはもう、楽しそうに。 - 13660兼78がお送りします22/12/16(金) 15:40:34
……
あーあーあー、そうですか。そんなに楽しいですか、へーへー。
さんざんセイちゃんをもて遊んでくれちゃってさーもー。
こっちの気も知らないでさー。
でもね、流石にそこまでされちゃうとねー……
(やられっぱなしじゃ、終われないよね♪)
そう、トリックスターと呼ばれるからには、やられっぱなしは性に合わない。
さりげなく、そう、グラスちゃんに気が付かれない程度に、さりげなーく手を後ろで組む。
「はーい、もうちょっと寄ってー!そうそういい感じですよー!」
さらに寄ってくるグラスちゃんの体。この距離間なら、問題なし!
体制を整えるふりをしつつ、後ろで組んだ手を放して……
「ではいきますよー!3!2!1!」
ニャハハハハ!覚悟しなさいグラスちゃん!その満面の笑みを驚きの変顔で塗り替えてくれる!
シャッターが切られるその刹那、私はグラスちゃんの腰に手を回して抱き寄せ……! - 13760兼78がお送りします22/12/16(金) 15:40:46
「み゙ゃ!?」
不意打ちでくらった脇腹への感触、切られるシャッターの音。
素っ頓狂な声が口から漏れたと知覚したのは、ほぼ同時だった。 - 13860兼78がお送りします22/12/16(金) 15:40:57
「ふふ。よく撮れてますね~」
「……」
満面の笑みを浮かべるグラスちゃん。
言葉に言い表せぬ表情の私。
そんな私の腰を抱き寄せているのは、グラスちゃんの尻尾。
グラスちゃんの眺める写真には、私の敗北の証がはっきりと刻まれていた。
負けた。これ以上ないくらいに負けた。
それは反則。予想するのは無理。そう思わされた時点で、策士としては完敗だ。
結局、私は終始、グラスちゃんにもて遊ばれる結果となった。
うう、こんなの、こんなのセイちゃんのキャラじゃないのに……
「はぁ~」
溜息をつかずにはいられなかった。 - 13960兼78がお送りします22/12/16(金) 15:41:07
「うふふ、セイちゃん、本日はありがとうございました」
「あ~」
「あらあら、少し無理をさせちゃいましたね~」
その配慮はこうなる前に欲しかったよ……
なんて言う気力もなく、思わず返事も適当になる。
「……ふふ、本当に楽しかったです」
「えあ?」
「もちろん、他の皆と遊びに行くのも、楽しいとは思いますよ?でも……ここまで、わがままに振舞えたのは、久しぶりな気がします。エルやスペちゃん、キングちゃんやツルちゃんも一緒だと、こうはいきませんから」
「……」
「これも、セイちゃんのおかげですね♪」
……あーあー。いやだいやだ。本当に、いい笑顔してくれちゃってさ。 - 14060兼78がお送りします22/12/16(金) 15:41:19
文句の一つも言えやしない。
- 14160兼78がお送りします22/12/16(金) 15:41:29
「さて、そろそろ帰りましょうか」
「……あい」
全くもー、仕方がないね。
今日は散々にしてやられちゃったけれど。
まあ、その笑顔に免じて、特別に許してあげちゃいます。 - 14260兼78がお送りします22/12/16(金) 15:41:40
なーんて、言うと思ったかな!?
「ひゃっ!?」
グラスちゃんの尻尾に、自分の尻尾をキュッと絡める。
構えていたウマホのボタンを押す。
お、ラッキー。ついでにグラスちゃんの手からこぼれた写真を回収。
「……」
「にゃはは~、ベストショット、いただき♪」
バッチリ狙い通り!写真まで回収できて120点!
普段見ることのないグラスちゃんのビックリ顔のフォトを見せつけつつ、私は思わずほくそ笑んだ。
「……セイちゃ~ん?」
「おお怖い怖い、逃っげろ~!」
歩道をおまわりさんに怒られない程度の速さで走り出す。さてさて、グラスちゃんは追いつくことができるでしょうか?
どうだざまあみろ。セイちゃんだってやられっぱなしじゃないんですよ。
なんて思う私の顔は、きっと笑っていたんだろう。 - 14360兼78がお送りします22/12/16(金) 15:43:49
やっとこさ完成したので投稿しもす!
おかしい……拙者はつよつよセイちゃんSSを書いていたはず……
それが、なぜ、つよつよグラスちゃんSSを投稿しておるのだ……? - 144二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 16:42:59
大変力作じゃないか…いい……
- 145二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 16:51:08
馬鹿野郎、こんな真冬に三途の川を何回も往復させるなよ
- 146二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 19:31:30
- 147二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 20:12:55
安眠効果抜群だn
( ˘ω˘)スヤァ - 148二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 00:43:16
やっぱりセイちゃんはうろたえてる姿が良く似合う…それがグラスちゃんを焚きつけるわけだが。
転んでもただでは起きないセイちゃんはいいですね!逆にドツボにはまっているようにも思うが。 - 149二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 09:22:58
「グラス付き合って欲しいなー…なんて」
「私はもうそのつもりでしたよ?」
か
「…セイちゃん、付き合っていただけますか?」
「ひどいなぁ~グラスちゃん…私もうとっくに付き合ってるつもりだったんだけどなぁ~♪」
どっちがいいか…悩むねぇ… - 150二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 15:38:21
しばらく立ってから「実はさぁ~今度絶好の釣りスポット行くんだけどグラスちゃん一緒に行かない?」って誘って
当日付いていって見たらお爺ちゃん家に連れて行かれて紹介されるっていうちょっとした意趣返しをするセイちゃんとかどうですか! - 151二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 23:40:05
- 152二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 09:03:41
- 153二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 13:43:39
そしてなんだかんだ改めて二人が付き合ってる事を再認識していつものメンバー皆と別れて二人っきりになっと時
「そっかー…私達付き合ってたんだねぇ~…」
「そうですね…ふふっ」
ってどっかちょっとムードある場所で背中合わせに座りながら尻尾ハグしてるんでしょ
詳しいから知ってる
- 154二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 16:29:28
- 155二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 16:32:18
- 156二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 16:46:25
- 157二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 16:48:11
- 158二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 01:38:46
多分セイちゃんは、積極的に仕掛けてくるグラスから逃げ続けるからみんなから「またやってる…」と思われるんだよね
- 159二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 06:43:29
グラスから手を握ってくる回数が増えるんだよね……
- 160二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 15:43:40
致死量の尊分を接種してしまったからスレを上げておこう……ぐふっ
- 161二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 20:04:47
男装っぽいのがちょっと癖になっちゃってグラスちゃんと出かける時だけ自分でチョイスしたのを着てくるセイちゃんとかね…
- 162二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 07:11:25
めきめきとかっこいい着こなしをしてくるセイちゃんにちょっと照れるグラスとかね…
- 163二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 09:51:10
お互いがお互いに釣り合おうとして結果的に周囲の注目を集めるレベルにまで至るんですね?
- 164二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 18:24:09
たまにはさぁ~?グラスちゃんが着てみるのもいいんじゃない?
ってしっかりグラスちゃんサイズの男装服用意していたセイちゃんとかもどうだ…? - 165二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 18:32:36
スカイsrのイベントを見てこのスレを思い出した
あのイベントさぁ……つまりそういうことでしょ? - 166二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 00:19:57
菊花賞イラストの黒スーツのセイちゃんにときめいちゃうグラスもいていいよね
- 167二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 00:20:47
フラワーちょっと横になりますね…
- 168二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 10:15:58
Cóndores y flores se acuestan.
- 169二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 10:49:36
エルも男装してスペちゃんとお出かけしよう
フラワーもブルボンに男装してもらってお出かけしよう - 170二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 10:56:17
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- 171二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 11:00:42
このレスは削除されています
- 172二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 11:52:49
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- 173二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 11:58:15
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