- 1二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:32:34
- 2二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:33:31
昼過ぎ、ライスは寮を出発し本屋にやってきた。
ライスにはやる課題も、トレーニングもない。今週は土日ともオフである。同室のゼンノロブロイも同様である。
このロブロイは、大量の本を近々図書室に迎える事になっていた。だがロブロイが好きな作家の新刊発表も間近である。
ライスはそれゆえ、忙しい同室のためにはるばる本屋にやって来たのだ。先ずロブロイの好きな作家の本を買い、それからトレセン学園の近くをのんびり歩いた。 - 3二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:34:10
ライスには竹バの友があった。ハルウララである。今は此のトレセンで、トゥィンクルシリーズのためにトレーニングをしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。G1に出ていて久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにライスは、トレセンの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう週末で、学園が休みなのは当りまえだが、けれどもなんだか、休日のせいばかりでは無く、学園全体がやけに寂しい。
ライスも、だんだん不安になって来た。道で逢ったゴールドシップをつかまえて「何かあったの?学園はお休みだけど、誰も声が聞こえないなんてどうしたの?」と質問した。ゴールドシップは、肩をすくめて答えなかった。 - 4二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:35:32
しばらく歩いてシンボリルドルフに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。ルドルフは答えなかった。ライスは両手でルドルフのからだをゆすぶって質問を重ねた。
ルドルフは、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「どのトレーナーも、働きすぎているんだ。」
「どうして?」
「担当ウマ娘のためと言うが、誰もそんな、トレーナーに働きすぎて欲しいウマ娘など居ない。」
「どのトレーナーさんが働きすぎなの?」
「ああ、はじめは私のトレーナーが。それからゴールドシップのトレーナーが。それからサクラバクシンオーのトレーナーが。それから、君のトレーナーが。それから、ハルウララのトレーナーが。それから、テイオーのトレーナーが。」
「そんなに!?この学園のトレーナーさんたちは乱心でもしてるの..?」
「いや、乱心ではない。担当を勝たせるためだ、と言うんだよ。このごろは、特にひどくてね...今日に関しては休みなのに、みんな五時間は残業している。」 - 5二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:36:12
聞いて、ライスは激怒した。「呆れたお兄さまだ。働かせておけない!」
ライスは、かわいいウマ娘であった。ほっぺたを、膨らませたままでトレーナー室に入って行った。たちまち彼女は、お兄さまに見つかってしまった。調べられて、ライスの懐中からはタキオン製薬の睡眠薬が出て来たので、お兄さまはびっくりした。ライスは、ヨギボーのソファに座らせられた。 - 6二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:36:55
「ライス、この睡眠薬で何をするつもりだったの?」お兄さまは静かに、けれど優しく聞いた。そのお兄さまの顔は疲れきり、顔には皺が寄っていたが、それでも彼は笑みを浮かべた。
「お兄さまに、少しでも休んで欲しくて....」とライスはしょんぼりと答えた。
「休む?」お兄さまは、苦笑いした。「仕方の無いことなんだ。君を勝たせるためなら...」
「働きすぎだよ!」とライスは反駁した。「労基法も真っ青だよ!お願いだからお休みして!」
「ごめんね....」お兄さまは落着いてつぶやき、ほっとためいきをついた。「少し休もうかな...」
「よかった.....」こんどはライスがため息をついた。「じゃあ、一緒にお昼寝しよ!」
「それはちょっと....」お兄さまは、少し言い淀んだ。「この書類提出しなきゃ....」
「お兄さま!」とライスは怒り、「その書類はライスが出してくるよ!」と書類をひったくった。
「いいの....?」とお兄さまは疲れた声で言った。
「大丈夫、ライスに任せて!」ライスは笑顔で言った。「ウララちゃんに見張っててもらうから、お仕事しちゃダメだよ?」
それを聞いたお兄さまは、温かい気持ちでそっと微笑んだ。いい子だ….せっかくだし少し休もうかな。
「それじゃあ、お願いしようかな。その書類はたづなさんに提出するやつだからお願いね」
「うん!」
「ははっ、じゃあお願いするよ。」 - 7二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:37:23
竹バの友、ハルウララはすぐにライスシャワーのトレーナー室にやってきた。すやすや眠るお兄さまの前で、佳友と佳き友は、二週間ぶりで相逢うた。ライスシャワーは、友に一切の事情を語った。ハルウララは笑顔でうなずき、ライスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。見張りのため、ウララはちょこんと椅子に腰掛けた。ライスはすぐに出発した。雲ひとつない青空である。
ライスは、少しも休まずトレセン学園の廊下を急ぎに急いで、理事長室へ到着したのはわずか10分後、時はすでに3時を回り秋川理事長や樫本理事長代理は仕事をすでにほとんど終わらせていた。たづなも、今日はわずかな書類仕事をこなしていた。歩いて来るライスの姿を見つけて驚いた。そうして、「何か御用ですか?」と声をかけた。
「こ、この書類お願いします!」ライスはスッと書類を差し出した。
「あぁ、この書類ですね。はい、たしかに受けとりました。」
ライスは、また、てくてくと歩き出し、トレーナー室へ戻って行った。
トレーナー室の扉を開けると、ハルウララとトレーナーは仲良く昼寝をしていた。
2人とも、幸せそうな寝顔であった。ライスは、音を立てないようにドアを閉めた。そのまま眠っているお兄さまにゆっくりと近づいて行く。
疲労のあった顔は、幾分か生気を取り戻したようであった。ライスは、微笑みながらそっとお兄さまに口づけして「お兄さま、大好き。」と囁きお兄さまに背を向け目を閉じた。
すると、目を閉じていたお兄さまがこう呟いた。
「僕もだよ。」
ライスは、ひどく赤面した。
fin. - 8二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:45:25
正直ライスなら書類を無くすかと思った
- 9二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:46:04
なんでこんな時間にこんな良作書いたんですか?
もっと人目に触れるべき - 10二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:48:01
- 11二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:53:45
寝ろ
- 12二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:55:29
良かった...トレセンに山賊はいなかったんだね...
- 13二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:56:56
- 14二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:57:28
走れメロス構文でこんなにも満たされたのは初めてだ
- 15二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 03:59:36
おやすみ!
- 16二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 04:00:52
しっかり休んで
- 17二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 07:35:26
同じような状況だが俺にはライスシャワーがいないジジツに悲しくなるわ
- 18二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 07:44:11
上げとくか
- 19二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 07:53:51
スレ主です
ちょっと寝たらスッキリしました
前に書いたやつ
…トレーナーさんの嘘つき!!!!!!|あにまん掲示板言ったじゃないですか!!!「ちょっといいご飯屋さん見つけたから卒業のお祝いで一緒に晩御飯食べない?」って!ちょっとどころじゃなくてものすごく高いお店だったじゃないですか!?メニューに値段が書いてありま…bbs.animanch.comその前に書いたやつ
トレーナーさん!!!!!|あにまん掲示板(ちゅっ)えへへ、キスしちゃいました…..大好きなトレーナーさんが構ってくれないので、今日の私は悪い子になります!こうやって、ぎゅーっ!ってトレーナーさんをハグしちゃいます!…♪あっ、もうちょっと強く…bbs.animanch.com - 20二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 08:43:15
- 21二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 09:19:43
草
- 22二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 10:47:29
- 23二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 11:04:37
常務執行役員さん?
- 24二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 12:21:17
- 25二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 14:28:09
お疲れ様です….
- 26二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 14:32:37
- 27二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 19:39:23
好き
- 28二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 19:59:09
- 29二次元好きの匿名さん22/12/12(月) 20:05:46
またデジタル殿が死んでおられるぞ