【SS】海の向こう 【トレカフェ】

  • 1二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 19:13:22

    「海の向こうには…、別世界が広がっているそうですよ…。」
    夏合宿。
    その休憩時間中。
    燦々と照りつける日差しを防ぐパラソルの下、砂浜より白い肌の彼女、
    ──マンハッタンカフェは話す。
    「確かに海外のバ場はある意味で別世界だろうなぁ。」
    俺が冗談交じりに答えると、そういうことではない、とでも言いたげにこちらを見つめてくる。
    …背中にも衝撃が走る。
    「ごめんごめん、…別世界、行ってみたいのか?」
    「そう…ですね。いつか、行ってみたいです…。」
    彼女は視線を前に戻す。
    眼前に広がる海、その彼方にある水平線を眺めているらしい。
    「カフェはさ、どんな世界に行きたいんだ?」
    うぅん…と低く唸った後、彼女は
    「…暗くて…深くて…沈むような……?」
    と、言う。
    「…コーヒーみたいだな。」
    きっと落ち着ける場所に行きたいのだろう。
    「…トレーナーさんはどうですか…?」
    「俺か…。」
    考える。
    彼女が楽しめそうな場所。

  • 2二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 19:13:41

    「……宇宙。」
    「え?」
    「…頭上から足元までを包む星空の世界なんて、どうだろう。」
    彼女は元々丸い目を殊更に丸くしてこちらを見る。
    そんなに意外だったのだろうか。
    「…360度のプラネタリウム…ですか。」
    そう呟いて彼女は微笑む。
    「うん…良いですね…それ…。」
    「…星の海に沈むのは…心地よいかもしれません…。」
    想像しているのだろう。
    目を閉じた彼女の顔は実に穏やかだ。
    「あぁ…でも…。」
    パチッと目を開けてこちらを見る。
    「…あまり明るすぎるのは嫌…ですね…。」
    「きっと、宇宙は想像以上に暗いよ。」
    「…本当に?」
    …彼女の瞳に見つめられると、でたらめが言えない気分になる。
    「ごめん、分かんない。」
    「ふふ…嘘はいけませんよ…。」
    ……波の音が、心地よい。
    「………じゃあ、今度一緒に山に登りましょう…。」
    「そこでキャンプをして…、星空の明るさを知っておきましょう…。」
    「…予行演習…です。」
    普段よりも少しだけ、ほんの少しだけ早口での誘い。
    「ああ…、そうだな。」
    ちらっと彼女の横顔を見る。
    …少し、顔が赤い。
    夏の暑さのせいだと、そう思うことにした。

  • 3二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 19:15:09

    甘くてちょっぴり切ない気もする、不思議な感じ……上手く言えないけど、すごく好きだよ

  • 4二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 19:15:21

    いいですねぇ

  • 5二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 19:24:16

    あ~暑い暑い、クーラーが効かないねえ

  • 6二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 19:43:35

    ロマンチックやな……

  • 7二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 20:25:16

    雰囲気が…良い…

  • 8スレ主21/11/01(月) 20:51:29

    多くの人に見て欲しいから保守

  • 9二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 20:59:10

    とてもいい…
    タイトルからして素敵よね

  • 10二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 21:16:37

    読み進めていくうちに、引き込まれる感覚が…いい…

  • 11二次元好きの匿名さん21/11/01(月) 21:55:58

    このレスは削除されています

  • 12二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 00:16:00

    このレスは削除されています

  • 13二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 08:29:04

    元々丸い目をさらに丸くして…か、いいな
    カフェの目はお月様みたいだな
    そういう話をしつつ天体観測をするシチュも見てみたいな

オススメ

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