- 1二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 20:31:34
冬に入ると、鮮やかな紅葉も落ちて、木は枝だけの裸の状態で、日は早く沈み、夜の時間が伸びてね、寒くて寂しい季節になってきます。
でもね〜、クリスマスまでの間はそんな夜も光り輝く綺麗なものがあるの。
「わぁ~、トレーナー、色取りの輝きが広がって、凄く綺麗」
「ファインが喜んでくれるなら、連れてきて良かった」
「うん、ありがとう、トレーナー」
私の目の前には、白、青、黄色など照らす電球がイルミネーションとして、遊具や木々にカラフルにピカピカと色付けされて、華やかに煌めいているんだ。
そう、この時期になると、街中がイルミネーションできらびやかな光を放つんだよ。今、訪れている遊園地のイルミネーションの景色は本当に幻想的で美しく、まるで、お伽噺の妖精の国の風景みたい。
アイルランドにいる時は、いつも遠くから眺めるだけで、こんな近くで見ることができて、嬉しいな〜。トレーナーや隊長に無理を言って、夜のお出かけをお願いして正解だったよ。 - 2二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 20:34:28
「ねぇねぇ、トレーナー、あそこで写真撮ろう!」
「えっ!?ファイン」
私はイルミネーションをバックに写真を撮りたくって、キミの手を引いて、写真映りがいい所に移動した。
「隊長、お願い!写真取ってもらえるかしら」
「お任せ下さい。トレーナーさん、笑顔が硬いですよ」
「いや、突然のことで……」
「ほらほら、トレーナー、スマイルスマイル♪」
「……こう、こうか?」
パシャ! とシャッター音が鳴り響いて、イルミネーションを背景にキミとのツーショット写真が撮れた。 - 3二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 20:35:34
「ありがとう、隊長」
「いえ、それでは私は任務に戻ります」
「あっ、待って、隊長とも写真取りたいけどいいかしら」
「私ですか?構いませんよ」
「じゃあ、俺が撮りますよ」
「はい、お願いします」
パシャ! とまたシャッター音が鳴る。
こうして、2人ともいい感じの表情で、写真が取れた。
「ふふっ、これでよしっと。トレーナー、エスコートお願いするね」
「ああ、任せてくれ」
そうして、写真を撮り終えた後、ワクワクする気持ちで遊園地内を回って行く。
光のトンネルに、キラキラきらめくツリー、まばゆい光の観覧車。どれもこれも美しくて、見惚れ、心にグッとくる。 - 4二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 20:37:14
一通り、景色を楽しんだ後、ベンチに座って休憩。トレーナーが買ってきてくれた、ミルクティーを飲みながら、トレーナーと一緒に改めてイルミネーションを見渡す。冬の寒空の下、オリオン座に負けじと照らしている暖かな光の光景を見て、心がぽかぽかと温まっていく。
「ふぅー、温かい飲み物を飲むと落ち着くね〜」
「そうだな、それにしても凄いな、このイルミネーションは」
「うん!本当だよね、こんなにも綺麗なものを見られるなんて、幸せだよ~」
「そう言ってくれて良かった」
私が素直な感想を言うと、嬉しそうな顔を浮かべてくれるトレーナーの顔を見るとこっちまで嬉しくなって、つい笑みが出てしまう。
そろそろ帰る時間が近づいてくる。楽しい時間はあっという間に過ぎていくものなんだなぁ。
「もうすぐ時間か……。名残惜しいが帰らないとな」
「うん……そうだね。あのね、トレーナー。一つだけ、わがまま聞いてもらってもいい?」
「ん?何だ?」
「一緒にメリーゴーラウンド乗ってもらってもいいかしら」 - 5二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 20:37:59
「……分かった、行こうか」
私はどうしても最後に乗りたくてお願いした。トレーナーは快く了承してくれて、二人で並んでゴンドラに乗ることに。
ゆっくりと回るゴンドラに乗って、イルミネーションの中を進んでいく。光の中で揺れ動く私たち二人を乗せたゴンドラに身を委ねて、外の景色を眺めるだけで、幸せな気分に。
私たちはしばらくイルミネーションの光に目を奪われながら、隣にいるトレーナーの手を思わず、ぎゅっと握ってしまった。
すると、彼は優しく握り返して、そのままずっと繋いでいてくれた。その手のぬくもりを感じているうちに、胸の奥がじんわりと熱くなり、自然と頬が緩んでしまう。
(ありがとう、トレーナー)
心の中で感謝の言葉を伝えて、私はゴンドラが回っている間はいつまでも続く煌めきの夢の時間に浸るのであった。 - 6二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 20:51:45
なんだなんだ、この心あたたまるSSは…ありがてぇ…
- 7二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 21:00:10
イルミネーションとメリーゴーランドで楽しむ様子を書いてみたく書きました。