- 1CC22/12/14(水) 23:29:01
目を覚ますと、私は真っ暗な暗闇の中に居た。
ウタ「あれ・・・私・・・ん?」
状況がよく飲み込めない。それでもかろうじて分かる事と言えばまず意識が朦朧としている。視界がぼやけ、頭で考えた行動がそのまま体に反映されるとでも言うのだろうか。そしてもう一つ。私の手と足に適度に重く冷たい感触の何かが付いていると言う事。私がその何かを確かめる為、腕を少し掲げれば、ジャラジャラと言う音だけが、響き渡った。
ウタ「これ・・・手錠・・・かな・・・」
『気づいたか・・・』
ウタ「!?」
微かに回る頭に入ってきたのは、低くのぶとい男の声。当然この状況でのその声は私の意識を釘付けにするのにはうってつけと言え、次の瞬間、パチン!と言う指の音と共に暗闇が晴れる。灯りが照らされ、その一瞬の出来事に私はただ目を瞑って居た。
ウタ「一体・・・何が・・・・・え?」
灯りになれ、瞼をあげていった私はまず自分の身体を軽く確認した。特に外傷は無く、やはり手首足首には手錠が付けられていたが、そんな状況に私の頭冷静さを保って居た。そして次に私は周囲を軽く見渡した。どうやら自分は、灰色の壁に覆われた何処かの地下か、格納庫にでもいるのだろう。此処までの事はたった数秒の出来事。やはりと言うべきか、意外と言うべきか、私は比較的、冷静な考えが普段から纏っているのだろう。目の前に居る、2人を見つけるまでは。
ウタ「ルフィ・・・シャン・・・クス・・・?」 - 2二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 23:38:55
コレはRED後かな?
- 3二次元好きの匿名さん22/12/14(水) 23:40:39
その二人ならとりあえずひどいことにはならなそうで安心
CP注意だしな! - 4二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:01:33
支援
- 5二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:02:23
10までうめ
- 6二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:04:42
不穏だ…
- 7二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:23:58
現パロじゃ…ないだ…と
- 8二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:32:06
とりま10まで埋めるべ
- 9二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 01:34:39
しえん
- 10二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 02:04:26
よさげのが来たな
- 11二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 02:48:09
いきなりすごい不穏だな…
- 12CC22/12/15(木) 08:09:07
頭がおかしくなりそうだ。普段ならば大好きなこの2人がそばに居る、そんな事実を確認出来れば、心の底から嬉しさや喜びが溢れ出し、まるで新しいオモチャを貰ったが如く、毎度毎度私は飛び跳ねる。これはきっと、どれだけこの2人と顔を合わせようと変わることはないだろう。しかし・・・そんな状況でも、例外はあるのだと私は知った。
ウタ「ルフィ・・・シャンクス・・・な、んで・・・」
言葉が詰まる。それもその筈だ。私の大好きな人が2人。その2人が目の前におり、その2人とも、体はボロボロで、目には布が巻かれ、両腕が後ろに拘束されたまま、ただ私の方を向き座り込んでいるのだから。
ウタ「な、なんで・・・誰がこんな事・・・ッ!ま、待ってて!2人とも!今助け・・・」
『待て・・・』
ウタ「!?」
ルフィとシャンクスの事で頭がいっぱいだった私に、先程の男がゆっくりと語りかけてくる。一体どこに?そもそもアンタは誰だ?様々な事が頭の中で入り乱れる中、私は最も知らなくてはならない事を聞き出す。
ウタ「アンタが・・・ルフィとシャンクスに・・・こんな酷い事したの!」
『あぁ・・・そうだが?』
ウタ「ッ!この・・・」
『落ち着け・・・』パンッ!!
ウタ「!?」
どこからともなく聞こえて来るその男の声に明確な怒りを覚え、私がどこへともなく足を進めると、部屋に設置された何かから、鉛が打ち出される。私の足のほんの少し右を通り抜け、先程威勢よく男に対しての怒りを露わにし、絶対に許さないと言う覚悟で立ち上がった私は、その鉛一つと男の声だけで動きを止めてしまった。
ウタ「・・・ッ・・・な、何が・・・目的なの・・・」 - 13二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 08:14:31
……?その2人揃って負けるの!?
どこの生きる伝説だ - 14CC22/12/15(木) 08:29:08
私の体は震えていた。当然だ。目の前には、自分が信用し、信頼し、そして何より心の底から大好きな2人が拘束され、鎮座している。そこに突きつけられた、確かな鉛の発泡。私は理解したのだ。今のは敢えて外したのだと。そして恐怖しているのだ。体じゃなく大事なのは心などと言っている癖に、自分に向けられる本当の殺意を目の当たりにした瞬間、足がすくむのだ。分かってはいた。理解しているつもりだった。でも、それでも思ってしまう。私は一体、この2人にどれだけ守られて来たのか。一体どれだけ優しく扱われて来たのか。拘束されている2人を横目に、私は考えてしまう。
ウタ「ルフィ・・・シャンクス・・・」
『先程・・・何が目的かと聞いたな・・・』
私の問に対し、その男は口を開いた。先程の発泡で血の気が引いてしまった私は、ただひたすらに、恐怖から来るものなのか、はたまた怒りから来るものなのか、それすら分からない震えを抑え、静かにその男の声を聞いていく。
『話の前に・・・先にこちらを渡しておこう。』
ウタ「!?」
男は再び指を鳴らした。その瞬間、部屋の上から、ゴトッ!と言う重低音と共に、一丁のピストルが落ちて来る。
ウタ「・・・え・・・なに・・・これ・・・」
私はその事態に頭が回っていない。怒り、恐怖、不安、その他にも様々な感情の入り乱れる中、男から渡されたのは一つのピストル。こんな状況で、冷静に物事を判断しろと言う方が無理なもの。 - 15CC22/12/15(木) 09:36:04
ウタ「え・・・・・・・いま・・・・なんて・・・」
ピストルを渡したあと、男の口から信じられない言葉が発せられ、私は思考が一瞬停止したかと思えば、聞き間違いである事を願うかの様に、男に問いただす。しかし、それに対して返って来る答えは無情にも程がある、答えだった。
『2度同じ事を言わせるな・・・どちらかの頭を撃て・・・と言ったんだ・・・』
ウタ「ッ・・・で、出来る訳・・・」
『もし出来ないと言うのなら・・・』パンッ!!
ウタ「!?」
その瞬間、私が声を荒げれば、ルフィとシャンクスが座っている丁度中間を、鉛が通り過ぎて行く。私は絶句した。先程自分に向けられた殺意が、今度はあの2人に向けられている。考えただけでも泣き崩れてしまいそうだ。
『弾は1発入っている・・・貴様がその2人のどちらを撃つかを決め・・・そして頭を消し飛ばせ・・・断れば当然・・・まぁ言わなくても分かると思うが・・・お前ら3人を撃ち殺す・・・制限時間は3分だ・・・宜しく頼むよ・・・』
何を言っているのかわからない。何故そんな事をしなくてはならないのかわからない。何故この2人が。何故撃たなくては。何故こんな事に。様々な感情と情報が頭になだれこみ、私はただ1人、顔を歪め、子供の様に涙を流してしまう。
ウタ「ふぅ・・・ッ・・・やだ・・・いやだ・・・なんで・・・こんなこと・・・」ポロッポロッ!
等々耐えられず、1人泣き崩れ質問を投げかけても、男からの返事は返ってこない。もはや時間が来るまで待つだけなのだろう。私が撃つか、時間が来て男が撃つか、その差だ。
ウタ「はっ・・・弾は・・・1発・・・」
無音が支配する部屋の中、私はカタカタと震えるその手に持ったピストルを見つめ、なにも考えぬまま、己の眉間に照準を合わせた。
ウタ「はぁ・・・はぁ・・・ルフィ・・・シャンクス・・・私・・・」ポロッポロッ!!
簡単な話だ。弾は1発この部屋には3人。時間が来れば殺され、撃たなくても殺される。そして私は、この部屋にいる自分を含めた3人の中で、犠牲にするなら自分を置いて他にいないと言う結論に至った。あの2人のどちらかを撃つなど、想像する事もしたくはないのだから。
ウタ「・・・ッ・・・・・・・バイバイ・・・」ポロッポロッ!!
涙を浮かべ、別れを告げた後、無音だった部屋に響くのは1発の発泡音のみだった。 - 16二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 09:51:40
……そう言えば疑問がひとつ
その手錠 何製? - 17CC22/12/15(木) 09:53:22
- 18二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 09:57:06
鉛の弾丸ならルフィなら効かないなとも思ったけどウタにそんなことわかるわけないしなぁ…
- 19二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 10:07:16
こんなのはトットムジカが見せて来た夢だ!
そうに違いない... - 20二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 10:08:24
抜かりないな……
- 21二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 10:08:29
CP付いてるから大丈夫だろ、多分…
- 22CC22/12/15(木) 10:16:48
部屋に響いた1発の発泡音。その瞬間、私の頭は吹き飛ぶ・・・筈だった・・・
ウタ「・・・ッ・・・・・」
カタカタと震えていた手が、余りの恐怖にピタリと止まる。目を開き前を見ている筈なのに、何故だか情報が収束されない。ゆっくりと目を自分の足元に追いやれば、コンクリートで出来ているであろう床に穴が空いており、白い煙が立ち込めている。私はまだ生きている。何故ならば、部屋に響いた発泡音は、私の撃ったものではないのだから。
『くだらない事を考えるな・・・私はお前に言った筈だぞ・・・その2人のどちらかを撃てと・・・』
ウタ「・・・あ・・・あぁ・・・」カタカタ...
『もし貴様が己自身を撃ち殺せば・・・残った2人はすぐさま蜂の巣だ・・・わかったか?お前にはその2人のどちらかを撃つ以外に選択肢はない・・・』
ウタ「・・・ッ・・・や・・・だ・・・やだ・・・・いやだ・・・いやだ!助けて・・・助けて・・・ルフィ・・・シャンクス・・・私・・・やだ・・・」ポロッポロッ!!
限界だった。私も死にたくなどない。でも、それでも、2人にこのピストルを向けるくらいなら、自分が死んだ方がマシだ。そう考えてとった行動が今潰されたのだ。自害は出来ない、撃たないと言う選択肢は無い、あの男の口振りからして、外した場合も鉛を打ち込まれる事だろう。私の退路は完全に消え失せたのだ。どちらかを撃たなければ、どちらとも死んでしまう。もはやそんな事を考えているうちに、私は2人の前まで足を進めていた。
ウタ「・・・あ・・・やだ・・・やだ・・・」ポロッポロッ!
2人の目の前に来ても、取る行動は同じ。この2人のどちらかを選ぶなど、私には到底出来る筈もない。体は震え、涙は止まる事を知らず、私はただ3分と言う短い時間を、無限の様に過ごしていた・・・その時・・・
???『ウタ・・・・・』
ウタ「!?・・・・・え・・・・・」 - 23CC22/12/15(木) 10:19:33
dice1d2=1 (1)
- 24二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 10:31:39
ほう...デスゲームですか...
素晴らしい...
ところでスレ主のコテハンの意味が気になりますね...
今の所コードギアスくらいしか浮かんでこない... - 25CC22/12/15(木) 10:55:52
- 26二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:08:47
ルフィとシャンクスどっちが撃たれるかでカップリング決まりそう
- 27二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:14:47
草
- 28二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:15:52
おーおー!好き勝手荒れなさる!(未来予知)
- 29CC22/12/15(木) 11:20:32
耳に入って来たのは、聞いているだけで心が落ち着く、そんな声。優しくも逞しく育ったそんな彼は・・・ルフィだ。
ウタ「ルフィ・・・私・・・私・・・」ポロッポロッ!!
私はルフィに抱きついた。こんな軽はずみな行動は、本来ならばとっていいものなのか、よく考えなくてはならない状況だが、今の私には、ただひたすらにルフィに縋る事しか出来ない。確かに触れている感触。体温も、心音、ルフィの胸に顔を埋めれば、若干の血と、お日様の様な匂いがする。
ウタ「私・・・どうすれば・・・ルフィ・・・」ポロッポロッ!!
そんな事を今のルフィに聞いても分かる筈はない。あれ程男からの説明を受け、時間を費やした私ですらこのザマだ。そんな中、何故ルフィに問いただす。簡単だ。私は縋っている。また。誰かに。ルフィに。そうやってかなければ自分すらも見失ってしまう、弱い人間だから。
ルフィ「ウタ・・・さっきの全部・・・意識はなかったみてえだけど・・・聞こえてた・・・・・・ゴメンな・・・」
ウタ「・・・え・・・・・ルフィ・・・」ポロッポロッ!!
ルフィが謝罪を述べた瞬間。私は疑問よりも先に、再び不安と言う感情に支配される。浅ましくも軽率な考え。きっとルフィなら、ルフィならなんとかしてくれる。そんな事を、心のどこかで願っていたのだろう。それを砕くかの様な、弱々しい謝罪。ルフィにも分かっているのだろう。もはや残りの時間もないのだから。
ルフィ「ウタ・・・本当はお前にこんな事・・・言いたくもやらせたくもねえ・・・でもな・・・言うぞ・・・」
ウタ「ッ!?やだ・・・ダメ!聞きたくない!もう喋らないで!!黙ってよルフィ!!お願い!!!」ポロッポロッ!!
私は叫んだ。だってそうでしょ?コイツがこの状況で取る行動を・・・私は誰より理解してるんだもん・・・
ルフィ「撃て・・・・・俺を・・・・・・・」
ウタ「・・・る・・・ふぃ・・・・・」ポロッポロッ!! - 30二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:23:13
あ……勝ったな!
- 31二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:27:00
- 32二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:27:45
- 33二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:28:57
- 34二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:29:35
エアプ晒したわ
恥ず - 35二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:31:04
- 36二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:32:42
でも今回は鉛だぞ多分
- 37二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:33:15
あれ特注じゃなかったっけ?男の方も普通に鉛玉使ってるし普通に鉛玉入ってるんだろうなって思ってたけど
- 38二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:41:02
海楼石は能力封じるから効くぞ
- 39二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:45:15
揺れる見解
- 40二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:48:17
海(水中)、海楼石、ヤミヤミの能力無効は見解が揺れるから
原作ではっきりするまではここまでにしよう。
スレではスレでの解釈をすればいい。 - 41二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 11:48:23
まあ議論する場じゃないからここまでにしてこのSSだとそうゆう設定ってことで納得するって事で手打ちにしよう
これ以上やっても不毛な気がするし議論したかったらその人がそういうスレを立てればいい - 42CC22/12/15(木) 11:57:03
・・・・・・・・・・・やだ・・・・・・・・・・
ルフィ「俺なら大丈夫だ・・・ウタになら殺されてもいい・・・」
・・・・・・・・・・やだ・・・・・・・・なんで・・・
ルフィ「それに、お前にシャンクスを撃つなんて事・・・させたくねえ・・・」
・・・・・・やだ・・・・・・もう・・・喋らないでよ・・・・・ルフィ・・・・・
ルフィ「俺の事は気に・・・ッ・・・するよな・・・お前なら・・・だから・・・ごめんな・・・ウタ・・・」
ウタ「ッ・・・あ、あぁ・・・やだ・・・やだ・・・やだ!やだ!!ルフィ・・・ルフィ・・・やだ・・・こんなの・・・いやだ・・・ずっと・・・ずっと一緒にいたいよ・・・別れたくなんてないよ・・・ルフィとも・・・シャンクスとも・・・」ポロッポロッ!!
私は泣き叫びながら、ルフィに抱きつく。恐らくはもう既に残り時間は、一分を切っていると言うのに、ただ子供の様に、泣き、叫ぶ事しか出来ない。
ルフィ「・・・ッ・・・ごめんな・・・一緒にいてやれなくて・・・ウタ・・・撃て・・・俺を・・・このままだと・・・3人とも死んじまう・・・シャンクスも・・・お前も・・・」
ウタ「・・・ッ・・・うぅ・・・あ・・・ッ・・・」ポロッポロッ!!
こんな時でも、自分の命が危うい時でも、ルフィは私の心配ばかり。昔からそうだ。無神経で、生意気で、すぐ人に迷惑をかけるお子ちゃま。でも、変に察しが良くて、絶対に私の事を傷つけない、そんな奴。分かってた筈だ。ルフィが目を覚ませば、きっと道は一つしかないと。だから私は、手に持って居るピストルを・・・ルフィの頭へと向けた。
ウタ「ねえ・・・ルフィ・・・・・・・・ごめんね・・・ごめんね・・・・私・・・・・ッ・・・・・大好きだよ・・・ルフィ・・・待ってて・・・・・・・」ポロッポロッ!!
無音の部屋に一つの音が響き渡り、赤い華が咲き乱れる。倒れゆく彼の顔には、今まで見た事のない様な、優しく、穏やかな笑みが浮かんでいた。それはきっと、私の言葉に対して、彼なりの答えだったのだろう。
ウタ「・・・・・・・・・る・・・・・ふぃ・・・・・あ"ぁ"・・・・・あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!!!」ポロッポロッ!!
その瞬間・・・私の意識は暗闇に閉ざされた・・・ - 43CC22/12/15(木) 12:00:55
みんな安心して!きちんと海の楼の石だんだから!もっと言うと、特注で作ってあるピストルだから、先端が針の様に尖ってるから!!
- 44二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:03:46
よし!全員死す!
- 45二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:04:00
絶対死ぬやん!
- 46二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:05:11
何が一応やネン
- 47二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:07:24
これ2だったらシャンクスが起きるんだろうな
- 48二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:09:25
よっしゃ!さすがUTAさまだぜ!
このまま逆らう海賊みんなぶっ殺そうぜ!! - 49二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:11:14
- 50二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:14:02
このレスは削除されています
- 51CC22/12/15(木) 12:14:32
dice1d4=2 (2)
- 52二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 12:14:39
夢オチに30億ベリー賭ける
- 53CC22/12/15(木) 12:56:48
<2>
ウタ「う・・・うぅ〜ん・・・此処は・・・どこ・・・」
目を覚ますと、私は草が生い茂る崖の上にいた。辺りを見渡せば、夕日が海に沈みかけており、そこそこいい時間なのが分かる。
ウタ「私・・・なにを・・・痛た・・・確か・・・さっきまで・・・」
私は先程までの出来事を振り返ろうと、おでこに手を当てがい、脳を回す。しかし、寝て起きたばかりだからか、はたまた多少なりの頭痛がするからか、これと言って何かを思い出す事が出来ない。
そんなところへ・・・・・
『あっ!またウタが夢ん中!!』
ウタ「ッ!?」
白い色のシャツに黄色のバッテン、下には赤色の短パンと言った、まさに村に1人は居そうなわんぱくな少年の姿。そう。ルフィだ。
ウタ「あ・・・はぁ・・・はぁ・・・あぁ・・・ルフィ・・・」
私はその瞬間、あの夢で起きた全ての事を思い出した。今とは違う大人の姿。そんな中捉えられている私とルフィとシャンクス。私が2人のどちらかを撃たなくてはいけなくて・・・そして・・・私は・・・ルフィを・・・
ウタ「う"あ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!やだ!やだ!!やだぁ!!!」ポロッポロッ!!
ルフィ「えっ!?お、おいウタ!!?どうしたんだよ!?急に!!?ッ!?な、泣いてんのか!?なんで・・・」
夢の事を思い出した私は脆かった。一度も見せたこともない見せるつもりも無かったのに、ルフィの前で大粒の涙と共に泣き崩れてしまったのだ。
ウタ「ルフィ・・・私・・・私は・・・」ポロッポロッ!!
- 54CC22/12/15(木) 13:27:51
ルフィ「え、えっとえっとえっと!!う、ウタ!取り敢えずほら!もう大丈夫だ!な?だから泣くなよ!ウタ!」ギュッ!
ウタ「る・・・ふぃ・・・私は・・・アンタを・・・ごめん・・・ごめんね・・・ルフィ・・・」ポロッポロッ!!
そこから私は、暫くの間ルフィの腕の中で泣きじゃくり、謝罪を並べた。私がルフィに対し、謝る度にルフィは、頭にハテナを浮かべながらも、優しく私の頭を撫でてくれる。
ウタ「る・・・ふぃ・・・ごめ・・・んね・・・アタシ・・・スゥ・・・スゥ・・・」
○
私はその日、そのままルフィの腕の中で泣きつかれ、寝てしまったらしい。次に目を覚ました時には、ルフィとルフィのおじいちゃんと言う人が私の寝ているベッドの脇におり、シャンクス達の姿は見えなかった。
ウタ「ッ・・・ルフィ・・・」
ルフィ「あっ!ウタ!!よかった!目覚まし・・・ぐえっ!?」
私がむくりと体を起こせば、ルフィは目尻に涙を浮かべ飛びついてこようとする。が、しかし、それをルフィのおじいちゃんと言う人が止めてくれた。
ウタ「ルフィ!?」
ガープ「よさんか!この馬鹿タレが!今目を覚ましたばかりのこの子に何かあったらどうする?」
ルフィ「あっ!そ、そうだった・・・悪りい・・・ウタ・・・」
ルフィはしょんぼりとした様子で、私に頭を下げた。後から聞いた話だが、私はルフィの腕の中で寝たあの後、数日間にわたり目を覚まさなかったんだとか。村の医師やホンゴウさんが見ても、症状がわからなく手が尽くせなかった所に、ルフィのおじいちゃん、ガープさんがこの村に返って来ると言う知らせを村長さんから受けたらしい。
ウタ「それで・・・シャンクスはどこにいるの?」 - 55二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 13:30:06
大丈夫これは予知夢じゃない・・・
- 56二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 13:48:37
夢オチじゃなけりゃルフィの懸賞金で支払えばいいな!
- 57CC22/12/15(木) 13:56:05
ルフィのおじいちゃんは海兵だ。それもシャンクス達が言うにはとても凄腕の。ルフィも毎度毎度、自分のおじいちゃんが怖いと言っていた。そんな人が今此処に居て、シャンクス達が居ない。とても私が考える様な事があったとは思えないが、一応聞いておかなくてはならないと思い、質問を投げかけたが。
ガープ「ふん・・・安心せい・・・捉えてなどおらん。奴らなら今頃エレジアと言う国で悪さでもしとるんじゃろ・・・」
ウタ「エレジア・・・そっか・・・行くって言ってたってけ・・・ッ・・・痛た・・・」
ルフィ「ウタ!大丈夫か!まだ寝てた方がいいぞ!」
いつにも増して、ルフィが優しい言葉をかけて来る。これはつまり、それ程ルフィにはこの前の私が異常な状態に見えたと言う事を意味する。それもその筈だ。シャンクス達ならまだしも、ルフィの前であんな派手に泣き叫んだ事など一度もないのだから。
ウタ「大丈夫・・・ありがとう・・・ルフィ!」ニコッ
分かっている。きっとコイツには無理な笑顔は逆効果だ。いつも無神経な所はあるが、それでいてどこか感が鋭い。ルフィにはすぐに仮初の顔などバレてしまう。でも、それでも、あの夢がチラつくせいで私は笑顔を作る他なかった。
ガープ「・・・ふん・・・ルフィ・・・この子も目を覚ました事だし、わしは帰るぞ・・・それとマキノにも赤髪の小僧に連絡を入れるよう言っとくのでな・・・少しすれば返って来るじゃろう・・・」
ルフィ「うん・・・爺ちゃん!ホントにありがとう!」
ルフィのお礼に対し、ガープさんは何も言わずに部屋から出て行った。なんでも、ガープさんとシャンクス達がこの村で鉢合わせるのは避けないといけないらしく、ガープさんが帰ってくると言う日は、毎回急遽船を出していたんだとか。そんな折、突然眠りについた私。当然容体がわからない為、船に乗せる事もできず、かと言ってガープさんが来る以上居座る訳にも行かない。考えに考え抜いた結果、ガープさんにマキノさんとルフィが事情を説明し、自分達が村に立ち入らない代わりに、私の事を見逃してもらう事になったんだとか。
ウタ「そっか・・・その上看病までしてくれたんだね・・・感謝しなくちゃ!」 - 58二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 13:59:40
閲覧注意に一応って付いてるから死ネタとかバッドエンドにはならないはず…
- 59CC22/12/15(木) 14:35:36
ガチャン!と言う音と共にガープさんが部屋から出て行った後、シャンクス達の状況や私の容体を不器用ながらもルフィは教えてくれた。必死に説明してくれるルフィを横目に、その間も私は、とある事を考えていた。
ウタ「ねぇルフィ・・・海賊になろうよ・・・」
気づけば声が勝手に出ていた。今あたしは何を?そんな事を考えているうちにルフィが驚いた様子でおでこを触って来る。
ルフィ「な、なんだ?ウタ?やっぱりまだ熱が・・・」
ウタ「違うよ・・・大丈夫!」
ルフィ「じゃ、じゃあなんで急にそんな事・・・いや、海賊にはなりてえけど・・・俺船には乗せてもらえねえし・・・」
ウタ「それなら私からも頼んであげる!ね!なろう!一緒に海賊!私・・・ルフィとは・・・離れたくないの・・・」
ルフィの手をとり、これまた今までに一度も見せた事がない女の子の顔と言うのだろうか?効果があるかは分からないが上目遣いのままルフィに頼み込む。この時の私は、決して心変わりをした訳ではなかった。ただ、ただ単純に、あの夢がチラつくせいで、ルフィと離れたくない。ルフィに死んでほしくない。ルフィと一緒になりたい。そんな感情に、心が侵食され、出た言葉だった。
ルフィ「わかった!!俺もウタと一緒に海賊やりてえし!!シャンクス達には宜しくな!!」
ウタ「ッ・・・うん・・・うん!ありがとう!ルフィ!私・・・大好きだよ!アンタの事!」ポロッポロッ!!
涙を流し、私は夢で言った言葉と同じ言葉をルフィに投げかける。それに対しルフィはと言うと、夢とは違い、私の涙にとても慌てふためいていたが、その表情もどこか優しげに見えた。数日後、シャンクス達が帰ってきたと同時に事情を説明し、ルフィを船に乗せて欲しいと懇願した所、流石に無理だと断られてしまった。その為、フーシャ村を最後の日とする出航日、その日の荷物の中にルフィを隠し無理矢理に船に乗せ事なきを得た。当然シャンクスやみんなから大激怒を喰らったが、ルフィと私の覚悟にやられ、渋々乗船を許可してくれた。そして何より、それからの毎日はとても楽しく、今まで好きじゃなかった船番も、ルフィが居るから色鮮やかなものに変わって行き、いつまでも弱いままではダメと、お互いに修行などもして行き毎日を過ごして行ったのだった。
○
ウタ「もう大丈夫・・・」 - 60二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 14:51:20
- 61CC22/12/15(木) 15:44:32
あれから10年の月日が流れた。私もルフィも今ではすっかり赤髪海賊団のクルーとして、その名が世に知れ渡っており、今は2人で夜、私の部屋に集まっていた。自分で言うのもなんだが、この歳ごろの男女が夜、わざわざ集まってやる事など決まっており、その日私はルフィと共に幸せな夜を過ごした。
ルフィ「ウタ・・・本当によかったのか・・・俺で・・・」
ウタ「それはこっちのセリフだからね・・・アンタ各国の王女様や・・・あの海賊女帝からも目を付けられてたのに・・・」
静かに揺れ、多少なりの細波の音が聞こえて来る夜。私達は体を重ねた後だと言うのに、そんな今更な会話を交えていた。
ルフィ「俺は・・・結婚とかよくわかんねえけど・・・ウタとがいいって思ったから・・・」
ルフィはベッドに横になる私を抱きしめ、そう言葉を返す。何が結婚などわからないだ。私が他の海賊に絡まれそうになる度に、手を取って引っ張っていく癖に。
ウタ「ルフィ・・・私もそうなんだ・・・アンタと一緒・・・でもね・・・私いま・・・幸せだよ・・・ルフィ・・・」
私の言葉を聞き、ルフィは優しく笑みをこぼす。私とルフィはそのまま眠りについた。きっと大丈夫。もう大丈夫。そう思いながらあの日見たあの悪夢は、私の中から消えて行く。
今も尚・・・・・あの夢の通りに進んでいるとも気づけずに・・・・・
END・2・気づけぬ予知夢・・・・・・ - 62CC22/12/15(木) 15:48:38
dice1d3=2 (2)
- 63二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 15:49:03
予知夢…予知夢かぁ…マジか…
- 64二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:01:25
oh
- 65二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:03:12
- 66二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:25:33
- 67二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:28:06
このレスは削除されています
- 68二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:28:32
- 69二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:28:47
- 70二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:35:54
- 71二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 16:37:57
>>68さんもありがとうございます
多分この米なければ一生気づかなかったかも・・
- 72二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 17:56:13
このレスは削除されています
- 73CC22/12/15(木) 17:58:48
<3>
ウタ「・・・・・・・・・」
私が目を覚ますと、そこは何かのカプセルの様な物の中におり、私は手元にある開閉ボタンをポチッ!と押す。するとプシュー!と言う空気の抜ける音と共に、カプセルが開いた。
ルフィ「おっ!出てきたな!ウタ!どうだったんだ?面白・・・」
ウタ「ルフィーーーーーー!!!!!!!」ガバッ!!
ルフィ「はぶっ!?」
カプセルから出て、すぐにルフィを見つけた私は一目散に飛び付いた。私のこの行動を予想していなかったのか、ルフィは受け止めに失敗し、そのまま倒れてしまう。
ウタ「ルフィーーー!!!!!私!!私!!!」ポロッポロッ!
ルフィ「お、おい!?大丈夫か?」
大丈夫な訳がない。今さっき、あたしはルフィの事を殺めてしまったのだから。やるせない。例えそれが・・・・・
ウタ「私!!!この新感覚体験型ゲームって言うの嫌い!!!!!!!!!!もう船に帰ろう!!!!」ポロッポロッ!!!
ゲームの中であったとしても・・・
- 74二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 18:00:50
トラウマ植え付ける為だけに作られたゲームやん...
- 75二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 18:01:29
- 76CC22/12/15(木) 18:12:50
時は遡り、1ヶ月程前・・・
ウタ「抽選?」
シャンクス達の船からたまたまサニー号へと遊びに来ていた私に、ナミが何やら申し訳なさそうに一枚の紙を渡して来た。その紙には、『ベカパンクサテライト総動制作!新感覚体験型ゲーム専攻プレイヤー大募集!』と書かれている。急にこんな物を渡されても私はなんと返せばいいのかと、目を細めていると。
ナミ「当たっちゃった・・・」
ウタ「・・・・・・・は?」
ナミのその発言に思わず素っ頓狂な声を漏らしてしまう私。それもその筈、まずこの状況は普通に考えて、こう言った物があるからどう?的な誘いの段階ではないだろうか?それなのに今ナミは確かに、"当たっちゃった"!と言った。まぁ待とう。状況が読めず困惑こそしては居るが、まずは事実確認だ。
ウタ「えっと・・・おめでとう・・・」
ナミ「はい・・・じゃあ・・・行ってらっしゃい!」
ウタ「は?」
ナミ「だから・・・それ・・・アンタの・・・」
ウタ「・・・・・・・・・・・」
何故?その疑問が頭に浮かぶのは当然だ。そもそもの話、私は以前のライブの事もあり、ルフィが海賊王になり新時代を作るまでは身を隠していた存在だ。こうやってルフィ達の元へと遊びに来るのも、ここ最近、それこそ一ヶ月程前からだと言うのに、その私が何故この様な抽選で選ばれるのか?まず抽選をした覚えはない筈だが?様々な思考が私の頭の中で入り乱れる中、満面の笑みでナミは言った。
ナミ「あっ!あとそれ!ルフィも当たっちゃったからアンタら2人で行って来てね!それじゃ!」パタン
そう言い残し、ナミは部屋をあとにしたのだった・・・
ウタ「・・・・・・・・・・・・は?」 - 77二次元好きの匿名さん22/12/15(木) 19:10:49
これは、、、誰が悪いんだ?
- 78CC22/12/15(木) 19:30:57
ナミが部屋を後にしたあと、あたしはその抽選券を持ち、甲板の方へと足を進めた。そこには先程のナミを除いたほぼ全てのクルーがおり、私はあえて大きな声で要件を済ませた。
ウタ「はーい!みんな注目!!」
私がそう言うと、船のみんなは視線をこっちに向け、ゾロやロビンはその場で、そしてウソップやチョッパー、そしてルフィなどは、興味深々でこちらの方に擦り寄って来る。
ウタ「正直に答えてね〜!!この中にこの抽選券に身に覚えのある人は〜・・・」
その瞬間、ウソップとチョッパー、は私から遠ざかり、他の仲間達もルフィを除いた全ての者達が目線を私から逸らし、そのうちの何人かは、すぐさまキッチンやら展望台やらにそそくさと逃げて行ってしまった。
ウタ「やっぱりか・・・・・はぁ・・・・ねえ!トラ男く〜ん!!君は心辺りとか・・・」
ロー「ない。それはお前がナミ屋に渡されたんだろ。ならお前の抽選券だ。俺を巻き込むな。」
何故かいつも船に乗っているトラ男くんに矢印を向けたがこの始末。巻き込むな。この発言により、私の疑問は確信へと変わった。ベカパンクと言えば、今や私でも知っている程の有名な化学者だ。そんな人の作ったゲームが当たって人に譲る様な一味には見えない。なら私にこれを押し付けた理由は何故か・・・恐らく単純明快。
ルフィ「ん?あぁー!それウタが当たったのか!奇遇だなぁ!俺も同じ奴当たったぞ!ニッシッシ!」
そう・・・この男・・・ルフィの存在が大きいのだろう。
ルフィ「ニッシッシ!そっか〜・・・ウタと一緒にか〜・・・楽しみだなぁ!!」
ルフィはこちらの気も知らないで、満面の笑みを溢している。私とてルフィと一緒に何処かへ出かけると言うのは嫌ではないが、状況を整理しよう。恐らく、一つ目の抽選でルフィと誰かが選ばれたのは良いものの、後々になり皆気づいたのだろう。この専攻プレイの最大人数は2人。つまりはこの自由奔放な男を連れて、世界的に活躍して居る博士の研究所へと赴き何事もなく帰ってこないと行けないと言う事。
私は青く広がる空を見上げながら再確認する。
つまりコレが何を意味するのか、そう・・・これはつまり・・・
ウタ「厄介ごと・・・押し付けられた・・・」 - 79CC22/12/15(木) 20:03:28
こうなってはもはや感無量。逃げ場無し。ルフィと2人で研究所に行って、何事もなく事なきを得るなど不可能ではないだろうか?いや不可能だ。恐らくは一味のみんなもそれを理解した上での行動。
ウタ「う〜ん・・・あっ!そうだルフィ!」
ルフィ「んあ?」
私はどうにか、打開策がないかと頭を回す。そして電気がピコン!と光るが如く、とある事を思い、ルフィに問いただす。
ウタ「アンタこれ一緒に行きたい人とか居ないの?私じゃなくて、ほら例えば、各国の王女様とか、それこそ海賊女帝の人とか!アンタが誘えば喜んでついて来てくれると思うけど?」
あたしは心の中で、今あげた人達に謝罪をした。それもその筈、なんせ今私がやっている行為は最低な行動だ。他人の恋心を利用し、自分の保身に走るなど到底普段の私ならしないエゲツない行為。だが許して欲しい。今回だけは。そう頭の中で唱えているとルフィが退路を塞ぎに来る。
ルフィ「は?何言ってんだウタ?それ当たったのお前なんだから、それはお前のもんだろ!」
甘いねルフィ。確かにルフィから見れば当選したのは私に見えるだろうが実際には違う。その為まだ逃げ道は残っている。
ウタ「これはナミから渡されたんだ。だから私のじゃないの。それよりほら!アンタ誰かと一緒にこう言うの行きたかったりしないの?これ・・・ほら!デートだよ!デート!」
ルフィ「デート?いや俺そう言うの興味ねえし?」
まあそうだよね。ルフィはそう言うと思った。実際私もそう言った事をしたい人なんて居ないし。
そんな事を頭の中で考えているうちに私の退路はルフィによって完全に封殺されてしまう。
ルフィ「ん〜でも俺・・・一緒に行くならウタがいいな!こう言うの!!」
ウタ「ルフィ・・・はぁ!はいはい!わかった!もうわかったわよ!私と一緒に行こう!ルフィ!」
ルフィ「おう!楽しみだな!」
全く。人の気も知らないで言ってくれちゃって。こっちはアンタのお守りを押し付けられた様なものなんだから、気が気じゃないってのに。恐らく今の私の顔は、誰が見ても不満そうな顔になっている事だろう。だがしかし、もはやそんな事はどうでもよい事だ、と半ば諦め私はルフィに言葉を返す。
ウタ「ふふふ♪きちんとエスコートしてよね♪ルフィ♪」 - 80二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 00:35:42
保守
- 81CC22/12/16(金) 02:47:17
ウタ「へぇ〜広いね〜此処!それに凄い・・・なんか・・・未来って感じ!」
ルフィ「だろ!此処スゲェんだ!飯も出て来るしな!」
外に止めてある船から降り、私とルフィはベカパンクが居ると言う特殊な島の、その内部へとやって来ていた。入り口から中に入るとそこは、浮雲や星々や、他にも白い道や光の立体映像など、様々な未知が広がっていた。ルフィ曰く島の名前はたまごヘッド。少々珍妙な名前の島ではあるものの、確かな技術とその結晶の様な風景が広がる。最初こそ、見知らぬ土地で不安だった私も、今ではすっかり満喫感に満たされている。
『おい!そっちではない!きちんと道順通りに進まんか!』
部屋の中に女性の声が響き渡る。恐らくは何処かに取り付けられている、監視カメラで私達の行動を常に観察しており、この声は音声マイクから発せられている。
ウタ「ルフィ?そう言えば大丈夫なの?本当に・・・この島とか、そのベガパンクって言う人。」ギュッ!!
ルフィ「ん?あぁ!大丈夫だぞ!前は、腹減ってた俺たちに飯食わせてくれたからな!アイツら全員いい奴なんだ!」
この様な、なんともない会話を終始続け、時折り聞こえて来る、案内の人の怒鳴り声を掻い潜りなから、私たちは足を進め、気づけば目当ての部屋の前まで辿り着いていた。私達が扉の前で立ち尽くすと、ガラス張りの巨大な扉が、1人でに開いて行く。私とルフィはそれをただ唖然とした顔立ちで眺めており、正に未知を知ると言うのはこう言った感覚なのだろう。
ウタ「ん?あれは一体・・・」 - 82二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 06:26:07
ほ
- 83二次元好きの匿名さん22/12/16(金) 14:47:09
保守
- 84二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 00:26:49
保守
- 85二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 01:15:52
扉の先は、白色の壁と天井に覆われており、幾つかのライトに照らされたシンプルな部屋。そしてその中心部には、何やら卵状のカプセルらしき物体が佇んでおり、大きさにして3メートル程はあるだろうか?何にしても、とても異質感のある光景が私とルフィの前に広がって居るのは確かだ。
ルフィ「ん〜なんだあれ?食えんのか?」
ウタ「いや、どう見ても無理でしょ!」
ルフィのキテレツな発言に私は冷静なツッコミを返す。するとそれとほぼどうタイミングで、何処からともなく声が響いてくる。
『それがお主らが当てた新感覚の体験型ゲームじゃ!くれぐれも壊すなよ!頑丈には出来ているが!』
兎にも角にも、まずはあのカプセルを近くで見たいと思い、私とルフィは部屋へと入って行く。
『因みに、そのゲームは1人様じゃ!どちらが先にプレイヤーになるのか話し合って決めてくれ!』
その発言に、私は数秒思考を回し、ルフィに先にやってみては、と提案をしたが、それに対しルフィは、自分は後でいいと、おおよそ予想通りの返答を返してきた。一味のみんなが聞いたら驚くのだろう。私と他のみんなの中でのルフィに対してのイメージはどこかズレているみたいだし。
『プレイヤーが決まったなら、あとはその開閉ボタンを押して中に入ってくれ!中に入り、クッションの上へ身を降ろし、そのまま目を閉じる。すると自動的に体験型ゲームが始まるのでな!楽しんでこい!』
お手本の様な説明口調。きっと凄い練習したんだろうな〜、などとなんて事ない思考を終え、開閉ボタンを押した。
ウタ「それじゃ!行って来るね!ルフィ!」
ルフィ「おう!楽しんでこいよ!ウタ!」
そうして私は、カプセルに入り、程よい柔らかさのクッションへ全身の力を抜いて、体を預けた。目を閉じ暗闇の中へと入り込めば、次の瞬間に広がる光景はきっと素敵なワンダーランド。そう思っていた私はなんと夢心地な気分だったのだろうか。
END3=新感覚体験型拷問ゲーム・HELL!!! - 86二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 02:07:42
dice1d2=2 (2)
- 87CC22/12/17(土) 02:08:32
- 88二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 07:07:29
きついけどまだゲームでよかった…
これはプレーヤーがウタだから拷問ゲームになったのか?
誰がやっても拷問ゲームだったのかな - 89二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 07:54:15
こんなゲーム体験したらヤバイわ!
さっきの予知夢はこの抽選に当たるってことだったんですね!よかっ - 90二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 15:53:05
ほ
- 91二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 16:14:51
- 92二次元好きの匿名さん22/12/17(土) 23:20:37
<4>
私は今、何処に居るのだろう。何処に座って居るのだろう。朦朧とする意識の中、辺りの空気を取り込めば、ほんのりと肉の香りだけが体に入り込む。いつもならば、喜ばしいその状況も、先程までの光景が頭にチラつく今の私には、とても芳しくない。その証拠に、手元に置いてある""箸""を取り口に運ぶと言う簡易的な行動すら、今の私にはとる事が出来ないでいる。本来ならば、ここまでメンタルをやられている状況、そんな時は横に居るルフィにすぐさま慰めて貰うのだが、私同様、彼の""箸""も進んでいない。恐らくは先程の名演技とも言える私の悲痛な叫びが、頭にこびりついて離れないのだろう。
ウタ「・・・・・・・・・・・・・・・」
ルフィ「・・・・・・・・・・・・・・」
シャンクス「・・・・・・・・あぁ・・・・・おい・・・食わねえのか?牛丼・・・」
ウタ・ルフィ「「食えるか!!!!!!!!」」
あまりにも、無神経なその言葉にお店の中だと言う事も忘れ、私とルフィは叫び倒す。その様子にシャンクスと周りのお客さんは萎縮してしまう。少し悪い事をしたと思い、私とルフィも目の前にただ置かれる牛丼に顔を向ける。
シャンクス「いや・・・まあ・・・なんだ・・・いい事あるって!」
ウタ「ルフィ、シャンクスなんてほっといてカラオケ行こ?」
ルフィ「ああそうだな!それと今日お前ん家止まってくぞ?一緒に寝よう・・・」
他人事の様なセリフを吐くシャンクスに、流石の私とルフィも耐えきれず、席を立ち2人で傷を舐め合う。するとシャンクスが焦りの顔を浮かべ私たちを引き止める。
シャンクス「待て待て待て待て待て待て!!わかった!!わかったわかった!!悪かった!!俺が悪かったから!!取り敢えず牛丼は食ってけ!!俺1人じゃ食い切れん!!」
- 93CC22/12/17(土) 23:21:34
>>92やべ、またCC抜けた
- 94CC22/12/18(日) 00:32:36
ウタ「はぁ・・・ねえシャンクス・・・自演辞めなよ・・・食べれるでしょそんくらい・・・」
シャンクス「いや!ほんと無理だって!!てか食えねえのにキングサイズ頼むなよ!!お前ら!」
ルフィ「いや・・・俺とウタが要らねえつったのにシャンクスが無理矢理頼んだろ・・・それ・・・」
他の客の事も気にせず、私とルフィは白い目をシャンクスに向ける。これには流石のシャンクスにも堪える様だ。
シャンクス「いや、てかなんだよ!そう怒る事は・・・」
ウタ「怒るでしょ!?ばかなの!?シャンクス!?てか、なんであそこで目覚めるの役がルフィなの!!?普通に考えてベテランのシャンクスの役でしょアソコは!!?」
ルフィ「もう俺ドラマの撮影は懲り懲りだ・・・」
ウタ「ルフィ!大丈夫!?ほらよしよし・・・ほんとにごめんね。シャンクスのせいで・・・ねえルフィ・・・その・・・まだ少し不安だからさ・・・今日よる・・・あの・・・その・・・」
ルフィを抱き寄せ慰める様にして頭を撫でるも、結局は自分も不安だと言う理由を口実に、夜のお誘いをする。だって仕方ないでしょ?私たちまだ高校生だもん。
ルフィ「じゃあ帰り薬局やってくか!」
ウタ「うん!わかっ・・・」
シャンクス「おい!コラ!!なんだその会話は!!?ウタ!おとうシャンに黙ってお前一体ルフィとどう言う・・・」
ウタ「うるさい!!シャンクスはもう黙ってて!!行こ!ルフィ!」
血相をかいた顔で講義してくるシャンクスを横目に、私はルフィの腕を引き店を後にする。さて、そろそろ何故私とルフィがこの様な状況に至ったのか説明しないといけないだろう。
あれは確か1週間前・・・ルフィと2人で買い食いなどを楽しんでいた学校の帰り道・・・魔の手からの電話は鳴り響いた - 95二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 10:01:04
保っ守
- 96二次元好きの匿名さん22/12/18(日) 18:27:00
ほっほ
- 97二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 02:17:37
最悪すぎるw
- 98二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 12:11:46
どんなドラマなんだ…
- 99二次元好きの匿名さん22/12/19(月) 22:20:52
ぽっぽ
- 100二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 07:33:30
ほ
- 101二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 17:12:58
保
- 102二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 18:00:25
ほぉ!!
- 103二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 22:28:30
しゅ!!
- 104二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 10:10:48
保守!
- 105二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 17:06:09
ほ
- 106CC22/12/21(水) 18:02:09
ウタ「ドラマ?」
シャンクス『おう!そうだ!まぁ、つってもエキストラでだがな!いい人生経験になると思うぞ?』
肉まんを食べながら帰る雪道、シャンクスから唐突に告げられたその提案を、ルフィに伝える。
ルフィ「ドラマ?へぇ〜!なんか面白そうだな!出てみろよ!ウタ!」
ウタ「う〜んどうしよう・・・あ!そうだ!ねえ!シャンクス!そのドラマの撮影、ルフィも連れてっていい?」
シャンクス『ああ、騒ぎを起こさないってんなら、まぁ大丈夫だろ!』
シャンクスからOKサインを貰い、私は当然と言わんがばかりに、ルフィに集合予定時間を伝える。普通の友達や幼馴染がどう言った関係なのかは知らないが、私とルフィにとってはコレが普通なのだ。
○
ドラマの撮影と言っても私の出る部分はホントに簡単なもので、細かな一連の流れやセリフ回しは、全部専門の人たちがやってくれた。その為、私はものの半日程で時間に余裕ができ、シャンクスの撮影が終わる時間まで、ルフィと共に当然の如く時間を潰していたのだ・・・
ウタ「あっ!ルフィ!あっちに骨つき肉が!」
ルフィ「えっ!?どこだ!?どこ!?」
ウタ「あっち向いてホイ!はい!私の勝ち〜!」
ルフィ「あっ!?おい!ズリィぞ!ウタ!今のは反則だ!!」
ウタ「出た!負け惜しみ〜♪あっははは♪」
場所など気にもせず、愛も変わらず私とルフィは勝負を重ねる。何気ない、本当に何気ない日常だけれど、何故だか心が落ち着く。安心できる。まるで、失った何かを、取り戻しているかの様な・・・取り戻せたかの様な・・・そんな気がするから。 - 107CC22/12/21(水) 19:10:01
シャンクス「おい!お前ら!ちょっと騒ぎすぎだ!」
失敬。流石に場所を選ばなすぎました。うん。まぁそうだよね。流石にすぐ傍で撮影してる時はダメだよね。うん。せめて楽屋とかでやるべきだよね。などと思い、私とルフィが焦っていると、監督のモルガンズさんがやってくる。なんだろう?やっぱり怒られるのかな?などと、頬に汗を浮かべながら待っていると、衝撃の言葉が告げられる。
モルガンズ「くわぁはっはー!!たまんねえな!このライブ感!!!」
ウタ「は?」
てっきり注意を受けると思っていた私とルフィは、その意味不明な行動と言動に戸惑っている。
「マジかよ・・・」ヒソヒソ」
「あの2人すごいな・・・」ヒソヒソ
まて、一旦状況を整理しよう。まず、今だに高笑いを決め込んでいるモルガンズさん。それを見て、全く隠す気の無いヒソヒソ話をする周りの役者さん。そして何故だか、私とルフィより困惑しているシャンクス。うん。意味わかんない。
モルガンズ「よし!お前ら!今回の主役はこの2人だ!今から1から全部通してやるぞ!!準備しろ!!」
ウタ「は!?」
意味がわからないと思うけど、こうして私とルフィはドラマの主演を演じさせられる事となった。後から聞いた話なのだが、このモルガンズさんは、様々な映画やドラマの監督を勤めては、その場のライブ感で勝手に役者を変えてしまう迷惑な人だったらしい。しかしながら、彼が選らばれた役者は、その映画に対し120点満点とも言える程相性のいい人が殆どで、止めるに止められないらしい。因みに今回のドラマの内容は、孤独に怯える歌姫が幸せな日々を手にした途端、大好きな幼馴染を何があっても絶対に奪われてしまうと言う、なんとも残酷なサブカル映画であり、私とルフィは役者で無いにも関わらず、これ以上無い程の演技をほぼヤケクソでぶちかまし、無事150点満点を貰ったのだった。
END=4=新作サブカル映画・あなたと最強!!!絶賛上映中!!! - 108CC22/12/21(水) 19:10:57
dice1d1=1 (1)
- 109二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 03:59:32
ほし
- 110二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 13:03:31
ほしゅ
- 111二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 17:38:57
保守
- 112二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 17:39:16
面白い
- 113二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:17:40
保守
- 114二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 09:17:01
保守
- 115二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 20:00:54
ほ
- 116二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:08:32
す
- 117二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 12:51:08
す
- 118二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 23:52:32
保守
- 119二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 09:41:22
保守
- 120二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 20:12:35
最初に引いたEND2が今のところ一番BADというか不穏な気がするけど最後のENDはどうなんだろう
- 121二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 07:18:00
す
- 122二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 18:36:48
ほしゅ
- 123二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 02:01:01
さぁ最後のルートか、楽しみだな
いつまででも待てるので無理せず書いてくださいね - 124二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 12:50:44
保酢
- 125二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 22:11:05
保守
- 126二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 07:13:52
丁寧に簡潔に書いてあるから飽きない
無理せずゆっくり書いてくれ
保守!! - 127二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 18:19:04
共通の内容から複数の世界線で話が展開されていて面白いです。
最後のルートにも期待しながら保守です。 - 128二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 00:27:04
wkwk
- 129CC22/12/29(木) 11:20:08
<1>
ウタ『・・・・・・・・・・』
誰も居ない寝室。カチカチと音を鳴らす時計を横目に、私は1人目を覚ます。ベッドの脇に置かれている等身大の鏡の元まで足を進め、その姿を見る。
ウタ『酷い顔・・・』
そこに映されて居るのは、とても血色の良くない肌、涙で腫れきった目、そして全くと言っていい程覇気のない顔。ハッキリ言って、生気があるとは思えない。
ウタ『しっかりしないと・・・みんなを新時代に連れてけない・・・』
私は己に言い聞かせる。そうだ。あんな夢を見たからなんだと言うんだ。今更何も変わらない。変えられないもう遅いんだ。何もかも。シャンクスとも、ルフィとも、私は一緒にはなれない。
〇
ウタ『みんなが苦しんでる・・・世界中のみんなが・・・』
私は一人、映像でんでん虫から流れる人々の悲痛な叫びを見ていた。そこには、飢えに苦しむ人、家族を返せと懇願する人、友達に会えなくなったと…叫ぶ人。どれも取り返す事など決して出来はしない。そんな事は分かっていたのだろう。だからみんな、私に縋るんだ。
ウタ『分かってる。分かってるよみんな・・・私がみんなの為に・・・新時代を作ってあげる・・・』
私は己に言い聞かせる。そうしないと、自分の新時代を疑ってしまうから。今でもこんな道が、本当に正しいとは思えないから。だから・・・私は""ネズキノコ""を1つ口へと運び、ライブ会場へと赴くのだ。
END=1=なんてことの無い夢・・・
- 130二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 11:32:16
本編じゃねーか!!
- 131CC22/12/29(木) 11:57:48
<別分岐・2>
耳に入って来たのは、聞いているだけで心が落ち着く、そんな声。優しくも逞しく育った彼は・・・ルフィだ・・・
ウタ『ルフィ・・・私・・・あた・・・』
バン!と言う音と、共に私の目の前に赤い華が咲く。それは一体何から咲いてしまったものなのか、私は一理解が出来なかったが、数秒後、男の声がするのと共に、徐々にその正体にきずく。
ウタ『る、ふぃ・・・ッ!!?ルフィ!ルフィ!?な、なんで!?なんで!!!??』
『何を言っている。私はその男に喋ってもよいなどとは言っていない。まあ、安心しろ。急所は外した。まだ死んではいない。だが・・・次無駄口を叩けば・・・頭を消し飛ばす・・・』
男からはそれ以外何もなかった。当然と言えば当然だ。ここまで徹底的にあたし達を貶めている人物が、なぜ目の前で喋り出すオモチャの余興に付き合わなければならないのか。無駄な思考など与えてはくれない。あの男は、私一人が下した判断を求めて居るんだ。そう、再確認させられた。
ウタ『グスッ・・・怖い・・・いやだ・・・助けて・・・シャンクス・・・ルフィ・・・』
私の悲痛な叫びは届かない。いや、きっと届いて居たのかも知れない。それでも、例え届いていたとしても、今の2人には、ただ涙を流す事しか出来ないのだ。
時間は過ぎていく。私には、2人のどちらかを選ぶ事は出来ない。これ程時間が止まって欲しいと願った事などなかった
だが、時は訪れ、私の視界には、真っ赤に咲き誇る華だけが映し出された。やがて私のその身も、絶え間なく降り注ぐ鉄の雨に濡らされ、紅く華やかに、その華を咲かせ・・・
その瞬間・・・意識は閉ざされた・・・
分岐END2=ゲームオーバー・・・
- 132CC22/12/29(木) 12:37:46
<シークレット>
ウタ『また・・・ダメ見たい・・・』
私は戦争で死んだ。また。彼とは会えなかった。一体彼とは誰の事なのか、そんな事は私にも分からない。それでも私は、心の中にあるこの"繋ぎ"を、断ち切る事が出来ないで居た。死の直前だと言うのに恐怖がない。私は確信しているのかも知れない。またきっと・・・生まれ変われると・・・
〇
ウタ『また・・・はぁ・・・はぁ・・・ダメなんだ・・・』
私は火事で死んだ。燃え盛る火の中、逃げ出そうとする私は放火魔に背中を刺され、絶命する。けれど、まただ・・・また・・・怖くない・・・
〇
ウタ『おな・・・か・・・すい・・・あ・・・』
私は餓死で死んだ。その他にも様々な要因はあった。家族に捨てられ、貴族には体も心も全てを壊された。もう何も感じなくなった・・・筈なのに・・・彼に会いたいと言う願いだけは・・・その"繋ぎ"だけは切れなかった・・・
〇
ウタ『何回目なんだろう・・・私・・・』
ここに来る度に、全ての記憶を思い出し、そして忘れる。また転生するのだろう。新しい命になるのだろう。それのみが分かるこの空間は天国だ。本来ならば、心からの安堵を得られるココは、私にとって最も恐怖に襲われる場所でもある。例え、銃で撃たれようと、放火魔に刺されようと、屈強な男達に体を壊されようと、私は心からの恐怖など無かった。それでも・・・そんな私でも・・・此処だけは怖い。彼に会えないかも知れないから・・・ここで・・・全てが決まってしまうから・・・
ウタ『きっと・・・今度は会えるよね・・・"ルフィ"・・・』
涙を流し、体を震わせ、私は知らぬ名を口にする。時期に体は光に包まれ、綿の様な魂へと帰っていく。
- 133CC22/12/29(木) 12:39:50
様々な命を辿って来た。女に生まれ変わる事が殆どだが、5回に1回は男だったり、10回に1回は動物だったり、100回に1回は虫だったり、1000回に1回は星だったり。本当に様々な命を辿って来た。もはや天国に来ても私が何回目なのか、そんな事は誰も分からない。それでも私は、心の中にあるを"繋ぎ"だけは失わなかった。
そして・・・桜が風に揺れる春。高校三年生の私は、彼を見つけた。
〇
ウタ『・・・・・・』
カバンを落とす。持っていた大事な楽器なども地べたに崩れ落ちる。彼の回りには、男の子の友達が何人かおり、頭には麦わら帽子を被っていた。黒色の髪に、男だと言うのに私と同じくらいの体格。
ウタ『る・・・ふぃ・・・ッ・・・!!!』
私は走っていた。周りの事など知らない。涙で前が見えない。それでも何処に居るのかが分かる。私の中にあった"繋ぎ"が、彼の元へと戻っていく。そして・・・辿り着いた。
ルフィ『うわ!?・・・な、なんど!?』
ウソップ『うわぁ!?な、なんだ〜!?なんでルフィに3年の先輩が抱きついてんだ!?』
サンジ『やい!てめぇ!!こんな綺麗なぜん"は"い"と"とと"こ"て"し"り"あ"い"やか"っだ"!!!』ポロポロ!!!
脇に居た2人の事も気にせず、私は涙を流し言葉を紡いでいた。それは考えて発した言葉でも、誰かの為に取っておいた言葉でもない。何故か、気ずけば声が出ていた。
ウタ『ズッ・・・誰か・・・グスッ・・・知らないけど・・・やっと・・・やっと会えたね・・・"ルフィ"!』
ルフィ『ッ・・・!!!!あぁ・・・ポロッ・・・会ったこと・・・グスッ・・・ねえけど・・・久しぶりだな・・・"ウタ"!』ポロポロ!!
ルフィは涙を流し、私の事をだきしめてくれた。会ったことはない。誰かも分からない。それでも・・・例えそうだとしても・・・どれだけ離れようとも、私とルフィはまた会える・・・そう確信していた・・・だってあたし達は・・・
ウタ『また・・・また作ろう!2人で・・・』ポロポロ!!
ルフィ『ああ!当たり前だろ!』ポロポロ!!
""新時代の誓い""で""繋がっているから""
END=𝘚𝘦𝘤𝘳𝘦𝘵=新時代の繋ぎ・・・ - 134二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 13:01:24
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- 135CC22/12/29(木) 13:15:59
END解説〜
END1・本編です!
END2・エレジアに行かなかった本編です!
END3・ルフィが新時代を作った後の本編です!
END4・現代です!
𝘚𝘦𝘤𝘳𝘦𝘵・本編後のウタです!!
簡単な解説です。ルフィ、ウタ、シャンクスは大海賊時代。つまりは旧時代で笑い合う事は出来ませ。エレジアに行こうが、行かなかろうが、あの世界でウタとルフィ、シャンクスは共にはなれないと思い、END1.2です。逆に新時代や現パロでは何の問題もなく共に笑い会えます。(なんならルフィとウタはそう言う関係に・・・)その為END3.4です。そして尾田先生の言ったあの言葉、自分の中ではルフィとウタはたとえ死別しようと、いずれまた会う事が出来るんだ!と言う勝手な願望です。どれだけ時が経とうと、2人の誓いは切る事は出来ませんね!!
長くなりましたが以上です。あくまでも全て個人の解釈なので、楽しん貰えたのなら光栄です!それでは・・・
PS=自分の中で、シャンクスは主人公補正のない主人公なので、重要な場面で目を覚ます事も、一緒に居てあげられる事もありません。 - 136二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 00:54:51
なるほどなぁ
凄く面白かったです
本編後のウタも最後に幸せを掴めて良かった…
どのルートも楽しませてもらいました
スレ主さんありがとう - 137二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 12:47:59
主様の解説を読んで合点がいきました。
とても面白かったです!ありがとうございました。 - 138二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 19:55:37
みんなはどのEDが好き?
- 139二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 03:27:56
個人的には新時代で繋がっているっていうのが素敵で大好きだからシークレットエンドかな