- 1二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:56:31
- 2二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:56:45
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- 3二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:57:09
目を瞑ると、思い出す。
アオハル杯、芝と長い長いコースそして⋯
「先生?先生!!」
うとうとしていた所を目の前の編集さんに起こされる。
「先生?またうとうとして、昨晩はちゃんと寝たんですか?」
「ごめんなさい⋯新しいお話考えてたら眠れなくなっちゃって⋯」
はあと金髪に手を添えて編集さん⋯リトルココンさんは呆れた顔をした。
「寝る時間はちゃんとしてくださいって私言いましたよね、第一今日はサイン会なんですよ?眠そうな顔してたらファンに失礼です」
真面目な顔をして怒るココンさん、怒っていても整っているその顔を私はじっとみてしまう。 - 4二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:57:45
「先生?聞いている?先生!」
「ひゃい!⋯⋯あの、ココンさんライスの事先生って呼ぶのやめない?」
「ここではやめませんよ」
そう言うとココンさんは手元で取っていたメモに小さく書き足した文字を私に見せた。
(ファンにバレたら面倒くさいから)
そう書いたメモを彼女は破り服のポケットにしまう。
ココンさんは私以外の作家さんの編集もやっているから忙しくて中々会うことができない。
今日も久々に顔を合わせたのに話すのは仕事のことばかりだ。
そんなことを思っていると再度メモを取って今度は私のカバンに忍ばせた。
「とりあえず今は今日のサイン会についてですよ」
結局、段取りの話し合いにはプライベートの事は何にも出てこなかった。 - 5二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:58:04
サイン会が終わる。
私の絵本を読んでくれた沢山のファンご来てくれてとても嬉しい時間だった。
サイン会を提案してくれたココンさんにもお礼を言いたい、そう考えて思い出した。
打ち合わせの時にカバンに入れられた紙、何となく周りを見渡してからそっとその紙を開く。
(今夜、あの場所で)
たったこれだけの事しか書いていなかったけど、それが私にはとても嬉しかった。 - 6二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:58:27
電車を乗り継ぎ着いたのは小さい無人駅、誰もいないその駅に彼女は一人缶コーヒーをすすっていた。
「ココンさん、待ってた?」
「うん、ずっと」
夜になって冷え込んだせいか、ココンさんの鼻が少し赤くなっている、私はそれが愛おしくて思わずココンさんの頬に両手を当てた。
「ココンさん、こんなに冷たい⋯」
「ライスの手は暖かいね」
仕事で会っていた時とは違うぶっきらぼうで優しい口調、私にだけ見せてくれる本当のココンさん。
「さて、冷え込んだし泊まれるとこいくか」
「泊まれるとこってえ⋯ええ!?」
ココンさんにも手を引かれて私はよろけながら着いていくしかなかった。 - 7二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:58:54
最後まで読める!!
お待ちしてました!!! - 8二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:58:56
連れて来られたのは、小さな一軒家だった。
「ココンさん⋯家買ったの!?」
「そ、都心からは遠いけどさ」
ココンさんは慣れた手つきで鍵を開ける、空いたドアの内側に入り私に手を伸ばした。
「ようこそ、我が家に」
「お、お邪魔しますー⋯」
そっと玄関に上がる、少し見渡すと段ボールが積まれているのが見えて、引っ越してきたばかりなのだと想像がつく。
「余り荷解き手間きてないけどさ、ま、くつろいでってよ」
案内された大きめの広間で席に着いた、一人で住むには大分大きい家だと思う。
「ココンさん、こんなに立派な家買ったんだ」
思わず私は呟いた、部屋もある程度多そうだし隣の部屋に行ったココンさんの物音が聞こえないので防音もしっかりしているみたいだ。 - 9二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:59:26
「や、まった?」
部屋着に着替えたココンさん、普段からファッションが好きだからか部屋着のままお外に出ても大丈夫なぐらいおしゃれだ。
「なに、ライスジロジロみて」
「ココンさんおしゃれだなって思って」
ココンさんは顔を赤くして照れる、クールに見えてそう言う素直なところがとても愛しい。
「作り置きぐらいしかないけどさ、明日はどこか行こうか?」
冷蔵庫を漁りながら、ココンさんは料理を進めていく。
その手際の良さで私の前には美味しそうなご飯がすぐに出てきた。
「いただきます」
疲れた体に染みる温かいご飯はすぐに胃の中におさまってしまったのだった。 - 10二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 22:59:46
「近くに銭湯あるから行こか?」
「ライス、着替えないよ?」
「ほら、これあげる」
差し出された可愛い部屋着。
「下着は我慢して、流石に嫌でしょ?」
銭湯に向かう道、沢山の思い出話をした。
トレセンの事、アオハル杯の事⋯⋯そして、私の引退になった宝塚記念のこと。
今も私は全力で走れないし、歩く時も少し引きずっている。
ココンさんは何も言わずに私に歩く速度を合わせてくれているし、自然にエスコートをしてくれている。
まるで小さな王子様だ。 - 11二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:00:14
「この銭湯、熱いだよねー」
「本当に熱いね⋯!」
予想以上に熱いお湯、これじゃすぐにのぼせそうだ。
「あれ?おかゆになるーとか言わないの?」
「い、言わないよぉ!」
揶揄うココンさんはケラケラと笑う、その笑顔につられて私も笑ってしまった。
「ねぇライスあの家さ」
ココンさんは真面目な顔になり話を始める。
「少し、いや結構私だけだと広いんだよね」
「そ、そうだね一人暮らしだと寂しくなりそう」
「だからさ、一緒に住まない?」 - 12二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:00:34
⋯⋯頭が追いつかなかった。
「一緒に住めばさ、いちいち会いに行かなくて大丈夫だし、ルームシェアです!って言えば悪い誤解も生まない」
「そして何より私はライスと一緒に暮らしたい」
真っ直ぐな告白、熱いお湯と熱い気持ちでくらくらしてしまった。
「あ、のぼせそう?ごめん!」
私を抱き抱えココンさんは湯船から出る。
冷たい外気と、柔らかいココンさんの体はのぼせた身体に気持ちが良かった。 - 13二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:00:57
「大丈夫?ライス?」
ロビーの扇風機の前でココンさんは私に牛乳を買ってきてくれた。
瓶の蓋を開けてちびちびと飲む、冷たい牛乳が体の中に入っていくのを感じる。
「ココンさん、さっきのお話の返事なんだけど⋯」
「ライス、一緒に住んだらココンさんを不幸にしちゃうかもしれない」
「でも、ライスはココンさんと一緒に暮らしたい」
「不束者ですがこれからよろしくお願いします」
ココンさんは今日一番の笑顔で私を抱きしめてくれた。
私たちの同棲生活が始まったのだった。
完 - 14二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:02:43
肩こりが治りました
- 15二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:06:55
ありがとう…ありがとう…
- 16二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:13:04
ココライは健康にいい
- 17二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:21:17
ありがてえ…ありがてえ…
- 18二次元好きの匿名さん21/11/02(火) 23:29:23
本当にありがとう……
- 19二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 01:01:35
良かったよ⋯
- 20二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 03:29:30
いい…
- 21二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 03:31:46
いいものをありがとう…これで今日の仕事も頑張れる
- 22二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 11:25:59
良い朝ごはんだった
- 23二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 11:28:33
いいじゃないの
- 24二次元好きの匿名さん21/11/03(水) 15:05:25
マチカネココライス
- 25二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 02:16:58
ディナーにちょうどよかった
- 26二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 02:23:15
疲れた体にス〜っと染み込む…
- 27二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 12:10:00
ココンしゃんだいすき…
- 28二次元好きの匿名さん21/11/04(木) 12:53:47
ココンライスは完全栄養食だからワクチンの副反応で弱った身体にも非常に良い