【SS・クロス注意】おはよう、ウタ その2

  • 1◆jTjAfv9SHdw322/12/20(火) 18:44:12
  • 2二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 18:45:02

    建て乙。
    続きを楽しみにしてる。

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 18:53:06

    建て乙!
    ウタちゃんとダークライの交流…心に沁み渡るぜ

  • 4二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 18:54:08

    両作品好きなおれには至高の一作だ・・・!

  • 5二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 18:57:50

    めっちゃ楽しみ

  • 6◆jTjAfv9SHdw322/12/20(火) 19:02:06

    ———


    手配書を見てからルフィのことが頭から離れない。


    「……」トボトボ


    なんでだろ。アイツと同じように海賊になっちゃったから?アイツの麦わら帽子を被ってるから?


    「は〜〜……」


    どんな冒険してるんだろ。ルフィの話聞きたいよ。


    「って、ルフィももう海賊なんだってば。何期待してるのさ」


    きっとアイツみたいに、エレジアにやったようなことをしてる。海賊はそういうものだから。

  • 7二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:17:31

    お労しい…

  • 8二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:18:05

    どうして…

  • 9◆jTjAfv9SHdw322/12/20(火) 19:23:35

    フュウウウウウウ....!


    「………」


    「🎼この風は どこから来たのと ——————— 」


    風が吹いた。そうするとこの曲が頭に浮かぶ。1番好きなんだけど、歌うとアイツも頭に浮かぶのが嫌。


    〈……〉ス----...


    黒い人。歌が聴こえたのかな?

  • 10◆jTjAfv9SHdw322/12/20(火) 19:27:14





    「🎼 私が消え去っても 歌は響き続ける ——————」

    「🎼 —————— ooh ♪」

    〈……♪〉

    「ありがとね」

    勝手に1人で歌い出したけど、やっぱり聴いてもらえると嬉しいな。

  • 11二次元好きの匿名さん22/12/20(火) 19:43:14

    ダークライよく見たら足生やしてる?

  • 12二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 00:52:56

    ダークライの脚スラっとしてていい

  • 13二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 06:40:26

    保守

  • 14二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 17:43:36

    幸せになってほしいがどうなるかな…

  • 15◆jTjAfv9SHdw322/12/21(水) 21:29:59

    「あんたって私の歌好きだよね」

    〈……〉ウム

    「……へへ」

    すぐ頷いてくれた。喋らないくせに全然隠さないんだから。ちょっと照れくさい。

    「ねェ、私より前にもあった?好きな曲とか歌手とかさ」

    〈……〉

    「昔からエレジアにいたんだよね?ここにはたくさん人がいたし楽器や楽譜もあるから、もしあったら知りたいな」

  • 16◆jTjAfv9SHdw322/12/21(水) 21:37:47

    黒い人は空を見上げた。どんな返事が来るかな。

    《……アル》

    ———

    ・彼には思い出の曲がある。昔奏でてもらった曲だ。

    「そうなんだ。どんな曲なの?」

    〈………〉ウットリ

    ・曲の名前は分からない。いつ聴いたのかすらも思い出せない。ただ、そのメロディははっきりと覚えている。思い浮かぶと不思議と心が安らぐ。そんな曲である。

  • 17◆jTjAfv9SHdw322/12/21(水) 21:43:50

    「きっと、すっごく良い曲なんだね」

    ・彼の様子から、ウタはある程度察したようだった。

    「いつか聴いてみたいな〜♪」

    〈……〉

    ・期待の込もったウタの声を聞き、いつかこの曲を聴かせてやりたいと彼は思うようになった。

    ———

    ザーーン!

  • 18◆jTjAfv9SHdw322/12/21(水) 21:50:53

    ———

    ザーーン!

    波が強くなってきた。そういえば風もさっきより強い気がする。

    〈……!〉ス--

    何か見つけたみたい。モノが流れてくるなんてそうそう無いのに。

    〈……〉

    拾ってきたのは……。

    「これ電伝虫だよ。持って帰ろ」

    結構弱ってる。元気になると良いな。

  • 19◆jTjAfv9SHdw322/12/21(水) 21:55:31

    「おかえりウタ。もう大丈夫なのか?」

    「最初から大丈夫!それよりさ、電伝虫が流れてきたの」
    .
    .
    とりあえず電伝虫たちは無事だった。きっとまだ使える。

    〈……〉チラッ

    「なんだろうね。映像電伝虫かな?」

    見たことない見た目だから機能が分からないな。

    「そうだ、電伝虫だったら!」

    もしかしたらルフィと……!

  • 20◆jTjAfv9SHdw322/12/21(水) 22:07:25

    「……って、何考えてんの」シュン

    何でルフィが出てくるのさ。ルフィも海賊になっちゃったし、どうせロクなことしてないよ。それにどこに繋げばいいかわかんないじゃん。フーシャ村にはきっといないし。

    〈……?〉

    「ええと、ここをこうかな?」

    とりあえず弄ってみよ。じゃなきゃわかんないし。


    ピッ

    〈!〉

    「点いた」

  • 21二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:25:31

    海賊ルフィを先に知っちゃったからちょっと疑心暗鬼に…

  • 22二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:32:31

    ルフィが海賊になった頃に見つかる電伝虫ってたしかエレジアの真実のやつ…

  • 23二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:34:57

    >>22

    一年前だからルフィは修行中の頃よ

  • 24二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:35:28

    もしやオラシオンでムジカを鎮めるフラグ?

  • 25二次元好きの匿名さん22/12/21(水) 23:45:17

    ポケモン映画って音楽でポケモン鎮めるシーンそこそこ出てるしワンチャンあるかな?

  • 26二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 06:24:39

    取り敢えずあの映像は見そうだから
    ダークライさんの行動にかかってる

  • 27二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 16:21:42

    ダークライとウタの絡みをもっと見たい

  • 28二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 01:29:36

    配信を始めたとしてウタの背後に人じゃない何か(ダークライ)が映ったらどうなるかなと思ったけどワンピ世界じゃ普通に受け入れられるわ

  • 29二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 01:33:38

    >>28

    何ならウタがそうなようにダークライ自体が人って思われそう

    体型の個性が豊富だし

  • 30◆jTjAfv9SHdw322/12/23(金) 01:36:34

    人が映ったからやっぱり映像電伝虫みたい。でも映ってるのはどれも知らない人。

    「……どうしよ?」

    〈……〉フルフル

    黒い人は首を横に振った。画面の向こうもなんだか戸惑ってるような。分からないのはみんな同じか〜……。

    「それじゃあ……」

    「はじめまして〜!ウタだよ〜!」

    こんな感じとかどうかな?

  • 31◆jTjAfv9SHdw322/12/23(金) 01:47:02

    ———

    ・電伝虫の向こうの人たちとウタは話し始めた。国王以外の他人と話をしてるウタは何年ぶりだろうか。

    「そうなんだ〜!私は———」

    ・その様子は、横で見ている彼の気持ちも弾むほど楽しそうだった。


    「じゃあ歌ってみるね!歌は大好きだから!」

    ・そのうち好きなことが話題になり、ウタは歌うことにした。彼は心配などしなかった。

  • 32◆jTjAfv9SHdw322/12/23(金) 01:51:06





    ・ウタの披露した歌が大好評だったのは言うまでもない。彼にとっては驚くことではなかった。

    *ウタ、ありがとう!*ウタのおかげで明日も生きていけそうじゃ!

    「私も!みんなに喜んでもらえて嬉しい…!!」ウルッ

    ・これほど嬉しそうな顔を見たのは初めてだった。涙を浮かべるほどに喜ぶウタを見て、彼もまたとても嬉しくなった。

  • 33二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 06:27:18

    ここまでは良かったんだ…

  • 34二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 07:45:28

    ここのウタがピンチになった時ダークライがウタの影の中からヌゥッと出てきたらかっこいいだろうな

  • 35二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 19:09:45

    保守

  • 36二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 01:33:07

    楽しみにしとるぞい

  • 37◆jTjAfv9SHdw322/12/24(土) 10:31:59

    ———

    ピッ

    「……いつぶりなんだろ。こんなにたくさんの人に聴いてもらったのって」

    そういえば捨てられる前はアイツらの船で歌ったりとかしたっけ。アイツらは憎いけど、あの頃は楽しかったな〜。

    〈……♪〉

    なんだか黒い人も嬉しそう。

    「配信って言うのかな?ありがとね」

    〈……〉

    だってこれが出来たのはあんたが電伝虫を見つけてくれたおかげだもん。すっごく感謝してる。

  • 38◆jTjAfv9SHdw322/12/24(土) 10:35:08

    「配信またやるよ。楽しいし、みんなに喜んでほしいから」

    〈……〉ウム

    「じゃ、お昼食べよ♪今日は私が作るから!」

    なんだか良い気分♪今日は美味しく作れそう!
    .
    .
    ———

    「〜♪〜♪」ニコニコ

    ・この日のウタはずっと楽しそうだ。何をするにも歌を口ずさんでいる。そんなウタの様子につい彼もつられてリズムをとる。

    〈♪ ♪ ♪〉

  • 39◆jTjAfv9SHdw322/12/24(土) 10:38:54

    ・きっと国王も喜んでいるだろう。今まで教えてきたことがこうして人々の支持を受けることで実っているのだから。

    「……ふふ」

    ・しかし、昔みたいにもっと大袈裟に喜んでも良いのにと彼は思った。昔の国王は言葉を全身で表現する男だったはずだ。

    「じゃあ部屋行こ」

    〈……〉

    ・もう1人でも大丈夫、とはいかないようだ。

  • 40二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 13:20:32

    いいスレを見つけて一気読みした
    それにしても10年間悪夢を見続けるのも相当疲れそうだよね
    独りの方がもっと辛いわけだが

  • 41◆jTjAfv9SHdw322/12/24(土) 21:15:34

    ——————

    配信をするたびにファンが増えて嬉しい。こんなに楽しいのは久しぶりかも。

    「えッ踊ってみてって?」

    予想外のリクエスト!

    「え〜〜ッと……でも私踊ったことなんて無いし〜〜……」

    ちょっと恥ずかしい。みっともなく見えたらやだな…。

    〈……〉ウンウン

    そう思うよね。やっぱりいきなりやるのは……。

  • 42◆jTjAfv9SHdw322/12/24(土) 21:24:52

    「……!そうだ!あんたも踊ろうよ!」

    〈!!?〉ギョッ!

    あ、そんな風に驚くことあるんだ。

    「ほら、2人でなら恥ずかしくないでしょ?一緒にやろ!」

    〈………〉スック

    ものすごく仕方なさそうに黒い人は立ち上がった。

    「…!見て、盛り上がったよ」

    画面の向こうが沸き立った。黒い人の脚に驚いたみたい。

    「そういえば、あんたの脚ってスラッとしてるね」

    〈……?〉

    今まで気にしたことなかったけど、よく見たら細長くて綺麗。

  • 43◆jTjAfv9SHdw322/12/24(土) 21:32:36

    「それじゃ、2人で踊ってみるね!」





    「ふゥ〜、やっぱり初めてだと難しいな〜…」

    いきなりだとやり方とかよくわかんないや。

    「……え?可愛かった?ホント!?」

    そう言われると嬉しい!練習したくなっちゃう!

    「ありがと〜!!私頑張って上手になるよ!!」

  • 44◆jTjAfv9SHdw322/12/24(土) 21:35:57

    〈………〉ズ--ン..

    「あッ!え〜〜〜ッと、大丈夫?」

    もしかして上手く出来なかったの気にしてる?

    「初めてだからしょうがないよ!ほら、向こうの人たちも気にしないでって言ってくれてる!」

    〈………〉チラッ

    こっちを見る目、すごく自信無さそう。

    「大丈夫!練習する時は呼ぶから!」


    この日より後から脚で歩くことが増えたような。気のせいかな?

  • 45二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 22:30:00

    ダークライがかわいい
    2人が最強に可愛い

  • 46二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 22:41:05

    ダークライ…w

  • 47◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 00:06:35

    ——————

    ・彼は贈り物を探していた。渡すのはもちろんウタにである。

    〈……〉スイ---...

    ・別に理由があるわけでは無く、ただ何となく彼は何かをあげたくなったのである。

    〈……〉キョロキョロ

    ・しかし、ウタに何を渡せば喜ぶのか彼にはわからなかった。演奏を披露してみようかとも考えたが、国王の方がずっと上手い。惨めになるだけだと思ってやめた。

  • 48◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 00:21:56

    〈……〉


    ・シャンクスやルフィを思い出せるような何かを……とも思ったが、きっとそんなものを見せたら海賊が嫌いなウタは怒るだろう。だからこれもやめた。彼はいろいろ案を考えては取り消していた。


    〈……!〉


    ・彼は花を見つけた。ウタのように赤と白が際立つ、小さな花。


    〈……♪〉


    ・持っていくことにした。全く大したものではないが、ちょっとでも気に入ってくれればと彼は思った。

  • 49◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 00:29:33

    ———

    ピッ

    「今日の配信はこんなところかな」

    〈……〉スタッ

    「おかえり〜」

    黒い人は配信に出たり出なかったり。ファンの中には出た日を『アタリ』って呼ぶ人がいる。

    〈……〉

    「どうしたの?何かあった?」

    〈……〉サッ

    「あ、可愛い花!どこにあったの?」

    花が好きだったなんて意外だな〜。

  • 50◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 00:38:41

    〈……〉スッ

    「え……くれるの!?」

    〈……〉ウム

    「………!やった〜〜〜!!ありがと〜〜〜!!」

    〈……!〉

    プレゼントなんていつぶりなんだろ!部屋に置いておこ〜っと♪

    ———

    ・彼は、ウタがここまで喜んだことに驚きつつも嬉しかった。

    「どこが良いかな〜?」キョロキョロ

    ・どうせなら花を長持ちさせたいと思った彼は、後で国王に方法を聞いてみることにした。


    ・この日がちょうど“プレゼントをする日”だということに、彼は気づいていなかった。

  • 51二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:49:17

    「何かをくれたこと」自体が嬉しかったんだよきっと

  • 52◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 08:18:43

    ——————

    ・ウタは順調にファンを増やしていった。それは彼にとっても喜ばしいことである。

    「海賊に……?」

    ・が、時々気になることがある。日々の鬱憤をウタに話す者が出てきたのだ。

    「そっか…。それは辛いよね。だったら私の歌でちょっとでも元気になってくれると嬉しいな」

    ・ウタは優しい子だ。もちろんそういった声にも耳を傾ける。それで元気づけられる人がいるならそれも嬉しい。

  • 53◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 08:27:31

    「私ならみんなを救える…か」


    ・ただ、彼は少し怖かった。ウタが歌い手とは違う『何か』を求められてる気がしたからだ。


    ——————


    〈……〉トットッ


    ・彼は配信中の違和感に悶々としていた。ファンが増えれば変わった人も増えるのは当たり前のことである。国王も深く気にすることではないと言っていたからその通りなのだろう。

  • 54二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 08:33:07

    いや気にしてくれゴードン

  • 55◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 08:39:14

    〈……〉チラッ

    ・自分は疲れているのだろうか。普段なら気にも留めないことも気になって目を向けてしまう。

    〈!〉

    ・ふと、彼の目についたのはキノコであった。

    〈……〉

    ・この島では時々生えているキノコである。が、昔から誰も気にしないので彼も気にしたことは無かった。

  • 56◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 08:44:18

    〈……〉ジ---



    ・よく見ると、可愛らしい見た目をしていた。味はどうだろうか?と、彼は思った。


    〈……〉モグッ


    ・彼は、思わずそのキノコを食べた。……見た目に似合わず不味かった。



    「お〜〜い!配信するよ〜〜!」


    〈……!〉


    ・呼ばれた。彼はキノコを捨てて城に戻った。

  • 57二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 08:45:24

    拾い食い、ダメ、絶対

  • 58二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 11:54:38

    ポケモンだから大丈夫だろうな。

  • 59二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 12:37:03

    ポケモンなのでウタへの懐き度でどく状態は自力完治する

    どくは完治したがふみんは状態異常ではなくポケモンにとって特性

    ダークライの特性がふみんになった!(悪夢を見ない)
    みたいになるんだろうか

  • 60二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 22:21:22

    保守

  • 61◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 23:48:00

    ———

    「あ、来た来た!じゃあ始めよ!」

    〈……〉ウム

    ピッ

    「みんな〜!元気〜?ウタだよ!!」





    今日も歌は絶好調!練習したおかげで踊りも上手だって言ってもらえたし、黒い人もご機嫌そうだし、喜んでもらえて私も嬉しいよ!

    「大丈夫大丈夫!ちゃんとみんなの声は聞こえてるから……。……そんなに私が?」

  • 62◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 23:52:30

    〈……〉ジッ

    「海賊のせいで……————それは酷いね、大事な家族が……————」

    島の外ではそんな酷いことが起こってるんだ…。

    「そんなにみんな、大変な目に遭ってるんだね……」

    〈……〉ムッ

    もしあるなら、力になりたい。少しでも苦しみから逃がしてあげたい。

    「ねェみんな。私配信してるだけだけど、何か出来ることってあるかな?」

  • 63◆jTjAfv9SHdw322/12/25(日) 23:57:03

    〈……〉ワナワナ

    「うん、————…うんうん」

    誰だってそうだよね。幸せになりたいのは私もみんなも同じ。

    〈……〉ゴゴゴゴ

    「みんなの気持ち、よ〜くわかった。私、みんなを救える存在になってみせるよ。……え?」

    危ない?誰が?

    ギュイ-----ン....

    「何?」クルッ

    〈!〉

    ドンッ!!

  • 64二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 00:00:07

    ネズキノコで狂暴化してるじゃないですか…

  • 65◆jTjAfv9SHdw322/12/26(月) 00:14:02

    黒い人は何か力を込めてた。私が振り向いたから外に撃ったみたいだけど、もし振り向かなかったら……?


    〈……〉ゴゴゴゴ....


    「急にどうしたの?大丈夫…?」


    〈……〉ギロリ


    「!」ピタッ


    こんな様子は初めてだった。強く睨んできてて、きっとすごく怒ってる。怖い…。

  • 66二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 12:07:24

    守!

  • 67二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 23:25:59

    hs

  • 68◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 00:21:56

    〈……!〉ハッ

    今度は狼狽えてる?ような雰囲気。自分のことに気づいたのかな。

    〈……〉チラ

    黒い人は画面に目を移す。みんなの様子は声をかけたり怯えてたりいろいろ。

    「大丈夫、みんな嫌いになったりしないから安心して……」

    〈………〉

    バッ!

    「あ!」

    部屋の外へ飛び出しちゃった。何か様子が変だよ。

  • 69◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 00:26:56

    「ごめん!配信切るね!」

    ピッ

    ———

    ・彼は戸惑っていた。何故手を出そうとしてしまったのか、自分でも分からなかった。

    〈……〉

    ・ファンの人々が全員ああいう風に思っているわけではないことはわかっている。あるべき捉え方をしてくれる人の方が多いと……わかっているはずだ。

  • 70◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 00:30:16

    〈……〉イラッ

    ・ああいう風に……。自分で思い返しておきながら、彼はまた苛立ってきた。

    〈……〉ゴゴゴゴ...

    ・彼は昂る感情のままに力を高めた。

    《フンッ!!》

    ・そして、それを周囲にぶつけ始めた。

  • 71二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 00:35:50

    まあ見てて危なっかしくて仕方ないよね…

  • 72◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 00:38:17

    ———

    「……!」

    黒い人の様子はどう考えてもおかしかった。あんなに暴れるなんていつもならあり得ない。

    「ねェ!聞こえる!?」

    〈!〉

    こっち向いた。とりあえず聞こえてるみたいd…

    「ッ!」

    ドンッ!

    「……。ふゥ…」

  • 73◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 00:46:33

    今のは外れた?それとも外したの?

    《ヤメロ!!》

    「ッ!」ビクッ

    それだけ言って黒い人はまた離れていった。叫ぶぐらい近づかれるのが嫌なの?

    ———

    ・彼は一目散にウタから離れた。このままではウタや国王を傷つけてしまうと、怖くなったからだ。

    〈……ッ〉ス----ッ

    ・飛び回りながら、暴れながら彼は考えた。今日、何かいつもと違うことをしていないかと。しかし気持ちが落ち着かないせいでなかなか考えがまとまらない。そのことにも彼は苛立った。

  • 74◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 00:51:34

    〈!!!〉

    ・ようやく彼は気づいた。あのキノコのことに。あれを食べてから調子がおかしいことに!

    〈……ッ〉キョロキョロ

    ・木々を見渡す。彼には解毒効果のある果実に心当たりがあった。


    〈……!〉ビュン!

    ・見つけた。この桃色の果実だ。彼はそれに飛びつき、一心不乱に齧った。

  • 75二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 00:53:49

    不安だ…

  • 76◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 00:58:41

    念のため伝えると、>>74にある桃っぽい果実は“モモンのみ”です

    原作だと毒を治す効果があります

  • 77◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 01:06:07

    ———

    「ウタ……!彼はどうしたんだ!?」

    ゴードンも気づいたみたい。結構大きな音だし聞こえるよね。

    「わからない…!急に怒ったと思ったらあんな風に……」

    「そうか。とりあえず、今の彼は危険な状態だ。近づくべきではない!」

    「だけど……!」

    さっきの顔、すごく辛そうに見えた。きっと自分でも戸惑ってる。

  • 78◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 01:13:56

    「ほっとけないよ。ゴードン」
    .
    .
    ———

    〈……〉ウッツラ

    ・しばらく暴れた後、彼の意識は朦朧とし始めていた。解毒が効いているのか、体力が限界なのか、彼には判断がつかなかった。

    〈……〉フラフラ

    ・怖い思いをさせてしまったな。妙なキノコを食べたとはいえ、自分がこうも自制出来ない者だったとは。暴れたことを思い返し、彼は悲しくなった。

    「あ、いた!」

    〈!〉

  • 79二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 08:29:20

    モモンの身が存在するのかキーの実でもいけそう

  • 80二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 15:07:17

    ウタも助かってほしいなア

  • 81二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 21:51:58

    しゅ

  • 82◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 23:25:00

    ———

    こっちを見た黒い人は後ずさる。……さっきより全然元気がない。立ってるのがやっとなほどふらついてる。

    「大丈夫だよ。落ち着いて、私怖くないから」

    《ヤメロ……!》フラッ

    声もさっきより弱々しい。……もしかして病気?

    「具合が悪いなら休まないと。お城へ帰ろう?」

    〈……ッ〉ギロッ

  • 83◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 23:49:39

    ギュイ----ン....


    どうしても私を追い払いたいみたい。こんなのを見せつけてまで。


    「……」


    「🎼さあ 怖くはない 不安はない ———— ♪」


    〈……!〉


    「🎼歌唄えば ココロ晴れる 大丈夫よ ♪」

    「🎼私は最強 ♪」

    ・歌が聴こえた瞬間だった。日が沈んで暗くなろうとしていた景色が、突然煌びやかに明るくなった。

  • 84◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 23:54:43


    〈!?〉

    ・急な出来事に彼は戸惑った。何が起こっているのかわからなかった。

    ・歌いながら、ウタは自由に飛び回る。まるで天使のように…!

    〈……♪〉

    ・幻のような光景に、響き渡る歌声に彼は魅了され、楽しくなった。

    〈♪♪♪〉

    「!」

    ・そんな彼の様子を見たせいか、ウタの笑顔はより一層明るくなった。

  • 85◆jTjAfv9SHdw322/12/27(火) 23:59:02

    「🎼その温もりで」

    「🎼私は最強………♪」



    〈……〉スゥ..スゥ..


    「どう?楽しかった?」


    良かった、戻ってくれた。いつもの穏やかな顔に。


    「大丈夫、すぐに帰すね。みんなにも私から言っておくから」


    辛かったよね。しばらく休んでて。


    「……私はみんなを救う女、ウタだよ」


    今みたいに、辛い思いをしてる人たちを助けてあげるんだ。

  • 86二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 23:59:55

    アカン

  • 87二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 00:01:02

    ついちゃいけない自信がついてる気が…

  • 88◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 00:02:43

    「意外と重くないんだね〜……ん?何これ?」



    〜〜〜〜〜〜

    〈!〉

    ・彼は目を覚ました。もう気分は落ち着いた。

    〈……〉

    ・歌を聴いたはずの時とは場所が違う。かなり長い間眠っていたようだ。

    〈……!〉

    ・部屋から外を見た彼は驚いた。なんと、たくさんの人が来ているではないか。

    〈……〉

    ・少し考えてすぐにわかった。人々はウタの歌を聴きに来たのだ。

  • 89◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 00:05:57

    〈……♪〉

    ・彼は心が踊った。あの頃の、賑やかだったエレジアが帰ってくる気がしたからだ。

    「🎼—————————」

    ・歌声が聴こえる。間違いない。これはウタのおかげだ。

    〈♫ ♫〉フンフン

    ・歌は響く。あの日からずっと静かだったこの島が、騒がしくなるのが楽しみだった。

    「🎼——————-♪」

    ・さあ、聞こえる。人々の拍手が、喝采が、賛美が。あの頃のように。


    ・・・・・・・・

  • 90二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 08:42:41

    もしかして当日まで眠ってた?

  • 91二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 08:43:42

    真実には立ち会えなかったか…

  • 92◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 19:50:56

    〈……?〉

    ・何も…聞こえない。全く聞こえない。彼は不思議に思った。

    「🎼——————」

    ・また歌が始まった。ウタは気にしていないらしい。終わるまでは静かにするというルールなのだろうか。





    「🎼——————♫」

    ・そして曲が終わった。……やっぱり何も聞こえなかった。

  • 93◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 19:57:53

    〈……?〉

    ・例えそういうルールだったとしても、誰も声をあげないなどあり得るだろうか?彼は会場へと向かった。

    〈!!?〉

    ・会場の光景に彼は目を疑った。観客たちは、皆倒れていた。

    「あ、起きたんだ。おはよ〜」モグモグ

  • 94二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 20:05:10

    うわー手遅れだったァァァァァァー

  • 95二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 20:05:45

    (白目)

  • 96◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 20:07:47

    ・ウタはいつもの調子で話しかけた。……つもりなのだろうか。その顔はどこか無理をしていた。

    〈……!〉

    ・なんと、ウタはあのキノコを齧っていた!しかも籠いっぱいにキノコは入っている。

    〈ッ!〉ガシッ

    ポイッ

    「あ……」

    ・思わず彼は籠を水へ捨てた。おそらくもう意味は無い。

  • 97二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 20:08:57

    これで死ぬまでのタイムリミットは稼げた‼︎

  • 98◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 20:17:43

    〈……〉キッ

    「私が何してるかって?」

    ・見ればわかるでしょ?と言いたそうにウタは話した。彼にはわからなかった。何故そんな危険なキノコを……。

    「私は新時代を創る女、ウタ!歌でみんなを幸せにするの」

    〈???〉

    「だから、もうこっちからは消えるの」サッ

    ・彼はウタが何を言っているのかわからなかった。彼の理解を待たずにウタは、何かを取り出した。

  • 99◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 21:18:38

    〈……?〉

    ・それは、見るからに古い楽譜だった。





    「ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ」

  • 100二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 21:25:17

    !?

  • 101◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 21:33:44

    〈………!!!〉


    ・彼は、ただひたすら戸惑った。あの時エレジアを襲った、倒されたはずの怪物が、目の前に現れたことに。


    🎼死をも転がす救いの讃歌 

    求められたる救世主


    ・彼の周りには怪物と戦う者がいた。しかし彼は動けなかった。それに気づかなかった。

  • 102◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 21:43:11

    〈………♫〉


    ・暴れる怪物と共に聴こえる歌は……美しかった。思わず見惚れてしまうほどに厳かで、力強く、美しい曲だった。



    〈!!〉


    ・ようやく我に返った彼は、怪物に攻撃をした。


    《出テイケ!!!》


    ・歯は立たないが、攻撃はやめない。その最中に見えたウタはとても正気には見えなかった。


    〈……ッ!!〉


    ・怪物は暴れ続け、会場は瞬く間に炎に包まれた。眠っていた人々も、戦った人々も死んだ。

  • 103二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 21:44:24

    死んだ…え?本編よりヤバくね?

  • 104二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 21:45:56

    なんか…本編よりも精神追い詰められてない?

  • 105二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 21:55:03

    もしかして真実知らなかったりする?

  • 106◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 22:00:56

    《ヤメロ!!!!》


    ・彼は自身の能力でウタと怪物を包み込む。が、ウタは眠らない。その上、もう攻撃をする誰かもいない。怪物の動きを止めるのがやっとだった。


    「………」ニタァ


    そして不気味な笑みを浮かべたまま、ウタは怪物のもとへ向かっていった。


    《ヤメロ……!違ウ……!!》


    ・こんなのは幸せじゃないと、必死にあげる彼の声は届かない。そのまま怪物の中へ消えてしまった。

  • 107二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 22:06:41

    待て待て何でこうなるんだ…
    本編より自体好転してたのに…

  • 108◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 22:08:04

    《アァ……》


    ・そのうち彼も体力が尽き、能力は解けてしまった。


    『………』ニカァ


    ・怪物は彼を狙い、顔を寄せる。その時、彼には怪物が笑ったように見えた。

  • 109◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 22:22:40

    〜〜〜〜〜〜

    《ッ!!!》ガバッ!

    「!」

    ・突然、景色が城の中に切り替わった。

    〈!?〉ブンッブンッ

    ・彼は飛び上がり、辺りを見渡した。怪物はどこへ!!?会場はどうなった!?ウタは……?

    〈……!〉ピタッ

  • 110◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 22:28:38

    ・ウタはいた。さっきまでとは違う、澄んだ瞳のウタ。


    「……起きた!!ゴードン!!起きたよ!!!」


    ・起きた。ということは自分は眠っていたのか。


    〈……〉


    《おはよう、ウタ》


    「……!」


    「おはよう!」ニコッ

  • 111二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 22:30:51

    予知夢....?

  • 112二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 22:40:05

    面白いしREDとVSダークライどっちも観たくなる良SS
    ハッピーエンドになるといいなあ

  • 113二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 22:42:24

    取り敢えずキノコ燃やせ。

  • 114◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 22:59:18

    .
    .
    「まさか、あのキノコを食べて目を覚ますとは思わなかった」

    〈……?〉

    「ウタが食べかけのキノコを拾ったのだが、これを食べたのは君で間違いないかね?」

    〈……!〉コクッ

    ・間違いない。そのキノコは食べた覚えがある。不味かった。

    「これはネズキノコというものだ。食べると眠れなくなる上に感情の制御が利かなくなり、最後は死んでしまう恐ろしいキノコだ」

  • 115◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 23:03:13

    〈……〉ヒヤッ

    「……」ゴクッ

    ・体調からそれが毒キノコだとは気づいていたが、そんなに恐ろしいものだったとは。彼は背筋を冷やした。

    「このキノコの毒は非常に強い。眠らなければそのまま力尽きていたのだが、どうやって君は眠ったのかね?」

    ・彼はウタを見た。あの果実で毒は弱まっていたかもしれないが、眠ることが出来たのはおそらくウタの能力のおかげだ。

  • 116◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 23:06:08

    「……とにかく、今後はよくわからないものは食べないでくれ。ウタも気をつけるように」

    「はーい」

    ・国王は部屋を後にした。そして彼とウタが部屋に残った。

    「何日も寝てたね。……悪い夢でも見た?」

    〈!〉

    「何でわかるかって?あんたうなされてたんだよ?」

    ・あれは……夢?彼は呆気にとられた。

  • 117◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 23:15:33

    「起きないと思ったら苦しそうにうなされるし、もうすっごく心配したんだから……」

    ・怪物が暴れたのも、人々が死んだのも、ウタがおかしくなったのも、夢……。

    ———

    黒い人は辛そうに見つめてきた。どんな悪夢を見たんだろう。

    「……心配しないで。私は一緒にいるよ。いつもそうして貰ってるしさ」

    〈……〉シュン

    あ、もっと落ち込んじゃった。

  • 118◆jTjAfv9SHdw322/12/28(水) 23:17:56

    「いつも言ってるでしょ?悪夢はあんたのせいじゃないんだから」ヨシヨシ

    黒い人にはちょっと悪いけど、日頃の恩返しが出来たみたいで嬉しい。

    「……!」

    そういえば、ネズキノコは感情が制御出来なくなるんだよね?

    「……」チラッ

    黒い人はネズキノコのせいで暴れてたけど、それはつまりもともと何かに怒ってたってこと……。

    「うーーん…」

    〈?〉

    あんたは何に怒ってるの?

  • 119二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 23:53:01

    ネズキノコで狂暴になる知識をウタが得られたのは良かったな

  • 120二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 02:20:09

    夢で良かった…
    でなきゃ2人とも可哀想すぎる

  • 121二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 12:50:58

  • 122二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 22:22:43

    しゅ

  • 123◆jTjAfv9SHdw322/12/29(木) 23:22:19

    ——————

    ・その後、彼は配信に顔を出して謝った。ウタがネズキノコを食べた事を前に伝えていたからか、何事もなく済んだ。


    「辛いことはたくさんあるだろうけど、一緒に乗り越えようね!私も応援してるから!」

    ・ウタはいつでもファンに寄り添った。そんな姿勢やウタの歌声に元気づけられる人を彼は数多く見た。

    〈……〉

    ・救世主。それも間違いではないかもしれないと彼は思い始めていた。ウタには命を救われたし、心が充実しているのもウタのおかげなのではと感じていたからだ。

  • 124◆jTjAfv9SHdw322/12/29(木) 23:26:21

    「毎日生きていける?私のおかげで?ありがとう!!」


    ・何よりも、そんなウタの姿はとても幸せそうで、彼は嬉しかった。


    「え〜〜、この服かわいいと思うけどな〜〜」


    〈……〉フフッ


    ・もちろんそれだけではない。このような可愛らしい様をよく見せるのもウタが好かれる大きな理由だろう。


    「…?ねェあんたのことだってさ」

  • 125◆jTjAfv9SHdw322/12/29(木) 23:31:05

    〈……?〉

    ・自分に対する質問か。悪夢のことへのものかと彼は思ったが、実際に来たのは予想外の内容だった。

    「うんうん……。あッははははは!!何でいっつも同じ格好なの?だって!」

    〈???〉

    ・質問の理解に彼は時間がかかった。格好も何も、彼は服など着ていないのだから。

    「ちょっと脱いでみてって言ってるよ。ど〜しよ?」

  • 126二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 23:32:09

    そういえば人間だと思われてたな

  • 127◆jTjAfv9SHdw322/12/29(木) 23:50:21

    〈……〉ブンブン

    彼は首を横に振った。脱ぐモノなどないから脱げるわけがない。

    「私にしか見せないか〜って?私だって見たことないよ!」

    ・そういう流れで、彼の地肌は密かに注目された。もちろんそんなものは無い。

    ——————

    ーーーー♪

    聴きなれない音がする。何の音だろ?

  • 128◆jTjAfv9SHdw322/12/29(木) 23:59:34

    「あ、いたいた!」

    〈!〉

    1人の時は崖とか建物の上とか、見下ろせる場所によくいる気がする。

    「高いところ好きだよね〜……うわッ」

    〈……〉ス---ッ

    黒い人は私を抱えて飛び上がる。行き先は……。

    「ここってほんと良い景色」

    お城のてっぺん。天気が良いと時々乗せてくれる。

  • 129◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 00:08:08

    「風が気持ちいいな〜」

    ここにいると空や海が広く感じて、落ち着いた気分になれる。

    「そういえばルフィにも、こんな風に高台に連れてってもらったことあったっけ」

    〈……〉

    今のルフィがどうかは知らないけど、あの頃のルフィとの日々は大事な思い出。

    「こういう景色を見てると、頭の外も捨てたものじゃないって思えるよ」

    〈……?〉

  • 130二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 00:11:59

    お、心の閉じこもらない良い傾向だ

  • 131◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 00:19:11

    「そう、私は私の中で世界を作れるの。あんたも前に1回連れてったことあるよ」


    〈??〉


    ピンと来てないみたい。前はネズキノコで大変だったもんね。


    「じゃあもう1回連れてってあげる。ちょっとここから降ろして」


    〈……〉ス---ッ


    「ありがと。今から歌うから、よく聴いてて」


    〈……〉ジッ

  • 132二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 00:26:18

    奇しくもルフィみたいなことやってるの良いぞ

  • 133二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 09:25:31

    ほっしゆ

  • 134二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 19:22:04

  • 135◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 22:32:46

    ———

    〈……!〉

    ・歌が聴こえた瞬間だった。周囲の景色がまた煌びやかになった。あの時のように。

    「これは私の能力。ここでは私やみんなが望んだことは何だって出来るの」

    〈……?〉

    ・何でも?そんなことがあり得るのだろうか。

    「例えば……こんなのとか」snap!

    〈!〉

    ・ウタが指を鳴らすと、なんと人が現れた。頭が音符みたいな形をしている。

  • 136◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 22:42:59

    「びっくりした?他には……ほら!」


    ガキン!


    〈……!〉


    ・今度は格好が変わった。とても派手で重そうだがウタは軽々と振り回す。


    「カッコいいでしょ〜〜♪」ヒュンヒュン


    ・カッコいいかどうかはともかく、あの格好で自由に飛び回れていることに彼は驚いた。


    「こんな風に、ここならどんな望みだって叶えられるの!」

  • 137◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 22:45:36

    ・ウタの言う通り、明るく楽しいものが溢れるほど出てきた。彼が頼んだモノも問題なく。

    〈♪〉

    ・彼はこの世界でしばらくウタと過ごした。普段なら考えもしないようなことがいろいろ出来て楽しかった。
    .
    .

    「どうだった?楽しいことや幸せなものでいっぱいだったでしょ?」

    〈……♪〉ウム

    「良かった。じゃあもう閉じなきゃ」

  • 138◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 22:52:13

    〈?〉

    ・別に急ぎの用は無いのに何故だろうと彼は思った。ここなら退屈しないし、用があるまでいても良いはずだ。

    「何でか気になる?じゃあちょっと待とうか」

    ・言う通り、話をしながら少し待つことにした。

    ピシ....

    「あ、ほら見て」

    〈……?〉

    ・遠くに、空間にヒビが入っていた。

  • 139◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 23:16:41

    「ずっと開いてると来ちゃうんだよね〜…」


    ピシピシ


    ・ヒビは次第に大きくなり、


    パリパリパリィン


    ・割れた。


    ズズズズズズ…!!


    割れた場所から、影と共に重苦しい空気が流れ込む。


    〈……〉


    ・明るく煌びやかな空間はすっかり影に覆われ、暗く重苦しくなってしまった。

  • 140◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 23:19:57

    「ごめん、もう無理」

    〈……!〉パチッ

    そう言った瞬間、辺りは元の景色に戻った。

    「今回はヒビだったけど、黒いもやだったり急に暗くなったりいろいろ起こるの」

    ・ウタにとっては、もう当たり前のことらしい。

    「昔はこんなこと無かったからよく入り浸ってたよ。今はこうだから長くはできないけど……」

    〈……〉

    ・あの重苦しい感触を彼は知っていた。

  • 141二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 23:21:08

    ムジカが悪影響を与えてる…?

  • 142◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 23:26:26

    「きっとアイツやルフィのことが頭から離れないから、頭の中もああやって暗くなっちゃうのかな〜って……」

    ・彼は確信していた。間違いなく自分の能力だ。悪夢がウタの能力まで……。

    〈……〉シュン

    ・自分のせいで、ウタは頭の中という逃げ場さえ無くしていた。彼は悲しんだ。

    「まぁ私の世界はあんなだから、ここであんたと何かしてるのが1番かな。あっちと違っていくら過ごしてもああはならないし」

    〈……〉

    ・気づいていないのか、気遣っているのか。ウタの言葉は優しかった。

    〈!〉

  • 143二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 23:38:48

    このレスは削除されています

  • 144◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 23:42:17

    ———


    「急に上見てどうしたの?何か飛んでた?……あ」


    月がなんだか眩しい。……月ってこんなに明るかったっけ?


    〈……〉ジ----...


    「綺麗…」


    なんか、こっちを月に見られてるみたいで不思議な気分。


    「…?ねェ、何で葉っぱを持ってるn……!」


    なるほど、わかった。


    「もしかして…」

  • 145◆jTjAfv9SHdw322/12/30(金) 23:54:05

    「2人とも。夕食の時間だ」

    「あ、ごめんごめん!行こ!」

    〈……〉ウム

    楽しみにしてるね。

    ——————

    ・外は風が吹き、雪が積もっていた。こういう時は寒いから部屋でくつろぐのに限る。

    「ねェ!雪だよ!遊ぼ〜よ〜!!」

    が、はしゃぐ者が1人。ウタだ。

  • 146二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 00:11:44

    悪夢がウタワールドに侵食しているおかげでウタワールドへの絶対的なものがなくなっているのはプラスに働くかもしれないな…展開が楽しみだ

  • 147二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 10:23:08

    ほしゅ

  • 148二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 16:49:32

    あげ

  • 149◆jTjAfv9SHdw322/12/31(土) 23:11:40

    すみません
    紅白に見入ってたので明日投下します
    良いお年を

  • 150二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 23:16:09

    よいお年を!
    楽しみに待ってます!

  • 151二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 08:42:05

    なるほど、ダークライいると原作の新時代計画できない可能性がでるのか

  • 152◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 19:48:27

    〈……〉

    あれだけ楽しそうなのに付き合わないのは酷だ。しかし、あまりにも外は寒い。

    〈……〉チラッ

    「む?」

    ・国王が見えたので、彼は目で合図した。

    「…!しかし……」

    ・どうやら国王も彼と考えは同じなようだ。

    「君と遊ぶ方がウタも楽しいだろう。それに、私はもう歳だ」

    〈……〉ジト---...

    ・今回は逃れたかったが、そう言われると敵わない。ウタに付き合うのは彼に決まった。

  • 153◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 19:56:12

    〈……〉ソソ--...


    ・彼はゆっくり、ゆ〜〜っくり城から出た。


    ヒュウウウウウウ.....


    〈……〉


    ・やはり寒い。彼はもう城に戻りたかった。


    「こっちこっち〜!!」


    ・ウタは嬉しそうに手を振る。寒くないのだろうかと、彼は不思議に思った。

  • 154◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 20:06:22

    「見て!」ボフッ

    〈!〉

    ・雪は思ったよりも深かった。ウタが倒れ込んでもまだまだ余裕がありそうだ。

    「ほら!跡がくっきり!」

    ・雪には人型の跡が残った。確かに、この島でここまで積もることは珍しい。

    「ねェ、あんたもやってみ……うわァ!」ズブッ

    〈……〉ググ...

    ・大丈夫だろうか。彼は一応屈んだ。

    「……あんたもやってみてよ♪」

  • 155◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 20:10:18

    〈……〉チラッ

    ・自分もやるのか?冷たそうだ。彼は目で訴えた。

    「大丈夫!硬くないから!」

    〈……〉フワ---...

    ・冷たいだろうがやってやる。彼は意を決した。

    《ンッ》ボフッ


    「あ、結構かわいい!」

    〈……?〉

  • 156◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 20:18:50

    ・彼はウタの感想に首を傾げたが、雪に残った跡はスカートを履いた女性にも見えるシルエットだった。

    「じゃあ今度は雪だるま作ろ!その次はこういうのとか————-」
    .
    .
    .
    「あ〜〜、楽し〜〜!」ボフッ

    〈……♪〉フウ..フウ..

    ・ウタと彼は雪遊びを満喫した。気がつけば彼も寒さのことなど忘れていた。

  • 157◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 20:30:34

    「ゴードンも来れば良いのにな〜。絶対雪だるま作るの上手だよ〜」


    ・彼も似たようなことを思った。国王も来れば更に楽しかっただろうかと。先程まで国王みたいにやり過ごそうとしていたことは忘れている。


    「いっぱい遊んだしもう帰ろっか……ヘクシ!」


    〈……〉ジ--...


    「へへ…帰ったらあったかくしよ?風邪ひかないようにね!」


    ・次の日、案の定ウタは風邪をひいていた。国王はだいぶ慌てていた。

  • 158二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 20:32:28

    おバカ!

  • 159◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 21:55:28

    ——————

    ・彼には気がかりなことがあった。

    〈……ッ!〉パチッ

    ・ネズキノコを食べた日から、彼自身も時々悪夢を見るようになっていた。

    〈……〉チラッ

    「ン……」ギュッ

    ・今まで彼自身が悪夢を見ることは無かったため、彼は不審に思っていた。

  • 160◆jTjAfv9SHdw323/01/01(日) 23:00:53

    〈……〉

    ・ネズキノコの毒が抜けていないのか。いや、だとしたら寝つくことだってままならないはずだ。まさか自分に自分の能力が?いや、あり得ない。彼は自問自答を繰り返した。


    『ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᚲ ᚷᚨᚺ ᛉᚨᚾ ᛏᚨᛏ ᛏᚨᛏ ᛒᚱᚨᚲ』


    〈……!〉ゾクッ

    ・彼は気づいた。悪夢の中で聴いた曲をはっきりと覚えていることに。起きている時に聴いたことなど無いはずなのに。

    〈………〉

    ・もしかして、何かの予兆だろうか。これから自分の見る悪夢のような、恐ろしいことが起こるというのだろうか。

  • 161二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 09:53:25

    ほしゅ

  • 162二次元好きの匿名さん23/01/02(月) 18:40:38

    保守

  • 163◆jTjAfv9SHdw323/01/02(月) 23:34:07

    「……」ギュッ

    〈………〉キュッ

    ・彼は怖くなり、しがみつくウタの手を思わず握り返した。

    ——————

    ファンの数は最初の頃じゃ信じられないぐらい多くなった。つまりそれだけたくさんの人に聴いてもらえてる。

    「すごいな〜〜。海の向こうまで私の歌声が届いてるなんて。あんたもそう思わない?」

    〈……〉

    黒い人も海の向こうを見つめてる。あんな遠くに私の歌を待ってる人たちがいるんだよ。ホントびっくり。

    「いつもありがとね。一緒に配信してくれて」

  • 164◆jTjAfv9SHdw323/01/02(月) 23:37:03

    〈……〉

    きっとまた「自分は何もしてない」とか思ってるんだろうな〜。一緒にいろいろしてくれてるのに。

    「……ねェ、私はみんなを幸せに出来るのかな?」

    〈……?〉

    「だんだんさ、私に助けを求める人が増えてきたんだ。海賊のせいで毎日辛い、もう私しかいないって言ってくる人たちが」

    〈………〉

    ちょっと顔が暗くなった。辛いって思われたかも。

    「心配しないで。いろんな人がいるのはそれだけたくさんのファンがいるってことだから。それに私は辛くないよ。私を頼りにしてくれてるってことだから嬉しい」

  • 165◆jTjAfv9SHdw323/01/02(月) 23:40:50

    私も喜んでくれたり、頼ってくれる人たちに助けられてるところあるからね。

    「だからその……ちゃんと応えられてるかがわからなくて。何か他にも出来ることってあるかな」

    〈……………〉

    考え込んじゃった。いつも自分のことみたいに付き合ってくれる。

    「……やっぱり難しいよね」

    すぐに思いつくことじゃないのはわかってるつもりだけどな。なんか焦っちゃう。

  • 166◆jTjAfv9SHdw323/01/02(月) 23:48:50

    「みんなが幸せになれる新時代。作りたいよ私」


    ルフィと誓った約束。私は忘れてないよ。


    《……出来ル》


    ———


    ・どうすれば良いのかは彼にはわからなかった。しかし、如何なる方法だったとしてもウタならば人々を幸せに出来ると感じていた。


    「……」ニッ


    〈……〉キラ


    ・ウタは微笑んだ。まるで天使のようなその歌声と笑顔に、どれだけの人が救われているだろうと彼は思った。瞳が煌めいた彼自身もその1人だ。

  • 167◆jTjAfv9SHdw323/01/02(月) 23:54:21

    「……アイツがやったような海賊の悪行に、誰も苦しまなくて良いように」

    ・この救世主の助けになれば、少しは悪夢で苦しめた人々への償いになるだろうかと彼は思った。ウタがそうするように、出来ることをやりたい。

    「……はは!な〜んか重い感じになっちゃったね!とりあえず帰ってご飯にしよ!」

    〈……〉フフ

    ・話が終わると、ウタはまたいつもの調子に戻った。ウタに合わせて彼も立ち上がる。

  • 168二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 00:00:33

    ダークライもちょっと神聖視してない?

  • 169二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 00:01:52

    >>168

    消えちゃったね…ストッパー…

  • 170◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 00:01:57

    「そうだ!歩きながら1曲歌うよ!何が聴きたいのある?」

    〈……〉ウ-ム

    ・ウタの曲は数え切れないほどある。思い浮かべようと彼が視線を移した時だった。

    〈……!〉ス----ッ

    「どうしたの?」

    ・何かがいる。彼は思わずそこへ向かった。

    「ちょっと私にも見して」ピョン

    ・ウタもそこへ飛び移る。

    「何でこんなところに?」

    〈……〉フルフル




    ・見つけたのは、映像電伝虫だった。

  • 171二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 00:02:45

    はうっ

  • 172二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 00:13:53

    1人で見るよりはマシだと思いたいけど…

  • 173二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 09:08:46

    とうとう知っちゃうか…

  • 174二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 15:25:21

    保守

  • 175◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 21:11:17

    .
    .
    「いつからいたんだろうね。映像残ってるかな?」

    「キュ-」

    ・ここに映像電伝虫を置いていくような人は来ていない……はずだ。補給船の船員のものだろうか。

    ピッ

    *ウワァアアアアアアアアアアア!!!

    ・映った映像は炎に包まれていた。悲鳴と爆発音も聞こえる。

  • 176◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 21:23:31

    〈!〉


    ・奴だ。夢にも出てくるあの怪物だ。つまりこれはエレジアが滅んだ日のものか。


    「……」


    ・記憶通り、恐ろしい姿だ。ウタも映像に釘付けになっている。


    *《出テイケ!!》


    〈……!〉


    ・彼自身が小さく映った。暴れる怪物に攻撃を浴びせているが、効いている様子は無い。

  • 177◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 21:29:44

    *うおおおおおおお!!!

    ・彼以外の立ち向かう者たちもいた。おそらくそのうちの誰かが怪物にトドメを刺したのだろう。

    〈………〉

    ・本当に悲しい出来事だ。あの夜、彼等や自分が戦ったのに、守れなかった。誰もいなくなってしまった。ウタと国王以外は。

    〈……〉コクッ

    ・そうだ、この2人が無事だっただけでも喜ばしいことだ。救世主になれるウタを未来に遺せた。それだけでも自分や彼等の抵抗には意味があったのだ。

  • 178◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 21:34:38

    〈……〉スゥ--...フゥ---...

    彼はそう思って心を落ち着けようとした。呼吸を直し、ウタに目を移そうとした時だった。

    *この映像を見ている者、聞こえるか!

    〈!〉

    *ウタという少女は危険だ!!あの子の歌声は!!世界を滅ぼす!!!《出テイケェ!!!》

    ・………何だと?

  • 179◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 21:39:17

    ———

    「フゥ..フゥ..」

    そうだ。思い出した。確かあの時……。

    *《ヤメロ!!!》

    「ハッ...ハッ...」

    戦ってる。シャンクスたちが。黒い人もいる。

    *《グァアアア!!》

    「……」チラッ

    「ッ!!」ビクッ

    〈…………〉ゴゴゴゴゴゴゴ

  • 180二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 21:47:03

    ゴードンさん助けて!

  • 181◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 21:50:24

    怖い……ネズキノコを食べた時みたいな……いやもっと……。


    「はッ……はッ……」


    落ち着かなきゃ。息を静かにしなきゃ…!


    〈………〉ギロッ


    「ひッ…!」


    目が合った。どうしよう……!!


    「あ...ソノ....」


    「ごめん....!!!」ガタッ

  • 182二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 21:55:54

    ああ…だめそう…

  • 183二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 21:56:53

    悪いのはトットムジカだから…

  • 184二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 22:01:29

    いやいっそでかい物音でゴードンさんが来て説明してくれれば…

  • 185◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 22:04:44

    〈!〉

    ダッ!!!

    「ウタ?急にどうし…」

    「何でもないから!!!」
    .
    .
    .
    「はァ……はァ……」

    逃げちゃった。何も考えられなかった。

    「うゥ……」

    黒い人、すごく怒ってた。ネズキノコを食べた時だってあんなに怒ってなかった…。

  • 186◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 22:19:16

    「……」

    いや違う。ああなって当たり前なんだ。恨まないわけがない。だってエレジアがこうなったのは私が……。

    【「そうだ、何かしようよ!好きなこととかある?」

    《……歌、音楽》】

    黒い人の好きだったエレジアを、エレジアのみんなを、エレジアの音楽を私が殺したんだ……!!

  • 187◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 22:37:58

    「……!じゃあ……シャンクスは……!」

    私が出したアレと戦ってた。エレジアを滅ぼしたのは私だからシャンクスたちは……!

    「私を庇って……」

    シャンクスなら……やる。絶対やる。友達や仲間を大切にする人だから……!なのに…!!

    【「アイツ……最初から私を利用して捨てる気だったんだ……!」】

    「何が娘よ……!!!」ポロポロ

  • 188二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 22:38:53

    あああああああああああ!!!!
    最悪の方向にいいいいいいいいいい!!!!!

  • 189◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 23:04:51

    最低だ。最悪だ。シャンクスの気持ちを考えようともしないで勝手に恨んで。黒い人に嘘を吹き込んで、恨み言を聞かせて。

    【「ほら、2人でなら恥ずかしくないでしょ?一緒にやろ!」

    

〈………〉スック】

    【「いつもありがとね。一緒に配信してくれて」

    〈……〉】

    いつもいろんなワガママに付き合ってくれたよね。ありがとう。ごめんね。私を信じてくれてたのに、最低の嘘つきで。

    「何が『みんなを幸せにしたい』よ……!」ツ---..

    こんな嘘つきの人殺しなんかが、出来るわけがない。出来ちゃいけない……!

  • 190二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:05:57

    (吐血)

  • 191二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:07:00

    あんまりだァァァァァァァ

  • 192二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:09:43

    ウタの自虐が『人殺し』から『嘘つきの人殺し』に…

  • 193二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:09:56

    これ、城にも帰れないのでは.・・・・・・

  • 194二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:10:49

    悪 化 し た

  • 195◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 23:22:07

    そろそろ次スレを建てた方が良さそうですね

  • 196◆jTjAfv9SHdw323/01/03(火) 23:41:06
  • 197二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:42:45

    立て乙

  • 198二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:45:34

    これまでの交流が酷い形で刺さってるの辛い

  • 199二次元好きの匿名さん23/01/03(火) 23:47:19

    ゴードンさん・・・せめてダークライに説明を・・・
    ウタがもどってこれるかは知らない・・・

  • 200二次元好きの匿名さん23/01/04(水) 00:35:14

    みんな幸せになってほしい

オススメ

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