トレーナーのことを恋人だと勘違いされたバンブーが

  • 1二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 00:08:03

    いつものテンションで訂正するより先にトレーナーが凄まじい勢いで全否定してきたので何か釈然としない気分になるSSが読みてぇ

  • 2二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 00:12:55

    しばしまたれよ!!!!!
    書いてくるから!!!!!
    書かせて!!!!!

  • 3二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 00:23:50

    今日はトレーナーさんとの「お出かけ」。
    『ちょっとコンディションが悪そうだからリフレッシュに行こう』
    そう言われて、アタシは気合を入れて準備していた。

    「私服ヨシ、髪ヨシ、ハチマキ…ヨシ!準備万端っス!!!」

    アタシはトレーナーさんとの待ち合わせ場所へと駆け出してゆく。
    尊敬するトレーナーさんとのお出かけ。
    アタシの心は思わず踊っていた。

    「トレーナーさん!お待たせしました!」
    『おぉ、バンブー。大丈夫、待ってないよ』
    「へへっ、そう言ってくれると安心するっス。それじゃあ…行きましょう!」
    『ああ』

    …行き先は河川敷。
    そこをただただ歩くだけ。
    けれど、その時間が心地良い。

    『おっ、バンブー!白鳥がいるぞ!』
    「えっ…ほんとっスか!?」
    『ほらあそこ!あそこだ!』
    「わぁ、ほんとだ…!いっぱいいるっス!!!」

    そんななんてことない景色を眺めるこの時間が心地良い。

  • 4二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 00:24:05

    「ねえあれ…バンブーメモリーさんじゃない!?この間URAファイナルズを勝った!」
    「わっ、ほんとだ!ねえねえ、サインもらいにいく?」

    「…ん?」
    道ゆく人がアタシの噂話をしている。
    サイン、か…
    アタシはそちらに歩み寄っていって…
    「アタシでよければ、サインくらいならするっスよ!」
    そう、声をかけた。

    「えっ、本当ですか!?」
    「うわぁやったじゃん!ねえねえどこにサインしてもらう?」
    おそらくアタシのファンであろうその人たちは、とても喜んでくれていて。
    あぁ、アタシって幸せ者だなって…しみじみ実感していたら…

    「ねえねえ、もしかして後ろにいる人って…彼氏さんですか!?」
    「…へっ?」
    急におかしなことを言われた。

  • 5二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 00:24:15

    「んなななな、何を………」
    『違いますよ』
    アタシがなにかを言う前に、トレーナーが遮ってきた。
    『自分はただのトレーナーです。決して、そう言う関係ではありません』
    「あれ、そうなんですね?」
    「まあそうだよねー。バンブーメモリーさんって、”ザ・風紀委員!”って感じだもん、そう言う付き合いはきっとしないんだよ」
    「あ…そ、そうっス!風紀委員っスから!!!」

    その人たちにサインを渡して、アタシ達は散歩に戻る。

    『いやぁ、勘違いされちゃったな…』
    「…そうっスね」
    『…どうしたんだ?バンブー』
    「…何でもないっスよ」

    なんだろう、なにか…なんだろう。
    釈然としないというか。

    あんなに心地良かった気分は何処へやら。
    今は…正体不明のこそばゆさで、いっぱいになっていた。

  • 6二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 00:24:28

    これで!!!よかっただろうか!!!!!

  • 7122/12/22(木) 00:32:26

    ありがとう
    それしか言葉が見つからない

  • 8二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 00:33:00

    俺もバンブー大好きだからこういうスレ見かけ次第爆撃してるんだ
    同志を見つけられて俺も嬉しかったよ

  • 9二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 01:28:53

    書きたいけど眠いんや…保守していいかな

  • 10二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 01:31:04

    2だけど俺以外が書いたバンブーSSも見たいから保守するよ

  • 11922/12/22(木) 12:23:01

     休日、たまには息抜きをということでバンブーメモリーと映画館に行った。
     彼女が気になっていた学園ドラマの劇場版が公開されていたので、チケットを購入し鑑賞する。
     その後は映画館に併設されているゲームセンターで対戦をしたり、激辛ラーメンの店で昼食を取ったりと、充実した時間を過ごした。
     そんなこんなで日が暮れるまで遊び尽くし、バンブーメモリーと俺は満ち足りた気持ちで帰り道を歩いていた。
    「ふぅ〜!なんだか時間があっという間に感じたっス!トレーナーさん、あの映画館また行きましょう!!!」
    「勿論!今ケンドーブレードで負け越してるし、再戦したいと思っていたんだ」
    「ふっふっふ…相手がトレーナーさんでも容赦しないっスよ?次も勝つのはアタシっス!!」
     屈託のない笑顔を見せる彼女を見ていると、自然とこちらも笑みが溢れる。
     その時、びゅうっと一陣の風が吹いた。彼女の白いハチマキが、風に揺られてふわりとたなびくのが視界の端に見えた。
     少し肌寒いなと思っていると、彼女も同じことを思ったようで、
    「寒くなってきたっスね。風邪引かないように気をつけないと……」
     と呟く。そして次の瞬間顔を歪めたかと思うと、
    「……ぶえっくしゅ!!!」
     盛大なくしゃみをした。
     無理もない。バンブーメモリーの今の服装は、この季節の黄昏時に着るには寒過ぎる。トップスこそ長袖だが、ボトムスはショートパンツだ。
    「まったく、言ってるそばから…」
     ちーんと鼻をかむ彼女に、俺は着ていた上着を肩にかけてやった。
     彼女は一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに申し訳なさそうに眉尻を下げる。
    「いやぁ、すいません。お言葉に甘えて借りちゃいますけど…大丈夫っスか?」
    「風邪引かれたら嫌だからな」
    「トレーナーさん…優しいっスね!!!ケーフクっス!!!」
    「よせよ、大したことはしてないから。それより、明日からはもっと暖かい格好をするんだぞ?」
    「ハイ!!!」
     ついでに、その谷間が見えるほど襟ぐりの開いた服は目のやり場に困るのでやめてほしい…そう思ったが、流石に言えなかった。

  • 12922/12/22(木) 12:23:46

     街を抜けた後は、河川敷を歩いていく。上着を羽織ったことで元気になったのか、バンブーメモリーはハイテンションで喋り続けていた。大袈裟な身振り手振りをして、たまに勢い余って先の方へ駆け出してしまったりして…それでも、最後には俺の隣に戻ってきた。
     落ち着きがないなと内心苦笑しながら見守っていると、道の向こうから誰かが歩み寄ってきた。
    「ん?あの人は…」
     一瞬怪訝な表情を浮かべたバンブーメモリーだったが、すぐに「あーっ!!!」と叫ぶ。そして、その人の方へと走っていった。
    「やっぱり!小学校で一緒だった…!」
    「久しぶりバンブー!良かったわ〜人違いじゃなくて」
     どうやら、小学校時代の友人の一人らしい。
    「奇遇っスね!今日はどうしたんスか?」
    「こっちの方で部活の大会があって、その帰り。真っ直ぐ帰っても良かったけど、どうせなら周りを散歩したくて…久しぶりに会えて嬉しいよ」
    「そっか〜!アタシも久々に会えて嬉しいっス!!」
     バンブーメモリーとその友人は嬉々として会話を繰り広げているが、俺は蚊帳の外だ。しかし、二人ともとても楽しそうな様子なので、水を差すような真似はできない。
    「ところで、そちらの方は?もしかして恋人とか?」
     ふいに話を振られ、思わずドキリとする。しかも、恋人に間違われるなんて…
    「えっ!?い、いえ…」
    「違います!…僕は彼女のトレーナーであって、そういう関係にはありません。有り得ませんよ」
     バンブーメモリーが続きを言うのを遮るように、慌てて否定する。思っていたよりも大きな声が出てしまい、我ながらドキリとする。
    「トレーナーさん…」
     バンブーメモリーはこちらを見てそう呟いた。その表情からは、上手く感情を読み取ることが出来なかった。
    暫く沈黙が流れたあと、バンブーメモリーの友人はこちらに謝罪してきた。
    「そ、そうなんですか…すみません、勘違いしちゃって」
    「いえ、こちらこそ誤解させてすみません…」
     お互いにペコペコ頭を下げ合う俺たちを見て、バンブーメモリーは「もういいじゃないっスか!誤解も解けたことだし!」と朗らかに言った。
     こうして、この後も少し会話を交わしたのだが、微妙な雰囲気は拭えないまま解散となった。

  • 13922/12/22(木) 12:24:27

     河川敷を抜け、住宅街に入る。ここまで来ると、学園まではもうすぐだ。
     隣のバンブーメモリーは、先程とは一転して黙りこくっている。さっきまでの明るさが嘘のように、今はすっかりしょげ返っていた。
    「…ごめん」
    「? 何がっスか?」
     顔を上げ、小首を傾げる彼女に説明する。
    「嫌だっただろ。恋人同士と間違われて」
     彼女は風紀委員だ。こんな勘違いをされては屈辱的だっただろう。距離感を見誤ってしまった結果がこれだ。トレーナーとしての自覚をより一層強く持たなければ…
    「嫌じゃないっスよ」
     バンブーメモリーはハッキリと言い切った。
    「全然嫌とかじゃないっス!付き合ってるって勘違いされたことは…なんスけど、心がずっとモヤモヤしてて…自分でも何が原因か分かんないっス…」
     懸命に言葉を紡ぐ彼女は、徐々に俯きがちになっていく。
    「バンブー…」
    「…ま、答えが出ないことをウジウジ悩んでも仕方ないっスよね!」
     ふいに彼女は明るくそう言った。その顔にはいつもの笑顔がある。だが、それはどことなく無理をしているようにも見えた。
    「トレーナーさん、改めて今日はありがとうございました!!!それと、この上着も貸してくれてありがとうございます!!!」
     バンブーメモリーは深々とお辞儀をすると、羽織っていた上着を返却してきた。
    「じゃあまた明日!!」
     彼女は自分の寮へと走っていく。励ますために何か声をかけようとするも、何も内容が思いつかない。そうこうしているうちに、彼女は建物の中へと消えてしまった。
     返してもらった上着は、彼女の体温でほんのりと熱を残していた。

     後日、バンブーメモリーの先輩たちとルームメイトから
    「ドアホ!何しとんねん!言い方っちゅうもんがあるやろ!?」
    「無粋だねぇ!あたしが根性叩き直してやろうかい!?」
    「次バンブー先輩を悲しませたらただじゃおかねーから」
    などと詰られたのは、また別の話である。

  • 14二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 12:29:40

    いいお話だった

  • 15二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 21:26:27

    いいよね… いい…

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