- 1二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 21:42:45
- 2二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 21:43:06
OKされそう
- 3二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 21:44:12
アオイ「というわけでペパー!今から告白するから、さっき言ったとおりにフって貰ってもいい?」
- 4二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 21:44:30
断ってもらったら、ちゃんと笑顔で
「困らせるようなこと言ってごめんね! これからも友達で居てね」
と相手に罪悪感を抱かせないように言わないといけない。
この練習は頭の中でもう何度も繰り返しているから、心配いらないはず。
そうしたら部屋に戻って、贅沢にもパティスリー ムクロジのケーキをひとりで二つも食べて、
顔が溶けるかもっていうくらい泣いて、多分歯磨きもせずベッドに潜り込むのだ。 - 5二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 21:45:43
次の日は目が腫れて外に出られないだろうから、学校にお休みしますって連絡して、
ナッぺ山にでも行って他の人の迷惑にならない程度に思いの丈を叫んで……、
寮に戻ったらまた泣いちゃうかもしれない。
それでもその次の日からは、胸を張ってペパーの一番の親友になってみせる。
だからペパーに振られたい。 - 6二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:01:15
――えーっと、ツッコミどころしかないし……。
うん、わかってるよ。
ペパーにはもっとこう、オーリム博士みたいに華やかで、マフィティフたちとも仲が良くて、
優しくて気遣いが出来てペパーが頑張りすぎちゃうところもちゃんとフォロー出来て……、
あっ、あと家族を大事にしてくれるような、そんな人がお似合いだと思う。
学校最強大会出てから声かけられること多くなったって言ってたし、女の子にも人気あるって
聞いたことあるし、すぐそういう人が現れるかも!
――自分で言って自分でダメージ受けるのやめてくれん?
ごめんなさい……。 - 7二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:02:46
ボタちゃんこの子をなんとかしたってよぉ
- 8二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:02:59
――正直うちはどうしてアオイがそういう考えになるのか全く! 全然!
これっぽっちも分からんけど。
――……てかネモもなんか言って。
――うーん……。やっぱりこういうことはアオイが納得するのが大切だし、
告白してみたらいいんじゃない?
――もしもフラれちゃったら、私とポケモン勝負!
――ネモい……ネモすぎる……。
わかった! フラれたらやることリストにちゃんと入れておくね。
――『フラれたらやることリスト』!? 何なんそれ……。 - 9二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:07:51
時は来た。
色々と考えた結果、学校を休むのは良くないし、ペパーに自分のせいだと思ってほしくないので
告白するのは金曜日と決めた。
お互いの部屋も嫌な思い出が残ったら困るからダメ、誰かに聞かれる恐れのある学校内はもっとダメ。 - 10二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:15:25
授業も終わった金曜の午後、わたしは静かな野原へのピクニックに彼を誘った。
パルデア地方を駆け回った自分が考えに考え抜いた、絶好の告白断られスポットである。
おそらく最後になるだろう二人だけのピクニックをめいっぱい楽しんで、わたしはわたしの好きな人を
しっかりと目に焼き付けた。
そろそろ帰るか、と立ち上がって後片付けを始めるペパーの背中に呼びかける。 - 11二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:17:59
「ペパー」
大丈夫、声は震えてない。
「なんだ?」
部屋の冷蔵庫の中には、もちろんムクロジで買ってきたケーキが二つ入っている。
つやつやと光っていた真っ赤な苺が、少しだけわたしの背中を押してくれた。
「あのね、わたし……、ペパーのことが好き」
すき。だいすきだよ。 - 12二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:21:00
大丈夫、笑う準備は出来ている。
キラキラのケーキを食べて、思い切り泣いて、いくら瞼が腫れようが気にせずに、
明日はカエデさんにとってもおいしかったですって感想を伝えに行くのだ。
コルサさんに会って、これが失恋したての人間ですよ! って題材を提供してもいい。
ナンジャモさんの配信を見学して、元気をもらってもいい。
ちょっと奮発してハイダイさんのお店でご飯を食べて、アオキさんは……、
いつも忙しそうだから捕まらないかもしれない。
ライムさんに私の失恋をぶっとばしてもらって、リップさんの新商品のコスメも思い切って
買ってみちゃったりしちゃって。
グルーシャさんは意外、って言ったら怒られるだろうけど、意外とちゃんと話を聞いてくれるから
泣いちゃいそうで危ない気がする。 - 13二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:24:41
「いきなりこんなこと言って、ごめんね」
スター団の人たちは、わたしが少しでも落ち込んでいると不思議とすぐ気付いてしまうから、
今回は顔を合わせない方がいいだろうなぁ。
そうして学校に戻って、相談に乗ってくれたボタンにありがとうって伝えて、それで最後にネモと
ポケモン勝負をする。
そうしたら、ペパーの隣に胸を張って立てる、そんな友達になれているはずだから。 - 14二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:28:09
「オレも……」
オレも?
……ペパーもネモと勝負したいのかな。きっとネモも喜ぶよ。
震える足をなんとか抑えながらそんなことを考えていると、汗ばんだ自分の手がぎゅっと
ペパーの熱い手に握られた。
びっくりして思わず顔を上げる。緑色の瞳がこちらをじっと見ている。
「オレもオマエが好きだ!」 - 15二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:30:06
……
…………
………………えっ?
「こ…こまる……!」 - 16二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:30:44
- 17二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:32:57
ヒソヒ……(感謝)
- 18二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:36:56
スレ完走まで
に げ ら れ な い !! - 19二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:50:34
予防線張りすぎて負の方向にアグレッシブなアオイちゃん可愛い
観念させるまで頑張れペパー - 20二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:51:43
結局これで全部ハッピーエンド
- 21二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:53:30
おめでとう
冷蔵庫のケーキは2人で分け合って食べてくれ - 22二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 22:57:00
- 23二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 23:01:19
おめでとう
ムクロジのケーキは二人で食べて、コルサには付き合いたてのカップルを見せにいって、ナンジャモの配信やライムさんのライブ二人で見て、おいしいものをみんなで食べて、ペパーとのデートの為にリップさんの新作化粧品買え - 24二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 23:12:44
状況も画像もシュールで草
- 25二次元好きの匿名さん22/12/22(木) 23:58:07
- 26二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 00:16:08
アラブルオッチャン
- 27二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 00:23:29
おっちゃん!!流石にそれは早いと思うよ!!こういうのはデートを重ねてって段々と仲が深まっていくのをみるといいんだ!!最初は目を合わすのすら恥ずかしかったのがゆっくりと手を繋ぐようになり、ひとつののみものを2人で飲んだり、ファーストキスもしてスキンシップに慣れてきてからと言う段階を踏むんだ!!!
- 28二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 01:11:50
ハピエン厨ぼく感涙
- 29二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:30:37
ウオー!なんてかけがえがないんだい!
- 30二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 03:01:10
素晴らしいSSで抜きました
- 31二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 05:12:47
ありがとう
このスレ見て清らかな気持ちになったので寝れる
続き待ってる - 32二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 06:44:50
なんて暖かいスレだ・・・
- 33二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 09:56:08
告白されたから自分の気持ち出したのに告白断られるペパーの心は揺れる
- 34二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 09:57:40
告白した→成功するかは相手次第
告白された→受けるかは自分次第
ペパアオの場合
ダメ元で告白した→逆に告白された→想定外で困る
な ん で ? - 35二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 12:11:54
- 36二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 12:24:08
うーんこれは自己評価が低くて真面目故に拗れるタイプ!
- 37二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 12:32:25
思春期にありがちな恋に恋する感じかな。ペパーの男の部分浴びたらパニックになりそう
- 38二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 13:40:07
おや、続きが来るぞ!
- 39二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:09:31
めちゃくちゃ良い……
- 40二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 20:45:12
ものすごく前向きに後ろ向きで笑ってしまう
いやペパー的には笑い事じゃないんだが - 41二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 21:06:46
- 42二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:12:03
困る。困っている。
どのくらい困るかというとものすごく困っている。
それとなく引っ込めようとしている手が、強い力で握られていて全然動かないのも困る。
思わず口からこぼれた言葉はペパーの耳には届かなかったのか、怪訝そうに眉を顰められただけで終わってしまった。
それでも手は放してもらえない。
ただでさえ汗ばんでいて恥ずかしいのに、余計ひどくなりそうだから本当にやめてほしい。 - 43二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:13:22
「アオイ」
ずいと更に距離を詰められる。
もうほんとにほんとにやめてほしい!
じわじわ顔が熱くなるのが分かる。耐えられなくなって下を向くと、押し殺したような小さな笑い声が聞こえた。
「耳、真っ赤だぜ」
わたしを捕まえていない方の手が、三つ編みをそっと避けて耳たぶのふちをなぞる。
言葉にならない声を上げて仰け反ると、ペパーは今度こそ大きな声で笑った。 - 44二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:14:31
「ひ、ひどい……」
「オマエがちゃんと顔見せてくれないのが悪いんだろ」
何か言わなきゃと思うのに、全然頭が回らない。
おかしい。
予定では今ごろ多少気まずいながらもピクニックは無事お開きになって、わたしは寮へ向かっているはずだったのに。
といってもペパーとは戻る場所が一緒だから、気をつかわせないよう「ちょっと近くのお店に寄ってから帰るね」って
言い出すタイミングまで考えていたのに。
何もかもがわたしの想定外だ。 - 45二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:17:12
「もう一回ちゃんと言わせてくれ。オレはアオイが好きだ。
アオイもオレとおんなじ気持ちで居てくれてるって、思っていいんだよな?」
好きな人に至近距離でこんなことを言われて、首を横に振れる人が居るんだろうか?
「……うん」
わたしはもうわけもわからぬままに頷いた。ちょっぴり泣きそうだった。
「よかった。じゃあこれからもずっと、よろしくな」
ずっとってどれくらい? ペパーは本当にわたしのこと好きだったの?
ネモやボタンは知ってたの? わたし今どうなってるの? 溶けてない?
こんらん状態のわたしに構わず、ペパーはてきぱきと慣れた手つきで片づけを終えると、
「じゃあ一緒に戻ろうぜ」と言った。
また手を繋がれる。計画は最初から完全に破綻していて、一緒に帰れない言い訳を口に出すのは難しそう
ということだけははっきりしていた。 - 46二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:19:35
「アオイはこのあとなんか予定あんのか?」
予定、やらなきゃいけなかったこと。告白して、なぜか断られなくって、寄り道も出来なくなって、それから。
「ケーキ、食べないと」
店員のお姉さんが「本日中にお召し上がりくださいね」と笑顔で渡してくれたケーキ二つ。
相変わらず働かない頭で思い出したのがそれだった。
「ケーキ? そりゃまぁ早いうち食べた方がいいだろうけどよ」
「二つあるから……」
「くいしんぼうちゃんだな?」
「えへへ、ヤケ食いしようと思って」
買ったからね、と言おうとした口を慌てて閉じる。
残念ながら全く間に合っていなかった。 - 47二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:21:33
「ヤケ食い?」
頬にじりじりとした視線を感じる。
ペパーのきれいな緑色の目は好きだけど、ちょっとだけ苦手だ。
こうやって見つめられると、ちゃんと本当のことを言わなくちゃって気持ちになる。
そもそもわたしが玉砕するつもりになったのだって、隠しごとなんかせず、この視線をまっすぐに
受け止められるような自分になりたかったからだった。 - 48二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:25:36
観念して息を吸う。
「今日はペパーに告白してフラれるつもりだったから、授業が終わってピクニックに行く前に、
急いでパティスリー ムクロジまで行って買ってきたの」
「…………オマエ」
耳にしたことのない威圧感のある低音が、隣から聞こえてきたということを吞み込むのに
少しだけ時間が掛かった。 - 49二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:27:30
「ペ、ペパー」
「なっんでそんな鈍感ちゃんなんだ!?」
ぐにぐにと遠慮なく両頬が引っ張られる。いたい。
「オマエと肩並べられるようになるまで言うつもりはなかったけど、別に隠してたわけじゃない。
オレがアオイのこと好きだって、少なくともネモとボタンは知ってたぜ」
「えっ」
「それなのになんで肝心のオマエがそうなんだよ、まったく……」
やっと解放された頬を抑えながら、わたしは呟いた。
「想定外のことが色々と起こりすぎてて……、正直何がなんだか……」 - 50二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:44:41
「あーもう!仕切りなおすぞ! ケーキ以外の用事はないな?
腹が減ってはなんとやらって言うし、オレの部屋で晩飯食っていけよ
そんでちゃんと話し合う!」
勢いに押されて頷いた。でも確かに話し合いは大切だ。
信じられないけど、もしかしたら本当にペパーはわたしのことが好きなのかもしれない。
それをちゃんと確かめてからでも、フラれたらやることリストに取り掛かるのは遅くないはずだ。
「うん、ありがたくお邪魔させてもらいます」
「じゃ、まず帰ろうぜ」
とりあえずヤケ食いは止めることにしよう。
再び前を向いたペパーに、わたしは忘れずに声を掛けた。
「部屋からケーキ持ってくるから、二人で一緒に食べようね」 - 51二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:45:52
このレスは削除されています
- 52二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 03:46:33
(つづく!)
- 53二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 10:08:59
好き…とても良い…
- 54二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 10:46:23
続ききたーーー!
ありがとうございます - 55二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 11:08:06
フォーーーー!!!!!!
いけーーーーえええええ!!! - 56二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 11:38:49
ボタン「後で軽い経緯だけ聞いたけど、ぶっちゃけそれで断られるか?てなったし、ワンチャン何もしなくてもペパーの方から告るでしょこんなんって思った」
- 57二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 13:42:39
一緒に帰らない言い訳まで考えててダメだった
実現不可能な計画ばかり立ててるアオイちゃんかわいいね… - 58二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 18:08:24
あまーーーーーい!!!!
- 59二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:09:15
(幕間)
天国から地獄、とまでは言わないが、それに近い気分ではあった。
「こ……こまる……!」
思わず、といった感じでぽつりとこぼされたアオイの言葉に、思わず眉間にしわが寄る。
握った小さな手を離さないようにしながら、じっと相手の様子を窺った。
自慢じゃないが、というか本当に自慢でもなんでもない、マフィティフを除いて独りぼっちの
子どもだった過去の影響だろう。
オレはたぶん、周囲よりも他人の感情を察知するのに長けていた。
もっと正確に言えば、それを持っている本人すら気付いていないような小さな無関心だとか、
ほんの僅かに見える迷惑そうな煩わしさだとか。
ちょっとした素振り、そらした目線、そういうものに隠し切れず滲み出る冷たい感覚。
昔からそれを見つけるのだけは得意だった。
思えば最初にアオイに誘いをかけたのも、その特技のお陰だったのだと思う。
灯台で初めて会った時も、アオイからすれば唐突に誘いをかけたあの時も、今に至るまでずっと、
困惑こそすれども、その目にオレに対する冷たいものを乗せたことは一度もなかった。
びっくりしても、嬉しそうでも、悲しそうでも、オレやマフィティフ、……それからオレの親にも、
アオイはずっと優しく寄り添ってくれていた。 - 60二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:10:45
「アオイ」
呼びかけて近付くと、アオイはぱっと俯いてしまった。
こげ茶色の髪の毛から覗く耳は、熱があるみたいに真っ赤だ。思わず笑ってしまう。
いくらオレがアオイを大切に想っていても、アオイがそうでないなら諦めがついた。
でも実際はそうじゃない。
アオイは確かにオレを好きでいてくれてるのに、心を傾けてくれているのに、手を伸ばせば届く
そんな位置まで来ておいて、やっぱりあげないだなんて意地悪すぎるんじゃないか?
赤い耳たぶをそっとなぞる。
アオイはひゃあ、ともわあ、とも表現出来ない声を出して、勢いよく顔を上げた。
大きな目は潤んでいて、今にも涙が落ちてしまいそうだ。
「ひ、ひどい……」
ひどいのはどっちだよ、と思う。
こんなヤツに望みを見せた方が悪い。
自分でも知らぬ間に、オレは笑っていた。
笑いながら大事な大事なアオイの小さな手を、もう一度強く握りなおした。 - 61二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:13:07
(なんだかクリスマスにお出しする内容でなかった気がするペパー視点)
(続きはちょっと時間が掛かりそうです)
(読んでくださる方ありがとう 感想本当嬉しいですカンシャー!) - 62二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:14:34
ゆっくり休んでください✨
これからよ良いものをカキシルセ…!!! - 63二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:14:45
- 64二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 00:56:32
小さいころから色んなもの諦めてきた子に諸々全て解決してくれた救いを手の届くところにお出ししておいて
やっぱりダメって引っ込められそうになったらまぁこうなるよね… - 65二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 01:03:54
オ、オレモスキー
- 66二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 12:55:48
ヤンデレになりそうでならないようでちょっとあやしいペパー先輩好きだ…
- 67二次元好きの匿名さん22/12/25(日) 23:05:04
保守
- 68二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 07:36:17
保守!
- 69二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 12:53:20
保守
- 70二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 22:25:32
保守
- 71二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 22:59:36
あくタイプが幼少期から身近にいるので逆になんか大丈夫そうな感じする
- 72二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 07:13:54
改めてオレとマフィティフの「巣」って明言したところに招くの重たいよな…
- 73二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 14:57:47
ペパーは闇じゃなくクソデカ激重感情だからヤンデレにはなりません(かたいいし)
- 74二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 16:33:58
- 75二次元好きの匿名さん22/12/27(火) 23:20:03
保守
- 76二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 00:59:03
保守
- 77二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 07:56:09
保守
- 78二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 18:18:23
保守
- 79二次元好きの匿名さん22/12/28(水) 22:43:52
保守
- 80二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 06:36:00
ひとまず寮の前でペパーと別れる。
夕食をご馳走になる以上わたしでも何か準備を、と申し出たが、既にペパーの部屋には昨日仕込んだシチューが
あるらしい。すごい。
手伝えることはなさそうだと素直に諦めて、ペパーに勧められた通り先にケーキを取りに戻ることにした。
すっかり歩きなれた廊下を進むわたしの後ろには、主人の指示通りついてきてくれているマフィティフも居る。
手持ちの子はきちんと連れているし、そもそも学校の敷地内で何か危険なことなんて早々あるはずもない。
そう伝えてもペパーは首を縦に振らなかった。
そこまで言われては断るのも気が引けて、こうしてマフィティフと一緒に歩いているというわけだ。
(もしかしてこれ、ある意味見張られてるのかな……)
ずっと手を放してくれなかった、ペパーの笑っているけど笑っていない目を思い出す。
その考えにたどり着いたわたしの心を読んだかのように、マフィティフが元気よく「ワフ!」と鳴いた。 - 81二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 06:39:00
部屋に入り冷蔵庫へ向かう途中、ふとベッドのそばに置いてあるバスタオルとおいしい水が目に入った。
出かける前にばっちり準備した、失恋して帰ってきてベッドでひたすら泣いて過ごしても大丈夫な装備である。
こうして見ると、数時間前の自分の想像と現在の着地点があまりにも違ってしまっていることに、なんだか改めて
驚いてしまう。
これからの目的地であるペパーの部屋だってそうだ。
告白して断られたらやっぱりもう遊びに行ったりしない方がいいのかなぁだとか、それとも友達なら気にせず今まで通り
ふるまえなきゃダメなんじゃない? だとか、色々と考えていたのに。
部屋の真ん中で立ったまま物思いに耽りそうだったわたしの思考を、「バフ!」という声が断ち切った。
マフィティフの鼻先がぐいぐいと腰のあたりを押す。
間違いない、これは確かにペパーの意思を汲んだかわいい見張り役さんだ。
わたしは彼を一撫でしてから、おとなしくよく冷えたケーキの箱を取り出して、すぐに部屋を出たのだった。 - 82二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 06:43:24
もたもたと用を済ませている間に、ペパーはすっかり食卓の準備を終えていた。
テーブルの上に並ぶほかほかのシチュー、色鮮やかなサラダや、焼き色のついたパンなどなど。
ママを見ていても思うけど、料理の得意な人はあっという間に一品を作ってしまうから本当にすごい。
ここまで送り届けてくれたマフィティフは、ペパーにひとしきり撫でられたあと、定位置で丸くなった。
わたしのポケモンたちもさっきのピクニックですっかり満腹になったようで、今はボールの中で休んでいる。
もちろんペパーの作った料理は、言うまでもなくとってもおいしかった。
引っ越してからしばらく経ったとはいえ、正直なところまだ馴染みのない料理もあるのだけど、少なくとも
ペパーのご飯が口に合わなかったことはない。
わたしがペパーを好きになった理由に、ご飯がおいしいことも含まれてたのかな、とちょっと自分を疑わしく
考えてしまうくらいだ。
口の中いっぱいに広がるしあわせに思わず頬が緩む。
だらしのない表情をまじまじと見られていることに気付いたのは、夕食が始まってから随分経ったあとのことだった。 - 83二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:05:06
「あんまり見ないで……」
「だってオマエ本当においしそうに食ってくれるからさ。ボタンにも前『アオイの食べてるとこ見すぎ』って
すごい顔で言われたことあるぜ」
全く懲りてなさそうな顔でペパーが笑う。
「ボタンに?」
「ああ。さっきも言ったけど別に隠してるつもりなかったからな。生徒会長には直接言われたし」
「直接?」
「『ペパーはアオイのこと好きなの?』って」
「ええっ!」
「さすがにオレも随分直球で来るなとは思ったけど」
「なっ、なんて答えたの……?」
「頷いたら『そっか!』って納得して、この後用事あるからポケモン勝負出来なくて残念って言いながら帰っていったぜ」 - 84二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:08:39
思わず落としそうになったスプーンを持ち直す。
「だってネモ、もしもペパーにフラれたら私とポケモン勝負! って……。
だからフラれたらやることリストの最後にちゃんと入れてて……」
「ケーキのヤケ食いもそのリストの中のひとつか?」
「う、そうです……」
「本当なんでそんな思考になるんだ? オマエ結構真面目通り過ぎて不思議ちゃんなところあるよな」
なんでそんな思考になったのか、と言われても、真剣に考えた結果こうなったのだ。
確かにわたしはペパーのことが好きだ。だけどペパーにはもっと……。
「わたしじゃなくても、ペパーにはもっと華やかで、きれいで、優しくて気遣いが出来て、
……そういう素敵な人がきっと居て」
お皿の上に置いたスプーンがかたりと音を立てる。
今まで見て見ぬふりをしていたものが、ぽろぽろとこぼれおちていく。 - 85二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:15:36
「わたしはペパーの親友だから、親友って言ってもらえたから、そうなりたいって思ったから。
恋人になれなくて、親友でもなくなっちゃったら……、困るし、悲しいよ」
温かな手に頬をぬぐわれて、そこで初めて自分が泣いていることに気付いた。
少しだけかがんだペパーと目が合う。
緑色の瞳には、マフィティフを見るような、それともまたどこか違うような、とにかく優しい光が宿っていた。
「オマエはオレの一番の親友(ダチ)だ。それは別に恋人になったって変わんねぇだろ?
……つーか変わるって言ったら怒るぜ」
「うん」
「だからその、オレはアオイが好きで、アオイもオレが好きなんだから、あとは何も問題ないだろ! それだけだ!」
「……うん!」
頬を赤くして少々乱暴に話をまとめたペパーを見て、わたしはやっと安心した気持ちで笑うことができた。 - 86二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:16:27
「ペパーの一番の恋人になれるよう、わたし頑張るね!」
「いや、親友はともかく恋人はオマエしか居ないんだから一番も何もないちゃんだろ……」
……確かにそれはそうだ。 - 87二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:19:35
続きが来てる?!
やったー!!!ありがとうございます!!!!! - 88二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:24:39
二人でケーキを食べるのも、そのあと少しだけ話したのも、わたしの部屋の前まで送られるのもあっという間だった。
今日一日で色んなことがありすぎたせいか、なんだか妙にそわそわして落ち着かない。
「送ってくれてありがとう、えっとまた明日ね! おやすみ!」
明日は土曜日だけど、昼過ぎから会う約束をしたからこの挨拶で大丈夫。
この時間なこともあって、周囲には誰も居ない。
気恥ずかしさをごまかすように声を出したわたしの視界がふっと暗くなり、こめかみのあたりにペパーの髪の毛が当たった。
他人の体温が近付く。思わず身をよじる前に、頬に唇が触れた。
「おやすみ」 - 89二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:27:11
僅かに開いた窓からは涼しい夜風が入っている。
日が落ちても絶えず人が行き交うテーブルシティのざわめきが遠くからも聞こえて、わたしはやっと我に返った。
いつの間にか出てきてくれたウェーニバルに手を引かれながら、なんとか部屋に戻っていた、らしい。
ベッドの脇に出しっぱなしになっていたおいしい水を冷蔵庫に戻したウェーニバルは、こちらを見て胸に手を当て
恭しくお辞儀をした。
優しくて賢くてちょっとお茶目でかわいい。出会った時からずっとわたしの自慢のポケモンだ。
熱いままの頬に手を当てて、ベッドに座り込む。
ペパーのことを好きになって、告白して、断られるつもりで、だからこの胸のどきどきともお別れするはずだった。
しなきゃいけないと思っていた。
でも今こうしてわたしはペパーの親友兼恋人になった、なってしまったのだ。
つまりそれはこのどきどきがもっと続いて、むしろもっとひどくなるかもしれなくて、 - 90二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:27:29
……
…………
………………そんなの、そんなのものすごく
「こ……、こまる……!!」 - 91二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:28:18
こんどこそおわり!
- 92二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 07:43:26
ときめきが止まらねえええ!!!
- 93二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 08:08:52
FOOOOOOO
- 94二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 08:44:23
ありがとう!ありがとう!
続き書いてくれてありがとう! - 95二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 09:38:25
ありがとうございます!!素晴らしかったです!!
- 96二次元好きの匿名さん22/12/29(木) 18:09:32
男側のクッソデカ激重感情に気付かないままその人のこと大好きな女の子いいよね…
- 97二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 00:54:01
ほしゅ
- 98二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 11:58:20
保守
- 99二次元好きの匿名さん22/12/30(金) 22:31:01
保守
- 100二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 06:55:34
クソデカ感情✕クソデカ感情
いいぞもっとやれ - 101二次元好きの匿名さん22/12/31(土) 16:29:20
保守
- 102二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 01:25:50
保守
- 103二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 07:51:29
保守
- 104二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 09:02:02
もうアオイにはペパーの激重感情に気付かず一生とんちきをやっていてほしい。
- 105二次元好きの匿名さん23/01/01(日) 20:40:50
ほしゅ