- 1二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:01:15
- 2二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:03:02
「2000円でボールがいくつ手に入るかだって? 2000割る200だろう簡単じゃないか……何で誰も手を挙げないんだ?」
- 3二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:05:14
- 4二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:05:34
宝探しでジム巡りに来たらみんなどんな顔して対応すれば良いんだよ……
- 5二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:05:40
本人のプライドさえ折り合いついてこのルート入れれば意外と楽しくやっていけそう
- 6二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:10:47
このレスは削除されています
- 7二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:11:48
閉鎖されたナッペ山ジム……
- 8二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:11:57
ハッサク「コルさん!!!」
コルサ「ハッさん!!!」
グルーシャ「ムサい…」 - 9二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:16:58
「ここでオヌシにクエスチョン!
ティアモ!イッヒリーベ!ディッヒ!
これらがどういう意味か ご存知か?」
「……答え サムすぎるんだけど」
「うーん グルーシャはとっても照れ屋さんだね!
バッド ドントウォーリー!
コミュニケーション 言葉にするのはベリーベリー大事!
だけど伝えるメソッド ほかにもいっぱい!
オヌシだけの『愛してる』 きっとどこかにあるわな!
ワオ!セイジ クエスチョンのアンサー バラしちゃった?」 - 10二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:17:53
- 11二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:19:21
待てトップがジムリーダー兼任はまずいのでは
主に難易度が - 12二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:20:30
グルーシャくん学生に逆戻りとか大丈夫なのかな…
他のみんなから視線に耐えられなくてどこかに逃げ出しそう - 13二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:22:59
- 14二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:23:29
- 15二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:29:21
何となく本棚に目をやってたら当時のインタビューが載った本を見つけちゃうグルーシャくん
- 16二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:33:03
- 17二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:35:34
まだスター団ある時期ってことは主人公来たばっか?ワンチャンイツメン入りできるのか
- 18二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:44:50
- 19二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:50:56
グルーシャくんがあの激ダサ制服着てるのなんか笑っちゃう
- 20二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 02:57:27
ボタンちゃんか
- 21二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 03:01:02
- 22二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 03:11:45
- 23二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 03:22:12
- 24二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 03:44:05
「転入生とカエデさんの戦いを見ていたら、なんだか不思議な気分になった。トップにそう指示されているのだから当たり前だけど、カエデさんの戦い方はぼくとまるで違う。本当はぼくと変わらないくらい強いトレーナーなのに、あんな戦い方をして疲れないのだろうか……」
「転入生の腕前は、ぼくの目線からすればまだ未熟だ。けれどカエデさんのバトルに、真っ向から食らいつくようについて行ってる。生徒会長は彼女のあの無鉄砲さを評価したのだろうか。……正直、あまり良い気はしない。ああいう風に必死で、諦めなくて、希望に満ち溢れている人ほど危険なんだ。ぼくは嫌というほどそれを知ってる」
「その後も転入生の後ろをついて、いくつかのジムを巡っていった。途中で彼女から名前を訊かれて、ようやく互いに名乗っていないことに気がついた。彼女はアオイというらしい。旅の道中でオモダカさんとすれ違って、胃のあたりが縮こまるのを感じた。ぼくがジムリーダーを休業しているという話は出なかったから、ひと安心したけれど。『宝探しは順調ですか?』と訊かれて、ぼくは何も答えられなかった。そもそもぼくは何を探せば良いのだろう?」 - 25二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 04:03:26
「あのスター団とかいう集団も、どうやら色々ワケ有りらしい。ぼくはアオイのカチコミを遠くから眺めていただけだから、詳しいことまではわからなかったけれど、スター団もスター団なりに掟というものがあるそうだ。仲間を集めて徒党を組んでいるのも、彼ら一人一人の居場所を守るための行動らしい。……ぼくは殆ど常に一人で居ることが多いから、そういうのは一生理解できなさそうだ……」
「……というか、急に現れたあのリーゼント頭のサムい格好の人、校長だったんだ。アオイに言われるまで全く気が付かなかった……」 - 26二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 04:05:56
君も気づかない枠か
- 27二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 04:22:59
「アオイのジムバッジが着々と集まってきた。生徒会長も同じことを言っていたけど、ジム巡りは半分も集め終わる前に辞めてしまう人の方が多数派だ。彼女は随分頑張っていると思う。ただ、ぼくとしてはその頑張りは頭ごなしに誉めたくないものだった。ジムバッジなんて、全部集められなければ殆ど意味を成さない上に、ジム巡りは先に進むほど難しくなるのだから。どうせ引き返すのなら、早い方が賢いんだ。それなのに彼女は引き返すような素振りを全く見せない。この先も進んでいけると無邪気に信じきっている……」
「ひでんスパイスとかいうハーブを集めるのも、スターなんとか作戦とかいう計画も、順調に進んでいるようだ。何故かアオイにお礼を言われたけど、ぼくはただ後ろをついてきているだけだ。戦いに参加しているわけでもないし、彼女をサポートしているわけでもない。けれど……悪い気はしなかった」
「次はオージャの湖に向かうらしい。危険なヌシポケモンがいるという噂らしいが、アオイはむしろ未知のポケモンに浮き足立っている様子だ。ぼくとしては……正直心配だ。何事も無ければいいのだけど……」 - 28二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 04:40:01
「湖のヌシポケモンは思っていた以上の強敵だった。アオイもその先輩も、手持ちのポケモンをみんな倒されてしまった。ぼくも二人が逃げのびるために、なんとかヌシを食い止めるくらいしかできず、三人で一番近くのポケモンセンターに駆け込んだ。アオイのポケモンが全滅してしまうのは初めてのことだ。ポケモン達に申し訳ないと思ったのか、彼女は傷ついている様子だった。だから無茶なんてするべきじゃないのに……ぼくがそう言おうとする前に、先輩が『大丈夫だから、また今度頑張ろうぜ』と声をかけた。この人も見かけによらず前向きらしい。なんだか、ぼくの周囲にはそういう人が多いみたいだ。……もしかして、ぼくのほうがおかしいのだろうか?」
- 29二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 04:46:36
パープルの方なら寒色で統一されて似合うかもしれん
- 30二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 04:52:19
「アオイはあのヌシポケモンの討伐を諦めていないらしい。一先ず先にジムバッジを集めて、力をつけてからもう一度オージャの湖へ向かうのだと意気込んでいた。……そうして旅を続けていたら、気づけば残すジムバッジはあと一つになっていた。ナッペ山ジムの、こおりのジムバッジ。……オモダカさん、クレベース一体でジムを切り盛りしているらしいって聞いたけど……本当なのだろうか……」
- 31二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 05:32:19
「オモダカさんは、本当にクレベース一体でジムを守っていた。そしてその上で強かった。アオイは手持ちのポケモンを何体も交代させて、ようやく勝利を掴んだが、その表情は浮かない様子だった」
「オモダカさん。わたし、このジムの本当のジムリーダーと戦いたいです!」
「彼女の言葉に、ぼくは背筋に寒気が走るのを感じた。トップチャンピオンがジムリーダーを兼業しているなんて、流石におかしいとわかったのだろう。オモダカさんは頷くと、ぼくの目を見て『やれそうですか』とだけ答えた。アオイはオモダカさんの視線と意図に気づくと、『えっ!』と声をあげた。そりゃ、同級生がジムリーダーだったなんて思うまい。ぼくは頷いた。頷くしかなかった。ぼくにはもう、ジムリーダーという立場しか残されていないのだから」
すみません思ってたより長くなってしまったので一旦寝ます!ていうか一発ネタスレのつもりで立てたのに気づいたら長編SSスレになってて申し訳ない - 32二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 07:10:50
- 33二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 07:23:20
- 34二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 07:25:02
おつおつ
楽しみにしてます - 35二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 09:11:37
拙者、最初から味方にいたNPCがラスボス展開大好き侍で候。大変好み故このスレを保守させていただく
- 36二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 12:48:39
シフト休みなのを良い事にめっちゃ寝てました再開します
「アオイには悪いけど、今まで一緒に旅をしてきたからって手を抜くつもりは一切ない。ポケモンを回復させてから、ぼく達はバトルコートで向き合った。トップが見ている前で負けるわけにはいかない。緊張しているのだろうか、それとも武者振るいというやつだろうか。自分でもわからない気持ちで手が震えていた。呼吸を整えようと大きく息を吸うと、ナッペ山の冷たい空気で胸の中が満たされていく。心がだんだん冷えていくのを感じる」 - 37二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 13:04:53
来た!帰って来た!
- 38二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 13:16:25
シュウメイどの!?保守ありがとう!
「アオイの手持ちはこおりタイプに不利なポケモンが多い。彼女曰く可愛いポケモン……もとい、好きなポケモンを連れていたから、バトルのバランスはあまり考えていなかったらしい。ぼくの背中を押しているつもりなのだろうか、コート上には雪が降り始めていた。文字通り、追い風が吹いている」
「……結果は辛勝といったところだ。くさタイプのニャローテやじめんタイプのドオーで、アオイはよく頑張ったと思う。雪が降っていなかったらぼくが負けていたかもしれない。ポケモンセンターへと駆けていく彼女の背を見ながら、ぼくはため息をついた。……負けたくないなんて、ジムリーダーらしくない戦い方をしてしまった。振り返ると、オモダカさんの表情が僅かに曇っているように見えた。ぼくは慌てて目を逸らした」
「戻ってきたアオイは、負けたのに何故か笑っていた。どうしてか尋ねると『目標がまた一つ増えたから、楽しいんだ』と答えた。ぼくに一度負けたくらいで諦める気は無いらしい。……アオイはとにかくやる事が多い。図鑑を完成させたいと言ってやたらポケモンを捕まえるし、ジム巡りだけでなくスパイス集めやらスターなんとかやら、色々行ったり来たりしてばかりだ。……彼女が探している宝物は一体何なんだろう?」
- 39二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 13:46:39
「アオイ。そんなに頑張って、あんたは一体何を探しているんだ?」
「えっ? ……なんだろう? わかんないや!」
「……思っていなかった答えが返ってきて、ぼくは呆気に取られてしまった。彼女も宝探しで何をすれば良いかわかっていなかったらしい。だから目の前にある出来そうなことは、全部やらないと気が済まないのだという。アオイはオモダカさんには勝ったけれど、ぼくには負けたからと言ってバッジを受け取らなかった。そしてぼくに向けて『絶対勝つからもう少しだけ待ってて!』とまた笑った。よくそんなに笑ってばかりいられるな、と彼女の前向きさにぼくは呆れた」
「ぼく達は揃ってナッペ山を後にした。オモダカさんは『激務には慣れていますので安心してください』と微笑んでいたが、その笑顔はぼくには少し恐ろしく感じた。どうやらまだジムリーダーには帰してもらえないらしい。アオイのやりたい事はまだまだ沢山残っているというので、行く宛のないぼくはまた彼女の後ろについて行くことにした」
「道中で生徒会長に会った。生徒会長はアオイが着々と力をつけていることに喜びを感じているようだった。確かに彼女は強くなっている。いくら冷たい現実に打ちひしがれようと、アオイはむしろそんな時こそ楽しそうに笑っている。……少しだけ、彼女が羨ましいと思ってしまった」
「生徒会長とアオイは何度目かわからないバトルを交わした。学校でも二人は幾度も戦っていた。二人共よく飽きないものだ。そして生徒会長は何故かぼくにもバトルを挑んできた。しかもアオイと戦っている時よりも、明らかに強いポケモンを使われた。もちろんぼくは負けた。なんだか理不尽だ……」 - 40二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 14:18:54
「後期の授業が受けられるようになったと聞いて、ぼくらは一度アカデミーへと戻ることにした。簡単だと思っていた言語学の授業が一番難しくなっていた。ピカチュウの鳴き声なんてどれも一緒じゃないか……。アオイは期末テストの問題も全て正解できたらしい。ポケモンの言葉がわかるから、そんなにポケモン達と仲が良いのだろうか。……美術の授業ではコルサさんと出くわした。特に何も言われなかったけど、正直すごく気まずかった」
「授業で教わった事を早速活かしたいとアオイが言うので、気は乗らないが久々にピクニックをやってみた。ハルクジラは体が大きいから洗うのが大変だ。頭の上はぼくの手が届かないので、申し訳ないけど自分で洗ってもらった。アオイは相変わらずサンドイッチを作るのが下手で、何故か上のパンを挟むとき、勢いよく落としてしまう。具材が毎回パンの衝撃で崩れてしまうので、『いっそ上のパンは無くても良いんじゃないか』と提案すると、彼女は何を思ったのかパンを投げ捨ててしまった。アオイのモトトカゲが落ちる間際で食べてくれたから良かったものの、食べ物が勿体ない……」 - 41二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 14:38:38
「ぼく達は他のヌシポケモンの討伐やスター団へのカチコミを経て、更に力をつけていった。当面の目標は、以前敗北したオージャの湖のヌシポケモンだ。あのヘイラッシャは相当強かったが、今のアオイとマスカーニャ達ならじゅうぶん戦えるだろう」
「ヌシが二体も居たことには驚いたが、アオイと先輩はどちらもあっけなく倒してしまった。それは彼女達がそれだけ強くなったということだろう。ぼくは出る幕も無かったが、最後のスパイスだから記念にと言われ、少しだけ先輩のサンドイッチをご馳走になった。……アオイには悪いけど、先輩が作ったサンドイッチの方が美味しかった。記念撮影も誘われたけど、そっちは丁重に断った」 - 42二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 15:25:04
「最後のスター団、チーム・カーフを倒したアオイは、カシオペアという人物から夜のアカデミーへ来るよう指示された。スターなんとかとやらはぼくには関係のない話だが、他にやる事があるわけでもないのでぼくも同行する。アカデミーに着くと、ネルケ……もとい校長が、自分こそがカシオペアであると明かした。ネルケとカシオペアの会話は予め録音した音声を上手いこと使っていたのだと言われ、ぼくは一瞬感心しかけたが、『そんなわけないでしょ』というアオイの一言で我に帰った。校長は、本物のカシオペアを庇っているだけだった」
「カシオペアの正体はボタンという生徒だった。旅の途中でも彼女は補給班として何度か顔を合わせていたが、ぼくとしては“宅配サービスの使い方を教えてくれた人”の認識だった。ぼくが明らかに校内で浮いているように見えたので、気を遣ってくれたらしい。アカデミーでのぼくはそんなに浮いているように見えたのか……と少しショックを受けた」
「すっかり強くなったアオイはボタンとの勝負に打ち勝つと、彼女がスター団の結成と、そして解散を決意するに至った経緯を聞いた。アカデミーでかつていじめが横行していたという事実……ぼくも入学がもう少し早かったら、と思うとぞっとする。それと同時に、他人のことを……仲間のことをここまで真剣に思いやり合える彼らのことが、眩しく見えた。一方、ぼくの方はというと……ずっと自分のことばかりで必死だったじゃないか」 - 43二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 15:33:21
- 44二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 15:35:28
- 45二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 15:48:04
「ぼくとアオイは、再びナッペ山のジムへと向かっていた。彼女はチャンピオンリーグに挑むため、最後のジムバッジを手に入れなければならない。ぼくの気持ちは僅かに揺らいでいた。ここでぼくが負ければ、彼女はこのまま夢を叶えられるのだろうか?……そんなことを思いかけて、首を横に振った。ジムバッジはあくまでも、リーグへの挑戦権だ。そこがゴールではない。彼女の行く先を本当に想うのなら、むしろ手を抜くわけにはいかないのだ。酷かもしれないが、ぼくはジムリーダーとして、あくまでも冷たくあり続けないといけない……。握った拳は、指先がひどく冷えていた。手袋を着けるのを忘れていた」
- 46二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 15:50:58
クールなくせに校長に騙されたおすグルーシャくん可愛い
- 47二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 16:40:41
これはいいボーイミーツガール
- 48二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 16:56:50
「……負けた。アオイだけじゃなくて、ぼくの方だって、前戦ったときより強くなっていたはずなのに。少しも手を抜かなかったはずなのに。アオイはぼくを遥かに上回って強くなっていた。……だけど不思議だ。負けて悔しいと思う気持ちはあるはずなのに、同時に少しだけ嬉しいと感じている自分もいた。もしかしたら、生徒会長もこんな気持ちでアオイと戦っていたのかな。彼女はどこまで強くなれるんだろう。ふと吐いたため息が、ぼくの目の前をまっしろにした。いつの間にか、息切れするくらい熱くなっていた自分に気がついた」
「オモダカさんが、何故かジムバッジをぼくの方へと差し出した。一瞬戸惑ったけれど、『貴方の手で渡して下さい』という言葉でようやく理解した。ぼくはオモダカさんに頭を下げてから、アオイへと向き合った」
「アオイ、おめでとう。それから……ありがとう」
「こちらこそ……あれ? わたしお礼言われるようなことしたっけ?」
「宝探し、手伝ってもらったから」
「そうだっけ……? あっ、じゃあ宝物、見つかったんだ?」
「ぼくは頷いた。ぼくなりに、たった今見つけたばかりの宝物だ。『何なの? 教えて?』と聞かれたけれど、それは言葉で表現しづらいものだし、その上口に出すのはちょっぴり恥ずかしい気持ちだった。宝物のことを話す代わりに、ぼくはジムバッジをアオイに手渡した」 - 49二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:13:04
「あんたの宝物はまだ見つかってないんだろ? ……今更かもしれないけど、ジムバッジ八個あれば、どんなポケモンもいうこと聞くから。それからわざマシンも、アオイの宝探しに役立つはずだよ」
「アオイは八つ揃ったジムバッジを並べると、感嘆の声をあげて目を輝かせた。全く、これからチャンピオンリーグに挑むはずなのに、気が抜けるのが早すぎる。『先輩と生徒会長、待たせてるんだろ。早く行きなよ』ぼくが急かすと、アオイはようやく我に帰ったのか慌てて下山の支度を始めた。雪山なんかで焦ると碌なことがないぞ、と叱りたかったけど、まああのやけに大きくて丈夫なモトトカゲが一緒なら、大丈夫かな」 - 50二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:41:48
「じゃあねグルーシャ! わたし、宝物見つけたらまた来るから! そしたらグルーシャの宝物も教えてね!」
「またね、アオイ。ぼくの宝物は教えないけど、またおいで」
「手を振りながら、アオイはモトトカゲに飛び乗った。『ちゃんと前向かないと危ないぞ!』思わず大きな声を出すと、『大丈夫だよ!』という返事が遠ざかっていった。別れの挨拶がコレって、なんだか拍子抜けするな……」
「さて、私もようやく兼業から一つ解放されますね」
「うっ……すみません、トップ……」
「大丈夫ですよ。この度の分は、今後の良い働きという形で返して頂ければ」
「オモダカさんの笑顔が恐ろしい。ただでさえここはサムいのに。けれどプレッシャーをかけられるということは、それだけ期待されていると受け取るべきだ。ぼくは何とかそう考えて自分を奮い立たせた」
「ふと目を逸らすと、バトルコートの向こうの空を、アオイのモトトカゲがゆっくりと滑空していくのが見えた。今日が晴天で良かった。流石に向こうからこっちの姿は見えないだろうけど、ぼくは精一杯大きく腕を振った。
──良い旅を!」
おわり - 51二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:43:42
よい旅を!
おつでした! - 52二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:45:37
読後感が爽快だ…良かったです!
- 53二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:47:09
せいしゅーーーーーん!!!!!!!!
- 54二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:47:49
というわけで終わりました!長くて失礼しました!
最初は突発ネタスレのつもりで立てちゃったのでSS慣れしていなく、文章読みづらくて申し訳ないです!
あと深く考えずに書いたので突っ込みどころがかなり多いんですけど、お手柔らかにお願いします…
色々しんどいこともあるけどちょっと見る世界を変えたらなんか変わることもあるよね的な話のつもりでしたボン・ボヤージュ! - 55二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:50:58
出会えてよかったねぇ…
次はチャンピオンとしての視察だねぇ… - 56二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 17:53:10
このグルーシャくんは比較的視察時も爽やかでいられそう 何かしら答え見つけられたっぽいし
- 57二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:00:36
いいお話でした
このグルーシャくんは人生に新しいなにかを見つけられたようで何より - 58二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:06:41
- 59二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:14:01
ペパー「秒で来た生徒会長と、秒で来たボタンと」
ペパー「ワンダーフォーゲル部に山の危険性について話してた所に声を掛けたら秒で来たグルーシャだ」
「どうも」 - 60二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:14:16
ってなるやつ
- 61二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:19:29
「子供たちだけで未整備の未踏遅滞へ・・・!?」って顔面蒼白してそう
- 62二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:31:19
- 63二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 18:56:33
家族との感動の再会シーン好き
- 64二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:34:28
ミラコラとアカデミーどっちにするか迷った結果そういうぼかし方になってしまったんだ…
- 65二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 09:13:26
5人で突入するザ・ホームウェイか