- 1二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:13:20
- 2二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:14:25
今いるの虚園でいいの?
- 3二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:14:26
もうヴァストローデ目指すしかねーな
- 4二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:14:38
成長する以外に道は無し。
- 5二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:14:53
成ろうぜ、王
- 6二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:14:59
オマエが虚圏の“柱”になれ
- 7二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:15:08
とりあえずスタークの近くには行かないようにしようぜ
- 8二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:16:17
時代次第じゃイケイケ時代のバラガン、已己巳己巴が存在する魔境の可能性もある
- 9二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:18:46
虚無の日々だった
ただひたすらになにかを食むだけの日々
尽きぬ食欲に突き動かされ、ただひたすらに食んでいた
どれだけ喰らっただろう。どれだけの時が流れたのだろう。
そして
そして
そして
ある日、ソレは空を見上げた
初めて目にする月に照らされた夜空を
その日、ソレは意思を持ち、彼はアジューカスへと進化した - 10二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:20:09
モチーフ何だろう?
- 11二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:20:38
こわ~下手にうろつけないじゃん。
- 12二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:21:37
彼って事は男性タイプか
- 13二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:22:07
始まったな、“物語”がよ……!
- 14二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:22:17
バラガン が あらわれた
バラガン は ようすをうかがっている - 15二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:24:20
あの時代の虚圏ヤバすぎ問題……
若バラガンと大怪獣已己巳己巴とか軽く逝ける - 16二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:29:28
仕方ねえ集めるか!霊王パーツ
- 17二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:29:35
アジューカスに進化した彼は己の姿を確認する
二足歩行の獣の姿だった。全身を黒い毛に覆われた狒々のような姿だった
己の姿を把握し、そして彼は絶望した
彼には『前世』の記憶が残っていた
「……会いたい」
会いたい
彼に会いたい
衝動に突き動かされるまま、彼は歩き始めた - 18二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:31:18
大虚なのに生前の記憶があるのか・・・⁉
- 19二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:31:52
ヒヒかぁ
なんかバグってそうだけどバグはよく有ることだな - 20二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:36:50
どれだけ歩いただろうか
どれだけ歩いても、この世界はどこまでも広かった
会いたいと願う程に、彼の心はすり減ってゆく
すり減るほどに、彼は他の虚を食い続けた
ギリアンだったころと違い、虚を喰らうことが堪らなく苦しかった
痛い、助けてくれ、死にたくない
悲鳴が、叫びが、声が、どこまでもどこまでも耳にこびりついて離れない
食べたくなかった
だが気付けば、彼の手は虚の血で汚れていた
恐怖が、本能が、彼の理性を掻き消し、飢えを満たした
いっその事、自ら命を断とうと何度も何度も考え、実行しようとした
でも、記憶が、たった一つの思いがそれを邪魔するのだ
会いたいと願ったその人が、その想いが彼を蝕んでゆく
「会いたい……会いたい……会い、たい?」
………………なんで? - 21二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:37:43
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:40:41
三界に分かれた直後の世代だから原初世界の魂が残ってたりしたのだろうか
- 23二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:42:13
狒々型の虚で何となくヤミーが思い浮かんだ、最後下半身けむくじゃらだったし
- 24二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:46:36
その日、彼は必死に走っていた。
いや、逃げていた。逃走だ。
「ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、ハ……ッ!」
アレはヤバい。本当にヤバい。
記憶に蝕まれながら当てもなく彷徨っていた彼の前に現れたのは彼よりも遥かに小さな虚だった。
大きさは人間と同程度。見た目は黒いローブを纏った骸骨のような姿だった。
だが、その霊圧は今まで出会ったどの虚よりも強大であった。
戦うという選択肢は最初からなかった。
彼は逃げた。
「――――滑稽」
その言葉を最後に、彼は意識を失った - 25二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:51:08
虚圏の神は例外を除いてアジェーカスじゃ無理だ勝てるわけがない
- 26二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:54:24
目覚めると、彼は白砂の上で空を見上げていた。
「…………え?」
思わずそう呟く。
生きていた。
何故生きているのだろう?
あの虚が見逃してくれたのだろうか?
いや、そんなはずはない。
意識を失う直前、彼はあの虚の黒い『何か』を受けていた。
それを受けた瞬間、彼の腕はボロボロと崩れ、朽ち果てていった。
それは瞬く間に全身に広がり、そして滅びた――――はずだった。
腕もちゃんとある。それどころか傷一つない。
一体どういう事なのか?
そこで彼はふと、気付く。
見上げた虚圏の夜空
それは彼がアジューカスへと進化した日に見たソレと全く同じであった - 27二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 22:56:42
タイムリープ系?
次は分裂前のスタークかザエルアポロ行こうぜ - 28二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:15:08
彼は再び歩きはじめた。
何故自分が生きているかは分からないが、生きているのであれば問題ない
あの虚には二度と近づかないと彼は心に決めた。
そして歩いて、何度か襲ってきた虚と戦い、彼は気付いた。
「……弱くなってる?」
あの骸骨の虚と戦った時と比べて、自分はかなり弱くなっていた。
いや、それは正確ではない。どちらかと言えば、強くなる前の、幾百の虚を喰らう前の己の力に戻ったような感じだ
「……体を再生する時に力をかなり使ったのか?」
あれだけの傷だ。相当な霊力を消費したのかもしれない。
弱くなったが、それでも彼は気にしなかった。生きているのだからそれでいい。
再び彼は歩いた。
あの虚が居るであろう方向とは別の方向へと。
歩いて、歩いて、歩いて、また別の虚やアジューカスに襲われて、それでも勝ち抜いて。
歩いて、歩いて、歩いて。
その日、彼はまた別の虚に出会った
それは今まで出会ったどの虚よりも巨大な虚だった。
「バラガンガ、差シ向ケタ刺客カ?随分ト力ヲ付ケタ中級大虚ノヨウダガ我ニ敵ウト思ッタカ?」
バラガンとは誰の事だろうか?
というか誤解だ。自分はバラガンなんて知らない。戦う気もない。
そう伝えようとしたが、もう遅かった。
「絶望ト共ニソノ身ニ刻メ。我ガ名ハ――」
そして彼の意識は暗転した。 - 29二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:19:58
本来の名前がある時の??????さんじゃ無いか!
虚圏のヤベー奴をコンプしつつある
かなりコイツ古い世代だな
最低でもイコミキドモエ封印前 - 30二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:28:42
目覚めると、彼は白砂の上で空を見上げていた。
「…………」
おかしい。今度こそ、彼は死んだはずだ。
それでも彼は生きている。
何故?どうして?
彼の疑問は、虚圏の空に浮かんでいた。
また同じ光景だ。あの時、彼がアジューカスに進化したあの時と全く同じ。
「……時が戻っている?」
あり得ない、と思いつつも、頭の中ではどこか納得していた。
あの骸骨のような虚の一撃も、あの巨大な虚の虚閃も、どちらも自分が耐えれる攻撃ではなかったのだから。
死んだ時の感覚を思い出し、彼は震えた。
「嫌だ、嫌だ、嫌だ……」
死にたくない。死にたくない。死にたくない。
彼は走った。
どこまでも、どこまでも。死の恐怖に突き動かされて。
「助けて……誰か……誰か、助けて……助けてよ、■■■■……!」
咄嗟に彼の口から出た名前。
それは果たして誰の名前だったのだろう。
塗りつぶされたその名前を、彼は再び唱える事が出来なかった。 - 31二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:30:33
『転生したらメノスだった件』、なんとなく勢いで書きなぐってしまったが良かったのだろうか……?
- 32二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:33:12
凄い楽しんでるよ
素敵なssをありがとう - 33二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:38:05
面白いぜ
楽しく読んでますとも
この転生メノス知らないうちに分裂前スタークに近づいて潰れてそう - 34二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:43:51
それは遥かな昔、今よりもずっとずっと昔の時代。
彼がまだ虚となり、アジューカスになる前のただの人間の魂魄であった頃の記憶。
「――駄目だ。どうして君が犠牲にならなければいけないんだ……どうして?」
彼は泣いていた。
彼の前には一人の男が居た。
彼の親友だった男だ。
魂魄が漂い、停滞し、だがゆっくりと確実に破滅に向かう世界で、その在り方を良しとしなかった男だ。
世界の在り方を変える。
彼の友はそう主張し、そしてその為の礎となった。
彼の友の名を、彼はもう思い出せない。
四肢をもがれ、臓腑を切り分けられ、それでも世界の為に犠牲になったただ一人の友の名を。
―ー会いたい。
――会いたい。
そう願った男は、因果の鎖に囚われ、やがてその身を虚に堕とす。
隔絶した自我が、焦がれる程の衝動が、虚に堕ちてなお、消える事は無かった。
「…………彼に、会いたいんだ」
それは名も知らぬ一人の男の物語。
名前の消えたただ一人の友を求め、彷徨う彼の物語。
彼の願いが叶うのかは、彼が彼の友と出会えるかは、まだ誰にも分からない。
繰り返す時の流れと共に。 - 35二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:50:04
とりあえず今日はここまで
勢いで書きなぐったお話に付き合ってくれてありがとうございました! - 36二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:52:30
リハビリがてらに書いたお話だったので色々拙い部分はあるけど大目に見て下さい……
- 37二次元好きの匿名さん22/12/23(金) 23:55:18
乙です
超古代虚圏は即死ボスが徘徊してる地獄だと再認識したわ。ちょっと強いアジェーカスじゃダメなんですね(普通のヴァストローデでもキツイと思うが) - 38二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 09:26:55
哀しくもカッコいいボス来たな……!
- 39二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 12:46:38
何度も何度も死んだ。
やり直す度に、力を付ける度に、彼は強大な壁にぶつかり、そして死んだ。
虚圏は地獄だ。
虚を襲わなければどうしようもない程の飢えに襲われ、力を付ければ更に巨大な虚に殺される。
バラガンや他の虚を恐れて現世や、尸魂界なる別の世界へ逃げた事もあった。
だがそこで待っていたのは更なる迫害だった。
死神と呼ばれる虚を狩る存在と、滅却師と呼ばれる虚を殺す存在。
どこへ逃げようとも、彼は殺された。何度も、何度でも。
―ー虚という存在に救いはない。
「じゃあ、どうすればいいんだ……?」
彼は生と死の狭間で何度も、何度も考えた。
どうすればこのループから抜け出せるのか?
どうすれば、彼が会いたいと願う存在に会えるのか?
いや、そもそもそれは『誰』だったのか?
顔も、声も、姿も、何も思い出せないのに、会う意味などあるのか?
分からない、分からない、分からない。
そして何千回目かのやり直しで、彼は珍しく長く生きながらえていた。
その生で、彼はある噂を耳にする。
――あの巨大な虚が尸魂界へ向かい、そして空へ昇り封印された、と…… - 40二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 13:02:12
「……空の上には何があるのか?」
何度も何度も虚圏で見上げた夜の空。
その果てに、何があるのかと考えた事など無かった。
だが、自分がやり直す時に、最初に見るのはいつだって空だった。
―ーひょっとしたら、空の上に自分が求める何かがあるのではないか?
彼はそう考えた。
彼は少しずつ情報を集めた。
時にはバラガンの配下となり、時にはあの巨大な虚に付き従って、興味のない覇権争いに付き合いながら。
少しずつ、少しずつ、尸魂界の、空の上に在るモノの情報を集めた。
何度も、何度も死神に、滅却師に、虚に殺されながら、それでもやり直した。
他の中級大虚が特殊な能力を持つように、多分この『やり直し』が自分の能力なのだろう。
そして何億回目かのループで、遂にあの巨大な虚が天に登る瞬間に立ち会う事が出来た。
「こりゃまた随分とデカくなったのぅ」
圧倒的であったはずの巨大な虚は、更に圧倒的な力によって存在を変えられ、一本の刀に成り下がった。
「あ……」
そして彼は初めて、いや『久方ぶり』にその存在に会った。
「ん? もう一体、おったんか? 随分と小さな中級大虚じゃのぅ
面にヒビも入っておるし。妙な霊圧をしとるし……何者じゃ?」
兵主部一兵衛。
彼が会いたいと願う男の友であった存在に。 - 41二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 13:05:15
漸くここまで来たか……
成り立ち的にも虚圏が成立した直後ぐらいには生まれてるよなこのメノス - 42二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 13:15:46
その瞬間、色あせていた記憶が戻った。
ああ、そうだ。そうであった。
会いたいと、何度も何度も願ったその男の名を、顔を。
彼はようやく思い出した。
目の前の存在が、彼の友をどうしたのかを。
だが本来なら憎くてしょうがない敵を前にして、不思議と彼は穏やかであった。
「……頼みが、あります」
「うん……?」
霊王に会わせて欲しい。
彼の願いは、あっさりと叶えられた。
本来なら虚など足を踏み入れる事すら出来ない神域で、彼はようやく友であった存在と再会を果たす。
かつて友であった存在を見て、彼が何を思ったのかは分からない。
何故、敵である筈の和尚が、あっさりと彼の願いを聞いてくれたのかも分からない。
泣き崩れ、許しを乞うように、彼はただかつての友の前で叫び続けた。
狒々を思わせる仮面が剥がれ、黒い体毛は抜け落ち、泥のように体が溶けてゆく。
残されたのはただ一人の男の魂魄であった。
彼はゆっくりと友の亡骸へと手を伸ばし――――そして塵となって消えた。 - 43二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 13:26:41
静寂に満ちた霊王の間。
そこにもう一人の人物がやってくる。
『刀神』二枚屋王悦だ。
「おや? あの虚はどうしたんdai和尚?」
「ん? ああ、塵となって消えたよ。核に魂魄がもうボロボロじゃったからのぅ」
「……oh、そりゃまた……」
やり直しの代償は彼の魂魄だ。
彼はやり直す度に、少しずつ己の魂魄を削り、そしてそれを他の虚で無理やり補っていただけ。
既に魂魄はボロボロの限界に達していた。
「霊王様の知り合いだったようじゃが、果たして誰だったのかのぅ……」
何せもう100万年以上も前の話だ。
和尚ですら、覚えていない存在も多い。
「じゃが、久方ぶりに目を覚ましたところを見るに、お主だけは覚えておった様じゃのぅ霊王様よ」
こうして誰も知らない彼の物語は幕を閉じる。
本来の物語には決して交わらない、彼だけの物語が。
――転生したらメノスだった件―ー - 44二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 13:28:46
という訳で、かなり駆け足になってしまいましたが、一先ずこれで終了です
卯の花さんや山爺との邂逅とかいろいろ考えてたけど、絶対書ききれないと思ったからやめました
ただ思いつくままに書きなぐっただけ駄文でしたが、読んで頂き感謝です! - 45二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 14:39:19
乙!
虚に転生するほど、想ってたんやなって…… - 46二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 15:34:30
お辛い…
- 47二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 18:02:37
お辛いお話は嫌いですか?
- 48二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 21:58:10
乙!めっちゃ楽しんで読ませてもらいました
あの…続きとか救いとかって…… - 49二次元好きの匿名さん22/12/24(土) 22:15:00
最後に友に出会えたからハッピーエンドだな!