- 1二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 16:56:54
(キャラソンを元にしているため現行のキャラとのズレ有)
クラシックの頂点を決める祭典とも言えるレース
_____”日本ダービー”。
その日が、近づいてきていた。
「ダアアアアアアアアビイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!!」
いつものように元気な声でそのレースの名前を叫びながら駆けていく彼女。
自分の担当、ウイニングチケットだ。
『チケット、そこまで!いいタイムが出たぞ!』
「ほんとっ!?やったあああああ!!!!!これもトレーナーさんの指導のおかげで…!」
『いや、俺は何もしてないよ………』
実際、ほぼ何もしていない。
彼女はライバルと切磋琢磨して自分が見ていないところでも成長してゆく。
正直、自分が必要なのか悩むレベルで、彼女は友人とのつながりが深い… - 2二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 16:57:21
「…トレーナーさん?」
『あ、あぁ…なんでもないよ。…強くなったな、チケット』
「もちろん!…負けたくない相手が、すぐ近くにいるから」
『…そうか』
「うん!…だから見てて、トレーナーさん」
そう言うと彼女の目が変わった気がした。
「負けるアタシだろうと、勝利するアタシだろうと!トレーナーさんは、アタシを見てて欲しい!」
『…当たり前だよ。だって俺は、チケットのトレーナーだ』
「…ありがとっ!トレーナーさん!」
…その時の声は。
普段の元気な彼女の声とは少しだけ、少しだけ違ったように聞こえた。
気のせいかも、しれないが。 - 3二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 16:57:32
日本ダービー、本番にて。
(…ねえトレーナーさん。見てるよね?約束したもんね。アタシを見ててくれるって)
ウイニングチケットは、走っている。
(不思議だよね。レースは自分で走るものなのに)
その足取りは軽く、軽く。
まるで跳ねるようで。飛ぶようで。
(トレーナーさんに、背中を押されている気がするんだ!)
終盤、ラストスパート。
ウイニングチケットは力の限り加速する。
(だから見てて、トレーナーさん!!!)
あの日の涙も糧にして。
いつか見た輝きへ。
(………アタシの、姿を!!!!!)
「悲願のダービー制覇っ!!!ウイニングチケット決めました!!!」
駆け抜けた、彼女が。
「___日本ダービーを獲ったウイニングチケットです!!!!!」 - 4二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 16:57:43
すごい。まだふわふわしてる。アタシ、勝ったんだ。ってことは………
思わず観客席を眺める。
大勢の歓声。
でも、アタシは今はただ1つの声を探していた。
………あぁ、いた。
トレーナーさんだ。
涙を、流している。
そうだよ。アタシはそれが見たかった。
トレーナーさんの涙が溢れる瞬間を。アタシだけが見たかった。
………アタシのダービーで泣いてくれるトレーナーさんが居て、アタシは幸せ者だなぁ。
……………なんて。
これは、この感情は”罪”なのかな。 - 5二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 16:58:04
おしまいです
チケットのキャラソンとても良かったので是非聴いてみてください - 6二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 18:00:35
キャラソンからSS書けるのは普通にすごい
歌詞とか見てもすごくあってて良いSSだった - 7二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 19:45:38
- 8二次元好きの匿名さん22/12/26(月) 19:46:55
winning melody いいよね……